照明構造
【課題】建物の壁や天井に設置可能であり、見栄えの低下を低減することができる照明構造を提供する。
【解決手段】長尺形状を有し長手方向一端部で受光した光を長手方向に直交する方向に出射する導光ブロック1と、この導光ブロック1とは別体であって前記導光ブロック1の一端部に対向して配置される光源70とを備え、導光ブロック1及び光源70は、互いに離間しその離間距離を広狭自在に建物の壁80又は天井90に取着され、導光ブロック1と光源70との間の空隙部30はキャップ40で覆われており、空隙部30には光源70からの光を集光して導光ブロック1に照射するレンズ50が配設されている。
【解決手段】長尺形状を有し長手方向一端部で受光した光を長手方向に直交する方向に出射する導光ブロック1と、この導光ブロック1とは別体であって前記導光ブロック1の一端部に対向して配置される光源70とを備え、導光ブロック1及び光源70は、互いに離間しその離間距離を広狭自在に建物の壁80又は天井90に取着され、導光ブロック1と光源70との間の空隙部30はキャップ40で覆われており、空隙部30には光源70からの光を集光して導光ブロック1に照射するレンズ50が配設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁又は天井の照明構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、側端面から内部に導入された光源の光を前面から照射する導光材を備えたエッジライト式の照明装置が知られている。例えば、特許文献1で提案されている照明装置は、導光材の前面と後面とを非平行面に形成しているため、大型化を招かずに簡単な構成で照射方向を規定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−205881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エッジライト式の照明装置を建物の室内灯や間接照明などとして利用する場合、光源から導光材への光の照射方向に沿って照明装置を連続して建物の天井に複数並べて設置することが考えられる。ここで、各照明装置を天井の一方の端部から順次設置する場合、建物の部屋の大きさによっては天井の他方の端部まで照明装置を設置できないことがある。この場合、天井に設置した照明装置と天井の他方の端部側の壁面との間に隙間が生じることになるが、この隙間が無視できない程度の大きさであれば、外観が損なわれるなど見栄えの低下が懸念される。天井の一方の端部及び他方の端部からそれぞれ各照明装置を順次設置する場合でも、建物の部屋の大きさによっては、中央付近において隙間が生じ、この隙間が無視できない程度の大きさである場合には見栄えの低下が懸念される。
【0005】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、建物の壁や天井に設置可能であり、見栄えの低下を低減することができる照明構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の照明構造は、長尺形状を有し長手方向一端部で受光した光を長手方向に直交する方向に出射する導光ブロックと、この導光ブロックとは別体であって導光ブロックの一端部に対向して配置される光源とを備え、導光ブロック及び光源は、互いに離間しその離間距離を広狭自在に建物の壁又は天井に取着され、導光ブロックと光源との間の空隙部はキャップで覆われており、空隙部には光源からの光を集光して導光ブロックに照射するレンズが配設されていることを特徴とする。
この照明構造においては、キャップは、空隙部側に光反射部が形成されていることが好ましい。
【0007】
この照明構造においては、導光ブロックは、壁又は天井に取着される固定部材と、この固定部材に取着される、光源からの光を受光して出射する導光材とを有し、固定部材と導光材との間には導光材側からの光を反射させる反射部が設けられていることが好ましい。
【0008】
この照明構造においては、固定部材は、壁又は天井に固定具で取着される固定片と、その両側端部に形成され互いに対向する一対の支持片とから断面視略コ字状に形成され、各支持片の先端部には係止部が設けられており、導光材は、支持片の係止部に嵌合する係合部が両側端部に設けられていることが好ましい。
この照明構造においては、導光材の外側に表面保護部が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の照明構造によれば、建物の壁や天井に設置可能であり、見栄えの低下を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の照明構造の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の照明構造の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明の照明構造に用いられる照明ユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】図1の照明構造のA−A線断面図である。
【図5】本発明の照明構造に用いられる導光ブロックの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図6】導光ブロックにおける導光材の光拡散面を説明するための模式図である。
【図7】本発明の照明構造の適用例を示す模式図である。
【図8】(a)(b)(c)はそれぞれ、導光ブロック照明及びユニットの数、配置を変えて設置した場合の照明構造を示す模式図である。
【図9】(a)(b)はそれぞれ、図8(b)(c)の照明構造に用いられた照明ユニットの断面図である。
【図10】(a)(b)はそれぞれ、レンズの別の実施形態を示す断面図である。
【図11】導光ブロックの導光材の別の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の照明構造の一実施形態を示す断面図であり、図2は、本発明の照明構造の一実施形態を示す斜視図である。図3は、本発明の照明構造に用いられる照明ユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。図4は、図1の照明構造のA−A線断面図である。図5は、本発明の照明構造に用いられる導光ブロックの一実施形態を示す分解斜視図である。図6は、導光ブロックにおける導光材の光拡散面を説明するための模式図である。
【0013】
本実施形態の照明構造は、長尺形状を有し長手方向一端部で受光した光を長手方向に直交する方向に出射する導光ブロック1と、この導光ブロック1の一端部に対向して配置される光源70としての照明ユニット20とを備えている。
【0014】
導光ブロック1及び照明ユニット20はそれぞれ別ユニットであり、個別に建物の壁80又は天井90に施工することが可能となっている。例えば、図1−2に示されるように、照明ユニット20は、建物の壁面81の天井90側の端部に取り付けられている。一方、導光ブロック1は、長手方向他端部が照明ユニット20が取り付けられる壁面81とは反対側に位置する壁面82に当接するように、天井面91に取り付けられている。導光ブロック1及び照明ユニット20は互いに離間しており、空隙部30が形成されている。
【0015】
導光ブロック1及び照明ユニット20は、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離を広狭自在にして壁80又は天井90に施工可能である。例えば、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離を狭めて、照明ユニット20と壁面81との間や導光ブロック1の長手方向他端部と壁面82との間に見栄えを損なわない範囲で隙間を設けることもできる。また、部屋の大きさに応じて、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離を拡げたり狭めたりして施工することもできる。このように本実施形態の照明構造は、導光ブロック1及び照明ユニット20の配置を一定の範囲内で自由に設定できるなど施工の自由度が高い。また、導光ブロック1と照明ユニット20との間の空隙部30は、導光ブロック1や照明ユニット20の施工ばらつきを吸収することができる。
【0016】
キャップ40は、導光ブロック1と照明ユニット20との間に形成される空隙部30を覆うものであり、導光ブロック1と照明ユニット20を跨ぐように取り付けられている。キャップ40が取り付けられていることによって、導光ブロック1と照明ユニット20との間の空隙部30が室内側から視認されず、見栄えの低下を低減することができる。
【0017】
このキャップ40は、合成樹脂などの部材で構成されている。空隙部30側には、光反射部41が形成されていてもよい。この光反射部41は、例えば、キャップ40の内側面(空隙部30側の面)に、鏡面仕上げ、白色仕上げ、銀蒸着などの処理によって形成される光反射パターンであり、照明ユニット20からの光を効果的に反射させることが可能である。このため、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離が大きい場合でも導光ブロック1への入光効率の低下を抑制することができる。また、空隙部30からの光のモレを防止することができる。
【0018】
導光ブロック1と照明ユニット20との間の空隙部30には、照明ユニット20からの光を集光して導光ブロック1に照射するレンズ50が配設されている。このレンズ50は、照明ユニット20から離れて配設されている導光ブロック1に対する照明ユニット20からの光の入光効率の低下を抑制するものである。本実施形態のレンズ50は、後述する照明ユニット20のカバー24に集光機能が付与されたものであって、カバー24と一体に形成されている。レンズ50は、照明ユニット20のカバー24とは別部材として設けることもできる。
【0019】
本実施形態のレンズ50は、図1に示されるように、照明ユニット20側に断面視略円弧状の凸曲面51が形成されており、反対側には平坦面52が形成されている。この凸曲面51によって照明ユニット20からの光が効率よく集光されるため、平坦面52から外部に出射する光量を増加させることができる。したがって、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離が大きい場合でも導光ブロック1への入光効率の低下を効果的に抑制することができる。
【0020】
本実施形態の照明ユニット20は、LEDなどの発光体21と、この発光体21を搭載する基板22と、この基板22を収納する照明ケース23と、発光体21や基板22を保護するカバー24とを有している。照明ケース23は、例えば、合成樹脂製又は金属製などの剛性部材で構成され、カバー24は、合成樹脂やガラスなどの透光性を有する部材で構成される。
【0021】
本実施形態の照明ケース23は、図3に示されるように、矩形状の底壁26とこの底壁26の外周四辺から立ち上がる矩形状の周側壁25で構成され、底壁26の対向面は開口27を有している。発光体21を搭載した基板22は、照明ケース23の開口27側に発光体21が配置されるように照明ケース23の底壁26に配設され、開口27には、カバー24が配設される。照明ケース23に収納された基板22の発光体21からの光はカバー24を通して外部に照射される。
【0022】
上述したように、本実施形態のカバー24には集光機能が付与され、レンズ50とカバー24とが一体に形成されている。レンズ50が別部材として設けられている場合には、カバー24を配設しないで照明ユニット20を構成することもできる。
【0023】
照明ユニット20の壁80への取り付けにあたっては、例えば、まず照明ケース23の底壁26を壁面81に当接させ、その状態で釘、ビスなどの固定具を周側壁25側から底壁26に打ち込む。固定具の打ち込みによって照明ケース23を壁80に固定した後、照明ケース23の内部に発光体21を搭載した基板22を収納し、カバー24を開口27に取り付ける。以上の手順を経て、照明ユニット20を壁80に取り付けることができる。照明ケース23に発光体21を搭載した基板22及びカバー24を装着した状態で固定具などによって壁80に取り付けることもできる。
【0024】
本実施形態の導光ブロック1は、天井面91に固定される長尺な固定部材2と、この固定部材2に取り付けられる長尺な導光材10とを有している。
【0025】
固定部材2は、図4−5に示されるように、釘、ビスなどの固定具7で固定される平板状の固定片3と、その短手方向両側端部において垂下し互いに対向する一対の平板状の支持片4とから断面視略コ字状に形成され、合成樹脂などの剛性部材で構成されている。固定片3には、表裏に貫通した挿通穴6が短手方向略中央の位置において長手方向に沿って所定の間隔で設けられている。各支持片4の先端部には、外方に突出する係止部5が長手方向に沿って所定の間隔で形成されている。
【0026】
導光材10は、透光性を有し屈折率の高いアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの合成樹脂で構成され、例えば押出工法により形成される。ガラスなどの部材で構成することもできる。
【0027】
この導光材10は、平板状に形成されており、照明ユニット20からの光を長手方向一端面11で受光し、受光した光を長手方向に直交する方向に出射する。本実施形態の導光材10は、長手方向に沿って発光面12が形成されており、発光面12の反対側の面には光拡散面13が形成されている。長手方向一端面11で受光した光は光拡散面13で拡散し、発光面12から拡散した光が出射される。
【0028】
光拡散面13は、例えば、図6に示されるように、長手方向に直交する方向に溝加工が施された面である。図6では、導光材10の発光面12に、長手方向に直交する断面V字状の溝条14が長手方向全長にわたって複数列形成されており、照明ユニット20から遠ざかる方向に進むにつれて溝条14の溝深さが深くなっている。このように照明ユニット20から遠くなるほど溝条14の溝深さを深くすることで、受光した光の繰り返し反射による光減衰を抑えることができる。また、隣り合う溝条14の間隔を照明ユニット20から遠ざかる方向に進むにつれて疎から密にすることによっても光減衰を抑えることができる。光拡散面13の別の実施形態としては、例えば、反射シートを貼着したり反射性の物質を蒸着したり白色や銀色などに印刷したりすることによって形成された面などが挙げられる。このような光拡散面13であっても、光減衰を抑えることができる。また、この効果を高めるために、光拡散面13は、照明ユニット20から遠ざかる方向に進むにつれて発光面12に漸近する傾斜面を有していてもよい。
【0029】
導光材10には、その短手方向両側端部において発光面12に対してほぼ垂直に立ち上がり互いに対向する一対の起立部16が発効面12とは反対側に長手方向に沿って連続して形成されている。各起立部16の先端部には、内方に突出する爪部17が長手方向に沿って連続して形成されている。係合部15は、この起立部16と爪部17とから形成されており、固定部材2の支持片4の係止部5に爪部17を引っ掛けることで、係合部15が係止部5と嵌合し、導光材10が固定部材2に取り付けられる。
【0030】
本実施形態の導光ブロック1は、さらに、固定部材2と導光材10との間に反射部60が別体として設けられている。この反射部60は、合成樹脂などの部材で構成され、導光材10側の面に、鏡面仕上げ、白色仕上げ、銀蒸着などの処理によって光反射パターンが形成されている。反射部60は、導光材10側からの光を効果的に反射させることが可能である。このため、発光面12からの発光効率を向上させることができる。また、固定具7などが室内側から視認されにくくなり、見栄えの低下をさらに低減できるという効果も有する。このような反射部60は、固定部材2や導光材10と一体に形成されていてもよい。
【0031】
導光ブロック1の天井90への取り付けにあたっては、例えば、まず固定部材2の固定片3を天井面91に当接させ、固定片3の挿通穴6に固定具7を支持片4側から差し込んで打ち込む。固定具7の打ち込みによって固定部材2を天井に固定した後、反射部60を接着剤などで装着した導光材10を固定部材2の下側に配置する。次いで、導光材10の係合部15を固定部材2の支持片4に押しつける。そうすると、固定部材2の支持片4が内側に撓み、また導光材10の係合部15の起立部16が外側に撓む。導光材10の係合部15をさらに固定部材2の支持片4に押しつけると、係合部15の爪部17が支持片4の係止部5に引っ掛かって導光材10の係合部15と固定部材2の係止部5とが嵌合し、導光材10を固定部材2に容易に取り付けることができる。
【0032】
固定部材2から導光材10を取り外したいときは、固定部材2の一対の支持片4をそれぞれ内側方向に押圧する。そうすることで導光材10の係合部15の爪部17が支持片4の係止部5から外れ、その状態で導光材10を下側に移動させることで固定部材2から導光材10を容易に取り外すことができる。
【0033】
このように本実施形態の導光ブロック1は、導光材10をワンタッチで固定部材2に取り付けたり、取り外したりすることができるなど施工性やメンテナンス性に優れる。
【0034】
本実施形態の照明構造は、部屋の大きさに応じて、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離を変えて、導光ブロック1と照明ユニット20とをそれぞれ別々に壁80や天井90に取り付けることができるなど施工の自由度が高い。導光ブロック1と照明ユニット20との間の空隙部30は、導光ブロック1や照明ユニット20の施工ばらつきを吸収することもできる。その空隙部30にはレンズ50が配設されているので、導光ブロック1と照明ユニット20とが離間して設置されることによる照明ユニット20からの光の導光ブロック1に対する入光効率の低下を少なくすることができる。さらに、空隙部30を覆うキャップ40が設けられているので、この空隙部30が室内側から視認されず、見栄えの低下を低減することができる。導光ブロック1は、照明ユニット20のように電気部を有しないので、薄型の設計が可能となり、意匠性を高めることができる。
【0035】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。例えば、図7に示されるように、上記した照明構造の実施形態である天井照明31をはじめ、建材パネル32間の目地照明33、コーナー照明34、廻し縁照明35、幅木照明36など室内灯や間接照明として本発明の照明構造を適用することができる。目的とする態様に応じて、照明ユニット及び導光ブロックを離間して壁80又は天井90に取り付け、空隙部を覆うようにキャップを取り付け、そして空隙部にレンズを配設すればよい。
【0036】
図8は、上記した実施形態とは異なる数、配置で導光ブロック及び照明ユニットを設置した場合の照明構造を示す模式図であり、レンズ及びキャップを省略している。なお、図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
上記した実施形態では、一方向に光を照射する発光体21を備えた一つの照明ユニット20が、一つの導光ブロック1の長手方向一端部に対向して配置されている。
一方、図8(a)では、一つの導光ブロック1の長手方向両端部それぞれにおいて、二つの照明ユニット20が対向して配置されている。
【0038】
図8(b)は、二方向に光を照射する発光体を備えた一つの照明ユニット28と、二つの導光ブロック1が用いられている。この実施形態では、二つの導光ブロック1の長手方向一端部がそれぞれ一つの照明ユニット28に対向するように、照明ユニット28の両側に導光ブロック1が配置されている。
【0039】
図8(c)は、四方向に光を照射する発光体を備えた一つの照明ユニット29と、四つの導光ブロック1が用いられている。この実施形態では、四つの導光ブロック1の長手方向一端部がそれぞれ一つの照明ユニット29に対向するように、照明ユニット29を中心に各導光ブロック1が配置され、十字型に形成されている。
このように本発明の照明構造においては、導光ブロック1及び照明ユニット20、28、29の数、配置などは特に制限されるものではなく、所望の照明形態に応じて適宜変更することができる。
【0040】
図9(a)は、図8(b)の照明構造に用いられた照明ユニットの断面図であり、図9(b)は、図8(c)の照明構造に用いられた照明ユニットの断面図である。図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
図9(a)の照明ユニット28において、照明ケース37は、図3に示される照明ケース23において底壁26に対応する部分に開口27を有しており、角筒形状を有している。また、発光体21を搭載した基板22を二つ有しており、各基板22は、照明ケース37の各開口27側に発光体21が配置されるように照明ケース37内に収納されている。各開口27には、カバー24が配設されている。本実施形態では、照明ケース37内の基板22の発光体21からの光が一方の開口27からカバー24を通して外部に照射されるとともに、別の基板22の発光体21からの光が別の開口27からカバー24を通して外部に照射されるなど二方向に光が照射される。
【0042】
図9(b)の照明ユニット29において、照明ケースは、図9(a)に示される照明ケース37において対向する一対の周側壁25に対応する部分に開口27を有している。また、発光体21を搭載した基板22を四つ有しており、各基板22は、照明ケースの各開口27側に発光体21が配置されるように照明ケース内に収納されている。各開口27には、カバー24が配設されている。本実施形態では、照明ケース内の各基板22の発光体21からの光が各開口27からカバー24を通して外部に照射され、四方向に光が照射される。
【0043】
このように本発明の照明構造においては、一方向に光を照射する発光体を備えた照明ユニット以外に、二方向あるいは四方向に光を照射する発光体を備えた照明ユニットも用いることができる。もちろん、三方向に光を照射する発光体を備えた照明ユニットも用いることができる。これら照明ユニットは、所望の照明形態に応じて適宜選択される。
【0044】
図10(a)(b)はそれぞれ、空隙部に配設されるレンズの別の実施形態を示す断面図である。図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
図10(a)のレンズ55は、照明ユニット20側に断面視略円弧状の凸曲面51が形成されており、反対側にも断面視略円弧状の凸曲面51が形成されている。これら両側の凸曲面51によって照明ユニット20からの光が効率よく集光されるため、外部に出射する光量をより増加させることができる。したがって、導光ブロックと照明ユニット20との間の離間距離が大きい場合でも導光ブロックへの入光効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0046】
図10(b)のレンズ56は、照明ユニット20側に断面視略円弧状の凸曲面51が形成され、この凸曲面51の中心部分に凹部53が形成されている。この凹部53は、その内部に照明ユニット20の発光体21が配置可能とされている。また、凹部53の内部に配置される発光体21の対向面に断面視略円弧状の凸曲面51が形成されている。反対側には平坦面52が形成されている。このように本実施形態のレンズ56は発光体21を覆う形状を有しており、照明ユニット20からの光をより効率よく集光することができる。したがって、導光ブロックと照明ユニット20との間の離間距離が大きい場合でも導光ブロックへの入光効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0047】
図11は、導光ブロックの導光材の別の実施形態を示す断面図である。図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態の導光材10は、外側に表面保護部18が設けられている。この表面保護部18は、透光性を有し導光材10とは異なる屈折率を有する合成樹脂などの部材で構成されている。また、導光材10の外側面に対応する形状を有し、導光材10と一体に形成されている。このような表面保護部18が導光材10の外側に設けられていることにより、導光材10の発光面12に汚れが付着することが妨げられる。したがって、発光面12から出射される光は、汚れによる光の拡散が抑えられ、均一な発光を実現することができる。この表面保護部18は、導光材10とは別部材として、例えば保護カバーとして導光材10の外側に設けることもできる。
【符号の説明】
【0048】
1 導光ブロック
2 固定部材
3 固定片
4 支持片
5 係止部
10 導光材
15 係合部
18 表面保護部
20 照明ユニット
30 空隙部
40 キャップ
41 光反射部
50 レンズ
60 反射部
70 光源
80 壁
90 天井
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁又は天井の照明構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、側端面から内部に導入された光源の光を前面から照射する導光材を備えたエッジライト式の照明装置が知られている。例えば、特許文献1で提案されている照明装置は、導光材の前面と後面とを非平行面に形成しているため、大型化を招かずに簡単な構成で照射方向を規定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−205881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エッジライト式の照明装置を建物の室内灯や間接照明などとして利用する場合、光源から導光材への光の照射方向に沿って照明装置を連続して建物の天井に複数並べて設置することが考えられる。ここで、各照明装置を天井の一方の端部から順次設置する場合、建物の部屋の大きさによっては天井の他方の端部まで照明装置を設置できないことがある。この場合、天井に設置した照明装置と天井の他方の端部側の壁面との間に隙間が生じることになるが、この隙間が無視できない程度の大きさであれば、外観が損なわれるなど見栄えの低下が懸念される。天井の一方の端部及び他方の端部からそれぞれ各照明装置を順次設置する場合でも、建物の部屋の大きさによっては、中央付近において隙間が生じ、この隙間が無視できない程度の大きさである場合には見栄えの低下が懸念される。
【0005】
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、建物の壁や天井に設置可能であり、見栄えの低下を低減することができる照明構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の照明構造は、長尺形状を有し長手方向一端部で受光した光を長手方向に直交する方向に出射する導光ブロックと、この導光ブロックとは別体であって導光ブロックの一端部に対向して配置される光源とを備え、導光ブロック及び光源は、互いに離間しその離間距離を広狭自在に建物の壁又は天井に取着され、導光ブロックと光源との間の空隙部はキャップで覆われており、空隙部には光源からの光を集光して導光ブロックに照射するレンズが配設されていることを特徴とする。
この照明構造においては、キャップは、空隙部側に光反射部が形成されていることが好ましい。
【0007】
この照明構造においては、導光ブロックは、壁又は天井に取着される固定部材と、この固定部材に取着される、光源からの光を受光して出射する導光材とを有し、固定部材と導光材との間には導光材側からの光を反射させる反射部が設けられていることが好ましい。
【0008】
この照明構造においては、固定部材は、壁又は天井に固定具で取着される固定片と、その両側端部に形成され互いに対向する一対の支持片とから断面視略コ字状に形成され、各支持片の先端部には係止部が設けられており、導光材は、支持片の係止部に嵌合する係合部が両側端部に設けられていることが好ましい。
この照明構造においては、導光材の外側に表面保護部が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の照明構造によれば、建物の壁や天井に設置可能であり、見栄えの低下を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の照明構造の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の照明構造の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明の照明構造に用いられる照明ユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】図1の照明構造のA−A線断面図である。
【図5】本発明の照明構造に用いられる導光ブロックの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図6】導光ブロックにおける導光材の光拡散面を説明するための模式図である。
【図7】本発明の照明構造の適用例を示す模式図である。
【図8】(a)(b)(c)はそれぞれ、導光ブロック照明及びユニットの数、配置を変えて設置した場合の照明構造を示す模式図である。
【図9】(a)(b)はそれぞれ、図8(b)(c)の照明構造に用いられた照明ユニットの断面図である。
【図10】(a)(b)はそれぞれ、レンズの別の実施形態を示す断面図である。
【図11】導光ブロックの導光材の別の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の照明構造の一実施形態を示す断面図であり、図2は、本発明の照明構造の一実施形態を示す斜視図である。図3は、本発明の照明構造に用いられる照明ユニットの一実施形態を示す分解斜視図である。図4は、図1の照明構造のA−A線断面図である。図5は、本発明の照明構造に用いられる導光ブロックの一実施形態を示す分解斜視図である。図6は、導光ブロックにおける導光材の光拡散面を説明するための模式図である。
【0013】
本実施形態の照明構造は、長尺形状を有し長手方向一端部で受光した光を長手方向に直交する方向に出射する導光ブロック1と、この導光ブロック1の一端部に対向して配置される光源70としての照明ユニット20とを備えている。
【0014】
導光ブロック1及び照明ユニット20はそれぞれ別ユニットであり、個別に建物の壁80又は天井90に施工することが可能となっている。例えば、図1−2に示されるように、照明ユニット20は、建物の壁面81の天井90側の端部に取り付けられている。一方、導光ブロック1は、長手方向他端部が照明ユニット20が取り付けられる壁面81とは反対側に位置する壁面82に当接するように、天井面91に取り付けられている。導光ブロック1及び照明ユニット20は互いに離間しており、空隙部30が形成されている。
【0015】
導光ブロック1及び照明ユニット20は、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離を広狭自在にして壁80又は天井90に施工可能である。例えば、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離を狭めて、照明ユニット20と壁面81との間や導光ブロック1の長手方向他端部と壁面82との間に見栄えを損なわない範囲で隙間を設けることもできる。また、部屋の大きさに応じて、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離を拡げたり狭めたりして施工することもできる。このように本実施形態の照明構造は、導光ブロック1及び照明ユニット20の配置を一定の範囲内で自由に設定できるなど施工の自由度が高い。また、導光ブロック1と照明ユニット20との間の空隙部30は、導光ブロック1や照明ユニット20の施工ばらつきを吸収することができる。
【0016】
キャップ40は、導光ブロック1と照明ユニット20との間に形成される空隙部30を覆うものであり、導光ブロック1と照明ユニット20を跨ぐように取り付けられている。キャップ40が取り付けられていることによって、導光ブロック1と照明ユニット20との間の空隙部30が室内側から視認されず、見栄えの低下を低減することができる。
【0017】
このキャップ40は、合成樹脂などの部材で構成されている。空隙部30側には、光反射部41が形成されていてもよい。この光反射部41は、例えば、キャップ40の内側面(空隙部30側の面)に、鏡面仕上げ、白色仕上げ、銀蒸着などの処理によって形成される光反射パターンであり、照明ユニット20からの光を効果的に反射させることが可能である。このため、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離が大きい場合でも導光ブロック1への入光効率の低下を抑制することができる。また、空隙部30からの光のモレを防止することができる。
【0018】
導光ブロック1と照明ユニット20との間の空隙部30には、照明ユニット20からの光を集光して導光ブロック1に照射するレンズ50が配設されている。このレンズ50は、照明ユニット20から離れて配設されている導光ブロック1に対する照明ユニット20からの光の入光効率の低下を抑制するものである。本実施形態のレンズ50は、後述する照明ユニット20のカバー24に集光機能が付与されたものであって、カバー24と一体に形成されている。レンズ50は、照明ユニット20のカバー24とは別部材として設けることもできる。
【0019】
本実施形態のレンズ50は、図1に示されるように、照明ユニット20側に断面視略円弧状の凸曲面51が形成されており、反対側には平坦面52が形成されている。この凸曲面51によって照明ユニット20からの光が効率よく集光されるため、平坦面52から外部に出射する光量を増加させることができる。したがって、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離が大きい場合でも導光ブロック1への入光効率の低下を効果的に抑制することができる。
【0020】
本実施形態の照明ユニット20は、LEDなどの発光体21と、この発光体21を搭載する基板22と、この基板22を収納する照明ケース23と、発光体21や基板22を保護するカバー24とを有している。照明ケース23は、例えば、合成樹脂製又は金属製などの剛性部材で構成され、カバー24は、合成樹脂やガラスなどの透光性を有する部材で構成される。
【0021】
本実施形態の照明ケース23は、図3に示されるように、矩形状の底壁26とこの底壁26の外周四辺から立ち上がる矩形状の周側壁25で構成され、底壁26の対向面は開口27を有している。発光体21を搭載した基板22は、照明ケース23の開口27側に発光体21が配置されるように照明ケース23の底壁26に配設され、開口27には、カバー24が配設される。照明ケース23に収納された基板22の発光体21からの光はカバー24を通して外部に照射される。
【0022】
上述したように、本実施形態のカバー24には集光機能が付与され、レンズ50とカバー24とが一体に形成されている。レンズ50が別部材として設けられている場合には、カバー24を配設しないで照明ユニット20を構成することもできる。
【0023】
照明ユニット20の壁80への取り付けにあたっては、例えば、まず照明ケース23の底壁26を壁面81に当接させ、その状態で釘、ビスなどの固定具を周側壁25側から底壁26に打ち込む。固定具の打ち込みによって照明ケース23を壁80に固定した後、照明ケース23の内部に発光体21を搭載した基板22を収納し、カバー24を開口27に取り付ける。以上の手順を経て、照明ユニット20を壁80に取り付けることができる。照明ケース23に発光体21を搭載した基板22及びカバー24を装着した状態で固定具などによって壁80に取り付けることもできる。
【0024】
本実施形態の導光ブロック1は、天井面91に固定される長尺な固定部材2と、この固定部材2に取り付けられる長尺な導光材10とを有している。
【0025】
固定部材2は、図4−5に示されるように、釘、ビスなどの固定具7で固定される平板状の固定片3と、その短手方向両側端部において垂下し互いに対向する一対の平板状の支持片4とから断面視略コ字状に形成され、合成樹脂などの剛性部材で構成されている。固定片3には、表裏に貫通した挿通穴6が短手方向略中央の位置において長手方向に沿って所定の間隔で設けられている。各支持片4の先端部には、外方に突出する係止部5が長手方向に沿って所定の間隔で形成されている。
【0026】
導光材10は、透光性を有し屈折率の高いアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの合成樹脂で構成され、例えば押出工法により形成される。ガラスなどの部材で構成することもできる。
【0027】
この導光材10は、平板状に形成されており、照明ユニット20からの光を長手方向一端面11で受光し、受光した光を長手方向に直交する方向に出射する。本実施形態の導光材10は、長手方向に沿って発光面12が形成されており、発光面12の反対側の面には光拡散面13が形成されている。長手方向一端面11で受光した光は光拡散面13で拡散し、発光面12から拡散した光が出射される。
【0028】
光拡散面13は、例えば、図6に示されるように、長手方向に直交する方向に溝加工が施された面である。図6では、導光材10の発光面12に、長手方向に直交する断面V字状の溝条14が長手方向全長にわたって複数列形成されており、照明ユニット20から遠ざかる方向に進むにつれて溝条14の溝深さが深くなっている。このように照明ユニット20から遠くなるほど溝条14の溝深さを深くすることで、受光した光の繰り返し反射による光減衰を抑えることができる。また、隣り合う溝条14の間隔を照明ユニット20から遠ざかる方向に進むにつれて疎から密にすることによっても光減衰を抑えることができる。光拡散面13の別の実施形態としては、例えば、反射シートを貼着したり反射性の物質を蒸着したり白色や銀色などに印刷したりすることによって形成された面などが挙げられる。このような光拡散面13であっても、光減衰を抑えることができる。また、この効果を高めるために、光拡散面13は、照明ユニット20から遠ざかる方向に進むにつれて発光面12に漸近する傾斜面を有していてもよい。
【0029】
導光材10には、その短手方向両側端部において発光面12に対してほぼ垂直に立ち上がり互いに対向する一対の起立部16が発効面12とは反対側に長手方向に沿って連続して形成されている。各起立部16の先端部には、内方に突出する爪部17が長手方向に沿って連続して形成されている。係合部15は、この起立部16と爪部17とから形成されており、固定部材2の支持片4の係止部5に爪部17を引っ掛けることで、係合部15が係止部5と嵌合し、導光材10が固定部材2に取り付けられる。
【0030】
本実施形態の導光ブロック1は、さらに、固定部材2と導光材10との間に反射部60が別体として設けられている。この反射部60は、合成樹脂などの部材で構成され、導光材10側の面に、鏡面仕上げ、白色仕上げ、銀蒸着などの処理によって光反射パターンが形成されている。反射部60は、導光材10側からの光を効果的に反射させることが可能である。このため、発光面12からの発光効率を向上させることができる。また、固定具7などが室内側から視認されにくくなり、見栄えの低下をさらに低減できるという効果も有する。このような反射部60は、固定部材2や導光材10と一体に形成されていてもよい。
【0031】
導光ブロック1の天井90への取り付けにあたっては、例えば、まず固定部材2の固定片3を天井面91に当接させ、固定片3の挿通穴6に固定具7を支持片4側から差し込んで打ち込む。固定具7の打ち込みによって固定部材2を天井に固定した後、反射部60を接着剤などで装着した導光材10を固定部材2の下側に配置する。次いで、導光材10の係合部15を固定部材2の支持片4に押しつける。そうすると、固定部材2の支持片4が内側に撓み、また導光材10の係合部15の起立部16が外側に撓む。導光材10の係合部15をさらに固定部材2の支持片4に押しつけると、係合部15の爪部17が支持片4の係止部5に引っ掛かって導光材10の係合部15と固定部材2の係止部5とが嵌合し、導光材10を固定部材2に容易に取り付けることができる。
【0032】
固定部材2から導光材10を取り外したいときは、固定部材2の一対の支持片4をそれぞれ内側方向に押圧する。そうすることで導光材10の係合部15の爪部17が支持片4の係止部5から外れ、その状態で導光材10を下側に移動させることで固定部材2から導光材10を容易に取り外すことができる。
【0033】
このように本実施形態の導光ブロック1は、導光材10をワンタッチで固定部材2に取り付けたり、取り外したりすることができるなど施工性やメンテナンス性に優れる。
【0034】
本実施形態の照明構造は、部屋の大きさに応じて、導光ブロック1と照明ユニット20との間の離間距離を変えて、導光ブロック1と照明ユニット20とをそれぞれ別々に壁80や天井90に取り付けることができるなど施工の自由度が高い。導光ブロック1と照明ユニット20との間の空隙部30は、導光ブロック1や照明ユニット20の施工ばらつきを吸収することもできる。その空隙部30にはレンズ50が配設されているので、導光ブロック1と照明ユニット20とが離間して設置されることによる照明ユニット20からの光の導光ブロック1に対する入光効率の低下を少なくすることができる。さらに、空隙部30を覆うキャップ40が設けられているので、この空隙部30が室内側から視認されず、見栄えの低下を低減することができる。導光ブロック1は、照明ユニット20のように電気部を有しないので、薄型の設計が可能となり、意匠性を高めることができる。
【0035】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。例えば、図7に示されるように、上記した照明構造の実施形態である天井照明31をはじめ、建材パネル32間の目地照明33、コーナー照明34、廻し縁照明35、幅木照明36など室内灯や間接照明として本発明の照明構造を適用することができる。目的とする態様に応じて、照明ユニット及び導光ブロックを離間して壁80又は天井90に取り付け、空隙部を覆うようにキャップを取り付け、そして空隙部にレンズを配設すればよい。
【0036】
図8は、上記した実施形態とは異なる数、配置で導光ブロック及び照明ユニットを設置した場合の照明構造を示す模式図であり、レンズ及びキャップを省略している。なお、図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
上記した実施形態では、一方向に光を照射する発光体21を備えた一つの照明ユニット20が、一つの導光ブロック1の長手方向一端部に対向して配置されている。
一方、図8(a)では、一つの導光ブロック1の長手方向両端部それぞれにおいて、二つの照明ユニット20が対向して配置されている。
【0038】
図8(b)は、二方向に光を照射する発光体を備えた一つの照明ユニット28と、二つの導光ブロック1が用いられている。この実施形態では、二つの導光ブロック1の長手方向一端部がそれぞれ一つの照明ユニット28に対向するように、照明ユニット28の両側に導光ブロック1が配置されている。
【0039】
図8(c)は、四方向に光を照射する発光体を備えた一つの照明ユニット29と、四つの導光ブロック1が用いられている。この実施形態では、四つの導光ブロック1の長手方向一端部がそれぞれ一つの照明ユニット29に対向するように、照明ユニット29を中心に各導光ブロック1が配置され、十字型に形成されている。
このように本発明の照明構造においては、導光ブロック1及び照明ユニット20、28、29の数、配置などは特に制限されるものではなく、所望の照明形態に応じて適宜変更することができる。
【0040】
図9(a)は、図8(b)の照明構造に用いられた照明ユニットの断面図であり、図9(b)は、図8(c)の照明構造に用いられた照明ユニットの断面図である。図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
図9(a)の照明ユニット28において、照明ケース37は、図3に示される照明ケース23において底壁26に対応する部分に開口27を有しており、角筒形状を有している。また、発光体21を搭載した基板22を二つ有しており、各基板22は、照明ケース37の各開口27側に発光体21が配置されるように照明ケース37内に収納されている。各開口27には、カバー24が配設されている。本実施形態では、照明ケース37内の基板22の発光体21からの光が一方の開口27からカバー24を通して外部に照射されるとともに、別の基板22の発光体21からの光が別の開口27からカバー24を通して外部に照射されるなど二方向に光が照射される。
【0042】
図9(b)の照明ユニット29において、照明ケースは、図9(a)に示される照明ケース37において対向する一対の周側壁25に対応する部分に開口27を有している。また、発光体21を搭載した基板22を四つ有しており、各基板22は、照明ケースの各開口27側に発光体21が配置されるように照明ケース内に収納されている。各開口27には、カバー24が配設されている。本実施形態では、照明ケース内の各基板22の発光体21からの光が各開口27からカバー24を通して外部に照射され、四方向に光が照射される。
【0043】
このように本発明の照明構造においては、一方向に光を照射する発光体を備えた照明ユニット以外に、二方向あるいは四方向に光を照射する発光体を備えた照明ユニットも用いることができる。もちろん、三方向に光を照射する発光体を備えた照明ユニットも用いることができる。これら照明ユニットは、所望の照明形態に応じて適宜選択される。
【0044】
図10(a)(b)はそれぞれ、空隙部に配設されるレンズの別の実施形態を示す断面図である。図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
図10(a)のレンズ55は、照明ユニット20側に断面視略円弧状の凸曲面51が形成されており、反対側にも断面視略円弧状の凸曲面51が形成されている。これら両側の凸曲面51によって照明ユニット20からの光が効率よく集光されるため、外部に出射する光量をより増加させることができる。したがって、導光ブロックと照明ユニット20との間の離間距離が大きい場合でも導光ブロックへの入光効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0046】
図10(b)のレンズ56は、照明ユニット20側に断面視略円弧状の凸曲面51が形成され、この凸曲面51の中心部分に凹部53が形成されている。この凹部53は、その内部に照明ユニット20の発光体21が配置可能とされている。また、凹部53の内部に配置される発光体21の対向面に断面視略円弧状の凸曲面51が形成されている。反対側には平坦面52が形成されている。このように本実施形態のレンズ56は発光体21を覆う形状を有しており、照明ユニット20からの光をより効率よく集光することができる。したがって、導光ブロックと照明ユニット20との間の離間距離が大きい場合でも導光ブロックへの入光効率の低下をより効果的に抑制することができる。
【0047】
図11は、導光ブロックの導光材の別の実施形態を示す断面図である。図1−7に示した実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態の導光材10は、外側に表面保護部18が設けられている。この表面保護部18は、透光性を有し導光材10とは異なる屈折率を有する合成樹脂などの部材で構成されている。また、導光材10の外側面に対応する形状を有し、導光材10と一体に形成されている。このような表面保護部18が導光材10の外側に設けられていることにより、導光材10の発光面12に汚れが付着することが妨げられる。したがって、発光面12から出射される光は、汚れによる光の拡散が抑えられ、均一な発光を実現することができる。この表面保護部18は、導光材10とは別部材として、例えば保護カバーとして導光材10の外側に設けることもできる。
【符号の説明】
【0048】
1 導光ブロック
2 固定部材
3 固定片
4 支持片
5 係止部
10 導光材
15 係合部
18 表面保護部
20 照明ユニット
30 空隙部
40 キャップ
41 光反射部
50 レンズ
60 反射部
70 光源
80 壁
90 天井
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺形状を有し長手方向一端部で受光した光を長手方向に直交する方向に出射する導光ブロックと、この導光ブロックとは別体であって前記導光ブロックの前記一端部に対向して配置される光源とを備え、前記導光ブロック及び前記光源は、互いに離間しその離間距離を広狭自在に建物の壁又は天井に取着され、前記導光ブロックと前記光源との間の空隙部はキャップで覆われており、前記空隙部には前記光源からの光を集光して前記導光ブロックに照射するレンズが配設されていることを特徴とする照明構造。
【請求項2】
前記キャップは、前記空隙部側に光反射部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明構造。
【請求項3】
前記導光ブロックは、前記壁又は前記天井に取着される固定部材と、この固定部材に取着される、前記光源からの光を受光して出射する導光材とを有し、前記固定部材と前記導光材との間には前記導光材側からの光を反射させる反射部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明構造。
【請求項4】
前記固定部材は、前記壁又は前記天井に固定具で取着される固定片と、その両側端部に形成され互いに対向する一対の支持片とから断面視略コ字状に形成され、各支持片の先端部には係止部が設けられており、前記導光材は、前記支持片の前記係止部に嵌合する係合部が両側端部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の照明構造。
【請求項5】
前記導光材の外側に表面保護部が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の照明構造。
【請求項1】
長尺形状を有し長手方向一端部で受光した光を長手方向に直交する方向に出射する導光ブロックと、この導光ブロックとは別体であって前記導光ブロックの前記一端部に対向して配置される光源とを備え、前記導光ブロック及び前記光源は、互いに離間しその離間距離を広狭自在に建物の壁又は天井に取着され、前記導光ブロックと前記光源との間の空隙部はキャップで覆われており、前記空隙部には前記光源からの光を集光して前記導光ブロックに照射するレンズが配設されていることを特徴とする照明構造。
【請求項2】
前記キャップは、前記空隙部側に光反射部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明構造。
【請求項3】
前記導光ブロックは、前記壁又は前記天井に取着される固定部材と、この固定部材に取着される、前記光源からの光を受光して出射する導光材とを有し、前記固定部材と前記導光材との間には前記導光材側からの光を反射させる反射部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明構造。
【請求項4】
前記固定部材は、前記壁又は前記天井に固定具で取着される固定片と、その両側端部に形成され互いに対向する一対の支持片とから断面視略コ字状に形成され、各支持片の先端部には係止部が設けられており、前記導光材は、前記支持片の前記係止部に嵌合する係合部が両側端部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の照明構造。
【請求項5】
前記導光材の外側に表面保護部が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の照明構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−4464(P2013−4464A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137403(P2011−137403)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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