説明

照明装置

【課題】美観に優れた照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置100は、光源を有する光源ユニット1と、設置面に設けられた取付孔に収容され、光源ユニット1を内挿して保持するための保持部2と、光源ユニット1に固定され、光源ユニット1を保持部2に保持する複数の板バネ5とを備える。光源ユニット1は、箱体状の金属製の外筐を有し、発光面の全面が開口してあり、開口を覆うように拡散板11を備えるとともに、拡散板11を囲むように外筐に周設された金属製の鍔部12を備える。鍔部12の外周には外板を立設してある。各板バネ5を係止する複数の係止孔211を保持部2の取付孔に収容された部分に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井などの設置面に設けられた取付孔に取り付ける照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省電力化及び長寿命化に優れているとして蛍光灯や白熱灯に替わって発光ダイオード(LED)などを光源とする照明装置の開発が行われており、これらの照明装置は、住宅用の照明に限らず、オフィス又は店舗用の照明などに広く用いられつつある。
【0003】
例えば、発光素子を配設した発光部を有する器具本体、器具本体を内周側に配設するとともに、器具本体の一端部を枢支する支持枠、器具本体の他端部に設けられ器具本体に対して移動して支持枠と係合するストッパー片を有する止め具、当該ストッパー片の移動を規制するロック機構などを備えることにより、天井等の被設置部への施工性を容易にすることができる照明器具が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−153314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された照明器具にあっては、止め具は、ネジ頭及び軸部の中間部に軸方向と直交する方向に突出させたストッパー片を一体に形成してあり、ネジ頭を回動することによりストッパー片を支持枠に係合させる。このため、照明器具を取り付けたときにネジ頭が露出するので外観上の美観を損ねる。特に、店舗などに用いられる場合には、照明装置の外観上の美観もユーザにとっては重大な関心事であり、美観に優れた照明装置が望まれていた。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、美観に優れた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明装置は、設置面に設けられた取付孔に取り付けられる照明装置において、光源を有する光源ユニットと、前記取付孔に収容され、前記光源ユニットを内挿して保持するための保持部と、前記光源ユニットに固定され、該光源ユニットを前記保持部に持着する複数の持着部材とを備え、前記保持部は、各持着部材を係止する複数の係止部を、該保持部の前記取付孔に収容された部分に設けてあることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、光源を有する光源ユニットと、取付孔に収容され、光源ユニットを内挿して保持するための保持部と、光源ユニットに固定され、当該光源ユニットを保持部に持着する複数の持着部材とを備える。すなわち、保持部は、例えば、天井などの設置面に設けられた取付孔に収容されるように固定される。光源ユニットを保持部へ内挿して、光源ユニットを保持部で保持する。そして、各持着部材を係止する複数の係止部を保持部の取付孔に収容された部分に設けてある。保持部の取付孔に収容された部分は、取付孔の内部、すなわち天井などの設置面の裏側等にあるので外部から目視することはできない。持着部材を係止する係止部を保持部の目視することができない箇所に設けることができるので、従来のようなネジ頭などが露出することなく、美観を向上させることができる。
【0009】
本発明に係る照明装置は、前記持着部材は、前記光源ユニットを前記保持部で保持した状態で該光源ユニットを内挿する方向に付勢する付勢部を有する板バネであり、前記係止部は、前記板バネを挿通させて係止する係止孔であることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、持着部材は、光源ユニットを保持部で保持した状態で光源ユニットを内挿する方向に付勢する付勢部を有する板バネである。板バネは、例えば、薄板バネである。板バネの付勢部は、例えば、弾性力を持たせるため適宜の径で曲げ加工した部分である。係止部は、板バネを挿通させて係止する係止孔である。すなわち、板バネを係止孔で係止させた状態で、付勢部(板バネ)は光源ユニットを内挿する方向(例えば、光源ユニットを下方から上方に向けて保持部に内挿する場合には、上方向となる)に付勢するので、光源ユニットが設置面に近接する方向に押圧され、光源ユニットと設置面との隙間を小さくすることができ、光源ユニットの天井などの設置面との密着性を高めることができる。
【0011】
本発明に係る照明装置は、前記板バネは、先端側に屈曲部を備え、前記保持部は、前記板バネを、前記係止孔を通じて前記保持部の内側から外側へ案内する案内部材を該係止孔の近傍に設けてあることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、板バネは、先端側に屈曲部を備える。保持部は、係止孔を通じて板バネを保持部の内側から外側へ案内する案内部材を係止孔の近傍に設けてある。すなわち、光源ユニットを保持部に内挿する場合、板バネの屈曲部を係止孔近傍の案内部材に沿って摺動させることができ、板バネが係止孔の近傍で引っかかることなく板バネを容易に係止孔に挿通させることができる。そして、板バネを係止孔に挿通させて保持部の内側から外側へ案内することが容易になる。これにより、光源ユニットを保持部に内挿する(例えば、上方に押し上げる)ことが容易になり、光源ユニットの取付時の作業性が向上する。
【0013】
本発明に係る照明装置は、前記屈曲部は、略V字状に形成した先端部を有し、該先端部を前記係止孔の縁辺に係止させて前記光源ユニットを前記保持部から垂下させて仮留めするように構成してあることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、屈曲部は、略V字状に形成した先端部を有し、当該先端部を係止孔の縁辺に係止させて光源ユニットを保持部から垂下させて仮留めする。板バネの略V字状に形成した先端部を保持部の係止孔の縁辺に係止させて光源ユニットを保持部に仮留めすることができるので、例えば、光源ユニットに配線を接続するような場合、配線作業空間を確保することができるとともに、光源ユニットを手で持つ必要がないので、光源ユニットの取付時の作業性が向上する。
【0015】
本発明に係る照明装置は、前記板バネは、基端側に前記付勢部を有し、該付勢部から先端側を該付勢部より狭幅にしてあることを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、板バネは、基端部に付勢部を有する。基端部は先端側と反対側である。付勢部から先端側を付勢部より狭幅にしてある。板バネに生じる応力は、付勢部又は付勢部近傍で最も大きくなるので、付勢部から先端側よりも付勢部の幅を広くすることにより、板バネを介して光源ユニットを保持部に保持する場合の強度を高めることができる。また、付勢部から先端側の幅を狭くすることにより、光源ユニットを保持部に内挿する場合に、板バネを係止孔に挿通させる際、板バネを容易に撓めることができ、光源ユニットの取付時の作業性が向上する。
【0017】
本発明に係る照明装置は、前記板バネは、該板バネの先端側に向かって徐々に狭幅にしてあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、板バネの幅を先端側に向かって徐々に狭くしてある。光源ユニットを保持部に内挿する場合に、板バネの先端側の幅を最も狭くしてあるので、板バネを係止孔に挿通することが容易になる。また、板バネは、付勢部の方に向かって徐々に幅が広くなるので、例えば、板バネを係止孔で係止させた状態で、係止孔近傍の板バネの幅を係止孔の幅と略同寸法にすることにより、板バネの幅方向のガタを少なくすることができる。これにより、板バネを係止孔に係止するだけで、光源ユニットの横方向(板バネの幅方向)のズレを抑制することができ、光源ユニットを確実に保持することができる。
【0019】
本発明に係る照明装置は、前記光源ユニットは、箱体状をなし、適長離隔させた少なくとも3つの板バネの組を対設して前記光源ユニットに固定してあり、該組の板バネのうち両端側の2つの板バネは他の板バネより長いことを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、光源ユニットは、箱体状をなし、適長離隔させた少なくとも3つの板バネの組を対設して光源ユニットに固定してある。例えば、光源ユニットの周りに、3つの板バネの組を対設し、6つの板バネで光源ユニットを保持する。これにより、大型又は重量の重い光源ユニットでも確実に保持することができる。また、当該組の板バネのうち両端側の2つの板バネは他の板バネより長いので、光源ユニットを保持部に仮留めする場合には、両端側の2つの板バネだけで光源ユニットを垂下させることができ、光源ユニットを保持部に容易に仮留めすることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、従来のようなネジ頭などが露出することなく、美観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態の照明装置の構成の一例を発光面側から見た外観斜視図である。
【図2】本実施の形態の照明装置の構成の一例を天井裏側から見た外観斜視図である。
【図3】本実施の形態の保持部の構成の一例を示す外観斜視図である。
【図4】本実施の形態の光源ユニットの構成の一例を示す外観斜視図である。
【図5】本実施の形態の板バネの一例を示す外観斜視図である。
【図6】本実施の形態の板バネの一例を示す平面図である。
【図7】本実施の形態の光源ユニットを保持部に保持する場合の様子を示す模式図である。
【図8】光源ユニットを仮留めした状態を示す模式図である。
【図9】仮留めした光源ユニットを保持部で保持させる途中の状態を示す模式図である。
【図10】光源ユニットを保持部で保持した状態を示す模式図である。
【図11】本実施の形態の照明装置の構成の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態の照明装置100の構成一例を発光面側から見た外観斜視図であり、図2は本実施の形態の照明装置100の構成の一例を天井裏側から見た外観斜視図である。なお、図1、図2では、便宜上天井を省略している。本実施の形態の照明装置100は、いわゆる埋込み型の照明装置であり、光源ユニット1、光源ユニット1を保持する保持部2などを備える。保持部2は、箱体状をなし、天井などの設置面に設けられた取付孔に収容され(埋め込まれ)、内側に光源ユニット1を内挿して保持する。なお、図1、図2は、光源ユニット1が保持部2に内挿され保持された状態を示す。
【0024】
光源ユニット1は、箱体状の金属製の外筐を有し、発光面の全面が開口してあり、開口を覆うように拡散板11を備えるとともに、拡散板11を囲むように外筐に周設された金属製の鍔部12を備える。鍔部12の外周には外板14を立設してある。光源ユニット1を保持部に内挿して保持した場合、鍔部12が取付孔近傍の天井面に近接し、外板14が天井面に近接又は当接した状態で照明装置100が設置される。
【0025】
光源ユニット1は、光源としてのLEDモジュール(不図示)を内部に取り付けてある。LEDモジュールの発光部(発光面)は、拡散板11に対向するようにしてある。
【0026】
LEDモジュールには、例えば、黄色蛍光体等を含む樹脂で青色LEDチップをモールドした擬似白色光を発光する複数の表面実装型のLEDが基板に実装されたものであり、光源ユニット1は、当該LEDモジュールを適宜の配置で複数取り付けてある。なお、LEDは、擬似白色光を発するものに限定されず、例えば、電球色のLEDでもよく、あるいはこれらの組み合わせでもよい。
【0027】
拡散板11は、光拡散性を有する乳白色のポリカーボネート樹脂製であり、LEDモジュールからの光を拡散して均一に面発光する。なお、LEDモジュールの複数のLEDと拡散板11との距離間隔は、LEDからの光を拡散板11で十分拡散させて均一に面発光させるべく、複数の各LEDどうしの間隔以上の距離を設けてあることが好ましいが、当該距離間隔は、照明装置100の機種あるいは型式などに応じて適宜設定することができる。
【0028】
LEDモジュールが取り付けられる外筐の内面には、LEDモジュールからの光が拡散板11で反射した反射光を再び拡散板11の方へ反射するための反射板(不図示)を設けている。当該反射板には高反射率を有する酸化チタン等の白色塗料が塗布されたポリカーボネート等の樹脂板を用いることができる。また、反射板に代えて、LEDモジュールのLEDを実装する基板に反射塗料を塗布することができる。あるいは、LEDモジュールが取り付けられた外筐の内面に反射塗料を塗布することもできる。
【0029】
保持部2は、光源ユニット1の寸法より若干大きい寸法を有し、金属製の箱体状をなす。より具体的には、保持部2は、矩形状の天板23と、天板23の縁辺に垂設され、お互いに対向する側板21、22とを有し、光源ユニット1が内挿される側は開口してある。
【0030】
天板23には、適長離隔して挿通孔231を設けてある。挿通孔231には、天井等の設置面の取付孔の内部(天井裏など)に設けられた不図示のアンカーボルトを挿通し、ナット等を締結することにより、保持部2を取付孔に収容させた状態(天井等に埋め込んだ状態)で天井等に取り付けることができる。なお、挿通孔231の数は図2の例に限定されるものではなく、照明装置100の寸法、形状等に応じて適宜決定することができる。
【0031】
対向する側板21には、係止部としての矩形状の係止孔211を適長離隔して形成してある。図1、図2の例では、それぞれの側板21に2つの係止孔211を形成してあるが、係止孔211の数は図示された例に限定されるものではない。
【0032】
係止孔211には、光源ユニット1の外筐に固定された持着部材としての板バネ5を挿通してあり、板バネ5を係止孔211に係止させることにより、光源ユニット1を保持部2に内挿して保持している。
【0033】
側板21、22で囲まれる開口部には、側板21、22よりも外側に突出した底板27を設けてあり、底板27の外周には立板28を立設してある。保持部2をアンカーボルト(不図示)等で天井等の取付孔に埋め込むようにして取り付けた場合、立板28が天井面に当接した状態となる。
【0034】
図3は本実施の形態の保持部2の構成の一例を示す外観斜視図であり、図4は本実施の形態の光源ユニット1の構成の一例を示す外観斜視図である。図3に示すように、保持部2は、天板23、側板21、22で構成された一面側が開口する箱体状をなす。光源ユニット1は、保持部2の開口から上方に向かって挿入(内挿)され、板バネ5が係止孔211で係止する位置で保持される。
【0035】
天板23の内面には、光源ユニット1内のLEDモジュールに所要の電力を供給するための電源部7を設けている。電源部7と光源ユニット1との間には、不図示の配線を接続することにより、電源部7から電力が光源ユニット1へ供給される。
【0036】
図3に示すように、側板21には、板バネ5を係止する矩形状の係止孔211を形成してある。係止孔211の上方(天板23方向)の縁辺(係止孔211の近傍)には、光源ユニット1を保持部2に取り付ける際に、板バネ5を側板21(保持部2)の内側から外側へ案内する案内部材としての矩形状の案内板212を設けている。案内板212は、保持部2(側板21)の上方から下方に向かって(天板23側から開口側に向かって)内側に傾斜している。
【0037】
案内板212は、板バネ5が保持部2(側板21)の内側から係止孔211を通じて保持部2(側板21)外側へ挿通させる際に、板バネ5が保持部2の内面(側板21の内面)に引っ掛かることによりスムーズに係止孔211に挿通できない事態を防止するものである。
【0038】
図4に示すように、光源ユニット1は、外筐を構成する上板16及び上板16の縁辺に垂設され、お互いに対向する横板13、15などを有する。上板16の略中央には、光源ユニット1と保持部2とを繋ぐワイヤの先端に設けられたフック(不図示)を引掛けるための引掛金具161を設けている。当該ワイヤは、不測の事態により光源ユニット1が落下することを防止するためのものである。
【0039】
横板13には、適長離隔させるとともに保持部2の係止孔211に対応した位置に板バネ5をネジ等で固定してある。なお、板バネの固定は、ネジに代えて溶接等で固定してもよい。板バネ5は、薄板の略矩形状をなし、所要の付勢力を有し、光源ユニット1に固定した状態では、当該付勢力により、板バネ5の長辺方向が略横方向(略水平方向、あるいは横板13の表面と略垂直方向)になる。
【0040】
鍔部12の外周に立設された外板14と横板13、15との間には、内板17を鍔部12から立設してある。光源ユニット1を保持部2に保持した状態では、外板14と内板17との間に保持部2の底板27が配置される。
【0041】
図5は本実施の形態の板バネ5の一例を示す外観斜視図であり、図6は本実施の形態の板バネ5の一例を示す平面図である。図5、図6に示すように、板バネ5は、金属製(例えば、ステンレス鋼など)の薄板バネであり、光源ユニット1に固定するための固定部55、適宜の径で曲げ加工され板バネ5の付勢力を有する付勢部51、付勢部51から先端側へ延設した延設部52、先端側を屈曲させた屈曲部53、略V字状に形成した先端部54などを備える。板バネ5の厚みは、例えば、0.4mm程度とすることができるが、これに限定されるものではない。
【0042】
固定部55は、断面形状がL字状であり、光源ユニット1の上板16及び横板13の角部に固定部55を当接させ、ネジ穴551、552にネジを挿通させ締結することにより、板バネ5を光源ユニット1に固定することができる。ネジ穴551を設けることにより、板バネ5を横板13に対して固定することができ、板バネ5を撓ませた場合でも、板バネ5を変形させることなく確実に光源ユニット1に固定した状態を維持することができる。また、ネジ穴552を設けることにより、板バネ5がネジ穴552を中心として回転移動することを防止することができる。
【0043】
付勢部51は、断面形状が略S字状をなし、適宜の径を有して曲げ加工され、バネとしての弾性力(付勢力)をもたせることができる。
【0044】
図6に示すように、固定部55及び付勢部51の幅W1は、延設部52の幅W2より広い(大きい)。すなわち、付勢部51より先端側の延設部52は付勢部51よりも狭幅である。光源ユニット1に固定した板バネ5に生じる応力は、付勢部51又は付勢部51近傍(例えば、固定部55)で最も大きくなるので、延設部52よりも付勢部51の幅を広くすることにより、板バネ5を介して光源ユニット1を保持部2に保持する場合の強度を高めることができる。また、板バネ5の延設部52の幅を狭くすることにより、光源ユニット1を保持部2に内挿する場合に、板バネ5を係止孔211に挿通させる際、板バネ5の延設部52を容易に撓めることができ、光源ユニット1の取付時の作業性が向上する。
【0045】
また、板バネ5の幅を先端側に向かって徐々に狭くしてある(先細にしてある)。光源ユニット1を保持部2に内挿する場合に、板バネ5の先端側(先端部54)の幅を最も狭くしてあるので、板バネ5を係止孔211に挿通することが容易になる。また、板バネ5は、付勢部51の方に向かって徐々に幅が広くなるので、例えば、板バネ5を係止孔211で係止させた状態で、係止孔211近傍の板バネ5の幅を係止孔211の幅と略同寸法にすることにより、板バネ5の幅方向(水平方向)のガタを少なくすることができる。これにより、板バネ5を係止孔211に係止するだけで、光源ユニット1の横方向あるいは水平方向(板バネ5の幅方向)のズレを抑制することができ、光源ユニット1を確実に保持することができる。
【0046】
図7は本実施の形態の光源ユニット1を保持部2に保持する場合の様子を示す模式図である。図7に示すように、保持部2は、天井300の取付孔301に保持部2の大部分を収容した状態(すなわち保持部2の上側の大部分を天井300の裏側に配置した状態)で天井300に取り付けられる。保持部2の底板27が取付孔301の周縁から突出した状態で天井300の一部(取付孔301の周縁近傍)を覆う。また、立板28は、天井300に当接した状態で保持部2が天井に取り付けられる。
【0047】
光源ユニット1を保持部2に内挿して保持する場合、まず光源ユニット1の一方側の板バネ5(上述の例では、2つの板バネ5)を図中符号Aで示す方向に撓ませる。そして、略V字状の先端部54を係止孔211の縁辺に係止することにより、光源ユニット1を保持部2から垂下させて仮留めする。この状態では、光源ユニット1は略垂直方向に吊り下げられた状態となる。
【0048】
次に光源ユニット1の他方側の板バネ5(上述の例では、2つの板バネ5)を図中符号Aで示す方向に撓ませる。そして、略V字状の先端部54を係止孔211の縁辺に係止することにより、光源ユニット1が水平になるように保持部2から垂下させて仮留めする。
【0049】
板バネ5の略V字状に形成した先端部54を保持部2の係止孔211の縁辺に係止させて光源ユニット1を保持部2に仮留めすることができるので、例えば、光源ユニット1に配線を接続するような場合、配線作業空間(天井300面と光源ユニット1の上板16との間の空間)を確保することができるとともに、光源ユニット1を手で持つ必要がないので、光源ユニット1の取付時の作業性が向上する。
【0050】
仮留めされた光源ユニット1を保持部2の開口部205から内挿して保持する場合には、光源ユニット1の一方側を図中符号Bで示す方向(下方から上方)に押し上げて、一方側の板バネ5の先端部54、屈曲部53、延設部52の順序で係止孔211を挿通させ、板バネ5を側板21の内側から外側(保持部2の内側から外側)へ挿通させる。そして、付勢部51(付勢部51の一部)が係止孔211を挿通したときに、板バネ5が元の形状に戻るように付勢部51の付勢力が働く。
【0051】
同様に、光源ユニット1の他方側を図中符号Bで示す方向(下方から上方)に押し上げて、他方側の板バネ5の先端部54、屈曲部53、延設部52の順序で係止孔211を挿通させ、板バネ5を側板21の内側から外側(保持部2の内側から外側)へ挿通させる。そして、付勢部51(付勢部51の一部)が係止孔211を挿通したときに、板バネ5が元の形状に戻るように付勢部51の付勢力が働く。
【0052】
そして、光源ユニット1は保持部2に保持された状態となり、例えば、図1及び図2で例示した状態で光源ユニット1が保持部に2に保持される。
【0053】
次に、光源ユニット1を保持部で保持する場合の状態遷移について説明する。図8は光源ユニット1を仮留めした状態を示す模式図であり、図9は仮留めした光源ユニット1を保持部2で保持させる途中の状態を示す模式図であり、図10は光源ユニット1を保持部2で保持した状態を示す模式図である。
【0054】
図8に示すように、光源ユニット1は、板バネ5の略V字状の先端部54を係止孔211の縁辺に係止することにより、保持部2に仮留めすることができる。
【0055】
図9に示すように、仮留めした光源ユニット1を保持部2で保持させる場合、光源ユニット1を下方から上方へ押し上げる。板バネ5は、先端側を屈曲させた屈曲部53を備える。また、保持部2は、屈曲部53を含む板バネ5(延設部52、付勢部51)を、係止孔211を通じて保持部2の内側から外側へ案内する案内板212を係止孔211の近傍に設けてある。すなわち、光源ユニット1を保持部2に内挿する場合、板バネ5の屈曲部53を係止孔211近傍の案内板212に沿って摺動させることができ、板バネ5が係止孔211の近傍で引っかかることなく板バネ5を容易に係止孔211に挿通させることができる。そして、板バネ5を係止孔211に挿通させて保持部2の内側から外側へ案内することが容易になる。これにより、光源ユニット1を保持部2に内挿する(例えば、上方に押し上げる)ことが容易になり、光源ユニット1の取付時の作業性が向上する。
【0056】
図10に示すように、光源ユニット1を保持部2に保持した状態では、板バネ5(付勢部51)を係止孔211の縁辺で係止させた状態となる。この状態では、板バネ5は、付勢力により元の形状に戻ろうとするので、板バネ5と側板21とが当接した箇所を基点として光源ユニット1を上方(図中符号Cで示す方向)に押し上げる力が働く。すなわち、板バネ5を係止孔211で係止させた状態で、付勢部51(板バネ5)は光源ユニット1を内挿する方向(例えば、光源ユニット1を下方から上方に向けて保持部2に内挿する場合には、上方向となる)に付勢するので、光源ユニット1の外板14の端部が天井300面に近接する方向に押圧され、外板14と天井300面との隙間、すなわち光源ユニット1と天井300面との隙間を小さくすることができ、光源ユニット1の天井などの設置面との密着性を高めることができる。
【0057】
また、図10に示すように、光源ユニット1を保持部2に保持するための部材である、板バネ5、係止孔211が、天井300の取付孔301に収容された保持部に設けてあるので、板バネ5及び係止孔211は、天井などの設置面の裏側等にあるので外部から目視することはできないので、従来のようなネジ頭などが露出することなく、美観を向上させることができる。天井300を下方又は斜め方向から見上げた場合、ユーザは、光源ユニット1の拡散板11、鍔部12及び外板14が見えるだけで、光源ユニット1を保持するための部材が隠されており、美観に優れあるいは意匠性に優れた照明装置を実現することができる。また、板バネ5の付勢力により、光源ユニット1の外板14が天井300面に近接又は密着させることができ、照明装置と天井300面との隙間を小さく又は無くすことができ、さらに美観に優れあるいは意匠性に優れた照明装置を実現することができる。
【0058】
図11は本実施の形態の照明装置100の構成の他の例を示す説明図である。図11に示すように、光源ユニット1は、箱体状をなし、適長離隔させた少なくとも3つの板バネ5a、5b、5cの組を対設して光源ユニット1に固定してある。例えば、光源ユニット1の周りに、3つの板バネの組を対設し、6つの板バネで光源ユニット1を保持する。これにより、大型又は重量の重い光源ユニット1でも確実に保持することができる。また、当該組の板バネのうち両端側の2つの板バネ5a、5bは他の板バネ5cより長いので、光源ユニット1を保持部2に仮留めする場合に、3つの板バネを同時に係止孔211に引掛ける必要がなく、両端側の2つの板バネ5a、5bだけを係止孔211に係止させて光源ユニット1を垂下させることができ、光源ユニット1を保持部2に容易に仮留めすることができる。
【0059】
上述の実施の形態では、埋込みスクエア型の照明装置を例として説明したが、照明装置100は、スクエア型に限定されるものではなく、円形型の照明装置でもよい。
【0060】
また、上述の実施の形態では光源としてLEDモジュールを備える例で説明したが、光源はLEDモジュールに限定されるものではなく、EL(Electro-Luminescence)など他の光源でもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 光源ユニット
2 保持部
5、5a、5b、5c 板バネ
11 拡散板
12 鍔部
13、15 横板
14 外板
16 上板
17 内板
21 側板
51 付勢部
52 延設部
53 屈曲部
54 先端部
211 係止孔
212 案内板
301 取付孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に設けられた取付孔に取り付けられる照明装置において、
光源を有する光源ユニットと、
前記取付孔に収容され、前記光源ユニットを内挿して保持するための保持部と、
前記光源ユニットに固定され、該光源ユニットを前記保持部に持着する複数の持着部材と
を備え、
前記保持部は、
各持着部材を係止する複数の係止部を、該保持部の前記取付孔に収容された部分に設けてあることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記持着部材は、
前記光源ユニットを前記保持部で保持した状態で該光源ユニットを内挿する方向に付勢する付勢部を有する板バネであり、
前記係止部は、
前記板バネを挿通させて係止する係止孔であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記板バネは、
先端側に屈曲部を備え、
前記保持部は、
前記板バネを、前記係止孔を通じて前記保持部の内側から外側へ案内する案内部材を該係止孔の近傍に設けてあることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記屈曲部は、
略V字状に形成した先端部を有し、
該先端部を前記係止孔の縁辺に係止させて前記光源ユニットを前記保持部から垂下させて仮留めするように構成してあることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記板バネは、
基端側に前記付勢部を有し、
該付勢部から先端側を該付勢部より狭幅にしてあることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記板バネは、
該板バネの先端側に向かって徐々に狭幅にしてあることを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記光源ユニットは、箱体状をなし、
適長離隔させた少なくとも3つの板バネの組を対設して前記光源ユニットに固定してあり、
該組の板バネのうち両端側の2つの板バネは他の板バネより長いことを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−230826(P2012−230826A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98405(P2011−98405)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】