説明

照明装置

【課題】照明装置周囲の広範囲の明るさを長期間にわたって安定して検出する。
【解決手段】筐体6と、筐体6の一端側に配置されたLED2と、LED2を外部から遮蔽するように筐体6の上記一端側に配置された透光性を有するグローブカバー5とを備えた照明装置10において、グローブカバー5によって外部から遮蔽される空間に、照明装置10の周囲の明るさを検出するための照度センサ1を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲の明るさに応じて光源の点灯状態を制御する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、周囲の照度を検知する照度センサを備え、この照度センサの検知結果に応じて光源の点灯状態を制御する照明装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ソケットボディと、ソケットボディに固定されたU字型ランプと、U字型ランプを覆うように配置されたランプカバーと、ソケットボディの側面におけるランプカバーに覆われない位置に配置された照度センサとを備え、照度センサによる周囲の照度の検知結果に応じてU字型ランプの点灯状態を制御するランプが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−503087号公報(平成17年2月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、照度センサがソケットボディの側面に配置されているので、ランプに対して所定方向の照度しか検出することができず、ランプによって光を照射する範囲全体の明るさを適切に検出できないという問題がある。
【0006】
また、照度センサがソケットボディにおけるランプカバーに覆われていない位置、すなわち外部に露出する位置に配置されているので、照度センサに汚れや異物等が付着して適切な検知を行えない場合がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明装置の周囲の明るさを検出するセンサを備えた照明装置において、広範囲の明るさを長期間にわたって安定して検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明装置は、上記の課題を解決するために、筐体部と、上記筐体部上に配置された光源と、上記光源および上記筐体部を覆うように配置された透光性を有するカバー部材と、上記カバー部材によって覆われる領域に配置され、当該照明装置の周囲の明るさを検出するためのセンサと、上記センサの検出結果に応じて上記光源の点灯状態を制御する制御部とを備えていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、照明装置の周囲の明るさを検出するためのセンサをカバー部材によって覆われる領域に配置することにより、センサを照明装置の側面に設ける構成に比べて照明装置に対して広範囲の角度から入射する光をセンサに受光させることができ、また、センサに汚れや異物等が付着することを防止することができる。したがって、広範囲の明るさを長期間にわたって安定して検出することができ、光源の点灯状態を長期間にわたって安定して制御することができる。また、照明装置自体にセンサと制御部とが設けられるので、この照明装置を取り付ける照明器具に周囲の明るさを検出するセンサや明るさの検出結果に基づいて光源の点灯制御を行う制御部を備えていなくても、周囲の明るさに応じて光源の点灯制御を行うことができる。
【0010】
また、上記カバー部材は、当該カバー部材の一方の面から入射した光を他方の面から多方向に拡散させて出射する光拡散機能を有している構成としてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、照明装置の周囲からカバー部材に入射した光をカバー部材の内部で拡散させることができる。これにより、照明装置に対して広範囲な角度で入射する光に基づいて、照明装置の周囲の平均的な明るさを正確に検出することができる。
【0012】
また、上記センサは、上記筐体部における上記カバー部材によって覆われる領域の中央に配置されている構成としてもよい。また、上記筐体部および上記カバー部材は同一の軸線に対して実質的に軸対称な形状を有しており、上記センサは上記軸線上に配置されている構成としてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、センサがカバー部材によって覆われる領域の中央に配置されているので、カバー部材を介して広範囲な角度で照明装置に入射する光をセンサに受光させることができる。したがって、照明装置の周囲の明るさを広範囲にわたって正確に検出することができる。
【0014】
また、上記制御部は、上記光源を点灯させる期間である点灯期間を開始させた後、所定の調光開始時間が経過したときに、上記光源の発光輝度を上記調光開始時間が経過する前の発光輝度よりも低減させる調光処理を行う構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、所定の調光開始時間が経過後の光源の発光輝度を低減させることができる。これにより、例えば、深夜の人通りが少ない時間帯などに発光輝度を低減させるなどして、最低限の明るさを維持しつつ消費エネルギーの低減を図ることができる。
【0016】
また、上記制御部は、上記制御部は、上記センサが検出した明るさが所定の点灯閾値未満である場合に、上記光源を点灯させる期間である点灯期間を開始させ、上記センサが検出した明るさが所定の消灯閾値以上である場合に、上記光源を消灯させる消灯期間を開始させ、上記点灯期間の長さの変化にかかわらず上記調光処理を開始する時刻が所定の調光開始目標時刻になるように、または上記調光処理を開始する時刻と上記調光開始目標時刻との差が所定範囲内に収まるように、過去の上記消灯期間の長さ、または過去の上記点灯期間の長さに応じて上記調光開始時間を変更する構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、点灯期間の長さの変化にかかわらず調光開始時刻が所定の調光開始目標時刻に一致あるいは近づくように上記調光開始時間を設定することができる。
【0018】
また、上記センサによる明るさの検出結果を記憶する記憶部を備え、上記制御部は、現在を含む過去所定期間の上記検出結果に基づいて現在の季節、現在の日照時間、または現在の日没時刻を推定し、その推定結果に応じて上記調光開始時間を変更する構成としてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、センサによる照明装置の周囲の明るさの検出結果に応じて、光源の点灯期間を開始させた後、調光処理を開始するまでの時間である調光開始時間を変更することができる。これにより、現在の季節あるいは日没時刻に応じて、調光処理を開始するタイミングを制御することができる。
【0020】
また、上記センサによる明るさの検出結果を記憶する記憶部を備えており、上記制御部は、現在を含む過去所定期間の上記検出結果に基づいて現在の季節を推定し、その推定結果に応じて当該照明装置からの出射光の色を変更する構成としてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、センサによる照明装置の周囲の明るさの検出結果に応じて現在の季節を推定し、推定結果に応じて出射光の色を変更することができる。したがって、現在の季節に適した色で照明を行うことができる。
【0022】
また、互いに異なる色の光を出射する複数の光源を備えており、上記制御部は、これら複数の光源から出射される光の輝度の比率を変化させることにより、当該照明装置からの出射光の色を変更する構成としてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、照明装置からの出射光の色を容易に変更することができる。
【0024】
また、上記センサは、所定のサンプリング周期毎に当該照明装置の周囲の明るさの検出処理を行い、上記制御部は、上記光源を点灯させる期間である点灯期間中に上記センサが上記検出処理を行う場合に、上記センサが上記検出処理を行う間、上記光源を一時的に消灯させる構成としてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、光源を消灯させた状態で照明装置の周囲の明るさを検出することができるので、照明装置の周囲の明るさを正確に検出することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明の照明装置によれば、センサに汚れや異物等が付着することを防止することができ、照明装置の周囲の広範囲の明るさを長期間にわたって安定して検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態にかかる照明装置の断面図である。
【図2】図1に示した照明装置の側面図である。
【図3】図1に示した照明装置に備えられるLED基板の平面図である。
【図4】図1に示した照明装置に備えられる制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示した照明装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一実施形態について説明する。
【0029】
(1−1.照明装置10の全体構成)
図1は本実施形態に係る照明装置10の断面図であり、図2は照明装置10の側面図である。照明装置10は、屋外、または屋内における屋外からの光が差し込む空間に設置される照明器具(例えば街灯、屋外灯など)に取り付けられるものであり、当該照明装置10の周囲の明るさを検出し、その検出結果に応じて発光状態を制御する機能を有している。
【0030】
図1および図2に示すように、照明装置10は、発光部11、支持部(筐体部)12、および取付部13が照明装置10の先端側からこの順に配置された構成である。
【0031】
発光部11は、図1に示すように、光源としての複数のLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)2と、照明装置10の周囲の明るさを検知する照度センサ1と、各LED2および照度センサ1が実装されたLED基板(光源部)3と、各LED2、照度センサ1、およびLED基板3を照明装置10の外部から遮蔽するグローブカバー(カバー部材)5とを備えている。
【0032】
図3はLED基板3を上面(グローブカバー5側の面)の平面図である。この図に示すように、LED基板3は円盤状の部材であり、その中央部に照度センサ1が配置されており、照度センサ1の周囲に周方向に沿って複数のLED2が配置されている。また、LED基板3はネジ14によって支持部12に取り付けられている。なお、LED基板3におけるLED2および照度センサ1の配置位置は上記した例に限るものではなく、照度センサ1をLED基板3の中央ではなく周縁に配置してもよい。また、照度センサ1の配置位置は、LED基板3に実装される構成に限定されず、支持部12に配置してもよい。
【0033】
本実施形態では、複数のLED2のうちの一部に電球色の光を出射するLEDを用い、残りに白色の光を出射するLEDを用いている。これにより、後述する制御部20が電球色のLEDに供給する電流量と白色のLEDに供給する電流量との比を制御することにより、電球色のLEDの発光輝度と白色のLEDの発光輝度との比を調整し、照明装置10からの出射光の色(照明装置10からの出射光の観察者が感じる色)を調整できるようになっている。
【0034】
なお、各LEDの色は電球色または白色に限るものではなく、電球色および白色のLEDに加えて、あるいは電球色および白色のLEDの一方または両方に代えて、他の色の光を出射するLEDを用いてもよい。
【0035】
また、本実施形態では、光源としてLEDを備える照明装置10について説明するが、光源はLEDに限定されるものではなく、蛍光体、エレクトロルミネッセンス(EL)素子等の他の光源を用いてもよい。ただし、本実施形態では、後述するように、照度センサ1による明るさの検出期間中に光源を一時的に消灯するため、点灯および消灯に関する応答速度が速い光源を用いることが好ましく、LEDが特に適している。
【0036】
グローブカバー5は、中空の半球形状を有しており、各LED2、照度センサ1、およびLED基板3を覆うように支持部12に取り付けられている。グローブカバー5は、各LED2、照度センサ1、およびLED基板3を保護する機能、各LED2が発する光を透過または拡散させてグローブカバー5の外部に出射させる機能(透光性)、および照明装置10周囲のグローブカバー5の外部からの光を透過および拡散させてグローブカバー5の内部に配置された照度センサ1に入射させる機能を有している。
【0037】
グローブカバー5の材質は特に限定されるものではないが、各LED2の点灯に伴う発熱によって大幅な変形・変質等が生じない程度の耐熱性を有する材料であることが好ましい。グローブカバー5の材料としては、例えば、合成樹脂あるいはガラスを用いることができる。本実施形態では、耐衝撃性、耐熱性、光拡散性(光拡散機能)を有する材料である、乳白色のポリカーボネート樹脂からなるグローブカバー5を用いた。
【0038】
また、グローブカバー5の形状は半球形状に限るものではなく、例えば、一般白熱電球の形状に近似した形状(A形)、レフ形の形状(R形)、円筒形の形状(T形)、あるいは球状などのグローブカバー5を用いてもよい。
【0039】
支持部(筐体部)12は、照明装置10の本体部であり、図1に示したように、放熱板8、筐体6、および制御基板4を備えている。また、図1に示したように、支持部12の一方の端部(上端)には、発光部11(LED基板3、グローブカバー5)が装着され、他方の端部(下端)には取付部13が装着されている。すなわち、支持部12の一方の端部における光源の配置領域にLED2および照明センサ1を備えたLED基板3が配置されており、この配置領域およびLED基板3を覆うように支持部12の上記一方の端部にグローブカバー5が取り付けられている。
【0040】
放熱板8は、発光部11と支持部12とを仕切る円盤状の部材であり、筐体6の一端側に取り付けられている。放熱板8は、発光部11(LED2,LED基板3)で発生する熱を、外部に放熱したり、筐体6に伝導したりする。また、放熱板8の上面にはLED基板3が取り付けられている。
【0041】
放熱板8の材質は、熱伝導性が高い材質であれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等の金属またはこれらの合金、窒化アルミニウム(AlN)、シリコーンカーバイト(SiC)などの工業材料、あるいは高熱伝導性樹脂等の合成樹脂を用いることができる。
【0042】
筐体6は、筒状の中空部材であり、制御基板4を内部に収容している。また、筐体6は、各LED2、LED基板3、および制御基板4等の熱源から放出される熱を照明装置10の外部に放熱する機能を有している。また、筐体6の上端部には周方向に沿って溝9が設けられており、この溝9にグローブカバー5の開口縁部が嵌め込まれるとともに、筐体6とグローブカバー5とが接着剤(図示せず)により接着されている。また、筐体6の下端部には取付部13が取り付けられている。
【0043】
筐体6の材質としては、放熱板8と同様、熱伝導性の高い材質が好ましく、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等の金属またはこれらの合金、窒化アルミニウム(AlN)、シリコーンカーバイト(SiC)などの工業材料、あるいは高熱伝導性樹脂等の合成樹脂を用いることができる。
【0044】
なお、筐体6およびグローブカバー5は、図1に示したように、同一の軸線Aに対して実質的に軸対称な形状を有しており、照度センサ1は上記の軸線A上に配置されている。
【0045】
制御基板4は配線を有するプリント基板であり、この制御基板4の表面には複数の電子部品4bからなる制御部20(後述する図4参照)が実装されている。制御部20は、発光部11(照度センサ1、各LED2、およびLED基板3)への電力供給、照度センサ1の検出結果の解析、および各LED2の点灯状態(発光色、発光輝度等)の制御などを行う。制御部20の詳細については後述する。制御基板4は、放熱性を高めるために、アルミニウム等の熱伝導性の良好な金属で構成されることが好ましい。ただし、制御基板4の材質はこれに限るものではなく、例えば、ガラスエポキシ材等の非金属性の部材、あるいはセラミックスからなる基板を用いてもよい。各電子部品4bは、例えば電解コンデンサ、セラミックコンデンサ、カレントトランス、フィルムコンデンサ、REC(整流素子、ダイオードブリッジ)、抵抗、トランジスタ、スイッチング素子、メモリ素子、マイクロコンピュータ、あるいはこれらの部材の組み合わせなどからなり、LED2の点灯制御、調光あるいは調色などを行う。
【0046】
取付部13は、口金7、および口金7の内部に収容された電線(図示せず)などを備えている。
【0047】
口金7は、照明装置10を照明器具(図示せず)の被取付部に取り付けるための外部接続用の金具であり、例えば、一般的なE26型の金具である。口金7の外側面には螺旋状のねじ山が形成されており、このねじ山を被取付部に設けられたソケットに螺合することにより、照明装置10が照明器具の被取付部に装着されるようになっている。また、口金7は、内部に一対の電線(図示せず)を収容しており、これら各電線を介して外部電源(図示せず)から供給される電力を制御基板4に供給する機能を有している。具体的には、上記一対の電線のうちの一方の電線における一方の端部は制御基板4に接続されており、他方の端部は口金7の底部のアイレット部(図示せず)に接続されている。また、上記一対の電線のうちの他方の電線における一方の端部は制御基板4に接続されており、他方の端部は口金7の内側面に半田付けされている。このような構成により、照明装置10の口金7を電力供給源(例えば商用電源等)に接続されたソケットに螺合して取り付けると、口金7に接続された上記各電線を介して制御基板4に電力が供給される。そして、制御基板4からLED基板3に適切な電力が供給され、各LED2(照明装置10)が点灯する。
【0048】
(1−2.制御部20の構成)
図4は、制御部20の概略構成を示す説明図である。この図に示すように、制御部20は、照度検出制御部21、発光制御部22、季節推定部23、制御条件決定部24、照度記憶部25、季節推定用データ記憶部26、制御条件記憶部27、および計時部28を備えている。また、制御条件決定部24は発光色決定部24aおよび調光開始時間決定部24bを備えており、制御条件記憶部27は発行色条件記憶部27aおよび調光条件記憶部27aを備えている。
【0049】
計時部28は、所定の基準時点からの経過時間を計測し、計測結果を照度検出制御部21および発光制御部22に伝達する。例えば、照度センサ1によって照明装置10の周囲の明るさを前回検出したときからの経過時間を計測し、照度検出制御部21に伝達する。また、LED2を点灯させる期間である点灯期間を開始してからの経過時間を計測し、発光制御部22に伝達する。また、点灯期間中に照度センサ1による明るさの検出を行う場合にLED2を一時的に消灯する際、LED2を消灯させてからの経過時間を計測し、発光制御部22に伝達する。照度検出制御部21および発光制御部22は、計時部28から伝達されるこれらの情報に基づいて各種制御を行うタイミングを決定する。なお、計時部28は、時計機能により時刻を計測するものであってもよく、照明装置10において所定の周期毎に生じる各種信号のON/OFFの回数を計数し、上記周期と計数結果とに基づいて時間を測定するものであってもよい。
【0050】
照度検出制御部21は、計時部28の時間計測結果に応じて照度センサ1の動作を制御し、所定の検出周期毎(サンプリング周期毎)に照明装置10の周囲の明るさを検出させる。また、照度検出制御部21は、照度センサ1から検出結果を受け取ると、その検出結果を、発光制御部22に伝達するとともに、検出処理を行った時刻を示す情報と対応付けて照度記憶部25に記憶させる。
【0051】
なお、上記の検出処理を行った時刻を示す情報は、検出処理を行った時刻そのものであってもよく、所定の基準時点(例えば、前回LED2の点灯期間を開始したとき、あるいは前回LED2の消灯期間を開始したとき)からの検出処理の回数(サンプリング回数)であってもよい。
【0052】
また、上記の検出周期は、当該検出周期毎の明るさの検出結果に基づいて季節を適切に推定できる程度の長さ(季節毎の昼の長さと夜の長さとの比の変化を検出できる程度の長さ)であればよく、特に限定されるものではない。ただし、検出周期を短くするほど季節の推定精度が増す一方、照度記憶部25に記憶させるデータ量が多くなって照度記憶部25に要求される記憶容量が増大する。このため、上記の検出周期は、必要とする季節の推定精度と、照度記憶部25として実装可能なメモリの記憶容量とに応じて決定することが好ましく、例えば1分〜15分程度の範囲内で設定することが好ましい。
【0053】
また、照度検出制御部21は、照度センサ1に照明装置10の周囲の明るさを検出させる直前に、発光制御部22に検出開始信号を送る。この検出開始信号を受け取った発光制御部22は、LED2が点灯期間中であるか否かを判断し、点灯期間中である場合には照度センサ1による明るさの検出開始から検出終了までの期間、各LED2を消灯させる。また、発光制御部22は、LED2が消灯期間中である場合には消灯状態を保つ。すなわち、照度センサ1は、常にLED2が消灯された状態で照明装置10の周囲の明るさを検出する。これにより、照度センサ1が周囲の明るさを検出する際、LED2から出射される光がこの照度センサ1に検出されることがないので、周囲の明るさを正確に検出することができる。
【0054】
季節推定部23は、照度記憶部25に記憶されている現在を含む過去所定期間分(例えば数日分〜数週間分)の照度センサ1による照明装置10周囲の明るさの検出結果と、季節推定用データ記憶部26に予め記憶している季節推定用データとに基づいて、現在の季節が1年間を複数に分割した各季節のうちのいずれであるかを推定し、推定結果を制御条件決定部24に出力する。なお、上記季節の数(1年間を分割する数)は特に限定されるものではない。例えば、夏季と冬季とに2分割してもよく、春・夏・秋・冬に4分割してもよく、8分割、12分割、あるいは24分割してもよい。
【0055】
具体的には、季節推定用データ記憶部26には、各季節についての1日あたりの明るさが所定値以上である時間(日の出時刻の近傍から日没時刻の近傍までの時間に対応)と所定値未満である時間(日没時刻の近傍から日の出時刻の近傍までの時間に対応)の比率の推定値が季節推定用データとして予め記憶されている。季節推定部23は、現在を含む過去所定期間の照度センサ1の検出結果(照度センサ1の検出した明るさ、およびその検出処理を行った時刻を示す情報)に基づいて、当該期間における明るさが所定値以上である時間と所定値未満である時間の比率の1日あたりの平均値を算出し、算出した平均値と季節推定用データ記憶部26に記憶されている各季節についての上記推定値との差を算出し、上記の差が最も小さい季節を現在の季節として推定する。
【0056】
あるいは、季節推定用データ記憶部26に、各季節についての日照時間(1日のうちで直射日光が地表を照射する時間)の推定値を季節推定用データとして予め記憶させておき、季節推定部23が、現在を含む過去所定期間の照度センサ1の検出結果に基づいて、当該期間における日照時間の1日あたりの平均値を算出し、算出した平均値と季節推定用データ記憶部26に記憶されている各季節についての上記推定値との差を算出し、上記の差が最も小さい季節を現在の季節として推定するようにしてもよい。
【0057】
あるいは、季節推定用データ記憶部26には、1年間を複数に分割した各季節についての日没時刻の推定値を季節推定用データとして予め記憶しておき、季節推定部23が、現在を含む過去所定期間の照度センサ1の検出結果に基づいて、当該期間における明るさが所定値以上から所定値未満になった時刻の平均値を算出し、算出した上記平均値と各季節についての上記推定値との差が最も小さい季節を現在の季節として推定するようにしてもよい。
【0058】
なお、上記の各推定値は、照明装置10が取り付けられる照明器具の設置地域等に応じて照明装置10の管理者が適宜設定できるようにしてもよい。例えば、照明装置10に当該照明装置10の管理者からの指示を受け付けるためのインターフェースを設け、管理者が上記推定値を任意に設定あるいは変更できるようにしてもよい。上記インターフェースの構成は特に限定されるものではなく、例えば、管理者によるリモコン(遠隔操作装置、図示せず)を用いた操作を赤外線等の無線通信あるいは有線通信により受信するものであってもよく、照明装置10に備えられたスイッチ等の操作部であってもよい。
【0059】
制御条件記憶部27は、発光色条件記憶部27aと調光条件記憶部27bとを備えている。
【0060】
発光色条件記憶部27aは、季節毎の照明装置10の発光色が各季節に対応付けて記憶されている。上記の季節毎の発光色は、例えば、冬に近い季節ほど電球色に近い色(一般に暖かみを感じる色)に設定され、夏に近い季節ほど白色に近い色(一般に涼しさを感じる色)に設定されている。
【0061】
調光条件記憶部27bは、季節毎の調光開始時間(減光開始時間)が各季節に対応付けて記憶されている。例えば、調光条件記憶部27bには、午前0時〜午前1時の間あるいはその近傍に設定される所定時刻(調光開始目標時刻)と各季節における点灯期間の開始時刻(照明装置10の周囲が暗くなってLED2の点灯を開始させる時刻)の推定値との差が上記調光開始時間として季節毎に記憶されている。なお、本実施形態において、調光開始時間とは、LED2の点灯期間を開始させた後、LED2の調光(減光)制御を開始するまでの時間である。調光制御では、調光制御の開始前よりも各LED2の発光輝度を低減させる処理が行われる。
【0062】
制御条件決定部24は、発光色決定部24aと調光開始時間決定部24bとを備えている。
【0063】
発光色決定部24aは、季節推定部23が推定した現在の季節に対応する発光色を発光色条件記憶部27aから読み出し、当該発光色を実現するように(照明装置10からの出射光の色味が観察者に上記発光色として視認される色味になるように)、電球色のLED2の発光輝度と白色のLED2の発光輝度との比率、すなわち電球色のLED2に供給する電流量と白色のLED2に供給する電流量との比率を発光色条件として決定する。
【0064】
調光開始時間決定部24bは、季節推定部23が推定した現在の季節に対応する調光開始時間を調光条件記憶部27bから読み出し、当該調光開始時間を調光制御に適用する調光開始時間として決定する。
【0065】
発光制御部22は、照度検出制御部21から伝達される照度センサ1による照明装置10周囲の明るさの検出結果と、制御条件決定部24によって決定された制御条件(発光色条件および調光条件)とに基づいて各LED2の発光状態を制御する。
【0066】
具体的には、発光制御部22は、照度センサ1によって検出された照明装置10の周囲の明るさが所定の点灯開始閾値未満である場合に、各LED2を点灯させる点灯期間を開始させる。
【0067】
なお、照度センサ1の検出値が点灯開始閾値未満である期間が第1所定時間以上継続した場合、あるいは照度センサ1の検出値が点灯開始閾値未満である状態が連続的または断続的に所定回数以上検出された場合に、発光制御部22が照明装置10の周囲の明るさが所定の点灯開始閾値未満であると判断するようにしてもよい。すなわち、上記の「照明装置10の周囲の明るさが所定の点灯開始閾値未満である場合」は、照度センサ1によって点灯開始閾値未満の検出値が検出された場合であってもよく、照度センサ1の検出値が点灯開始閾値未満である期間が第1所定時間以上継続した場合であってもよく、照度センサ1の検出値が点灯開始閾値未満である状態が連続的または断続的に所定回数以上検出された場合であってもよい。
【0068】
また、上記所定時間が経過したか否かは、発光制御部22が計時部28の計時結果に応じて判断してもよく、発光制御部22が照度検出制御部21から照度センサ1の検出結果を伝達された回数(照度センサ1のサンプリング回数)に応じて判断してもよい。
【0069】
また、発光制御部22は、照度センサ1によって検出された照明装置10の周囲の明るさが所定の消灯開始閾値以上である場合には、各LED2を消灯させる消灯期間を開始させる。
【0070】
なお、照度センサ1の検出値が消灯開始閾値以上である期間が第2所定時間以上継続した場合、あるいは照度センサ1の検出値が消灯開始閾値以上である状態が連続的または断続的に所定回数以上検出された場合に、発光制御部22が照明装置10の周囲の明るさが所定の消灯開始閾値以上であると判断するようにしてもよい。すなわち、上記の「照明装置10の周囲の明るさが所定の消灯開始閾値以上である場合」は、照度センサ1によって消灯開始閾値以上の検出値が検出された場合であってもよく、照度センサ1の検出値が消灯開始閾値以上である期間が第2所定時間以上継続した場合であってもよく、照度センサ1の検出値が消灯開始閾値以上である状態が連続的または断続的に所定回数以上検出された場合であってもよい。
【0071】
また、上記所定時間が経過したか否かは、発光制御部22が計時部28の計時結果に応じて判断してもよく、発光制御部22が照度検出制御部21から照度センサ1の検出結果を伝達された回数(照度センサ1のサンプリング回数)に応じて判断してもよい。また、点灯開始閾値と消灯開始閾値とは同じ値であってもよく、異なる値であってもよい。また、上記第1所定時間と上記第2所定時間とは同じであってもよく、異なっていてもよい。
・ また、発光制御部22は、各LED2の点灯期間中に照度検出制御部21から検出開始信号を受け取った場合には、照度センサ1による検出処理期間に応じた期間だけ、各LED2を一時的に消灯させる。例えば、検出開始信号を受信してから照度センサ1が検出処理に要する時間に応じて予め設定される所定時間が経過するまで各LED2を消灯させるようにしてもよい。あるいは、検出開始信号を受信した後、照度検出制御部21から検出が完了したことを示す検出完了信号を受信するまでの間、各LED2を消灯させるようにしてもよい。なお、上記のLED2を一時的に消灯させる時間は、照度センサ1が明るさの検出処理に要する時間と各LED2の点灯および消灯に関する応答速度特性とに応じて、照度センサ1の検出結果に及ぼすLED2からの出射光の影響を無視できる程度に小さくできるように設定することが好ましい。また、LED2の消灯によって照明装置10の周囲にいる人に不都合が生じないように、できるだけ短い時間に設定することが好ましい。具体的には、上記のLED2を一時的に消灯させる時間は、1/1000秒〜1/100秒程度に設定することが好ましい。なお、発光制御部22は、各LED2の消灯期間中に照度検出制御部21から検出開始信号を受け取った場合には、各LED2を消灯状態のまま維持する。
【0072】
また、発光制御部22は、LED2の点灯期間を開始した後、調光開始時間決定部24bの決定した調光開始時間が経過したときに、各LED2の発光輝度を調光開始時間が経過する前よりも低減させる調光処理(減光処理)を開始する。例えば、調光開始時間が経過した後の各LED2の発光輝度を、調光開始時間が経過する前の各LED2の発光輝度の20%〜30%に低減する。なお、調光開始時間が経過したか否かは、発光制御部22が計時部28の計時結果に応じて判断してもよく、発光制御部22が照度検出制御部21から照度センサ1の検出結果を伝達された回数(照度センサ1のサンプリング回数)に応じて判断してもよい。
【0073】
(1−3.各LED2の点灯制御)
図5は、制御部20による各LED2の点灯制御の流れを示すフローチャートである。
【0074】
照度検出制御部21は、照度センサ1による照明装置10の周囲の明るさ検出処理を前回行ったときから所定時間(サンプリング周期に対応する時間)が経過したか否かを判断する(S1)。
【0075】
S1において所定時間が経過していないと判断した場合、照度検出制御部21はS1の処理を継続する。
【0076】
一方、S1において所定時間が経過したと判断した場合、照度検出制御部21は発光制御部22に検出開始信号を送り、検出開始信号を受け取った発光制御部22は各LED(光源)2が点灯期間中であるか否かを判断する(S2)。
【0077】
S2において各LED2が消灯中であると判断した場合、発光制御部22は各LED2を消灯させたまま維持し、照度検出制御部21は照度センサ1を制御して照明装置10の周囲の明るさを検出させ、検出結果(照度センサ1の検出した明るさ、および検出処理を行った時刻を示す情報)を照度記憶部25に記憶させる(S3)。
【0078】
一方、S2において各LED2が消灯中であると判断した場合、発光制御部22は各LED2を一時的に消灯させ(S4)、照度検出制御部21は照度センサ1を制御して各LED2が一時的に消灯されている期間中に照明装置10の周囲の明るさを検出させて検出結果を照度記憶部25に記憶させる(S5)。その後、照度センサ1による明るさの検出処理が完了すると、発光制御部22は各LED2を一時的に消灯させる前の点灯条件で再び点灯させる(S6)。
【0079】
その後、季節推定部23は、照度記憶部25に記憶されている現在を含む過去所定期間分の照度センサ1による検出結果(照度センサ1の検出した明るさ、および検出処理を行った時刻を示す情報)と、季節推定用データ記憶部26に予め記憶している季節推定用データとに基づいて現在の季節を推定する(S7)。
【0080】
また、制御条件決定部24は、季節推定部23の推定した季節と、発光色条件記憶部27aに記憶されている季節毎の発光色および調光条件記憶部27bに記憶されている季節毎の調光開始時間とに基づいて制御条件(発光色条件および調光開示時間)を決定する(S8)。
【0081】
次に、発光制御部22は、LED2が点灯期間中であるか否かを判断する(S9)。
【0082】
S9においてLED2が点灯期間中ではないと判断した場合、発光制御部22は、照度センサ1の検出した明るさが点灯開始閾値未満であるか否か(あるいは点灯開始閾値未満である状態が所定時間以上継続したか否か)を判断する(S10)。そして、点灯開始閾値以上であると判断した場合(あるいは点灯開始閾値未満である状態が所定時間以上継続していないと判断した場合)、S1の処理に戻る。また、点灯閾値未満であると判断した場合(あるいは点灯開始閾値未満である状態が所定時間以上継続したと判断した場合)、発光制御部22は、LED2の点灯期間を開始させ(S11)、S16の処理に進む。なお、点灯期間の開始時には、発光制御部22は、各LED2の発光輝度の総和が所定値になり、かつ各LED2の発光色がS8で決定した発光色になるように各LED2の発光輝度(各LED2に供給する電流量)を制御する。
【0083】
一方、S9においてLED2が点灯期間中ではないと判断した場合、発光制御部22は、点灯期間を開始してからの経過時間がS8で決定した調光開始時間以上であるか否かを判断する(S12)。
【0084】
そして、S12において調光開始時間以上であると判断した場合、発光制御部22は、LED2の調光処理を開始し、各LED2の発光輝度を調光処理の開始前よりも低減させる(S13)。なお、発光制御部22は、各LED2の発光輝度の総和が調光処理の開始前よりも低くなり、かつ各LED2の発光色がS8で決定した発光色になるように各LED2の発光輝度(各LED2に供給する電流量)を制御する。
【0085】
S12において調光開始時間以上ではないと判断した場合、またはS13で調光処理を開始した後、発光制御部22は、照度センサ1の検出した明るさが消灯開始閾値以上であるか否か(あるいは消灯開始閾値以上である状態が所定時間以上継続したか否か)を判断する(S14)。
【0086】
S14において消灯閾値以上であると判断した場合(あるいは消灯開始閾値以上である状態が所定時間以上継続したと判断した場合)、発光制御部22は、各LED2を消灯させ(S15)、S16の処理に進む。一方、S14において消灯閾値以上ではないと判断した場合(あるいは消灯開始閾値以上である状態が所定時間以上継続していないと判断した場合)、発光制御部22は、S16の処理に進む。
【0087】
S16において、発光制御部22は、LED2の点灯制御を終了するか否かを判断し、終了しない場合にはS1の処理に戻る。
【0088】
以上のように、本実施形態にかかる照明装置10は、照度センサ1がグローブカバー5の内部に配置されている。このため、照度センサ1に汚れや異物等が付着することを防止し、照明装置10の周囲の明るさを長期間にわたって安定して検出できる。
また、本実施形態では、照度センサ1を、グローブカバー5によって覆われる筐体6上の領域の中央に配置している。具体的には、筐体6およびグローブカバー5は同一の軸線Aに対して実質的に軸対称な形状を有しており、照度センサ1は上記の軸線A上に配置されている。このため、グローブカバー5を介して広範囲な角度で照明装置10に入射する光を照度センサ1に受光させることができるので、照明装置10の周囲の明るさを広範囲にわたって正確に検出することができる。
【0089】
また、本実施形態では、一方の面から入射した光を他方の面から多方向に拡散させて出射する光拡散機能を有するグローブカバー5を用いているので、照明装置10の周囲からグローブカバー5に入射した光はグローブカバー5の内部に拡散されて出射される。このため、照度センサ1により、照明装置10に対して広範囲の角度で入射する光に基づいて照明装置10の周囲の平均的な明るさを正確に検出することができる。
【0090】
また、本実施形態では、照度センサ1を光源であるLED2と同一の配置領域に配置してある。具体的には、例えばLED2が実装されるLED基板3上またはLED基板3が配置される支持部12の一方の端部に照度センサ1を配置している。これにより、LED2の照明領域と、照度センサ1による明るさ(照度)の検出領域とを略一致させることが可能となり、上記照明領域の明るさを検出し、検出結果に応じて必要なタイミングで正確に光源の点消灯制御を行うことができる。
【0091】
また、本実施形態では、照度センサ1および明るさの検出結果に応じた制御を行う制御部20が照明装置10に設けられている。このため、照明装置10が取り付けられる照明器具に照度センサおよび明るさの検出結果に応じた制御を行う制御部が設けられていなくても、照明装置10の周囲の明るさに応じて点灯状態を制御することができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、照度センサ1の検出結果に応じて季節を推定し、その推定結果に応じてLED2の発光輝度を低減させる調光処理(減光処理)の開始タイミングを設定する。これにより、調光処理の開始タイミングを季節に応じて適切に制御することができる。したがって、例えば、深夜等の人が利用する頻度が少ない時間帯に減光することで省エネを図ることができ、また、光害を抑制することができる。
【0093】
なお、本実施形態では点灯開始閾値を一定としているが、これに限らず、照明装置10の設置環境等(例えば照明装置10が備えられる照明器具の設置位置、あるいは照明装置10の外部に照明装置10をカバーするカバー部材が更に設けられているか否かなど)に応じて点灯開始閾値を変更できる構成としてもよい。例えば、照明装置10に当該照明装置10の管理者からの指示を受け付けるためのインターフェースを設け、管理者が点灯開始閾値を任意に設定できるようにしてもよい。なお、上記インターフェースの構成は特に限定されるものではなく、例えば、管理者によるリモコン(遠隔操作装置、図示せず)を用いた操作を赤外線等の無線通信あるいは有線通信により受信するものであってもよく、照明装置10に備えられたスイッチ等の操作部であってもよい。あるいは、制御部20が照度センサ1の検出結果に応じて点灯開始閾値を変更するようにしてもよい。例えば、制御部20が照度センサ1の検出結果に応じて1日における明るさのピーク値を算出し、このピーク値に所定の係数(例えば0.1あるいは0.2)を乗じた値を点灯開始閾値として設定するようにしてもよい。
【0094】
同様に、消灯開始閾値についても、照明装置10の設置環境等に応じて管理者あるいは制御部20が変更できる構成としてもよい。
【0095】
また、点灯開始閾値および消灯開始閾値の一方または両方を、季節推定部23による現在の季節の推定結果に応じて変更するようにしてもよい。
【0096】
また、本実施形態では、午前0時〜1時の間あるいはその近傍に設定される所定時刻(調光開始目標時刻)と各季節における点灯期間の開始時刻の推定値との差を調光開始時間としているが、上記所定時刻を照明装置10の管理者が任意に変更できるようにしてもよい。例えば、照明装置10に当該照明装置10の管理者からの指示を受け付けるためのインターフェースを設け、管理者が上記所定時刻を任意に設定できるようにしてもよい。なお、上記インターフェースの構成は特に限定されるものではなく、例えば、管理者によるリモコン(遠隔操作装置、図示せず)を用いた操作を赤外線等の無線通信あるいは有線通信により受信するものであってもよく、照明装置10に備えられたスイッチ等の操作部であってもよい。
【0097】
また、本実施形態では、季節の推定結果に応じて照明装置10の発光色(電球色のLED2の発光輝度と白色のLED2の発光輝度との比率)を変化させているが、季節の推定結果に応じて発光色を変化させる構成に加えて、あるいは季節の推定結果に応じて発光色を変化させる構成に代えて、点灯期間を開始させた後の経過時間に応じて照明装置10の発光色を変化させるようにしてもよい。
【0098】
また、本実施形態では、LED2の点灯期間を開始させた後、調光開始時間が経過したときにLED2の発光輝度を低減させる調光処理(減光処理)を行っているが、この調光処理を多段階に分けて行ってもよい。例えば、LED2の点灯を開始させた後、調光開始時間が経過したときに第1の減光処理を行い、それ以降、所定時間が経過する毎にLED2の発光輝度を更に減少させていくようにしてもよい。
【0099】
また、本実施形態では、被取付部に備えられるソケットに螺合して装着される口金7を備えた照明装置10(いわゆる電球型の照明装置)について説明したが、これに限らず、光源および照度センサ1がカバー部材の内部に配置される構成の照明装置であればよい。
【0100】
また、本実施形態では、調光条件記憶部27bに季節毎の調光開始時間を記憶されておき、調光開始時間決定部24bが季節推定部23の推定した現在の季節に対応する調光開始時間を調光条件記憶部27bから読み出す構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、調光開始時間決定部24bが、過去の消灯期間の長さ、または過去の点灯期間の長さに応じて今回の点灯開始時刻を推定し、調光開始時刻が季節に応じた日照時間の変化に伴う点灯開始時刻の変化によらず所定の調光開始目標時刻になるように、あるいは調光開始目標時刻に近づくように(調光開始時刻と調光開始目標時刻との差が所定範囲内に収まるように)、調光開始時間を変更するようにしてもよい。具体的には、例えば、直前の消灯期間の長さに応じて今回の点灯開始時刻を推定してもよく、過去複数回の消灯期間の長さの平均値あるいは変化量に基づいて今回の点灯開始時刻を推定してもよい。また、直前の点灯期間の長さに応じて今回の点灯開始時刻を推定してもよく、過去複数回の点灯期間の長さの平均値あるいは変化量に基づいて今回の点灯開始時刻を推定してもよい。すなわち、「過去の消灯期間の長さ」は、直前の消灯期間の長さであってもよく、過去複数回の消灯期間の長さの平均値あるいは変化量であってもよい。同様に、「過去の点灯期間の長さ」は、直前(前回)の点灯期間の長さであってもよく、過去複数回の点灯期間の長さの平均値あるいは変化量であってもよい。
【0101】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、周囲の明るさに応じて光源の点灯状態を制御する照明装置に適用できる。
【符号の説明】
【0103】
1 照度センサ(センサ)
2 LED(光源)
3 LED基板
4 制御基板
4b 電子部品
5 グローブカバー(カバー部材)
6 筐体(筐体部)
20 制御部
21 照度検出制御部
22 発光制御部
23 季節推定部
24 制御条件決定部
24a 発光色決定部
24b 調光開始時間決定部
25 照度記憶部
26 季節推定用データ記憶部
27 制御条件記憶部
27a 発光色条件記憶部
27b 調光条件記憶部
28 計時部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体部と、上記筐体部上に配置された光源と、上記光源および上記筐体部を覆うように配置された透光性を有するカバー部材と、上記カバー部材によって覆われる領域に配置され、当該照明装置の周囲の明るさを検出するためのセンサと、上記センサの検出結果に応じて上記光源の点灯状態を制御する制御部とを備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記カバー部材は、当該カバー部材の一方の面から入射した光を他方の面から拡散させて出射する光拡散機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
上記センサは、上記筐体部における上記カバー部材によって覆われる領域の中央に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
上記筐体部および上記カバー部材は同一の軸線に対して実質的に軸対称な形状を有しており、上記センサは上記軸線上に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
上記制御部は、
上記光源を点灯させる期間である点灯期間を開始させた後、所定の調光開始時間が経過したときに、上記光源の発光輝度を上記調光開始時間が経過する前の発光輝度よりも低減させる調光処理を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
上記制御部は、
上記センサが検出した明るさが所定の点灯閾値未満である場合に、上記光源を点灯させる期間である点灯期間を開始させ、
上記センサが検出した明るさが所定の消灯閾値以上である場合に、上記光源を消灯させる消灯期間を開始させ、
上記点灯期間の長さの変化にかかわらず上記調光処理を開始する時刻が所定の調光開始目標時刻になるように、または上記調光処理を開始する時刻と上記調光開始目標時刻との差が所定範囲内に収まるように、過去の上記消灯期間の長さ、または過去の上記点灯期間の長さに応じて上記調光開始時間を変更することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
上記センサによる明るさの検出結果を記憶する記憶部を備え、
上記制御部は、
現在を含む過去所定期間の上記検出結果に基づいて現在の季節、現在の日照時間、または現在の日没時刻を推定し、その推定結果に応じて上記調光開始時間を変更することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項8】
上記センサによる明るさの検出結果を記憶する記憶部を備えており、
上記制御部は、
現在を含む過去所定期間の上記検出結果に基づいて現在の季節を推定し、その推定結果に応じて当該照明装置からの出射光の色を変更することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項9】
互いに異なる色の光を出射する複数の光源を備えており、
上記制御部は、これら複数の光源から出射される光の輝度の比率を変化させることにより、当該照明装置からの出射光の色を変更することを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
上記センサは、所定のサンプリング周期毎に当該照明装置の周囲の明るさの検出処理を行い、
上記制御部は、上記光源を点灯させる期間である点灯期間中に上記センサが上記検出処理を行う場合に、上記センサが上記検出処理を行う間、上記光源を一時的に消灯させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−69504(P2013−69504A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206355(P2011−206355)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】