熱を皮下多脂質細胞から相変化冷却剤を介して非侵襲的に除去するための家庭用アプリケータ及びそれと関連した装置、システム及び方法
相変化冷却剤を介して皮下多脂質細胞から非侵襲的に熱を除去するための家庭用アプリケータ及びそれと関連した装置、システム及び方法を提供する。装置は、ヒトの皮膚と熱的に連通するように解放可能に位置決め可能なアプリケータと、冷却剤を有する冷却剤容器を含む。装置は、アプリケータに作動的に結合された熱移送導管をさらに含み、熱移送導管は、冷却剤と流体的に接触しないように隔離された熱移送流体を収容する。熱移送流体と冷却剤の間で熱を移送する熱交換器が、冷却剤容器と熱移送導管の間に、作動的に結合される。アプリケータと熱交換器の間に熱移送流体を差し向ける流体駆動装置が、熱移送導管に作動的に結合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年1月25日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第61/298,175号及び2010年6月14日に出願された米国仮特許出願第61/354,615号に基づく優先権を主張し、これらの特許出願の各々を本明細書に援用する。上記援用及び/又は引用により本明細書に組み入れられる他の任意の文献内の資料が本開示と矛盾する限りにおいては、本開示が優先する。
【0002】
本出願は、一般に、熱を皮下多脂質細胞から相変化冷却剤を介して非侵襲的に除去するための家庭用アプリケータ、並びにそれと関連した装置、システム及び方法に関する。詳細には、いくつかの実施形態は、従来の商用、臨床用、施設用、又は家庭用冷凍庫を使用して、使用者が容易に再充填又は再生できる装置に関する。
【背景技術】
【0003】
過剰な体脂肪又は脂肪組織は、例えば、大腿部、臀部、腹部、膝、背中、顔、腕、顎、及びその他の領域を含む身体の様々な場所に存在し得る。さらに、過剰な脂肪組織は、真皮内に皮下脂肪が突出し、下層にある構造的線維性糸状体に皮膚が付着して窪みを形成した時に生じる醜いセルライトを増幅すると考えられている。多くの場合、セルライト及び過剰な量の脂肪組織は魅力的でないと思われる。さらに、より大量の過剰な体脂肪には、重大な健康上のリスクがつきまとう可能性がある。
【0004】
体脂肪が過剰な人々を治療するために様々な方法が使用されており、また多くの場合、過剰な皮下脂肪組織の非侵襲的除去により、脂肪吸引術などの侵襲的処置に伴う不必要な回復時間及び不快感を排除することができる。一般に、過剰な体脂肪を除去するための従来の非侵襲的処置としては、局所薬、減量薬、規則的運動、ダイエット、又はこれらの処置の組み合わせが挙げられる。これらの処置の1つの欠点は、特定の状況下では効果的でなく、又は可能でもない場合がある点である。例えば、ある人物が肉体的に怪我を負っている場合又は病気の場合には、規則的運動は選択肢になり得ない。同様に、減量薬又は局所薬によってアレルギー反応又はその他の否定的反応が生じる場合には、これらも選択肢にならない。さらに、多くの場合、全体的又は全身的な減量法を使用して、身体の選択領域の脂肪を減らすことはできない。
【0005】
皮下脂肪組織を減少させるように設計された他の方法には、レーザーによる脂肪吸引術及びメソセラピがある。最近の非侵襲的方法としては、米国特許公開第2006/0036300号(特許文献1)、及び米国特許第5,143,063号(特許文献2)に記載されているように、無線周波数及び/又は光エネルギーなどを介して、或いは米国特許第7,258,674号(特許文献3)、及び同第7,347,855号(特許文献4)に記載されているように、高密度焦点式超音波(HIFU)照射を介して皮下多脂質細胞に放射エネルギーを印加することが挙げられる。一方、アンダーソンらに付与された「制御冷却による脂肪組織の選択的破壊のための方法及び装置」という名称の米国特許第7,367,341号(特許文献5)、及びアンダーソンらに付与された「脂肪組織の検出及び制御冷却によるその選択的破壊の制御のための方法及び装置」という名称の米国特許出願公開第2005/0251120号(特許文献6)には、皮下脂肪組織を冷却によって非侵襲的に減少させるための方法及び装置が開示されており、これらの特許文献はその開示全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0036300号明細書
【特許文献2】米国特許第5,143,063号明細書
【特許文献3】米国特許第7,258,674号明細書
【特許文献4】米国特許第7,347,855号明細書
【特許文献5】米国特許第7,367,341号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0251120号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2008/0287839号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Nagle,W.A.、Soloff,B.L.、Moss、A.J.Jr.、Henle,K.J.著、「培養チャイニーズハムスター細胞は、低温ではあるが凍結しない温度への曝露後にアポトーシスを経験する(Cultured Chinese Hamster Cells Undergo Apoptosis After Exposure to Cold but Nonfreezing Temperatures)」、Cryobiology、第27巻、439〜451頁(1990年)
【非特許文献2】Mazur,P.著、「低温生物学:生体系の凍結(Cryobiology:the Freezing of Biological Systems)」 Science、第68巻、939〜949頁(1970年)
【非特許文献3】Quinn,P.J.著、「生体膜に対する低温損傷の脂質相分離モデル(A Lipid Phase Separation Model of Low Temperature Damage to Biological Membranes)」、Cryobiology、第22巻、128〜147頁(1985年)
【非特許文献4】Rubinsky,B.著、「低温保存の原理(Principles of Low Temperature Preservation)」、Heart Failure Reviews、第8巻、277〜284頁(2003年)
【非特許文献5】Vallerand,A.L.、Zamecnik.J.、Jones,P.J.H.、Jacobs,I.著、「寒冷ストレスが、ヒトの脂肪分解、FFA Ra 及びTG/FFA循環を高める(Cold Stress Increases Lipolysis, FFA Ra and TG/FFA Cycling in Humans)」 Aviation,Space and Environmental Medicine、第70巻、42〜50頁(1999年)
【0008】
有意な技術的特徴を不明瞭にしないように、以下の図では、本発明の技術の多くの特徴を、簡略化した、概略的な、及び/又は部分的に概略的な形式で示している。これらの特徴をより明確に示すために、多くの特徴は縮尺通りに描いていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の実施形態により構成される、冷却剤容器及び熱交換器を有する冷却装置の部分的に概略化した部分切り欠き図である。
【図2】図1に示す装置の特定の実施形態の部分的に概略化した部分切り欠き図である。
【図3】本開示のさらに別の実施形態により構成される、図1に示す全体的構成とほぼ同様の全体的構成を有する装置の部分概略図である。
【図4】本開示の別の実施形態により構成される、熱交換器及び取外し可能な冷却剤容器を有する装置の部分概略図である。
【図5A】図4に示す冷却剤容器及び熱交換器の実施形態の部分概略拡大図である。
【図5B】実質的に図5Aの線5B−5Bに沿って切り取った熱交換器及び冷却剤容器の部分概略断面図である。
【図6A】本開示の別の実施形態により構成される、冷却剤容器及び熱交換器の部分的に概略化した部分切り欠き図である。
【図6B】実質的に図6Aの線6B−6Bに沿って切り取った熱交換器及び冷却剤容器の実施形態の部分概略断面図である。
【図7】本開示のさらに別の実施形態による、アプリケータと分離可能な冷却剤容器及び熱交換器を有する装置の部分概略図である。
【図8】実質的に図7の線8−8に沿って切り取った冷却剤容器及び熱交換器の一部の部分概略図である。
【図9】本開示の実施形態により配置された、非弾性材料及び弾性材料を有するアプリケータの部分概略断面図である。
【図10】本開示の実施形態による、内部支持構造体を有するアプリケータの部分概略断面図である。
【図11】図10に示すアプリケータの一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔1.概説〕
以下、本開示技術による、皮下脂肪組織を冷却するための装置、システム及び方法のいくつかの例を説明する。以下の説明では、当業者が以下の例を十分に実施し、作成し、使用できるように、これらの多くの具体的な詳細を示すが、以下で説明する詳細及び利点の中には、本発明の技術のいくつかの例及び方法を実施するのに必要でない可能性があるものもある。また、本発明の技術は、特許請求の範囲には含まれるがここでは詳細に説明しないその他の例及び方法を含むことができる。
【0011】
本明細書を通じて、「1つの実施例」、「ある実施例」、「1つの実施形態」、又は「ある実施形態」についての言及は、その例に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が本発明の技術の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて様々な箇所に出現する「1つの実施例では」、「ある実施例では」、「1つの実施形態」、又は「ある実施形態」という表現は、必ずしも全てが同じ実施例について言及しているとは限らない。さらに、本発明の技術の1つ又は2つ以上の実施例においては、特定の特徴、構造、ルーチン、工程又は特性を任意適当な方法で組み合わせることができる。本明細書に示す表題は便宜的なものにすぎず、特許請求する技術の範囲又は意味を限定又は解釈することを意図するものではない。
【0012】
以下で説明する技術のいくつかの実施形態は、プログラマブルコンピュータ又はコントローラにより実行されるルーチンを含む、コンピュータ実行可能命令の形を取ることができる。当業者であれば、以下で図示及び説明する以外のコンピュータ又はコントローラシステム上でも本発明の技術を実施できると理解するであろう。本発明の技術は、以下で説明するコンピュータ実行可能命令の1つ又は2つ以上を実行するように特別にプログラム、構成、又は構築された専用のコンピュータ、コントローラ、又はデータプロセッサにおいて具体化することができる。従って、本明細書で一般的に使用する「コンピュータ」及び「コントローラ」という用語はあらゆるデータプロセッサを意味し、インターネット家電、ハンドヘルド装置、マルチプロセッサシステム、プログラム可能な消費者向け電子機器、ネットワークコンピュータ、及びミニコンピュータなどを含むことができる。本発明の技術は、通信ネットワークを通じてリンクされた遠隔処理装置によってタスク又はモジュールが実行される分散環境で実施することもできる。以下で説明する技術の態様は、磁気ディスク、又は光学的に読み取り可能なディスク、或いはリムーバブルコンピュータディスク、及びネットワークを介して電子的に分散された媒体を含むコンピュータ可読媒体上に記憶又は分散させることができる。特定の実施形態では、本発明の技術の態様に特有のデータ構造及びデータ伝送も、本発明の技術の範囲に含まれる。本発明の技術は、特定の工程を実行するようにコンピュータ可読媒体をプログラムする方法、及びこれらの工程を実行する方法をいずれも含む。
【0013】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置の1つの実施形態は、ヒトの皮膚と熱的に連通するように解放可能に位置決め可能なアプリケータを含む。この装置は、冷却剤を有する冷却剤容器と、冷却剤と流体的に接触しないように隔離された熱移送流体を有する熱移送導管とをさらに含む。この冷却剤容器と熱移送導管の間には、熱移送流体と冷却剤の間で熱を移送するように熱交換器が作動的に結合され、熱移送導管には、熱移送流体をアプリケータと熱交換器の間に差し向ける流体駆動装置が作動的に結合される。
【0014】
さらなる特定の実施形態では、冷却剤の液相/固相転移温度が、熱移送流体の液相/固相転移温度よりも高い。熱交換器は冷却剤容器内に位置決めされ、熱移送流体のためのシールされた閉ループ経路を熱移送導管及びアプリケータとともに形成する熱交換器導管を含む。従って、この装置全体を冷凍庫(例えば、家庭用冷凍庫)に入れて、ヒトの多脂質細胞の処置に備えて冷却剤を凍らせることができる。他の実施形態では、冷却剤を凍らせるため又は別様に冷却するために、装置の選択された構成要素のみが取外し可能である。
【0015】
本開示の特定の実施形態によるヒト組織を冷却する方法は、ヒトにアプリケータを解放可能に取付ける工程と、このアプリケータを介してヒトの皮下多脂質組織から熱を除去して、(例えば、冷却に対する身体の反応を通じて)この組織の多脂質細胞を選択的に減少させる工程とを含む。熱は、冷却した熱移送流体をアプリケータへ差し向けて、吸収した熱を熱移送流体から冷却剤に移送することによって除去される。特定の実施形態では、熱移送流体から熱を受入れる時に、冷却剤が固体のままであっても、液体のままであっても、又は固体から液体へ相を変化させてもよい。この方法は、冷却剤を再冷却する工程をさらに含む。本開示の別の実施形態による選択的方法は、冷却した熱移送流体を可撓性包囲体内に差し向けて、包囲体内の多孔の内部支持構造体に通す一方で、多孔の内部支持構造体が、包囲体内の流体圧力によって(a)包囲体が外向きに膨らむこと、又は(b)内部支持構造体が崩壊すること、或いは(c)(a)と(b)の両方を少なくとも制限することによって熱を除去する工程を含む。さらに別の方法は、冷却した熱移送流体を、アプリケータ内の各々が異なる弾性を有する2つの可撓性部分間に向ける工程を含む。
【0016】
理論に縛られるわけではないが、多脂質細胞上を冷却する選択的効果により、例えば、膜破壊、細胞収縮、無力化、損傷、破壊、除去、殺傷、又はその他の多脂質細胞の変質方法がもたらされると思われる。このような変質は、単独又は組み合わせで作用する1つ又は2つ以上の機構から生じると思われる。このような(単複の)機構は、非侵襲的冷却による多脂質細胞死の優性型であると思われるアポトーシスカスケードをトリガすると考えられる。これらの実施形態のいずれにおいても、組織冷却の効果は、多脂質細胞を選択的に減少させる点である。
【0017】
「プログラムされた細胞死」とも呼ばれるアポトーシスは、周囲組織への損傷を招くことなく細胞が自己破壊される、遺伝子誘発型の死機構である。秩序的な一連の生化学的事象が、細胞を形態的に変化させる。これらの変化は、細胞のブレブ形成、細胞膜の非対称性及び付着の喪失、細胞収縮、クロマチン凝縮、及び染色体DNA断片化を含む。寒冷暴露などの外的刺激を通じた損傷は、細胞内に細胞アポトーシスを誘発できる1つの機構である(非特許文献1)。
【0018】
細胞壊死(局所炎症を引き起こす外傷性形態の細胞死)とは対照的に、アポトーシスの1つの側面は、アポトーシス細胞が細胞膜の表面上に食作用マーカを発現させて表示し、従ってマクロファージによる食作用のためのマークを細胞に付けることである。その結果、食細胞は、(多脂質細胞などの)瀕死の細胞を、免疫反応を起こすことなく飲み込んで除去することができる。多脂質細胞においてこれらのアポトーシス事象を引き起こす温度は、皮下脂肪組織の長期的及び/又は恒久的な減少及び再形成に寄与することができる。
【0019】
冷却によるアポトーシス多脂質細胞死の1つの機構は、非多脂質細胞では結晶化を誘発しない温度における含脂肪細胞内の脂質の局所的結晶化を伴うと考えられている。結晶化脂質は、これらの細胞を選択的に傷つけてアポトーシスを引き起こすことができる(また結晶化脂質が含脂肪細胞の二重脂質膜を損傷又は破壊した場合、壊死性死を引き起こすこともできる)。別の傷害機構は、細胞の二重脂質膜内の脂質の脂質相転移を伴い、これが膜破壊又は膜機能障害を招き、これによりアポトーシスが起きる。この機構は、多くの細胞型に関して十分に裏付けされており、含脂肪細胞又は多脂質細胞が冷却されると活性化することができる(非特許文献2、3、4)。別の傷害機構は、カリウム(K+)又はナトリウム(Na+)などの所望のイオン濃度を維持するための、細胞膜を横切るイオン移動ポンプの機能障害を伴うことがある。細胞膜全体におけるイオン不均衡は、細胞の二重脂質膜内における脂質の脂質相転移又は別の機構に起因し、これによりアポトーシスが生じる場合がある。非多脂質細胞と比較した多脂質細胞の冷却に対する相対的感受性に基づく未だ理解されていない他のアポトーシス機構も存在し得る。
【0020】
多脂質細胞死に関与するアポトーシス機構に加え、局所寒冷暴露も多脂質細胞の脂肪分解(すなわち脂肪代謝)を引き起こすと考えられ、既存の脂肪分解を増進して皮下多脂質細胞の減少をさらに高める働きをすることが示されている(非特許文献5)。
【0021】
上述した技術の1つの期待される利点は、一般に同じ部位にある非多脂質細胞に付随的な損傷を与えずに皮下多脂質細胞を減少させることができる点である。一般に、多脂質細胞には、非多脂質細胞に影響が及ばない低温で影響を与えることができる。その結果、たとえ表面の非多脂質細胞が、多脂質細胞が晒される温度よりもさらに低い温度に晒されたとしても、セルライトに関連するような多脂質細胞は影響を受けることがあるが、一般に同じ部位にある他の細胞は損傷を受けない。
【0022】
〔2.単一ユニットとして構成されたアプリケータ、冷却剤容器及び熱交換器を含む代表的装置及び方法〕
図1は、装置100を部分的に破断した部分的な概略図であり、装置100は、ヒト組織110を冷却するために、冷却剤容器140に作動的に結合されたアプリケータ120を有している。特に、装置100は、皮下の多脂質組織112を、概ね上述した方法で且つ上にある真皮111に損傷を与えることなしに冷却するように構成されている。アプリケータ120は、熱移送流体155を運ぶ熱移送導管150によって、冷却剤容器140に結合されている。従って、熱移送導管150は、熱移送流体155をアプリケータ120に差し向ける供給部分151aと、アプリケータ120から出る熱移送流体155を受入れる戻り部分151bを含んでいる。熱移送流体155は、ポンプ又はその他の適当な装置などの流体駆動装置170によって、熱移送導管150内を推進させられる。熱移送導管150は、典型的には、周囲環境が熱移送流体155を加熱することをを防ぐために断熱されている。この装置の他の要素(組織110に接するアプリケータ120の冷却表面以外)も、熱損失及び着霜を防ぐために周囲環境から断熱されている。
【0023】
熱移送導管150は、熱交換器導管(例えば、チューブ)161を有する熱交換器160に接続され、熱交換器導管161は、冷却剤容器140の中に、又は、少なくとも部分的に冷却剤容器140の中に配置されている。冷却剤容器140は、冷却剤141を含み、冷却剤141は、熱交換器160と密接に熱的に接触しているが、熱交換器チューブ161内に収容されている熱移送流体155と流体的に直接接触しないように隔絶されている。従って、熱交換器160は、熱移送流体155と冷却剤141の間の熱移送を促進しながら、これらの流体が混合することを防ぐ。その結果、熱移送流体155の組成と異なる組成を有する冷却剤141を選択することができる。特定の実施形態では、通常の体温(約37℃)及び特定の実施形態では、約37℃〜約−20℃、又は約25℃〜約−20℃、又は約0℃〜約−12℃、或いは約−3℃〜約−6℃の範囲よりも低い(液体/ゲルから固体への)相転移温度を有する冷却剤141が選択され、冷却材141が固体から液体/ゲルに転移するとき、熱移送流体155に一定の温度環境を与える。この実施形態における熱移送流体155は、冷却剤141の相転移温度よりも低い相転移温度を有している。従って、冷却剤141又はその一部文が固体状態であるときでも、熱移送流体155は、流体状態のままである。その結果、冷却剤141が凍結していたり少なくとも部分的に凍結していたりするときにも、熱移送流体155は、熱移送導管150内を流れて、熱をヒト組織110から運び去る。
【0024】
作動の際、主要構成要素(アプリケータ120、熱移送導管150、熱交換器160、及び冷却剤容器140など)をユニットとして適当な冷環境に置くことによって、装置100の使用準備を整えるのがよい。特定の実施形態では、冷環境は、冷凍庫(例えば、家庭用冷凍庫)を含み、冷凍庫内の温度は、典型的には、冷却剤141を凍結させるのに十分な約−10℃〜約−20℃の温度範囲にある。冷却剤141を凍結させた後、装置100をユニットとして冷凍庫又はその他の冷環境から取出し、カフ又はその他の適当な取付け装置(例えば、Velcro(登録商標)クロージャ、バックル、又はその他の解放可能な要素)を使用して、アプリケータ120をヒト組織110に取付ける。選択的には、使用者は、アプリケータ120と皮膚の間にローションを塗布して、熱移送を促進させ且つ/又は保湿効果又はその他の美容効果を与えてもよい。使用者がローション又は別の中間物質を塗布するかどうかにかかわらず、アプリケータ120を、使用者の皮膚と熱的に連通させるように配置して、熱を多脂質組織112から効果的に除去する。次に、流体駆動装置170を作動させて、熱移送流体155を熱移送導管150内で駆動し、かくして、熱を皮下多脂質組織112から熱交換器160を介して凍結した冷却剤141に移送させる。冷却剤141が融解するとき、冷却剤容器140内の温度は、ほぼ一定のままであり、それにより、一定の又はほぼ一定の熱移送流体温度をヒト組織110に与える。ヒト組織110を、冷却剤141の一部又は全部を融解させる適当な時間にわたって冷却した後、矢印Aで示すように、装置100をユニットとしてヒト組織110から取外し、装置100を冷凍庫に入れることによって、冷却剤141を再凍結させる。従って、次の処置工程を行う前、冷却剤容器140の冷却能力を容易に回復又は再生することができる。適当な組織冷却期間は、冷却剤141の冷却能力を正しく選択することによって制御されてもよいし、図2を参照して後で詳細に説明するように、コントローラ及び/又はセンサを介して制御されてもよい。
【0025】
図1を参照して上述した特定の実施形態、及び、図2〜図8を参照して後で説明する特定の実施形態では、冷却剤141を熱移送流体155によって加熱すると、冷却剤141は、相を変化させ、その後、冷却剤141を冷却すると、冷却剤141は再び元に変化する。他の実施形態では、冷却剤141を、相変化を生じさせないように加熱及び冷却するのがよい。例えば、冷却剤141は、加熱工程及び冷却工程の両方にわたって、固相のままであってもよいし、液相のままであってもよい。このような場合、冷却工程は、それを冷凍庫で行っても又はその他の環境内で行っても、冷却剤を凍結させない。冷却剤141が固体のままである場合、その相転移温度は、熱移送流体の相転移温度よりも高い。冷却剤141が液体のままである場合、その相転移温度は、熱移送流体の相転移温度よりも高くてもよいし、それと等しくてもよいし、それよりも低くてもよい。このような場合、熱移送流体155及び冷却剤141は、互いに流体的に直接接触しないように隔絶されたままであり、異なる成分を有していてもよいし、同じ成分を有していてもよい。
【0026】
図2は、図1を参照して上述した一般的原理に従って作動する装置100の実施形態の部分的に破断した部分的な概略図である。従って、図2に示す装置100は、アプリケータ120と、熱交換器160及び熱移送導管150を介してアプリケータ120に熱的に接続された冷却剤容器140を含んでいる。
【0027】
図1及び図2の両方に示す装置100の1つの特性は、アプリケータ120をヒト組織110に接触するように最初に置いたとき、熱移送導管150及びアプリケータ120内の熱移送流体155が、装置100が置かれていた冷環境の温度又はそれとほぼ同じ温度であることである。少なくともいくつかの場合、この温度は、不快に感じるほど低いことがある。従って、装置100及びそれと関連する方法は、装置100を最初に使用するときに、使用者が潜在的に有害な効果又は不快に感じる冷たい感覚を受ける可能性を減少させる特徴を含むのがよい。特定の実施形態では、装置100は、供給部分151aを介してアプリケータ120に入る熱移送流体155を加熱するように配置されたヒータ152を含むのがよい。この構成により、熱移送流体155の温度を、少なくとも使用者の不快感を抑え及び/又は安全かつ効果的な処置を行うのに十分な量だけ上昇させるのがよい。この実施形態のさらなる特定の側面では、装置100は、熱移送流体の温度が最初に上昇している間、熱移送流体155を熱交換器160から離して分流させるように構成されるのがよい。この構成により、処置が始まる前、冷却剤141を不必要に融解させることを回避する。従って、装置100は、供給部分151aと戻り部分151bの間に熱交換器160と並列に接続され且つ熱交換器160を迂回する分流チャネル153を含む。分流チャネル153内の流れを調整する1つ又は2つ以上の分流弁154(2つを図2に示す)が配置され、例えば、最初の起動中、分流チャネル153を開放し又は部分的に開放し、次いで、アプリケータ120の温度が十分な量だけ上昇した後、分流チャネル153を閉鎖し又は部分的に閉鎖する。
【0028】
装置100は、コントローラ180を含み、コントローラ180は、ヒータ152、分流弁154及び/又は装置100のその他の要素を制御する。例えば、特定の実施形態では、コントローラ180は、タイマ要素184を有するマイクロプロセッサ183を含んでいる。例えば、流体駆動装置170を作動させることによって、装置100に動力を最初に供給するとき、マイクロプロセッサ183は、分流弁154を介して分流チャネル153を自動的に開き、ヒータ152を作動させる。ヒータ152及び分流チャネル153は、所定の期間、この形態のままであるのがよく、その後、マイクロプロセッサ153は、ヒータ152を不作動にする制御信号及び分流チャネル153を閉じる制御信号を自動的に送信する。従って、タイマ要素184は、ヒータ152が熱移送流体155を積極的に加熱している間の時間の経過を感知することによって、センサとして作動する。後で説明する他の実施形態では、1つ又は2つ以上のセンサが、装置100に関連するその他の特性を検出するのがよい。
【0029】
特定の実施形態では、マイクロプロセッサ183は、1つ又は2つ以上の温度センサ186から受取った入力181に基づいて、制御信号182を送信するのがよい。例えば、装置100は、アプリケータ120のところに配置された第1の温度センサ186aを含むのがよい。マイクロプロセッサ183は、第1の温度センサ186aが、アプリケータ120をヒト組織110に接触させて配置するのに適した温度を示すまで、ヒータ182及び分流チャネル183を自動的に作動させるのがよい。装置100は、冷却剤容器140(例えば、冷却剤141の中心)のところに配置された第2の温度センサ186bを含むのがよい。従って、マイクロプロセッサ183は、第2の温度センサ186bが一定の及び/又は適当に低い温度を示している間、流体駆動装置170を作動させる制御信号182を送信するのがよい。冷却剤141が完全に融解したことを示す温度上昇を第2の温度センサ186bが識別したら、マイクロプロセッサ183は、流体駆動装置170を自動的に不作動にする。加熱及び冷却中に相を変化させる冷却剤141が選択されない場合、マイクロプロセッサ183は、冷却剤141の温度が閾値温度を超えた時に流体駆動装置170を不作動にするのがよい。コントローラ180は、装置100の作動モード又は作動状態を示す出力装置185を含むのがよい。例えば、出力装置185は、視覚信号(例えば、様々な色のLEDによるもの)及び/又は聴覚信号(例えば、音声スピーカによるもの)を表示して、アプリケータ120をヒト組織110に当てる準備が整ったとき、処置プログラムが終了した時、及び/又は、装置の任意の構成要素の温度又はその他の特性が予め選択された範囲外にあるときを知らせるのがよい。
【0030】
さらに別の実施形態では、コントローラ180は、熱移送流体155の初期温度を操作するための単純な工程を指示するのがよい。特に、コントローラ180は、第1の温度センサ186aが供給する温度信号を、流体駆動装置170を作動させることなしに且つヒータ152又は分流チャネル153を必要とすることなしに、監視するのがよい。その代わりに、コントローラ180は、第1の温度センサ186aが検出するように、周囲条件により熱移送流体155を許容温度まで上昇させるとき、(出力装置185によって示される)出力を発生させてもよい。選択的には、使用者は、熱を外部熱源によりアプリケータ120及び/又は熱移送導管150に付与することによって、上記工程を加速させてもよい。この方法の利点は、上述した一体型ヒータ152よりも単純であることである。それとは逆に、コントローラ180の指示の下において、ヒータ152は、信頼性が高まり、より迅速であり、少なくとも部分的な理由は、ヒータ152が、熱移送導管150及びその他の装置構成要素の周囲に設けられた断熱部の中に配置されるからである。
【0031】
装置100は、一様な熱分配及び熱移送を促進させるように構成された様々な特徴を含むのがよい。例えば、熱交換器160は、フィン165を熱交換器チューブ161の上に含み、それにより、熱を熱移送流体155と冷却剤141の間で移送するのに利用できる表面積を増やす。また、冷却剤容器140は、第1の撹拌器101aを含み、第1の撹拌器101aは、融解冷却剤141を冷却剤容器140内で分散させ、容器140内において一層均一な温度及び熱移送速度を行うのがよい。1つの実施形態では、第1の撹拌器101aは、磁気駆動式装置を含み、冷却剤容器140の外側に位置する第1のアクチュエータモータ102aに磁気的に結合されるのがよい。従って、第1の撹拌器101aは、冷却剤容器140内に刺し込まれるシール式駆動軸を必要とすることなしに作動する。同様の構成をアプリケータ120に使用してもよい。特に、アプリケータ120は、第2の撹拌器101bを含み、第2の撹拌器101bは、熱移送流体155をアプリケータ120内で均一に分散させるように第2のアクチュエータモータ102bによって駆動されるのがよい。第2の撹拌器101bに加えて又はその代わりに、適当に配置した内部流路を使用して、熱移送流体155をアプリケータ120内で一様に分散させてもよい。かかる特徴を含む代表的な装置は、Breg Polar Care社(bregpolarcare.com)から入手可能な型番10240のパッドである。アクチュエータモータ102a、102bは、電源コード173に作動的に結合され、電源コード173は、電力を流体駆動装置170及びヒータ152に供給する。他の実施形態では、装置100は、アプリケータ120及び/又は冷却剤容器140内の流体を撹拌及び/又は分散させるその他の要素を含むのがよい。かかる要素は、液体ジェット、シャフト駆動式攪拌器、ピストン、冷却剤容器140内の冷却剤141の固体及び/又は液体部分を移動させるその他の装置、及び/又は、冷却剤容器140自体又は冷却剤容器内の熱交換器160を振動させ、揺らし、傾け、又はその他の仕方で動かすアクチュエータを含む。
【0032】
上で注目したように、処置の前および後、アプリケータ120、熱移送導管150、熱交換器160、及び冷却剤容器140をユニットとして標的組織110と冷凍庫又はその他の冷環境の間で移動させることができる。特定の実施形態では、図2に示す装置100の残りの構成要素又は要素を冷凍庫内に配置してもよい。例えば、流体駆動装置170が、ポンプモータ172によって駆動されるポンプ171を含むとき、これらの構成要素もコントローラ180と一緒に冷凍庫内に配置してもよい。他の実施形態では、装置100の残りを冷凍庫内に配置する前、1つ又は2つ以上の構成要素を取外すのがよい。例えば、矢印Bで示すように、電源コード173をモータ172及びその他のシステム構成要素から接合部B1のところで取外すのがよい。別の実施形態では、矢印Cで示すように、ポンプモータ172を装置100から接合部C1のところで取外すのがよい。例えば、ポンプモータ172をポンプ171に、概略的には上述した攪拌器の仕方で磁気的に結合させ、モータ172の接続及び分離を容易にするのがよい。この実施形態のさらに別の側面では、コントローラ180及び/又はその構成要素は、モータ172によって支持され、従って、モータ172と一緒に装置100から取外される。
【0033】
プロセッサに基づく自動制御システムと関連して上述したいくつかの特徴は、他の実施形態では、プロセッサを使用することなしに手動で作動されてもよい。例えば、分流弁154は、自動調温式ラジエータ弁、又は、プロセッサを必要とせずに弁を自律的に駆動する一体統合温度センサ(例えば、機械式サーモスタット)を有する同様の弁を含む。他の実施形態では、冷却剤141が相変化したとき、冷却剤141が色を変化させ、それにより第2の温度センサ186bの必要性をなくすのがよい。この実施形態の1つの側面では、冷却剤141は透明であり、それにより、使用者が、冷却剤141を凍結させたときと冷却剤141が融解したときの両方を容易に見ることを可能にする。装置100が冷却剤141を時間の経過とともに失う場合、冷却剤容器140は、充填/ドレインポート142を含むのがよい。この実施形態の特定の側面では、冷却剤容器140が透明であることに加えて又はその代わりに、充填/ドレインポート142が、取外し可能な透明のプラグ148を有するのがよい。同様に、熱移送流体155は、それが組織110を正しく冷やすのにもはや適していない温度に達したときに色を変化させる成分を含んでいてもよい。アプリケータ120及び/又は熱移送導管150(又はその一部)を透明にして、使用者が、温度閾値を超えたときを容易に決定することを可能にするのがよい。
【0034】
冷却剤141及び熱移送流体155は両方とも、高い熱伝導率を有するように選択される。冷却剤141に適した成分は、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、塩、及び/又はその他の成分と混合した水を含む。少なくともいくつかの実施形態では、同じ成分を有する熱移送流体155を使用してもよいが、成分の比率(従って、熱移送流体の全体組成)は、より低い液相/固相転移温度を生じさせるように選択される。熱移送流体155及び冷却剤141は両方とも、高い熱伝導率を有し且つ漏れた場合に毒性を低くするように選択されるのがよい。これらはいずれも、藻類の形成及び/又は他の望ましくない生物形態の繁殖を制限し又は防止するために、抗菌剤を含むのがよい。冷却剤141は、熱移送流体155からより良く熱を吸収するために、高い熱容量を有するように選択されるのがよい。熱移送流体155は、ヒータ152を作動させたときにすぐに温まるように、比較的低い熱容量を有するのがよい。熱移送流体155はまた、熱移送導管150、熱交換器160、及びアプリケータ120の中を流れ易くするために、作動温度において低い粘性を有するように選択されるのがよい。任意のこれらの実施形態では、冷却剤141を入れた冷却剤容器140は、可撓性であり且つ弾性であり、及び/又は、冷却剤141の相が変化したとき際の体積変化に順応するための通気孔又はその他の特徴部を含むのがよい。
【0035】
図3は、図2を参照して上述した装置100の実施形態の部分的に概略的な斜視図である。図3に示すように、アプリケータ120は、全体的に可撓性の構成を有し、それにより、アプリケータ120を、それが付けられる組織の形状に一致させることを可能にする。取付け装置123は、アプリケータ120を組織に解放可能に取付け、従って、ストラップ(例えば、Velcro(登録商標))、カフ(例えば、血圧カフとほぼ同様のもの)、又は別の適当な装置を含む。冷却剤容器140は、冷却剤容器ハウジング143に収容され、冷却剤容器ハウジング143は、支持構造体121に取付けられ、そうでなければ支持構造体121を含む。支持構造体121は、少なくとも部分的に可撓性であるので、支持構造体121がアプリケータ120に取付けられたとき、支持構造体121は、ヒト組織に一致させるアプリケータ120の能力を過度に抑制しない。1つの実施形態では、支持構造体121及び冷却剤容器ハウジング143は、アプリケータ120に対して離れて支持されるのがよい。別の実施形態では、選択的な発泡層又はその他の可撓性の層122(例えば、膨張可能な空気ブラダ)が、支持構造体121とアプリケータ120の間に位置決めされ、冷却剤容器ハウジング143に対して曲がるアプリケータ120の性能をさらに促進させるのがよい。
【0036】
図3に示す実施形態の1つの側面では、電源コード173がポンプモータ172に解放可能に直接取付けられ、かくして、装置100を冷凍庫内に配置する前に電源コード173を取外すことを可能にする。電源コード173は、AC出力に直接接続され、ポンプモータ172がDCモータであれば、DCコンバータを含むのがよい。ポンプモータ172がハウジング143内に配置された充電式バッテリに結合されている場合、電源コード173を使用して、バッテリを再充電するのがよい。
【0037】
この実施形態の別の側面では、ポンプモータ172自体を電源コード173と一緒に冷却剤容器ハウジング143から、概ね図2を参照して上述した仕方で取出すのがよい。この実施形態のさらに特定の側面では、コントローラ180(図3では見えない)及びそれと関連した出力装置185は、ポンプモータ172によって支持され、従って、ポンプモータ172と一緒に冷却剤容器ハウジング143から容易に取出される。
【0038】
図1〜図3を参照して上述した装置100の特定の実施形態の1つの特徴は、アプリケータ120、冷却剤容器140、熱交換器160、及び熱移送導管150を分離不能なユニットとして(少なくとも通常使用時には)構成されることである(メンテナンス又は修理工程中に必要であれば、公認のサービス担当者によって構成要素を分離できる)。従って、これらの構成要素は、熱移送流体155のためのシールされた閉ループ経路を形成する。この特徴の利点は、使用が容易な点である。具体的には、使用者は、装置100全体(又は少なくとも上記の構成要素)を、冷却剤141が凍結するまで冷凍庫又はその他の冷環境内に配置し、その後、装置100全体をユニットとして冷凍庫又はその他の冷環境から取出し、その後、標的組織を冷却するのがよい。この構成は容易に使用できるので、家庭での使用に特に適している。この構成は、(いくつかの実施形態では)取外し可能な構成要素又は分離可能な流体接続を含まないので、かかる構成要素又は流体接続を含むシステムよりも堅固であると予想される。冷却剤141は、一定の液相/固相転移温度を有するので、装置100は、熱移送流体155の温度を低い能動的制御レベルで容易に制御し、また相転移温度よりも低い温度の任意の環境において装置100を熱的に再充填するのがよい。
【0039】
上述した装置100の特定の実施形態の別の特徴は、熱移送導管150及び熱交換器管161に短い長さ及び/又は小さな直径を使用し且つアプリケータ120に低い(例えば薄い)輪郭を使用することにより、システム内に含まれる熱移送流体155の容量を比較的小さくすることができる点である。従って、冷却剤141は、熱移送流体155及びアプリケータ120の有効熱移送面全体をより素早く冷却することができる。熱移送流体155の熱質量を低くすることにより、装置100を冷凍庫から取出した後にアプリケータ120の温度を快適レベルに上昇させるのに必要な時間及び/又はエネルギーの量も減少する。
【0040】
上述した装置100の特定の実施形態のさらに別の特徴は、装置のユニット構成によってコンパクトなサイズ、従って、ちいさい嵩になると期待されることである。これらの特徴により、装置を冷凍庫(例えば、家庭用冷凍庫)ないに位置決めすることを容易にし、また、使用中、装置の着用をより快適に且つ便利にすることができる。
【0041】
上述した実施形態の少なくともいくつかのさらに別の特徴は、装置が簡単であることにより、製造コスト、従って、使用者にかかるコストを削減できる点である。少なくともいくつかの実施例では、装置は、それを修理するよりも交換した方が安価であるので、上述した実用的な構成要素の特徴を含む必要はない。装置は、閾値有効性又は有用寿命の予測期間を越える使用を防ぐために、予め決められた使用回数の後で作動する自動ロックアウト又はシャットダウン機能を含むのがよい。
【0042】
〔3.分離可能な冷却剤容器を含む代表的な装置及び方法〕
図4は、図1〜図3を参照して上述した構成と異なり、使用者が取外し可能な又は分離可能な冷却剤容器440を有する装置400の実施形態の部分的に概略的であり且つ部分的に破断した図である。特に、装置400は、冷却剤容器440の外部に配置された熱交換器導管(例えば、チューブ)461を有する熱交換器460を含み、熱的な再充填又は再生のために、冷却剤容器440を(矢印Dで示すように)装置400から取外すことを可能にする。従って、冷却剤141を再冷却(例えば、再凍結)するために、冷却剤容器440を冷環境(例えば、冷凍庫)内に配置し、装置400全体を冷環境内に配置しない。この構成は、冷凍庫空間が限られるために冷却剤容器440だけを冷凍庫に配置することが有利な適用例に適している。その結果、装置400のいくつかの側面は、図1〜図3を参照して上述した装置100よりも簡単である。例えば、熱移送導管150は、冷却剤容器440と一緒に冷却されず、従って、図2を参照して上述したヒータ152及び/又は分流チャネル153及分流弁154の必要がなくなる。逆に、図1〜図3を参照して上述した構成の利点は、冷却剤容器140を冷却するとき、熱交換器チューブ161と冷却剤容器140の間の境界面を乱す必要がない点である。図5A〜図6Bを参照して後でさらに説明するように、装置400のいくつかの側面は、熱交換器460と冷却剤容器440を分離して再び取付けることによる潜在的影響を緩和するように設計される。
【0043】
図5Aは、冷却剤容器440及び熱交換器460の実施形態の拡大部分概略図であり、熱交換器管461は、冷却剤容器440の外面の周りに配置されている。特に、熱交換器管461は、冷却剤容器440の長手方向軸線に沿って上向き及び下向きに延びる蛇行形状を有するのがよい。熱移送流体155は、矢印Eで示すように、熱移送導管461の中を通る。熱交換器460から冷却剤容器440を取外すために、使用者は、冷却剤容器440を図5Aの矢印Dで示すように上向きに引く。熱交換器管461は「バネの性質」を有するのがよく、従って、冷却剤容器440の方へ内向きに弾性的に付勢され、冷却剤容器440を適所に解放可能に固着し、熱交換器管461と冷却剤容器440の外面を密接に熱的に接触させるのがよい。この特徴は、熱交換器管461と冷却剤容器440の外面の間の「擦れる」機械的な接触を促進し、霜の堆積又はその他の残留物を除去して、これらの構成要素が連結された時の良好な熱的な接触を確実にする。以下、上述した構成のさらなる詳細について図5Bを参照しながら説明する。
【0044】
図5Bは、実質的に図5Aの線5B−5Bにおける、熱交換器460及び冷却剤容器440の部分的な概略断面図である。図5Bに示すように、冷却剤容器440は、一連の凹部449を含む外面を有し、凹部は、各々が熱交換器管461の一部を受入れるように寸法及び位置が決められている。冷却剤容器440の外面は、第1の熱移送面462aを含み、第1の熱移送面462aは、それに対応する熱交換器管461の第2の熱移送面462bと密接に熱的及び物理的に接触するのがよい。従って、この構成は、熱交換器管461内の熱移送流体155と冷却剤容器440内の冷却剤141の間で熱を容易に移送する。冷却剤容器440は、冷却剤141の液体部分を、図2を参照して上述した方法とほぼ同様の方法で均一に分散させるための特徴(例えば、撹拌器)を含むことができる。
【0045】
図6A及び図6Bは、本発明の技術の別の実施形態による、熱交換器660に取外し可能に装着された冷却剤容器640の別の構成を示す。この実施形態の1つの態様では、冷却剤容器640は、垂直に延びる複数のブラインドチャネル644を含み、ブラインドチャネル644は、熱伝導性チャネル壁645によって少なくとも部分的に定められる。熱交換器660は、熱伝導性熱交換器管661を含み、熱伝導性熱交換器管661は、熱移送流体155をブラインドチャネル644内へ差し向け、それから外部に差し向ける。特に、熱交換器管661は、ブラインドチャネル644内に延びて供給マニホルド663aに結合された供給部分664aを含むのがよい。熱交換器管661は、ブラインドチャネル644の各々の中に延び且つ戻りマニホルド663bに連結された戻り部分664bをさらに含むのがよい。特定の実施形態では、戻り部分664bは、それに対応する供給部分664a内に環状に内側に配置される。従って、熱移送流体は、矢印Eで示すように、供給部分664aに入り、ブラインドチャネル644内を上昇し、その後、戻り部分664bを通って下降する。冷却剤容器640を、矢印Dで示すように、熱交換器660から上向きに引張って離すことによって、冷却剤容器640を熱交換器660から取外し、ブラインドチャネル644が、それに対応する供給部分664aと整列した状態で、冷却剤容器640を、熱交換器660を覆うように下向きに配置することによって、冷却剤容器640を交換する。ブラインドチャネル644及びそれに対応する供給部分664aは、先細及び/又は別様に偏向させて互いに接触させ、熱接触を促進させ、任意の要素の表面から霜を機械的に剥取ることを促進させる。
【0046】
図6Bは、実質的に図6Aの線6B−6Bにおける、冷却剤容器640及び熱交換器660の部分概略断面図である。図6Bに示すように、ブラインドチャネル664は、供給部分664aの外面と密接に熱的に接触する熱伝導性チャネル壁665を含む。矢印Eは、熱移送流体155の、供給部分664aから戻り部分664bへ移動するときの径方向内向きの経路を示す。
【0047】
〔4.分離可能な冷却剤容器及び熱交換器を含む代表的な装置及び方法〕
図7は、解放可能な結合部756を有する装置700の部分的且つ概略的な図であり、結合部の一方は、熱交換器760と冷却剤容器740の間に位置し、結合部の他方は、熱交換器760と熱移送導管150の間に位置する。従って、解放可能な結合部756は、熱移送導管150の供給部分151aに供給結合部757aを含み、熱移送導管150の戻り部分151bに戻り結合部757bを含む。結合部757a、757bは、任意適当な流体シールされた、容易に解放及び再取付けできる要素を含むのがよい。例えば、結合部757a、757bは、静脈内流体接続に使用するものとほぼ同様の簡易脱着式結合部を含むのがよい。
【0048】
図7に示す実施形態の1つの特徴は、図4〜図6Bを参照して上述した実施形態と同じように、冷却剤141を再固化又は別様に再冷却するために装置700全体を冷凍庫又はその他の冷環境内に配置する必要がない点である。また、装置700は、冷却剤容器740を再充填するために、熱交換器760と冷却剤容器740の間の熱接続部を変化させる必要がない。逆に、図1〜図6Bを参照して上述した構成の利点は、流体導管を連結及び切断する必要がない点である。
【0049】
図8は、実質的に図7の線8−8における、熱交換器760及び冷却剤容器740の部分的な概略断面図である。図8に示すように、冷却剤容器740は、表面の一部を覆う断熱部分747aを有する容器壁746と、熱交換器管761に隣接する領域内の伝導性部分747bとを含むのがよい。例えば、断熱部分747aは、熱交換器管761から熱を受取った場合を除いて冷却剤容器740への熱移送を防止又は少なくとも制限するために、熱伝導性の低いプラスチックなどの材料を含むのがよい。伝導性部分747bは、冷却剤141と熱交換器管761の間で容易に熱を移送する銅又は別の熱伝導性の高い材料を含むのがよく、この熱交換器管761も、銅又は別の熱伝導性の高い材料を含むのがよい。熱交換器管761は、伝導性部分747bとの間に高い熱伝導性を有するように伝導性部分747bに溶接又は別様に密接に結合されるのがよい。他の実施形態では、熱交換器管761は、例えば鋳造工程で伝導性部分747bと一体に形成されたチャネルの形を取るのがよい。
【0050】
冷却剤141は、作動中に相変化するように選択された場合、一般に冷却剤141が融解し始めると容器壁746から離れて位置する固体成分141aと、一般に容器壁746の内面及び容器壁の伝導性部分747bに接する液体成分141bとを含むのがよい。上述したように、冷却剤容器740は、液体成分141bを循環させ、固体成分141aを移動させ、及び/又は冷却剤容器740を振動又は別様に動かすことによって冷却剤容器740内の均一な熱移送の分散を増進する撹拌器又はその他の装置を含むのがよい。
【0051】
〔5.代表的アプリケータ及び関連方法〕
図9〜図11は、図1〜図8を参照して上述した任意の装置の一部を形成するアプリケータの特定の特徴を示す。他の実施形態では、これらのアプリケータは、図1〜図8を参照して明確に図示及び説明した装置以外の装置と一緒に使用されてもよい。アプリケータのサイズ及び形状は、使用者の生理機能及びアプリケータが取付けられる使用者の身体上の位置に基づいて選択されるのがよい。
【0052】
図9は、包囲体924を含むアプリケータ920を示し、包囲体924は、熱移送流体供給部分151aに結合された入口ポート928aと、戻り部分151bに結合された出口ポート928bを有している。包囲体924は、ヒト組織110に接する可撓性の第1の部分925と、ヒト組織110から遠ざかる方に面する可撓性の第2の部分926を含むのがよい。可撓性の第1の部分925は、可撓性の第2の部分926に接着、熱溶接、又はその他の適当な工程によって形成された結合部927のところで取付けられるのがよい。可撓性の第1の部分925は、第1の弾性を有し、可撓性の第2の部分926は、第1の弾性よりも小さい第2の弾性を有する。従って、少なくともいくつかの実施形態では、第2の部分926は非弾性であってもよい。本明細書で使用するように、用語「非弾性」は、アプリケータ920が通常の作動圧力を受けるときに伸びない材料又はわずかな量しか伸びない材料に適用する。本明細書で使用するように、用語「弾性」は、患者への装置の取付け及び/又は熱移送流体155によって生じる通常の作動圧力をアプリケータが受けるときに伸びる材料に適用する。可撓性の第1の部分925は、可撓性の第2の部分926よりも弾性が大きいので、可撓性の第1の部分925は、ヒト組織110の局所形状に容易に一致する。特に、可撓性の第1の部分925は、その下に位置する組織110に、いくつかの既存の装置において形成されるしわ930(図9に点線で示す)を形成することなしに一致し、かかるしわ930は、皮膚/アプリケータの熱接触及び/又はアプリケータ920内の内部流れを阻害する可能性がある。その結果、可撓性の第1の部分925は、ヒト組織110と緊密に熱接触したままである可能性が高く、従って、熱をヒト組織110から遠ざける方向により効率的に移送する。可撓性の第2の部分926は、ヒト組織110の輪郭に順応するように曲がるのがよく、このとき、可撓性の第2の部分926は、全く伸びることがなく、又は、(例えば、アプリケータ920の端部において)包囲体を組織110から遠ざかる外向きに膨らませ、それにより、包囲体924(特に、熱移送流体155)と組織110の間の熱接触の程度を減少させることがあるように伸びることがない。
【0053】
特定の実施形態では、可撓性の第2の部分926が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ビニル、及び/又は別の適当なプラスチックのフィルムを含むのがよい。可撓性の第1の部分925は、ラテックスゴム、ニトリル、ポリイソプレン、ウレタン、及び/又は別の適当なエラストマ材料を含むのがよい。選択的には、弾性メッシュ929が、可撓性の第1の部分925(又は包囲体924全体)に隣接して位置決めされ、弾性メッシュ929は、弾性ナイロン、ゴム、及び/又はその他の適当な弾性材料を含むのがよい。弾性メッシュ929は、可撓性の第1の部分925が取扱中に過度に摩耗すること及び/又は膨らむことを防ぐこのがよい。従って、弾性メッシュ929は、強いけれども、アプリケータ920と組織110との間の熱移送工程を著しく妨げることを回避するのに十分な薄さを有するのがよい。
【0054】
特定の実施形態では、アプリケータ920はまた、組織110に一致する包囲体924の性能を妨げることなしに、包囲体924をさらに支持する可撓性の支持構造体921を含むのがよい。支持構造体921はまた、アプリケータ920を組織110に固着させる解放可能な結合部(例えば、カフ)として機能するのがよい。任意のこれらの実施形態では、支持構造体921は、予め形成された形状(例えば、下向きの凹形状)を有し、予め形成された形状に弾性的に付勢されるのがよい。従って、アプリケータ920は、凸状の組織表面により容易に一致する。特定の実施形態では、異なる形状を有する複数のアプリケータが、同様の種類の冷却装置全体に結合され、システムの共通性及び互換性を有するのがよい。
【0055】
図10は、アプリケータ1020の部分的且つ概略的な断面図であり、アプリケータ1020は、包囲体1024と、図9を参照して上述した支持構造体とほぼ同様の外部支持構造体1021aと、包囲体1024内に配置された内部支持構造体1021bを有している。内部支持構造体1021bは、多孔であるのがよい、例えば、いくつかの実施形態では、50%又はそれ以上の多孔率を有し、特定の実施形態では、約75%〜約95%の多孔率を有する。従って、内部支持構造体1021bは、熱移送流体155の流れを過度に制限することなしに、熱移送流体155を入口ポート1028aから出口ポート1028bまで包囲体1024全体にわたって拡散させる。内部支持構造体1021bのために選択される特定の多孔率の値は、熱移送流体155の粘性及び/又は流量を含むファクタに依存する。特定の実施形態では、内部支持構造体1021bは、矢印Fで示すように互いに対して摺動する1つ又は複数の層1031(説明の目的で、3つの層を図10に示す)を有する多孔マトリックス材料を含むのがよい。さらに特定の実施形態では、包囲体1024が過度に伸びることを防ぐために、内部支持構造体1021bは、包囲体1024の内面に取付けられる。包囲体1024はまた、包囲体の上面から内部支持構造体1021bの中を通って包囲体の下面に延びる離間接続部1035(例えば、ステッチ又は有孔板)を含むのがよく、離間接続部1035は、包囲体1024が熱移送流体155で加圧されるとき、包囲体1024が膨らむことを防止又は制限するけれども、層1031が互いに対して横方向に摺動することを可能にする。従って、アプリケータ1020が上流の流体駆動装置1070aに結合されるとき、流入する熱移送流体155が包囲体1024に及ぼす圧力により包囲体1024を膨張させる可能性は低い。
【0056】
内部支持構造体1021bは、膨らみ又は膨張を抑制することに加えて又はその代わりに、座屈を抑制するのがよい。例えば、内部支持構造体1021bは、アプリケータ1020が下流の流体駆動装置1070bに結合されており且つ熱移送流体155が出口ポート1028bから引かれるときに、包囲体1024がそれ自体(例えば、包囲体1024が熱移送流体155の流れを妨げる地点)の上に外部の周囲圧によってつぶれないように十分に大きい座屈強度を有するのがよい。特定の実施形態では、熱移送流体155は、包囲体1024の外側の圧力よりも最大約2psi(0.014MPa)低い圧力によって引かれるのがよい。他の実施形態では、上述した圧力差は、包囲体1024がそれ自体の上につぶれなければ、最大約5psi(0.034MPa)又は約10psi(0.069MPa)であってもよい。これは、包囲体が正の内圧によって膨張しないように保つのに役立つ。下流の流体駆動装置1070bの別の利点は、包囲体1024に孔が意図せずにあいた場合、下流の流体駆動装置1070bが空気を孔から吸引しながら、上流の流体駆動装置1070aが熱移送流体155を孔からポンプ送りし続けることである。
【0057】
図11は、図10において丸で囲まれたアプリケータ1020の部分の部分的且つ概略的な拡大図である。図11に示すように、内部支持構造体1021bは、それ全体にわたって分布する小孔1034を含むのがよい。小孔1034は、組織110との境界面において、略半球形の窪みの分布配列を形成するのがよい。包囲体1024が非弾性材料を含むとき、非弾性材料は、それが組織110の凸部の上に折曲げられるときにしわを形成する傾向がある。小孔1034は、包囲体1024の表面に沿って形成される小さい「微小しわ」1033を収容し又は受入れるように十分に小さい。図9を参照して上述したしわ930と異なり、微小しわ1033は、非常に小さく、従って、アプリケータ内の内部流れを著しく妨げるわけでもないし、包囲体1024内の熱移送流体155と包囲体1024の外部の組織110との間の熱移送の一様性を著しく乱すわけでもない。実際、微小しわ1033は、包囲体材料のしわ形成効果をより広い面積にわたって分散させ、それにより、この効果が流体の流れ及び熱移送に与える全体的影響を減少させる。特定の実施形態では、微小しわ1033は、熱硬化工程を使用して包囲体材料に予め決められた略半球の形状を有するのがよい。他の実施形態では、微小しわ1033の形状及び/又は形成工程は異なっていてもよい。さらに別の実施形態では、患者の組織に接する包囲体1024の部分全体は、包囲体が患者の組織に接して配置されるように維持される予め決められた又は形成された形状(例えば、半球形状又はその他の凹形状)を有するのがよい。
【0058】
特定の実施形態では、内部支持構造体1021bは、Glit/Microtron社から入手可能なTN Blue 非摩耗不織ポリエステルパッドを含むのがよい。この材料は、0.006インチ〜0.012インチ(0.15〜0.30ミリメートル)の厚さのポリエーテルポリウレタン膜包囲体1024に入れられた多数の層(例えば、各々が0.35インチ(8.9ミリメートル)の厚さを有する2つの層)で作成される。材料が繊維性に構成されていることによってすでに多孔の内部支持構造体1021bにさらに孔パターンを形成して、包囲体1024の主要面に対してほぼ垂直に配向された均一に離間した小径孔を形成するのがよい。これらの孔は、内部支持構造体1021bを容易に屈曲させて凸形状及び/又は凹形状に適合するようにすることができる。結果として得られるアプリケータ1020の比較的薄い全体寸法(例えば、約0.25インチ〜から約0.50インチ(約6.35〜約12.7ミリメートル))は、アプリケータ1020が人体構造に容易に一致させることが期待される。内部支持構造体1021bの低い流れインピーダンスは、隣接する組織を適切に冷却するのに適した毎分約0.1〜約5リットルの流量を可能にすると期待される。また、繊維性多孔構造の三次元性は、アプリケータ1020内の熱移送流体155の均一な分散を容易にし、隣接する組織110のより均一な処置を実現することができる。
【0059】
内部支持構造体1021bの多孔率は、アプリケータ1020の1つの部分と別の部分の間で変化してもよく、及び/又は熱移送流体155に望まれる局所的な流れ方向に応じて変化してもよい。例えば、内部支持構造体1021bの多孔率は、アプリケータ1020の周辺領域の組織からの熱移送を増進するように、例えば、これらの領域の周囲環境への予測される熱移送損失の増加を補うように選択される。多孔率は、内部支持構造体1021b内の孔の数及び/又はサイズ、並びに孔の空間的配向を調整することによって変更するのがよい。
【0060】
以上、本明細書では、本発明の技術の特定の実施形態を例示目的で説明したが、本発明の技術から逸脱することなく様々な修正を施すことができると理解されよう。例えば、上述した装置は、皮下組織を冷却することに加えて、振動効果、マッサージ効果、及び/又は拍動効果を生みだすための機械的エネルギーを与える構成要素を含むこともできる。代表的な構成要素が、米国特許第7,367,341号(特許文献5)及び同一出願人による米国特許出願公開第2008/0287839号(特許文献7)に記載されており、これらの両特許は引用により本明細書に組み入れられる。上述した装置のいくつかの特徴は、これらの装置を特に家庭での使用に適するようにするものであるが、このような特徴は、これらの装置が病院又は診療所環境で使用されることを除外するものではない。このような実施形態では、装置又は装置の一部を、商用、臨床用、又は施設用冷凍庫及び/又は冷却器内で冷却することができる。上述した構成要素の多くの形状、サイズ、及び組成は、これらが同じ又はほぼ同様の機能を提供する限り、上述したものとは異なってもよい。例えば、上述した導管及び管体は、同様に流体を効果的に運ぶ他の形状又は配置を有していてもよい。流体駆動装置は、例えば、熱移送流体を運ぶ熱交換器に接続することにより、又はアプリケータに接続することにより、熱移送導管に直接接続することなくこれに作動的に結合してもよい。コントローラは、具体的に上述した以外の制御方式を実施することができ、及び/又は温度センサ及び時間センサに加えて又はこれらの代わりに、具体的に上述した以外のセンサ(例えば、圧力センサ)に結合して、冷却装置に関連する変化を検出してもよい。コントローラは、場合によっては使用者入力を受入れることができるが、ほとんどの場合、装置の使用を単純化するために自律的に作動してもよい。上述したように、いくつかの実施形態における冷却剤は、加熱又は冷却中に相変化してもよく、これにより冷却工程で凍結又は固化されてもよい。相変化が生じない他の実施形態では、冷却工程によって冷却剤が凍結又は固化されない。
【0061】
特定の実施形態との関連で説明した技術のいくつかの態様を、他の実施形態では組み合わせてもよく、又は排除してもよい。例えば、図9〜図11との関連で上述したアプリケータを、図1〜図8を参照して上述した装置のいずれかとともに使用してもよい。図8の内容で説明した熱交換器管と冷却剤容器の間の熱接続を、図1〜図3の内容で図示及び説明した構成に適用することもできる。いくつかの実施形態との関連で説明したヒータ及び流れ撹拌器を、他の実施形態では排除することもできる。さらに、本発明の技術のいくつかの実施形態に関連する利点を、これらの実施形態との関連で説明したが、他の実施形態もこのような利点を示す可能性があり、また必ずしも全ての実施形態が本開示の範囲に含まれるこのような利点を示す必要はない。従って、本開示及び関連技術は、本明細書で明示的に図示又は説明していない他の実施形態を含むこともできる。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年1月25日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第61/298,175号及び2010年6月14日に出願された米国仮特許出願第61/354,615号に基づく優先権を主張し、これらの特許出願の各々を本明細書に援用する。上記援用及び/又は引用により本明細書に組み入れられる他の任意の文献内の資料が本開示と矛盾する限りにおいては、本開示が優先する。
【0002】
本出願は、一般に、熱を皮下多脂質細胞から相変化冷却剤を介して非侵襲的に除去するための家庭用アプリケータ、並びにそれと関連した装置、システム及び方法に関する。詳細には、いくつかの実施形態は、従来の商用、臨床用、施設用、又は家庭用冷凍庫を使用して、使用者が容易に再充填又は再生できる装置に関する。
【背景技術】
【0003】
過剰な体脂肪又は脂肪組織は、例えば、大腿部、臀部、腹部、膝、背中、顔、腕、顎、及びその他の領域を含む身体の様々な場所に存在し得る。さらに、過剰な脂肪組織は、真皮内に皮下脂肪が突出し、下層にある構造的線維性糸状体に皮膚が付着して窪みを形成した時に生じる醜いセルライトを増幅すると考えられている。多くの場合、セルライト及び過剰な量の脂肪組織は魅力的でないと思われる。さらに、より大量の過剰な体脂肪には、重大な健康上のリスクがつきまとう可能性がある。
【0004】
体脂肪が過剰な人々を治療するために様々な方法が使用されており、また多くの場合、過剰な皮下脂肪組織の非侵襲的除去により、脂肪吸引術などの侵襲的処置に伴う不必要な回復時間及び不快感を排除することができる。一般に、過剰な体脂肪を除去するための従来の非侵襲的処置としては、局所薬、減量薬、規則的運動、ダイエット、又はこれらの処置の組み合わせが挙げられる。これらの処置の1つの欠点は、特定の状況下では効果的でなく、又は可能でもない場合がある点である。例えば、ある人物が肉体的に怪我を負っている場合又は病気の場合には、規則的運動は選択肢になり得ない。同様に、減量薬又は局所薬によってアレルギー反応又はその他の否定的反応が生じる場合には、これらも選択肢にならない。さらに、多くの場合、全体的又は全身的な減量法を使用して、身体の選択領域の脂肪を減らすことはできない。
【0005】
皮下脂肪組織を減少させるように設計された他の方法には、レーザーによる脂肪吸引術及びメソセラピがある。最近の非侵襲的方法としては、米国特許公開第2006/0036300号(特許文献1)、及び米国特許第5,143,063号(特許文献2)に記載されているように、無線周波数及び/又は光エネルギーなどを介して、或いは米国特許第7,258,674号(特許文献3)、及び同第7,347,855号(特許文献4)に記載されているように、高密度焦点式超音波(HIFU)照射を介して皮下多脂質細胞に放射エネルギーを印加することが挙げられる。一方、アンダーソンらに付与された「制御冷却による脂肪組織の選択的破壊のための方法及び装置」という名称の米国特許第7,367,341号(特許文献5)、及びアンダーソンらに付与された「脂肪組織の検出及び制御冷却によるその選択的破壊の制御のための方法及び装置」という名称の米国特許出願公開第2005/0251120号(特許文献6)には、皮下脂肪組織を冷却によって非侵襲的に減少させるための方法及び装置が開示されており、これらの特許文献はその開示全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0036300号明細書
【特許文献2】米国特許第5,143,063号明細書
【特許文献3】米国特許第7,258,674号明細書
【特許文献4】米国特許第7,347,855号明細書
【特許文献5】米国特許第7,367,341号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0251120号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2008/0287839号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Nagle,W.A.、Soloff,B.L.、Moss、A.J.Jr.、Henle,K.J.著、「培養チャイニーズハムスター細胞は、低温ではあるが凍結しない温度への曝露後にアポトーシスを経験する(Cultured Chinese Hamster Cells Undergo Apoptosis After Exposure to Cold but Nonfreezing Temperatures)」、Cryobiology、第27巻、439〜451頁(1990年)
【非特許文献2】Mazur,P.著、「低温生物学:生体系の凍結(Cryobiology:the Freezing of Biological Systems)」 Science、第68巻、939〜949頁(1970年)
【非特許文献3】Quinn,P.J.著、「生体膜に対する低温損傷の脂質相分離モデル(A Lipid Phase Separation Model of Low Temperature Damage to Biological Membranes)」、Cryobiology、第22巻、128〜147頁(1985年)
【非特許文献4】Rubinsky,B.著、「低温保存の原理(Principles of Low Temperature Preservation)」、Heart Failure Reviews、第8巻、277〜284頁(2003年)
【非特許文献5】Vallerand,A.L.、Zamecnik.J.、Jones,P.J.H.、Jacobs,I.著、「寒冷ストレスが、ヒトの脂肪分解、FFA Ra 及びTG/FFA循環を高める(Cold Stress Increases Lipolysis, FFA Ra and TG/FFA Cycling in Humans)」 Aviation,Space and Environmental Medicine、第70巻、42〜50頁(1999年)
【0008】
有意な技術的特徴を不明瞭にしないように、以下の図では、本発明の技術の多くの特徴を、簡略化した、概略的な、及び/又は部分的に概略的な形式で示している。これらの特徴をより明確に示すために、多くの特徴は縮尺通りに描いていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本開示の実施形態により構成される、冷却剤容器及び熱交換器を有する冷却装置の部分的に概略化した部分切り欠き図である。
【図2】図1に示す装置の特定の実施形態の部分的に概略化した部分切り欠き図である。
【図3】本開示のさらに別の実施形態により構成される、図1に示す全体的構成とほぼ同様の全体的構成を有する装置の部分概略図である。
【図4】本開示の別の実施形態により構成される、熱交換器及び取外し可能な冷却剤容器を有する装置の部分概略図である。
【図5A】図4に示す冷却剤容器及び熱交換器の実施形態の部分概略拡大図である。
【図5B】実質的に図5Aの線5B−5Bに沿って切り取った熱交換器及び冷却剤容器の部分概略断面図である。
【図6A】本開示の別の実施形態により構成される、冷却剤容器及び熱交換器の部分的に概略化した部分切り欠き図である。
【図6B】実質的に図6Aの線6B−6Bに沿って切り取った熱交換器及び冷却剤容器の実施形態の部分概略断面図である。
【図7】本開示のさらに別の実施形態による、アプリケータと分離可能な冷却剤容器及び熱交換器を有する装置の部分概略図である。
【図8】実質的に図7の線8−8に沿って切り取った冷却剤容器及び熱交換器の一部の部分概略図である。
【図9】本開示の実施形態により配置された、非弾性材料及び弾性材料を有するアプリケータの部分概略断面図である。
【図10】本開示の実施形態による、内部支持構造体を有するアプリケータの部分概略断面図である。
【図11】図10に示すアプリケータの一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔1.概説〕
以下、本開示技術による、皮下脂肪組織を冷却するための装置、システム及び方法のいくつかの例を説明する。以下の説明では、当業者が以下の例を十分に実施し、作成し、使用できるように、これらの多くの具体的な詳細を示すが、以下で説明する詳細及び利点の中には、本発明の技術のいくつかの例及び方法を実施するのに必要でない可能性があるものもある。また、本発明の技術は、特許請求の範囲には含まれるがここでは詳細に説明しないその他の例及び方法を含むことができる。
【0011】
本明細書を通じて、「1つの実施例」、「ある実施例」、「1つの実施形態」、又は「ある実施形態」についての言及は、その例に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が本発明の技術の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて様々な箇所に出現する「1つの実施例では」、「ある実施例では」、「1つの実施形態」、又は「ある実施形態」という表現は、必ずしも全てが同じ実施例について言及しているとは限らない。さらに、本発明の技術の1つ又は2つ以上の実施例においては、特定の特徴、構造、ルーチン、工程又は特性を任意適当な方法で組み合わせることができる。本明細書に示す表題は便宜的なものにすぎず、特許請求する技術の範囲又は意味を限定又は解釈することを意図するものではない。
【0012】
以下で説明する技術のいくつかの実施形態は、プログラマブルコンピュータ又はコントローラにより実行されるルーチンを含む、コンピュータ実行可能命令の形を取ることができる。当業者であれば、以下で図示及び説明する以外のコンピュータ又はコントローラシステム上でも本発明の技術を実施できると理解するであろう。本発明の技術は、以下で説明するコンピュータ実行可能命令の1つ又は2つ以上を実行するように特別にプログラム、構成、又は構築された専用のコンピュータ、コントローラ、又はデータプロセッサにおいて具体化することができる。従って、本明細書で一般的に使用する「コンピュータ」及び「コントローラ」という用語はあらゆるデータプロセッサを意味し、インターネット家電、ハンドヘルド装置、マルチプロセッサシステム、プログラム可能な消費者向け電子機器、ネットワークコンピュータ、及びミニコンピュータなどを含むことができる。本発明の技術は、通信ネットワークを通じてリンクされた遠隔処理装置によってタスク又はモジュールが実行される分散環境で実施することもできる。以下で説明する技術の態様は、磁気ディスク、又は光学的に読み取り可能なディスク、或いはリムーバブルコンピュータディスク、及びネットワークを介して電子的に分散された媒体を含むコンピュータ可読媒体上に記憶又は分散させることができる。特定の実施形態では、本発明の技術の態様に特有のデータ構造及びデータ伝送も、本発明の技術の範囲に含まれる。本発明の技術は、特定の工程を実行するようにコンピュータ可読媒体をプログラムする方法、及びこれらの工程を実行する方法をいずれも含む。
【0013】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置の1つの実施形態は、ヒトの皮膚と熱的に連通するように解放可能に位置決め可能なアプリケータを含む。この装置は、冷却剤を有する冷却剤容器と、冷却剤と流体的に接触しないように隔離された熱移送流体を有する熱移送導管とをさらに含む。この冷却剤容器と熱移送導管の間には、熱移送流体と冷却剤の間で熱を移送するように熱交換器が作動的に結合され、熱移送導管には、熱移送流体をアプリケータと熱交換器の間に差し向ける流体駆動装置が作動的に結合される。
【0014】
さらなる特定の実施形態では、冷却剤の液相/固相転移温度が、熱移送流体の液相/固相転移温度よりも高い。熱交換器は冷却剤容器内に位置決めされ、熱移送流体のためのシールされた閉ループ経路を熱移送導管及びアプリケータとともに形成する熱交換器導管を含む。従って、この装置全体を冷凍庫(例えば、家庭用冷凍庫)に入れて、ヒトの多脂質細胞の処置に備えて冷却剤を凍らせることができる。他の実施形態では、冷却剤を凍らせるため又は別様に冷却するために、装置の選択された構成要素のみが取外し可能である。
【0015】
本開示の特定の実施形態によるヒト組織を冷却する方法は、ヒトにアプリケータを解放可能に取付ける工程と、このアプリケータを介してヒトの皮下多脂質組織から熱を除去して、(例えば、冷却に対する身体の反応を通じて)この組織の多脂質細胞を選択的に減少させる工程とを含む。熱は、冷却した熱移送流体をアプリケータへ差し向けて、吸収した熱を熱移送流体から冷却剤に移送することによって除去される。特定の実施形態では、熱移送流体から熱を受入れる時に、冷却剤が固体のままであっても、液体のままであっても、又は固体から液体へ相を変化させてもよい。この方法は、冷却剤を再冷却する工程をさらに含む。本開示の別の実施形態による選択的方法は、冷却した熱移送流体を可撓性包囲体内に差し向けて、包囲体内の多孔の内部支持構造体に通す一方で、多孔の内部支持構造体が、包囲体内の流体圧力によって(a)包囲体が外向きに膨らむこと、又は(b)内部支持構造体が崩壊すること、或いは(c)(a)と(b)の両方を少なくとも制限することによって熱を除去する工程を含む。さらに別の方法は、冷却した熱移送流体を、アプリケータ内の各々が異なる弾性を有する2つの可撓性部分間に向ける工程を含む。
【0016】
理論に縛られるわけではないが、多脂質細胞上を冷却する選択的効果により、例えば、膜破壊、細胞収縮、無力化、損傷、破壊、除去、殺傷、又はその他の多脂質細胞の変質方法がもたらされると思われる。このような変質は、単独又は組み合わせで作用する1つ又は2つ以上の機構から生じると思われる。このような(単複の)機構は、非侵襲的冷却による多脂質細胞死の優性型であると思われるアポトーシスカスケードをトリガすると考えられる。これらの実施形態のいずれにおいても、組織冷却の効果は、多脂質細胞を選択的に減少させる点である。
【0017】
「プログラムされた細胞死」とも呼ばれるアポトーシスは、周囲組織への損傷を招くことなく細胞が自己破壊される、遺伝子誘発型の死機構である。秩序的な一連の生化学的事象が、細胞を形態的に変化させる。これらの変化は、細胞のブレブ形成、細胞膜の非対称性及び付着の喪失、細胞収縮、クロマチン凝縮、及び染色体DNA断片化を含む。寒冷暴露などの外的刺激を通じた損傷は、細胞内に細胞アポトーシスを誘発できる1つの機構である(非特許文献1)。
【0018】
細胞壊死(局所炎症を引き起こす外傷性形態の細胞死)とは対照的に、アポトーシスの1つの側面は、アポトーシス細胞が細胞膜の表面上に食作用マーカを発現させて表示し、従ってマクロファージによる食作用のためのマークを細胞に付けることである。その結果、食細胞は、(多脂質細胞などの)瀕死の細胞を、免疫反応を起こすことなく飲み込んで除去することができる。多脂質細胞においてこれらのアポトーシス事象を引き起こす温度は、皮下脂肪組織の長期的及び/又は恒久的な減少及び再形成に寄与することができる。
【0019】
冷却によるアポトーシス多脂質細胞死の1つの機構は、非多脂質細胞では結晶化を誘発しない温度における含脂肪細胞内の脂質の局所的結晶化を伴うと考えられている。結晶化脂質は、これらの細胞を選択的に傷つけてアポトーシスを引き起こすことができる(また結晶化脂質が含脂肪細胞の二重脂質膜を損傷又は破壊した場合、壊死性死を引き起こすこともできる)。別の傷害機構は、細胞の二重脂質膜内の脂質の脂質相転移を伴い、これが膜破壊又は膜機能障害を招き、これによりアポトーシスが起きる。この機構は、多くの細胞型に関して十分に裏付けされており、含脂肪細胞又は多脂質細胞が冷却されると活性化することができる(非特許文献2、3、4)。別の傷害機構は、カリウム(K+)又はナトリウム(Na+)などの所望のイオン濃度を維持するための、細胞膜を横切るイオン移動ポンプの機能障害を伴うことがある。細胞膜全体におけるイオン不均衡は、細胞の二重脂質膜内における脂質の脂質相転移又は別の機構に起因し、これによりアポトーシスが生じる場合がある。非多脂質細胞と比較した多脂質細胞の冷却に対する相対的感受性に基づく未だ理解されていない他のアポトーシス機構も存在し得る。
【0020】
多脂質細胞死に関与するアポトーシス機構に加え、局所寒冷暴露も多脂質細胞の脂肪分解(すなわち脂肪代謝)を引き起こすと考えられ、既存の脂肪分解を増進して皮下多脂質細胞の減少をさらに高める働きをすることが示されている(非特許文献5)。
【0021】
上述した技術の1つの期待される利点は、一般に同じ部位にある非多脂質細胞に付随的な損傷を与えずに皮下多脂質細胞を減少させることができる点である。一般に、多脂質細胞には、非多脂質細胞に影響が及ばない低温で影響を与えることができる。その結果、たとえ表面の非多脂質細胞が、多脂質細胞が晒される温度よりもさらに低い温度に晒されたとしても、セルライトに関連するような多脂質細胞は影響を受けることがあるが、一般に同じ部位にある他の細胞は損傷を受けない。
【0022】
〔2.単一ユニットとして構成されたアプリケータ、冷却剤容器及び熱交換器を含む代表的装置及び方法〕
図1は、装置100を部分的に破断した部分的な概略図であり、装置100は、ヒト組織110を冷却するために、冷却剤容器140に作動的に結合されたアプリケータ120を有している。特に、装置100は、皮下の多脂質組織112を、概ね上述した方法で且つ上にある真皮111に損傷を与えることなしに冷却するように構成されている。アプリケータ120は、熱移送流体155を運ぶ熱移送導管150によって、冷却剤容器140に結合されている。従って、熱移送導管150は、熱移送流体155をアプリケータ120に差し向ける供給部分151aと、アプリケータ120から出る熱移送流体155を受入れる戻り部分151bを含んでいる。熱移送流体155は、ポンプ又はその他の適当な装置などの流体駆動装置170によって、熱移送導管150内を推進させられる。熱移送導管150は、典型的には、周囲環境が熱移送流体155を加熱することをを防ぐために断熱されている。この装置の他の要素(組織110に接するアプリケータ120の冷却表面以外)も、熱損失及び着霜を防ぐために周囲環境から断熱されている。
【0023】
熱移送導管150は、熱交換器導管(例えば、チューブ)161を有する熱交換器160に接続され、熱交換器導管161は、冷却剤容器140の中に、又は、少なくとも部分的に冷却剤容器140の中に配置されている。冷却剤容器140は、冷却剤141を含み、冷却剤141は、熱交換器160と密接に熱的に接触しているが、熱交換器チューブ161内に収容されている熱移送流体155と流体的に直接接触しないように隔絶されている。従って、熱交換器160は、熱移送流体155と冷却剤141の間の熱移送を促進しながら、これらの流体が混合することを防ぐ。その結果、熱移送流体155の組成と異なる組成を有する冷却剤141を選択することができる。特定の実施形態では、通常の体温(約37℃)及び特定の実施形態では、約37℃〜約−20℃、又は約25℃〜約−20℃、又は約0℃〜約−12℃、或いは約−3℃〜約−6℃の範囲よりも低い(液体/ゲルから固体への)相転移温度を有する冷却剤141が選択され、冷却材141が固体から液体/ゲルに転移するとき、熱移送流体155に一定の温度環境を与える。この実施形態における熱移送流体155は、冷却剤141の相転移温度よりも低い相転移温度を有している。従って、冷却剤141又はその一部文が固体状態であるときでも、熱移送流体155は、流体状態のままである。その結果、冷却剤141が凍結していたり少なくとも部分的に凍結していたりするときにも、熱移送流体155は、熱移送導管150内を流れて、熱をヒト組織110から運び去る。
【0024】
作動の際、主要構成要素(アプリケータ120、熱移送導管150、熱交換器160、及び冷却剤容器140など)をユニットとして適当な冷環境に置くことによって、装置100の使用準備を整えるのがよい。特定の実施形態では、冷環境は、冷凍庫(例えば、家庭用冷凍庫)を含み、冷凍庫内の温度は、典型的には、冷却剤141を凍結させるのに十分な約−10℃〜約−20℃の温度範囲にある。冷却剤141を凍結させた後、装置100をユニットとして冷凍庫又はその他の冷環境から取出し、カフ又はその他の適当な取付け装置(例えば、Velcro(登録商標)クロージャ、バックル、又はその他の解放可能な要素)を使用して、アプリケータ120をヒト組織110に取付ける。選択的には、使用者は、アプリケータ120と皮膚の間にローションを塗布して、熱移送を促進させ且つ/又は保湿効果又はその他の美容効果を与えてもよい。使用者がローション又は別の中間物質を塗布するかどうかにかかわらず、アプリケータ120を、使用者の皮膚と熱的に連通させるように配置して、熱を多脂質組織112から効果的に除去する。次に、流体駆動装置170を作動させて、熱移送流体155を熱移送導管150内で駆動し、かくして、熱を皮下多脂質組織112から熱交換器160を介して凍結した冷却剤141に移送させる。冷却剤141が融解するとき、冷却剤容器140内の温度は、ほぼ一定のままであり、それにより、一定の又はほぼ一定の熱移送流体温度をヒト組織110に与える。ヒト組織110を、冷却剤141の一部又は全部を融解させる適当な時間にわたって冷却した後、矢印Aで示すように、装置100をユニットとしてヒト組織110から取外し、装置100を冷凍庫に入れることによって、冷却剤141を再凍結させる。従って、次の処置工程を行う前、冷却剤容器140の冷却能力を容易に回復又は再生することができる。適当な組織冷却期間は、冷却剤141の冷却能力を正しく選択することによって制御されてもよいし、図2を参照して後で詳細に説明するように、コントローラ及び/又はセンサを介して制御されてもよい。
【0025】
図1を参照して上述した特定の実施形態、及び、図2〜図8を参照して後で説明する特定の実施形態では、冷却剤141を熱移送流体155によって加熱すると、冷却剤141は、相を変化させ、その後、冷却剤141を冷却すると、冷却剤141は再び元に変化する。他の実施形態では、冷却剤141を、相変化を生じさせないように加熱及び冷却するのがよい。例えば、冷却剤141は、加熱工程及び冷却工程の両方にわたって、固相のままであってもよいし、液相のままであってもよい。このような場合、冷却工程は、それを冷凍庫で行っても又はその他の環境内で行っても、冷却剤を凍結させない。冷却剤141が固体のままである場合、その相転移温度は、熱移送流体の相転移温度よりも高い。冷却剤141が液体のままである場合、その相転移温度は、熱移送流体の相転移温度よりも高くてもよいし、それと等しくてもよいし、それよりも低くてもよい。このような場合、熱移送流体155及び冷却剤141は、互いに流体的に直接接触しないように隔絶されたままであり、異なる成分を有していてもよいし、同じ成分を有していてもよい。
【0026】
図2は、図1を参照して上述した一般的原理に従って作動する装置100の実施形態の部分的に破断した部分的な概略図である。従って、図2に示す装置100は、アプリケータ120と、熱交換器160及び熱移送導管150を介してアプリケータ120に熱的に接続された冷却剤容器140を含んでいる。
【0027】
図1及び図2の両方に示す装置100の1つの特性は、アプリケータ120をヒト組織110に接触するように最初に置いたとき、熱移送導管150及びアプリケータ120内の熱移送流体155が、装置100が置かれていた冷環境の温度又はそれとほぼ同じ温度であることである。少なくともいくつかの場合、この温度は、不快に感じるほど低いことがある。従って、装置100及びそれと関連する方法は、装置100を最初に使用するときに、使用者が潜在的に有害な効果又は不快に感じる冷たい感覚を受ける可能性を減少させる特徴を含むのがよい。特定の実施形態では、装置100は、供給部分151aを介してアプリケータ120に入る熱移送流体155を加熱するように配置されたヒータ152を含むのがよい。この構成により、熱移送流体155の温度を、少なくとも使用者の不快感を抑え及び/又は安全かつ効果的な処置を行うのに十分な量だけ上昇させるのがよい。この実施形態のさらなる特定の側面では、装置100は、熱移送流体の温度が最初に上昇している間、熱移送流体155を熱交換器160から離して分流させるように構成されるのがよい。この構成により、処置が始まる前、冷却剤141を不必要に融解させることを回避する。従って、装置100は、供給部分151aと戻り部分151bの間に熱交換器160と並列に接続され且つ熱交換器160を迂回する分流チャネル153を含む。分流チャネル153内の流れを調整する1つ又は2つ以上の分流弁154(2つを図2に示す)が配置され、例えば、最初の起動中、分流チャネル153を開放し又は部分的に開放し、次いで、アプリケータ120の温度が十分な量だけ上昇した後、分流チャネル153を閉鎖し又は部分的に閉鎖する。
【0028】
装置100は、コントローラ180を含み、コントローラ180は、ヒータ152、分流弁154及び/又は装置100のその他の要素を制御する。例えば、特定の実施形態では、コントローラ180は、タイマ要素184を有するマイクロプロセッサ183を含んでいる。例えば、流体駆動装置170を作動させることによって、装置100に動力を最初に供給するとき、マイクロプロセッサ183は、分流弁154を介して分流チャネル153を自動的に開き、ヒータ152を作動させる。ヒータ152及び分流チャネル153は、所定の期間、この形態のままであるのがよく、その後、マイクロプロセッサ153は、ヒータ152を不作動にする制御信号及び分流チャネル153を閉じる制御信号を自動的に送信する。従って、タイマ要素184は、ヒータ152が熱移送流体155を積極的に加熱している間の時間の経過を感知することによって、センサとして作動する。後で説明する他の実施形態では、1つ又は2つ以上のセンサが、装置100に関連するその他の特性を検出するのがよい。
【0029】
特定の実施形態では、マイクロプロセッサ183は、1つ又は2つ以上の温度センサ186から受取った入力181に基づいて、制御信号182を送信するのがよい。例えば、装置100は、アプリケータ120のところに配置された第1の温度センサ186aを含むのがよい。マイクロプロセッサ183は、第1の温度センサ186aが、アプリケータ120をヒト組織110に接触させて配置するのに適した温度を示すまで、ヒータ182及び分流チャネル183を自動的に作動させるのがよい。装置100は、冷却剤容器140(例えば、冷却剤141の中心)のところに配置された第2の温度センサ186bを含むのがよい。従って、マイクロプロセッサ183は、第2の温度センサ186bが一定の及び/又は適当に低い温度を示している間、流体駆動装置170を作動させる制御信号182を送信するのがよい。冷却剤141が完全に融解したことを示す温度上昇を第2の温度センサ186bが識別したら、マイクロプロセッサ183は、流体駆動装置170を自動的に不作動にする。加熱及び冷却中に相を変化させる冷却剤141が選択されない場合、マイクロプロセッサ183は、冷却剤141の温度が閾値温度を超えた時に流体駆動装置170を不作動にするのがよい。コントローラ180は、装置100の作動モード又は作動状態を示す出力装置185を含むのがよい。例えば、出力装置185は、視覚信号(例えば、様々な色のLEDによるもの)及び/又は聴覚信号(例えば、音声スピーカによるもの)を表示して、アプリケータ120をヒト組織110に当てる準備が整ったとき、処置プログラムが終了した時、及び/又は、装置の任意の構成要素の温度又はその他の特性が予め選択された範囲外にあるときを知らせるのがよい。
【0030】
さらに別の実施形態では、コントローラ180は、熱移送流体155の初期温度を操作するための単純な工程を指示するのがよい。特に、コントローラ180は、第1の温度センサ186aが供給する温度信号を、流体駆動装置170を作動させることなしに且つヒータ152又は分流チャネル153を必要とすることなしに、監視するのがよい。その代わりに、コントローラ180は、第1の温度センサ186aが検出するように、周囲条件により熱移送流体155を許容温度まで上昇させるとき、(出力装置185によって示される)出力を発生させてもよい。選択的には、使用者は、熱を外部熱源によりアプリケータ120及び/又は熱移送導管150に付与することによって、上記工程を加速させてもよい。この方法の利点は、上述した一体型ヒータ152よりも単純であることである。それとは逆に、コントローラ180の指示の下において、ヒータ152は、信頼性が高まり、より迅速であり、少なくとも部分的な理由は、ヒータ152が、熱移送導管150及びその他の装置構成要素の周囲に設けられた断熱部の中に配置されるからである。
【0031】
装置100は、一様な熱分配及び熱移送を促進させるように構成された様々な特徴を含むのがよい。例えば、熱交換器160は、フィン165を熱交換器チューブ161の上に含み、それにより、熱を熱移送流体155と冷却剤141の間で移送するのに利用できる表面積を増やす。また、冷却剤容器140は、第1の撹拌器101aを含み、第1の撹拌器101aは、融解冷却剤141を冷却剤容器140内で分散させ、容器140内において一層均一な温度及び熱移送速度を行うのがよい。1つの実施形態では、第1の撹拌器101aは、磁気駆動式装置を含み、冷却剤容器140の外側に位置する第1のアクチュエータモータ102aに磁気的に結合されるのがよい。従って、第1の撹拌器101aは、冷却剤容器140内に刺し込まれるシール式駆動軸を必要とすることなしに作動する。同様の構成をアプリケータ120に使用してもよい。特に、アプリケータ120は、第2の撹拌器101bを含み、第2の撹拌器101bは、熱移送流体155をアプリケータ120内で均一に分散させるように第2のアクチュエータモータ102bによって駆動されるのがよい。第2の撹拌器101bに加えて又はその代わりに、適当に配置した内部流路を使用して、熱移送流体155をアプリケータ120内で一様に分散させてもよい。かかる特徴を含む代表的な装置は、Breg Polar Care社(bregpolarcare.com)から入手可能な型番10240のパッドである。アクチュエータモータ102a、102bは、電源コード173に作動的に結合され、電源コード173は、電力を流体駆動装置170及びヒータ152に供給する。他の実施形態では、装置100は、アプリケータ120及び/又は冷却剤容器140内の流体を撹拌及び/又は分散させるその他の要素を含むのがよい。かかる要素は、液体ジェット、シャフト駆動式攪拌器、ピストン、冷却剤容器140内の冷却剤141の固体及び/又は液体部分を移動させるその他の装置、及び/又は、冷却剤容器140自体又は冷却剤容器内の熱交換器160を振動させ、揺らし、傾け、又はその他の仕方で動かすアクチュエータを含む。
【0032】
上で注目したように、処置の前および後、アプリケータ120、熱移送導管150、熱交換器160、及び冷却剤容器140をユニットとして標的組織110と冷凍庫又はその他の冷環境の間で移動させることができる。特定の実施形態では、図2に示す装置100の残りの構成要素又は要素を冷凍庫内に配置してもよい。例えば、流体駆動装置170が、ポンプモータ172によって駆動されるポンプ171を含むとき、これらの構成要素もコントローラ180と一緒に冷凍庫内に配置してもよい。他の実施形態では、装置100の残りを冷凍庫内に配置する前、1つ又は2つ以上の構成要素を取外すのがよい。例えば、矢印Bで示すように、電源コード173をモータ172及びその他のシステム構成要素から接合部B1のところで取外すのがよい。別の実施形態では、矢印Cで示すように、ポンプモータ172を装置100から接合部C1のところで取外すのがよい。例えば、ポンプモータ172をポンプ171に、概略的には上述した攪拌器の仕方で磁気的に結合させ、モータ172の接続及び分離を容易にするのがよい。この実施形態のさらに別の側面では、コントローラ180及び/又はその構成要素は、モータ172によって支持され、従って、モータ172と一緒に装置100から取外される。
【0033】
プロセッサに基づく自動制御システムと関連して上述したいくつかの特徴は、他の実施形態では、プロセッサを使用することなしに手動で作動されてもよい。例えば、分流弁154は、自動調温式ラジエータ弁、又は、プロセッサを必要とせずに弁を自律的に駆動する一体統合温度センサ(例えば、機械式サーモスタット)を有する同様の弁を含む。他の実施形態では、冷却剤141が相変化したとき、冷却剤141が色を変化させ、それにより第2の温度センサ186bの必要性をなくすのがよい。この実施形態の1つの側面では、冷却剤141は透明であり、それにより、使用者が、冷却剤141を凍結させたときと冷却剤141が融解したときの両方を容易に見ることを可能にする。装置100が冷却剤141を時間の経過とともに失う場合、冷却剤容器140は、充填/ドレインポート142を含むのがよい。この実施形態の特定の側面では、冷却剤容器140が透明であることに加えて又はその代わりに、充填/ドレインポート142が、取外し可能な透明のプラグ148を有するのがよい。同様に、熱移送流体155は、それが組織110を正しく冷やすのにもはや適していない温度に達したときに色を変化させる成分を含んでいてもよい。アプリケータ120及び/又は熱移送導管150(又はその一部)を透明にして、使用者が、温度閾値を超えたときを容易に決定することを可能にするのがよい。
【0034】
冷却剤141及び熱移送流体155は両方とも、高い熱伝導率を有するように選択される。冷却剤141に適した成分は、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、塩、及び/又はその他の成分と混合した水を含む。少なくともいくつかの実施形態では、同じ成分を有する熱移送流体155を使用してもよいが、成分の比率(従って、熱移送流体の全体組成)は、より低い液相/固相転移温度を生じさせるように選択される。熱移送流体155及び冷却剤141は両方とも、高い熱伝導率を有し且つ漏れた場合に毒性を低くするように選択されるのがよい。これらはいずれも、藻類の形成及び/又は他の望ましくない生物形態の繁殖を制限し又は防止するために、抗菌剤を含むのがよい。冷却剤141は、熱移送流体155からより良く熱を吸収するために、高い熱容量を有するように選択されるのがよい。熱移送流体155は、ヒータ152を作動させたときにすぐに温まるように、比較的低い熱容量を有するのがよい。熱移送流体155はまた、熱移送導管150、熱交換器160、及びアプリケータ120の中を流れ易くするために、作動温度において低い粘性を有するように選択されるのがよい。任意のこれらの実施形態では、冷却剤141を入れた冷却剤容器140は、可撓性であり且つ弾性であり、及び/又は、冷却剤141の相が変化したとき際の体積変化に順応するための通気孔又はその他の特徴部を含むのがよい。
【0035】
図3は、図2を参照して上述した装置100の実施形態の部分的に概略的な斜視図である。図3に示すように、アプリケータ120は、全体的に可撓性の構成を有し、それにより、アプリケータ120を、それが付けられる組織の形状に一致させることを可能にする。取付け装置123は、アプリケータ120を組織に解放可能に取付け、従って、ストラップ(例えば、Velcro(登録商標))、カフ(例えば、血圧カフとほぼ同様のもの)、又は別の適当な装置を含む。冷却剤容器140は、冷却剤容器ハウジング143に収容され、冷却剤容器ハウジング143は、支持構造体121に取付けられ、そうでなければ支持構造体121を含む。支持構造体121は、少なくとも部分的に可撓性であるので、支持構造体121がアプリケータ120に取付けられたとき、支持構造体121は、ヒト組織に一致させるアプリケータ120の能力を過度に抑制しない。1つの実施形態では、支持構造体121及び冷却剤容器ハウジング143は、アプリケータ120に対して離れて支持されるのがよい。別の実施形態では、選択的な発泡層又はその他の可撓性の層122(例えば、膨張可能な空気ブラダ)が、支持構造体121とアプリケータ120の間に位置決めされ、冷却剤容器ハウジング143に対して曲がるアプリケータ120の性能をさらに促進させるのがよい。
【0036】
図3に示す実施形態の1つの側面では、電源コード173がポンプモータ172に解放可能に直接取付けられ、かくして、装置100を冷凍庫内に配置する前に電源コード173を取外すことを可能にする。電源コード173は、AC出力に直接接続され、ポンプモータ172がDCモータであれば、DCコンバータを含むのがよい。ポンプモータ172がハウジング143内に配置された充電式バッテリに結合されている場合、電源コード173を使用して、バッテリを再充電するのがよい。
【0037】
この実施形態の別の側面では、ポンプモータ172自体を電源コード173と一緒に冷却剤容器ハウジング143から、概ね図2を参照して上述した仕方で取出すのがよい。この実施形態のさらに特定の側面では、コントローラ180(図3では見えない)及びそれと関連した出力装置185は、ポンプモータ172によって支持され、従って、ポンプモータ172と一緒に冷却剤容器ハウジング143から容易に取出される。
【0038】
図1〜図3を参照して上述した装置100の特定の実施形態の1つの特徴は、アプリケータ120、冷却剤容器140、熱交換器160、及び熱移送導管150を分離不能なユニットとして(少なくとも通常使用時には)構成されることである(メンテナンス又は修理工程中に必要であれば、公認のサービス担当者によって構成要素を分離できる)。従って、これらの構成要素は、熱移送流体155のためのシールされた閉ループ経路を形成する。この特徴の利点は、使用が容易な点である。具体的には、使用者は、装置100全体(又は少なくとも上記の構成要素)を、冷却剤141が凍結するまで冷凍庫又はその他の冷環境内に配置し、その後、装置100全体をユニットとして冷凍庫又はその他の冷環境から取出し、その後、標的組織を冷却するのがよい。この構成は容易に使用できるので、家庭での使用に特に適している。この構成は、(いくつかの実施形態では)取外し可能な構成要素又は分離可能な流体接続を含まないので、かかる構成要素又は流体接続を含むシステムよりも堅固であると予想される。冷却剤141は、一定の液相/固相転移温度を有するので、装置100は、熱移送流体155の温度を低い能動的制御レベルで容易に制御し、また相転移温度よりも低い温度の任意の環境において装置100を熱的に再充填するのがよい。
【0039】
上述した装置100の特定の実施形態の別の特徴は、熱移送導管150及び熱交換器管161に短い長さ及び/又は小さな直径を使用し且つアプリケータ120に低い(例えば薄い)輪郭を使用することにより、システム内に含まれる熱移送流体155の容量を比較的小さくすることができる点である。従って、冷却剤141は、熱移送流体155及びアプリケータ120の有効熱移送面全体をより素早く冷却することができる。熱移送流体155の熱質量を低くすることにより、装置100を冷凍庫から取出した後にアプリケータ120の温度を快適レベルに上昇させるのに必要な時間及び/又はエネルギーの量も減少する。
【0040】
上述した装置100の特定の実施形態のさらに別の特徴は、装置のユニット構成によってコンパクトなサイズ、従って、ちいさい嵩になると期待されることである。これらの特徴により、装置を冷凍庫(例えば、家庭用冷凍庫)ないに位置決めすることを容易にし、また、使用中、装置の着用をより快適に且つ便利にすることができる。
【0041】
上述した実施形態の少なくともいくつかのさらに別の特徴は、装置が簡単であることにより、製造コスト、従って、使用者にかかるコストを削減できる点である。少なくともいくつかの実施例では、装置は、それを修理するよりも交換した方が安価であるので、上述した実用的な構成要素の特徴を含む必要はない。装置は、閾値有効性又は有用寿命の予測期間を越える使用を防ぐために、予め決められた使用回数の後で作動する自動ロックアウト又はシャットダウン機能を含むのがよい。
【0042】
〔3.分離可能な冷却剤容器を含む代表的な装置及び方法〕
図4は、図1〜図3を参照して上述した構成と異なり、使用者が取外し可能な又は分離可能な冷却剤容器440を有する装置400の実施形態の部分的に概略的であり且つ部分的に破断した図である。特に、装置400は、冷却剤容器440の外部に配置された熱交換器導管(例えば、チューブ)461を有する熱交換器460を含み、熱的な再充填又は再生のために、冷却剤容器440を(矢印Dで示すように)装置400から取外すことを可能にする。従って、冷却剤141を再冷却(例えば、再凍結)するために、冷却剤容器440を冷環境(例えば、冷凍庫)内に配置し、装置400全体を冷環境内に配置しない。この構成は、冷凍庫空間が限られるために冷却剤容器440だけを冷凍庫に配置することが有利な適用例に適している。その結果、装置400のいくつかの側面は、図1〜図3を参照して上述した装置100よりも簡単である。例えば、熱移送導管150は、冷却剤容器440と一緒に冷却されず、従って、図2を参照して上述したヒータ152及び/又は分流チャネル153及分流弁154の必要がなくなる。逆に、図1〜図3を参照して上述した構成の利点は、冷却剤容器140を冷却するとき、熱交換器チューブ161と冷却剤容器140の間の境界面を乱す必要がない点である。図5A〜図6Bを参照して後でさらに説明するように、装置400のいくつかの側面は、熱交換器460と冷却剤容器440を分離して再び取付けることによる潜在的影響を緩和するように設計される。
【0043】
図5Aは、冷却剤容器440及び熱交換器460の実施形態の拡大部分概略図であり、熱交換器管461は、冷却剤容器440の外面の周りに配置されている。特に、熱交換器管461は、冷却剤容器440の長手方向軸線に沿って上向き及び下向きに延びる蛇行形状を有するのがよい。熱移送流体155は、矢印Eで示すように、熱移送導管461の中を通る。熱交換器460から冷却剤容器440を取外すために、使用者は、冷却剤容器440を図5Aの矢印Dで示すように上向きに引く。熱交換器管461は「バネの性質」を有するのがよく、従って、冷却剤容器440の方へ内向きに弾性的に付勢され、冷却剤容器440を適所に解放可能に固着し、熱交換器管461と冷却剤容器440の外面を密接に熱的に接触させるのがよい。この特徴は、熱交換器管461と冷却剤容器440の外面の間の「擦れる」機械的な接触を促進し、霜の堆積又はその他の残留物を除去して、これらの構成要素が連結された時の良好な熱的な接触を確実にする。以下、上述した構成のさらなる詳細について図5Bを参照しながら説明する。
【0044】
図5Bは、実質的に図5Aの線5B−5Bにおける、熱交換器460及び冷却剤容器440の部分的な概略断面図である。図5Bに示すように、冷却剤容器440は、一連の凹部449を含む外面を有し、凹部は、各々が熱交換器管461の一部を受入れるように寸法及び位置が決められている。冷却剤容器440の外面は、第1の熱移送面462aを含み、第1の熱移送面462aは、それに対応する熱交換器管461の第2の熱移送面462bと密接に熱的及び物理的に接触するのがよい。従って、この構成は、熱交換器管461内の熱移送流体155と冷却剤容器440内の冷却剤141の間で熱を容易に移送する。冷却剤容器440は、冷却剤141の液体部分を、図2を参照して上述した方法とほぼ同様の方法で均一に分散させるための特徴(例えば、撹拌器)を含むことができる。
【0045】
図6A及び図6Bは、本発明の技術の別の実施形態による、熱交換器660に取外し可能に装着された冷却剤容器640の別の構成を示す。この実施形態の1つの態様では、冷却剤容器640は、垂直に延びる複数のブラインドチャネル644を含み、ブラインドチャネル644は、熱伝導性チャネル壁645によって少なくとも部分的に定められる。熱交換器660は、熱伝導性熱交換器管661を含み、熱伝導性熱交換器管661は、熱移送流体155をブラインドチャネル644内へ差し向け、それから外部に差し向ける。特に、熱交換器管661は、ブラインドチャネル644内に延びて供給マニホルド663aに結合された供給部分664aを含むのがよい。熱交換器管661は、ブラインドチャネル644の各々の中に延び且つ戻りマニホルド663bに連結された戻り部分664bをさらに含むのがよい。特定の実施形態では、戻り部分664bは、それに対応する供給部分664a内に環状に内側に配置される。従って、熱移送流体は、矢印Eで示すように、供給部分664aに入り、ブラインドチャネル644内を上昇し、その後、戻り部分664bを通って下降する。冷却剤容器640を、矢印Dで示すように、熱交換器660から上向きに引張って離すことによって、冷却剤容器640を熱交換器660から取外し、ブラインドチャネル644が、それに対応する供給部分664aと整列した状態で、冷却剤容器640を、熱交換器660を覆うように下向きに配置することによって、冷却剤容器640を交換する。ブラインドチャネル644及びそれに対応する供給部分664aは、先細及び/又は別様に偏向させて互いに接触させ、熱接触を促進させ、任意の要素の表面から霜を機械的に剥取ることを促進させる。
【0046】
図6Bは、実質的に図6Aの線6B−6Bにおける、冷却剤容器640及び熱交換器660の部分概略断面図である。図6Bに示すように、ブラインドチャネル664は、供給部分664aの外面と密接に熱的に接触する熱伝導性チャネル壁665を含む。矢印Eは、熱移送流体155の、供給部分664aから戻り部分664bへ移動するときの径方向内向きの経路を示す。
【0047】
〔4.分離可能な冷却剤容器及び熱交換器を含む代表的な装置及び方法〕
図7は、解放可能な結合部756を有する装置700の部分的且つ概略的な図であり、結合部の一方は、熱交換器760と冷却剤容器740の間に位置し、結合部の他方は、熱交換器760と熱移送導管150の間に位置する。従って、解放可能な結合部756は、熱移送導管150の供給部分151aに供給結合部757aを含み、熱移送導管150の戻り部分151bに戻り結合部757bを含む。結合部757a、757bは、任意適当な流体シールされた、容易に解放及び再取付けできる要素を含むのがよい。例えば、結合部757a、757bは、静脈内流体接続に使用するものとほぼ同様の簡易脱着式結合部を含むのがよい。
【0048】
図7に示す実施形態の1つの特徴は、図4〜図6Bを参照して上述した実施形態と同じように、冷却剤141を再固化又は別様に再冷却するために装置700全体を冷凍庫又はその他の冷環境内に配置する必要がない点である。また、装置700は、冷却剤容器740を再充填するために、熱交換器760と冷却剤容器740の間の熱接続部を変化させる必要がない。逆に、図1〜図6Bを参照して上述した構成の利点は、流体導管を連結及び切断する必要がない点である。
【0049】
図8は、実質的に図7の線8−8における、熱交換器760及び冷却剤容器740の部分的な概略断面図である。図8に示すように、冷却剤容器740は、表面の一部を覆う断熱部分747aを有する容器壁746と、熱交換器管761に隣接する領域内の伝導性部分747bとを含むのがよい。例えば、断熱部分747aは、熱交換器管761から熱を受取った場合を除いて冷却剤容器740への熱移送を防止又は少なくとも制限するために、熱伝導性の低いプラスチックなどの材料を含むのがよい。伝導性部分747bは、冷却剤141と熱交換器管761の間で容易に熱を移送する銅又は別の熱伝導性の高い材料を含むのがよく、この熱交換器管761も、銅又は別の熱伝導性の高い材料を含むのがよい。熱交換器管761は、伝導性部分747bとの間に高い熱伝導性を有するように伝導性部分747bに溶接又は別様に密接に結合されるのがよい。他の実施形態では、熱交換器管761は、例えば鋳造工程で伝導性部分747bと一体に形成されたチャネルの形を取るのがよい。
【0050】
冷却剤141は、作動中に相変化するように選択された場合、一般に冷却剤141が融解し始めると容器壁746から離れて位置する固体成分141aと、一般に容器壁746の内面及び容器壁の伝導性部分747bに接する液体成分141bとを含むのがよい。上述したように、冷却剤容器740は、液体成分141bを循環させ、固体成分141aを移動させ、及び/又は冷却剤容器740を振動又は別様に動かすことによって冷却剤容器740内の均一な熱移送の分散を増進する撹拌器又はその他の装置を含むのがよい。
【0051】
〔5.代表的アプリケータ及び関連方法〕
図9〜図11は、図1〜図8を参照して上述した任意の装置の一部を形成するアプリケータの特定の特徴を示す。他の実施形態では、これらのアプリケータは、図1〜図8を参照して明確に図示及び説明した装置以外の装置と一緒に使用されてもよい。アプリケータのサイズ及び形状は、使用者の生理機能及びアプリケータが取付けられる使用者の身体上の位置に基づいて選択されるのがよい。
【0052】
図9は、包囲体924を含むアプリケータ920を示し、包囲体924は、熱移送流体供給部分151aに結合された入口ポート928aと、戻り部分151bに結合された出口ポート928bを有している。包囲体924は、ヒト組織110に接する可撓性の第1の部分925と、ヒト組織110から遠ざかる方に面する可撓性の第2の部分926を含むのがよい。可撓性の第1の部分925は、可撓性の第2の部分926に接着、熱溶接、又はその他の適当な工程によって形成された結合部927のところで取付けられるのがよい。可撓性の第1の部分925は、第1の弾性を有し、可撓性の第2の部分926は、第1の弾性よりも小さい第2の弾性を有する。従って、少なくともいくつかの実施形態では、第2の部分926は非弾性であってもよい。本明細書で使用するように、用語「非弾性」は、アプリケータ920が通常の作動圧力を受けるときに伸びない材料又はわずかな量しか伸びない材料に適用する。本明細書で使用するように、用語「弾性」は、患者への装置の取付け及び/又は熱移送流体155によって生じる通常の作動圧力をアプリケータが受けるときに伸びる材料に適用する。可撓性の第1の部分925は、可撓性の第2の部分926よりも弾性が大きいので、可撓性の第1の部分925は、ヒト組織110の局所形状に容易に一致する。特に、可撓性の第1の部分925は、その下に位置する組織110に、いくつかの既存の装置において形成されるしわ930(図9に点線で示す)を形成することなしに一致し、かかるしわ930は、皮膚/アプリケータの熱接触及び/又はアプリケータ920内の内部流れを阻害する可能性がある。その結果、可撓性の第1の部分925は、ヒト組織110と緊密に熱接触したままである可能性が高く、従って、熱をヒト組織110から遠ざける方向により効率的に移送する。可撓性の第2の部分926は、ヒト組織110の輪郭に順応するように曲がるのがよく、このとき、可撓性の第2の部分926は、全く伸びることがなく、又は、(例えば、アプリケータ920の端部において)包囲体を組織110から遠ざかる外向きに膨らませ、それにより、包囲体924(特に、熱移送流体155)と組織110の間の熱接触の程度を減少させることがあるように伸びることがない。
【0053】
特定の実施形態では、可撓性の第2の部分926が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ビニル、及び/又は別の適当なプラスチックのフィルムを含むのがよい。可撓性の第1の部分925は、ラテックスゴム、ニトリル、ポリイソプレン、ウレタン、及び/又は別の適当なエラストマ材料を含むのがよい。選択的には、弾性メッシュ929が、可撓性の第1の部分925(又は包囲体924全体)に隣接して位置決めされ、弾性メッシュ929は、弾性ナイロン、ゴム、及び/又はその他の適当な弾性材料を含むのがよい。弾性メッシュ929は、可撓性の第1の部分925が取扱中に過度に摩耗すること及び/又は膨らむことを防ぐこのがよい。従って、弾性メッシュ929は、強いけれども、アプリケータ920と組織110との間の熱移送工程を著しく妨げることを回避するのに十分な薄さを有するのがよい。
【0054】
特定の実施形態では、アプリケータ920はまた、組織110に一致する包囲体924の性能を妨げることなしに、包囲体924をさらに支持する可撓性の支持構造体921を含むのがよい。支持構造体921はまた、アプリケータ920を組織110に固着させる解放可能な結合部(例えば、カフ)として機能するのがよい。任意のこれらの実施形態では、支持構造体921は、予め形成された形状(例えば、下向きの凹形状)を有し、予め形成された形状に弾性的に付勢されるのがよい。従って、アプリケータ920は、凸状の組織表面により容易に一致する。特定の実施形態では、異なる形状を有する複数のアプリケータが、同様の種類の冷却装置全体に結合され、システムの共通性及び互換性を有するのがよい。
【0055】
図10は、アプリケータ1020の部分的且つ概略的な断面図であり、アプリケータ1020は、包囲体1024と、図9を参照して上述した支持構造体とほぼ同様の外部支持構造体1021aと、包囲体1024内に配置された内部支持構造体1021bを有している。内部支持構造体1021bは、多孔であるのがよい、例えば、いくつかの実施形態では、50%又はそれ以上の多孔率を有し、特定の実施形態では、約75%〜約95%の多孔率を有する。従って、内部支持構造体1021bは、熱移送流体155の流れを過度に制限することなしに、熱移送流体155を入口ポート1028aから出口ポート1028bまで包囲体1024全体にわたって拡散させる。内部支持構造体1021bのために選択される特定の多孔率の値は、熱移送流体155の粘性及び/又は流量を含むファクタに依存する。特定の実施形態では、内部支持構造体1021bは、矢印Fで示すように互いに対して摺動する1つ又は複数の層1031(説明の目的で、3つの層を図10に示す)を有する多孔マトリックス材料を含むのがよい。さらに特定の実施形態では、包囲体1024が過度に伸びることを防ぐために、内部支持構造体1021bは、包囲体1024の内面に取付けられる。包囲体1024はまた、包囲体の上面から内部支持構造体1021bの中を通って包囲体の下面に延びる離間接続部1035(例えば、ステッチ又は有孔板)を含むのがよく、離間接続部1035は、包囲体1024が熱移送流体155で加圧されるとき、包囲体1024が膨らむことを防止又は制限するけれども、層1031が互いに対して横方向に摺動することを可能にする。従って、アプリケータ1020が上流の流体駆動装置1070aに結合されるとき、流入する熱移送流体155が包囲体1024に及ぼす圧力により包囲体1024を膨張させる可能性は低い。
【0056】
内部支持構造体1021bは、膨らみ又は膨張を抑制することに加えて又はその代わりに、座屈を抑制するのがよい。例えば、内部支持構造体1021bは、アプリケータ1020が下流の流体駆動装置1070bに結合されており且つ熱移送流体155が出口ポート1028bから引かれるときに、包囲体1024がそれ自体(例えば、包囲体1024が熱移送流体155の流れを妨げる地点)の上に外部の周囲圧によってつぶれないように十分に大きい座屈強度を有するのがよい。特定の実施形態では、熱移送流体155は、包囲体1024の外側の圧力よりも最大約2psi(0.014MPa)低い圧力によって引かれるのがよい。他の実施形態では、上述した圧力差は、包囲体1024がそれ自体の上につぶれなければ、最大約5psi(0.034MPa)又は約10psi(0.069MPa)であってもよい。これは、包囲体が正の内圧によって膨張しないように保つのに役立つ。下流の流体駆動装置1070bの別の利点は、包囲体1024に孔が意図せずにあいた場合、下流の流体駆動装置1070bが空気を孔から吸引しながら、上流の流体駆動装置1070aが熱移送流体155を孔からポンプ送りし続けることである。
【0057】
図11は、図10において丸で囲まれたアプリケータ1020の部分の部分的且つ概略的な拡大図である。図11に示すように、内部支持構造体1021bは、それ全体にわたって分布する小孔1034を含むのがよい。小孔1034は、組織110との境界面において、略半球形の窪みの分布配列を形成するのがよい。包囲体1024が非弾性材料を含むとき、非弾性材料は、それが組織110の凸部の上に折曲げられるときにしわを形成する傾向がある。小孔1034は、包囲体1024の表面に沿って形成される小さい「微小しわ」1033を収容し又は受入れるように十分に小さい。図9を参照して上述したしわ930と異なり、微小しわ1033は、非常に小さく、従って、アプリケータ内の内部流れを著しく妨げるわけでもないし、包囲体1024内の熱移送流体155と包囲体1024の外部の組織110との間の熱移送の一様性を著しく乱すわけでもない。実際、微小しわ1033は、包囲体材料のしわ形成効果をより広い面積にわたって分散させ、それにより、この効果が流体の流れ及び熱移送に与える全体的影響を減少させる。特定の実施形態では、微小しわ1033は、熱硬化工程を使用して包囲体材料に予め決められた略半球の形状を有するのがよい。他の実施形態では、微小しわ1033の形状及び/又は形成工程は異なっていてもよい。さらに別の実施形態では、患者の組織に接する包囲体1024の部分全体は、包囲体が患者の組織に接して配置されるように維持される予め決められた又は形成された形状(例えば、半球形状又はその他の凹形状)を有するのがよい。
【0058】
特定の実施形態では、内部支持構造体1021bは、Glit/Microtron社から入手可能なTN Blue 非摩耗不織ポリエステルパッドを含むのがよい。この材料は、0.006インチ〜0.012インチ(0.15〜0.30ミリメートル)の厚さのポリエーテルポリウレタン膜包囲体1024に入れられた多数の層(例えば、各々が0.35インチ(8.9ミリメートル)の厚さを有する2つの層)で作成される。材料が繊維性に構成されていることによってすでに多孔の内部支持構造体1021bにさらに孔パターンを形成して、包囲体1024の主要面に対してほぼ垂直に配向された均一に離間した小径孔を形成するのがよい。これらの孔は、内部支持構造体1021bを容易に屈曲させて凸形状及び/又は凹形状に適合するようにすることができる。結果として得られるアプリケータ1020の比較的薄い全体寸法(例えば、約0.25インチ〜から約0.50インチ(約6.35〜約12.7ミリメートル))は、アプリケータ1020が人体構造に容易に一致させることが期待される。内部支持構造体1021bの低い流れインピーダンスは、隣接する組織を適切に冷却するのに適した毎分約0.1〜約5リットルの流量を可能にすると期待される。また、繊維性多孔構造の三次元性は、アプリケータ1020内の熱移送流体155の均一な分散を容易にし、隣接する組織110のより均一な処置を実現することができる。
【0059】
内部支持構造体1021bの多孔率は、アプリケータ1020の1つの部分と別の部分の間で変化してもよく、及び/又は熱移送流体155に望まれる局所的な流れ方向に応じて変化してもよい。例えば、内部支持構造体1021bの多孔率は、アプリケータ1020の周辺領域の組織からの熱移送を増進するように、例えば、これらの領域の周囲環境への予測される熱移送損失の増加を補うように選択される。多孔率は、内部支持構造体1021b内の孔の数及び/又はサイズ、並びに孔の空間的配向を調整することによって変更するのがよい。
【0060】
以上、本明細書では、本発明の技術の特定の実施形態を例示目的で説明したが、本発明の技術から逸脱することなく様々な修正を施すことができると理解されよう。例えば、上述した装置は、皮下組織を冷却することに加えて、振動効果、マッサージ効果、及び/又は拍動効果を生みだすための機械的エネルギーを与える構成要素を含むこともできる。代表的な構成要素が、米国特許第7,367,341号(特許文献5)及び同一出願人による米国特許出願公開第2008/0287839号(特許文献7)に記載されており、これらの両特許は引用により本明細書に組み入れられる。上述した装置のいくつかの特徴は、これらの装置を特に家庭での使用に適するようにするものであるが、このような特徴は、これらの装置が病院又は診療所環境で使用されることを除外するものではない。このような実施形態では、装置又は装置の一部を、商用、臨床用、又は施設用冷凍庫及び/又は冷却器内で冷却することができる。上述した構成要素の多くの形状、サイズ、及び組成は、これらが同じ又はほぼ同様の機能を提供する限り、上述したものとは異なってもよい。例えば、上述した導管及び管体は、同様に流体を効果的に運ぶ他の形状又は配置を有していてもよい。流体駆動装置は、例えば、熱移送流体を運ぶ熱交換器に接続することにより、又はアプリケータに接続することにより、熱移送導管に直接接続することなくこれに作動的に結合してもよい。コントローラは、具体的に上述した以外の制御方式を実施することができ、及び/又は温度センサ及び時間センサに加えて又はこれらの代わりに、具体的に上述した以外のセンサ(例えば、圧力センサ)に結合して、冷却装置に関連する変化を検出してもよい。コントローラは、場合によっては使用者入力を受入れることができるが、ほとんどの場合、装置の使用を単純化するために自律的に作動してもよい。上述したように、いくつかの実施形態における冷却剤は、加熱又は冷却中に相変化してもよく、これにより冷却工程で凍結又は固化されてもよい。相変化が生じない他の実施形態では、冷却工程によって冷却剤が凍結又は固化されない。
【0061】
特定の実施形態との関連で説明した技術のいくつかの態様を、他の実施形態では組み合わせてもよく、又は排除してもよい。例えば、図9〜図11との関連で上述したアプリケータを、図1〜図8を参照して上述した装置のいずれかとともに使用してもよい。図8の内容で説明した熱交換器管と冷却剤容器の間の熱接続を、図1〜図3の内容で図示及び説明した構成に適用することもできる。いくつかの実施形態との関連で説明したヒータ及び流れ撹拌器を、他の実施形態では排除することもできる。さらに、本発明の技術のいくつかの実施形態に関連する利点を、これらの実施形態との関連で説明したが、他の実施形態もこのような利点を示す可能性があり、また必ずしも全ての実施形態が本開示の範囲に含まれるこのような利点を示す必要はない。従って、本開示及び関連技術は、本明細書で明示的に図示又は説明していない他の実施形態を含むこともできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置であって、
ヒトの皮膚と熱的に連通するように、解放可能に位置決め可能なアプリケータと、
約37℃よりも低く且つ約−20℃よりも高い第1の液相/固相転移温度を有する冷却剤を有する冷却剤容器と、
前記アプリケータに作動的に結合され、前記第1の液相/固相転移温度よりも低い第2の液相/固相転移温度を有し且つ前記冷却剤と流体的に接触しないように隔離された熱移送流体を収容する熱移送導管と、
前記冷却剤容器内に位置決めされ、熱を前記熱移送流体と前記冷却剤の間で移送するように前記熱移送導管に作動的に結合され、且つ、前記熱移送導管及び前記アプリケータと一緒に前記熱移送流体のためのシールされた閉ループ経路を形成する熱交換器導管を含む熱交換器と、
前記熱移送流体を前記アプリケータと前記熱交換器の間に差し向けるように前記熱移送導管に作動的に結合された流体駆動装置と、を有する冷却装置。
【請求項2】
前記流体駆動装置はポンプを含む、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記ポンプの少なくとも一部分は、前記シールされた閉ループ経路を遮断することなしに前記熱移送導管から取外し可能である、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
更に、前記熱移送流体を加熱するために前記熱移送流体と熱的に連通するように位置決めされたヒータを有する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記熱移送導管は、前記熱移送流体を前記アプリケータに配送するように位置決めされた供給部分と、前記熱移送流体を前記アプリケータから受入れるように位置決めされた戻り部分を含み、
更に、前記熱移送導管と熱的に連通するように位置決めされたヒータと、
前記熱移送導管の前記供給部分と前記戻り部分の間に且つ前記熱交換器と並列に結合された分流チャネルと、
前記分流チャネル内の流れを調整するように位置決めされた少なくとも1つの弁と、
少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサ、前記ヒータ、前記流体駆動装置、前記少なくとも1つの弁、及び前記流体駆動装置に作動的に結合されたコントローラと、を有し、
前記コントーラは、指示を含み且つコンピュータで読込み可能な媒体を有し、前記指示は、実行時、熱移送流体を前記熱交換器の周囲に迂回させるために、前記少なくとも1つの弁に、前記分流チャネルを開放するように命令し、前記熱移送流体を前記アプリケータにポンプ送りするために、前記流体駆動装置を作動させ、前記ヒータを作動させ、前記熱移送流体の能動的加熱に対応する入力を前記少なくとも1つのセンサから受取り、前記入力に応答して、前記ヒータを不作動にし、前記分流チャネルを閉鎖するように前記少なくとも1つの弁に命令する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記センサはタイマを含む、請求項5に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記センサは温度センサを含む、請求項5に記載の冷却装置。
【請求項8】
更に、前記熱移送導管の前記供給部分と前記戻り部分の間に且つ前記熱交換器と並列に結合された分流チャネルと、
前記分流チャネル内の流れを調整するように位置決めされた少なくとも1つの弁と、を有する請求項1に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記第1の液相/固相転移温度は、約25℃よりも低く且つ約−20℃よりも高い、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記第1の液相/固相転移温度は、約0℃よりも低く且つ約−12℃よりも高い、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記第1の液相/固相転移温度は、約−3℃よりも低く且つ約−6℃よりも高い、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項12】
更に、前記冷却剤容器に作動的に結合された撹拌器を有し、前記撹拌器は、前記冷却剤容器内の液体冷却剤を撹拌するように作動可能である、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記冷却剤は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び塩のうちの少なくとも1つを含むように選択される、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項14】
前記熱移送流体は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び塩のうちの少なくとも1つを含むように選択される、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項15】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置であって、
ヒトの皮膚と熱的に連通するように、解放可能に位置決め可能なアプリケータと、
冷却剤を有する冷却剤容器と、
前記アプリケータに作動的に結合され、前記冷却剤と流体的に接触しないように隔離された熱移送流体を収容する熱移送導管と、
前記熱移送流体と前記冷却剤の間で熱を移送するように前記冷却剤容器と前記熱移送導管の間に作動的に結合された熱交換器と、
前記熱移送流体を前記アプリケータと前記熱交換器の間に差し向けるように前記熱移送導管に作動的に結合された流体駆動装置と、を有する冷却装置。
【請求項16】
前記冷却剤容器は、自立型シールユニットとして前記熱交換器との熱的な連通から取り外し可能である、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項17】
前記熱交換器は、熱交換器導管を含み、
前記冷却剤容器は、前記熱交換器導管を解放可能に受入れるように位置決めされた凹部を有する外面を含む、請求項16に記載の冷却装置。
【請求項18】
前記冷却剤容器は、その容積内部に延びる少なくとも1つのブラインドチャネルを含み、
前記熱交換器は、供給部分及び戻り部分を有する熱交換器導管を含み、前記供給部分及び前記戻り部分は両方とも、前記少なくとも1つのブラインドチャネル内に取外し可能に受入れられるように位置決めされる、請求項16に記載の冷却装置。
【請求項19】
前記供給部分及び戻り部分は、互いに対して環状に位置決めされる、請求項18に記載の冷却装置。
【請求項20】
更に、前記熱移送導管と前記熱交換器の間の少なくとも1つの解放可能な結合部を有し、
前記冷却剤容器及び前記熱交換器は、ユニットとして前記熱移送導管から前記少なくとも1つの解放可能な結合部のところで分離可能である、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項21】
前記アプリケータ、前記熱移送導管、前記熱交換器、及び前記冷却剤容器、単一ユニットとして互いに連結される、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項22】
更に、前記冷却装置に関連した変化を検出するように位置決めされセンサと、
前記センサからの信号を受入れるように前記センサに作動的に結合されたコントローラと、を有し、
前記コントローラは、指示がプログラムされ且つコンピュータで読込み可能である媒体を有し、前記指示は、実行時、前記センサから受取った前記信号に少なくとも部分的に基づく応答を命令する、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項23】
前記センサは、タイマを含み、前記応答は、前記冷却装置によって行われる冷却工程が完了させる指示を含む、請求項22に記載の冷却装置。
【請求項24】
前記センサは、前記アプリケータによって支持された温度センサを含む、請求項22に記載の冷却装置。
【請求項25】
前記センサは、前記冷却剤と熱的に連通するように位置決めされた温度センサを含む、請求項22に記載の冷却装置。
【請求項26】
更に、前記冷却剤容器に作動的に結合された撹拌器を有し、前記撹拌器は、前記冷却剤容器内の液体冷却剤を撹拌するように作動可能である、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項27】
前記冷却剤容器は、容器壁を含み、前記容器壁は、第1の熱伝導率を有する第1の部分と、前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する第2の部分を有し、前記第2の部分は、前記冷却剤容器の内面から外面に延び、
前記熱交換器は、前記容器壁の前記第2の部分と熱的に接触し且つ前記第2の部分に固定連結された熱交換器導管を含む、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項28】
前記冷却剤は、第1の組成を有し、前記熱移送流体は、前記第1の組成と異なる第2の組成を有する、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項29】
前記冷却剤及び熱移送流体は、少なくとも1つの同一の成分を含み、前記成分は、前記冷却剤内で第1の濃度を有し、前記熱移送流体内で前記第1の濃度と異なる第2の濃度を有する、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項30】
前記冷却剤は、約37℃よりも低く且つ約−20℃よりも高い第1の液相/固相転移温度を有し、前記熱移送流体は、前記第1の液相/固相転移温度よりも低い第2の液相/固相転移温度を有する、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項31】
前記第1の液相/固相転移温度は、約25℃よりも低く且つ約−20℃よりも高い、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項32】
前記第1の液相/固相転移温度は、約0℃よりも低く且つ約−12℃よりも高い、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項33】
前記第1の液相/固相転移温度は、約−3℃よりも低く且つ約−6℃よりも高い、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項34】
前記冷却剤は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び塩のうちの少なくとも1つを含むように選択される、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項35】
前記熱移送流体は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び塩のうちの少なくとも1つを含むように選択される、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項36】
ヒトの組織を冷却する方法であって、
アプリケータをヒトに解放可能に取付ける工程と、
冷却した熱移送流体を前記アプリケータに差し向けることによって、及び、熱を前記熱移送流体から冷却剤に移送して前記冷却剤を加熱することによって、ヒトの皮下多脂質組織の多脂質細胞を選択的に減少させるのに十分な量の熱を、ヒトの皮下多脂質組織から前記アプリケータを介して除去する工程と、
前記冷却剤を再冷却する工程と、を有する方法。
【請求項37】
前記熱を除去する工程は、前記多脂質細胞を崩壊させること、損傷すること、収縮させること、無力化すること、破壊すること、除去すること、及び殺傷することのうちの少なくとも1つにとって十分な量の熱を除去する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記冷却剤を再冷却する工程は、前記冷却剤の液体部分を凍結させる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記冷却剤を再冷却する工程は、前記冷却剤の固体部分を冷却する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、前記冷却剤が固相のままである間に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、前記冷却剤が液相のままである間に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程が、前記冷却剤を固相から液相に転移させる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記冷却剤は、冷却剤容器に収容され、前記熱移送流体は、熱移送導管内に配置され、前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、熱交換器において行われ、さらに、前記冷却剤を再冷却する工程は、前記アプリケータ、前記熱移送導管、前記熱交換器、及び前記冷却剤容器をユニットとして冷凍庫に入れる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記冷却剤は、冷却剤容器に収容され、前記熱移送流体は、熱移送導管内に配置され、前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、熱交換器において行われ、さらに、前記冷却剤を再冷却する工程は、前記冷却剤容器を前記熱交換器との熱的な連通から取外して前記冷却剤容器を冷凍庫に入れる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記冷却剤は、冷却剤容器に収容され、前記熱移送流体は、熱移送導管内に配置され、前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、熱交換器において行われ、さらに、前記冷却剤を再冷却する工程は、前記熱交換器を前記熱移送導管から切断して前記熱交換器及び前記冷却剤容器をユニットとして冷凍庫に入れる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
前記冷却剤が凍結している間であって前記アプリケータをヒトに解放可能に取付ける前に、前記熱移送流体を加熱する工程を更に有する、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
前記熱移送流体を加熱する工程は、前記熱移送流体を前記冷却剤と熱的に連通しないように分流しながら前記熱移送流体を加熱する工程を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記熱移送流体を加熱する工程は、前記アプリケータの温度が所定のレベルに上昇するまで前記熱移送流体を加熱する工程を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記熱移送流体を加熱する工程は、前記熱移送流体を所定の時間にわたって加熱する工程を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
更に、冷却剤に熱を移送する工程を有し、この工程は、約37℃よりも低く約−20℃よりも高い相転移温度を有する冷却剤に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項51】
更に、冷却剤に熱を移送する工程を有し、この工程は、約25℃よりも低く約−20℃よりも高い相転移温度を有する冷却剤に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項52】
更に、冷却剤に熱を移送する工程を有し、この工程は、約0℃よりも低く約−12℃よりも高い相転移温度を有する冷却剤に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項53】
更に、冷却剤に熱を移送する工程を有し、この工程は、約−3℃よりも低く約−6℃よりも高い相転移温度を有する冷却剤に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項54】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置であって、
ヒトの皮膚と熱的に連通するように解放可能に位置決め可能なアプリケータを有し、前記アプリケータは、第1の部分と第2の部分を有し、
前記第1の部分は、第1の弾性を有し、皮膚に接して配置されるように構成され、
前記第2の部分は、前記第1の弾性よりも小さい第2の弾性を有し、前記第1の部分にシール可能に連結され、前記第1の部分から離れる方に面し、
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一方は、これらの間に冷却された熱移送流体を受入れるように他方に対して移動可能である、冷却装置。
【請求項55】
更に、前記第1の部分に接するように配置されたエラストマーメッシュを有する、請求項54に記載の冷却装置。
【請求項56】
更に、前記第2の部分を支持する可撓性の凹形支持構造体を有し、前記凹形支持構造体は、前記第1の部分に凹形形状を付与する、請求項54に記載の冷却装置。
【請求項57】
更に、冷却剤を有する冷却剤容器と、
前記アプリケータに作動的に結合され、前記冷却剤との流体接触から隔離された熱移送流体を収容する熱移送導管と、
熱を前記熱移送流体と前記冷却剤の間で熱を移送するように、前記冷却剤容器と前記熱移送導管の間に作動的に結合された熱交換器と、
前記熱移送流体を前記アプリケータと前記熱交換器の間に差し向けるように、前記熱移送導管に作動的に結合された流体駆動装置と、を有する請求項54に記載の冷却装置。
【請求項58】
更に、前記第1の部分と前記第2の部分の間に位置決めされた多孔の内部支持構造体を有する、請求項54に記載の冷却装置。
【請求項59】
前記第1の部分が、可撓性の弾性材料を含み、前記第2の部分は、可撓性の非弾性材料を含む、請求項54に記載の冷却装置。
【請求項60】
ヒト組織を冷却する方法であって、
前記アプリケータをヒトに解放可能に取付ける工程を有し、この工程は、アプリケータの第1の部分をヒトの皮膚と熱的に連通するように位置決めし、前記アプリケータの第2の部分を前記第1の部分から外に向くように位置決めすることによって行われ、前記第1の部分は、第1の弾性を有し、前記第2の部分は、前記第1の弾性よりも小さい第2の弾性を有し、
ヒトの皮下多脂質組織の多脂質細胞を選択的に減少させるのに十分な量の熱を、冷却した熱移送流体を前記第1の部分と前記第2の部分の間に向けることによって、ヒトの皮下多脂質組織から前記アプリケータを介して除去する工程と、を有する方法。
【請求項61】
更に、熱を前記熱移送流体から、前記熱移送流体と流体的に接触していない冷却剤に移送する工程と、
前記冷却剤を再冷却する工程と、を有する請求項60に記載の方法。
【請求項62】
更に、前記アプリケータの第1の部分にしわを形成することなしに、前記アプリケータの第1の部分を皮膚の凸部に一致させる工程を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
更に、前記アプリケータの第1の部分を引伸ばして、皮膚の凹部に一致させる工程を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置であって、
ヒトの皮膚に接触するように、また、解放できるように位置決め可能なアプリケータを有し、
前記アプリケータは、入口ポート及び出口ポートを含む可撓性で流体密な包囲体と、前記包囲体内に且つ前記入口ポートと前記出口ポートの間に位置決めされた多孔の内部構造とを有し、
前記内部構造は、
(a)前記出口ポートが前記包囲体の外部圧力よりも低い圧力に晒されたときに前記包囲体がそれ自体の上に崩れること防止するのに十分な座屈強度を有し、又は、
(b)加圧流体が前記入口ポートに供給されたときに前記包囲体が膨張することを少なくとも阻止するように前記包囲体の内面に取付けられ、又は、
(c)前記(a)と前記(b)の両方である、冷却装置。
【請求項65】
前記内部構造は、前記出口ポートが前記包囲体の外部圧力よりも最大約2psi(0.014MPa)低い圧力に晒されたときに前記包囲体がそれ自体の上に崩れることを防止するのに十分な座屈強度を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記内部構造は、前記出口ポートが前記包囲体の外部圧力よりも最大約5psi(0.034MPa)低い圧力に晒されたときに前記包囲体がそれ自体の上に崩れることを防止するのに十分な座屈強度を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項67】
前記内部構造は、前記出口ポートが前記包囲体の外部圧力よりも最大約10psi(0.069MPa)低い圧力に晒されたときに前記包囲体がそれ自体の上に崩れることを防止するのに十分な座屈強度を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項68】
前記内部構造は繊維性材料を含む、請求項64に記載の装置。
【請求項69】
前記内部構造は、互いに摺動し且つ互いに面するように配置された複数の繊維性材料層を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項70】
前記包囲体は、互いに対向する第1の内面及び第2の内面を有し、
前記アプリケータは、更に、前記第1の内面から前記第2の内面に延びる取付け要素を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項71】
更に、前記アプリケータの入口ポートと出口ポートの間に結合された熱交換器と、
ポンプと、を有し、前記ポンプは、前記アプリケータから流体を引くために前記アプリケータの出口ポートに結合された入口と、前記熱交換器の上流の出口とを有する、請求項64に記載の装置。
【請求項72】
更に、前記アプリケータの入口ポートと出口ポートの間に結合された熱交換器と、
ポンプと、を有し、前記ポンプは、前記アプリケータに流体をポンプ送りするために前記アプリケータの出口ポートに結合された出口と、前記熱交換器の下流の入口とを有する、請求項64に記載の装置。
【請求項73】
前記包囲体は、更に、第1の部分と第2の部分を有し、
前記第1の部分は、可撓性の第1の材料を含み、前記第1の材料は、皮膚に接するように配置され且つ位置決めされ、第1の弾性を有し、
前記第2の部分は、前記第1の部分にシール可能に連結され、可撓性の第2の材料を含み、前記第2の材料は、前記第1の部分から離れた方に面し、前記第1の弾性よりも小さい第2の弾性を有し、
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一方は、それらの間に前記加圧流体を収容するように他方に対して移動可能である、請求項64に記載の装置。
【請求項74】
ヒトの皮膚に接するように位置決め可能な前記包囲体の部分は、予備形成された凹形状を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項75】
ヒトの組織を冷却する方法であって、
ヒトの皮膚と熱的に連通する可撓性の包囲体を位置決めすることによって、アプリケータをヒトに解放可能に取付ける工程と、
冷却した熱移送流体を前記可撓性の包囲体の中に差し向け、前記包囲体内の多孔の内部支持構造体に通す一方で、多孔の前記内部支持構造体が、
(a)前記包囲体内の流体圧力によって前記包囲体が外向きに膨らむのを少なくとも制限し、又は、
(b)前記内部支持構造体が外圧によって崩壊するのを制限し、又は、
前記(a)と前記(b)の両方を行うことにより、ヒトの皮下多脂質組織から、その多脂質細胞を減少させるのに十分な量の熱を前記アプリケータを介して除去する工程と、
を有する方法。
【請求項76】
前記熱を除去する工程が、前記多脂質細胞を収縮させること、無力化すること、損傷すること、破壊すること、除去すること、及び殺傷することのうちの少なくとも1つによって十分な量の熱を除去する工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
更に、前記熱移送流体と流体的に接触してない冷却剤に前記熱移送流体から熱を移送する工程と、
前記冷却剤を再冷却する工程と、を有する請求項75に記載の方法。
【請求項78】
更に、前記包囲体内の熱移送流体を、前記包囲体を前記内部支持構造体から離れて外向きに膨らませることなしに、前記包囲体外部の大気圧よりも高く加圧する工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
更に、前記包囲体から、前記内部支持構造体をそれ自体の上に崩れることなしに、前記包囲体の外側の大気圧よりも低い圧力で前記熱移送流体を回収する工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記熱移送流体を回収する工程は、前記大気圧よりも最大2psi(0.014MPa)低い圧力で前記熱移送流体を回収する工程を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記熱移送流体を回収する工程は、前記大気圧よりも最大5psi(0.034MPa)低い圧力で前記熱移送流体を回収する工程を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記熱移送流体を回収する工程は、前記大気圧よりも最大10psi(0.069MPa)低い圧力で前記熱移送流体を回収する工程を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
更に、前記包囲体のしわになった部分を前記内部支持構造体の孔の中に受入れる工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項84】
ヒトに前記アプリケータを解放可能に取付ける工程は、前記凹部の形状を全体的に維持しながら前記アプリケータの凹部をヒトに接触させる工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項1】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置であって、
ヒトの皮膚と熱的に連通するように、解放可能に位置決め可能なアプリケータと、
約37℃よりも低く且つ約−20℃よりも高い第1の液相/固相転移温度を有する冷却剤を有する冷却剤容器と、
前記アプリケータに作動的に結合され、前記第1の液相/固相転移温度よりも低い第2の液相/固相転移温度を有し且つ前記冷却剤と流体的に接触しないように隔離された熱移送流体を収容する熱移送導管と、
前記冷却剤容器内に位置決めされ、熱を前記熱移送流体と前記冷却剤の間で移送するように前記熱移送導管に作動的に結合され、且つ、前記熱移送導管及び前記アプリケータと一緒に前記熱移送流体のためのシールされた閉ループ経路を形成する熱交換器導管を含む熱交換器と、
前記熱移送流体を前記アプリケータと前記熱交換器の間に差し向けるように前記熱移送導管に作動的に結合された流体駆動装置と、を有する冷却装置。
【請求項2】
前記流体駆動装置はポンプを含む、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記ポンプの少なくとも一部分は、前記シールされた閉ループ経路を遮断することなしに前記熱移送導管から取外し可能である、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
更に、前記熱移送流体を加熱するために前記熱移送流体と熱的に連通するように位置決めされたヒータを有する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記熱移送導管は、前記熱移送流体を前記アプリケータに配送するように位置決めされた供給部分と、前記熱移送流体を前記アプリケータから受入れるように位置決めされた戻り部分を含み、
更に、前記熱移送導管と熱的に連通するように位置決めされたヒータと、
前記熱移送導管の前記供給部分と前記戻り部分の間に且つ前記熱交換器と並列に結合された分流チャネルと、
前記分流チャネル内の流れを調整するように位置決めされた少なくとも1つの弁と、
少なくとも1つのセンサと、
前記少なくとも1つのセンサ、前記ヒータ、前記流体駆動装置、前記少なくとも1つの弁、及び前記流体駆動装置に作動的に結合されたコントローラと、を有し、
前記コントーラは、指示を含み且つコンピュータで読込み可能な媒体を有し、前記指示は、実行時、熱移送流体を前記熱交換器の周囲に迂回させるために、前記少なくとも1つの弁に、前記分流チャネルを開放するように命令し、前記熱移送流体を前記アプリケータにポンプ送りするために、前記流体駆動装置を作動させ、前記ヒータを作動させ、前記熱移送流体の能動的加熱に対応する入力を前記少なくとも1つのセンサから受取り、前記入力に応答して、前記ヒータを不作動にし、前記分流チャネルを閉鎖するように前記少なくとも1つの弁に命令する、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記センサはタイマを含む、請求項5に記載の冷却装置。
【請求項7】
前記センサは温度センサを含む、請求項5に記載の冷却装置。
【請求項8】
更に、前記熱移送導管の前記供給部分と前記戻り部分の間に且つ前記熱交換器と並列に結合された分流チャネルと、
前記分流チャネル内の流れを調整するように位置決めされた少なくとも1つの弁と、を有する請求項1に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記第1の液相/固相転移温度は、約25℃よりも低く且つ約−20℃よりも高い、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記第1の液相/固相転移温度は、約0℃よりも低く且つ約−12℃よりも高い、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記第1の液相/固相転移温度は、約−3℃よりも低く且つ約−6℃よりも高い、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項12】
更に、前記冷却剤容器に作動的に結合された撹拌器を有し、前記撹拌器は、前記冷却剤容器内の液体冷却剤を撹拌するように作動可能である、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記冷却剤は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び塩のうちの少なくとも1つを含むように選択される、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項14】
前記熱移送流体は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び塩のうちの少なくとも1つを含むように選択される、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項15】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置であって、
ヒトの皮膚と熱的に連通するように、解放可能に位置決め可能なアプリケータと、
冷却剤を有する冷却剤容器と、
前記アプリケータに作動的に結合され、前記冷却剤と流体的に接触しないように隔離された熱移送流体を収容する熱移送導管と、
前記熱移送流体と前記冷却剤の間で熱を移送するように前記冷却剤容器と前記熱移送導管の間に作動的に結合された熱交換器と、
前記熱移送流体を前記アプリケータと前記熱交換器の間に差し向けるように前記熱移送導管に作動的に結合された流体駆動装置と、を有する冷却装置。
【請求項16】
前記冷却剤容器は、自立型シールユニットとして前記熱交換器との熱的な連通から取り外し可能である、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項17】
前記熱交換器は、熱交換器導管を含み、
前記冷却剤容器は、前記熱交換器導管を解放可能に受入れるように位置決めされた凹部を有する外面を含む、請求項16に記載の冷却装置。
【請求項18】
前記冷却剤容器は、その容積内部に延びる少なくとも1つのブラインドチャネルを含み、
前記熱交換器は、供給部分及び戻り部分を有する熱交換器導管を含み、前記供給部分及び前記戻り部分は両方とも、前記少なくとも1つのブラインドチャネル内に取外し可能に受入れられるように位置決めされる、請求項16に記載の冷却装置。
【請求項19】
前記供給部分及び戻り部分は、互いに対して環状に位置決めされる、請求項18に記載の冷却装置。
【請求項20】
更に、前記熱移送導管と前記熱交換器の間の少なくとも1つの解放可能な結合部を有し、
前記冷却剤容器及び前記熱交換器は、ユニットとして前記熱移送導管から前記少なくとも1つの解放可能な結合部のところで分離可能である、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項21】
前記アプリケータ、前記熱移送導管、前記熱交換器、及び前記冷却剤容器、単一ユニットとして互いに連結される、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項22】
更に、前記冷却装置に関連した変化を検出するように位置決めされセンサと、
前記センサからの信号を受入れるように前記センサに作動的に結合されたコントローラと、を有し、
前記コントローラは、指示がプログラムされ且つコンピュータで読込み可能である媒体を有し、前記指示は、実行時、前記センサから受取った前記信号に少なくとも部分的に基づく応答を命令する、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項23】
前記センサは、タイマを含み、前記応答は、前記冷却装置によって行われる冷却工程が完了させる指示を含む、請求項22に記載の冷却装置。
【請求項24】
前記センサは、前記アプリケータによって支持された温度センサを含む、請求項22に記載の冷却装置。
【請求項25】
前記センサは、前記冷却剤と熱的に連通するように位置決めされた温度センサを含む、請求項22に記載の冷却装置。
【請求項26】
更に、前記冷却剤容器に作動的に結合された撹拌器を有し、前記撹拌器は、前記冷却剤容器内の液体冷却剤を撹拌するように作動可能である、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項27】
前記冷却剤容器は、容器壁を含み、前記容器壁は、第1の熱伝導率を有する第1の部分と、前記第1の熱伝導率よりも大きい第2の熱伝導率を有する第2の部分を有し、前記第2の部分は、前記冷却剤容器の内面から外面に延び、
前記熱交換器は、前記容器壁の前記第2の部分と熱的に接触し且つ前記第2の部分に固定連結された熱交換器導管を含む、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項28】
前記冷却剤は、第1の組成を有し、前記熱移送流体は、前記第1の組成と異なる第2の組成を有する、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項29】
前記冷却剤及び熱移送流体は、少なくとも1つの同一の成分を含み、前記成分は、前記冷却剤内で第1の濃度を有し、前記熱移送流体内で前記第1の濃度と異なる第2の濃度を有する、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項30】
前記冷却剤は、約37℃よりも低く且つ約−20℃よりも高い第1の液相/固相転移温度を有し、前記熱移送流体は、前記第1の液相/固相転移温度よりも低い第2の液相/固相転移温度を有する、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項31】
前記第1の液相/固相転移温度は、約25℃よりも低く且つ約−20℃よりも高い、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項32】
前記第1の液相/固相転移温度は、約0℃よりも低く且つ約−12℃よりも高い、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項33】
前記第1の液相/固相転移温度は、約−3℃よりも低く且つ約−6℃よりも高い、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項34】
前記冷却剤は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び塩のうちの少なくとも1つを含むように選択される、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項35】
前記熱移送流体は、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、エタノール、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び塩のうちの少なくとも1つを含むように選択される、請求項30に記載の冷却装置。
【請求項36】
ヒトの組織を冷却する方法であって、
アプリケータをヒトに解放可能に取付ける工程と、
冷却した熱移送流体を前記アプリケータに差し向けることによって、及び、熱を前記熱移送流体から冷却剤に移送して前記冷却剤を加熱することによって、ヒトの皮下多脂質組織の多脂質細胞を選択的に減少させるのに十分な量の熱を、ヒトの皮下多脂質組織から前記アプリケータを介して除去する工程と、
前記冷却剤を再冷却する工程と、を有する方法。
【請求項37】
前記熱を除去する工程は、前記多脂質細胞を崩壊させること、損傷すること、収縮させること、無力化すること、破壊すること、除去すること、及び殺傷することのうちの少なくとも1つにとって十分な量の熱を除去する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記冷却剤を再冷却する工程は、前記冷却剤の液体部分を凍結させる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記冷却剤を再冷却する工程は、前記冷却剤の固体部分を冷却する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、前記冷却剤が固相のままである間に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、前記冷却剤が液相のままである間に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程が、前記冷却剤を固相から液相に転移させる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記冷却剤は、冷却剤容器に収容され、前記熱移送流体は、熱移送導管内に配置され、前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、熱交換器において行われ、さらに、前記冷却剤を再冷却する工程は、前記アプリケータ、前記熱移送導管、前記熱交換器、及び前記冷却剤容器をユニットとして冷凍庫に入れる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記冷却剤は、冷却剤容器に収容され、前記熱移送流体は、熱移送導管内に配置され、前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、熱交換器において行われ、さらに、前記冷却剤を再冷却する工程は、前記冷却剤容器を前記熱交換器との熱的な連通から取外して前記冷却剤容器を冷凍庫に入れる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記冷却剤は、冷却剤容器に収容され、前記熱移送流体は、熱移送導管内に配置され、前記熱移送流体から前記冷却剤に熱を移送する工程は、熱交換器において行われ、さらに、前記冷却剤を再冷却する工程は、前記熱交換器を前記熱移送導管から切断して前記熱交換器及び前記冷却剤容器をユニットとして冷凍庫に入れる工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
前記冷却剤が凍結している間であって前記アプリケータをヒトに解放可能に取付ける前に、前記熱移送流体を加熱する工程を更に有する、請求項36に記載の方法。
【請求項47】
前記熱移送流体を加熱する工程は、前記熱移送流体を前記冷却剤と熱的に連通しないように分流しながら前記熱移送流体を加熱する工程を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記熱移送流体を加熱する工程は、前記アプリケータの温度が所定のレベルに上昇するまで前記熱移送流体を加熱する工程を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記熱移送流体を加熱する工程は、前記熱移送流体を所定の時間にわたって加熱する工程を有する、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
更に、冷却剤に熱を移送する工程を有し、この工程は、約37℃よりも低く約−20℃よりも高い相転移温度を有する冷却剤に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項51】
更に、冷却剤に熱を移送する工程を有し、この工程は、約25℃よりも低く約−20℃よりも高い相転移温度を有する冷却剤に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項52】
更に、冷却剤に熱を移送する工程を有し、この工程は、約0℃よりも低く約−12℃よりも高い相転移温度を有する冷却剤に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項53】
更に、冷却剤に熱を移送する工程を有し、この工程は、約−3℃よりも低く約−6℃よりも高い相転移温度を有する冷却剤に熱を移送する工程を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項54】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置であって、
ヒトの皮膚と熱的に連通するように解放可能に位置決め可能なアプリケータを有し、前記アプリケータは、第1の部分と第2の部分を有し、
前記第1の部分は、第1の弾性を有し、皮膚に接して配置されるように構成され、
前記第2の部分は、前記第1の弾性よりも小さい第2の弾性を有し、前記第1の部分にシール可能に連結され、前記第1の部分から離れる方に面し、
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一方は、これらの間に冷却された熱移送流体を受入れるように他方に対して移動可能である、冷却装置。
【請求項55】
更に、前記第1の部分に接するように配置されたエラストマーメッシュを有する、請求項54に記載の冷却装置。
【請求項56】
更に、前記第2の部分を支持する可撓性の凹形支持構造体を有し、前記凹形支持構造体は、前記第1の部分に凹形形状を付与する、請求項54に記載の冷却装置。
【請求項57】
更に、冷却剤を有する冷却剤容器と、
前記アプリケータに作動的に結合され、前記冷却剤との流体接触から隔離された熱移送流体を収容する熱移送導管と、
熱を前記熱移送流体と前記冷却剤の間で熱を移送するように、前記冷却剤容器と前記熱移送導管の間に作動的に結合された熱交換器と、
前記熱移送流体を前記アプリケータと前記熱交換器の間に差し向けるように、前記熱移送導管に作動的に結合された流体駆動装置と、を有する請求項54に記載の冷却装置。
【請求項58】
更に、前記第1の部分と前記第2の部分の間に位置決めされた多孔の内部支持構造体を有する、請求項54に記載の冷却装置。
【請求項59】
前記第1の部分が、可撓性の弾性材料を含み、前記第2の部分は、可撓性の非弾性材料を含む、請求項54に記載の冷却装置。
【請求項60】
ヒト組織を冷却する方法であって、
前記アプリケータをヒトに解放可能に取付ける工程を有し、この工程は、アプリケータの第1の部分をヒトの皮膚と熱的に連通するように位置決めし、前記アプリケータの第2の部分を前記第1の部分から外に向くように位置決めすることによって行われ、前記第1の部分は、第1の弾性を有し、前記第2の部分は、前記第1の弾性よりも小さい第2の弾性を有し、
ヒトの皮下多脂質組織の多脂質細胞を選択的に減少させるのに十分な量の熱を、冷却した熱移送流体を前記第1の部分と前記第2の部分の間に向けることによって、ヒトの皮下多脂質組織から前記アプリケータを介して除去する工程と、を有する方法。
【請求項61】
更に、熱を前記熱移送流体から、前記熱移送流体と流体的に接触していない冷却剤に移送する工程と、
前記冷却剤を再冷却する工程と、を有する請求項60に記載の方法。
【請求項62】
更に、前記アプリケータの第1の部分にしわを形成することなしに、前記アプリケータの第1の部分を皮膚の凸部に一致させる工程を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
更に、前記アプリケータの第1の部分を引伸ばして、皮膚の凹部に一致させる工程を有する、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
ヒトの皮下多脂質細胞を冷却する冷却装置であって、
ヒトの皮膚に接触するように、また、解放できるように位置決め可能なアプリケータを有し、
前記アプリケータは、入口ポート及び出口ポートを含む可撓性で流体密な包囲体と、前記包囲体内に且つ前記入口ポートと前記出口ポートの間に位置決めされた多孔の内部構造とを有し、
前記内部構造は、
(a)前記出口ポートが前記包囲体の外部圧力よりも低い圧力に晒されたときに前記包囲体がそれ自体の上に崩れること防止するのに十分な座屈強度を有し、又は、
(b)加圧流体が前記入口ポートに供給されたときに前記包囲体が膨張することを少なくとも阻止するように前記包囲体の内面に取付けられ、又は、
(c)前記(a)と前記(b)の両方である、冷却装置。
【請求項65】
前記内部構造は、前記出口ポートが前記包囲体の外部圧力よりも最大約2psi(0.014MPa)低い圧力に晒されたときに前記包囲体がそれ自体の上に崩れることを防止するのに十分な座屈強度を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項66】
前記内部構造は、前記出口ポートが前記包囲体の外部圧力よりも最大約5psi(0.034MPa)低い圧力に晒されたときに前記包囲体がそれ自体の上に崩れることを防止するのに十分な座屈強度を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項67】
前記内部構造は、前記出口ポートが前記包囲体の外部圧力よりも最大約10psi(0.069MPa)低い圧力に晒されたときに前記包囲体がそれ自体の上に崩れることを防止するのに十分な座屈強度を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項68】
前記内部構造は繊維性材料を含む、請求項64に記載の装置。
【請求項69】
前記内部構造は、互いに摺動し且つ互いに面するように配置された複数の繊維性材料層を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項70】
前記包囲体は、互いに対向する第1の内面及び第2の内面を有し、
前記アプリケータは、更に、前記第1の内面から前記第2の内面に延びる取付け要素を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項71】
更に、前記アプリケータの入口ポートと出口ポートの間に結合された熱交換器と、
ポンプと、を有し、前記ポンプは、前記アプリケータから流体を引くために前記アプリケータの出口ポートに結合された入口と、前記熱交換器の上流の出口とを有する、請求項64に記載の装置。
【請求項72】
更に、前記アプリケータの入口ポートと出口ポートの間に結合された熱交換器と、
ポンプと、を有し、前記ポンプは、前記アプリケータに流体をポンプ送りするために前記アプリケータの出口ポートに結合された出口と、前記熱交換器の下流の入口とを有する、請求項64に記載の装置。
【請求項73】
前記包囲体は、更に、第1の部分と第2の部分を有し、
前記第1の部分は、可撓性の第1の材料を含み、前記第1の材料は、皮膚に接するように配置され且つ位置決めされ、第1の弾性を有し、
前記第2の部分は、前記第1の部分にシール可能に連結され、可撓性の第2の材料を含み、前記第2の材料は、前記第1の部分から離れた方に面し、前記第1の弾性よりも小さい第2の弾性を有し、
前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一方は、それらの間に前記加圧流体を収容するように他方に対して移動可能である、請求項64に記載の装置。
【請求項74】
ヒトの皮膚に接するように位置決め可能な前記包囲体の部分は、予備形成された凹形状を有する、請求項64に記載の装置。
【請求項75】
ヒトの組織を冷却する方法であって、
ヒトの皮膚と熱的に連通する可撓性の包囲体を位置決めすることによって、アプリケータをヒトに解放可能に取付ける工程と、
冷却した熱移送流体を前記可撓性の包囲体の中に差し向け、前記包囲体内の多孔の内部支持構造体に通す一方で、多孔の前記内部支持構造体が、
(a)前記包囲体内の流体圧力によって前記包囲体が外向きに膨らむのを少なくとも制限し、又は、
(b)前記内部支持構造体が外圧によって崩壊するのを制限し、又は、
前記(a)と前記(b)の両方を行うことにより、ヒトの皮下多脂質組織から、その多脂質細胞を減少させるのに十分な量の熱を前記アプリケータを介して除去する工程と、
を有する方法。
【請求項76】
前記熱を除去する工程が、前記多脂質細胞を収縮させること、無力化すること、損傷すること、破壊すること、除去すること、及び殺傷することのうちの少なくとも1つによって十分な量の熱を除去する工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
更に、前記熱移送流体と流体的に接触してない冷却剤に前記熱移送流体から熱を移送する工程と、
前記冷却剤を再冷却する工程と、を有する請求項75に記載の方法。
【請求項78】
更に、前記包囲体内の熱移送流体を、前記包囲体を前記内部支持構造体から離れて外向きに膨らませることなしに、前記包囲体外部の大気圧よりも高く加圧する工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項79】
更に、前記包囲体から、前記内部支持構造体をそれ自体の上に崩れることなしに、前記包囲体の外側の大気圧よりも低い圧力で前記熱移送流体を回収する工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項80】
前記熱移送流体を回収する工程は、前記大気圧よりも最大2psi(0.014MPa)低い圧力で前記熱移送流体を回収する工程を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記熱移送流体を回収する工程は、前記大気圧よりも最大5psi(0.034MPa)低い圧力で前記熱移送流体を回収する工程を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記熱移送流体を回収する工程は、前記大気圧よりも最大10psi(0.069MPa)低い圧力で前記熱移送流体を回収する工程を有する、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
更に、前記包囲体のしわになった部分を前記内部支持構造体の孔の中に受入れる工程を有する、請求項75に記載の方法。
【請求項84】
ヒトに前記アプリケータを解放可能に取付ける工程は、前記凹部の形状を全体的に維持しながら前記アプリケータの凹部をヒトに接触させる工程を有する、請求項75に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2013−517897(P2013−517897A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551236(P2012−551236)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/022444
【国際公開番号】WO2011/091431
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(508255481)ゼルティック エステティックス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/022444
【国際公開番号】WO2011/091431
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(508255481)ゼルティック エステティックス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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