説明

熱交換器

【課題】流路部材の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材の外部の加熱または冷却を行う熱交換器において、熱交換部である流路部材表面の温度の立ち上がりがより速く、熱交換効率にすぐれたものを提供する。
【解決手段】熱交換器(H)は、流路部材(1)の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材(1)の外部の加熱または冷却を行う熱交換器であり、管状の流路部材(1)を有し、その内部には角柱形状の中芯部材(2)が収容されている。中芯部材(2)の表面(24)と流路部材(1)の内面(14)によって、熱媒体を流路部材(1)の内面(14)の全面に接するように流通させることができる流路(15)が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱交換器に関する。更に詳しくは、流路部材の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材の外部の加熱または冷却を行う熱交換器において、熱交換部である流路部材表面の温度の立ち上がりがより速く、熱交換効率にすぐれており、さらに吸・放熱性、吸・放湿性、吸着分解性及び抗菌性あるいはマイナスイオンの発生など各種機能性を付与したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機や床暖房装置等に用いられる熱交換器のひとつとして連続した管状の流路管がある。一般的な流路管は円管状であり、内部に温水や冷水あるいは加熱蒸気(スチーム)が通されて表面が加熱または冷却され、外部との間で熱交換を行うことにより暖房または冷房を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
このような流路管は、例えば、その構造上、配管の方向に制限があるヒートパイプとは相違して配管の方向に制限がなく自由な方向に施工することができ、構造もシンプルで安価なので広く利用されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−29416
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような流路管には、次のような課題があった。
すなわち、流路管の内部を流れる熱媒体のうち、流路管と熱交換を行うのは、流路管の内面に接するか、ごく近傍を流れる熱媒体であり、管の中心部またはその近傍を流れる熱媒体は、内面とは離れているため、直接的にはほとんど熱交換を行っていない。
したがって、流路管に供給される熱エネルギーの量を基準とすれば、流路管表面で熱交換されている熱エネルギーは多くはなく、例えば流路管表面の温度の立ち上がりが遅く、熱交換効率がよいとはいえない。
そこで本発明の目的は、流路部材の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材の外部の加熱または冷却を行う熱交換器において、熱交換部である流路部材表面の温度の立ち上がりがより速く、熱交換効率にすぐれたものを提供することである。
また、本発明の他の目的は、上記目的に加え、さらに吸・放熱性、吸・放湿性、吸着分解性及び抗菌性あるいはマイナスイオンの発生など各種機能性を付与したものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
流路部材の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材の外部の加熱または冷却を行う熱交換器であって、
流路部材の内部には中芯部が設けられており、中芯部の表面と流路部材の内面によって、熱媒体を流通させることができる流路が形成されている、熱交換器である。
【0006】
本発明は、
流路部材の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材の外部の加熱または冷却を行う熱交換器であって、
管状の流路部材の内部には中芯部材が収容されており、中芯部材の表面と流路部材の内面によって、熱媒体を流通させることができる流路が形成されている、熱交換器である。
【0007】
本発明に係る熱交換器は、
中芯部材は多角柱形状を有しており、中芯部材の各角部が流路部材の内面に当接することによって流路部材の周方向に複数の流路が形成されているのがより好ましい。
【0008】
本発明に係る熱交換器は、
流路部材の端部には、流通経路から流入する熱媒体を分配して各流路に送る手段または各流路を通った熱媒体を合流させて流通経路へ送る手段が設けられているのがより好ましい。
【0009】
本発明に係る熱交換器は、
中芯部材は断熱性を有する材料で形成されているのがより好ましい。
【0010】
本発明に係る熱交換器は、
流路内を流通する熱媒体を乱流状態にする手段が設けられているのがより好ましい。
【0011】
本発明に係る熱交換器は、
流路部材の外面に、熱伝導性、放熱性または吸熱性を有する被覆層が設けられているのがより好ましい。
【0012】
本発明に係る熱交換器は、
流路部材の外面に、親水性、吸湿性、放湿性を有する被覆層が設けられているのがより好ましい。
【0013】
本発明に係る熱交換器は、
流路部材の外面に、吸着分解性及び抗菌性を有する被覆層が設けられているのがより好ましい。
【0014】
本発明に係る熱交換器は、
流路部材の外面に、マイナスイオンを発生する被覆層が設けられているのがより好ましい。
【0015】
本発明にいう「本質的に全面」の文言は、厳格な意味での「全面」のほか、表面の一部または若干を除外する「ほぼ全面」の意味を含むものである。
【0016】
熱交換器を形成する流路部材は、熱伝導性、放熱性または吸熱性の良好な材料、例えば金属(ステンレス、アルミニウムなど)、合成樹脂(合成繊維を含む)、カーボンファイバーなどが好適に使用される。流路部材と中芯部(中芯部材)は、別体に形成したものを組み合わせてもよいし、成形などで一体に形成することもできる。
【0017】
中芯部材を流路部材に収容する構造では、流路部材としては各種管体が採用されるが、収容される中芯部材の形状との組み合わせによって流路を形成することができるものであれば特に形状を限定するものではなく、一般的な円管の他、角管(三角管、四角管、五角管、六角管、八角管など)を採用することもできる。
【0018】
中芯部材には、断熱性の良好な材料、例えば発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、硬質ウレタンフォーム、塩化ビニルフォーム、ゴム(合成ゴムを含む)、合成樹脂、プラスチック等が好適に使用されるが、これらに限定するものではない。
中芯部(中芯部材)は、流路部材と協働して流路を形成することができれば、その形状は特に限定するものではない。例えば、円柱形状、三角柱形状、四角柱形状、五角柱形状、六角柱形状、八角柱形状などである。また、中芯部(中芯部材)は、中実体でもよいし、内部に空間部があるもの、例えば管体であってもよい。
【0019】
流路部材表面には被覆層を設けることができる。被覆層としては、例えば、塗料やコーティング剤などが採用できる。流路部材がアルミニウム製の場合は、表面に染料を吸着させて着色(例えば、黒色、青色、緑色、赤色、黄色、灰色、白色、金色、銀色など)したアルミニウムの陽極酸化処理(アルマイト処理)などが好適に用いられる。
【0020】
被覆層としては、熱交換効率(熱交換性)を向上させるためには、熱伝導性、放熱性や吸熱性にすぐれたものを設けるのが好ましい。流路部材外部の湿度を好適に調節するためには、親水性、吸湿性、放湿性にすぐれたものを設けるのが好ましい。また、流路部材外部のVOC(揮発性有機化合物)や臭気などを改善し、空気を清浄化するためには、吸着分解性及び抗菌性にすぐれたものを設けるのが好ましい。さらに、流路部材外部に環境的な癒しの空間を得るためには、マイナスイオンを発生する能力にすぐれたものを設けるのが好ましい。
【0021】
親水性、吸湿性、放湿性あるいは吸着分解性及び抗菌性を有する被覆層としては、例えば活性炭などの炭、活性アルミナ、シリカゲル、二酸化チタン、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、酸化チタン、イオン交換樹脂、ベントナイト、珪藻土(けいそうど)などを配合したものがあげられるが、これらに限定はされない。
マイナスイオンを発生する被覆層としては、例えば活性炭などの炭、セラミックス、トルマリンなどを配合したものがあげられるが、これらに限定はされない。
【0022】
流路部材の流路に流通させる熱媒体としては、熱エネルギーを十分に蓄えることができれば、その種類を特定するものではなく、液体でも良いし、気体でも良い。
液体としては、例えば、水(温水、冷水などを含む)、不凍液(例えばプロピレングリコールの37%溶液に防錆剤を配合したもの:使用温度域−20℃〜70℃)、油などが好適に使用される。また、気体としては、例えば冷房、暖房ができる冷媒ガス(加温の場合:二酸化炭素、冷却の場合:アンモニア、加温・冷却の場合:HFC(Hydrofluorocarbons)系などの新冷媒)が好適に使用される。
【0023】
なお、熱媒体に熱エネルギーを与える手段は、特に限定するものではない。例えば、太陽熱、地熱、風力、水力、電力などを利用した加熱装置あるいはヒートポンプ、空気熱源などが好適に使用される。また、排熱などの二次的な産物は、廃棄せず利用するようにしてもよい。
これによれば、例えば蓄熱部に熱容量の高いまたは熱の蓄熱性のよい材料を使用することにより、昼間に溜めた熱を夜間に使用したり、夜間に溜めた熱を昼間に使用したりすることができる。後者の場合では深夜電力を使用したりすることで、エネルギーコストを安価にすることもできる。
【0024】
本発明に係る熱交換器は、例えば、住宅、店舗、事務所、工場、体育館、劇場、集会場、図書館、スタジオ、病院、老人ホーム、旅館、ホテル、イベントホール、倉庫(保冷庫を含む)、精密室、クリーンルームや無菌室などの建築物の空気調和機や輻射冷暖房装置として、または鶏舎、豚舎、牛舎、ビニールハウスなどの農業施設の空気調和機や輻射冷暖房装置として、またはプール、水族館、養殖場、温泉施設などの水温調節装置として、さらには調湿装置、乾燥装置、遠赤外線加温装置、融雪装置、熱回収装置として利用するなど、様々な用途で好適に使用される。
【0025】
(作 用)
本発明に係る熱交換器の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
【0026】
熱交換器(H)に熱媒体を供給する。熱媒体は、流路部材(1)の内部に中芯部(部材)(2)が設けられているため、流路部材(1)の中心部分を通ることなく、内周面(14)に接している流路(15)を通り、流路部材(2)の壁部と熱交換を行う。
つまり、熱媒体を、直接には熱交換を行うことができない流路部材(1)の中心部分には流さず、熱交換を直接的に行うことができる内周面(14)に接するように流すことにより、中芯部材(2)を設けない場合と比較して熱媒体の単位流量当たりの熱交換面積が大きくなるので、効率的な熱交換が可能である。
【発明の効果】
【0027】
(a)本発明は、流路部材の内部に中芯部(部材)が設けられているため、熱媒体は流路部材の中心部分を通ることなく、内周面に接している流路を通り、流路部材の壁部と熱交換を行うことができる。つまり、熱媒体を、直接には熱交換を行うことができない流路部材の中心部分には流さず、熱交換を直接的に行うことができる内周面に接するように流すことにより、中芯部材を設けない場合と比較して、熱媒体の単位流量当たりの熱交換面積が大きくなるので、効率的な熱交換が可能である。したがって、熱交換部である流路部材表面の温度の立ち上がりが速く、利便性にすぐれている。
【0028】
(b)中芯部材は多角柱形状を有しており、中芯部材の各角部が流路部材の内面に当接することによって流路部材の周方向に複数の流路が形成されているものは、中芯部材を流路部材に収容するだけで簡単に流路を形成することができ、しかも多角形の角数を変えるだけで流路の数の調節が簡単にできる。
【0029】
(c)流路部材の端部には、流通経路から流入する熱媒体を分配して各流路に送る手段または各流路を通った熱媒体を合流させて流通経路へ送る手段が設けられているものは、流路が区画されて複数設けられる場合、各流路の流量を均等化することができ、熱交換部に機能的な偏りが生じることを防止できる。
【0030】
(d)中芯部材が断熱性を有する材料で形成されているものは、流路を流通する熱媒体と中芯部材との間で熱交換が行われず、熱交換はほとんどが熱媒体と流路部材の間で行われるので、熱交換効率がより向上する。
【0031】
(e)流路内を流通する熱媒体を乱流状態にする手段が設けられているものは、熱媒体の内部での温度のムラが生じにくくなり、熱媒体と流路部材との間で熱エネルギーがより移動し易くなる。これにより、熱交換効率がより向上する。
【0032】
(f)流路部材の外面に、熱伝導性、放熱性または吸熱性を有する被覆層が設けられているものは、熱交換効率を向上させることができる。すなわち、熱伝導性、放熱性または吸熱性にすぐれたものは、遠赤外線を含む赤外線の放射性(放熱性)にすぐれており、また、遠赤外線を含む赤外線の吸収性(吸熱性)にすぐれている。これにより、被覆層表面での熱交換が盛んに行われ、熱交換効率が向上することになる。
【0033】
(g)流路部材の外面に、親水性、吸湿性、放湿性を有する被覆層が設けられているものは、流路部材外部の湿度を好適に調節することができる。すなわち、熱交換器において流路部材外部の空気は流路部材との温度差によって対流が促進され、空気が速やかに入れ替わるので、空気中の湿度を調節する効果によりすぐれている。
【0034】
(h)流路部材の外面に、吸着分解性及び抗菌性を有する被覆層が設けられているものは、流路部材外部のVOCや臭気を改善し、空気を清浄化することができる。すなわち、熱交換器において流路部材外部の空気は流路部材との温度差によって対流が促進され、空気が速やかに入れ替わるので、空気中のVOCや臭気を改善して空気を清浄化する効果によりすぐれている。
【0035】
(i)流路部材の外面に、マイナスイオンを発生する被覆層が設けられているものは、流路部材外部に環境的な癒しの空間を得るために有用である。すなわち、熱交換器において流路部材外部の空気は流路部材との温度差によって対流が促進され、空気が速やかに入れ替わるので、被覆層で発生したマイナスイオンを空気中に効率よく拡散させることができる機能性にすぐれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る熱交換器の一実施の形態を示す斜視図、
図2は図1に示す熱交換器の両端部側の構造を示す拡大断面図、
図3は図1に示す熱交換器の側面視拡大説明図、
図4はキャップと流路部材の連結部の構造を示す分解斜視説明図、
図5は流路部材と中芯部材を示す斜視説明図である。
【0037】
熱交換器Hは、所要長さを有する円管状の流路部材1の内部に設けた複数の流路15(後述)に熱媒体を流通させ、この熱媒体が有している熱エネルギーを流路部材1の周壁部を介して外部と熱交換することにより、外部を加熱または冷却することができるものである。
【0038】
(流路部材1)
流路部材1は、所要径を有する円管形状であり、熱伝導性にすぐれたアルミニウムで形成されている。流路部材1の内部には、断熱性を有する発泡ポリエチレンで形成された正六角棒(正六角柱)状の中芯部材2が収容されている。また、流路部材1の両端には、内部を密閉する合成樹脂製のキャップ3が着脱可能に固着されている。中芯部材2及びキャップ3については、後で詳述する。
【0039】
流路部材1の外周面には、全面にアルミニウムの陽極酸化処理(アルマイト処理)による被覆層10が設けてある。被覆層10は、アルマイト処理時に表面に染料を吸着させて着色されている。被覆層10を設けることにより、流路部材1の熱伝導性、放熱性または吸熱性をさらに高めることができる。
【0040】
また、流路部材1の外周面には、帯板状の補強体11、12が立てた状態で固定されている。補強体11、12は、流路部材1の補強のために長さ方向の略全長にわたり設けられており、所要間隔をおいて平行に並設されている。なお、補強体11、12は、流路部材1と同じアルミニウムで形成されている。
【0041】
流路部材1の両端側には、キャップ3を固定する固定ネジ4を通すための貫通孔13が形成されている。貫通孔13は、後述するキャップ3のネジ穴34と対応するように周方向に等間隔で四箇所に形成されている。
【0042】
流路部材1の内周面14には、流路部材1に収容される中芯部材2を軸周方向に回らないように摩擦力を高めるための位置決め溝が、長さ方向の全長にわたり、かつ軸周方向へは多数設けられている。位置決め溝は深さはごく僅かであり、本数も多いので、図示及び符号を省略している。なお、位置決め溝は設けなくてもよいが、設けることにより位置決めが容易にできる利点がある。
【0043】
(中芯部材2)
中芯部材2は、発泡ポリエチレンで正六角柱形状に形成されている。中芯部材2は、流路部材1の全長よりやや短い(図2参照:図5では流路部材1の端部を切り欠いて表している)中実体であり、流路部材1の内部に収容することにより、各角部20が全長にわたり流路部材1の内周面14と当たるように形成されている。
【0044】
中芯部材2の両端面には、後述するキャップ3の嵌合凸部38と嵌め合う嵌合凹部21が形成されている。嵌合凹部21は、側面視において中芯部材2の外形状と略同じ正六角形状に形成されているが、この形状は中芯部材2が軸周方向へ回らないようにすることができれば、上記嵌合凸部38の形状とともに限定するものではない。
【0045】
中芯部材2の各角部20には、角部20を所要の幅で軸周方向へ切欠するようにして流通溝22が形成されている。流通溝22は、中芯部材2の長手方向において同じ位置に六箇所設けられ、さらに長手方向に複数箇所設けられている。各流通溝22は、各流路15を連通させることで、乱流を促進しながら各流路15における圧力を平均化して円滑な流通を可能にするものである。なお、流通溝22が中芯部材2の軸周方向において設けられる数、長手方向に設けられる数、位置及び総数共に特に限定されるものではない。
【0046】
なお、使用される発泡ポリエチレンは、独立気泡体であり耐薬品性にもすぐれている。したがって、中芯部材2には熱媒体が浸潤せず、浸潤によって断熱性能が低下することを防止することができる。また、化学的に侵されて変質や変形あるいは溶解を起こすことも防止または軽減することができる。
【0047】
中芯部材2は、各角部20を内周面14に当てた状態で流路部材1の内部に収容されている。このようにして、中芯部材2を流路部材1の内部に収容することにより、流路部材1の内周面14と中芯部材2の外面によって、熱媒体が流通する流路15が形成されている。中芯部材2は正六角柱形状を有しているので、流路15は互いに区画された状態で周方向の六箇所に形成されている。各流路15は熱媒体を流路部材1の内面14の本質的に全面に接するように流通させることができる。
【0048】
(キャップ3)
キャップ3は、同じ構造のものが流路部材1の両端部(流入側と流出側)に固着されている。いずれのキャップ3も、後述する取付方法、構造によって同様に固着される。
キャップ3は、熱媒体が流通する流通経路(熱交換器Hの外部)から流入する熱媒体を分配して各流路15に送る手段及び各流路15を通った熱媒体を合流させて流通経路へ送る手段を構成する。
【0049】
キャップ3は、流路部材1の外径と同じ外径を有する止端部30と、流路部材1の内径よりわずかに径小で内嵌めされる嵌合部31を一体に有している。止端部30は、嵌合部31を内嵌めしてキャップ3を流路部材1端部に装着したときのストッパーとなるものである。
【0050】
嵌合部31の外周面には、凹溝33が嵌合部31の長手方向の二箇所に所要間隔で全周にわたり形成されている。凹溝33には、それぞれシール部材32が嵌め込まれ、流路部材1の内周面14と嵌合部31の外周面との間を密閉状態にすることができる。シール部材32としては、例えばゴム製のOリングが好適に使用されるが、これに限定するものではない。
【0051】
嵌合部31の外周面のうち止端部30寄りには、キャップ3を流路部材1に固定する固定ネジ4をねじ込むためのネジ穴34が形成されている。ネジ穴34は、流路部材1に設けられている貫通孔13と対応するように周方向に等間隔で四箇所に形成されている。
【0052】
キャップ3には、止端部30の外端面の中心部から内部へ向けて流通路35が中心軸線方向に設けられている。流通路35の先端部(奥端部)は、キャップ3の長手方向の約2/3の深さに位置している。流通路35にはネジ部350が設けられており、ネジ部350には接続部材5が螺着されている。接続部材5の他端側は、熱媒体の流通経路となるホースや流路管など公知のものに接続される。
なお、符号39は、熱交換器Hを設置箇所に支持固定するためにネジ(図示省略)が螺着されるネジ孔である。ネジ孔39は、軸周方向の四箇所に等間隔で設けられている。
【0053】
また、嵌合部31の外周面のうちシール部材32より内方側には、周方向に等間隔で六箇所に連通溝36が設けられている。各連通溝36は、嵌合部31の内端面まで設けられ、流路部材1に中芯部材2が収容されることにより形成される各流路15に対応して連通するように、キャップ3の長手方向に互いに平行になるように形成されている。
各連通溝36は、上記流通路35と分配路37によって連通している。分配路37は、流通路35の先端部から各連通溝36へ向けて放射方向に六箇所に設けられている。
【0054】
なお、上記連通溝36及び分配路37は、それぞれ流路15の数に合わせて設けられるもので、流路15が三箇所であれば三本、四箇所であれば四本、五箇所であれば五本、八箇所であれば八本設けられる。このように、連通溝36及び分配路37などの分配流路は、複数の流路15の数に対応して流路15に通じるように設けられる。また、分配部の構造は、連通溝36を設けずに分配路37を直接各流路15まで延長する構造でもよい。
キャップ3の嵌合部31側の内端面には、中芯部材2の嵌合凹部21にほぼ隙間のない状態で嵌合する嵌合凸部38が形成されている。嵌合凸部38は、正面から見て正六角形状に形成されている。
【0055】
キャップ3は、嵌合凸部38が中芯部材2の端面の嵌合凹部21と嵌合するように嵌合部31を流路部材1に内嵌めし、流路部材1の貫通孔13を通してネジ穴34に固定ネジ4をねじ込むことにより取り付けられる。キャップ3の嵌合凸部38を中芯部材2の嵌合凹部21に嵌合させることにより、中芯部材2は流路部材1の内部で軸周方向に回ることはなく、各流路15はキャップ3の連通溝36とずれない。これにより、例えば中芯部材2の各角部が各連通溝36と同じ位置になって熱媒体の流通に支障が出ることを防止できる。
【0056】
本実施の形態においては、流路部材1の外周面部にアルミニウムの陽極酸化処理によって形成した被覆層を設けたが、流路部材が十分な熱伝導性、放熱性または吸熱性を有していれば、必ずしも設けなくてよい。また、設ける場合でも、上記したものに限定するものではなく、付加したい機能性に応じて被覆層の種類を変えることができる。
【0057】
例えば、熱交換器Hの熱交換効率を向上させるためには、熱伝導性、放熱性や吸熱性にすぐれた被覆層を設ければよい。また、熱交換器Hの流路部材外部の湿度を好適に調節するためには、親水性、吸湿性、放湿性にすぐれた被覆層を設ければよい。また、熱交換器Hの流路部材外部のVOCや臭気を改善し、空気を清浄化するためには、吸着分解性及び抗菌性にすぐれた被覆層を設ければよく、さらに、好ましくは環境的な癒しの空間を得ることができるマイナスイオンを発生する能力にすぐれた被覆層を設けることもできる。
【0058】
(作 用)
図1ないし図5を参照して、本実施の形態に係る熱交換器Hの作用を説明する。
熱交換器Hは、流路15に温かい熱媒体を流通させることにより、設置された施設などを加温する機能を発揮し、冷たい熱媒体を流通させることにより、設置された施設などを冷却する機能を発揮することができる。流通させる熱媒体の温度は、設置される場所や用途によって適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。
【0059】
熱交換器Hは、例えば住宅やその他の施設などで空気中に設置されることにより、例えば流路部材1の表面が所要の長さで空間に露出している。
熱媒体は、流通経路に設けられている温度調節機によって所要の温度に加温または冷却され、ポンプで熱交換器Hへ送り出される。熱媒体は、接続部材5を通り、キャップ3の流通路35(図2に示すように流通路35のうち接続部材5が占めていない部分)に導入され、さらに分配路37から連通溝36を通り、各流路15へ送られる。
【0060】
なお、各分配路37に、熱媒体の流通ができたりできなかったりする切り換え手段を付与することもできる。これによれば、各流路15のうちいくつかを選択して熱媒体を流通させることもでき、例えば流路部材1のうち、設置の都合上、熱交換が行われない側の流路15には熱媒体を流さないようにするなど、さらに無駄のない効率的な熱交換が可能になる。
【0061】
各流路15を通る熱媒体は、直接的には流路部材1と熱交換を行い、流路部材1の外面と接している外気または周囲の物質とは流路部材1を介して間接的に熱交換を行う。この熱交換は、伝導、輻射または対流による熱移動によって行われる。
つまり、熱媒体と熱交換された流路部材1の温度が外気や物質より高ければ、流路部材1と外気や物質との熱交換によって外気や物質の温度が上がり、熱媒体の温度は下がる。また、逆に、熱媒体と熱交換された流路部材1の温度が外気や物質より低ければ、流路部材1と外気や物質との熱交換によって外気や物質の温度が下がり、熱媒体の温度は上がる。
【0062】
上記熱交換が行われる際、熱媒体は上記のように分配されることによって各流路15において流量や流速がほぼ均等になるように流れている。しかも、流路部材1の内部を流れる熱媒体は、中芯部材2が収容されている流路部材1の中心部分を流れることなく、流路部材1の内周面14の各角部20の接触部分を除くほぼ全面に接している各流路15を流れる。つまり、熱媒体を、直接には熱交換を行うことができない流路部材1の中心部分には流さず、熱交換を直接的に行うことができる内周面14に接するように流すことにより、効率的な熱交換が可能である。しかも、中芯部材2は断熱性にすぐれているので、熱媒体と中芯部材2との間では熱交換がほとんど行われないので、より効率がよい。
【0063】
すなわち、中芯部材2を設けない一般的な管状の熱交換器と本発明の熱交換器Hを比較したとき、熱媒体の流量を同じにした場合、つまり供給する熱量が同じである場合では、本発明の熱交換器Hの方がより短い時間で流路部材1の温度を所定の温度まで上昇または下降させることができる。いいかえれば、流路部材1の表面の温度の立ち上がりが速い。また、流路部材1の表面の温度の立ち上がり時間を基準にすれば、より少ない流量(より少ない熱量の供給)で同等の加熱ができるともいえる。
なお、流路部材1の外周面には熱伝導性、放熱性または吸熱性を高める被覆層10が設けられているので、上記流路部材1と外気との熱交換は効率よく良好に行われる。これらの機能性については、後述する試験によって検証する。
【0064】
流路部材1の外周面に設けられている補強体11、12は、熱交換部の面積を拡げる機能も持っており、流路部材1と外気との熱交換を助けている。補強体11、12は、さらに数を増やすこともでき、例えばフィンのように流路部材1の全体に形成して熱交換効率をさらに高めることもできる。なお、補強体11、12や上記フィン状に配した補強体には、流路部材1と同様に熱伝導性、放熱性または吸熱性を高める被覆層を設けるのがより好ましい。
また、補強体11、12は、熱交換器Hを冷房装置として使用した場合において、流路部材1の外周面に結露する水滴をドレンパンなどに案内する案内部材として利用することもできる。更に、熱交換器Hを架台に取り付けるときのブラケットとして利用したり、配管や設置の際に軸周方向の姿勢を決めるときの目印として利用することもできる。
【0065】
ところで、温水や冷水の送り始めでは、送る液体と共に空気が流路部材1内に入ってしまうことがある。この空気が流路15に滞ってしまうと、熱媒体が流路部材1の内周面14と接することができない部分を形成し、熱媒体と流路部材1との間で熱交換が行われにくくなるので好ましくない。熱交換器Hにおいては、上記したように中芯部材2の各角部20に流通溝22が設けられ、各流路15の間で流通が可能になっている。これにより、流路15の内部に空気が入っても、熱媒体の流通と共に流通溝22を通して他の流路15に分散させることにより、熱交換器Hの外部へ排出しやすくなっている。
【0066】
本発明の熱交換器Hの機能を検証するために次のような試験を行った。
(試験方法)
この試験では、冷水を流通させる冷却試験(試験1)と、温水を流通させる加温試験(試験2)を行い、流路部材1の外周面の温度変化の推移と、外周面が最低温度(試験1)または最高温度(試験2)に到達するまでにかかる時間を測定した。なお、室温は一定とした。
【0067】
使用したモデルは次の四種類である。
モデル0は、熱交換器Hと比較する対象とするもので、熱交換器Hの流路部材1から中芯部材2を取り外したものである。使用した熱交換器Hの流路部材1の外径は60mm、長さは1mである。
モデル1は、熱交換器Hであり、流路部材1の被覆層を黒色に着色したアルマイト処理層としたものである。モデル2は、熱交換器Hにおいて流路部材1の被覆層をクールテック(商品名:オキツモ株式会社)に変えたものである。モデル3は、熱交換器Hにおいて流路部材1の被覆層を活性炭を主剤とするハイブリッドサーモコーティング(商品名:有限会社アクア:表1、表2ではHBサーモと略して表示した)に変えたものである。このハイブリッドサーモコーティングは、表面積がきわめて大きく、放熱性、吸湿性、放湿性、吸着分解性及び抗菌性及びマイナスイオンの発生にすぐれたものである。
【0068】
上記各モデルを熱媒体流通路に並列に配し、温度測定器(商品名:データロガ、株式会社テイアンドデイ社製(TR-71U))の温度センサをモデル1〜3の流路部材1の長手方向の中間点表面と、流出側端部の流路部材1の内部にそれぞれ設けた。モデル0については、設備の都合上、温度センサは流路部材1の長手方向の中間点表面のみに設けた。
【0069】
各モデルの熱媒体の流入側の圧力は同じであるが、流量はモデル0とモデル1〜3では異なるので、流量を実質的に同じにするために、モデル0については流量の調節を流路部材1外部で行った。
そして、熱媒体として、毎分1Lの温水または冷水を各モデルに供給し、温度センサで各部の温度を一定時間ごとに測定した。なお、モデル0については、流路部材1の表面温度のみを一定時間ごとに測定した。さらに各モデル0〜3の温度の推移と共に最低または最高温度と、そこに到達するまでの時間も測定した。
【0070】
(試験1)
試験1では、熱源機にヒートポンプチラー(商品名:エコヌクールピコ、三菱電機株式会社(VEH-406HCU-K2,VEH-406HPU))を使用し、熱媒体である冷水を最低温度7℃までに冷却する条件で運転し供給した。したがって、常時7℃の冷水を供給したのではなく、冷水の温度には多少の変動がある。
【0071】
【表1】

【0072】
(試験2)
試験2では、熱源機に試験1と同様にヒートポンプチラーを使用し、熱媒体である温水を最高温度52℃までに加温する条件で運転し供給した。したがって、常時52℃の温水を供給したのではなく、温水の温度には多少の変動がある。
【0073】
【表2】

【0074】
(考察)
表1、2から分かるとおり、中芯部材2が設けられていないモデル0と、中芯部材2を設けているモデル1〜3の間には、流路部材1の表面温度の立ち上がり速度において明らかな違いがあった。
まず、表1において、モデル0では、最低温度の10.2℃になるまでにかかった時間は12分11秒であったが、熱交換器Hのモデル1では、最低温度の7.9℃になるまでにかかった時間は10分24秒であった。また、被覆層が異なるモデル2、3も、それぞれ8.7℃まで10分31秒、8.1℃まで10分19秒であった。
すなわち、モデル1〜3は、いずれもモデル0に比べて最低温度までの立ち上がり時間が短いことと、最低温度もより低くなることが確認できた。
【0075】
また、表2において、モデル0では、最高温度の49.5℃になるまでにかかった時間は11分32秒であったが、熱交換器Hのモデル1では、最高温度の51.2℃になるまでにかかった時間は9分47秒であった。また、被覆層が異なるモデル2、3も、それぞれ50.5℃まで9分42秒、50.7℃まで9分46秒であった。
すなわち、モデル1〜3は、いずれもモデル0に比べて最高温度までの立ち上がり時間が短いことと、最高温度もより高くなることが確認できた。
【0076】
上記試験結果から、中芯部材2を流路部材1に設けたモデル1〜3の方が、中芯部材2を流路部材1に設けていないモデル0より熱交換効率が良好であり、省エネルギー効果が高いということがわかった。また、短時間で設定温度まで到達することができるので、熱媒体に熱エネルギーを与える装置から供給される熱エネルギーの熱損失量も少なくできるので、熱輸送効率にもすぐれている。
【0077】
さらに、表1、表2では、被覆層の違いによる熱交換効率の違いも検証することができる。すなわち、流路部材1の外周面にブラックアルマイトの被覆層を設けたモデル1、同じく放熱性にすぐれた塗料として市販されているクール・テックの被覆層を設けたモデル2、同じくハイブリッドサーモコーティングの被覆層を設けたモデル3の間にも熱交換効率の差が認められる。
【0078】
表1、表2では、モデル1〜3について、流路部材1表面と流出側の熱媒体の温度を検出している。これらの温度差から熱交換効率を検証する。
まず、冷却試験を行った表1においては、一分ごとに検出された上記温度差の平均値は、モデル1では−0.15、モデル2では0.03、モデル3では0.44である。冷却試験では、この差の数値が大きいほど熱交換効率にすぐれているので、モデル3、モデル2、モデル1の順で熱交換効率にすぐれていることになる。
【0079】
また、加温試験を行った表2においては、一分ごとに検出された上記温度差の平均値は、モデル1では0.84、モデル2では0.63、モデル3では0.14である。加温試験では、この差の数値が小さいほど熱交換効率にすぐれているので、上記表意の場合と同様にモデル3、モデル2、モデル1の順で熱交換効率にすぐれていることになる。
このように、流路部材1の表面に被覆層として、放熱性によりすぐれた被覆層を設けることにより、熱交換効率が向上することが確認できた。
【0080】
また、モデル1〜3については、上記試験1、2とは別に、流路部材1に熱媒体として温水を流通させるときの表面から発生するマイナスイオンを計測した。マイナスイオンの発生を検証するために、マイナスイオンカウンター(商品名:アンデス電気株式会社(ITC-201A))を使用し、モデル1〜3の縦方向に配置した各流路部材1の長さ方向中央の位置で表面から20mm離れた位置で計測した。この計測は、温度30℃、湿度53〜54%の条件下で行った。
マイナスイオンの発生量は、モデル1(被覆層:ブラックアルマイト)で280個/cc、モデル2(被覆層:クールテック)で290個/cc、モデル3(被覆層:ハイブリッドサーモコーティング)で410個/ccであった。なお、この値は、マイナスイオンの計測を0.25秒ごとに10分間行ったときの平均値である。
【0081】
なお、熱交換器Hにおいては、中芯部材2として正六角柱形状を有するものを採用したが、例えば、図6に示す中芯部材2aのように五角柱形状のものや、図7に示す中芯部材2bのように四角柱形状のものを採用してもよい。
また、図8に示すように、中芯部材2cが四角柱形状で、なおかつ側壁に乱流を発生させる手段である凸部23を設けたものでもよい。中芯部材2cに凸部23を設けることにより、流路15の内部を流通する熱媒体の流れが層流状態でなく乱流状態になり、熱媒体と流路部材との間で熱エネルギーがより移動し易くなる。
上記実施の形態では示していないが、補強体11、12とは別に流路部材1の外周面や内周面に、周りの空気や熱媒体が流れやすいようにする手段や表面積をより大きくする手段を設けて、外周面や内周面における熱交換が効率よく行われるようにすることもできる。
【0082】
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る熱交換器の一実施の形態を示す斜視図。
【図2】図1に示す熱交換器の両端部側の構造を示す拡大断面図。
【図3】図1に示す熱交換器の側面視拡大説明図。
【図4】キャップと流路部材の連結部の構造を示す分解斜視説明図。
【図5】流路部材と中芯部材を示す斜視説明図。
【図6】流路部材と中芯部材の他の例を示す斜視説明図。
【図7】流路部材と中芯部材の他の例を示す斜視説明図。
【図8】流路部材と中芯部材の他の例を示す斜視説明図。
【符号の説明】
【0084】
H 熱交換器
1 流路部材
10 被覆層
11、12 補強体
13 貫通孔
14 内周面
15 流路
2 中芯部材
20 角部
21 嵌合凹部
22 流通溝
23 凸部
2a 中芯部材
2b 中芯部材
2c 中芯部材
3 キャップ
30 止端部
31 嵌合部
32 シール部材
33 凹溝
34 ネジ穴
35 流通路
350 ネジ部
36 連通溝
37 分配路
38 嵌合凸部
39 ネジ孔
4 固定ネジ
5 接続部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路部材(1)の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材(1)の外部の加熱または冷却を行う熱交換器であって、
流路部材(1)の内部には中芯部(2)が設けられており、中芯部(2)の表面(24)と流路部材(1)の内面によって、熱媒体を流通させることができる流路(15)が形成されている、
熱交換器。
【請求項2】
流路部材(1)の内部に熱媒体を流通させ、熱媒体との熱交換によって流路部材(1)の外部の加熱または冷却を行う熱交換器であって、
管状の流路部材(1)の内部には中芯部材(2)が収容されており、中芯部材(2)の表面(24)と流路部材(1)の内面(14)によって、熱媒体を流通させることができる流路(15)が形成されている、
熱交換器。
【請求項3】
中芯部材(2)は多角柱形状を有しており、中芯部材(2)の各角部(20)が流路部材(1)の内面(14)に当接することによって流路部材(1)の周方向に複数の流路(15)が形成されている、
請求項2記載の熱交換器。
【請求項4】
流路部材(1)の端部には、流通経路から流入する熱媒体を分配して各流路(15)に送る手段または各流路を通った熱媒体を合流させて流通経路へ送る手段(3,35,36,37)が設けられている、
請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
中芯部材(2)は断熱性を有する材料で形成されている、
請求項2、3または4記載の熱交換器。
【請求項6】
流路(15)内を流通する熱媒体を乱流状態にする手段(23)が設けられている、
請求項1、2、3、4または5記載の熱交換器。
【請求項7】
流路部材(1)の外面に、熱伝導性、放熱性または吸熱性を有する被覆層(10)が設けられている、
請求項1、2、3、4、5または6記載の熱交換器。
【請求項8】
流路部材(1)の外面に、親水性、吸湿性または放湿性を有する被覆層(10)が設けられている、
請求項1、2、3、4、5または6記載の熱交換器。
【請求項9】
流路部材(1)の外面に、吸着分解性及び抗菌性を有する被覆層(10)が設けられている、
請求項1、2、3、4、5または6記載の熱交換器。
【請求項10】
流路部材(1)の外面に、マイナスイオンを発生する被覆層(10)が設けられている、
請求項1、2、3、4、5または6記載の熱交換器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate