説明

煮切り酒の製造方法及びその装置

【課題】 原料酒を加熱してアルコール分を蒸発燃焼させて、アルコール度数が低くかつコクのある良質な煮切り酒の製造を目的とする。
【解決手段】 約18度の濃度を有する原料酒を原料酒予熱タンク内に配設された原料酒通過パイプ内を通過させることによって約80℃に加熱し、加熱された原料酒を原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に送って拡散しながら原料酒のアルコール分を高温で蒸発燃焼させて、アルコール濃度が約8度の煮切り酒を前記燃焼器皿より取り出して製造することを特徴とした煮切り酒の製造方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板前或は家庭の主婦等が調理の際に使用する煮切り酒の製造方法及びその装置に係り、特に醸造酒を加熱したアルコール分を蒸発燃焼させて作る極めて良質の煮切り酒の製造方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
料理をおいしくするために、料理酒の一種として日本酒が幅広く利用されている。日本酒の調理効果としては、料理にコクや旨味が出る、香りや風味が良くなる、肉や魚の生臭さが消える、素材が柔かになる、味の浸透がよくなる等が考えられている。
【0003】
日本酒を料理酒として使用する場合には、日本酒を煮沸してアルコールを飛ばして低アルコール化した煮切り酒が、出来上った料理にアルコール臭を付着させないために、昔から有効に使用されて来ていた。
【0004】
また、最近になっては、前述のように日本酒を煮沸してアルコールを飛ばして低アルコール化した煮切り酒を作る方法以外に、例えば特開2004−180552号公報(特許文献1)に示すような、日本酒のアルコール成分をエチルアルコールの沸点以下の温度で、常圧蒸留手段又は減圧蒸留手段を用いて料理酒を製造する方法も知られている。
【0005】
さらに、特開2004−254512号公報(特許文献2)に示す如く、蛋白質が多い原料を使用して源清酒を醸造し、源清酒を単式蒸留してアルコール濃度の低い料理酒を製造する方法も知られている。
【特許文献1】特開2004−180552号公報
【特許文献2】特開2004−254512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の煮切り酒の製造に当っては、和食の板前や家庭の主婦等が鉄鍋等を使って、日本酒を煮沸してアルコールを飛ばして低アルコール化すると共に、酒自体を濃縮して製造していた。煮切り酒は、通常必要な時に、その都度必要量を煮切って使用するのが一般的であったが、大鍋等を使って前述の手段で大量に製造したものを「煮切り酒」として市販されている場合もあった。
【0007】
然るに、従来の鍋等を使って人手によって煮切り酒を製造する方法は、非常に手間が掛かるので効率が悪い問題があった。また、製造された煮切り酒は作業者の勘に頼って製造するので、個人の技量によって、かつ同一人の場合にも煮切り毎に品質が変わる等によって、出来上った煮切り酒に品質のばらつきがある等の問題があった。
【0008】
更に、前記特許文献1或は特許文献2に記載された発明のように、煮切る作業を不要とした常圧もしくは減圧蒸留方式によって低アルコール化した料理酒は、充分に濃縮された酒を得ることが困難であると共に、煮切り酒のように原料酒以上にアミノ酸等の旨み成分を増加させたリッチな料理酒を製造することが困難である問題があった。
【0009】
本発明に係る煮切り酒の製造方法及びその製造装置は、前述の多くの問題点に鑑み開発された全く新規な技術であって、特に、原料酒を原料酒予熱タンク内に配設されたパイプ内を通過させることによって加熱し、この加熱された原料酒を原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に送って拡散しながらアルコール分を高温で蒸発させると共に、燃焼させて所定の濃度を有する煮切り酒を安定した状態で大量に製造することが出来る技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る煮切り酒の製造方法は、前述の従来の問題点を根本的に改善した発明であって、その第1発明の構成は、原料酒を原料酒予熱タンク内に配設された原料酒通過パイプ内を通過させることによって所定の温度に加熱し、加熱された原料酒を原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に送って拡散しながら原料酒のアルコール分を高温で蒸発させ、蒸発したアルコール分を燃焼させて所定のアルコール濃度の煮切り酒を燃焼器皿より取り出して製造することを特徴とした煮切り酒の製造方法である。
【0011】
本発明に係る煮切り酒の製造方法の第2発明の構成は、前記原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入された原料酒を必要に応じて原料酒加熱器により所定の温度まで加熱することを特徴とした第1発明の煮切り酒の製造方法である。
【0012】
本発明に係る煮切り酒の製造方法の第3発明の構成は、前記原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入された原料酒をさらに約90℃〜110℃に加熱することを特徴とした第1発明或は第2発明の煮切り酒の製造方法である。
【0013】
本発明に係る煮切り酒の製造方法の第4発明の構成は、前記原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入されて加熱された原料酒に撹拌用圧縮エアーを吹き付けて撹拌しながらアルコール分を蒸発させることを特徴とした第1発明乃至第3発明の煮切り酒の製造方法である。
【0014】
本発明に係る煮切り酒の製造方法の第5発明の構成は、前記原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に於いて原料酒のアルコール分を蒸発燃焼させてそのアルコール分の濃度を約5°〜10°にすることを特徴とした第1発明乃至第4発明の煮切り酒の製造方法である。
【0015】
本発明に係る煮切り酒の製造装置は、前述の従来の問題点を根本的に改善した発明であって、その第1発明の構成は、原料酒を通過させる原料酒通過パイプが内部に配設されかつ内部に熱水を貯留することが出来る原料酒予熱タンクと、該原料酒予熱タンクによって加熱された原料酒を拡散させながら原料酒のアルコール分を高温で蒸発燃焼させることが可能な燃焼器皿を内部に有する原料酒煮切り燃焼器と、アルコール分が蒸発燃焼された煮切り酒を前記燃焼器皿より取り出して貯留する煮切り酒貯留タンクとの組合せにより構成されることを特徴とした煮切り酒の製造装置。
【0016】
本発明に係る煮切り酒の製造装置の第2発明の構成は、前記原料酒予熱タンク内に配設された原料酒通過パイプに添って加熱蒸気を通過させることが出来る蒸気パイプを併設して構成したことを特徴とした第1発明の煮切り酒の製造装置である。
【0017】
本発明に係る煮切り酒の製造装置の第3発明の構成は、前記原料酒煮切り燃焼器の燃焼器皿の下方に原料酒加熱器を設けて構成したことを特徴とした第1発明或は第2発明の煮切り酒の製造装置である。
【0018】
本発明に係る煮切り酒の製造装置の第4発明の構成は、前記原料酒煮切り燃焼器の燃焼器皿内に加熱された原料酒に撹拌用圧縮エアーを吹き付けることが出来るエアー噴出装置を設けて構成したことを特徴とした第1発明乃至第3発明の煮切り酒の製造装置である。
【0019】
本発明に係る煮切り酒の製造装置の第5発明の構成は、前記原料酒煮切り燃焼器の燃焼器皿内に煮切り酒を貯留することが出来る貯留溝を設けると共に、該貯留溝に高さ調節が可能な煮切り酒流出口を取付けて構成したことを特徴とした第1発明乃至第4発明の煮切り酒の製造装置である。
【発明の効果】
【0020】
前記本発明の煮切り酒の製造方法の第1発明に於いては、前述のように原料酒予熱タンク内に配設された原料酒通過パイプに原料酒を通過させるので、原料酒を所定の温度に加熱することが出来る。
【0021】
さらに、第1発明に於いては、前述のように加熱された原料酒を原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に送って拡散しながらアルコール分を高温で蒸発させると共に、蒸発したアルコール分を燃焼させるので、アルコール濃度が低くかつアルコール臭が少なく、コクや旨味を有する均一な煮切り酒を大量に製造することが出来る。
【0022】
前記本発明の煮切り酒の製造方法の第2発明に於いては、前述のように原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入された原料酒を必要に応じて原料酒加熱器により加熱するので、原料酒のアルコール分をよりスムーズに蒸発させると共に、蒸発させたアルコール分を効率良く燃焼させることが出来る。
【0023】
前記本発明の煮切り酒の製造方法の第3発明に於いては、前述のように原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入された原料酒をさらに約90℃〜110℃まで加熱するので、原料酒のアルコール分の蒸発と燃焼とをより容易にすることが出来る。
【0024】
前記本発明の煮切り酒の製造方法の第4発明に於いては、前述のように原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入された原料酒に撹拌用圧縮エアーを吹き付けて撹拌するので、原料酒のアルコール分をより効率良く蒸発させることが出来る。
【0025】
前記本発明の煮切り酒の製造方法の第5発明に於いては、前述のように原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に於いて原料酒のアルコール分を高温で蒸発させて、その原料酒のアルコール分を5°〜10°にさせて煮切り酒を製造するので、アルコール濃度の低い、アルコール臭が少ない煮切り酒を製造することが出来る。
【0026】
前記本発明の煮切り酒の製造装置の第1発明に於いては、前述のように熱水を貯留することが出来る原料酒予熱タンク内に原料酒通過パイプを配設したので、この原料酒通過パイプに原料酒を通過させることによって、原料酒を所定の温度に加熱することが出来る。
【0027】
また、第1発明に於いては、前述のように原料酒煮切り燃焼器内部に燃焼器皿を設けたので、前記原料酒予熱タンク内で加熱された原料酒をこの燃焼器皿に送って拡散させながら原料酒のアルコール分を高温で蒸発燃焼させて、アルコール濃度の低い煮切り酒を大量に製造することが出来る。
【0028】
本発明の煮切り酒の製造装置の第2発明に於いては、前述のように原料酒予熱タンク内に於いて、原料酒通過パイプに添って加熱蒸気を通過させることが出来る蒸気パイプを併設したので、この蒸気パイプに加熱蒸気を通過させることによって、原料酒予熱タンクに貯留された熱水をさらに加熱して高温度にすることが出来る。また、燃焼器皿でアルコール分を燃焼させた熱をボイラーを介して原料酒予熱タンクに取入れるので、効率良く原料酒予熱タンクを加熱することが出来る。
【0029】
本発明の煮切り酒の製造装置の第3発明に於いては、前述のように原料酒煮切り燃焼器の燃焼器皿の下方に原料酒加熱器を設けて構成したので、原料酒予熱タンクで所定の温度に加熱されて燃焼器皿内に送られて来た原料酒をさらに加熱することが出来る。
【0030】
本発明の煮切り酒の製造装置の第4発明に於いては、前述のように燃焼器皿内にエアー噴出装置を設けたので、燃焼器皿内の原料酒に圧縮エアーを吹き付けて撹拌して、原料酒の蒸発をより効果的に促進させることが出来る。
【0031】
本発明の煮切り酒の製造装置の第5発明に於いては、前述のように燃焼器皿内に貯留溝を設けたので、この貯留溝内に煮切り酒を一時的に貯留して滞流させて、蒸発するアルコール量を多くすることが出来る。かつ、貯留溝内に高さ調節が可能な煮切り酒流出口を取り付けたので、煮切り酒の滞流する時間を調節して、蒸発するアルコール量を増減することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図により本発明に係る煮切り酒の製造方法及びその装置を、一実施例によって具体的に説明すると次の通りである。
【0033】
図1は本発明に係る煮切り酒製造装置の簡略説明図、図2は原料酒煮切り燃焼器全体の斜視図、図3は燃焼器皿の説明図、図4は燃焼器皿の一部拡大断面図、図5は他例の燃焼器皿の一部拡大断面図、図6は原料酒予熱タンクの一部に設けられたボイラーの説明図である。
【0034】
図1乃至図6に於いて、1は原料酒予熱タンクであって、内部に熱水(水)2が貯されている。この原料酒予熱タンク1内には、原料酒通過パイプ3と蒸気パイプ4とがジグザグ状に併列して配設されている。原料酒通過パイプ3の元部には原料酒手動調節弁5が取り付けられており、原料酒タンクより供給される原料酒の量を調整する。蒸気パイプ4の元部には蒸気供給装置6と蒸気供給弁7とが夫々取り付けられている。
【0035】
前記原料酒予熱タンク1には、水位計8と熱水温度センサ9とが取り付けられており、熱水センサ9は熱水温度調節盤10に連結されている。また、熱水温度調節盤10と前記蒸気供給弁7とは配線を介して連結されている。前記原料酒通過パイプ3の途中には、原料酒排出開閉弁11,12が設けられている。原料酒予熱タンク1の下部には、熱水2の排出開閉弁13が設けられている。
【0036】
図中14は原料酒煮切り燃焼器であって、その中に燃焼器皿15が設けられている。この燃焼器皿15内の周辺部には、特に図4及び図5に示す如く、煮切り酒16を一時的に貯留することが出来る貯留溝17が設けられている。この貯留溝17には煮切り酒排出口18が設けられ、かつ煮切り酒排出口18に連結された排出パイプ19には煮切り酒排出開閉弁20が設けられている。
【0037】
前記排出パイプ19の先端部は、煮切り酒1次受入れタンク21に接続されており、かつ煮切り酒1次受入れタンク21に貯留された煮切り酒は、ポンプ22或は手動弁23を介して外部に取り出すことが出来るように構成されている。
【0038】
前記燃焼器皿15内の上面中央には、原料酒予熱タンク1で加熱されて原料酒通過パイプ3で送られて来た原料酒を噴出することが出来る噴出口24が設けられている。かつ該噴出口24の周りの燃焼器皿15の上面には、原料酒に撹拌用圧縮エアーを吹き付けることが出来る三重円管の下面にエアー噴出口25を有するエアー噴出装置26が配設されている。27はエアー噴出装置26に撹拌用圧縮エアーを送るコンプレッサーである。
【0039】
前記燃焼器皿15の下方には、原料酒加熱器28が配設されており、燃焼器皿15内に流入されて来た所定温度の原料酒を、さらに約90℃〜110℃の高温に加熱し、原料酒のアルコール分を蒸発燃焼させ易くしている。また、原料酒加熱器28には、加熱用電源装置29が連結され、かつ該加熱用電源装置29には、原料酒通過パイプ3の所定位置に取り付けられた温度センサ30が連結されている。
【0040】
前記原料酒予熱タンク1の一部は、特に図1及び図2に示す如く、燃焼器皿15の上方に大きく張出しており、かつその内部には縦方向に複数のボイラーチューブ31が挿通されており、煮切り酒の燃焼熱回収用のボイラー32が構成されている。このボイラー32によって、燃焼器皿15で燃焼されたアルコール分の高熱をボイラー32内に取り込んで、原料酒予熱タンク1の熱水2をより高温度にすることが出来るように構成されている。
【0041】
本発明に於いては、原料酒を原料酒予熱タンク1の原料酒通過パイプ3を通すことによって所定の温度に加熱し、さらに加熱された原料酒を原料酒煮切り燃焼器14の燃焼器皿15に送って拡散しながら、原料酒のアルコール分を高温で蒸発させ、蒸発したアルコール分を燃焼させてアルコール分の少ないコクのある煮切り酒16を作ることが出来る。
【0042】
本発明に係る煮切り酒を製造するに当っては、図4に示す如く、バッチ方式で製造する場合と、図5に示す如く、連続方式で製造する場合とが考えられている。
【0043】
バッチ方式で製造する場合には、図4に示す如く、燃焼器皿15を充たす所定量の加熱された原料酒を燃料器皿15に供給し、燃焼器皿15内で原料酒のアルコール分を所定時間高温で蒸発燃焼させて、アルコール濃度の小さい煮切り酒16を製造する。燃焼器皿15内の煮切り酒16は、煮切り酒排出開閉弁20を介して取り出すことが出来る。この製造工程を繰り返すことで、アルコール濃度の小さい均一な煮切り酒を量産製造することが出来る。
【0044】
次に、煮切り酒を連続方式で製造する場合には、図5に示す如く、所定量の原料酒を加熱しながら燃焼器皿15に連続的に供給し、燃焼器皿15内で原料酒のアルコール分を連続的に高温で蒸発燃焼させてアルコール濃度の小さい煮切り酒16を連続的に大量製造することが出来る。
【0045】
図5に示す煮切り酒の連続方式で製造するに当っては、同図(a)に示す如く、燃焼器皿15に送られてきた原料酒を燃焼器皿15内の貯留溝17に貯留させないで、燃焼器皿15内でアルコール分を高温で蒸発燃焼させた煮切り酒16を、そのまま燃焼器皿15より煮切り酒排出開閉弁20を介して煮切り酒1次受入れタンク21へ送り出して連続的に製造する方式がある。
【0046】
さらに、同図(b)に示す如く、貯留溝17の煮切り酒排出口18に所定の高さを有するパイプ状の煮切り酒流出口33を取り付け、この煮切り酒排出口18の作用で、貯留溝17及び燃焼器皿15の上方にも煮切り酒16を一定の時間(約5分〜10分間)滞流させ、滞流時間を長くすることによって、多量のアルコール分を蒸発燃焼させて、よりアルコール濃度が小さい煮切り酒16を連続的に製造する方式がある。
【0047】
本発明の製造方法は、前述の工程を順に経過することによって、原料酒のアルコール分を高温で蒸発燃焼させて製造するので、アルコール分濃度が少なくてアミノ酸等の濃度が高く、コクと旨味のある煮切り酒を均一に大量生産することが出来る。
【0048】
本発明の製造方法では、アルコール分が約14度〜20度の原料酒をアルコール分が約5度〜10度の煮切り酒を製造することを想定している。本発明の製造方法を実施した場合には、原料酒の約20%〜30%の分量が蒸発燃焼されて、最終的な煮切り酒が製造される。
【産業上の利用可能性】
【0049】
前記説明は主として日本酒から煮切り酒を製造する工程を中心に本発明を説明したが、本発明はアルコール分を含有する酒であれば、果実酒、ウイスキー、ブランデー、ワイン等の全ての酒に応用して煮切り酒を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】煮切り酒製造装置の簡略説明図である。
【図2】原料酒煮切り燃焼器全体の斜視図である。
【図3】燃焼器皿の説明図である。
【図4】燃焼器皿の一部拡大断面図である。
【図5】他例の燃焼器皿の一部拡大断面図である。
【図6】原料酒予熱タンクの一部に設けられたボイラーの説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1 …原料酒予熱タンク
2 …熱水(水)
3 …原料酒通過パイプ
4 …蒸気パイプ
5 …原料酒手動調節弁
6 …蒸気供給装置
7 …蒸気供給弁
8 …水位計
9 …熱水温度センサ
10 …熱水温度調節盤
11 …原料酒排出開閉弁
12 …原料酒排出開閉弁
13 …2の排出開閉弁
14 …原料酒煮切り燃焼器
15 …燃焼器皿
16 …煮切り酒
17 …貯留溝
18 …煮切り酒排出口
19 …排出パイプ
20 …煮切り酒排出開閉弁
21 …煮切り酒1次受入れタンク
22 …ポンプ
23 …手動弁
24 …噴出口
25 …エアー噴出口
26 …エアー噴出装置
27 …26に撹拌用圧縮エアーを送るコンプレッサー
28 …原料酒加熱器
29 …加熱用電源装置
30 …温度センサ
31 …ボイラーチューブ
32 …煮切り酒の燃焼熱回収用のボイラー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料酒を原料酒予熱タンク内に配設された原料酒通過パイプ内を通過させることによって所定の温度に加熱し、加熱された原料酒を原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に送って拡散しながら原料酒のアルコール分を高温で蒸発させ、蒸発したアルコール分を燃焼させて所定のアルコール濃度の煮切り酒を燃焼器皿より取り出して製造することを特徴とした煮切り酒の製造方法。
【請求項2】
前記原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入された原料酒を必要に応じて原料酒加熱器により所定の温度まで加熱することを特徴とした請求項1の煮切り酒の製造方法。
【請求項3】
前記原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入された原料酒をさらに約90℃〜110℃に加熱することを特徴とした請求項1或は請求項2の煮切り酒の製造方法。
【請求項4】
前記原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に導入されて加熱された原料酒に撹拌用圧縮エアーを吹き付けて撹拌しながらアルコール分を蒸発させることを特徴とした請求項1乃至請求項3の煮切り酒の製造方法。
【請求項5】
前記原料酒煮切り燃焼器内の燃焼器皿に於いて原料酒のアルコール分を蒸発燃焼させてそのアルコール分の濃度を約5°〜10°にすることを特徴とした請求項1乃至請求項4の煮切り酒の製造方法。
【請求項6】
原料酒を通過させる原料酒通過パイプが内部に配設されかつ内部に熱水を貯留することが出来る原料酒予熱タンクと、該原料酒予熱タンクによって加熱された原料酒を拡散させながら原料酒のアルコール分を高温で蒸発燃焼させることが可能な燃焼器皿を内部に有する原料酒煮切り燃焼器と、アルコール分が蒸発燃焼された煮切り酒を前記燃焼器皿より取り出して貯留する煮切り酒貯留タンクとの組合せにより構成されることを特徴とした煮切り酒の製造装置。
【請求項7】
前記原料酒予熱タンク内に配設された原料酒通過パイプに添って加熱蒸気を通過させることが出来る蒸気パイプを併設すると共に、燃焼器皿でアルコール分を燃焼させた燃焼熱をボイラーを介して原料酒予熱タンクに取入れるように構成したことを特徴とした請求項6の煮切り酒の製造装置。
【請求項8】
前記原料酒煮切り燃焼器の燃焼器皿の下方に原料酒加熱器を設けて構成したことを特徴とした請求項6或は請求項7の煮切り酒の製造装置。
【請求項9】
前記原料酒煮切り燃焼器の燃焼器皿内に加熱された原料酒に撹拌用圧縮エアーを吹き付けることが出来るエアー噴出装置を設けて構成したことを特徴とした請求項6乃至請求項8の煮切り酒の製造装置。
【請求項10】
前記原料酒煮切り燃焼器の燃焼器皿内に煮切り酒を貯留することが出来る貯留溝を設けると共に、該貯留溝に高さ調節が可能な煮切り酒流出口を取付けて構成したことを特徴とした請求項6乃至請求項9の煮切り酒の製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate