説明

照明装置

【課題】不用意な外力等の作用による光源ユニットの外れを未然に防止する。
【解決手段】光源を有する光源ユニット1と、光源ユニット1を保持する支持枠2と、支持枠2に光源ユニット1を保持状態で操作片30の操作にてロックするロック機構とを備える照明装置において、ロック機構は、ロック状態にて不用意な外力等の作用によるロックの解除を防止すべく操作片30を前記照明装置内部に収容すべく設けてある。ロック状態において、外力が加えられ得る操作片30が照明装置内部に収容されるので、ロックの解除を未然に防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を有する光源ユニットを、天井面等の設置部に固定される保持体に保持してなる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED)に代表される固体発光素子を光源とする照明装置が、白熱電球、蛍光灯等を光源とする従前の照明装置の代替として広く普及している。この種の照明装置の一つとして、居室の天井面に設置して使用される照明装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の照明装置は、天井面に埋め込み固定される支持枠と、該支持枠に取付けられる光源ユニット(器具本体)とを備えている。光源ユニットは、矩形の筐体の底面上に光源となる多数のLEDを縦横に並べて配置し、前記底面に対向する開口を透光板により覆って構成されている。支持枠は、光源ユニットの内包が可能な大きさを有している。
【0004】
光源ユニットは、一側に設けた係止片を支持枠の一側縁に引っ掛け、この引っ掛け部を中心として回動させ、他側に設けた止め具により支持枠内に収まる状態で拘束して取付けられている。照明装置は、この状態で使用され、光源ユニットの各LEDの発光は、筐体の内面で反射され、また透光板の内面で部分反射されて、該透光板の全面に略均等に分散した状態で外部に出射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−153314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の照明装置において、光源ユニットは、止め具による拘束を解除し、取付け時と逆の手順により支持枠から取外すことができる。この取外しは、光源ユニットの点検修理、又は交換のために実施される。
【0007】
前記止め具は、光源ユニット(又は支持枠)に回動自在に支持された回動軸であり、径方向外向きに突設されたストッパ片を備えており、止め具の回動操作により移動するストッパ片が支持枠(又は光源ユニット)の一部と係合することにより拘束状態が得られるように構成されている。止め具は、光源ユニット(又は支持枠)の外部に露出するネジ頭を有しており、ストッパ片は、ネジ頭をドライバで操作することにより、止め具と共に回転して係合位置と非係合位置との間で移動する。
【0008】
しかしながら、このような止め具を備える照明装置においては、操作端となるネジ頭が外部に露出した状態にあるため、通常の使用状態において不用意な外力等の作用により止め具が回転し、係合状態が解除されて、光源ユニットが支持枠から外れる虞れがある。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、不用意な外力等の作用による光源ユニットの外れを未然に防止することが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る照明装置は、光源を有する光源ユニットと、該光源ユニットを保持する保持体と、該保持体に前記光源ユニットを保持状態でロック操作部の操作にてロックするロック機構とを備える照明装置において、前記ロック機構は、ロック状態にて不用意な外力等の作用によるロックの解除を防止すべく前記ロック操作部を前記装置内部に収容すべく設けてあることを特徴とする。
【0011】
本発明においては、保持体に保持された光源ユニットを保持状態でロックするロック機構のロック操作部を、ロック状態において照明装置内部に収めることで、不用意な外力等の作用によりロックが解除されることを防止する。
【0012】
また本発明に係る照明装置は、前記ロック操作部は、直接手動にてロック解除状態からロック状態へ操作可能であることを特徴とする。
【0013】
この発明においては、前記ロック操作部は、直接手動にてロック解除状態からロック状態へ操作可能である。これにより、光源ユニットを保持体に保持して保持状態にてロックする際に工具を使用する必要がなく、容易に作業することが可能である。
【0014】
また本発明に係る照明装置は、前記ロック機構は、前記ロック操作部の操作によって前記光源ユニットまたは前記保持体の一方に係止する係止部と、該系止部の係止状態の解除を規制する規制手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
この発明においては、係止部の係止状態の解除を規制することで、ロック機構のロック状態が不用意に解除されることを防止することが可能である。
【0016】
また本発明に係る照明装置は、前記ロック機構は、前記操作部を枢支し、前記操作部を回動させることで前記係止部を可動させる回動軸を備えることを特徴とする。
【0017】
この発明においては、回動軸に操作部及び係止部を枢支することで、簡易な機構で操作部と係止部とを連動させることができ、係止部を光源ユニットまたは保持体に係止すると同時に操作部を照明装置内部へ収容する機構を形成することができる。
【0018】
また本発明に係る照明装置は、前記保持体は、前記ロック機構が位置する一端側に対向する他端側に前記光源ユニットを枢支する枢支部を備えることを特徴とする。
【0019】
この発明においては、前記ロック機構が位置する一端側に対向する他端側に前記光源ユニットを枢支する枢支部を備えることで、万一ロック機構が解除されたとしても、枢支部にて光源ユニットを吊下できるので、光源ユニットの落下を防止できる。また、ロック機構が位置する片側のみのロック操作部の操作にてロックできるので、照明装置の取り付け作業性が良好になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る照明装置においては、不用意な外力等の作用による光源ユニットの外れを未然に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態1に係る照明装置の外観斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る照明装置の外観斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る照明装置の分解斜視図である。
【図4】図2の一部拡大図である。
【図5】実施の形態1に係る照明装置の組立て手順の説明図である。
【図6】実施の形態2に係る照明装置の外観斜視図である。
【図7】実施の形態2に係る照明装置の外観斜視図である。
【図8】図6の一部拡大図である。
【図9】実施の形態2に係る照明装置の光源ユニット1を取外した状態を示す斜視図である。
【図10】実施の形態3に係る照明装置の外観斜視図である。
【図11】実施の形態3に係る照明装置の外観斜視図である。
【図12】実施の形態3に係る照明装置の外観斜視図である。
【図13】実施の形態3に係る照明装置の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1、図2は、実施の形態1に係る照明装置の外観斜視図、図3は、実施の形態1に係る照明装置の分解斜視図であり、図1は、光源ユニットの表面(発光面)側から見た状態を、図2、図3は、光源ユニットの裏面側から見た状態を夫々示している。
【0023】
図1〜図3に示すように、照明装置は、光源ユニット1と光源ユニット1を保持する保持体としての支持枠2とを備えている。光源ユニット1は、矩形形状を有し、一側の全面が開口する外筐10と、該外筐10の開口を覆うように取付けられた透光板11と、外筐10の開口部に周設された鍔部12とを備えている。外筐10の内部には、多数の光源モジュール(図示を省略する)が、開口に対向する底面上に縦横に並べて配置されている。
【0024】
光源モジュールは、例えば、白色LEDを蛍光体を含む樹脂で封止してなり、白色〜電球色の光を発するように構成されたLEDモジュールである。なお光源モジュールは、EL(Electro Luminescence)素子等、LED以外の固体発光素子や蛍光灯等を光源として構成することもできる。図2及び図3に示すように、外筐10の底板の外面には、回路ボックス13が固着されている。外筐10内の光源モジュールは、回路ボックス13内に構成された電源回路に接続されており、該電源回路からの電力供給により発光するようになしてある。
【0025】
外筐10の内面には、反射板(図示を省略する)が被着され、夫々の光源モジュールの発光は、直接的に、又は反射板により反射されて外筐10の開口に向かうように構成されている。反射板は、例えば、酸化チタンなどの白色顔料を配合してなる樹脂を板状に成形してなり、絶縁性と光反射性とを併せ持つ樹脂板である。なお、外筐10の全体を絶縁性及び光反射性を有する樹脂製とし、外筐10が反射板を兼ねるように構成することもできる。
【0026】
透光板11は、例えば、乳白色のポリカーボネート樹脂製の板であり、外筐10の開口部と鍔部12の内周部との間に挾持され、外筐10の開口部の全面を覆うように取り付けてある。光源モジュールの発光は、外筐10内面の前記反射板による全反射と、透光板11による部分反射とを繰り返し、透光板11の全面から略均等に出射されて周辺を照明する。
【0027】
図1〜図3に示すように、鍔部12は、透光板11の外側に適宜の幅を有しており、該鍔部12の外周部には、外筐10の取付け側に向けて略直角に折り返してなる立ち上げ部14が設けてある。該立ち上げ部14には、一辺の中央から両側に振り分けた位置に、矩形に開口する一対の窓穴15,15が形成されており、夫々の窓穴15,15の内側の鍔部12上には、後述するロック機構を構成する止め具3、3が取り付けてあり、また立ち上げ部14の縁部には、夫々の窓穴15,15から同側に離れた位置に係止爪16,16が突設されている。なお、窓穴15に代えて切欠きを設けてもよい。
【0028】
図4は、図2の一部拡大図であり、一方の窓穴15の周辺部が示されている。本図に示すように鍔部12の上面には、窓穴15の長手方向一側において立ち上げ部14の内側に近接した位置に、略垂直に立ち上がるようにロック機構を構成する回動軸としての支軸17が止め具3に設けてある。止め具3は、矩形棒状をなすロック操作部としての操作片30と、該操作片30の中途部に略直交する向きに突設された係止部としての作用片31とを備え、操作片30の一端部を前記支軸17に枢支し、該支軸17を中心として鍔部12の上面と平行をなす面内において操作片30を回動させ、図中に実線により示すロック状態と、図中に2点鎖線により示すロック解除状態との間で回動可能となるように取付けてある。この止め具3の操作片30を回動させてロック状態とすることで、光源ユニット1を、保持体としての支持枠2に保持した状態でロックすることが可能となる。即ち、ロック機構によるロック状態を維持することで、光源ユニット1が支持枠2から外れて脱落することを防止することができる。
【0029】
止め具3がロック状態にあるとき、操作片30は、立ち上げ部14の内側に沿って鍔部12の上部に収まり、係合片31は、操作片30の中途部で内向きに延びた状態となる。また止め具3がロック解除状態にあるとき、操作片30は、窓穴15を経て鍔部12の外側に突出し、作用片31は、操作片30の中途部で立ち上げ部14の外側に沿って延びた状態となる。
【0030】
従って、ロック状態にある止め具3は、窓穴15から突出する操作片30を把持し、支軸17を中心として回動させて窓穴15内に押し込む手順により、係合位置に容易に移行させることができる。すなわち、操作片30を直接手動にてロック解除状態からロック状態へ操作することができるので、光源ユニット1を支持枠2に保持して取り付ける際には、工具を使用することなく容易に作業することが可能である。一方、ロック状態にある止め具3の操作片30は、光源ユニット1の一部をなす鍔部12の内部に収まり、ロック機構の外力が加えられ得る部分が外部に露出していないので、鍔部12の外側において不用意に外力等が操作片に加えられることを防止し、ロックが解除されることを防止することができる。さらに、操作片30は窓穴15から内部に収容された状態において、人の手で直接操作片30に接触してロック解除状態に戻す程の隙間は窓穴15と操作片30との間に存在せず、ロック解除状態への移行は、例えば、窓穴15のわずかな隙間からマイナスドライバ等の工具を差し込み、該工具の先端を操作片30に引っ掛けて力を加え、操作片30を窓穴15から出るように回動させる必要があり、ユーザが直接手動で容易にロックを解除できないようにしてある。つまりロック状態においては、窓穴15と操作片30との間にはマイナスドライバ等の工具が挿入できる程度の隙間しか存在しない。これにより、ユーザが不用意にロックを解除して照明装置内部の活電部に触れる危険性を低減できる。
【0031】
同様の止め具3は、他方の窓穴15の内側にも設けてある。該止め具3は、図4に示す止め具3と逆向きの回動操作により係合位置とロック解除状態とを実現し得るように構成されている。即ち、図4に示す一方の止め具3が、係合位置から時計回りに回動させることによりロック解除状態に移行するのに対し、他方の止め具3は、係合位置から反時計回りに回動させることによりロック解除状態に移行する。図3には、止め具3,3が共にロック解除状態にあり、これらの止め具3,3の回動操作の方向が逆であることがわかる。
【0032】
係止爪16は、止め具3の取付け部から所定長離れた位置に設けてあり、図4に示すように、立ち上げ部14の上縁から内向きに突設され、先端部を鍔部12の上面に向けて略直角に折り曲げた形状を有している。同様の係止爪16は、他方の止め具3の取付け部の近傍にも設けてある。該係止爪16は、図2、図3に示すように、対応する止め具3に対し、図4に示す係止爪16と同じ側に、略等長離れた位置に配してある。
【0033】
更に、以上の如き窓穴15,15、止め具3,3及び係止爪16,16は、図示された鍔部12の一辺と平行をなす他辺にも全く同様に設けられている。
【0034】
同様の止め具3は、他方の窓穴15の内側にも設けられているが、該止め具3は、図4に示す止め具3と逆向きの回動操作により、ロック状態とロック解除状態とを実現し得るように設けてある。即ち、図4に示す一方の止め具3が、ロック状態から時計回りに回動させることによりロック解除状態に移行するのに対し、他方の止め具3は、ロック状態から反時計回りに回動させることによりロック解除状態に移行するように設けてある。
【0035】
このように、支軸17に操作片30および作用片31を枢支することで、簡易な機構で操作片30と作用片31とを連動させることができ、操作片30を回動させて作用片30を後述の止め凹部25に係止すると同時に操作片30を窓穴15から照明装置内部へ収容する機構を形成することができる。
【0036】
一方、照明装置の支持枠2は、図2及び図3に示すように、門型に成形された一対の支持脚20,20と、これらを幅方向に所定長離隔した状態で連結する連結片21,21とを備えている。支持脚20,20の横辺の中央部には、取付け孔22,22が夫々形成されており、支持枠2は、照明装置の設置部として、例えば、天井面等に開設された固定用の穴に嵌め込み、該穴内に設けたアンカーボルトを前記取付け孔22,22に通した後、ナットで締め付けることにより、支持脚20,20の縦辺を外側、すなわち天井面と反対側に向けた状態で固定される。なお、支持枠2の設置部は上記固定用の穴に限らず、天井面に直に取り付けるようにしてもよいし、天井面に限らず壁面に取り付けてもよい。
【0037】
支持脚20の横辺の両端から横片に略直角をなす向きに連設された縦辺は、図2に示すように、光源ユニット1の外筐10の受け入れが可能な距離だけ離隔しており、夫々の縦辺の先端部には、外向きに略直角をなすように折り曲げて当て板23が設けられ、該当て板23の先端部には、更に略直角をなすように立ち上げて支持板24が連設されている。
【0038】
図4には、支持脚20の先端の当て板23及び支持板24が合わせて図示されている。本図に示すように支持板24の端縁は、逆向きに折り返して重ねられており、該端縁には、幅方向の中央部を適幅に亘って切欠いて止め凹部25が形成され、また、幅方向の両端部を適幅に亘って切欠いて係合凹部26,26が形成されている。これらの止め凹部25及び係合凹部26,26は、一対の支持脚20,20の各2つの縦辺の先端部の支持板24夫々に同様に設けられている。後述するように、ロック機構のロック状態においては、止め凹部25には作用片31が係止する。
【0039】
次に、照明装置の天井等の設置部への設置方法および光源ユニット1の支持枠2への保持方法について説明する。
照明装置は、前述の如く固定された支持枠2に、光源ユニット1を取付けて構成される。光源ユニット1の取付けに際しては、図4に示すように、支持枠2の下方に光源ユニット1を、外筐10の側を上向きとして位置合わせし、図中に矢符により示すように、支持脚20,20の縦辺間に外筐10を嵌め込む。
【0040】
光源ユニット1の位置合わせは、図4に示すように、止め具3,3及び係合爪16,16が設けられた鍔部12の2辺を支持脚20,20の縦辺の位置と一致させた状態でなされ、光源ユニット1の嵌め込みは、止め具3,3をロック解除状態とし、鍔部12が支持脚20,20の下端の当て板23に当接するまでなされる。
【0041】
図5は、実施の形態1に係る照明装置の組立て手順の説明図であり、光源ユニット1の嵌め込みを終えた状態を示している。前述したように光源ユニット1は、鍔部12が当て板23に当接するまで支持脚20,20間に嵌め込まれ、このとき、鍔部12に設けられた係合爪16,16は、図示のように、支持脚20,20の一側に、夫々略等距離だけ外れて位置する。当て板23の幅は、鍔部12の幅よりも十分に小さくしてあり、ロック解除状態にある止め具3,3は、鍔部12の立ち上げ部14と、当て板23の先端の支持板24との間に収まる。これにより、光源ユニット1が保持体としての支持枠2に保持された状態となる。
【0042】
嵌め込みを終えた光源ユニット1は、図5中に矢符により示すように、係合爪16,16の突設部が支持脚20,20に近付く向きにスライド移動させる。この移動により係合爪16は、図4に示すように、支持板24の同側端部に設けられた係合凹部26に係合する。
【0043】
止め具3は、係合爪16の係合が生じた状態で操作片30を回動操作し、ロック状態に移行させる。このとき、止め具3の内側には、図4に示すように、支持板24の中央部に設けられた止め凹部25が位置しており、ロック状態に移行した止め具3は、内向きに延びる作用片31を止め凹部25に係止させた状態となる。
【0044】
なお、止め凹部25上には作用片31の係止状態の解除を規制する不図示の規制手段を備えることが好ましい。規制手段としては、例えば小突起状の凸部または止め凹部25上に段差を形成する凹部が挙げられる。規制手段としての凸部は、図4に実線で示すロック機構のロック状態において、作用片31よりも、作用片31の係止状態が解除される回動方向側(図4では時計周りの方向側)に設けられる。凸部が止め凹部25上に設けられているとき、ロック解除状態からロック状態への移行に際して操作片30を回動操作し、該操作片30の回動操作に連動する作用片31が回動して前記凸部に当接したときにさらに操作片30に力が加えられることで、作用片31が凸部を乗り越えて止め凹部25に係止する。作用片31の係止状態においては、光源ユニット1の自重による重力が作用片31から止め凹部25に作用するので、作用片31は容易には前記凸部を乗り越えて係止状態を解除する方向へ移動できない。従って、凸部を止め凹部25に設けることにより、よりロック機構のロック状態が不用意に解除されることを防止することが可能となる。すなわち、地震による振動等の操作片30に作用する外力以外の力がかかったとしてもロックの解除を未然に防止することが可能となる。なお、凸部は、作用片31を止め凹部25に係止または係止解除させる際に力を加えることで乗り越えられる程度の寸法及び形状である。例えば曲面を有する半球状、円錐や三角錐等の錐体や山状の突起部等を設ければよい。
【0045】
さらに規制手段としての凹部は、止め凹部25上でさらに段差となるように設けられる。凹部の幅は作用片31が嵌合する程度の寸法である。また凹部の高さは作用片31の係止を解除する際に、工具で止め部3に力を加えた時に、凹部に嵌合した作用片31が凹部の段差を乗り越えられる程度の寸法である。また、凹部の側面を底面に対して傾斜させて形成することで、工具等を使用して止め部3に力を加えた時に作用片31が段差を乗り越えやすくなる。凹部に作用片31が嵌合することで、凹部の段差により作用片の係止の解除が規制されるから、よりロック状態が不用意に解除されることを防止することが可能となる。さらにまた、規制手段としては前記凹部または凸部に限らず、止め凹部25における作用片31との当接面に摩擦係数が高くなる加工(例えばブラスト加工等)を施し、摩擦力によって作用片31の係止解除を規制するようにしてもよい。
【0046】
以上のような止め具3の係止及び係合爪16の係合は、支持枠2の一対の支持脚20,20の各2つの先端部において全く同様に生じ、光源ユニット1は、周方向の4箇所でのロック機構のロックにより支持枠2に保持された状態で取り付けることができる。
【0047】
係合爪16は、支持脚20の両側での係合により、支持脚20の横辺の長さ方向の光源ユニット1の移動を規制し、また二重に重なる係合凹部26の弾性により、支持脚20の幅方向の光源ユニット1の移動を規制する作用をなす。また止め具3は、止め凹部25に当接して係止する作用片31により光源ユニット1の自重を支え、支持枠2に対する光源ユニット1の天井等の設置部から反対方向への離反を規制する作用をなす。すなわち光源ユニット1が支持枠2から脱落して外れることを防止する。以上のように光源ユニット1は、全方向への移動を規制された状態で支持枠2に保持された状態で取付けることができ、照明装置は、該光源ユニット1の前述した発光により周辺を照明するように使用される。
【0048】
このような取付け状態において止め具3の操作片30は、前述したように、光源ユニット1の一部をなす鍔部12の内側に収まり、ロック解除状態への移行操作は、窓穴15内にドライバ等の工具を差し込んで実施する必要があり、該止め具3は、通常の使用状態で外部から不用意に加えられる外力の作用によりロック解除状態に移行する虞れはないから、使用状態下での不用意な光源ユニット1の外れを未然に防止し、安全に使用することが可能である。
【0049】
またロック状態にある止め具3は、光源ユニット1の外部への突出部分を有しないから、使用状態での外観を損なうことがない。光源ユニット1外側には、鍔部12の立ち上げ部14に窓穴15が開口するのみであり、照明装置の照射方向側からは止め具3や窓穴15等のロック機構が見えないので実施の形態1の照明装置は、使用状態においての見栄えが良好である。
【0050】
更に、支持脚20,20の夫々に対応する止め具3,3は、前述したように、逆向きの回動によりロック解除状態に移行するから、たとえ地震等の振動によりロック状態にある光源ユニット1の一方の止め具3の作用片31の係止を解除する方向への力が作用したとしても、他方の止め具3の作用片31には係止を解除する方向へ力がかからないためロック状態を維持するから、光源ユニット1の外れを確実に防止することができる。
【0051】
また実施の形態1の照明装置において、光源ユニット1は、支持枠2から完全に分離することができ、照明装置の設置は、例えば、天井に設けられた固定用の穴に軽量の支持枠2のみを嵌め込み固定し、この支持枠2に対して光源ユニット1を位置合わせし、所定の方向にスライド移動させる手順により容易に実施することができ、特に、天井埋め込み型の照明装置において、設置作業の労力負担を軽減することが可能となる。
【0052】
図6、図7は、実施の形態2に係る照明装置の外観斜視図である。この照明装置は、実施の形態1の照明装置と同様に、光源ユニット1と支持枠2とを備えている。光源ユニット1及び支持枠2の構成のうち、実施の形態1と同様の構成要素には、実施の形態1と共通の参照符号を付して説明を省略する。
【0053】
実施の形態2の照明装置の実施の形態1との相違点は、光源ユニット1と支持枠2との連結構造にある。図6は、支持枠2の長手方向一側からの見た状態を、図7は、支持枠2の長手方向他側から見た状態を示している。
【0054】
光源ユニット1は、図6に示す支持枠2の一側においては、門型をなす支持脚20,20の先端部に、止め具3の作用片31の係止により連結されている一方、図7に示す支持枠2の他側においては、各別の光源ユニット1を枢支する枢支部としての蝶番4,4により連結してある。
【0055】
図8は、図6の一部拡大図であり、鍔部12の立ち上げ部14に設けた窓穴15の周辺部が示されている。止め具3は、実施の形態1の止め具3と同様、矩形棒状をなすロック操作部としての操作片30と、該操作片30の中途部に略直交する向きに突設された係止部としての作用片31とを備えており、窓穴15の長手方向一側において、鍔部12の上面に略垂直に立設されたロック機構を構成する回動軸としての支軸17に操作片30の一端を枢支して、図中に実線により示すロック状態と、図中に2点鎖線により示すロック解除状態との間で回動可能となるように取付けてある。
【0056】
支持脚20の先端には、実施の形態1と同様の当て板23及び支持板24が設けてあるが、該支持板24の端縁には、幅方向の中央部を適幅に亘って切欠いてなる止め凹部25のみが設けてあり、ロック状態に移行した止め具3が、内向きに延びる作用片31を止め凹部25に係止させるように構成されている。
【0057】
支持脚20,20は、図7に示す他側の先端部にも当て板23及び支持板24を備えており、蝶番4,4は、支持板24,24と鍔部12の立ち上げ部14との間に介装されている。このように連結された光源ユニット1は、止め具3,3によるロックを解除し、蝶番4,4を枢軸とする回動により、支持枠2に対して一側を着脱することができる。図9は、光源ユニット1の一側を支持枠2から取外した状態を示す斜視図である。
【0058】
光源ユニット1は、図9の状態から蝶番4,4を枢軸として支持枠2に近付ける向きに回動させ、止め具3,3が設けられた側の鍔部12を同側の支持脚20,20の当て板23に当接させた後、止め具3,3の操作片30をロック状態に移行操作し、夫々の止め凹部25に作用片31を係止することにより支持枠2に保持した状態でロックすることができる。蝶番4,4により光源ユニット1を支持枠2に保持してロック機構にてロックした状態で万一ロック機構が不用意に解除されたとしても蝶番4,4が光源ユニットを支持枠2に吊下げるので、光源ユニット1の落下を未然に防止することができる。さらに、蝶番4,4により光源ユニット1の片側を支持されながら、蝶番4,4が設けられた一側に対向する他側に設けられたロック機構の操作片30を操作するだけで光源ユニット1を支持枠2に取り付けることができるので照明装置の取り付け作業性が良好となる。
【0059】
ロック状態への止め具3、3の移行操作は、図8に示すように窓穴15から外部に突出する操作片30を把持し、支軸17を中心として回動させて窓穴15内に押し込む手順により容易に実施することができる。すなわち、操作片30を直接手動にてロック解除状態からロック状態へ操作することができる。一方、ロック状態に移行した止め具3は、鍔部12の内側に収まるから、外力が加えられ得る部分が外部に露出していないので、鍔部12の外側において不用意に外力等が操作片に加わることを防止し、ロックの解除を防止することができる。さらに、ロック解除状態への移行は、実施の形態1における操作と同様のドライバ等の工具を使用する操作が必要であり、ユーザが容易に直接手動でロックを解除できないようにしてある。これにより、ユーザが不用意にロックを解除して照明装置内部の活電部に触れる危険性を低減できる。
【0060】
光源ユニット1の一側の止め具3,3及び他側の蝶番4,4は、いずれも、光源ユニット1の一部をなす鍔部12の内側に収まり、外部への突出部分を有しないから、使用状態での外観を損なうことがない。光源ユニット1外側には、鍔部12の一側の立ち上げ部14に窓穴15が開口するのみであり、実施の形態2の照明装置は、使用状態においての見栄えが良好である。
【0061】
図10〜図13は、実施の形態3に係る照明装置の外観斜視図である。この照明装置は、実施の形態1、2の照明装置と同様に、光源ユニット1と、該光源ユニット1を保持する保持体としての支持枠2とを備えている。図10、図11には、光源ユニット1を取付けた状態が、また図12、図13には、光源ユニット1を取外した状態が、支持枠2の異なる側から夫々示してある。
【0062】
光源ユニット1は、実施の形態1、2におけると同様に、光源モジュールを内蔵する外筐10と、外筐10の一側の開口を覆う透光板11(図12参照)と、外筐10の開口部に周設された鍔部12とを備えている。
【0063】
支持枠2は、実施の形態1、2とは異なり、一側の全面が開口する矩形箱形の形状を有している。支持枠2の開口部には、外向きに張り出すように鍔部27が周設されており、該鍔部27の外周には、略直角に折り返して立ち上げ部28が形成されている。支持枠2の底面には、一対の取付け孔22,22が貫通形成されており、支持枠2は、照明装置としての設置部としての天井面等に開設された固定用の穴に嵌め込み、取付け孔22,22に通した取付けねじの締め付けにより固定されるように構成されている。なお、支持枠2の設置部は上記固定用の穴に限らず、天井面に直に取り付けるようにしてもよい。
【0064】
また実施の形態3において、外筐10内の光源モジュールに給電するための電源回路は、図13に示すように、支持枠2の内部底面に固定された回路ボックス13内に設けてあり、各光源モジュールは、図示を省略した給電線を介して回路ボックス13内の電源回路に接続されている。
【0065】
支持枠2は、光源ユニット1の外筐10の収容が可能な大きさを有し、また支持枠2の鍔部27は、光源ユニット1の鍔部12よりも狭幅としてあり、図10、図11に示すように、支持枠2内に外筐10を収めた状態において、鍔部12の内側に鍔部27が受容され、鍔部27の外周の立ち上げ部28は、鍔部12の外周の立ち上げ部14の内側に対向するようになしてある。
【0066】
以上の如く構成された光源ユニット1と支持枠2とは、図11に示すように、支持枠2の一側において、立ち上げ部14と立ち上げ部28との対向部間に介装された蝶番4,4により連結されており、光源ユニット1は、蝶番4,4を枢軸とする回動により、支持枠2に対して着脱することができるように構成されている。
【0067】
また支持枠2の他側において、立ち上げ部14と立ち上げ部28との対向部間に止め具3,3が配置してある。これらの止め具3は、実施の形態1、2に示す止め具3と同様の構成を有しており、前述したように、ロック状態とロック解除状態との間で回動操作可能となるように取付けてある。立ち上げ部14には、止め具3,3に対応する位置に窓穴15,15が形成されており、また立ち上げ部28には、止め具3,3に対応する位置に止め凹部29,29(図13参照)が形成されている。
【0068】
光源ユニット1は、図12、図13に示す取外し状態から蝶番4,4を枢軸として支持枠2に近付ける向きに回動させ、操作片30,30を回動することで止め具3,3をロック状態に移行操作し、夫々に対応する止め凹部29,29に作用片31,31を係止させることにより支持枠2に取り付けることができる。
【0069】
図10には、一側の止め具3(図の左側)をロック状態とし、他側の止め具3(図の右側)をロック解除状態として示してある。ロック解除状態からロック状態への止め具3の操作は、窓穴15からの突出部を把持し、止め具3を回動させて窓穴15内に直接手動にて押し込む手順により容易に実施することができる。一方、ロック状態にある止め具3は、鍔部12の内側に収まるから、使用状態で加わる外力の作用による光源ユニット1の不用意な外れを未然に防止することができる。ロック解除状態への移行には、前述したようなドライバ等の工具を使用する操作が必要であり、ユーザは容易には光源ユニット1を取り外すことはできない。
【0070】
光源ユニット1の取付け状態において、止め具3,3及び蝶番4,4は、いずれも鍔部12の内側に収まり、外部への突出部分を有しないから、使用状態での外観を損なうことがない。光源ユニット1外側には、鍔部12の一側の立ち上げ部14に窓穴15が開口しているのみであり、実施の形態3の照明装置は、使用状態においての見栄えが良好である。
【0071】
なお以上の実施の形態の止め具3は、支軸17を中心とする回動によりロック状態とロック解除状態とを実現するように構成してあるが、例えば、軸長方向の移動等、回動以外の動作によりロック状態とロック解除状態とを実現するように構成することも可能である。具体的には、例えばロック解除状態においては窓穴15から突出する棒状または板状の止め部を設け、窓穴15の内側を摺動するように前記止め部を窓穴15側に押圧して、窓穴15の内側に押し出された止め部の係止部を光源ユニットまたは支持枠に係止させる機構としてもよい。この機構におけるロック状態においては、ロック解除状態では突出していた止め部は窓穴15から照明装置内部へ収容される。従って、この機構においても上記実施の形態1から3の構成と同様の効果が得られる。
【0072】
なお、以上の実施の形態の説明では、光源ユニット1の鍔部12が支持枠2の支持板24の外側に位置するように光源ユニット1を支持枠2に保持し、鍔部12に止め部3や窓穴15等を設けてあるが、光源ユニット1の鍔部12が支持枠2の支持板24の内側に位置するように光源ユニット1を支持枠2に保持し、支持板24に止め部3や窓穴15等を設け、係止部としての作用片を光源ユニット1に係止するように構成してもよい。
【0073】
また、以上の実施の形態の説明では、止め部3を支持板24の外側に位置する鍔部12に設けてあるが、止め部3は鍔部12の内側に位置する支持板24に設けてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 光源ユニット
2 支持枠
3 止め具
4 蝶番
12 鍔部
16 係合爪(係合手段)
25 止め凹部
26 係合凹部(係合手段)
30 操作片
31 作用片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有する光源ユニットと、
該光源ユニットを保持する保持体と、
該保持体に前記光源ユニットを保持状態でロック操作部の操作にてロックするロック機構とを備える照明装置において、
前記ロック機構は、ロック状態にて不用意な外力等の作用によるロックの解除を防止すべく前記ロック操作部を前記装置内部に収容すべく設けてあることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記ロック操作部は、直接手動にてロック解除状態からロック状態へ操作可能であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ロック機構は、
前記ロック操作部の操作によって前記光源ユニットまたは前記保持体の一方に係止する係止部と、
該系止部の係止状態の解除を規制する規制手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記ロック機構は、
前記操作部を枢支し、前記操作部を回動させることで前記係止部を可動させる回動軸を備えることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記保持体は、
前記ロック機構が位置する一端側に対向する他端側に前記光源ユニットを枢支する枢支部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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