説明

照明用有機ELパネル

【課題】発光層を有する基板へ給電するための補助電極を備えた照明用有機ELパネルにおいて、補助電極による接触圧を高め、基板を傷付けず確実に給電できるようにする。
【解決手段】ELパネル1は、発光層6が設けられる基板2と、発光層6を封止する封止部3と、基板2に配置された素子電極4と、素子電極4に当接して外部から電力を供給する補助電極5とを備える。補助電極5は、基板2および素子電極4と当接する第1当接部51および第2当接部52とを備えたバネ性の金属板からなる。第1当接部51の基板2との接触面および第2当接部52の素子電極4との接触面に曲面を有する凸部55を備える。これにより、補助電極5の弾性力が集中される凸部55で基板2と素子電極4が挟持され、かつ、凸部55の曲面によりスムーズに装着されるので、補助電極5による接触圧を高め、基板2を傷付けず確実に給電することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)発光層へ給電するための補助電極を備えた照明用有機ELパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照明用有機ELパネルにおいては、通常、素子電極は透明性の良いITO(酸化インジウム錫)が用いられるが、ITOは抵抗率が高いため、素子電極への給電を例えば一接点のみで行った場合には、ITO内での電圧降下によりEL発光層への供給電力が接点から離れるにしたがって低下し、輝度ばらつきが生じる。そこで、この問題を解消するために、素子電極と基板とを挟持して面的に接触させる補助電極を用いたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図17に照明用有機ELパネル100の補助電極の構成を示す。この照明用有機ELパネル100においては、透明基板101上に有機ELの発光層が積層され、この発光層を封止する封止部104の外周に素子電極102が導出され、この素子電極102および透明基板101をクリップ状のバネ性を成す補助電極103により挟持し、素子電極102に給電する。なお、図示では補助電極103を一方のみ示しているが、もう1つの素子電極に給電する補助電極がある。
【0004】
しかしながら、上記のような補助電極103は、その一対の当接部を透明基板101および素子電極102に対して平面状に接触させるため、透明基板101および素子電極102による基板厚D1と、補助電極103の接触面の間隔D2とがばらついた場合には、平面状接触とはならず、接触圧が不足して不十分な保持力が確保できず、確実な給電が困難となる。
【0005】
また、図18(a)に示すように、接触面の間隔D2が基板厚D1より狭いときや、図18(b)に示すように、その逆のとき、各当接部の先端部分(点線で囲った部分)で透明基板101および素子電極102とエッジ接触となるため、不十分な接合となるとともに、透明基板101や素子電極102を傷付けたり、破損することがある。また、補助電極103の透明基板101および素子電極102に対する取付位置が定まっていないため、補助電極103が所定位置に装着されたかどうかが分かり難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−269988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、発光層を有する基板へ給電するための補助電極を備えた照明用有機ELパネルにおいて、補助電極による接触圧を高め、基板を傷付けず、確実に給電することができる照明用有機ELパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、光放出面を有する発光層が設けられる基板と、前記光放出面の反対側で前記基板に対向して配置された封止部と、該封止部の外周に導出され前記基板に配置された素子電極と、該素子電極に当接して外部から電力を供給する補助電極とを備える照明用有機ELパネルにおいて、前記補助電極は、前記基板の辺方向に沿って延び前記基板と接触する第1当接部と、該第1当接部に対向して配置され前記素子電極と接触する第2当接部と、前記第1当接部および前記第2当接部を連結して前記基板および素子電極とを弾性力により狭持する連結部とを備えた弾性部材であり、
前記第1当接部の前記基板との接触面および前記第2当接部の前記素子電極との接触面の少なくとも一方に、曲面を有する凸部を備え、前記基板または素子電極との接触が前記凸部によって成されるものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の照明用有機ELパネルにおいて、前記第2当接部は、前記素子電極と接触する接触面に前記凸部を備え、前記素子電極との接触が前記凸部によって成されるものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の照明用有機ELパネルにおいて、前記第1当接部と前記基板との接触面は、いずれか一方が曲面を有する凸部を、他方が曲面を有する凹部を備え、これら凸部と凹部とは互いに係合されるものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載の照明用有機ELパネルにおいて、前記第1当接部と前記基板との接触面は、曲面を有する凸部をそれぞれに備え、前記補助電極が前記基板の端面方向から装着されたときに、一方の凸部が他方の凸部を乗り越えて係合されるものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、補助電極は基板および素子電極との接触の際、その弾性力が集中される第1当接部または第2当接部の凸部で基板および素子電極との接触圧が増加するので、基板および素子電極による基板厚と、補助電極の接触面の間隔とがばらついても、それらの保持力を確保することができ、素子電極への給電を確実に行うことができる。また、凸部が曲面を成しているので補助電極を基板および素子電極にスムーズに接触でき、それらを傷付け難い。
【0013】
請求項2の発明によれば、素子電極と第2当接部との接触圧が増加するので、補助電極から素子電極により確実に給電を行うことができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、第1当接部と係合する基板の凸部または凹部の位置により、基板への補助電極の装着の位置決めができるとともに、それらが係合した場合のクリック感により補助電極の取り付け完了が分かり易い。
【0015】
請求項4の発明によれば、第1当接部、第2当接部がともに曲面を有する凸部により基板および素子電極にそれぞれ接触するので、補助電極を基板の端面方向から挿入し易い。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明用有機ELパネルの斜視図。
【図2】同パネルの分解斜視図。
【図3】同パネルの側面図。
【図4】同パネルの断面図。
【図5】(a)は同パネルの補助電極の斜視図、(b)は同補助電極の側面図。
【図6】(a)は上記の変形例に係る有機ELパネルの補助電極の斜視図、(b)は同補助電極の側面図。
【図7】(a)は本発明の第2の実施形態に係る有機ELパネルの補助電極の斜視図、(b)は同補助電極の側面図。
【図8】上記の変形例に係る有機ELパネルの補助電極の斜視図。
【図9】(a)は他の変形例に係る有機ELパネルの下方から見た斜視図、(b)は同パネルの基板の下方斜視図。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る照明用有機ELパネルの斜視図。
【図11】同パネルの分解斜視図。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る照明用有機ELパネルの下方斜視図。
【図13】同パネルの側面図。
【図14】同パネルの基板の下方斜視図。
【図15】上記の変形例に係る有機ELパネルの部分側面図。
【図16】他の変形例に係る有機ELパネルの部分側面図。
【図17】従来の照明用有機ELパネルの補助電極部分の断面図。
【図18】(a)(b)はそれぞれ上記補助電極の挟持不良状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施形態に係る照明用有機ELパネルについて図1乃至図5を参照して説明する。これらの図に示すように、照明用有機ELパネル1(以下、ELパネルという)は、有機ELの発光層6が設けられる矩形の透明な基板2と、発光層6を封止する封止部3と、発光層6に給電する一対の素子電極4と、これら素子電極4に当接して外部から電力を供給する一対の補助電極5とを備える。このELパネル1においては、補助電極5を基板2上の素子電極4に接触させて発光層6に給電する。
【0018】
基板2は、ガラス等の透明部材から成り、その上に発光層6への給電用の電極となる素子電極4が形成され、この素子電極4上に発光層6が積層されて発光パネルとして構成される。基板2の発光層6が形成された反対面側(裏面側)はEL発光の光放出面となっている。
【0019】
素子電極4は、例えばITO(酸化インジウム錫)により透明電極として基板2上に平面状に形成され、それぞれ発光層6へのプラス電極およびマイナス電極となる矩形の電極41および電極42を有する。電極41および電極42は、それらの間の矩形の絶縁分離層により分離された2つの矩形パターンからなり、電極41の面積は電極42より大きくなっている。
【0020】
電極41上には、発光体として、例えば蛍光性有機化合物を含む有機薄膜からなる発光層6が形成される。また、発光層6の上面には、蒸着等によりサブミクロン厚のアルミ電極7が形成され、このアルミ電極7は電極42に接続されている。また、発光層6およびアルミ電極7は、シリコン樹脂等からなる封止部3により封止される。電極41および電極42は、封止部3の外周に導出されており、基板2の一対の対向する辺方向に沿う導出部分で補助電極5と接触するようになっている。なお、電極42は必ずしも透明電極でなくてもよいので、アルミ電極等としてもよい。
【0021】
補助電極5は、例えばステンレススチールのような導電性がITOに比較して極めて高くバネ性のある金属板から成り、その板厚は、例えば1mm程度以下とすることが可能である。補助電極5は、基板2および素子電極4(電極41又は電極42)とを弾性力により狭持するように側面視略U字形状で、基板2の辺方向に沿って延びる長尺形状に形成され、基板2と接触する第1当接部51と、これに対向して配置され素子電極4と接触する第2当接部52とを備える。第1当接部51と第2当接部52とを連結する部分にはバネ性を高めるために山型状の曲面が設けられている。
【0022】
補助電極5は、第1当接部51の基板2との接触面および第2当接部52の素子電極4との接触面にそれぞれ凸部55を備える。これら凸部55は、該電極5の長手方向に延び、側面視で略半円柱状の曲面を有し、互いに対向するように形成されている。また、第1当接部51と第1当接部52は外部電源からの配線(不図示)により接続され電源供給される。
【0023】
補助電極5は、図5(a)、(b)に示すように、基板2に装着前の状態において、第1当接部51と第2当接部52は、それぞれの接触面が略平行を成す。ここでは、それらの接触面の間隔H2は、基板2を挿入し易いように、素子電極4の厚みを含む基板2の基板厚H1より僅かに大きくしている。また、第1当接部51および第2当接部52の凸部55はそれぞれの接触面から所定の高さを成し、それらの頂点間の間隔H3は、基板厚H1より小さく形成されている。
【0024】
上記のように構成されたELパネル1において、補助電極5が基板2の端面方向から装着されると、補助電極5は、第1当接部51と第2当接部52との間隔H2が基板厚H1より広いので、基板厚H1は補助電極5内にスムーズに挿入される。このとき、基板2の挿入が進み、各当接部51、52の凸部55が基板2の端面に突き当ると、凸部55は曲面を成しているので、少ない押圧で基板2上に乗り上げられるとともに、補助電極5の凸部55間が押し拡げられる。したがって、補助電極5は基板2および素子電極4を傷付けることなく、第1当接部51および第2当接部52の凸部55で基板2および素子電極4を圧接して挟持することができる。
【0025】
このように、本実施形態のELパネル1によれば、補助電極5は基板2および素子電極4との接触の際、その弾性力が集中される第1当接部51および第2当接部52の凸部55で基板2および素子電極4との接触圧が増加するので、基板2および素子電極4による基板厚H1と、補助電極5の接触面の間隔H2とがばらついても、それらの保持力を確保することができ、素子電極4への給電を確実に行うことができる。また、凸部55が曲面を成しているので、補助電極5を基板2および素子電極4にスムーズに接触でき、それらを傷付け難い。
【0026】
また、凸部55の接触面からの高さを基板厚H1と間隔H2とのばらつき合計の最大値以上に大きくしておくことにより、それらのばらつきの影響をほぼ吸収することができる。また、上記においては、間隔H2を略平行としたが、間隔H2を補助電極5内部からの端部に向けて基板厚H1より広い状態から狭い状態になるように傾斜させて構成しておくことにより、基板2および素子電極4を傷付けることなく、凸部55による接触圧をより強くすることができ、基板厚H1及び間隔H2のばらつきを吸収する効果を高めることができる。なお、第1当接部51と第2当接部52の両方に凸部55を設けたが、どちらか一方に設けてもよい。また、それらに凸部55を互いに平行に複数設けてもよい。
【0027】
次に、上記実施形態の変形例によるELパネルの補助電極について図6(a)、(b)を参照して説明する。上記実施形態においては、補助電極5の凸部55が長手方向に連続的に延びる形状とされたものを示したが、この変形例においては、補助電極5の第1当接部51および第2当接部52に、その長手方向に沿って適宜間隔をおいて複数個の略同じ半球形状の凸部55aが設けられている。
【0028】
この構成において、補助電極5は、基板2に装着前においては、前記と同様に、第1当接部51および第2当接部52における各接触面間の間隔H2および各凸部55aの頂点間の間隔H3を、それぞれ基板厚H1より広く、狭く(H2>H1>H3)している。これにより、厚みH1の基板2を傷付けることなく装着できるとともに、複数の凸部55aによる多点接触により、より確実な給電を行うことができる。なお、凸部55aは補助電極5の長手方向に沿って1列構成としたが、複数列としてもよく、また、それらの列毎にその高さH3を変えてもよい。
【0029】
次に、本発明の第2の実施形態に係るELパネルの補助電極について図7(a)、(b)を参照して説明する。本実施形態においては、補助電極5の第1当接部51および第2当接部52は、補助電極5の長手方向に樋状に延び、その側面視が略円弧状の曲面を有する凸部55bを備えたものである。
【0030】
補助電極5は、第1当接部51と第2当接部52間の基板2が挿入される開口端の間隔H2が、向かい合う凸部55bにおける円弧状曲面の頂点間の間隔H3より広く、また間隔H3は基板厚H1より狭く形成されている。
【0031】
上記のように構成された補助電極5は、第1当接部51と第2当接部52との間隔が開口端の間隔H2から各凸部55bの頂点間の間隔H3まで連続的に緩やかに変化するので、基板2を補助電極5内へよりスムーズに挿入することができる。また、これら凸部55bの曲面の曲率は、前記半円柱状の凸部55や半球形状の凸部55a等に比較して大きくなる。したがって、補助電極5は基板2および素子電極4との接触面積を広くでき、接触圧および保持力が増加する。これにより、補助電極5は基板2および素子電極4をより強く挟持することができ、基板2および素子電極4を傷付けることなく、より確実に給電することができる。
【0032】
次に、上記実施形態の変形例による照明用有機ELパネルの補助電極について図8を参照して説明する。この変形例においては、補助電極5の第1当接部51および第2当接部52は、円弧状曲面を成す凸部55bにその長手方向に沿って適宜間隔をおいて複数のスリット56を備え点で前記実施形態と異なる。
【0033】
第1当接部51と第2当接部52は、それぞれ複数のスリット56により分割された櫛歯形状を成す。これにより、補助電極5は基板2および素子電極4と、櫛歯形状の複数の円弧状曲面によりそれぞれ面接触されるので、より確実に接触される。したがって、補助電極5は基板2および素子電極4を傷めることなく、より接触の信頼性が向上する。なお、ここでは、第1当接部51と第2当接部52の両方にスリットを設けたが、どちらか一方に設けるだけでもよい。
【0034】
次に、上記実施形態の他の変形例によるELパネルについて図9(a)、(b)を参照して説明する。この変形例は、前記変形例において、基板2に、補助電極5の第1当接部51における凸部55bのスリット56に係合する突起部21を備えたものである。
【0035】
基板2は、その裏面側に電極52の長手方向と略平行な辺方向に沿って、凸部55bの各スリット56間隔と略同間隔を成して複数個の略同形状の突起部21を有する。各突起部21は、補助電極5が基板2の端面方向から装着されるとき、各スリット56の開口側からその奥側に向けて挿入され、スリット56の終端側で係合される。これにより、補助電極5は、基板2の補助電極5の挿入方向だけでなく、この挿入方向と直交する方向においても固定され、補助電極5の位置決めを安定して行うことができる。
【0036】
次に、本発明の第3の実施形態に係るELパネルについて図10および図11を参照して説明する。本実施形態のELパネル1においては、素子電極4は補助電極5の第2当接部52との接触面に導電性の高い補助電極層8を備えている。
【0037】
補助電極層8は、ITOより導電性の高いアルミ蒸着等により基板2の辺方向に沿って延びる矩形に形成される。補助電極層8上は同電位となるので、補助電極5の第2当接部52が補助電極層8面上の少なくとも1箇所で接触すれば、素子電極4内で電圧降下が発生しない。したがって、基板2上の電極41,42に対向するITO内では電圧降下がなくなり、それぞれ一定電圧となるので、発光層6への給電位置による電位差をなくすことができる。
【0038】
このことにより、発光層6へ供給される電力が接続点から離れるにしたがって減少することがなくなり、輝度ばらつきが発生することを防止できる。したがって、素子電極4を基板2の辺方向に長くした大面積パネルにも対応することができる。
【0039】
次に、本発明の第4の実施形態に係るELパネルについて図12乃至図14を参照して説明する。本実施形態のELパネル1において、基板2は補助電極5の第1当接部51と基板2との接触面に曲面を有する凹部22を備え、この凹部22に第1当接部51の凸部55を係合させる。
【0040】
この凹部22は、基板2の光放出面側に補助電極5と接触する辺方向に沿って延びる側面視が略半円弧形の溝形状とされ、補助電極5が基板2の端面方向から挿入されたとき、基板2の所定位置で第1当接部51の凸部55と係合される。これにより、補助電極5の取り付けの位置決めをすることができ、取り付け精度が良くなるとともに、それらが係合した場合のクリック感により補助電極5の取り付け完了が分かり易くなる。
【0041】
次に、上記実施形態の変形例によるELパネルについて図15を参照して説明する。本変形例においては、補助電極5は、その第1当接部51に曲面を有する凹部55cを備え、基板2は曲面を有する凸部23を備え、それら凹部55cと凸部23とを互いに係合させる。なお、図示では一方の補助電極5のみを示している。
【0042】
凸部23は、基板2の光放出面側の補助電極5が装着される辺方向に沿って延びる側面視で略円弧状の曲面を有する。また、凹部55cは、補助電極5の長手方向に延びる側面視で略円弧形の曲面を有する溝状を成す。補助電極5が基板2の端面方向から装着されたとき、凸部23と凹部55cとは互いに係合するように位置決めされている。この変形例においても上記と同様の効果が得られる。
【0043】
次に、上記実施形態の他の変形例による照明用有機ELパネルについて図16を参照して説明する。本変形例においては、補助電極5の第1当接部51と基板2はそれぞれ曲面を有する凸部55と凸部23とを備え、補助電極5が基板2の端面方向から装着されたときに、凸部55が凸部23を乗り越えて係合される。この変形例では、補助電極5の弾性変形により凸部55が凸部23を乗り越えることにより係合する。これにより、上記と同様の効果が得られる。
【0044】
なお、本発明は上記各種実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態においては、基板2の一対の対向する辺側で接触される補助電極5について示したが、その二対の対向する辺側にそれぞれプラスおよびマイナス用の素子電極4を設け、補助電極5を基板2の四方から接触する場合も同様に行える。
【符号の説明】
【0045】
1 ELパネル(照明用有機ELパネル)
2 基板
22 凹部
23 凸部
3 封止部
4 素子電極
41、42 電極
5 補助電極
51 第1当接部
52 第2当接部
53 連結部
55、55a、55b 凸部
55c 凹部
6 発光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光放出面を有する発光層が設けられる基板と、前記光放出面の反対側で前記基板に対向して配置された封止部と、該封止部の外周に導出され前記基板に配置された素子電極と、該素子電極に当接して外部から電力を供給する補助電極とを備える照明用有機ELパネルにおいて、
前記補助電極は、前記基板の辺方向に沿って延び前記基板と接触する第1当接部と、該第1当接部に対向して配置され前記素子電極と接触する第2当接部と、前記第1当接部および前記第2当接部を連結して前記基板および素子電極とを弾性力により狭持する連結部とを備えた弾性部材であり、
前記第1当接部の前記基板との接触面および前記第2当接部の前記素子電極との接触面の少なくとも一方に、曲面を有する凸部を備え、前記基板または素子電極との接触が前記凸部によって成されることを特徴とする照明用有機ELパネル。
【請求項2】
前記第2当接部は、前記素子電極と接触する接触面に前記凸部を備え、前記素子電極との接触が前記凸部によって成されることを特徴とする請求項1に記載の照明用有機ELパネル。
【請求項3】
前記第1当接部と前記基板との接触面は、いずれか一方が曲面を有する凸部を、他方が曲面を有する凹部を備え、これら凸部と凹部とは互いに係合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明用有機ELパネル。
【請求項4】
前記第1当接部と前記基板との接触面は、曲面を有する凸部をそれぞれに備え、
前記補助電極が前記基板の端面方向から装着されたときに、一方の凸部が他方の凸部を乗り越えて係合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明用有機ELパネル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate