説明

照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造

【課題】光のロスを小さくして照度を上げることができる、照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造を提供する。
【解決手段】反射面が、周方向において例えば正16角形からなり、基端側から先端側に向けて3段以上に角度を異ならせて開いていく多面体構造に形成されている。基端側の第1段部分3の高さ寸法h1と、中間の第2段部分4の高さ寸法h2と、先端側の第3段部分5の高さ寸法h3との比が1:1〜2:2〜5に設定され、第1段部分3の各反射面部3aの角度が135°〜155°の範囲、第2段部分4の各反射面部4aの角度が150°〜170°の範囲、第3段部分5の各反射面部5aの角度が150°〜170°の範囲にそれぞれ設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
照明用光源から発せられる光を反射させて先端側に照射する照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造として、反射面が、周方向において18角形〜24角形からなると共に、基端側から先端側に向けて3段以上に角度を異ならせて開いていく多面体構造に形成されたものは、従来より提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−346968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の反射面構造では、光源から光のロスについての配慮に欠けていて、第1段部分と第2段部分の反射面部の面積が第3段部分の反射面部の面積が大きすぎ、そのため、第1段部分や第2段部分の反射面部、とりわけ第1段部分の反射面部に反射した光が光源に向いてしまい、光のロスを大きくしているという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、光のロスを小さくして照度を上げることができる、照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、照明用光源から発せられる光を反射させて先端側に照射する照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造であって、
前記反射面が、周方向において多角形からなると共に、基端側から先端側に向けて3段以上に角度を異ならせて開いていく多面体構造に形成され、
基端側の第1段部分の高さ寸法と、中間の第2段部分の高さ寸法と、先端側の第3段部分の高さ寸法との比が1:1〜2:2〜5に設定されると共に、
光の照射中心方向と直交する面に対する第1段部分の各反射面部の角度が135°〜155°の範囲に設定され、第1段部分の反射面部に対する第2段部分の各反射面部の角度が150°〜170°の範囲に設定され、第2段部分の反射面部に対する第3段部分の各反射面部の角度が150°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とする照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造によって解決される(第1発明)。
【0007】
この構造は、広角タイプのもので、基端側の第1段部分の高さ寸法と、中間の第2段部分の高さ寸法と、先端側の第3段部分の高さ寸法との比を上記のように設定すると共に、各段の反射面部の角度を上記のように設定することにより、基端側の第1段部分と第2段部分の反射面部の表面積を効果的に小さくすることができると共に、第1段部分と第2段部分の反射面部に反射した光が光源に向くのを回避することができて光のロスを小さくすることができ、それによって、照度を上げることができる。
【0008】
また、上記の課題は、照明用光源から発せられる光を反射させて先端側に照射する照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造であって、
前記反射面が、周方向において多角形からなると共に、基端側から先端側に向けて3段以上に角度を異ならせて開いていく多面体構造に形成され、
基端側の第1段部分の高さ寸法と、中間の第2段部分の高さ寸法と、先端側の第3段部分の高さ寸法との比が1:1〜2:2〜5に設定されると共に、
光の照射中心方向と直交する面に対する第1段部分の各反射面部の角度が115°〜123°の範囲に設定され、第1段部分の反射面部に対する第2段部分の各反射面部の角度が181°〜195°の範囲に設定され、第2段部分の反射面部に対する第3段部分の各反射面部の角度が160°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とする照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造によっても解決される(第2発明)。
【0009】
この構造は、狭角タイプのもので、基端側の第1段部分の高さ寸法と、中間の第2段部分の高さ寸法と、先端側の第3段部分の高さ寸法との比を上記のように設定すると共に、各段の反射面部の角度を上記のように設定することにより、同様に、基端側の第1段部分と第2段部分の反射面部の表面積を効果的に小さくすることができると共に、第1段部分と第2段部分の反射面部に反射した光が光源に向くのを回避することができて光のロスを小さくすることができ、それによって、照度を上げることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造は、以上のとおりのものであるから、光のロスを小さくして照度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態の反射面構造を示すもので、図(イ)は図(ロ)のI−I線切断図、図(ロ)は底面図である。
【図2】第2実施形態の反射面構造を示すもので、図(イ)は図(ロ)のII−II線切断図、図(ロ)は底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1に示す第1実施形態の反射面構造は、高天井照明器具に用いられる広角タイプのもので、照明用光源1から発せられる光を反射させて先端側、本実施形態の場合は下方に照射する照明用笠の内面部に設けられるもので、反射面2は、該照明器具の内面部に予め備えられたものであってもよいし、後付けで設けられるものであってもよい。
【0014】
該反射面2は、周方向において多角形、本実施形態では正16角形からなっていると共に、基端側から先端側に向けて3段に角度を異ならせて開いていく多面体構造に形成されさている。
【0015】
そして、
・ 基端側の第1段部分3の高さ寸法h1と、中間の第2段部分4の高さ寸法h2と、先端側の第3段部分5の高さ寸法h3との比が1:1〜2:2〜5に設定されると共に、
・ 光の照射中心方向cと直交する面sに対する第1段部分3の各反射面部3aの角度が135°〜155°の範囲に設定され、第1段部分3の反射面部3aに対する第2段部分4の各反射面部4aの角度が150°〜170°の範囲に設定され、第2段部分4の反射面部4aに対する第3段部分5の各反射面部5aの角度が150°〜170°の範囲に設定されている。
【0016】
上記の反射面構造によれば、基端側の第1段部分3の高さ寸法h1と、中間の第2段部分4の高さ寸法h2と、先端側の第3段部分5の高さ寸法h3との比を上記のように設定すると共に、各段3,4,5の反射面部3a,4a,5aの角度を上記のように設定したので、基端側の第1段部分3と第2段部分4の反射面部3a…,4a…の表面積を効果的に小さくすることができると共に、第1段部分3と第2段部分4の反射面部3a…,4a…に反射した光が光源1に向くのを回避することができて光のロスを小さくすることができ、それによって、照度を上げることができる。
【0017】
なお、本実施形態の場合には、第1段部分3の反射面部3a…で反射した光、第2段部分4の反射面部4a…で反射した光、及び、第3段部分5の反射面部5a…で反射した光を、いずれも、光源1より下方を通過させることのできる構成となっていて、それにより、反射した光が光源1に向くのを回避するようになされている。
【0018】
図2に示す第2実施形態の反射面構造は、狭角タイプのもので、
・ 基端側の第1段部分3の高さ寸法h1と、中間の第2段部分4の高さ寸法h2と、先端側の第3段部分5の高さ寸法h3との比が、第1実施形態の場合と同様に、1:1〜2:2〜5に設定されると共に、
・ 光の照射中心方向cと直交する面sに対する第1段部分3の各反射面部3aの角度については115°〜123°の範囲に設定され、第1段部分3の反射面部3aに対する第2段部分4の各反射面部4aの角度については181°〜195°の範囲に設定され、第2段部分4の反射面部4aに対する第3段部分5の各反射面部5aの角度については160°〜170°の範囲に設定されている。その他は、第1実施形態と同様である。
【0019】
上記の反射面構造によっても、基端側の第1段部分3の高さ寸法h1と、中間の第2段部分4の高さ寸法h2と、先端側の第3段部分5の高さ寸法h3との比を上記のように設定すると共に、各段3,4,5の反射面部3a,4a,5aの角度を上記のように設定したことによって、基端側の第1段部分3と第2段部分4の反射面部3a,4a,5aの表面積を効果的に小さくすることができると共に、第1段部分3と第2段部分4の反射面部3a…,4a…に反射した光が光源1に向くのを回避することができて光のロスを小さくすることができ、それによって、照度を上げることができる。
【0020】
なお、本実施形態の場合には、第1段部分3の反射面部3a…で反射した光を、光源1より上方を通過させることができ、第2段部分4の反射面部4a…で反射した光、及び、第3段部分5の反射面部5a…で反射した光を、光源1より下方を通過させることのできる構成となっていて、それにより、反射した光が光源1に向くのを回避するようになされている。
【0021】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、反射面2が周方向において正16角形からなっている場合を示したが、それよりも多くても少なくてもよい。
【符号の説明】
【0022】
1…照明用光源
2…反射面
3…第1段部分
3a…反射面部
4…第2段部分
4a…反射面部
5…第3段部分
5a…反射面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明用光源から発せられる光を反射させて先端側に照射する照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造であって、
前記反射面が、周方向において多角形からなると共に、基端側から先端側に向けて3段以上に角度を異ならせて開いていく多面体構造に形成され、
基端側の第1段部分の高さ寸法と、中間の第2段部分の高さ寸法と、先端側の第3段部分の高さ寸法との比が1:1〜2:2〜5に設定されると共に、
光の照射中心方向と直交する面に対する第1段部分の各反射面部の角度が135°〜155°の範囲に設定され、第1段部分の反射面部に対する第2段部分の各反射面部の角度が150°〜170°の範囲に設定され、第2段部分の反射面部に対する第3段部分の各反射面部の角度が150°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とする照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造。
【請求項2】
照明用光源から発せられる光を反射させて先端側に照射する照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造であって、
前記反射面が、周方向において多角形からなると共に、基端側から先端側に向けて3段以上に角度を異ならせて開いていく多面体構造に形成され、
基端側の第1段部分の高さ寸法と、中間の第2段部分の高さ寸法と、先端側の第3段部分の高さ寸法との比が1:1〜2:2〜5に設定されると共に、
光の照射中心方向と直交する面に対する第1段部分の各反射面部の角度が115°〜123°の範囲に設定され、第1段部分の反射面部に対する第2段部分の各反射面部の角度が181°〜195°の範囲に設定され、第2段部分の反射面部に対する第3段部分の各反射面部の角度が160°〜170°の範囲に設定されていることを特徴とする照明用笠の内面部に設けられる反射面の構造。

【図1】
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【図2】
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