説明

照明装置及び照明システム並びに照明装置用の反射構体の製造方法

【課題】 電飾看板などのバックライトとして使用する場合、点検・保守期間が短いために、メンテナンスコストが高くなる上に、消費電力が多く、電力コストも高くなること。
【解決手段】 ベース部1と、ベース部に配置され、底面部8と底面部のそれぞれの辺部8aよりほぼ同一方向に立ち上がる側面部9とを有するほぼ箱状の反射構体7と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置された発光素子11とを具備し、前記反射構体は、底面部の中央部分をほぼ全周方向に山形状(10)に形成し、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分10aの傾斜面の形状をほぼ同一となるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば一般照明や電飾看板などの表示装置の裏面側から光を照射するバックライトに適した照明装置及び照明システム並びに照明装置用の反射構体の製造方法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、駅や街頭などにおいて、広告用に用いられる大型の電飾看板などでは、表示対象物を照明するバックライトとして蛍光ランプや電球などが用いられている。
例えば駅などのように通行量の多い場所に設置される電飾看板は、通路に面した壁面に空間部を形成し、この空間部に、壁面より突出しないように収納して設置されている。
又、通行に支障のない高所に設置される場合には、電飾看板を構築物などに直接的に取り付けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の壁面埋込型の電飾看板は、バックライトとして蛍光ランプなどが用いられているために、電飾看板の厚みが大きくなる結果、構築物の壁面に予め深い空間部を形成しておく必要がある。このために、構築物の建設費用が高騰し、電飾看板の設置費用も高くなる。
又、バックライトとしては、多数の蛍光ランプなどが使用されるために、消費電力が増加し、電力代も高くなるという問題がある。
さらに、このような電飾看板は、一日の稼働時間が長いこともあって、一年に一回程度と頻繁に、蛍光ランプを交換しなければならないために、メンテナンス費用が高くなるという問題もある。特に、電飾看板が高所に設置されている場合には、メンテナンス作業に危険性が伴うこともあって、メンテナンス費用がより一層に高くなるという問題が生ずる。
それ故に、本発明の目的は、電飾看板などへの適用性が高められる上に、消費電力が低減でき、メンテナンス期間の長期化によってメンテナンス費用などを低減できる照明装置及び照明システム並びに照明装置用の反射構体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明は上述の目的を達成するために、ベース部と、ベース部に配置され、内面に反射面を有するほぼ箱状の反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置された発光素子とを具備し、前記反射構体は、底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有するほぼ箱状に構成されており、しかも、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成されていることを特徴とする。
【0005】
又、本発明の第2の発明は、一方の面に電力供給用のコネクタを有するベース部と、ベース部の他方の面に配置され、内面に反射面を有するほぼ箱状の反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置され、かつコネクタを介して電力供給される発光素子とを具備し、前記反射構体は、底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有するほぼ箱状に構成されており、しかも、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成されていることを特徴とする。
【0006】
又、本発明の第3の発明は、一方の面に電力供給用のコネクタを有するベース部と、ベース部の他方の面に配置され、少なくとも底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有し、かつ、内面に反射面を有するほぼ箱状に構成された反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置され、かつコネクタを介して電力供給される発光素子と、反射構体におけるそれぞれの側面部の外面に、それの立ち上がり端より若干突出するように当接して配置された透光性部材よりなる仕切板と、仕切板上に、反射構体の開口部分を閉塞するように配置された光拡散板とを具備し、前記反射構体は、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
又、本発明の第4の発明は、反射構体はほぼ四角の箱状に構成され、それぞれのコーナー部に発光素子が配置されていることを特徴とし、第5の発明は、反射構体において、発光素子に対向するそれぞれの山形部分がほぼ三角状に形成されていることを特徴とし、第6の発明は、反射構体の反射面は、折り曲げ可能な金属板に光反射性のシートを一体的に重ね合わせて構成されていることを特徴とし、第7の発明は、反射構体の反射面は、光反射性部材を蒸着させて構成されていることを特徴とし、第8の発明は、ベース部の一方の面におけるそれぞれの辺部中央部分の端縁部分に電力供給用のコネクタが配置されていることを特徴とし、第9の発明は、ベース部の一方の面における適宜部分に差込接続部を有するコネクタが配置されていることを特徴とし、第10の発明は、仕切板の外表面に反射層が形成されていることを特徴とする。
【0008】
又、本発明の第11の発明は、一方の面に電力供給用の差込側(又は受け入れ側)コネクタを有するベース部と、ベース部の他方の面に配置され、少なくとも底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有し、かつ、内面に反射面を有するほぼ箱状に構成された反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置され、かつコネクタを介して電力供給される発光素子とを具備し、前記反射構体は、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成された照明装置Aと、一定の間隔で電力供給用の受け入れ側(又は差込側)コネクタを整列配置した取付部材Bとを具備し、前記取付部材Bに複数の照明装置Aが所望の配置パターンとなるように、それぞれに配置されたコネクタを互いに結合・接続することを特徴とする。
【0009】
又、本発明の第12の発明は、取付部材Bに結合された複数の照明装置Aの前面に共通の光拡散板が配置されていることを特徴とし、第13の発明は、取付部材Bに結合されたそれぞれの照明装置Aの前面に個別的に光拡散板が配置されていることを特徴とし、第14の発明は、照明装置Aにおいて、反射構体が四角の箱状に構成されていることを特徴とする。
又、本発明の第15の発明は、ベース部と、ベース部に配置され、底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有し、内面に反射面を有するほぼ箱状に構成され、しかも、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成された反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部の中央部分に配置された発光色の異なる複数の発光素子とを具えた照明装置と、照明装置におけるそれぞれの発光素子の光量を発光色毎に個別に制御しうる制御装置とを具備したことを特徴とする。
【0010】
又、本発明の第16の発明は、板状部材を、角形の底面部と底面部のそれぞれの辺部にほぼ四角形の側面部とが一体的に形成されるように加工する工程と、底面部の中心部分からそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部の中央部分に向けて切り込み部を形成する工程と、側面部を底面部に対して所定の角度となるように折り曲げてほぼ箱状に加工する工程と、底面部の中央部分を押し上げることによって山形状に加工する工程とを具備したことを特徴とし、第17の発明は、板状部材は、金属板の一方の面に光反射性のシートが一体的に重ね合わせて構成されていることを特徴とし、第18の発明は、側面部を底面部に対してほぼ所定の角度となるように折り曲げる工程及び底面部の中央部分を押し上げることによって山形状に加工する工程の終了後に、側面部、底面部及び山形部分に反射層が形成されることを特徴とし、第19の発明は、反射層が反射シートであることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の第20の発明は、板状部材を、角形の底面部と底面部の辺部にほぼ四角形の側面部とが一体的に形成されるように加工する工程と、側面部を底面部に対してほぼ所定の角度となるように折り曲げてほぼ箱状に加工する工程と、底面部の中央部分を、山形部分を有する成形金型によって底面部のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する傾斜面の形状がほぼ同一となるような山形状に加工する工程とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このように本発明によれば、内面に反射面を有する反射構体は、底面部と底面部のそれぞれの辺部より同一方向に立ち上がる側面部とを有するほぼ箱状に構成されており、しかも、底面部の中央部分がほぼ山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成されている上に、このような傾斜面に対向するようにそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に発光素子が配置されているために、発光素子から放射された光は山形部分の傾斜面で効率よく反射され、反射構体の開口部分における明るさを増加させることができる。
特に、反射構体を構成する底面部及び側面部を、例えば一枚の金属板によって形成すれば、側面部を底面部の辺部よりほぼ同一方向に立ち上がるように折り曲げ、しかも、底面部の中央部分を押し上げることによって山形部分が形成されるために、反射構体の製作・加工が容易になり、作業の効率化に伴いコストも効果的に低減できる。例えば、事前に、底面部の中央部分からそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部の中央部分に向けて切り込みを形成しておけば、山形部分の形成作業が容易となり、作業性をより一層に改善できる。
【0013】
又、本発明では、反射構体の底面部におけるそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置される発光素子は、例えば消費電力の小さな発光ダイオードなどが適用されるために、照明装置としての消費電力も従来の蛍光ランプなどに比べて大幅に節電できる。その上、発光素子が長寿命であることから、メンテナンス期間が長くなり、メンテナンス費用も軽減できる。
この反射構体は、発光素子の利用と相俟って、その厚みを薄形化できることから、かかる反射構体を備えた照明装置を、例えば電飾看板のバックライトなどに適用すれば、照明装置を埋め込むために事前に形成しておかなければならない構築物の埋め込み空間部を浅くすることができるために、構築物の建設費用の低減が可能になる。
【0014】
又、本発明において、ベース部に電力供給用のコネクタを配置すれば、照明装置の適用場所での配線作業を円滑に行うことができる。特に、ベース部に複数の電力供給用のコネクタ(差込側及び受け入れ側)を配置すれば、複数の照明装置を、それぞれのコネクタの結合・接続によって平面的や立体的に連結させることができるようになる。連結態様によっては、例えば文字表示なども可能となり、一般照明やバックライトとは異なった分野への展開・利用が期待できる。
又、複数の照明装置を平面的に配列する場合、照明装置のベース部に電力供給用の差込側コネクタ(又は受け入れ側コネクタ)を配置すると共に、取付部材に複数の電力供給用の受け入れ側コネクタ(又は差込側コネクタ)縦横に整列・配置しておき、照明装置を取付部材の所望部分に、それぞれのコネクタが接続されるように配置することによって各種態様の照明が実現できる。
特に、複数の照明装置を平面的に並べて配置する場合、反射構体におけるそれぞれの側面部の外面に透光性部材よりなる仕切板を、側面部の立ち上がり端より若干突出するように配置すれば、それぞれの照明装置の隣接部分に発生する影を軽減・緩和できる。
さらに、反射構体におけるそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置した発光色の異なる発光素子の光量を制御装置によって、発光色毎に個別に制御するように構成すれば、調光したり、調色したりすることができ、より一層多様な照明の実現が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明における照明装置の第1の実施例について図1〜図4を参照して説明する。同図において、Aは本発明にかかる照明装置であって、例えばベース部1と、箱状の反射構体7と、発光素子11と、仕切板12と、光拡散板13とから構成されている。ベース部1は、例えばプリント配線基板にて構成されており、一方の面1aにおける辺部中央部分の端縁部分には電力供給用のコネクタ2,3,4,5が配置されている。特に、コネクタ2,4にはピンなどの差込接続部2aを有するコネクタが、コネクタ3,5には差込接続部2aを受け入れる受け入れ部を有するコネクタが用いられており、差込接続部2aは端縁部分より外方に突出するように配置されている。
上述のプリント配線基板1には、コネクタ2(又はコネクタ3,4,5)から発光素子11に電力を供給するための配線回路(図4参照)が形成されている。それぞれのコネクタ2,3,4,5は並列的に接続されており、コネクタ2には抵抗器6を介して複数の発光素子11,11が、コネクタ3には抵抗器6を介して複数の発光素子11,11がそれぞれ直列的に接続されている。図示例では4個の発光素子11が用いられており、プリント配線基板1のコーナー部に配置されているし、抵抗器6,6は適宜の発光素子11に近い部分に配置されている。尚、発光素子11の接続数及び抵抗器6の抵抗値は、発光素子11の順方向電圧Vfや電源電圧Vccによって任意に選択できる。
【0016】
7は、上述したベース部1の他方の面1b側に配置されたほぼ箱状の反射構体であって、その内面には光を反射する反射面が形成されている。この反射構体7は、例えば角形の底面部8と、底面部8のそれぞれの辺部8aからほぼ同一方向に立ち上がる側面部9と、底面部8の中央部分に盛り上がるように形成された山形部分10とから構成されている。尚、底面部8のそれぞれのコーナー部には上述した発光素子11がそれぞれの山形部分10aに対向するように配置されており、それのリードは対応する底面部分に形成された孔8bを介してベース部1の配線回路に接続されている。
特に、反射構体7の山形部分10は、それぞれの発光素子11に対向する部分10aがほぼ三角状に形成されており、発光素子11からの光を効率よく反射するように構成されている。この山形部分10の高さhは側面部9の高さHのほぼ半分位に設定することが、開口部7a側への光反射量を確保する点で望ましい。しかしながら、この関係は絶対的なものではなく、反射構体7の大きさや発光素子11の特性などによって変りうる。
反射構体7におけるそれぞれの側面部9の外面には、例えばアクリル板のような透光性部材よりなる仕切板12が配置されている。この仕切板12は、側面部9の立ち上がり端9aより若干突出する程度のサイズに形成されている。そして、仕切板12の突出端12aには光拡散板13が、開口部分7aを閉塞するように配置されている。
【0017】
次に、上述の反射構体7の製造方法について図5〜図7を参照して説明する。まず、図5に示すように、板状部材を、角形の底面部8と、底面部8のそれぞれの辺部8aにほぼ四角形の側面部9とが一体的に形成されるように切断・加工する。次に、底面部8の中心部分から辺部8aの中央部分に向けて十文字状となるように切り込み部7b,7bを形成する。次に、底面部8のそれぞれのコーナー部に孔8bを形成する。尚、底面部8と側面部9の切断・加工、切り込み部7bの形成及び孔8bの形成は別々の工程で行う他に、一括して行ったり、或いは適当な工程を同時に行うこともできる。又、板状部材としては、例えば折り曲げ加工が容易なアルミニウム板などの金属板の一方の面に光反射性のシートを一体的に重ね合わせたものが好適する。
次に、図6〜図7に示すように、それぞれの側面部9を、図5に示す辺部8aに対応する点線部分からそれぞれが同一方向に立ち上がるようにほぼ直角に折り曲げる。次に、底面部8の中央部分を、例えば山形形状の成形金型を利用して押し上げることによって山形部分10が形成される。この山形部分10は、図5に示す点線部分から折り曲げることによって全周方向(この実施例では四方向)に形成される。この傾斜面10aはコーナー部に対向するように形成されており、ほぼ三角状に構成されている。特に、山形部分10の形成は、予め、切り込み部7bが十文字状に形成されているために、円滑に実行できる。尚、側面部9の折り曲げ加工及び山が部分10の加工は同時に行うこともできる。以上の加工工程を経て箱状の反射構体7が製造される。
【0018】
本発明にかかる反射構体7は、上述の方法により製造されることが望ましいが、この方法とは異なった方法により製造することもできる。例えばその一つ目の方法は、折り曲げ加工性に優れた金属板のみを用いて図5〜図7と同様の方法で箱状に加工した後に、箱状の内面に光反射性のシートを一体的に貼り付ける方法である。二つ目の方法は、折り曲げ加工性に優れた金属板のみを用いて基本的には一つ目の方法と同様に加工するが、図5に示す十文字状の切り込み部7bは形成せず、底面部8の中央部分を山形状の成形金型で押し上げることによって山形部分10を形成する方法である。箱状の内面の反射面は、光反射性のシートを貼り付けたり、或いは光反射性の金属を蒸着したり、メッキしたりするなどによって形成することができる。
【実施例】
【0019】
次に、本発明にかかる照明装置の第2の実施例について図8を参照して説明する。同図において、A1〜A4は、図1〜図4に示す照明装置と同じである。同図aに示すように、照明装置A1のコネクタ3に照明装置A2のコネクタ2を対向させ、照明装置A2のコネクタ3に照明装置A3のコネクタ2を対向させ、照明装置A2のコネクタ4に照明装置A4のコネクタ5を対向させる。次に、同図bに示すように、それぞれのコネクタを結合することによってT字状の照明装置が完成し、面照明を行うことができる。
それぞれの照明装置の結合形態は、任意に選択できる。例えばスクリーン状の面照明が必要な場合には、ベース部1の四方に配置されたコネクタを利用して平面的な結合関係を増加させることによって達成できる。又、文字表示をしたい場合には、文字が完成するようにそれぞれの照明装置を結合すればよい。
【0020】
図9は、本発明にかかる照明装置の第3の実施例を示す。同図において、A1〜A4は、図1〜図4に示す照明装置と同じであるが、それぞれのコネクタ2のピン(差込接続部)2aが同図bに示すようにほぼ直角に折り曲げられている点が異なる。このように構成されたそれぞれの照明装置A1〜A4は、同図aに示すように、それぞれのコネクタ2のピン2aがそれぞれのコネクタ3に挿入・結合されることによってほぼ筒状に構成されている。筒状部の長さは、照明装置を長手方向に適宜に結合することによって自在に変えることができる。尚、この実施例では、形態が四角筒状に構成されているが、三角など任意の形状に構成することもできる。この際、コネクタのピンの折り曲げ角度も変更する必要がある。
【0021】
図10は、本発明にかかる照明装置の第4の実施例を示す。基本的な構成は、図1〜図4に示す照明装置と同じである。異なる点は、反射構体7における側面部9の外周部分に配置された仕切板12の外面に反射層14が形成されていることである。この反射層14は、側面部9の立ち上がり端9aと光拡散板13との間に対応する仕切板12の外表面部分に形成されている。上述の反射層14は、例えば光反射性のシートやミラーシートを貼り付けたり、或いは光反射機能を有する金属を蒸着することによって形成される。
このような反射層14を形成することによって、側面部9の立ち上がり端9aと光拡散板13との間に形成された隙間から光が仕切板側に漏れ、この漏れた光が反射層14で反射され、側面部9の立ち上がり端9aに対向する光拡散板部分に達するために、光拡散板13の周辺部分の明るさが補強されることになる。即ち、側面部9の立ち上がり端9aに対向する光拡散板部分に生ずる照度の低い部分(暗い部分)を緩和できるという効果が得られる。
特に、例えば図8に示すように、複数の照明装置Aを平面的に結合して面照明装置を実現した場合、個々の照明装置の隣接部分に生ずる影の発生を効果的に緩和でき、面照明装置としての商品的価値を高めることが可能になる。
【0022】
図11は本発明にかかる照明システムの実施例を示す図である。この照明システムは、基本的には、照明装置Aと取付部材Bとから構成されている。照明装置Aは、ベース部1における一方の面の一個所にのみ差込接続部を有するコネクタが配置されている以外は図1〜図4に示す実施例とほぼ同じである。一方、取付部材Bは、照明装置Aとほぼ同じ大きさの区画部15が縦横に形成されたパネルと、それぞれの区画部15に、照明装置Aのコネクタに対応する部分に配置された受け入れ側のコネクタ16とから構成されている。
図示例では、取付部材Bに照明装置Aが、1,2,3,4,5などの文字表示されるように配置されており、それぞれはコネクタによって互いに結合されている。特に、振動などによってコネクタ相互の結合状態が損なわれる恐れのある場合には、ネジなどによる取付手段を併用することが望ましい。又、それぞれの照明装置Aの前面側には光拡散板が配置されているが、これを省略しパネル前面に共通する光拡散板を配置するように構成することもできる。
この実施例によれば、パネルに沢山の区画部15を設けることによって文字表示以外の多様な表示が可能となり、多彩な広告・宣伝が期待できるようになるし、照明装置Aのサイズを小形化すれば、さらに木目の細かい対応が可能となる。尚、取付部材Bは平面的に構成する他、筒状,湾曲状など用途に応じて適宜の形態に構成することができるし、それぞれのコネクタの取付位置,形態なども適宜に変更しうる。又、照明装置Aの形態も四角形以外に選定することもできる。
又、この照明システムは、一般照明用に適用することができる。このシステムによれば、被照明面における必要照度に応じて取付部材Bへの照明装置Aの配置数を適宜に変更できるために、被照明面の照度を簡単に適正に維持することができるのみならず、定期的なメンテナンス或いは修理の場合も単に照明装置Aを抜き差しするだけでよいので、効率的な作業が可能になり、メンテナンス費用も低減できる。
さらに、この照明システムにおいて、照明装置Aにおける反射構体のそれぞれのコーナー部毎に発光色の異なる複数の発光素子を配置すると共に、これらの発光素子を発光色別に光量制御できる制御装置を設ければ、個々の照明装置の表示色を任意に設定できるようになるために、表示効果をより一層に高めることができる。
【0023】
尚、本発明は何ら上記実施例にのみ制約されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜に変更することが可能である。例えば反射構体を構成する板状部材は金属板が望ましいが、樹脂材などでもよいし、反射構体を樹脂成形加工することも可能である。反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置される発光素子の数は、装置に期待される明るさに応じて1個より多い2個,3個など適宜の数に設定できる。又、発光素子は発光ダイオード以外の素子も適用可能である。それの点灯回路は、電源電圧,発光素子の順方向電圧などとの関係において、複数の発光素子を直列接続したり、並列接続したりすることもできるし、保護抵抗としての抵抗器の抵抗値も適宜に設定される。さらに、コネクタも差込式,受け入れ式の形態に制約されないし、それの配置場所も用途などに応じて適切な場所に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施例を示す平面図である。
【図2】図1の1−1断面図である。
【図3】図1の裏面側の平面図である。
【図4】電気回路図である。
【図5】本発明にかかる反射構体の展開状態を示す平面図である。
【図6】図5の状態に折り曲げ加工を施した状態を示す平面図である。
【図7】図5の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例を示す平面図であって、同図aは組立前の状態を、同図bは組立後の状態を示している。
【図9】本発明の第3の実施例を示しており、同図aは組立状態を示し、同図bは同図aに使用される照明装置の側面図である。
【図10】本発明の第4の実施例を示す要部断面図である。
【図11】本発明にかかる照明システムの実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0025】
A 照明装置
B 取付部材
1 ベース部
2〜5 コネクタ
6 抵抗器
7 反射構体
7a 開口部分
7b 切り込み部
8 底面部
8a 辺部
9 側面部
9a 立ち上がり端
10 山形部分
10a 発光素子に対向する山形部分
11 発光素子
12 仕切板
12a 突出端
13 光拡散板
14 反射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、ベース部に配置され、内面に反射面を有するほぼ箱状の反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置された発光素子とを具備し、前記反射構体は、底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有するほぼ箱状に構成されており、しかも、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
一方の面に電力供給用のコネクタを有するベース部と、ベース部の他方の面に配置され、内面に反射面を有するほぼ箱状の反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置され、かつコネクタを介して電力供給される発光素子とを具備し、前記反射構体は、底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有するほぼ箱状に構成されており、しかも、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
一方の面に電力供給用のコネクタを有するベース部と、ベース部の他方の面に配置され、少なくとも底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有し、かつ、内面に反射面を有するほぼ箱状に構成された反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置され、かつコネクタを介して電力供給される発光素子と、反射構体におけるそれぞれの側面部の外面に、それの立ち上がり端より若干突出するように当接して配置された透光性部材よりなる仕切板と、仕切板上に、反射構体の開口部分を閉塞するように配置された光拡散板とを具備し、前記反射構体は、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成されていることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
前記反射構体は、ほぼ四角の箱状に構成され、それぞれのコーナー部に発光素子が配置されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記反射構体において、発光素子に対向するそれぞれの山形部分がほぼ三角状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記反射構体の反射面は、折り曲げ可能な金属板に光反射性のシートを一体的に重ね合わせて構成されていることを特徴とする請求項1〜5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記反射構体の反射面は、光反射性部材を蒸着させて構成されていることを特徴とする請求項1〜5に記載の照明装置。
【請求項8】
前記ベース部の一方の面におけるそれぞれの辺部中央部分の端縁部分に電力供給用のコネクタが配置されていることを特徴とする請求項2〜5に記載の照明装置。
【請求項9】
前記ベース部の一方の面における適宜部分に差込接続部を有するコネクタが配置されていることを特徴とする請求項2〜5に記載の照明装置。
【請求項10】
前記仕切板の外表面に反射層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項11】
一方の面に電力供給用の差込側(又は受け入れ側)コネクタを有するベース部と、ベース部の他方の面に配置され、少なくとも底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有し、かつ、内面に反射面を有するほぼ箱状に構成された反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に配置され、かつコネクタを介して電力供給される発光素子とを具備し、前記反射構体は、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成された照明装置Aと、一定の間隔で電力供給用の受け入れ側(又は差込側)コネクタを整列配置した取付部材Bとを具備し、前記取付部材Bに複数の照明装置Aが所望の配置パターンとなるように、それぞれに配置されたコネクタを互いに結合・接続することを特徴とする照明システム。
【請求項12】
前記取付部材Bに結合された複数の照明装置Aの前面に共通の光拡散板が配置されていることを特徴とする請求項11に記載の照明システム。
【請求項13】
前記取付部材Bに結合されたそれぞれの照明装置Aの前面に個別的に光拡散板が配置されていることを特徴とする請求項11に記載の照明システム。
【請求項14】
前記照明装置Aにおいて、反射構体が四角の箱状に構成されていることを特徴とする請求項11に記載の照明システム。
【請求項15】
ベース部と、ベース部に配置され、底面部と底面部のそれぞれの辺部よりほぼ同一方向に立ち上がる側面部とを有し、内面に反射面を有するほぼ箱状に構成され、しかも、底面部の中央部分がほぼ全周方向に山形状に形成され、かつ、それぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する山形部分の傾斜面の形状がほぼ同一となるように構成された反射構体と、反射構体のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部の中央部分に配置された発光色の異なる複数の発光素子とを具えた照明装置と、照明装置におけるそれぞれの発光素子の光量を発光色毎に個別に制御しうる制御装置とを具備したことを特徴とする照明システム。
【請求項16】
板状部材を、角形の底面部と底面部のそれぞれの辺部にほぼ四角形の側面部とが一体的に形成されるように加工する工程と、底面部の中心部分からそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部の中央部分に向けて切り込み部を形成する工程と、側面部を底面部に対して所定の角度となるように折り曲げてほぼ箱状に加工する工程と、底面部の中央部分を押し上げることによって山形状に加工する工程とを具備したことを特徴とする照明装置用の反射構体の製造方法。
【請求項17】
前記板状部材は、金属板の一方の面に光反射性のシートが一体的に重ね合わせて構成されていることを特徴とする請求項16に記載の照明装置用の反射構体の製造方法。
【請求項18】
前記側面部を底面部に対してほぼ所定の角度となるように折り曲げる工程及び底面部の中央部分を押し上げることによって山形状に加工する工程の終了後に、側面部、底面部及び山形部分に反射層が形成されることを特徴とする請求項16に記載の照明装置用の反射構体の製造方法。
【請求項19】
前記反射層が反射シートであることを特徴とする請求項18に記載の照明装置用の反射構体の製造方法。
【請求項20】
板状部材を、角形の底面部と底面部の辺部にほぼ四角形の側面部とが一体的に形成されるように加工する工程と、側面部を底面部に対してほぼ所定の角度となるように折り曲げてほぼ箱状に加工する工程と、底面部の中央部分を、山形部分を有する成形金型によって底面部のそれぞれのコーナー部又はそれぞれの辺部に対向する傾斜面の形状がほぼ同一となるような山形状に加工する工程とを具備したことを特徴とする照明装置用の反射構体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−152043(P2009−152043A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328590(P2007−328590)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(300074101)株式会社イマック (27)
【Fターム(参考)】