説明

熱交換器及び熱交換器のためのレシーバ・ドライヤ・コンポーネント

本発明は、車両エアコンの冷媒コンデンサのレシーバ・ドライヤ・コンポーネントに関するものであり、レシーバ及び、この中に取付けられた交換可能なドライヤを備え、レシーバには、その長軸を中心として伸びるジャケット壁があり、このジャケット壁は、この長軸方向に伸びる少なくとも一部において第1チューブからより形成されており、レシーバには少なくとも一つの、冷媒取込み開口部及び少なくとも一つの冷媒排出開口部が備わっており、この排出開口部は、レシーバの第1軸方向端に向いた端部に配置されており、このレシーバの第1軸方向端とは反対側の第2端には、ドライヤ交換用の取出し開口部が備わっており、第2端の範囲には、この取出し開口部のための取外し可能なキャップが設けられており、第1チューブの第1端とは反対の側には、取外し可能なキャップのためのアダプタ装置または第1成形部分が設けられており、このアダプタ装置または第1成形部分には、取外し可能なキャップがロックした状態で保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器のためのレシーバ・ドライヤ・コンポーネント、特に車両エアコンの冷媒コンデンサ及び熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レシーバ・ドライヤ・コンポーネントは、例えば車両エアコンの冷媒コンデンサに用いられる。特にこの分野において、レシーバ・ドライヤ・コンポーネントはコンデンサ・モジュールとも呼ばれ、ドライヤを備えるレシーバを有している。このようなドライヤは、例えばドライヤ・カートリッジ及びストレーナを備え、これらとともに一つのコンポーネントとして構成することができる。
【0003】
エアコン用のコンデンサには通常、チューブ・フィン・ブロックが備わっており、そのチューブの両端はそれぞれコレクタ・チューブに接続されている。これらコレクタ・チューブの一つに平行して隣接する形で、一つのレシーバが配置されている。このレシーバは、少なくとも2つのオーバーフロー開口部を介して、隣接するコレクタ・チューブに流体が流れるよう接続されており、これらオーバーフロー開口部の一つを介して流体(特に冷媒)が、コレクタ・チューブからレシーバ内に流入でき、もう一つのオーバーフロー開口部を介して流体または冷媒がレシーバからコレクタ・チューブに流入できる。
【0004】
車両において、このようなコンデンサは、通常、コレクタ・チューブ及びレシーバが略垂直に並ぶように取付けられている。流体または冷媒がレシーバからコレクタ・チューブに流入する際に通過するオーバーフロー開口部、またはこれに対応するレシーバの排出開口部は、通常はレシーバの下部に配置されている。その理由は、特に、こう配置することにより、レシーバ内に気体化した流体または冷媒がもし存在しても、それがレシーバの排出開口部から排出される可能性を低下または防止できるからである。
【0005】
特許文献1より、チューブ状のコレクタ及びコレクタ・チューブのハーフシェルを形成するための、チューブ状の押出成形部を備えた、車両用エアコン用コンデンサが既知である。押出成形部のこのハーフシェルに形を合わせたもう一つの別のハーフシェルは、コレクタ・チューブのジャケット壁の一部を形成している。押出成形部とは別に作られたコレクタ・チューブのハーフシェルには、チューブ・フィン・ブロックのチューブ端が嵌着されている。チューブ・フィン・ブロックに向かい合うこのハーフシェルは底部として、チューブ・フィン・ブロックとは反対側のハーフシェルは蓋部として記述されている。一体化した蓋部を持つ、このような押出成形されたレシーバにおいては、レシーバの壁厚は通常、その長さ全体にわたって一定である。コレクタ・チューブの蓋部とレシーバとの間が押出成形部により直接接続されているため、通常、コレクタ・チューブとレシーバとの間は直接的に熱が伝導される。
【0006】
特許文献2により、コレクタまたはレシーバのジャケット壁が、一つのチューブ及びこのチューブの下において形を合わせて押出成形されたチューブ部分により形成された車両エアコン用の冷媒コンデンサが既知である。このチューブ部分のジャケット壁には2つの穴があり、その穴には、隣接するコレクタ・チューブにある、これに対応するカラーがプレスかしめで嵌着されており、これにより流体が流れるよう連結されるため、冷媒がレシーバに流入したり、冷媒がレシーバから排出されたりできる。レシーバの上端は、押し込められた蓋部により閉じられており、この蓋部には、張出した形で延長部分が配置されているため、この部分は、隣接するコレクタ・チューブの上端を包み込んで閉じる。この蓋部及び下部に配置されたプレスかしめにより、レシーバ及びコレクタ・チューブはロウ付け前に保持され、この範囲をロウ付けしてロウ接着が生まれると、レシーバ及び隣接するコレクタ・チューブは上端でしっかりとロックされる。レシーバの下端はプラグで閉じられる。
【0007】
特許文献3より、レシーバのジャケット壁全体が一つの中空チューブで構成されているコンデンサが既知である。このチューブの壁厚は略一定であり、上端はネジ山つきの蓋部で閉じられる。
【特許文献1】独国特許出願公開第19705720号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1310748号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0936423号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10306192号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10338527号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第10306197号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、低コストで製造でき、かつ安定して運転できる、熱交換器用レシーバ・ドライヤ・コンポーネントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては、請求項1に記載のレシーバ・ドライヤ・コンポーネント及び請求項30に記載の熱交換器を提案する。望ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明は特に、レシーバ及びドライヤを備える熱交換器用レシーバ・ドライヤ・コンポーネントに関するものである。このドライヤはレシーバ内にあって交換可能であり、つまり、破壊しないと取外せないような形で固定されているわけではない。このレシーバには、縦軸を中心として伸びるジャケット壁がある。このジャケット壁は、レシーバの長軸方向から見ると、少なくとも一部分において、ほぼ第1チューブから構成されている。レシーバにはまた、冷媒等の流体のための少なくとも一つの入口開口部があり、また、その流体のための出口開口部がある。少なくとも出口開口部は、レシーバの第1軸方向端に向いた端部に配置されている。入口開口部も、レシーバの第1軸方向端に向いた端部に配置することも、または、レシーバのその他の部分、特に、第1端とは反対側にある第2端部に配置することもできる。入口開口部及び出口開口部は望ましくはそれぞれレシーバのジャケット壁に配置されている。レシーバの、第1の端とは反対の第2の軸方向端には、ドライヤ交換のための取外し用または交換用開口部がある。この取外し用開口部を通じてドライヤを取外し、(新しい)ドライヤをセットすることができる。レシーバには更に、取外し用開口部のための取外し可能なキャップがある。この取外し可能なキャップは、第2端の範囲に設けられている。特にこの取外し可能なキャップを使うことにより、取外し用開口部を閉じたり開いたりできる。このキャップは、キャップが開いた状態ではすでにレシーバに保持されてはいないこと、または、キャップが開いた状態ではレシーバに保持されているものの、取外し用開口部を塞いでいないことにより、取外し可能であるとすることができる。第1チューブの、第1端とは反対側にある端には、アダプタ装置または第1成形部分が設けられており、このアダプタ装置またはこの成形部分により、取外し可能なキャップをロック状態で保持したり支持したりしている。
【0011】
このように保持または支持するために、例えばネジ止め等により取外し可能なキャップが直接アダプタ装置または第1成形部分にかみあう形で、または、例えばロックリング等の間に挟持する要素等を介して、アダプタ装置または第1成形部分に、特に組み合う形で支持または保持することができる。
【0012】
キャップを閉じた状態でキャップをロックしている保持要素を外さなければキャップが開かないようにすることができ、そのような保持要素としては例えばロックリングが挙げられる。
【0013】
望ましくは、キャップは軸方向に保持される。
【0014】
ドライヤは、例えばドライヤ・カートリッジ及びストレーナを備えることも、またはこれらから構成することもできる。ストレーナはそのようなドライヤ・カートリッジと一緒に一つのコンポーネントとして組み合わせたり一体化したりすることも、またはそのようなドライヤ・カートリッジとは別個に存在することもできる。特にドライヤは、ドライヤ/ストレーナ・カートリッジとすることもできる。そのようなドライヤ・カートリッジまたはドライヤ/ストレーナ・カートリッジの実施形態例及び望ましくは本発明の実施形態としては、本出願者による特許文献4が挙げられるが、これをここに引用することにより、この点に関して、これらの実施形態を、本明細書の開示の対象とする。このドライヤのドライヤ部分は、流体または冷媒の湿分、特に水を除去する役割がある。ストレーナにより、例えば磨耗または同様の理由で流体または冷媒内に存在するパティキュレート等を濾しとることができる。
【0015】
交換可能なドライヤ、特にドライヤ・カートリッジ及びストレーナまたはストレーナ/ドライヤ・カートリッジは、望ましくは、製造の過程において、ロウ付け後にロウ付け炉内でレシーバに押し込まれる。
【0016】
ロウ付け可能なドライヤ、特に、ロウ付け可能なドライヤ部分及びロウ付け可能なストレーナ部分を備えたドライヤを用いることができる。ロウ付け可能なドライヤは特に、ロウ付け炉内で破壊または破損しないものである。
【0017】
キャップは例えばプラグ式キャップまたはネジ式キャップにすることができる。
【0018】
例えばレシーバが車両エアコンの冷媒コンデンサに組込まれて車両に取付けられる場合は特に、レシーバの第2端は上端であるため、取外し可能なキャップがレシーバの上端に接続または取付けられる。
【0019】
第1成形部分は望ましくはレシーバの第1チューブに差し込まれ、これにロウ付けされている。この第1チューブは一つの部品または一体物として製造することも、個別に製造した複数の部品を接続して一つの一体物のチューブにすることもできる。例えば複数、特に2つのハーフチューブ成形物を組み立て、または溶接またはロウ付けして作ることもできる。したがって、このチューブの縦軸方向に例えば分離面が生じることもある。望ましくはこの第1チューブは円柱状である。しかし、その他の形状の断面を示すものでもよい。望ましくはアダプタ装置または第1成形部分は、チューブ状またはリング状に形成されている。アダプタ装置は例えばアダプタ・リングとすることができる。第1成形部分もアダプタ装置とすることができる。望ましい実施形態においては、第1成形部分は、この第1成形部分が、第1チューブにより形成されたジャケット壁部分に接続しているレシーバのジャケット壁部分を形成するように第1チューブに接続されている。アダプタ装置または第1成形部分は、特に、第1チューブとは別個に製造された部品または装置である。特に望ましくは、これらは、すでに述べたように、第1チューブにしっかり接続されている。そのようなしっかりとした接続は、例えば溶接またはロウ付け接着により行われる。その際、特に望ましくは、漏れのない接続であることである。望ましくはチューブ形状の第1成形部分の壁厚は、有用な実施形態においては、少なくとも部分的には第1チューブの壁厚より厚い。第1チューブの壁厚は、望ましい実施形態においては、特に円周方向及び長軸方向から見て一定である。第1成形部分の内側表面は、望ましい発展形においては、断面を見た場合に部分的または完全に略円状である。第1成形部分は、長軸の種々の地点から見ると、(内側の)円周寸法、つまり、内側表面の円周寸法は多様である。例えば、長軸方向から見て、段または傾斜を設けることができる。特に内側表面が円形または断面が円状であれば、直径も多様に異なる可能性がある。
【0020】
第1チューブは、望ましくは、半製品材料から作られた溶接チューブである。
【0021】
望ましい実施形態においては、キャップは、閉めた状態において完全に第1成形部分内に埋もれている。本発明の望ましい実施形態においては、第1成形部分は、ロックリングを嵌着するための少なくとも一つの溝、特に円周状の溝が備わっている。この溝は第1成形部分の内側表面内に配置することができる。そのような溝に取外し可能な形でロックリングを嵌着することができ、それにより、取外し可能な形で、キャップ要素をロック状態で保持することができる。このとき特に、キャップとしてプラグを用いることができる。レシーバの取外し可能なロック接続はしたがって、例えばロックリング付きプラグで実現できる。また、取外し可能なロック接続を、ネジ式プラグまたはネジ式キャップで実現できる。そのためにこのネジ式プラグまたはネジ式キャップにはネジ山が備わっており、これが、第1成形部分にある逆向きのネジ山とかみ合って螺合されることによりロックされる。ネジ式キャップは内ネジを備え、第1成形部分は外ネジを備えるように、またはネジ式キャップは外ネジを備え、第1成形部分はこれに対応する内ネジを備えるようにすることができる。望ましくは少なくとも一つの密閉装置が設けられている。密閉装置は、特に望ましくは、取外し可能な形で保持されたキャップを第1成形部分またはアダプタ装置に対して密閉するために設けられている。このために例えば一つまたは複数の円周状の溝がキャップ要素内に設けられており、この溝にそれぞれ一つのOリングがセットされる。特にそのような実施形態においては、望ましくは、第1成形部分にこの一つまたは複数のOリングのための接合面が備わっている。また、この一つまたは複数のOリングのためのそのような接合面または接触面は、第1チューブの一つの表面部分により形成することができる。そのような実施形態においては、それぞれの接合面がそれぞれの許容誤差範囲を備えるよう注意することが有用である。接合面は特に第1成形部分または第1チューブの内側表面の一部とすることができるが、特に第1チューブに関しては、特に(内側の)形状が円状である場合、内径の誤差許容範囲がそれに応じて小さくなることに注意する必要がある。そのような接合面が、第1チューブの一つの表面部分により形成されている場合、第1成形部分はそれに応じて、より小さくまたはより短くすることができる。望ましい実施形態においては、特に、第1成形部分には一つのロックリングをセットするための溝が一つだけ備わっているか、またはこれによりチューブとの接続が生じるようにすることが可能である。望ましい実施形態においては、第1成形部分は円形をなしている。これにより、一定の条件において投入材料を少量に抑え、かつ、加工の単純化が可能になる。しかし、第1成形部分はその他の形状を呈することも可能である。第1成形部分は特に、任意の外側輪郭を有することができる。そのような外側輪郭は、例えばコレクタ・チューブとの接触面を形成することができる。また、第1成形部分の外側輪郭は、追加的または代替的に、ホルダとの接触面を形成することができる。そのようなホルダは例えばリングホルダとすることができる。そのようなホルダまたはリングホルダは、例えば、コレクタ・チューブをレシーバに対して保持する役割を担うことができる。これは例えば、少なくとも一つのそのようなホルダにより、コレクタ・チューブをレシーバに嵌着することまたは同様の方法で保持することによるが、このときロウ付け炉内での製造においてレシーバとホルダ及び/あるいはホルダとコレクタ・チューブとのロウ付けが追加的に行われる。つまり、特にリングホルダとして形成できるそのようなホルダを介して、レシーバをコレクタ・チューブに取付けられることが長所であり、この取付けは特に望ましくはロウ付け工程後に、固定的または取外し不可能なように行われる。
【0022】
望ましい実施形態においては、第1成形部分は短く形成されている。特に第1成形部分は、レシーバの長軸方向から見て、第1チューブと比較して相対的に短く構成できる。この第1成形部分は、この長軸の方向において、この長軸に垂直の方向より短く構成することができる。しかしまた、この第1成形部分を、この長軸の方向において、この長軸に垂直の方向より長く構成することも可能である。
【0023】
望ましくは、この第1成形部分は円状である。
【0024】
特に望ましくは、第1成形部分の壁厚が第1チューブの壁厚より厚くなっている。第1成形部分の壁厚には変動がある可能性がある。
【0025】
特に望ましい実施形態においては、第1成形部分に、キャップに設けられたネジ山がかみあうためのネジ山が備わっているか、または、キャップを取外し可能な状態に保持するロックリングをセットするための溝が備わっているが、このネジ山またはこの溝の範囲のその他の壁厚は、第1チューブの壁厚と等しいかまたはこれより厚い。これは特に、この溝が、この壁に設けられた凹部であること、またはネジ山の中にらせん状の凹部が設けられていることによるもので、これらのそれぞれの凹部の範囲においては、残りの壁厚は第1チューブの壁厚と等しいかまたはこれより厚い。
【0026】
本発明の望ましい実施形態においては、第1レシーバに設けられた流体用の入口開口部は、第1軸方向端に向いた端部内に配置されている。しかしまた、この入口開口部は、他の場所、特に第1軸方向端とは反対側の端部に配置することもできる。
【0027】
入口開口部及び出口開口部は、特に好適な実施形態においては、レシーバのジャケット壁内に配置されている。望ましくは、レシーバにリムホールが設けられている。このリムホールは特に望ましくは、外側に向かって突き出している。このリムホールにより、好適な方法では入口開口部または出口開口部の境界を明確にし、これら開口部を定義する。
【0028】
また、レシーバに、望ましくはリング状の外側接触面を備える、外側に向かって突き出した突起部分を設けることができる。そのような突起部分は、望ましくは、入口開口部または出口開口部の境界を明確にし、またはこれらを定義する。
【0029】
特に望ましい実施形態においては、そのような突起部分またはリムホールは第1チューブに設けられている。
【0030】
本発明の望ましい発展形においては、レシーバの第1端の方を向いた、このレシーバの端部内に、第2の成形部分が設けられている。この第2成形部分は、望ましい実施形態においては押出成形された成形部分である。
【0031】
望ましい発展形においては、この第2成形部分には流体用またはレシーバの冷媒用の取込み開口部及び排出開口部が備わっている。特に望ましい実施形態においては、この取込み開口部及びこの排出開口部は、第2成形部分のジャケット壁に空けられた穴として形成されている。
【0032】
この第2成形部分は、望ましくは第1チューブと接続されており、特に直接接続されている。この接続は、特にロウ付け接着または溶接接着またはそれに類する接着等、取外し不可能な接続とすることができる。
【0033】
この第2成形部分は、例えばネジ式キャップまたはプラグまたはこれに類するもの等、取外し可能なキャップにより、レシーバの第2端とは反対側の端において閉じられている。この取外し可能なキャップは、例えば、第1成形部分に配置されている取外し可能なキャップにすることができる。同様に、ロックリングをセットするための同様のネジ山または溝を第2成形部分に設けることができる。更に、第2成形部分をロックするこのキャップを、この第2成形部分に対して密閉するための適切な密閉装置を設けることができる。第1成形部分またはそこにおける取外し可能な接続に関して述べたものと同様の接合面を第2成形部分に設けることができる。更に同様の溝を設けて、取外し可能なキャップを第2成形部分に保持することができる。
【0034】
第2成形部分を、レシーバの第2端とは反対側の端に、取外し不可能なキャップを使ってロックすることもできる。このキャップは例えば密閉力のある溝接続を形成することにより、レシーバの第1端を密閉することができる。
【0035】
望ましくは、レシーバ内にストレーナ装置が取付けられている。そのようなストレーナ装置は例えばドライヤと一緒に、例えばドライヤ・カートリッジのような一つのコンポーネントを形成する。本発明においては、そのようなコンポーネントもドライヤと表現する。
【0036】
本発明においては更に、本発明のレシーバ・ドライヤ・コンポーネントを備える熱交換器を提案している。そのような熱交換器は、特に車両エアコン用の冷媒コンデンサとすることができる。
【0037】
望ましい実施形態においては、そのような熱交換器はチューブ・ブロックまたはチューブ・フィン・ブロックを備えているが、このブロックは少なくとも部分的に略平行な複数のチューブ及び、チューブ・フィン・ブロックとして構成された場合は特に、チューブの間に配置されたフィンを備えている。このブロックのチューブのそれぞれの第1端は、レシーバと平行に配置された第1コレクタ・チューブに取付けられている。この第1コレクタ・チューブは、特にレシーバの隣に配置されており、例えばこのレシーバに保持しておくことも可能である。第1コレクタ・チューブには少なくとも2つの開口部があり、そのうちの一つはレシーバの取込み開口部に、もう一つはレシーバの排出開口部に割当てられているため、それぞれ、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトを形成している。例えば、それぞれ互いに割当てられた開口部の間に、追加的なダクトやそれに類したものを配置することも可能である。これらオーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトを介して流体または冷媒は第1コレクタ・チューブからレシーバに、またはその逆に流れることができる。
【0038】
特に望ましくは、チューブ・ブロックまたはチューブ・フィン・ブロックのチューブのそれぞれの第2端を取付けるために、更に第2コレクタ・チューブを設けることができる。2つのコレクタ・チューブを備えるそのような実施形態においては特に、チューブ・ブロックまたはチューブ・フィン・ブロックのチューブまたは全チューブをストレートに形成することができる。
【0039】
チューブ・ブロックまたはチューブ・フィン・ブロックのチューブの前面には、望ましくは複数の開口部が備わっており、これらはチューブ内部において一つのダクトを介して接続されている。
【0040】
望ましくは、チューブ・ブロックまたはチューブ・フィン・ブロックのチューブの第2端は、第1コレクタ・チューブに平行に配置されている第2コレクタ・チューブに取付けられている。
【0041】
第1コレクタ・チューブには、望ましくはシェル状の蓋部及びこれと接着されているシェル状の底部がある。この蓋部及びこの底部は、例えばロウ付けまたは溶接で互いに接着されている。この蓋部及びこの底部は第1レシーバのジャケット壁を形成するように互いに配置されている。この底部にはスリットのような開口部が設けられており、この開口部にチューブ・ブロックまたはチューブ・フィン・ブロックの第1チューブ端を取付ける。
【0042】
第2コレクタ・チューブは例えば一つの蓋部及び一つの底部から構成することができるが、このとき、底部の開口部またはスリットに、チューブ・ブロックまたはチューブ・フィン・ブロックのチューブの第2チューブ端を取付ける。
【0043】
望ましい実施形態においては、第1コレクタ・チューブには、内側または外側に向かって突き出して開口部を形成する複数のリムホールが備わっており、これらのリムホールは、望ましくは蓋部に設けられ、レシーバ側を向いている。これらのリムホールの一つは取込み開口部に、一つはレシーバの排出開口部に割当てられている。
【0044】
望ましい実施形態においては、そのような第1コレクタ・チューブのリムホールは、レシーバのリムホールにテレスコピック式に互いに差し込まれており、このときオーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトが形成される。これらのオーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトの一つは、流体または冷媒が第1コレクタ・チューブからレシーバに流れるために使われ、その他のオーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトは、流体がレシーバから第1コレクタ・チューブに流れるために使われる。
【0045】
リムホールは、互いにテレスコピック式に差し込まれたそのようなリムホールとしてではなく、レシーバのリムホール及び第1コレクタ・チューブのリムホールが、外側に突き出したそれらの前面同士が突合わさるようにも配置することができ、このとき、互いに突合わされた前面はそれぞれ望ましくは同一の形状と寸法を有している。この前面は例えば環状とすることができる。
【0046】
前面が互いに突合わされたリムホールは、半径方向外側に配置された一つのスリーブで2つ一緒に被覆することもできる。また、スリーブは、互いに突合わされたこのリムホールの半径方向内側に配置することもできる。望ましくは、互いに割当てられたこのリムホールは、互いにロウ付けするか、及び/あるいは、そのようなスリーブがある場合は、そのスリーブとロウ付けする。そのようなロウ付け工程は、例えばロウ付け炉で行うことができる。
【0047】
第1コレクタ・チューブが、取込み開口部またはレシーバの排出開口部に割当てられた開口部を形成する際に、外側に向かう形状をなし、外側の接触面は、望ましくはリング状にすることができる。
【0048】
また、望ましくは、第1コレクタ・チューブが外側に向かって突き出した、それぞれ一つの開口部を形成するカラーを備え、これらのカラーを取込み開口部またはレシーバの排出開口部に嵌着し、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトを形成する。このとき特に、取込み開口部または排出開口部をそれぞれ穴として形成し、特に望ましくは、レシーバの第2成形部分に配置することができる。この範囲においても望ましくは、密閉接続を行う。特に望ましくは、この範囲においてもロウ付け接着を行う。
【0049】
また、望ましくは、第2成形部分に、第1コレクタ・チューブに向いた外側表面範囲が備わっており、この範囲は、第1コレクタ・チューブの外側表面範囲の形状に合わせられている。この第2成形部分の外側表面範囲は例えばアーチ状になっている。特に望ましくは、これらの外側表面範囲が互いに接触している。コレクタ・チューブの対応する外側表面範囲は例えば円柱切片とすることもできる。
【0050】
特に望ましくは、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトが、特許文献5に記述されたバリエーションの一つにそって形成されており、この点についてこの特許出願を引用することにより本開示の対象とする。そこで記述されている、第1コレクタ・チューブとレシーバとの接続も、望ましい実施形態においては行われているため、この点についても特許文献5を引用し、その実施例も本開示の対象とする。これは特に、接続確立のステップに関する点についてであり、特に、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトの範囲においてである。
しかしここで注意すべきことは、上記特許出願においてレシーバまたはコレクタ・チューブの上端に設けられた、本発明の共通の蓋部は設けられないことであるが、それは、上記特許出願においては、この蓋部の、レシーバの上をカバーする部分は、取外し不可能だからである。
望ましい実施形態においてはしかし、例えば特許文献5にならって第1コレクタ・チューブの上端をカバーするリングホルダを設けることができ、この点においてこの特許出願を本開示の対象とし、このリングホルダは、コレクタを完全にまたは部分的に取囲むリング状または円弧状の範囲を備えている。
【0051】
すでに述べたように、レシーバの、第1軸方向端を向いたその端部、つまり下の端部には、押出成形部がある。その押出成形部には、コレクタ・チューブ側に向いた穴を開けることができ、その中にコレクタ・チューブのリムホールを嵌着し、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトを形成することができる。この第2成形部分または成形部は、レシーバの第1チューブに接続することができ、この第1チューブはその上端に差しこまれて、ロウ付けされた第1成形部分を形成できる。
【0052】
下の端または第1軸方向端の範囲においては、すでに述べたように、第2成形部分に取外し可能なキャップが備わっている。望ましい実施形態においては、このキャップでカバーされた開口部は、ドライヤを上から取外せるだけでなく、下から取外すこともできる。
【0053】
望ましい実施形態においてはレシーバ及び第1コレクタ・チューブは、一つのスリットを介して隔てられているが、互いに隣接して並んでいる。
【0054】
第2押出成形部及びオーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトの構成は、例えば特許文献2の記述のようにすることができ、この点において、これを引用したことにより本発明の対象とする。これは本発明の望ましい実施形態である。
【0055】
レシーバは任意の長さにすることができる。例えば、レシーバの片側または両側は、第1コレクタ・チューブより短くすることができる。また、レシーバの片側または両側は、第1コレクタ・チューブより長くすることもできる。また、第1コレクタ・チューブと同じ長さにすることもできる。
【0056】
第1成形部分は望ましくは押出成形部品である。第1成形部品及び/あるいは第2成形部品には、第1コレクタ・チューブまたは第1コレクタ・チューブの蓋部に対する接触面を備えることができる。また、第1成形部品及び/あるいは第2成形部品は押出成形ホルダを備えることができる。
【0057】
特に望ましい実施形態においては、第1チューブの壁厚は、運転中にレシーバ内で発生する破裂圧力または圧力に耐えられるように構成されている。また、ある程度、例えばわずかに壁厚を増加させることもできる。
【0058】
特に望ましくは、第1成形部品及び/あるいは第2成形部品の壁厚は、第1チューブの壁厚より厚い。
【0059】
取外し可能なキャップが、レシーバの上端またはレシーバの第2端に設けられていることにより、交換可能なドライヤを、このキャップによりカバーされた開口部を通じて取出したり、またはセットしたり、または、交換したりできる。上端において交換を行うことはしばしば有用であるが、これは、熱交換器の構造上、上端で作業する方が作業しやすいからである。レシーバの上端部または第2端部に、アダプタまたは取外し可能なキャップのための成形部分が設けられていることは、望ましい実施形態においてドライヤを、上部の範囲に配置されている開口部を通じて交換することを可能にしただけでなく、更に、コスト及び重量を低減する多数の実施形態の基盤となっている。そのため例えば、コレクタのジャケット壁を広い範囲にわたって比較的薄い壁厚で構成することができ、レシーバ内で発生する圧力または破裂圧力に耐えることができ、しかもレシーバの上端または第2端の範囲に取外し可能なキャップを配置することができ、キャップをロックした状態でほぼ確実に保持することが可能となっている。そのため例えば第1または上端部に配置された成形部分またはアダプタ装置に、ロックリングをセットするためのネジ山または溝、またはこれに類した凹部を設けることができるが、そのためにレシーバの長さ全体にわたって壁厚を厚くする必要はない。したがって、レシーバの、例えば第1チューブの範囲の壁厚を、運転中にレシーバ内に発生する圧力または破裂圧力には耐えられるものの、もしそこに取外し可能なキャップ要素のための溝またはネジ山が配置されると、もはや十分に保護できなくなる薄さにすることが可能である。したがって望ましい発展形においては、アダプタまたは第1成形部分の壁厚は、溝、ネジ山及びこれに類した、そのような凹部を設けても、危険が生じる壁厚にならないような厚さに壁を厚くできる。
【発明の効果】
【0060】
本発明では、ドライヤを上から、または、レシーバの上部開口部から取出すまたは交換することが可能である。本発明を基礎することにより、特に、望ましい実施形態も示すように、特に、第2開口部の範囲に配置されている開口部または交換用開口部から取出すまたは交換することが可能な実施形態において、長い押出成形部がなくなることによりコストを低減することができる。本発明の実施形態はまた、このまままたは発展形により重量を低減できる。本発明の実施形態は、ドライヤの交換を例えばより簡単で好適な方法で行えるよう、または、場合によってはドライヤの交換をまず可能にするよう、取外し可能なキャップをレシーバ上部に配置することが有用または必要となる車両に用いると、有用である。本発明はまた、第1コレクタ・チューブとレシーバの熱的な分離を簡単な方法で行うための基礎となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下に、図を使って実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
図1は、本発明のレシーバ10の一例または本発明のレシーバ・ドライヤ・コンポーネントの一例を備える本発明の熱交換器1の一例の一部分を図示したものである。
【0063】
熱交換器1には、レシーバ(コレクタ)10、第1コレクタ・チューブ12及び図示されていない第2コレクタ・チューブ及びチューブ・フィン・ブロック14が備わっている。チューブ・フィン・ブロック14には、平行に配置された多数のチューブ16が備わっており、これらは例えばフラットチューブとして形成されており、ストレートに伸びて、それぞれの第1端は第1コレクタ・チューブ12に取付けられている。そのために、第1コレクタ・チューブ12には、チューブ・フィン・ブロックに向いたスリットとして形成された開口部が設けられており、これらの開口部にこれらのチューブ端が取付けられる。これらのチューブ端は、必要であれば、コレクタ・チューブ12内にわずかだけ差し込むことができる。図1には図示されていない、チューブ・フィン・ブロック14のチューブ16の第2端も同様に、図示されていない第2コレクタ・チューブに取付けられているため、チューブ16を介して、第1コレクタ・チューブ12と第2コレクタ・チューブとの間にそれぞれ流れの接続ができる。
【0064】
望ましい実施形態においては、本発明は車両エアコン用冷媒コンデンサに設置または利用される。
【0065】
このときチューブ16を冷媒が流れるため、チューブ16を介して第1コレクタ・チューブ12と第2コレクタ・チューブとの間に冷媒接続が生まれる。コレクタ・チューブ内に、その長軸に対して垂直に分断する複数の中間壁を取付けて、冷媒が、チューブ16内及び2つのコレクタ・チューブ内を蛇行して流れるようにすることができる。このときまた、例えばそのような2つの分断壁の間にそれぞれ複数のチューブ16を配置することもできる。
【0066】
コレクタ・チューブは、それぞれ一つの底部及び一つの蓋部で構成することができ、底部はそれぞれチューブ・フィン・ブロック14に向いており、蓋部はこのチューブ・フィン・ブロック14の反対側にある。第1コレクタ・チューブ12の隣にはレシーバ10が配置されており、このレシーバ10は、この第1コレクタ・チューブ12に略平行して伸びている。レシーバ10は、第1コレクタ・チューブ12の、チューブ・フィン・ブロックとは反対の側に配置することができる。レシーバ10はまた、このチューブ・フィン・ブロックの方向に旋回させて配置することもできる。
【0067】
図示されていない第2コレクタ・チューブには、このようなレシーバ10は備わっていない。
【0068】
第2コレクタ・チューブの上下は、適切なロック手段によりロックされている。ここには例えば取外し不可能な蓋部を用いることができる。また、取外し可能な蓋部も用いることができる。取外し不可能な蓋部は、特にロウ付けまたは溶接で取付けることができる。
【0069】
チューブ・フィン・ブロック14のチューブ16の間にはそれぞれフィンが配置されており、これらのフィンには、特にチューブ16の縦方向を横断する方向に空気が流れている。
【0070】
レシーバ10には第1チューブ20及び第1成形部分22が備わっている。第1成形部分22は、第1端24とは反対側の、レシーバ10の端部に配置されている。この端部とは上端部である。第1成形部分22は、ほぼレシーバ10の第2または上端26まで伸びている。
【0071】
図1の実施形態においては、第1チューブ20は基本的に中空の円筒状である。成形部分22は略円形をしており、外側スリーブ表面は略円筒状である。この成形部分の内側の一部には溝部があるが、これについては以下の図で更に説明する。
【0072】
第1チューブ20の壁厚は、成形部分22の壁厚より薄い。したがって、第1チューブ20は、成形部分22と比較すると基本的に壁が薄く形成されている。
【0073】
レシーバ10と第1コレクタ・チューブ12との間には、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクト28、30が設けられている。オーバーフロー開口部28またはオーバーフロー・ダクト28は、流体または冷媒がレシーバ10から第1コレクタ・チューブ12に流れるようにする役割があり、また、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクト30には、流体または冷媒が第1コレクタ・チューブ12からレシーバ10に流れるようにする役割がある。このオーバーフロー開口部28、30の間にはシールリップまたは適切な分断手段が設けられており、レシーバ10の内部において、流体または冷媒がオーバーフロー開口部30からオーバーフロー開口部28に直接流れ込むことを防いでいる。レシーバ10にはまたドライヤが配置されており、このドライヤにはドライヤ・カートリッジ及びストレーナが備わっている。このドライヤのドライヤ部分またはドライヤ・カートリッジには、流体または冷媒から湿分または水分を除去する役割がある。そのために例えば、顆粒またはパウダーまたはこれに類したものを用いることができる。ストレーナには、例えば磨耗等により流体または冷媒内に混入した粒子状物質を除去する役割がある。
【0074】
第1チューブ20は、例えば溶接したチューブとすることができる。
【0075】
第1成形部分22は第1チューブ20にセットされ、これにロウ付けされている。
【0076】
第1チューブ20の第2端または下端24において、このチューブはロックされている。そのためキャップ要素32が設けられている。図1の実施形態におけるこのキャップ要素32は取外し不可能かつ密閉的に第1チューブ20に接続されている。そのために例えばロウ付け接着を用いることができる。
【0077】
レシーバ10の第2端26または上端の範囲には、リングホルダ34が設けられている。このリングホルダ34は、レシーバ10またはその第1成形部分22を少なくとも部分的に取り囲んでいるが、ここでは円周全体を取り囲んでいる。図2に示されるように、このリングホルダには、この成形部分の前面からわずかにはみ出る、曲げ部分がある。このリングホルダには更に付属部分が備わっており、この付属部分は第1コレクタ・チューブ12の上端または上部の範囲に嵌着されている。それにより、リングホルダの付属部分は、この範囲において、この第1コレクタ・チューブ12をロックするための蓋部を形成することができる。リングホルダは、コレクタ・チューブを外側から取り囲むこともできる。リングホルダはまた、コレクタ・チューブの前面の開口部に挟持するように差し込むこともできる。望ましくは、リングホルダは、第1コレクタ・チューブ12、及びレシーバ10または第1成形部分22に、挟持するように取付けられている。そのようなリングホルダにより、第1コレクタ・チューブ12をレシーバ10または第1成形部分22に保持できるか、または、このリングホルダを介して、コレクタリザーバ10を、少なくとも上部の範囲において、第1コレクタ・チューブ12に取付けることができる。ロウ付け炉内でのロウ付け工程においては、リングホルダ34はロウ付け炉内で第1コレクタ・チューブ12及びレシーバ10または第1成形部22にロウ付けされる。これは例えば、第1コレクタ・チューブ12の上端を密閉するように行う。
【0078】
ロウ付け炉に入れる前に、予備固定のためのロウ付けポイントまたは接着場所を設けることができる。
【0079】
図2は、図1の実施形態の上の部分を拡大して図示したものであるが、ここではレシーバ10または第1チューブ20、及び第1成形部分22及びリングホルダ34が部分的に破断された状態で示されており、また、図1の実施形態と比較して、装置を少し前方に傾けた状態で示してある。
【0080】
図2には取外し可能なキャップ要素36があり、このキャップ要素36によりレシーバの第2端26または上端26をロックすることができる。このキャップ要素36はここではプラグとして形成されている。キャップ要素36の外側表面には、縦方向に間隔をあけて並ぶ2つの溝が円周状に設けられており、これらの溝の中にはOリング38として形成された密閉装置がそれぞれ配置されている。成形部分22の内側表面にはプラグ36のOリングのための接合面40が備わっている。
【0081】
更に第1成形部分22の内側表面には、一つの円周状の溝42が設けられており、この溝にロックリングを嵌着することができる。
【0082】
プラグまたはキャップ要素36は第1成形部分に挿入されており、溝24内に配置された、または後から配置されるロックリングにより、このプラグまたはキャップ要素36がそのロック状態を保てるようにすることで、ロックを行う。このロックリングは例えば適切なツールを使って取外すことができるため、キャップを再び取外したり、ドライヤを取外したりすることが可能である。
【0083】
ストッパまたはこれに類した適切な手段を用いて、キャップがレシーバ10内に落下することを防げる。
【0084】
そのために例えば、ディスタンス・ピースまたはストッパまたは、バネまたはこれに類する力を蓄積する装置を設けることができる。
【0085】
望ましくは、ドライヤを、特にドライヤ・カートリッジとして構成し、取外し可能な状態で特定の位置に保つことができる。
【0086】
そのために例えば、力を蓄積する装置または弾性のある保持要素及び/あるいはこれに類したものを設けることができる。
【0087】
そのような保持に関する実施例は、本出願者による特許文献4で開示されており、ここに引用することにより、望ましい実施形態として本開示の対象とする。
【0088】
上記特許でも、ドライヤ・ストレーナ・カートリッジとして構成されたドライヤが開示されている。そのドライヤ、またはドライヤ要素、またはストレーナ要素、またはドライヤ・ストレーナ・カートリッジの構成に関しても、本発明の望ましい実施形態で用いることができ、この点に関して特許文献4を引用することにより、本開示の対象とする。
【0089】
第1成形部分22の内側表面には円周状の傾斜があり、この傾斜により例えばOリングをゆっくりと装着できる。そのためこの傾斜は、第1成形部分22の接合面の上方に配置されている。
【0090】
図2に示されるように、第1成形部分の壁厚は第1チューブ10の壁厚より厚い。こうなっているのは、第1成形部分が、半径方向内側においては、この第1成形部分22とチューブ20との間の接触範囲で略面一になるようチューブ20の終端と接しており、また、半径方向外側においては、チューブ20に覆いかぶさるか、または包み込むように外側表面に密着した付属部分44が設けられているところである。
【0091】
ここではチューブ20は、軸方向において第1成形部分22により支持されており、成形部分22は第1チューブ20にかぶせられている。
【0092】
図3は、図1の実施形態の下の部分の一例を拡大し、部分的に切り開いて示したものである。
【0093】
切り開いた部分には、ドライヤまたはドライヤ・カートリッジまたはドライヤ/ストレーナ・カートリッジの一部が示されており、これは例えば、本出願者の特許文献6の記述のように構成することができる。特にドライヤ・カートリッジまたはドライヤ/ストレーナ・カートリッジは、ストレーナを備える一つのユニットとして構成できる。しかし、ストレーナをストレーナ・カートリッジとは別に設けることもできる。ドライヤ・カートリッジ及びストレーナはドライヤとも表記される。
【0094】
図3ではオーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクト28が切り開いて示されている。この図では、オーバーフロー・ダクト28のオーバーフロー開口部を一方ではレシーバ10内または第1チューブ20に、他方では第1コレクタ・チューブ12に形成するための突起部分60、62が設けられており、これらの突起部分はそれぞれ外側に向かって突き出しており、ここでは互いにわずかに差し込まれているが、その他の構成にすることも可能である。オーバーフロー開口部30も含め、オーバーフロー開口部の範囲においては、第1コレクタ・チューブ12は互いにしっかりとロウ付けされている。
【0095】
ドライヤ66のドライヤ/ストレーナ・カートリッジまたはドライヤ・カートリッジ64は、レシーバ10内の取外し可能なノッチ金具68内に保持されているため、このカートリッジはコレクタリザーバの縦方向について固定されているが、交換時には取外すことができる。ディスク状の要素69、69aの少なくとも一つはシールリップにすることができる。シールリップ69、69aは特に、流体または冷媒がオーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクト30からオーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクト28に直接流れるのを防ぎ、流体または冷媒が必ずドライヤ内を通過するようにすることができる。
【0096】
図3には更に、レシーバ10と第1コレクタ・チューブ12との間にスリットが設けられていることが示されており、このスリットによりこれらを互いにほぼ分離できる。
【0097】
図4は図2の実施形態の一部の断面図を示している。
【0098】
この図からわかるように、成形部分22の傾斜44は、Oリング38が配置された位置から見ると、レシーバ10の上端または第1端24の方向にある。図4では、第1成形部分22の内側表面に配置され、キャップ要素36を保持するためのロックリングを備える溝42もよく見える。
【0099】
更に図4には、第1ロック部分22と第1チューブ20との間の接触範囲内において、これらの部品がその内側表面において略同じ高さで接しており、第1成形部分22の付属部分46が第1チューブ20の外側表面を覆うように伸びていることがよく示されている。更に図4には溝42内にセットされたロックリング72も示されている。
【0100】
図5には、レシーバ10または第1コレクタ・チューブ12の代替的な実施形態の一例が示されており、それぞれ下端または第1端に向いた範囲が示されている。この実施形態は特に、熱交換器の構成部分とすることができる。例えば図5のこの実施形態は、図1の実施形態の熱交換器の下の範囲の代替形とすることができる。例えば図5の実施形態は、図1の実施形態の下の範囲に代替的に設けることができる。図5のレシーバ10の上部の範囲は、例えば図2及び4の説明で述べたように構成することができる。図5のレシーバ10には、例えばドライヤ66のドライヤ・ストレーナ・カートリッジまたはドライヤ・カートリッジ64を、図3の説明で述べたように配置することができる。
【0101】
図5の実施形態のレシーバ10は、第1端24に向いた端部において特に、第1チューブ20が端24まで伸びていないという点において、異なっている。図5によると、レシーバの下端または第1端には第2成形部分または第2押出成形部80が配置されている。この第2押出成形部80は、第1成形部分とは反対側で第1チューブ20に接続されている。図5の実施形態では例示する形で第1成形部分も設けられており、この部分は特に、上記ですでに説明したように構成することができるが、図5には図示されていない。第2押出成形部80の壁厚は、第1チューブ20の壁厚より厚い。押出成形部80は特に、本出願者の特許文献2の図2のレシーバの下部に関して説明した、レシーバの下の範囲にある押出成形部と同じように構成することができ、この記述を引用することにより、これを本開示の対象とする。同様に、第1コレクタ・チューブの下の範囲も、特許文献2の図2において同じように図示されているため、上記特許の実施例を第1コレクタ・チューブの下の範囲の実施形態として引用し、これらの実施例を本開示の対象とする。
【0102】
特に、第2成形部分80の壁厚は、レシーバ10の第1チューブ20より厚い。図5の実施形態においては特に、第2成形部分が、第1コレクタ・チューブ12に向いた側において通過穴82、84を備えており、これらの穴に、第1コレクタ・チューブまたは第1コレクタ・チューブの蓋部90のリムホール86または88が差し込まれているかまたは取付けた状態で差し込まれている。第2成形部分80には更にその外側表面の範囲92があり、これは第1コレクタ・チューブ12または蓋部90の外側表面範囲94の形に合わせてあり、この表面範囲に接触するかまたはこれに密着している。図5からわかるように第2成形部分18のこの外側表面範囲92は、アーチ状に形成されている。
【0103】
図6は、図2及び4の実施形態の上部の範囲または、第2端26の範囲に配置されたレシーバ10の端部の代替的な実施形態を、一部を切り開いた形で図示したものである。図6の実施形態は特に図1及び/あるいは図3及び/あるいは図5の実施形態と組み合わせることができる。以下では主に、図6の実施形態と図2及び4の実施形態との違いについて説明するが、望ましい実施形態のその他の特徴については図2及び4の記述を参照されたい。
【0104】
図6の実施形態と、図2または4の実施形態の相違は、主に、2つのOリング38のための接合面40が、第1成形部分22の内側表面の一部により形成されているのではなく、第1チューブ20の内側表面の一部により形成されているところにある。このとき、この内側表面部分または第1チューブ20の内径の許容誤差が小さいまたは非常に小さいことが望ましい。
【0105】
そのため図6の実施形態においては、成形部分22は[図2または4の実施形態と比較して]より小さくまたはより短く構成されており、ロックリング72を取付けるための溝42だけが含まれている。この成形部分は、例えば前出の図で説明した方法で第1チューブ20に接続されている。
【0106】
図7はレシーバ10の下の範囲の実施形態の一例であり、例えば図3で説明したレシーバ10の実施形態の代替として、更にこの図で例として説明したその他の実施形態と組み合わせることができる。図7の実施形態においても、図示されてはいないが、レシーバの上端または第2端部に第1成形部分22及び取外し可能なキャップ要素36が設けられている。
【0107】
以下では、特に図3のレシーバ22の実施形態の下の範囲との違いについて説明する。
【0108】
図7の実施形態においては、レシーバ10の上端または第2端24の反対側の端部に、第2成形部分80aが設けられており、これは例えば押出成形で作られている。更に図7の実施形態においてレシーバは、第1の下端において(第2の)取外し可能なキャップ100によりロックされている。この(第2の)取外し可能なキャップ100は、例えば、レシーバ10の上端または第1端24をロックする取外し可能なキャップ要素36のように構成されている。図7においてはこのキャップ100はプラグとして構成されており、これは、図2及び4で説明したプラグ36と略同一である。この第2成形部分80aも、図2及び4で説明した第1成形部分と同様に構成できる。この第2成形部分は例えば押出成形部品とすることができる。
【0109】
特に軸方向に間隔を置いて並ぶ2つの円周状の溝は、特に同じような方法で、プラグまたはキャップ100に設けることができるが、このプラグまたはキャップはそれぞれ密閉用のOリング38を一つ備えており、このOリングは第2成形部分80aまたは第1チューブ20の内側表面を密閉するために設置されている。この第2成形部分は特に円周状の溝を備えており、この溝には、キャップ100を保持する取外し可能なロックリングが取付けられている。特に第2成形部分80aと隣接するチューブ20の端との接続は、接続範囲の形状が対応することも含めて、チューブ20の反対側の端と上端に設けられた取外し可能なキャップとの間の接続についての説明と同様にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明のレシーバを備えた、本発明の熱交換器1の一例を部分的に図示したものである。
【図2】図1の上の部分を拡大し、一部切り開いて図示したものである。
【図3】図1の実施形態の下の部分を拡大し、一部切り開いて図示したものである。
【図4】図2の実施形態の断面の部分図である。
【図5】コレクタ及び第1コレクタ・チューブの下端を部分的に取外した図である。
【図6】図1の上の部分のもう一つの実施形態例である。
【図7】図1の下の部分のもう一つの実施形態例である。
【符号の説明】
【0111】
1 熱交換器
10 レシーバ
12 第1コレクタ・チューブ
14 チューブ・フィン・ブロック
16 14のチューブ
18 14のフィン
20 第1チューブ
22 第1成形部分
24 10の第1端
26 10の上端
28,30 オーバーフロー・ダクトまたはオーバーフロー開口部
32,36 キャップ要素
34 リングホルダ
38 Oリング
40 22の接合面
42 溝
44 傾斜
46 付属部分
60 12の突起部分
62 10の突起部分
64 ドライヤ・カートリッジ
66 ドライヤ
68 取外し可能なノッチ
70 スリット
72 ロックリング
80 第2成形部分
80a 第2成形部分
82,84 80に開けた穴
86 第1コレクタ・チューブのリムホール
88 第1コレクタ・チューブのリムホール
90 蓋部
92 80の外側表面範囲
94 12または90の外側表面範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器、特に車両エアコンの冷媒コンデンサ用のレシーバ・ドライヤ・コンポーネントであって、
レシーバ及びこのレシーバ内に取付けられた交換可能なドライヤを備えており、このレシーバにはその長軸を中心として伸びるジャケット壁があり、このジャケット壁は、少なくとも一つの、長軸方向に伸びる第1チューブの一部の中に形成されており、このレシーバは、冷媒等の流体用の少なくとも一つの取入れ開口部及びこの流体用の少なくとも一つの排出開口部を備え、この排出開口部は、レシーバの第1軸方向端に向いた端部に配置されており、また、レシーバの、第1端とは反対側にある第2軸方向端にはドライヤ交換のための取出し開口部があり、また、この取出し開口部のための取外し可能なキャップが第2端の範囲にあり、
第1チューブの、第1端とは反対の側にアダプタ装置または取外し可能なキャップのための第1成形部分が設けられており、この取外し可能なキャップは、ロックした状態でここに保持されることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載のコンポーネントであって、アダプタ装置または第1成形部分の端部が、第1チューブの一端に差し込まれている、または第1チューブの一端の上にかぶせられていることを特徴とするコンポーネント。
【請求項3】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、アダプタ装置または第1成形部分が、第1チューブに直接接着されており、特に、ロウ付けまたは溶接で接着されていることを特徴とするコンポーネント。
【請求項4】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、アダプタ装置または第1成形部分が、レシーバの長軸を中心に伸びる、このレシーバのジャケット壁の一部、特に、このジャケット壁の第2端に配置された端部を形成することを特徴とする、コンポーネント。
【請求項5】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1成形部分またはアダプタ装置がチューブ状またはリング状に形成されていることを特徴とコンポーネント。
【請求項6】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1成形部分が押出成形された部品であることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項7】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1チューブの壁厚が略一定であることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項8】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、アダプタ装置または第1成形部分が、第1チューブとは別の部品であることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項9】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1成形部分の内側表面の、その長軸方向に対して垂直の方向から見た断面の一部または全体が円状であることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項10】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1成形部分の内側表面の長軸方向に垂直の断面の(内側)円周寸法が、この長軸に沿って多様に異なることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項11】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1成形部分に、ロックリングを取付けるための少なくとも一つの溝が備わっていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項12】
請求項11に記載のコンポーネントであって、その溝に取外し可能なロックリングが配置されており、このロックリングにより、キャップ要素が、このコンポーネントの第1端とは反対の方向においてブロックされていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項13】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、キャップ要素がネジ式キャップとして形成されており、アダプタ装置または第1成形部分のネジ山に螺着するため、レシーバのキャップが取外し可能なようにロックできることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項14】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、少なくとも一つの密閉装置、特に、第1成形部分またはアダプタ装置に対して、または第1チューブに対して、取外し可能なように保持されているキャップを密閉するための少なくとも一つの密閉装置を備えていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項15】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、キャップ及び/あるいは第1成形部分またはアダプタ装置に、Oリングを取付けるための少なくとも一つの溝が備わっていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項16】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、少なくとも一つのOリングが、キャップの一つの溝またはいずれか一つの溝に保持されており、このOリングと、第1成形部分またはアダプタ装置及び/あるいは第1チューブの表面の一部、特に内側表面の一部とのはたらきにより、密閉されることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項17】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、レシーバの長軸方向における第1成形部分の長さが短いこと、特に第1チューブと比較して短いことを特徴とする、コンポーネント。
【請求項18】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1成形部分が円形に形成されていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項19】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1成形部分の壁厚が、第1チューブの壁厚より厚いことを特徴とする、コンポーネント。
【請求項20】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、第1成形部分には、ネジ山を備えるキャップを嵌着するためのネジ山及び/あるいはロックリングを取付けるための溝が備わっており、このネジ山の凹部または溝により壁厚が低下した残りの壁厚が、第1チューブの壁厚と等しいかそれより厚いことを特徴とする、コンポーネント。
【請求項21】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、流体用の取込み開口部が、レシーバの第1軸方向端に向いた端部に配置されていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項22】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、レシーバの取込み開口部または排出開口部が、特に外側に突き出したリムホールとして形成されており、これらリムホールが特にオーバーフロー・ダクトの少なくとも一部を形成していることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項23】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、レシーバの取込み開口部または排出開口部が、外側に突き出す形状のために、望ましくはリング状の外側接触面を備えることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項24】
請求項22と23のいずれか一つに記載のコンポーネントであって、突起部分またはリムホールが第1チューブに設けられていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項25】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、レシーバの第1端に向いた、レシーバの端部に、望ましくは押出成形された第2の成形部分が設けられていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項26】
請求項25に記載のコンポーネントであって、第2成形部分に、レシーバの取込み開口部及び/あるいは排出開口部が備わっており、これらの開口部はそれぞれ特にジャケット壁に設けられた穴として形成されていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項27】
請求項25及び26のいずれか一つに記載のコンポーネントであって、第2成形部分が、例えばロウ付け接着等により特に直接的に第1チューブに接着されていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項28】
請求項25から27のいずれか一つに記載のコンポーネントであって、第2成形部分が、レシーバの第2端とは反対側の端の範囲においてロックされていること、特に取外し可能なキャップによりロックされていることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項29】
前記請求項いずれか一つに記載のコンポーネントであって、レシーバ内に流体用ストレーナ装置が取付けられており、このストレーナ装置は、望ましくはドライヤ・カートリッジと一緒に一つのコンポーネントを構成していることを特徴とする、コンポーネント。
【請求項30】
前記請求項いずれか一つに記載のレシーバ・ドライヤ・コンポーネントを備える熱交換器、特に車両エアコン用冷媒コンデンサ。
【請求項31】
請求項30に記載の熱交換器であって、
この熱交換器には、少なくとも部分的に略平行な複数のチューブ及び場合によってはチューブの間に配置されているフィンを備える、チューブ・ブロックまたはチューブ/フィン・ブロックが備わっており、第1端が第1コレクタ・チューブに取付けられており、この第1コレクタ・チューブに平行にレシーバが配置されており、第1コレクタ・チューブには少なくとも2つの開口部が備わっており、これらの開口部のうち一つはレシーバの取込み開口部に、もう一つはレシーバの排出開口部に割当てられているために、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトが形成され、流体または冷媒が、第1コレクタ・チューブからレシーバに、及びこの逆の方向に流れることが可能であることを特徴とする、熱交換器。
【請求項32】
請求項31に記載の熱交換器であって、第2コレクタ・チューブが設けられており、この第2コレクタ・チューブが、チューブ・ブロックまたはチューブ/フィン・ブロックのチューブの第2端に取付けられていることを特徴とする、熱交換器。
【請求項33】
請求項30から32のいずれか一つに記載の熱交換器であって、第1コレクタ・チューブには、シェル状蓋部、及びこれに接着されている、特にロウ付けまたは溶接されているシェル状底部が備わっており、この蓋部とこの底部との相互作用により第1コレクタ・チューブのジャケット壁が形成されており、また、底部には、チューブ・ブロックまたはチューブ/フィンブロックのチューブの第1チューブ端を取付けるための開口部、特にスリットが設けられていることを特徴とする、熱交換器。
【請求項34】
請求項30から33のいずれか一つに記載の熱交換器であって、第1コレクタ・チューブには、開口部を形成するための、内側または外側に向かって突き出すリムホールが備わっており、これらリムホールは、レシーバの取込み開口部または排出開口部に割当てられていることを特徴とする、熱交換器。
【請求項35】
請求項30から34のいずれか一つに記載の熱交換器であって、第1コレクタ・チューブのリムホールがテレスコピック式にレシーバのリムホールに嵌着され、その際オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトを形成することを特徴とする、熱交換器。
【請求項36】
請求項30から35のいずれか一つに記載の熱交換器であって、第1コレクタ・チューブのリムホール及びレシーバのリムホールが、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトを形成するために、それぞれ外側に向いた前面を互いに突合わせるように配置されており、それぞれ互いに突合わされたリムホールの前面は、望ましくは略同一の形と寸法を持つことを特徴とする、熱交換器。
【請求項37】
請求項36に記載の熱交換器であって、前面を互いに突合わされたリムホールは、互いに共通のスリーブにより、半径方向外側が囲まれている、または半径方向内側が共通のスリーブの中に、特に接触した状態で収められていることを特徴とする、熱交換器。
【請求項38】
請求項30から37のいずれか一つに記載の熱交換器であって、取込み開口部またはレシーバの排出開口部に割当てられた開口部を形成するために、第1コレクタ・チューブに、外側接触面が望ましくはリング状であり、外側に向かって形成された部分を備えることを特徴とする、熱交換器。
【請求項39】
請求項30から38のいずれか一つに記載の熱交換器であって、第1コレクタ・チューブに、外側に向かって突き出す、それぞれ一つの開口部を形成するカラーが備わっており、これらカラーは、オーバーフロー開口部またはオーバーフロー・ダクトに嵌着されて、レシーバの取込み開口部または排出開口部を形成しており、このレシーバの取入れ開口部及び/あるいは排出開口部は、望ましくは第2成形部分に配置されていることを特徴とする、熱交換器。
【請求項40】
請求項30から39のいずれか一つに記載の熱交換器であって、第2成形部分には、第1コレクタ・チューブに向いた外側表面範囲が備わっており、この表面範囲は、第1コレクタ・チューブの外側表面範囲の形に合わせて、特にアーチ状に形成されており、これら外側表面範囲は互いに接触していることを特徴とする、熱交換器。
【請求項41】
請求項30から40のいずれか一つに記載の熱交換器であって、レシーバ及び第1コレクタ・チューブがスリットにより互いに間隔をおいて隔てられていることを特徴とする、熱交換器。
【請求項42】
請求項30から41のいずれか一つに記載の熱交換器であって、特にリングホルダとして形成された、保持要素が設けられており、この保持要素は、レシーバの第2端の範囲において、レシーバを第1コレクタ・チューブに保持し、また、場合によっては第1コレクタ・チューブのエンドカバーを形成することを特徴とする、熱交換器。
【請求項43】
請求項42に記載の熱交換器であって、リングホルダが、リング状または部分リングの形状の部分でレシーバを挟持していることを特徴とする、熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−513309(P2007−513309A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538783(P2006−538783)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012728
【国際公開番号】WO2005/050119
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(505006840)ベール・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー (6)
【Fターム(参考)】