説明

照明装置

【課題】面照明光源装置の内部に光反射率の低い部材をなるべく露出させず、かつ、壁や天井に容易に取り付けられるようにした照明装置を提供すること。
【解決手段】
取り付け板2と、複数の点光源11が設置された基板10と、各点光源11に対応する複数の面照明光源装置15と、取り付け板2と面照明光源装置15とを係合する留め具22で構成された照明装置1であって、面照明光源装置15は、点光源11を挿通させる孔が設けられた底面部と、底面部の各端部から立設された側面部と、底面部と対向する面に、点光源11から出た光が照射される光導通反射板とで形成され、底面部には取り付け孔21が少なくとも2つ形成され、基板10は取り付け板2上に載置されており、取り付け板2は取り付け孔21に対応する位置に留め穴4を有し、留め具22は取り付け孔21と留め穴4とに挿通されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関し、さらに詳しくは、面照明光源装置の内部に光反射率の低い部材をなるべく露出させず、かつ、壁や天井に容易に取り付けられるようにした照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(以下、「LED」という)の研究、開発が急速に進み、様々なタイプのLEDが開発・製品化され、幅広い分野で使用されている。LEDはその低消費電力、長寿命、小型といった特徴より、従来から電子機器等の動作表示灯として用いられてきた。これらのLEDは、例えば液晶パネル用バックライト、各種の表示板、電光掲示板、電飾装置などにおいて多く使用されているが、照明分野においても使用されるようになってきている。この照明分野では、例えば、自動車用ヘッドライトないしテールライト、複数のLEDを組み込んだ面状照明装置、管内にLEDを組み込んで蛍光灯と同様に使用し得るようにした照明装置等に使用されている。
【0003】
室内用照明装置等に使用される面状照明装置においては、下記特許文献1に示されているように、光源としてLEDを使用した場合においても従来使用されていた蛍光灯のような取り付け及び取り外しが可能な照明装置が要求されている。下記特許文献1に記載されている照明装置においては、照明装置を収容する筐体に、照明装置を係止する引掛け部材が備えられ、照明装置を天井に容易に取り付けることを可能とするものである。
【0004】
また、LEDを使用した面状照明装置においては、LEDの指向性の強い光が直接目に入ると、グレア(glare)と呼ばれる不快なまぶしさが生じる。このグレアを防止するため、下記特許文献2に示されているように、光源から放射された光が少なくとも1回は光源装置内または光源装置の放射面に設けられた反射手段の開口の側壁で反射されてから開口を通過するように設計された光源装置が知られている。
【0005】
下記特許文献2に記載の光源装置においては、ケーシング又はハウジングと呼ばれる箱組立体の底部に点光源が設けられ、ケーシングの開口部、すなわち点光源と対向する面に反射手段が設けられて、点光源からの指向性の強い光を多重反射させて均一化して放射するようにしている。このケーシングと反射手段とは、光源装置における光の利用率を高めるため、内壁面が高光反射率、低光透過率及び低光吸収率を有する材料で形成されている。このような材料の一つとして、超微細発泡光反射板が使用されている。超微細発泡光反射板は、例えば98%の光反射率、それぞれ1%の光透過率及び光吸収率を有し、軽量かつ加工が容易な材料である。この超微細発泡光反射板を使用することにより、ケーシングや反射手段を容易に作製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−181813号公報
【特許文献2】特開2009−004248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の照明装置では、面状光源とするためにLEDが多数用いられているので、使用電力が大きく、また、発生する熱量も大きいという課題が存在する。さらに、上記特許文献1に記載の照明装置では、グレアが発生しないよう保護板を用いているが、LEDは指向性が強いため、グレアの発生を抑えることはできても、面全体で均一な面照明光を得ることは困難であった。
【0008】
また、上記特許文献2に記載の面照明光源装置を照明装置として使用する場合、面照明光源装置の底面部にネジ留め穴を開け、ネジ留めにより固定していた。しかしながら、壁や天井への取り付けに使用している、ネジのネジ山が面照明光源装置の内部に露出しているため、光の利用効率が落ちてしまうという課題があり、また、ネジ留めであるために取り付け作業に時間がかかり、煩雑であるという課題も存在している。
【0009】
そこで、本発明は、面照明光源装置の内部に光反射率の低い部材をなるべく露出させず、かつ、壁や天井に容易に取り付けられるようにした照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の照明装置は、取り付け板と、複数の点光源が設置された基板と、前記各点光源に対応する複数の光源装置と、前記取り付け板と前記面照明光源装置とを係合する留め具で構成された照明装置であって、前記面照明光源装置は、前記点光源を挿通させる孔が設けられた底面部と、前記底面部の各端部から立設された側面部と、前記底面部と対向する面に、前記点光源から出た光が照射される光導通反射板とで形成され、前記底面部には取り付け穴が少なくとも2つ形成され、前記基板は前記取り付け板上に載置されており、前記取り付け板は前記取り付け穴に対応する位置に留め穴を有し、前記留め具は前記取り付け穴と前記留め穴とに挿通されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の照明装置においては、壁面や天井などに取り付け板を取り付けた後に、面照明光源装置を留め具によって容易に留めることができる。このため、複数の面照明光源装置の壁面や天井への設置が容易となる。
【0012】
また、本発明の照明装置においては、前記留め具は、柱部と、前記柱部の一方の底面に設けられたかえし部と、前記柱部のもう一方の底面に設けられた板材が挟まれる引掛け部とを有していることを特徴とする。
【0013】
本発明の照明装置によれば、留め具を面照明光源装置若しくは取り付け板に取り付ける際に、板材を挟む引掛け部により、容易に留め具を取り付けることができる。また、留め具の一方の底面に設けられたかえし部によって、面照明光源装置を取り付け板に取り付けた際に、より外れにくくなる。
【0014】
また、本発明の照明装置においては、前記取り付け穴は、前記留め具を自由に挿通させる大きさの径の円孔と、前記留め具を係止させる大きさの径の円孔とを結合させただるま型形状をしており、前記留め具は、前記引掛け部により前記取り付け穴に係止され、前記かえし部が前記留め穴に挿し込まれることで前記取り付け板と前記面照明光源装置とが係合されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の照明装置によれば、留め具を面照明光源装置に取り付ける際に、留め具を自由に挿通させる大きさの径の円孔に留め具を挿通させ、留め具を係止させる大きさの径の円孔側に留め具をスライドさせることにより、容易に留め具を係止することができる。また、留め具を面照明光源装置に取り付けてから、留め具のかえし部を取り付け板の留め穴へ挿し込むことで面照明光源装置を取り付け板に取り付けることができるので、面照明光源装置の取り付けが容易となる。さらに、面照明光源装置内の光反射率の低い部材の露出面積が小さいため、点光源からの光を効率的に利用することができる。
【0016】
また、本発明の照明装置においては、前記留め穴は、前記留め具を自由に挿通させる大きさの径の円孔と、前記留め具を係止させる大きさの径の円孔とを結合させただるま型形状をしており、前記留め具は、前記引掛け部により前記留め穴に係止され、前記取り付け穴に前記かえし部が挿し込まれることで前記取り付け板と前記面照明光源装置とが係合されていることを特徴とする
【0017】
本発明の照明装置によれば、留め具を取り付け板に取り付ける際に、留め具を自由に挿通させる大きさの径の円孔に留め具を挿通させ、留め具を係止させる大きさの径の円孔側に留め具をスライドさせることにより、容易に留め具を係止することができる。また、留め具を取り付け板に取り付けてから、留め具のかえし部を面照明光源装置の取り付け穴へ挿し込むことで面照明光源装置を取り付け板に取り付けることができるので、面照明光源装置の取り付けが容易となる。さらに、面照明光源装置内の光反射率の低い部材の露出面積が小さいため、点光源からの光を効率的に利用することができる。
【0018】
また、本発明の照明装置においては、前記光導通反射板は、前記点光源に対峙する側に中央光導通反射部及び前記中央光導通反射部の周囲に外方光導通反射部が形成された板状体からなり、前記中央光導通反射部及び前記外方光導通反射部は高光反射率及び低光透過率に形成され、前記外方光導通反射部には前記光導通反射板を貫通する所定径を有する開口、又は、所定幅及び長さを有するスリットからなる光導通部が形成され、前記開口の径、又は、前記スリットの幅及び長さは、前記中央光導通反射部から外方へ離れるに従って大きくされていることを特徴とする。
【0019】
本発明の照明装置では、点光源からの指向性が強い光は、中央光導通反射部から外方光導通反射部へと反射を繰り返して進行するため、中央光導通反射部から外方へ離れるに従って光強度が弱くなる。本発明の照明装置においては、外方光導通反射部の開孔の大きさ又はスリットの幅及び長さは中央光導通反射部から外方へ離れるに従って徐々に大きくされているため、中央光導通反射部から外方へ離れるに従って光導通部を通って出射される光の量が多くなるので、より均一な照度分布の照明光が得られるようになる。
【0020】
また、本発明の照明装置においては、前記底面部、前記側面部及び前記光導通反射板は超微細発泡光反射部材で形成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明の面照明光源装置によれば、超微細発泡光反射板を光導通反射板に用いているため、より均一な照度分布の照明光が得られるようになる。
【0022】
また、本発明の照明装置においては、前記取り付け板は、所定の設置箇所に固定するための位置決め穴と位置固定穴とを有し、前記位置決め穴の形状は大径の円孔と小径の円孔とを結合させただるま型形状をしており、前記位置決め穴の方向は、前記大径の円孔と前記小径の円孔に共通する径と平行な方向が、前記取り付け板の一方の対向する辺と平行である方向と、前記取り付け板のもう一方の対向する辺と平行である方向との少なくとも2種類の方向であることを特徴とする。
【0023】
本発明の照明装置によれば、壁面や天井に予め取り付けたネジなどに、位置固定穴の大径の円孔を挿通させ、位置固定穴の小径の円孔側へ、ネジをスライドさせることで容易に取り付け板の位置を固定することができる。また、異なる向きの位置固定穴を有するため、取り付け板を壁面に取り付ける場合に、取り付け板のどの辺を底面にした場合でも、容易に位置固定することができる。
【0024】
本発明の照明装置においては、前記取り付け板は前記取り付け板の厚さ方向に隙間を有することを特徴とする。
【0025】
本発明の照明装置によれば、取り付け板の厚さ方向に有する隙間に、壁面や天井に予め取り付けられたCチャンネルやLアングルを通すことによって取り付け板を固定することができ、容易に取り付けることができる。
【0026】
また、本発明の照明装置においては、前記基板は異なる配線パターンを2種類有し、前記異なる配線パターンは前記基板に点対称に設けられていることを特徴とする。
【0027】
固定方法の異なる点光源を用いる場合、配線パターンも異なるものとなる。本発明の照明装置によれば、2種類の異なる配線パターンを有しているので、1種類の配線パターンのみの基板に比べてより多くの点光源に対応できる。また、異なる配線パターンは点対称に設けられているので、基板を180度回転させて取り付け板に取り付けるだけで、点光源を適正な位置に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置の斜視図である。
【図2】図1の照明装置の分解斜視図である。
【図3】図3Aは本発明の実施形態に係る照明装置に用いられている取り付け板の平面図、図3Bは図3AのIIIB部分の拡大図である。
【図4】本発明の実施形態に係る照明装置に用いられている基板の平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る面照明光源装置の斜視図である。
【図6】図5の面照明光源装置の分解斜視図である。
【図7】図7Aは光導通反射板の平面図、図7Bは面照明光源装置の底面部の平面図、図7Cは図7BのVIIC部分の拡大図である。
【図8】図8Aは本発明の実施形態に係る照明装置に用いられている留め具の斜視図、図8Bは留め具の側面図、図8CはVIIIC−VIIIC線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための照明装置を例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0030】
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係る照明装置を説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る照明装置の斜視図、図2は図1の照明装置の分解斜視図、図3Aは本発明の実施形態に係る照明装置に用いられている取り付け板の平面図、図3Bは図3AのIIIB部分の拡大図、図3Cは図3AにおけるIIIC−IIIC線での断面図、図4は本発明の実施形態に係る照明装置に用いられている基板の平面図、図4Bは図4AにおけるIVB−IVB線での断面図である。
【0031】
本実施形態に係る照明装置1は、取り付け板2と、取り付け板2の中央部にネジで留められている基板10と、基板10上に等間隔にはんだ付け等で固定されている点光源11、11、11と、各点光源11、11、11に対応するように取り付けられた面照明光源装置15、15、15とで構成されている。
【0032】
取り付け板2の形状は、例えば平面視で縦200mm、横600mmの略矩形状であり、板厚は0.5mm〜1mm程度のものであればよい。材料としては比較的安価で、強度が高く、放熱性の良好な部材である鉄が用いられる。取り付け板2としては、他にアルミニウムや銅などの放熱性が良好な金属材料を用いることもできる。
【0033】
取り付け板2の短辺部2a、2bには後述するコネクタ12を取り付けるための切り欠き部8a、8bが設けられている。切り欠き部8a、8bは、ここでは短辺部2aの中心から、それぞれが相対する方向に、約5〜10mmずらして設けられている。このように、切り欠き部8a、8bを互いにずらして設けることによって、照明装置1を連続して配置した場合に、隣接したコネクタ同士が接触することなく照明装置1を配置することができるようになる。
【0034】
取り付け板2の中央には、等間隔に、後述する基板10を留めるための基板留め穴9が開けられている。また、面照明光源装置15を取り付けるための留め穴4が例えば200mm×200mm角の正方形状の4つ角にそれぞれ開けられている。基板留め穴9と留め穴4の形状は円形であり、基板留め穴9は、後述する基板10に設けられているネジ穴14に対応するものであり、留め穴4は、後述する面照明光源装置15に設けられている取り付け孔21に対応するものである。
【0035】
また、取り付け板2には、取り付け板2を壁や天井に取り付けるための位置決め穴5と、固定穴6が開けられている。この位置決め穴5と固定穴6はL字型に曲げられた取り付け部7に開けられており、取り付け板2と取り付け部7の間には約1〜2mmの隙間が設けられている。
【0036】
位置決め穴5の形状は大径の円孔5aと小径の円孔5bとを結合させた、いわゆるだるま型の形状であり、大径の円孔5aと小径の円孔5b両方の径を通る直線方向が、短辺方向に垂直な向きに設けられている位置決め穴5と、長辺方向に垂直な向きに設けられている位置決め穴5とがある。短辺方向に垂直な向きに設けられている位置決め穴5は、取り付け板2の一方の対角線方向に配置されており、長辺方向に垂直な向きに設けられている位置決め穴5は、取り付け板2のもう一方の対角線方向に配置されている。
【0037】
取り付け板2を、ネジ等を用いて壁面に取り付ける場合、予め途中まで壁面に埋め込んだネジに位置決め穴5又は5を引掛け、もう一方の位置決め穴5又は5と固定穴6をネジ留めする。先に位置決め穴を留めることによって、取り付け板2の取り付け位置を容易に定められ、また、簡易に取り付けることが可能となる。さらに、位置決め穴5と位置決め穴5とがそれぞれ短辺に垂直な向き、長辺に垂直な向きに設けられているため、壁面への取り付け方向の上下方向を、短辺、長辺どちら向きにした場合にも対応できる。
【0038】
また、壁や天井に取り付けられているCチャンネルなどに、取り付け板2と取り付け部7の間の隙間を通し、Cチャンネルにネジ留めすることで固定することもできる。
【0039】
取り付け板2の中央部分に設置されている基板10は、等間隔に点光源11が3つ取り付けられており、コネクタ12を介して電源に接続されている。コネクタ12はプラスチック、グラスファイバー強化プラスチックなど、一定の強度を持った軽い物質で形成されており、基板10に配線されている配線パターン13と電源部(図示せず)とを電気的に接続している。点光源11は、発光素子として一つあるいは複数のLEDを備えているが、LEDの代わりにレーザダイオード等を用いることもできる。
【0040】
基板10は、所定の肉厚及び大きさを有する矩形状の基材と、この基材の片方の面に設けられた絶縁層、及び絶縁層の上に設けられた導電層からなる。基材は、所定の熱伝導率を有し、比較的安価な材料、例えば金属材が使用される。金属材としては、熱伝導率が高く、軽量かつ安価なアルミニウム或いはアルミニウム合金を用いるのが好ましいが、鉄、銅、その他の材料を用いることもできる。
【0041】
基板10の導電層上には配線パターン13が導電層上に2パターン形成されている。LEDは製品によって接続方法が様々であり、LEDを変更するとはんだ付け部分のパターンも変更する必要がある。基板10上に配線パターンを2パターン形成することによって、2種類のLEDの接続方法に対応できるようになる。点光源11は、基板10の中心線から例えば約2.5mmずらして取り付けられており、基板10を取り付け板2に取り付けたときに点光源11が取り付け板2の中心線を通るように形成されている。基板10の中心線からずらすことによって、どちらの配線パターンに点光源11を接続した場合にも、基板10を180度回転させて取り付け板2に取り付けることによって、取り付け板2の中心線上に点光源11が設置される。
【0042】
この基板10は、点光源11がはんだ付けなどで取り付けられた後、ネジ穴14と取り付け板2上の基板留め穴9とを対応させ、ネジ等により取り付け板2に取り付けられる。基板10は取り付け板2に載置されているため、点光源11から発生した熱は取り付け板2の方にも熱伝導によって逃げていくことになり、放熱効果が向上する。
【0043】
次に、図5〜図8を参照して、本発明の実施形態に係る照明装置に用いられている面照明光源装置を説明する。なお、図5は本発明の実施形態に係る照明装置に用いられている面照明光源装置の斜視図、図6は図5の面照明光源装置の分解斜視図、図7Aは光導通反射板の平面図、図7Bは面照明光源装置の底面部の平面図、図7Cは図7BのVIIC部分の拡大図、図8Aは本発明の実施形態に係る照明装置に用いられている留め具の斜視図、図8Bは留め具の側面図、図8CはVIIIC−VIIIC線の断面図である。
【0044】
面照明光源装置15は、1辺の長さが例えば約200mmである正方形状の底面部16aと、底面部16aの各辺から垂直に立設されている側板部16b、16c、16d、16eと、底面部16aに対向する面には開口16fが形成されているケーシング16と、ケーシング16の開口16fを塞ぐように取り付けられた光導通反射板18とで構成されている。
【0045】
ケーシング16は、高い光反射率を有する材料、例えば光反射率98%、光透過率1%及び光吸収率1%の特性を有する超微細発泡光反射板等の材料で形成されており、ケーシング16の内壁面において点光源11からの光を、高い光反射率で反射することができるため、効率よく利用することができる。また、超微細発泡光反射板は軽量であるため、面照明光源装置15の重量を抑えることができる。さらに、超微細発泡光反射板は容易に入手可能であり、比較的安価であることから、面照明光源装置15を作製する場合にもコストを抑えることができる。
【0046】
底面部16aの中央部には孔16が開けられており、点光源11が挿通されている。また、底面部16aの4隅にそれぞれ留め具22を留める取り付け孔21が設けられている。取り付け孔21の形状は大径の円孔21aと小径の円孔21bを結合させた、いわゆるだるま型の形状であり、大径の円孔21a部分は底面部16aが完全には切り取られておらず、底面部16aの一部である舌片21cによって塞がれた状態となっている。
【0047】
取り付け孔21には取り付け板2に面照明光源装置15を固定するための留め具22が取り付けられる。留め具22は、は6、6−ナイロンなど、一定の強度を持った物質で形成されている。留め具22の形状は、例えば径が約2.5mm、高さ約8mmの円柱であり、一方の底面に設けられたかえし部22aと、もう一方の底面に引掛け部22bが形成されている。引掛け部22bは例えば径が5.5mmの2枚組の円板であって、2枚組の円板の間はケーシング16の板厚分の隙間が設けられている。
【0048】
留め具22を取り付け孔21に取り付ける場合、取り付け穴の小径の円孔21aに引掛け部22bを挿通し、取り付け孔21の小径の円孔21bへと移動させ、引掛け部22bで底面部16aを挟むことで固定する。小径の円孔21a部分は舌片21cがあるため、留め具22が小径の円孔21a側にずれ、外れてしまうこともない。そして、面照明光源装置15は、留め具22のかえし部22aを、取り付け板2の留め穴4に挿し込むことで、取り付け板2に留められる。
【0049】
側板部16b〜16eにはそれぞれ鉤爪部17が3つずつ設けられており、鉤爪部17を、光導通反射板18に設けられている係止孔20に通し、光導通反射板18とケーシング16とを係合させる。
【0050】
光導通反射板18は所定の肉厚を有し、高い光反射率と低い光透過率を有する超微細発泡光反射部材等の材料で形成される。これにより、点光源11からの光を高い光反射率で反射し、効率よく利用することができ、また点光源11の真上部分においても一定の光が透過するので、点光源11の真上部分が暗くなりすぎることがない。また、超微細発泡光反射部材は容易に入手可能であり、比較的安価であることから、製造コストを抑えることができる。この光導通反射板18には、図7Aに示すように、点光源11の直上部分に中央光導通反射部19a、中央光導通反射部19aの外周囲に外方光導通反射部19bが設けられている。
【0051】
中央光導通反射部19aの中央部、すなわち点光源11の直上部分には中央部19a1が設けられている。中央部19a1は高光反射率に形成されており、点光源11から放射される強い光を反射し、さらにその反射光が側面部16b〜16e、底面部16a及び光導通反射板18によって多重反射するようになっている。中央部19a1の光反射率は、光学反射板材の選択、この材料の加工(例、ハーフ溝の形成、板厚の調整)によって適宜設定され、これによって、光を効率よく利用することができるようになる。
【0052】
中央部19a1の周辺すなわち外方光導通反射部19bとの境界部に周辺部19a2が設けられている。周辺部19a2には小径の孔が設けられ、中央部19a1に次いで光反射率を高くする一方で、一部の光を透過させるように設計されている。また、小径とすることで、所定の光透過率を有しながら点光源から放射される光が光導通反射板を直接導通しないようになっている。なお、この小径の孔は細溝などに変更してもよい。
【0053】
外方光導通反射部19bには、円形の開孔19b1が所定間隔で形成されている。開孔19b1の孔径は前記中央光導通反射部から外方へ離れるにしたがって徐々に大きくなる。また、細溝及び開孔19b1は、点光源11から放射され側面部16b〜16e、底面部16a及び光導通反射板18によって1回以上反射した光を導通させるよう設計されている。なお、円形の開孔の代わりに、同心状の環状ないし方形状のスリットを設け、中央光導通反射部19aから外方へ離れるほどその幅長が増加するようにしてもよい。上記のような構成を有する光導通反射板18を点光源11に対向して配置することにより、光源として光の指向性が強いLEDを用いても均一な照度分布を有する照明光を得ることができる。
【0054】
照明装置1に面照明光源装置15を3つ取り付けた例で説明したが、取り付ける個数は、複数個であれば任意であり、設置箇所に対応させて当業者が適宜に決定することができる。また、面照明光源装置15は、1列に並べるのではなく、複数列並べた状態に構成してもよい。
【0055】
また、留め具の引掛け部を面照明光源装置15の取り付け穴に取り付け、かえし部を取り付け板の留め穴に留めることで面照明光源装置15を固定しているが、この構成を逆にしてもよい。すなわち、取り付け穴と留め穴の形状を入れ替え、留め具の引掛け部を取り付け板の留め穴に取り付け、かえし部を面照明光源装置15の取り付け穴に留めることで、面照明光源装置15を固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…照明装置
2…取り付け板
4…留め穴
5…位置決め穴
6…位置固定穴
10…基板
11…点光源
15…面照明光源装置
16…ケーシング
17…光導通反射板
21…取り付け孔
22…留め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付け板と、複数の点光源が設置された基板と、前記各点光源に対応する複数の面照明光源装置と、前記取り付け板と前記面照明光源装置とを係合する留め具で構成された照明装置であって、
前記面照明光源装置は、前記点光源を挿通させる孔が設けられた底面部と、前記底面部の各端部から立設された側面部と、前記底面部と対向する面に、前記点光源から出た光が照射される光導通反射板とで形成され、
前記底面部には取り付け穴が少なくとも2つ形成され、
前記基板は前記取り付け板上に載置されており、
前記取り付け板は前記取り付け穴に対応する位置に留め穴を有し、
前記留め具は前記取り付け穴と前記留め穴とに挿通されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記留め具は、
柱部と、
前記柱部の一方の底面に設けられたかえし部と、
前記柱部のもう一方の底面に設けられた板材が挟まれる引掛け部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記取り付け穴は、前記留め具を自由に挿通させる大きさの径の円孔と、前記留め具を係止させる大きさの径の円孔とを結合させただるま型形状をしており、
前記留め具は、前記引掛け部により前記取り付け穴に係止され、前記かえし部が前記留め穴に挿し込まれることで前記取り付け板と前記面照明光源装置とが係合されていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記留め穴は、前記留め具を自由に挿通させる大きさの径の円孔と、前記留め具を係止させる大きさの径の円孔とを結合させただるま型形状をしており、
前記留め具は、前記引掛け部により前記留め穴に係止され、前記かえし部が前記取り付け穴に挿し込まれることで前記取り付け板と前記面照明光源装置とが係合されていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光導通反射板は、前記点光源に対峙する側に中央光導通反射部及び前記中央光導通反射部の周囲に外方光導通反射部が形成された板状体からなり、
前記中央光導通反射部及び前記外方光導通反射部は高光反射率及び低光透過率に形成され、
前記外方光導通反射部には前記光導通反射板を貫通する所定径を有する開口、又は、所定幅及び長さを有するスリットからなる光導通部が形成され、
前記開口の径、又は、前記スリットの幅及び長さは、前記中央光導通反射部から外方へ離れるに従って大きくされていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記底面部、前記側面部及び前記光導通反射板は超微細発泡光反射部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記取り付け板は、所定の設置箇所に固定するための位置決め穴と位置固定穴とを有し、
前記位置決め穴の形状は大径の円孔と小径の円孔とを結合させただるま型形状をしており、
前記位置決め穴の方向は、前記大径の円孔と前記小径の円孔に共通する径と平行な方向が、前記取り付け板の一方の対向する辺と平行である方向と、前記取り付け板のもう一方の対向する辺と平行である方向との少なくとも2種類の方向であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記取り付け板は前記取り付け板の厚さ方向に隙間を有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
前記基板は異なる配線パターンを2種類有し、
前記異なる配線パターンは前記基板に点対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−22977(P2012−22977A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161871(P2010−161871)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(500420476)株式会社オプトデザイン (48)
【Fターム(参考)】