説明

照明装置

【課題】光源自体の光量を変化させることなく、周囲の光量を変化させて光のゆらぎを表現する照明装置を提供する。
【解決手段】光源2と、透光性の材料で形成された筒形状を有し、光源2を覆うように回転可能に設けられ、少なくとも周方向で屈折率が異なるカバー3と、カバー3を回転させる駆動部4と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
行灯などの古来の照明装置のような雰囲気のある照明を実現するために、意図的に光量を変化させることで光のゆらぎを表現した照明装置が提案されている。例えば、特許文献1および特許文献2では、周囲の空気の流れに応じて光量の調節をおこなう照明装置が開示されている。
【特許文献1】特開平5−121175号公報
【特許文献2】特開2007−194176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した照明装置においては、装置周囲の光量を変化させるために、光源自体の調光によって光量の調節をおこなっている。その場合、光源に入力する電圧(または電流)などを時間的に変化させる必要があり、光源に負荷がかかることになる。そのため、光源の寿命が短くなることにつながってしまう。また、光量が下がってしまっている状態が続くと、実使用時には危険となる可能性も生じる。一方で、例えば蛍光ランプのように、光量を変化させることが困難な光源には適用できないという点が問題となっていた。
【0004】
そこで、本発明は、光源自体の光量を変化させることなく、周囲の光量を変化させて光のゆらぎを表現する照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の照明装置は、光源と、透光性の材料で形成された筒形状を有し、前記光源を覆うように回転可能に設けられ、少なくとも周方向で屈折率が異なるカバーと、前記カバーを回転させる駆動部と、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
以上、本発明によれば、光源自体の光量を変化させることなく、周囲の光量を変化させて光のゆらぎを表現する照明装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、図1を参照しながら、本発明の照明装置の実施形態について説明する。
【0008】
図1(a)は、本発明の実施形態における照明装置の模式的な側面図であり、図1(b)は、カバーおよび光源のみを模式的に示した平面図である。
【0009】
本発明の照明装置1は、筐体10の内部に、光源2と、透光性の材料で形成された筒形状を有するカバー3とを備えている。光源2は、筐体10下部に設置した電源7上に設けられており、その電源7は、後述するような種々の光源2に合わせて変更可能である。カバー3は、光源2を覆うように、筒形状の中心軸を回転軸として回転可能に設けられ、その回転は、カバー3上方に設けられた駆動部4によっておこなわれる(図中の矢印X参照)。
【0010】
カバー3は、屈折率が異なる複数のカバー部材3a−3fを周方向に連接して設けることで、筒形状を成している。カバー3の材料としては、例えば透明プラスチック材料を用いることができ、それぞれのカバー部材3a−3fにエポキシ樹脂やシリコン樹脂、高屈折率アクリル樹脂などを用いることで、屈折率を変化させることが可能となる。
【0011】
カバー部材3a−3fはそれぞれ屈折率が異なっているため、カバー3を透過してきた光源2からの光の光量は周方向で空間的に変化することになる。その様子を、図1(b)に模式的に示す。図中の矢印Aの数で、カバー部材3a−3fから透過する光の光量の大きさを表している。
【0012】
こうして、光源2からの透過光を空間的に変化させるカバー3が回転することで、装置周囲の所定の方向で受ける光の光量は時間的にも変化することになる。これにより、光源自体を調光することなく照明装置の周囲の光量を変化させ、光のゆらぎを表現することが可能となる。また、このことは、光量の変化が電気的にではなく、機械的に実現されているため、照明装置の安定的な使用にもつながることになる。
【0013】
ここで、屈折率の異なる複数の扇状のカバー部材を、カバー3上部を閉塞するように設けて、ほぼ全方位で透過光の光量を変化させるようにするとより効果的である。また、カバー3からの透過光の光量が、周方向だけでなく軸方向にも変化するように、それぞれのカバー部材3a−3fの屈折率が軸方向にも異なるように形成されていてもよい。それにより、周囲の光量をより不規則に変化させて、さらに自然な光のゆらぎを表現することが可能となる。
【0014】
さらに、本発明の照明装置1においては、筐体10の上部に、周囲空間の空気の流れを検出するための風量センサ5が設けられている。風量センサ5としては、熱線式フローセンサなどの市販の気体流量計が使用可能である。
【0015】
風量センサ5で検出した風量の情報は、電圧などの出力信号として、駆動部4の制御をおこなう制御部6へと送られる。制御部6は、その出力信号に応じてカバー3の回転数を変化させるための制御信号を生成して、その制御信号により駆動部4の駆動制御がおこなわれる。具体的には、カバー3は無風状態では一定の回転数で回転しているが、風量センサ5で空気の流れが検出されると、その強弱によって、カバー3の回転数が上下するような制御がおこなわれる。
【0016】
このようにして、周囲の空気の流れに呼応してカバー3の回転数が変化することで、装置周囲の光量が時間的にも不規則に変化し、より自然な光のゆらぎに近づけることが可能となる。
【0017】
本発明の照明装置1の光源2としては、LEDデバイスや複数のLEDデバイスを有するLEDモジュールを用いることができる。また、光源自体の調光制御の必要がないため、光量を調節することが困難な蛍光ランプを使用できることは有利である。もちろん、白熱電球やハロゲンランプなど、その他の様々なタイプの照明用光源を使用することも可能である。
【0018】
本実施形態のカバー3は6つのカバー部材3a−3fで構成されているが、より多数のカバー部材から構成されていてもよい。さらには、カバー3が円筒形状を有し、屈折率が滑らかに変化するように形成されているとより効果的である。その場合、所望のカバー3は、異なる屈折率を有する複数のプラスチック材料を、金型などを用いて円筒形状に成形することで得ることができる。また、より変化のある照明を実現するために、カバー3に自然石のような凹凸が形成されていてもよい。
【0019】
本発明の照明装置1では、カバー3を交換可能とすることで、前述のような多様な構成のカバー3を用いて様々なパターンの光のゆらぎを簡単に表現でき、それにより、様々なシチュエーションに応じた演出照明が可能となる。また、本発明の照明装置1は、ろうそくや菜種油の代わりとして、例えば提灯や行灯だけでなく、シャンデリアなどの光源としても用いることができ、それにより、電球単体では出すことができない雰囲気を作り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態における照明装置を模式的に示す側面図および平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 照明装置
2 光源
3 カバー
3a−3f カバー部材
4 駆動部
5 風量センサ
6 制御部
A 光量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
透光性の材料で形成された筒形状を有し、前記光源を覆うように回転可能に設けられ、少なくとも周方向で屈折率が異なるカバーと、
前記カバーを回転させる駆動部と、
を備えた照明装置。
【請求項2】
周囲空間の空気の流れを検出する風量センサと、
前記風量センサで検出した風量に応じて前記カバーの回転数を変化させる制御部と、
をさらに備えた、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記カバーが、周方向に連接して設けられた屈折率の異なる複数のカバー部材から構成されている、請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源がLEDデバイスまたは複数の該LEDデバイスを有するLEDモジュールである、請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源が蛍光ランプである、請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
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