説明

照明機能を有する移動通信システム用アンテナ

本発明は、照明機能を有する移動通信システム用アンテナを提供する。上記アンテナは、少なくとも一つの特定部分を通じて光を透過又は拡散させるレードームと、レードームに光を照射する少なくとも一つの光源を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にアンテナに関するものであって、特に照明機能を有することができる移動通信システム用アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、移動通信システム用アンテナは、アンテナの可能な伝搬距離を延長するために電柱などを用いてより高い位置に設置される。例えば、このアンテナは、都市地域では建物の屋上(roof)に設置され、郊外又は農村地域では平地又は山の頂上に、高さを異にして設置される。
【0003】
一般的な例として、都市地域では、建物の屋上に柱を立て、柱の上側に固定バーを装着し、通信用アンテナはこの固定バーに取り付けられる。
【0004】
移動通信システム用アンテナは、都市地域の建物屋上のような高い位置に設置されるため、よく目立つようになることによって、都市地域で周辺環境の風致を害する恐れがある。このようなアンテナの設置は、多数の移動通信用アンテナが様々な通信事業者によって建物に設けられる場合、特に建物の環境に悪影響を与えることによって建物の価値を低減させる。
【0005】
特に、超高層ビルに設けられる屋内(in−building)アンテナは、室内環境の美観を損なってはならないため、適した場所に設置することが非常に難しくなる。
【0006】
このように移動通信システム用アンテナは、円滑な無線通信を提供するために適切な場所に設置されなければならないにもかかわらず、建物又は周辺環境の景観を損なうので、大部分の建物所有主はアンテナの設置を避けるという実情がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公開第20090040771号明細書
【特許文献2】米国特許公開第20070262332号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、アンテナレードーム(radome)に照明機能を追加して、照明灯の代わりにこのアンテナレードームを設置することで、設置場所の確保が容易になる照明機能を有する移動通信システム用アンテナを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、商用電源の確保が容易であり、通信ケーブルにも容易に接続される照明機能を有する、移動通信システム用アンテナを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、美しい外観によって建物、アパート、及び公園のような周辺環境と調和する環境に優しい照明機能を有する、移動通信システム用アンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、照明機能を有する移動通信システム用アンテナが提供される。上記アンテナは、少なくとも一つの特定部分を通じて光を透過又は拡散させるレードームと、レードームに光を照射する少なくとも一つの光源とを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明による照明機能を有する移動通信システム用アンテナは、レードームに照明機能を追加することによって、設置環境の地形と調和させるように特定の造形物の形態で製造されるので、環境に優しい構成である。そのため、この移動通信アンテナは、単なるアンテナとしてだけでなく、外観が美麗な造形物の役割をも担い、よりくつろいで眺望でき、周辺の自然美を向上させることができる。
【0013】
移動通信アンテナは、アパート団地及び公園に設置される場合に、照明灯又は街灯として使用されるなど多様な適用が可能であるため、さらにアンテナによる環境問題を解決できる効果がある。
【0014】
また、移動通信アンテナは、超高層ビルの屋内アンテナとして使用される場合に、照明灯、非常口灯のような照明機器が付着され得る位置に設置され、それによって設置場所の確保が容易であり、美しい室内環境を提供することができる。
【0015】
以下の図面において、同一の要素、特徴、及び構成は、同一の参照番号を使用して説明されることは明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部の概略的な斜視図である。
【図2】図1に示したアンテナの平面図及び側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部を示す平面図及び側面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部を示す平面図及び側面図である。
【図5】図4に示したアンテナの第1の変形例を示す図である。
【図6】図4に示したアンテナの第2の変形例を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部を示す平面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
したがって、本発明の実施形態では、理解を助けるために多様で詳細な説明を含む。しかしながら、これら詳細な説明は、ほとんど典型的な例として考えられる。また、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、以下に説明される本発明の様々な変形及び変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。なお、公知の機能または構成に関する具体的な説明は、明瞭性と簡潔性とのために省略する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部の概略的な斜視図であり、図2の(a)及び(b)は、各々図1に示したアンテナの平面図及び側面図である。図1及び図2を参照すると、移動通信システム用アンテナは、一般的に無線信号を送受信するための放射素子12が装着される反射板10と、給電回路(図示せず)などを含み、アンテナ反射板を含む各種素子がレードーム120によって密閉される構成を有する。
【0020】
このレードーム120は、アンテナの全体的な外形を形成し、FRP(Fiber Reinforced Plastic)、ASA(Acrylonitrile Styrene Acrylate)、及びPVC(Poly Vinyl Chloride)のようなプラスチック材質から構成されることができ、本発明の特徴によって少なくとも一つの特定部分を通じて光を通過又は拡散させる構造を有する。より詳細に説明すると、レードーム120は、一側に配列される照明用LED(Light Emitting Diode)のようなチップ型光源122から発生した光を導波光122aとして受信し、前面(front side)(及び/又は背面)に受信された光を照明光120aとして放射する少なくとも一つの特定部分に形成される導光板(Light Guiding Plate:LGP)の構成を有する。
【0021】
上記LGP構造は、チップ型光源122から側面に入射してLGPの導波層を通じて伝播する導波光122aを、その外部又は正面に照明光120aとして放出するために、その表面に突起、リップル、及びV字状の溝のような光抽出パターンが形成され得る。このLGP構成は、LEDのバックライトランプ構造において使用される構成と同一の構成を有し、このLGPに関連した技術は、Greener Jehudaらによって出願された米国特許公開第20090040771号の「薄い導光板及びその製造方法(Thin Light Guiding Plate and Methods of Manufacturing the Same)」、及びKong Sung Minによって出願された米国特許公開第20070262332号の「発光装置及びその製造方法(Light Emitting Devide and Method for Fabricating the Same)」に開示されている。
【0022】
図1及び図2に示す実施形態において、チップ型光源122は、レードーム120の長手方向の側面に設置され、それによってLGP構成は、チップ型光源122から発生した光をアンテナの前面に放射することができる。
【0023】
このような構成に基づき、本発明による照明機能を有する移動通信システム用アンテナは、レードーム120自体がチップ型光源122から発生させた光を放出する構成を有する。
【0024】
図3は、各々、本発明の第2の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部を示す平面図及び側面図である。図3に示す第2の実施形態の構成は、第2の実施形態によるレードーム123が上部及び下部に設置されるチップ型光源124から発生した光を受信してアンテナの外部に放射するLGP構成を有することを除き、図1及び図2に示した構成と同様である。すなわち、このLGP構成は、上部及び下部にチップ型光源122から上下方向に入射し、このLGPの導波層を通じて伝搬される導波光124aを、LGPの外部に照明光123aとして放出する。
【0025】
図4は、各々、本発明の第3の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部を示す平面図及び側面図である。図4に示すアンテナ構造は、主に建物に設置するために適した構造であり、本発明の特徴により、放射素子14を有するアンテナのレードームは、一側が開放されているハウジング11と、このハウジング11の開放側に結合され、照明用LEDを含むチップ型光源222から発生した光を通過又は拡散させるカバー220とを含む。
【0026】
より詳細に説明すると、カバー220は、図4の(b)に示すように、上下左右の外側に設けられるチップ型光源222から発生した光をアンテナの前面に放出するためのLGP構成を有する。このLGP構成は、上下側及び/又は左右側に設けられるチップ型光源222から上下方向及び/又は左右方向に入射してLGPの導波層を通じて伝搬される導波光222aを、LGP構成の外部又は前面に照明光220aとして放出する。
【0027】
一方、図4の(b)に示すように、本発明が適用される全体的なアンテナ構造は、四角い箱形を有するが、ピラミッド型又は円錐形を有することも可能である。アンテナが円錐形構造を有する場合に、カバーは全体的に円盤形を有し、チップ型光源は、上記カバーの側面に沿って全体的に円環形に設置されることができる。
【0028】
図5は、図4に示したアンテナの第1の変形実施形態を示す。図5に示す構成は図4の構成と同様であるが、カバー220が、上下左右側のチップ型光源224から発生してLGP構成の内部に進行する導波光224aを適切に反射させ、この光を照明光223aとしてその前面に放出させるための、光反射部材225をさらに含む。
【0029】
図6は、図4に示した第2の変形実施形態を示す。図6に示す構造は、ハウジング11が平板形に形成され、適切なボリュームを有するカバー227が内部放射素子14を覆う形態で構成されることを除き、図4の構造と同様である。このようなカバー227は、平板形のハウジング11に付着されるチップ型光源226から発生してLGP構成の内部に伝搬される導波光226aを、照明光227aとして前面に放出させる。
【0030】
図7は、本発明の第4の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部を示す平面図である。図7に示す第4の実施形態による構成は、レードーム120の外部環境からレードーム120を含む内部装置を保護するために、光透過的な保護層140が二重(overlapping)方式で提供されることを除き、図1及び図2に示した第1の実施形態の構成と同様である。このようなレードーム120及び保護層140は、二重押し出し方式によって一体型で同時に製造されることができる。
【0031】
図8は、本発明の第5の実施形態による照明機能を有する移動通信システム用アンテナの主要部を示す平面図である。図8に示す第5の実施形態による構成は、レードーム120の内側に反射板10を含む各種内部素子をより安定にサポート及び保護するために内側レードーム160をさらに含むことを除き、図1及び図2に示した第1の実施形態の構成と同様である。内側レードーム160とレードーム120とは、これらの間に間隔をおくように空気層150を形成することができる。
【0032】
以上、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められる本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、形式又は細部の様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
【0033】
例えば、光反射層は、ハウジング11の内側面に照明光の効率を増加させるためにコーティング膜の形態に形成されることができる。
【符号の説明】
【0034】
10 反射板
11 ハウジング
12、14 放射素子
120、123 レードーム
120a、123a、220a、223a、227a 照明光
122、124、222、224、226 チップ型光源
122a、124a、222a、224a、226a 導波光
140 保護層
150 空気層
160 内側レードーム
220、227 カバー 225 光反射部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明機能を有する移動通信システム用アンテナであって、
少なくとも一つの特定部分を通じて光を透過又は拡散させるレードームと、
前記レードームに光を照射する少なくとも一つの光源と、
を含むことを特徴とする照明機能を有するアンテナ。
【請求項2】
前記光源は、前記レードームの側面、上部、及び下部のうち少なくとも一つに設置される照明用発光ダイオード(LED)を有するチップ型光源であり、
前記レードームは、前記チップ型光源から発生した光を受信して前記アンテナの外部に放出するように、少なくとも一つの特定部分に形成される導光板(LGP)を有することを特徴とする請求項1に記載の照明機能を有するアンテナ。
【請求項3】
前記レードームは、
少なくとも一側が開放されているハウジングと、光を透過又は拡散させるために前記ハウジングの開放された側面と結合するカバーと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明機能を有するアンテナ。
【請求項4】
前記光源から放出された光を反射してアンテナの外部に放出させるための光反射部材をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明機能を有するアンテナ。
【請求項5】
外部環境から内部装置を保護するために、前記レードームの外部に提供される保護層をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明機能を有するアンテナ。
【請求項6】
内部装置をサポート及び保護するために、前記レードームの内側に設置される内側レードームをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明機能を有するアンテナ。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−519408(P2012−519408A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551985(P2011−551985)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際出願番号】PCT/KR2010/001192
【国際公開番号】WO2010/098602
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(508112782)ケーエムダブリュ・インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】