照明装置
【課題】 LEDからの光を効率良く集光することができる照明装置を提供する。
【解決手段】 線状に配置された複数のLED20と、複数のLED20からの光を照射面に向けて集光させるシリンドリカル状の集光レンズ6と、を備える。集光レンズ6の複数のLED20側には第1凸レンズ面27が形成され、集光レンズ6の照射面側には第2凸レンズ面31が形成されている。集光レンズ6の長手方向と直交する断面において、集光レンズ6の両側部26は、複数のLED20側から照射面側に向けて外側に傾斜して延びている。複数のLED20は、集光レンズ6の第1凸レンズ面27に近接して配設されている。
【解決手段】 線状に配置された複数のLED20と、複数のLED20からの光を照射面に向けて集光させるシリンドリカル状の集光レンズ6と、を備える。集光レンズ6の複数のLED20側には第1凸レンズ面27が形成され、集光レンズ6の照射面側には第2凸レンズ面31が形成されている。集光レンズ6の長手方向と直交する断面において、集光レンズ6の両側部26は、複数のLED20側から照射面側に向けて外側に傾斜して延びている。複数のLED20は、集光レンズ6の第1凸レンズ面27に近接して配設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば画像処理検査等において被検査物を照明するために用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シート状の紙やガラス基板、鋼板等の工業製品の品質、例えば、表面上の傷や凹凸異常、歪み、異物の付着、あるいは製品端面の状態等を製造ライン上で検査する際には、CCDカメラ等による撮像を利用した画像処理検査が行われている。この画像処理検査では、照射面に配置された被検査物を照明するための照明装置が用いられている。
【0003】
図8(a)に示すように、従来の照明装置100は、複数のLED101と、このLED101が線状に並んで実装されたプリント配線基板102と、LED101の前方に配設された凸レンズ面を有するシリンドリカル状の集光レンズ103と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。各LED101からの光は、集光レンズ103によって集光されることにより、照射面104に向けて帯状に照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−215115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の照明装置100では、LED101と集光レンズ103との離間距離Dが小さいと、集光レンズ103から射出される光の範囲が拡がって照射面104における照射範囲が拡がってしまうことから、上記離間距離Dを大きく(集光レンズ103の曲率半径にもよるが、一般的には約20〜50mm)確保する必要がある。しかしながら、このようにLED101と集光レンズ103との離間距離Dが大きくなると、LED101から発する光のうち、光軸を含む狭角な配光の光のみが集光レンズ103に入射されるようになる。このため、LED101から発する光のうち、外側に向かう広角な配光の光は、集光レンズ103に入射されずに照射面104の照明に寄与しない。それ故に、LED101からの光を集光レンズ103によって効率良く集光することができず、図8(b)に示すように、照射面104における照度のピークは例えば30〜40万lx程度となる。近年では、画像処理検査の検査精度を高めるべく、照射面における照度を更に高めることができる照明装置の実現が強く望まれている。
【0006】
本発明の目的は、LEDからの光を効率良く集光することができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明装置では、線状に配置された複数のLEDと、前記複数のLEDからの光を照射面に向けて集光させるシリンドリカル状の集光レンズと、を備え、
前記集光レンズの前記LED側には、該LEDに向かって凸面状とする第1凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの前記照射面側には、該照射面に向かって凸面状とする第2凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの長手方向と直交する断面において、前記集光レンズの両側部は、前記複数のLED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜して延びており、前記複数のLEDは、前記集光レンズの前記第1凸レンズ面に近接して配設されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記集光レンズは、シリンドリカル状の第1集光レンズ及び第2集光レンズから構成され、前記第1集光レンズは前記複数のLED側に配設され、前記第2集光レンズは前記照射面側に配設され、前記第1集光レンズの入射側には前記第1凸レンズ面が形成され、前記第2集光レンズの射出側には前記第2凸レンズ面が形成され、前記第1集光レンズの長手方向と直交する断面において、前記第1集光レンズの両側部は、前記複数のLED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜して延びており、前記第1集光レンズと前記第2集光レンズとの間には、前記複数のLEDからの光を拡散させるための拡散部材が介在されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記集光レンズは複数設けられ、前記複数の集光レンズは、その長手方向に相互に隣接して配設されており、前記拡散部材は、前記複数の集光レンズの長手方向全体に渡って、前記複数の集光レンズの各々の前記第1集光レンズと前記第2集光レンズとの間に介在されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記第1集光レンズの射出側には、その長手方向に延びる保持用凹部が設けられ、前記保持用凹部には、前記第2集光レンズ及び前記拡散部材が保持されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記複数のLEDが実装されるプリント配線基板と、開口部を有するケーシングと、を更に備え、前記プリント配線基板は、前記ケーシングの内部に配設されており、
前記第1集光レンズの射出側には、その長手方向と直交する方向に外側に延びる一対の支持片が設けられ、前記一対の支持片は、前記ケーシングの前記開口部に支持され、前記第1集光レンズの入射側は、前記ケーシングの内部に配設されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の照明装置では、LEDと、前記LEDからの光を照射面に向けて集光させる断面円形状の集光レンズと、を備え、
前記集光レンズの前記LED側には、該LEDに向かって凸面状とする第1凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの前記照射面側には、該照射面に向かって凸面状とする第2凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの外側面は、前記LED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜するテーパ状に形成されており、前記LEDは、前記集光レンズの前記第1凸レンズ面に近接して配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の照明装置によれば、集光レンズの複数のLED側には凸面状の第1凸レンズ面が形成され、複数のLEDは、集光レンズの第1凸レンズ面に近接して配設されているので、LEDから発する光のうち、光軸を含む狭配光の光の全部と外側に向かう広配光の光の一部はともに、集光レンズの第1凸レンズ面に入射されるようになる。LEDからの光が第1凸レンズ面に入射すると、この入射した光の一部は第1凸レンズ面によってLEDの光軸に近付く方向に屈曲され、第2凸レンズ面に向けて進むようになる。また、第1凸レンズ面に入射した光の一部は、集光レンズの内部を進んでその両側部にて反射された後に、第2凸レンズ面に向けて進むようになる。集光レンズの長手方向と直交する断面において、集光レンズの両側部は、複数のLED側から照射面側に向けて外側に傾斜して延びているので、集光レンズの両側部にて反射される光の射出角は入射角よりも小さくなる。これにより、集光レンズの両側部にて反射された光は、LEDの光軸に対して略平行に進むようになり、第2凸レンズ面から射出される光は狭配光な光となる。従って、LEDからの光の集光効率を高めることができ、照射面における照度を高めることができる。
【0014】
また、本発明の照明装置によれば、集光レンズは、第1集光レンズ及び第2集光レンズから構成され、それらの間には拡散部材が介在されているので、LEDからの光が拡散部材によって拡散されることにより、照射面にLEDの像が映り込むのを防止することができる。
【0015】
また、本発明の照明装置によれば、拡散部材は、複数の集光レンズの長手方向全体に渡って、複数の集光レンズの各々の第1集光レンズと第2集光レンズとの間に介在されている。複数の集光レンズをその長手方向に隣接して配設した場合には、相互に隣接する一対の集光レンズの間に継ぎ目が生じるようになる。このため、集光レンズの長手方向における照射面の照度分布では、この継ぎ目における照度が低下する傾向にあるが、上述したように拡散部材を第1集光レンズと第2集光レンズとの間に介在させることによって、上記照度分布をほぼ均一にすることができる。
【0016】
また、本発明の照明装置によれば、第1集光レンズの射出側には、その長手方向に延びる保持用凹部が設けられているので、この保持用凹部に第2集光レンズ及び拡散部材を保持させることにより、第2集光レンズ及び拡散部材の第1集光レンズに対する位置決めを容易に行うことができる。
【0017】
また、本発明の照明装置によれば、第1集光レンズの射出側には、その長手方向と直交する方向に外側に延びる一対の支持片が設けられているので、一対の支持片をケーシングの開口部に支持させることにより、集光レンズのケーシングに対する位置決めを容易に行うことができる。
【0018】
また、本発明の照明装置によれば、集光レンズのLED側には凸面状の第1凸レンズ面が形成され、LEDは、集光レンズの第1凸レンズ面に近接して配設されているので、LEDから発する光のうち、光軸を含む狭配光の光の全部と外側に向かう広配光の光の一部はともに、集光レンズの第1凸レンズ面に入射されるようになる。LEDからの光が第1凸レンズ面に入射すると、この入射した光の一部は第1凸レンズ面によってLEDの光軸に近付く方向に屈曲され、第2凸レンズ面に向けて進むようになる。また、第1凸レンズ面に入射した光の一部は、集光レンズの内部を進んでその外側面にて反射された後に、第2凸レンズ面に向けて進むようになる。集光レンズの外側面は、LED側から照射面側に向けて外側に傾斜するテーパ状に形成されているので、集光レンズの外側面にて反射される光の射出角は入射角よりも小さくなる。これにより、集光レンズの外側面にて反射された光は、LEDの光軸に対して略平行に進むようになり、第2凸レンズ面から射出される光は狭配光な光となる。従って、LEDからの光の集光効率を高めることができ、照射面における照度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態による照明装置を示す斜視図である。
【図2】図1の照明装置の一部を分解して示す分解斜視図である。
【図3】図1中のA−A線による照明装置の断面図である。
【図4】図1中のB−B線による照明装置の断面図である。
【図5】(a)は、図1の照明装置における光路を示す図であり、(b)は、光学ソフトのシミュレーションにより求めた、図1の照明装置による照射面の照度分布を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による照明装置の集光レンズを分解して示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による照明装置の一部を分解して示す分解斜視図である。
【図8】(a)は、従来の照明装置における光路を示す図であり、(b)は、光学ソフトのシミュレーションにより求めた、従来の照明装置による照射面の照度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う照明装置の各種実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図5を参照して、第1の実施形態の照明装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による照明装置を示す斜視図であり、図2は、図1の照明装置の一部を分解して示す分解斜視図であり、図3は、図1中のA−A線による照明装置の断面図であり、図4は、図1中のB−B線による照明装置の断面図であり、図5(a)は、図1の照明装置における光路を示す図であり、図5(b)は、光学ソフトのシミュレーションにより求めた、図1の照明装置による照射面の照度分布を示す図である。
【0021】
本実施形態の照明装置1は、ケーシング2と、ケーシング2に着脱自在に装着される断面コの字状のカバー3と、を備えている。ケーシング2には、線状光源4、複数の点灯回路ユニット5及び集光レンズ6が収納されている。以下、照明装置1の構成について詳細に説明する。
【0022】
ケーシング2は、横長の底板7と、底板7の一側端部より略垂直に延びる側板8と、底板7の他側端部より略垂直に延びる複数の支持板9と、底板7の両端部より略垂直に延びる一対の端板10と、を有している。複数の支持板9は、底板7の長手方向に間隔を置いて配置されている。ケーシング2は、これら底板7、側板8、複数の支持板9及び一対の端板10によって、上面に開口部11を有するボックス状に構成されている。底板7の外面には、長手方向に放熱フィン群13が設けられている。なお、ケーシング2は、アルミニウム等の放熱性の高い金属から形成されている。
【0023】
カバー3は、横長の天板14と、天板14の両側端部より略垂直に延びる一対の側板15,16と、を有している。天板14には、横長且つ矩形状の照射窓17が設けられている。一方の側板15の高さは、他方の側板16の高さよりも高く構成されている。カバー3がケーシング2に装着されると、天板14によってケーシング2の上面(即ち、開口部11が設けられた面)が覆われるとともに、一方の側板15によってケーシング2の一側面(即ち、複数の支持板9が設けられた面)が覆われる。
【0024】
線状光源4は、複数(本実施形態では4個)の線状光源ユニット18が相互に隣接して配置されることにより構成されている(図2及び図4参照)。各線状光源ユニット18は、プリント配線基板19と、プリント配線基板19に直線状に一列に並べて実装された複数のLED20と、を有している。LED20は、高輝度型のパワーLEDから構成されている。LED20からの光はその光軸C(図3参照)を中心に立体状に広がった配光をなし、光軸Cを中心とする所定範囲の立体角(即ち、有効発光角)内にその大部分が放射される。また、プリント配線基板19はアルミニウムから形成されている。各線状光源ユニット18は、そのプリント配線基板19をケーシング2の底板7の内面に密接して取り付けている。これにより、線状光源4の複数のLED20は、全体として直線状に配置される。また、LED20の発熱は、ケーシング2の底板7に熱伝導され、放熱フィン群13によりケーシング2の外部に放熱される。
【0025】
点灯回路ユニット5は、各線状光源ユニット18に対応して複数(本実施形態では4個)設けられている(図2参照)。各点灯回路ユニット5は、複数の電子部品21が実装されたプリント配線基板22を有している。これら複数の電子部品21によって、LED20を点灯させるための点灯回路が構成されている。各点灯回路ユニット5のプリント配線基板22は、ケーシング2の側板8の内面に相互に隣接して取り付けられている。線状光源ユニット18のプリント配線基板19と点灯回路ユニット5のプリント配線基板22とは、ケーブル(図示せず)を介して電気的に接続されている。電源装置12からの所定の電力がケーブル30を通して各点灯回路ユニット5に供給されると、各点灯回路ユニット5の点灯回路が駆動されて各線状光源ユニット18のLED20が点灯される。
【0026】
集光レンズ6は、シリンドリカル状の第1集光レンズ23及び第2集光レンズ24から構成されている。第1集光レンズ23はLED20側に、第2集光レンズ24は照射面25側に配置されている。
【0027】
第1集光レンズ23の長手方向と直交する断面において、第1集光レンズ23の両側部26は、複数のLED20側から照射面25側に向けて外側に傾斜して延びている。第1集光レンズ23の入射側には、第1凸レンズ面27が形成されている。第1集光レンズ23の射出側には、その長手方向に延びる保持用凹部28が設けられている。また、この保持用凹部28の両側部には、一対の支持片29が設けられている。これら一対の支持片29は、第1集光レンズ23をケーシング2内に収容した際に、ケーシング2の開口上縁部(具体的には、側板8及び複数の支持板9の各上端部)に載置される。これにより、第1集光レンズ23はケーシング2の内部に配設され、その第1凸レンズ面27は、複数のLED20に近接して配設されるようになる。後述するように、第1集光レンズ23は、LED20からの光を第2集光レンズ24に向けて集光させる集光機能と、LED20からの光をその内部で反射させて第2集光レンズ24に向けて導く導光機能と、を有している。
【0028】
なお、本実施形態では、第1集光レンズ23の寸法として、高さh1は約22.4mm、第1凸レンズ面27の幅wは約7mm、第1凸レンズ面27の曲率半径は約7mmに構成されている(図3参照)。また、第1凸レンズ面27とLED20との離間距離dは、約3mmに構成されている。
【0029】
第2集光レンズ24の射出側には、第2凸レンズ面31が形成されている。第2集光レンズ24の入射側における両側端部には、左右外方に延びる一対の押圧片32が設けられている。第2集光レンズ24の入射側は、一対の押圧片32とともに第1集光レンズ23の保持用凹部28に載置される。また、第1集光レンズ23と第2集光レンズ24との間には、LED20からの光を拡散させるための拡散シート33(拡散部材を構成する)が介在されている。第2集光レンズ24の一対の押圧片32は、カバー3の照射窓17の周縁部と第1集光レンズ23の一対の支持片29との間に押圧保持される。また、第2集光レンズ24の第2凸レンズ面31は、カバー3の照射窓17を通して外部に幾分突出されている。なお、本実施形態では、第2集光レンズ24の寸法として、高さh2は約6mm、第2凸レンズ面31の曲率半径は約12mmに構成されている(図3参照)。
【0030】
次に、図3及び図5を参照して、本実施形態の照明装置1による照明について説明する。線状光源4の各LED20が点灯されると、LED20から発する光は、第1集光レンズ23の第1凸レンズ面27に入射される。上述したように、LED20は第1集光レンズ23の第1凸レンズ面27に近接して配設されているので、LED20から発する光のうち、光軸Cを含む挟角な配光(狭配光)の光の全部と外側に向かう広角な配光(広配光)の光の一部はともに、第1集光レンズ23の第1凸レンズ面27に入射されるようになる。
【0031】
第1集光レンズ23に入射された光の一部は、第1凸レンズ面27によってLED20の光軸C方向に屈曲されて、第1集光レンズ23内を第2集光レンズ24に向けて進むようになる(第1集光レンズ23の集光機能)。また、第1集光レンズ23に入射された光の一部は、第1集光レンズ23の内部を進んで両側面26にて反射された後に、第2集光レンズ24に向けて進むようになる(第1集光レンズ23の導光機能)。上述したように、第1集光レンズ23の両側面26は、LED20側から照射面25側に向けて外側に傾斜して延びているので、反射される光の射出角θ2は入射角θ1よりも小さくなる。これにより、第1集光レンズ23の両側面26にて反射された光は、LED20の光軸Cに対して略平行に進むようになる。このようにして、第1集光レンズ23から射出される光は、光軸Cに対して略平行な光となる。
【0032】
第1集光レンズ23から射出された光は、拡散シート33により拡散された後に、第2集光レンズ24に入射される。第2集光レンズ24より射出された光は、LED20の光軸Cに近付く方向に屈曲されて狭配光な光となり、照射面25に帯状に収束されて照射される(図5(a)参照)。
【0033】
本実施形態の照明装置1では、LED20からの狭配光の光と広配光の光の一部とがともに第1集光レンズ23に入射されるとともに、第1集光レンズ23から射出される光が光軸Cに対して略平行な光となるので、LED20からの光を照射面25の照明に効率良く寄与させることができる。それ故に、図5(b)に示すように、照射面25における照度のピークは例えば80〜90万lxとなり、従来の照明装置よりも大幅に高められる。また、第1集光レンズ23と第2集光レンズ24との間には拡散シート33が設けられているので、LED20からの光が拡散シート33によって拡散されることにより、LED20の像が照射面25に映り込むのが防止される。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の照明装置について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態による照明装置の集光レンズを分解して示す分解斜視図である。なお、以下に示す各実施形態において、上記第1の実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
本実施形態の照明装置1Aでは、集光レンズ6は複数(本実施形態では2個)設けられ、複数の集光レンズ6は、その長手方向に相互に隣接して配設されている。拡散シート33Aは、複数の集光レンズ6の長手方向全体に渡って、各集光レンズ6の第1集光レンズ23と第2集光レンズ24との間に介在されている。
【0035】
上述のように集光レンズ6を配設した場合には、相互に隣接する一対の集光レンズ6の間に継ぎ目34が生じるようになる。このため、集光レンズ6の長手方向における照射面25の照度分布では、この継ぎ目34における照度が低下する傾向にあるが、本実施形態のように拡散シート33を配設することによって、上記照度分布をほぼ均一にすることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、集光レンズ6を2個設けるように構成したが、照明装置1Aの用途等に応じて、その数は適宜設定することができる。また、複数の集光レンズ6全体の長さに応じて、線状光源(図示せず)全体の長さ、即ち、線状光源ユニットの数を適宜調節すればよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の照明装置について、図7の分解斜視図を用いて説明する。
【0037】
本実施形態の照明装置1Bは、スポット状光源35及び集光レンズ6Bがケーシング(図示せず)に配設されることにより構成されている。スポット状光源35は、プリント配線基板19Bと、プリント配線基板19Bに実装された1個のLED20Bと、を有している。
【0038】
集光レンズ6Bは、断面円形状の第1集光レンズ23B及び第2集光レンズ24Bから構成されている。第1集光レンズ23Bの入射側には、第1凸レンズ面27Bが形成されており、この第1凸レンズ面27BはLED20Bに近接して配設される。第1集光レンズ23Bの外側面36は、LED20B側から照射面(図示せず)側に向けて外側に傾斜するテーパ状に形成されている。第1集光レンズ23Bの射出側には、矩形状の保持用凹部28Bが設けられている。また、第1集光レンズ23Bの射出側における全周には、径方向外方に延びる矩形状の支持片29Bが設けられている。この支持片29Bは、上記第1の実施形態と同様に、ケーシングの開口部に支持されるようになる。
【0039】
第2集光レンズ24Bの射出側には、第2凸レンズ面31Bが形成されている。第2集光レンズ24Bの入射側には、径方向外方に延びる矩形状の押圧片32Bが設けられている。第2集光レンズ24Bの入射側は第1集光レンズ23Bの保持用凹部28Bに保持され、第1集光レンズ23Bと第2集光レンズ24Bとの間には矩形状の拡散シート33Bが介在されている。第2集光レンズ24Bの押圧片32Bは、カバー(図示せず)の照射窓の周縁部と第1集光レンズ23Bの支持片29Bとの間に押圧保持される。
【0040】
本実施形態の照明装置1Bでは、上記第1の実施形態と同様に、第1集光レンズ23Bから射出される光は、LED20Bの光軸(図示せず)に対して略平行な光となり、拡散シート33Bにより拡散された後に、第2集光レンズ24Bに入射される。第2集光レンズ24Bより射出された光は、LED20Bの光軸に近付く方向に屈曲されて狭配光な光となり、照射面(図示せず)に向けてスポット状に集光される。従って、本実施形態の照明装置1Bにおいても、上記第1の実施形態と同様の作用効果が達成される。
【0041】
以上、本発明に従う照明装置の種々の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0042】
上記各実施形態では、第1集光レンズ23,23Bと第2集光レンズ24,24Bとを別体に構成したが、これらを一体に構成してもよい。
【0043】
また、上記各実施形態では、拡散部材を厚みの薄い拡散シート33,33A,33Bから構成したが、これに代えて、やや厚みの大きい拡散プレートから構成してもよい。
【0044】
また、上記各実施形態では、LED20,20Bをチップ型のパワーLEDから構成したが、砲弾型のLEDから構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,1A,1B,100 照明装置
2 ケーシング
6,6A,6B,103 集光レンズ
11 開口部
19,19B,102 プリント配線基板
20,20B,101 LED
23,23B 第1集光レンズ
24,24B 第2集光レンズ
25,104 照射面
27,27B 第1凸レンズ面
28,28B 保持用凹部
29,29B 支持片
31,31B 第2凸レンズ面
33,33A,33B 拡散シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば画像処理検査等において被検査物を照明するために用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、シート状の紙やガラス基板、鋼板等の工業製品の品質、例えば、表面上の傷や凹凸異常、歪み、異物の付着、あるいは製品端面の状態等を製造ライン上で検査する際には、CCDカメラ等による撮像を利用した画像処理検査が行われている。この画像処理検査では、照射面に配置された被検査物を照明するための照明装置が用いられている。
【0003】
図8(a)に示すように、従来の照明装置100は、複数のLED101と、このLED101が線状に並んで実装されたプリント配線基板102と、LED101の前方に配設された凸レンズ面を有するシリンドリカル状の集光レンズ103と、を備えている(例えば、特許文献1参照)。各LED101からの光は、集光レンズ103によって集光されることにより、照射面104に向けて帯状に照射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−215115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の照明装置100では、LED101と集光レンズ103との離間距離Dが小さいと、集光レンズ103から射出される光の範囲が拡がって照射面104における照射範囲が拡がってしまうことから、上記離間距離Dを大きく(集光レンズ103の曲率半径にもよるが、一般的には約20〜50mm)確保する必要がある。しかしながら、このようにLED101と集光レンズ103との離間距離Dが大きくなると、LED101から発する光のうち、光軸を含む狭角な配光の光のみが集光レンズ103に入射されるようになる。このため、LED101から発する光のうち、外側に向かう広角な配光の光は、集光レンズ103に入射されずに照射面104の照明に寄与しない。それ故に、LED101からの光を集光レンズ103によって効率良く集光することができず、図8(b)に示すように、照射面104における照度のピークは例えば30〜40万lx程度となる。近年では、画像処理検査の検査精度を高めるべく、照射面における照度を更に高めることができる照明装置の実現が強く望まれている。
【0006】
本発明の目的は、LEDからの光を効率良く集光することができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明装置では、線状に配置された複数のLEDと、前記複数のLEDからの光を照射面に向けて集光させるシリンドリカル状の集光レンズと、を備え、
前記集光レンズの前記LED側には、該LEDに向かって凸面状とする第1凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの前記照射面側には、該照射面に向かって凸面状とする第2凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの長手方向と直交する断面において、前記集光レンズの両側部は、前記複数のLED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜して延びており、前記複数のLEDは、前記集光レンズの前記第1凸レンズ面に近接して配設されていることを特徴とする。
【0008】
また、前記集光レンズは、シリンドリカル状の第1集光レンズ及び第2集光レンズから構成され、前記第1集光レンズは前記複数のLED側に配設され、前記第2集光レンズは前記照射面側に配設され、前記第1集光レンズの入射側には前記第1凸レンズ面が形成され、前記第2集光レンズの射出側には前記第2凸レンズ面が形成され、前記第1集光レンズの長手方向と直交する断面において、前記第1集光レンズの両側部は、前記複数のLED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜して延びており、前記第1集光レンズと前記第2集光レンズとの間には、前記複数のLEDからの光を拡散させるための拡散部材が介在されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記集光レンズは複数設けられ、前記複数の集光レンズは、その長手方向に相互に隣接して配設されており、前記拡散部材は、前記複数の集光レンズの長手方向全体に渡って、前記複数の集光レンズの各々の前記第1集光レンズと前記第2集光レンズとの間に介在されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記第1集光レンズの射出側には、その長手方向に延びる保持用凹部が設けられ、前記保持用凹部には、前記第2集光レンズ及び前記拡散部材が保持されていることを特徴とする。
【0011】
また、前記複数のLEDが実装されるプリント配線基板と、開口部を有するケーシングと、を更に備え、前記プリント配線基板は、前記ケーシングの内部に配設されており、
前記第1集光レンズの射出側には、その長手方向と直交する方向に外側に延びる一対の支持片が設けられ、前記一対の支持片は、前記ケーシングの前記開口部に支持され、前記第1集光レンズの入射側は、前記ケーシングの内部に配設されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の照明装置では、LEDと、前記LEDからの光を照射面に向けて集光させる断面円形状の集光レンズと、を備え、
前記集光レンズの前記LED側には、該LEDに向かって凸面状とする第1凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの前記照射面側には、該照射面に向かって凸面状とする第2凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの外側面は、前記LED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜するテーパ状に形成されており、前記LEDは、前記集光レンズの前記第1凸レンズ面に近接して配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の照明装置によれば、集光レンズの複数のLED側には凸面状の第1凸レンズ面が形成され、複数のLEDは、集光レンズの第1凸レンズ面に近接して配設されているので、LEDから発する光のうち、光軸を含む狭配光の光の全部と外側に向かう広配光の光の一部はともに、集光レンズの第1凸レンズ面に入射されるようになる。LEDからの光が第1凸レンズ面に入射すると、この入射した光の一部は第1凸レンズ面によってLEDの光軸に近付く方向に屈曲され、第2凸レンズ面に向けて進むようになる。また、第1凸レンズ面に入射した光の一部は、集光レンズの内部を進んでその両側部にて反射された後に、第2凸レンズ面に向けて進むようになる。集光レンズの長手方向と直交する断面において、集光レンズの両側部は、複数のLED側から照射面側に向けて外側に傾斜して延びているので、集光レンズの両側部にて反射される光の射出角は入射角よりも小さくなる。これにより、集光レンズの両側部にて反射された光は、LEDの光軸に対して略平行に進むようになり、第2凸レンズ面から射出される光は狭配光な光となる。従って、LEDからの光の集光効率を高めることができ、照射面における照度を高めることができる。
【0014】
また、本発明の照明装置によれば、集光レンズは、第1集光レンズ及び第2集光レンズから構成され、それらの間には拡散部材が介在されているので、LEDからの光が拡散部材によって拡散されることにより、照射面にLEDの像が映り込むのを防止することができる。
【0015】
また、本発明の照明装置によれば、拡散部材は、複数の集光レンズの長手方向全体に渡って、複数の集光レンズの各々の第1集光レンズと第2集光レンズとの間に介在されている。複数の集光レンズをその長手方向に隣接して配設した場合には、相互に隣接する一対の集光レンズの間に継ぎ目が生じるようになる。このため、集光レンズの長手方向における照射面の照度分布では、この継ぎ目における照度が低下する傾向にあるが、上述したように拡散部材を第1集光レンズと第2集光レンズとの間に介在させることによって、上記照度分布をほぼ均一にすることができる。
【0016】
また、本発明の照明装置によれば、第1集光レンズの射出側には、その長手方向に延びる保持用凹部が設けられているので、この保持用凹部に第2集光レンズ及び拡散部材を保持させることにより、第2集光レンズ及び拡散部材の第1集光レンズに対する位置決めを容易に行うことができる。
【0017】
また、本発明の照明装置によれば、第1集光レンズの射出側には、その長手方向と直交する方向に外側に延びる一対の支持片が設けられているので、一対の支持片をケーシングの開口部に支持させることにより、集光レンズのケーシングに対する位置決めを容易に行うことができる。
【0018】
また、本発明の照明装置によれば、集光レンズのLED側には凸面状の第1凸レンズ面が形成され、LEDは、集光レンズの第1凸レンズ面に近接して配設されているので、LEDから発する光のうち、光軸を含む狭配光の光の全部と外側に向かう広配光の光の一部はともに、集光レンズの第1凸レンズ面に入射されるようになる。LEDからの光が第1凸レンズ面に入射すると、この入射した光の一部は第1凸レンズ面によってLEDの光軸に近付く方向に屈曲され、第2凸レンズ面に向けて進むようになる。また、第1凸レンズ面に入射した光の一部は、集光レンズの内部を進んでその外側面にて反射された後に、第2凸レンズ面に向けて進むようになる。集光レンズの外側面は、LED側から照射面側に向けて外側に傾斜するテーパ状に形成されているので、集光レンズの外側面にて反射される光の射出角は入射角よりも小さくなる。これにより、集光レンズの外側面にて反射された光は、LEDの光軸に対して略平行に進むようになり、第2凸レンズ面から射出される光は狭配光な光となる。従って、LEDからの光の集光効率を高めることができ、照射面における照度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態による照明装置を示す斜視図である。
【図2】図1の照明装置の一部を分解して示す分解斜視図である。
【図3】図1中のA−A線による照明装置の断面図である。
【図4】図1中のB−B線による照明装置の断面図である。
【図5】(a)は、図1の照明装置における光路を示す図であり、(b)は、光学ソフトのシミュレーションにより求めた、図1の照明装置による照射面の照度分布を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態による照明装置の集光レンズを分解して示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による照明装置の一部を分解して示す分解斜視図である。
【図8】(a)は、従来の照明装置における光路を示す図であり、(b)は、光学ソフトのシミュレーションにより求めた、従来の照明装置による照射面の照度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う照明装置の各種実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図5を参照して、第1の実施形態の照明装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による照明装置を示す斜視図であり、図2は、図1の照明装置の一部を分解して示す分解斜視図であり、図3は、図1中のA−A線による照明装置の断面図であり、図4は、図1中のB−B線による照明装置の断面図であり、図5(a)は、図1の照明装置における光路を示す図であり、図5(b)は、光学ソフトのシミュレーションにより求めた、図1の照明装置による照射面の照度分布を示す図である。
【0021】
本実施形態の照明装置1は、ケーシング2と、ケーシング2に着脱自在に装着される断面コの字状のカバー3と、を備えている。ケーシング2には、線状光源4、複数の点灯回路ユニット5及び集光レンズ6が収納されている。以下、照明装置1の構成について詳細に説明する。
【0022】
ケーシング2は、横長の底板7と、底板7の一側端部より略垂直に延びる側板8と、底板7の他側端部より略垂直に延びる複数の支持板9と、底板7の両端部より略垂直に延びる一対の端板10と、を有している。複数の支持板9は、底板7の長手方向に間隔を置いて配置されている。ケーシング2は、これら底板7、側板8、複数の支持板9及び一対の端板10によって、上面に開口部11を有するボックス状に構成されている。底板7の外面には、長手方向に放熱フィン群13が設けられている。なお、ケーシング2は、アルミニウム等の放熱性の高い金属から形成されている。
【0023】
カバー3は、横長の天板14と、天板14の両側端部より略垂直に延びる一対の側板15,16と、を有している。天板14には、横長且つ矩形状の照射窓17が設けられている。一方の側板15の高さは、他方の側板16の高さよりも高く構成されている。カバー3がケーシング2に装着されると、天板14によってケーシング2の上面(即ち、開口部11が設けられた面)が覆われるとともに、一方の側板15によってケーシング2の一側面(即ち、複数の支持板9が設けられた面)が覆われる。
【0024】
線状光源4は、複数(本実施形態では4個)の線状光源ユニット18が相互に隣接して配置されることにより構成されている(図2及び図4参照)。各線状光源ユニット18は、プリント配線基板19と、プリント配線基板19に直線状に一列に並べて実装された複数のLED20と、を有している。LED20は、高輝度型のパワーLEDから構成されている。LED20からの光はその光軸C(図3参照)を中心に立体状に広がった配光をなし、光軸Cを中心とする所定範囲の立体角(即ち、有効発光角)内にその大部分が放射される。また、プリント配線基板19はアルミニウムから形成されている。各線状光源ユニット18は、そのプリント配線基板19をケーシング2の底板7の内面に密接して取り付けている。これにより、線状光源4の複数のLED20は、全体として直線状に配置される。また、LED20の発熱は、ケーシング2の底板7に熱伝導され、放熱フィン群13によりケーシング2の外部に放熱される。
【0025】
点灯回路ユニット5は、各線状光源ユニット18に対応して複数(本実施形態では4個)設けられている(図2参照)。各点灯回路ユニット5は、複数の電子部品21が実装されたプリント配線基板22を有している。これら複数の電子部品21によって、LED20を点灯させるための点灯回路が構成されている。各点灯回路ユニット5のプリント配線基板22は、ケーシング2の側板8の内面に相互に隣接して取り付けられている。線状光源ユニット18のプリント配線基板19と点灯回路ユニット5のプリント配線基板22とは、ケーブル(図示せず)を介して電気的に接続されている。電源装置12からの所定の電力がケーブル30を通して各点灯回路ユニット5に供給されると、各点灯回路ユニット5の点灯回路が駆動されて各線状光源ユニット18のLED20が点灯される。
【0026】
集光レンズ6は、シリンドリカル状の第1集光レンズ23及び第2集光レンズ24から構成されている。第1集光レンズ23はLED20側に、第2集光レンズ24は照射面25側に配置されている。
【0027】
第1集光レンズ23の長手方向と直交する断面において、第1集光レンズ23の両側部26は、複数のLED20側から照射面25側に向けて外側に傾斜して延びている。第1集光レンズ23の入射側には、第1凸レンズ面27が形成されている。第1集光レンズ23の射出側には、その長手方向に延びる保持用凹部28が設けられている。また、この保持用凹部28の両側部には、一対の支持片29が設けられている。これら一対の支持片29は、第1集光レンズ23をケーシング2内に収容した際に、ケーシング2の開口上縁部(具体的には、側板8及び複数の支持板9の各上端部)に載置される。これにより、第1集光レンズ23はケーシング2の内部に配設され、その第1凸レンズ面27は、複数のLED20に近接して配設されるようになる。後述するように、第1集光レンズ23は、LED20からの光を第2集光レンズ24に向けて集光させる集光機能と、LED20からの光をその内部で反射させて第2集光レンズ24に向けて導く導光機能と、を有している。
【0028】
なお、本実施形態では、第1集光レンズ23の寸法として、高さh1は約22.4mm、第1凸レンズ面27の幅wは約7mm、第1凸レンズ面27の曲率半径は約7mmに構成されている(図3参照)。また、第1凸レンズ面27とLED20との離間距離dは、約3mmに構成されている。
【0029】
第2集光レンズ24の射出側には、第2凸レンズ面31が形成されている。第2集光レンズ24の入射側における両側端部には、左右外方に延びる一対の押圧片32が設けられている。第2集光レンズ24の入射側は、一対の押圧片32とともに第1集光レンズ23の保持用凹部28に載置される。また、第1集光レンズ23と第2集光レンズ24との間には、LED20からの光を拡散させるための拡散シート33(拡散部材を構成する)が介在されている。第2集光レンズ24の一対の押圧片32は、カバー3の照射窓17の周縁部と第1集光レンズ23の一対の支持片29との間に押圧保持される。また、第2集光レンズ24の第2凸レンズ面31は、カバー3の照射窓17を通して外部に幾分突出されている。なお、本実施形態では、第2集光レンズ24の寸法として、高さh2は約6mm、第2凸レンズ面31の曲率半径は約12mmに構成されている(図3参照)。
【0030】
次に、図3及び図5を参照して、本実施形態の照明装置1による照明について説明する。線状光源4の各LED20が点灯されると、LED20から発する光は、第1集光レンズ23の第1凸レンズ面27に入射される。上述したように、LED20は第1集光レンズ23の第1凸レンズ面27に近接して配設されているので、LED20から発する光のうち、光軸Cを含む挟角な配光(狭配光)の光の全部と外側に向かう広角な配光(広配光)の光の一部はともに、第1集光レンズ23の第1凸レンズ面27に入射されるようになる。
【0031】
第1集光レンズ23に入射された光の一部は、第1凸レンズ面27によってLED20の光軸C方向に屈曲されて、第1集光レンズ23内を第2集光レンズ24に向けて進むようになる(第1集光レンズ23の集光機能)。また、第1集光レンズ23に入射された光の一部は、第1集光レンズ23の内部を進んで両側面26にて反射された後に、第2集光レンズ24に向けて進むようになる(第1集光レンズ23の導光機能)。上述したように、第1集光レンズ23の両側面26は、LED20側から照射面25側に向けて外側に傾斜して延びているので、反射される光の射出角θ2は入射角θ1よりも小さくなる。これにより、第1集光レンズ23の両側面26にて反射された光は、LED20の光軸Cに対して略平行に進むようになる。このようにして、第1集光レンズ23から射出される光は、光軸Cに対して略平行な光となる。
【0032】
第1集光レンズ23から射出された光は、拡散シート33により拡散された後に、第2集光レンズ24に入射される。第2集光レンズ24より射出された光は、LED20の光軸Cに近付く方向に屈曲されて狭配光な光となり、照射面25に帯状に収束されて照射される(図5(a)参照)。
【0033】
本実施形態の照明装置1では、LED20からの狭配光の光と広配光の光の一部とがともに第1集光レンズ23に入射されるとともに、第1集光レンズ23から射出される光が光軸Cに対して略平行な光となるので、LED20からの光を照射面25の照明に効率良く寄与させることができる。それ故に、図5(b)に示すように、照射面25における照度のピークは例えば80〜90万lxとなり、従来の照明装置よりも大幅に高められる。また、第1集光レンズ23と第2集光レンズ24との間には拡散シート33が設けられているので、LED20からの光が拡散シート33によって拡散されることにより、LED20の像が照射面25に映り込むのが防止される。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の照明装置について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態による照明装置の集光レンズを分解して示す分解斜視図である。なお、以下に示す各実施形態において、上記第1の実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0034】
本実施形態の照明装置1Aでは、集光レンズ6は複数(本実施形態では2個)設けられ、複数の集光レンズ6は、その長手方向に相互に隣接して配設されている。拡散シート33Aは、複数の集光レンズ6の長手方向全体に渡って、各集光レンズ6の第1集光レンズ23と第2集光レンズ24との間に介在されている。
【0035】
上述のように集光レンズ6を配設した場合には、相互に隣接する一対の集光レンズ6の間に継ぎ目34が生じるようになる。このため、集光レンズ6の長手方向における照射面25の照度分布では、この継ぎ目34における照度が低下する傾向にあるが、本実施形態のように拡散シート33を配設することによって、上記照度分布をほぼ均一にすることができる。
【0036】
なお、本実施形態では、集光レンズ6を2個設けるように構成したが、照明装置1Aの用途等に応じて、その数は適宜設定することができる。また、複数の集光レンズ6全体の長さに応じて、線状光源(図示せず)全体の長さ、即ち、線状光源ユニットの数を適宜調節すればよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の照明装置について、図7の分解斜視図を用いて説明する。
【0037】
本実施形態の照明装置1Bは、スポット状光源35及び集光レンズ6Bがケーシング(図示せず)に配設されることにより構成されている。スポット状光源35は、プリント配線基板19Bと、プリント配線基板19Bに実装された1個のLED20Bと、を有している。
【0038】
集光レンズ6Bは、断面円形状の第1集光レンズ23B及び第2集光レンズ24Bから構成されている。第1集光レンズ23Bの入射側には、第1凸レンズ面27Bが形成されており、この第1凸レンズ面27BはLED20Bに近接して配設される。第1集光レンズ23Bの外側面36は、LED20B側から照射面(図示せず)側に向けて外側に傾斜するテーパ状に形成されている。第1集光レンズ23Bの射出側には、矩形状の保持用凹部28Bが設けられている。また、第1集光レンズ23Bの射出側における全周には、径方向外方に延びる矩形状の支持片29Bが設けられている。この支持片29Bは、上記第1の実施形態と同様に、ケーシングの開口部に支持されるようになる。
【0039】
第2集光レンズ24Bの射出側には、第2凸レンズ面31Bが形成されている。第2集光レンズ24Bの入射側には、径方向外方に延びる矩形状の押圧片32Bが設けられている。第2集光レンズ24Bの入射側は第1集光レンズ23Bの保持用凹部28Bに保持され、第1集光レンズ23Bと第2集光レンズ24Bとの間には矩形状の拡散シート33Bが介在されている。第2集光レンズ24Bの押圧片32Bは、カバー(図示せず)の照射窓の周縁部と第1集光レンズ23Bの支持片29Bとの間に押圧保持される。
【0040】
本実施形態の照明装置1Bでは、上記第1の実施形態と同様に、第1集光レンズ23Bから射出される光は、LED20Bの光軸(図示せず)に対して略平行な光となり、拡散シート33Bにより拡散された後に、第2集光レンズ24Bに入射される。第2集光レンズ24Bより射出された光は、LED20Bの光軸に近付く方向に屈曲されて狭配光な光となり、照射面(図示せず)に向けてスポット状に集光される。従って、本実施形態の照明装置1Bにおいても、上記第1の実施形態と同様の作用効果が達成される。
【0041】
以上、本発明に従う照明装置の種々の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0042】
上記各実施形態では、第1集光レンズ23,23Bと第2集光レンズ24,24Bとを別体に構成したが、これらを一体に構成してもよい。
【0043】
また、上記各実施形態では、拡散部材を厚みの薄い拡散シート33,33A,33Bから構成したが、これに代えて、やや厚みの大きい拡散プレートから構成してもよい。
【0044】
また、上記各実施形態では、LED20,20Bをチップ型のパワーLEDから構成したが、砲弾型のLEDから構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,1A,1B,100 照明装置
2 ケーシング
6,6A,6B,103 集光レンズ
11 開口部
19,19B,102 プリント配線基板
20,20B,101 LED
23,23B 第1集光レンズ
24,24B 第2集光レンズ
25,104 照射面
27,27B 第1凸レンズ面
28,28B 保持用凹部
29,29B 支持片
31,31B 第2凸レンズ面
33,33A,33B 拡散シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状に配置された複数のLEDと、前記複数のLEDからの光を照射面に向けて集光させるシリンドリカル状の集光レンズと、を備え、
前記集光レンズの前記LED側には、該LEDに向かって凸面状とする第1凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの前記照射面側には、該照射面に向かって凸面状とする第2凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの長手方向と直交する断面において、前記集光レンズの両側部は、前記複数のLED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜して延びており、前記複数のLEDは、前記集光レンズの前記第1凸レンズ面に近接して配設されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記集光レンズは、シリンドリカル状の第1集光レンズ及び第2集光レンズから構成され、前記第1集光レンズは前記複数のLED側に配設され、前記第2集光レンズは前記照射面側に配設され、前記第1集光レンズの入射側には前記第1凸レンズ面が形成され、前記第2集光レンズの射出側には前記第2凸レンズ面が形成され、前記第1集光レンズの長手方向と直交する断面において、前記第1集光レンズの両側部は、前記複数のLED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜して延びており、前記第1集光レンズと前記第2集光レンズとの間には、前記複数のLEDからの光を拡散させるための拡散部材が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記集光レンズは複数設けられ、前記複数の集光レンズは、その長手方向に相互に隣接して配設されており、前記拡散部材は、前記複数の集光レンズの長手方向全体に渡って、前記複数の集光レンズの各々の前記第1集光レンズと前記第2集光レンズとの間に介在されていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1集光レンズの射出側には、その長手方向に延びる保持用凹部が設けられ、前記保持用凹部には、前記第2集光レンズ及び前記拡散部材が保持されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記複数のLEDが実装されるプリント配線基板と、開口部を有するケーシングと、を更に備え、前記プリント配線基板は、前記ケーシングの内部に配設されており、
前記第1集光レンズの射出側には、その長手方向と直交する方向に外側に延びる一対の支持片が設けられ、前記一対の支持片は、前記ケーシングの前記開口部に支持され、前記第1集光レンズの入射側は、前記ケーシングの内部に配設されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
LEDと、前記LEDからの光を照射面に向けて集光させる断面円形状の集光レンズと、を備え、
前記集光レンズの前記LED側には、該LEDに向かって凸面状とする第1凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの前記照射面側には、該照射面に向かって凸面状とする第2凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの外側面は、前記LED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜するテーパ状に形成されており、前記LEDは、前記集光レンズの前記第1凸レンズ面に近接して配設されていることを特徴とする照明装置。
【請求項1】
線状に配置された複数のLEDと、前記複数のLEDからの光を照射面に向けて集光させるシリンドリカル状の集光レンズと、を備え、
前記集光レンズの前記LED側には、該LEDに向かって凸面状とする第1凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの前記照射面側には、該照射面に向かって凸面状とする第2凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの長手方向と直交する断面において、前記集光レンズの両側部は、前記複数のLED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜して延びており、前記複数のLEDは、前記集光レンズの前記第1凸レンズ面に近接して配設されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記集光レンズは、シリンドリカル状の第1集光レンズ及び第2集光レンズから構成され、前記第1集光レンズは前記複数のLED側に配設され、前記第2集光レンズは前記照射面側に配設され、前記第1集光レンズの入射側には前記第1凸レンズ面が形成され、前記第2集光レンズの射出側には前記第2凸レンズ面が形成され、前記第1集光レンズの長手方向と直交する断面において、前記第1集光レンズの両側部は、前記複数のLED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜して延びており、前記第1集光レンズと前記第2集光レンズとの間には、前記複数のLEDからの光を拡散させるための拡散部材が介在されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記集光レンズは複数設けられ、前記複数の集光レンズは、その長手方向に相互に隣接して配設されており、前記拡散部材は、前記複数の集光レンズの長手方向全体に渡って、前記複数の集光レンズの各々の前記第1集光レンズと前記第2集光レンズとの間に介在されていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1集光レンズの射出側には、その長手方向に延びる保持用凹部が設けられ、前記保持用凹部には、前記第2集光レンズ及び前記拡散部材が保持されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記複数のLEDが実装されるプリント配線基板と、開口部を有するケーシングと、を更に備え、前記プリント配線基板は、前記ケーシングの内部に配設されており、
前記第1集光レンズの射出側には、その長手方向と直交する方向に外側に延びる一対の支持片が設けられ、前記一対の支持片は、前記ケーシングの前記開口部に支持され、前記第1集光レンズの入射側は、前記ケーシングの内部に配設されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
LEDと、前記LEDからの光を照射面に向けて集光させる断面円形状の集光レンズと、を備え、
前記集光レンズの前記LED側には、該LEDに向かって凸面状とする第1凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの前記照射面側には、該照射面に向かって凸面状とする第2凸レンズ面が形成され、前記集光レンズの外側面は、前記LED側から前記照射面側に向けて外側に傾斜するテーパ状に形成されており、前記LEDは、前記集光レンズの前記第1凸レンズ面に近接して配設されていることを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−238436(P2012−238436A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105804(P2011−105804)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(392026888)京都電機器株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(392026888)京都電機器株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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