熱交換器
【課題】受液器のプラグを円筒状本体から取り外す際のプラグの飛び出しを防止しうる熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器の受液器7の円筒状本体26の内周面に、雌側シール面33と雌側シール面33の内方に連なっためねじ32とを設ける。受液器7のプラグ28の外周面に、雄側シール面35と雄側シール面35の内方に連なったおねじ34とを設ける。雌側シール面33の内径をめねじ32の内径よりも大きくし、雄側シール面35の外径をおねじ36の外径よりも大きくする。雌側シール面33と雄側シール面35との間をOリング37でシールする。プラグ28に形成された凹陥部38の周壁38aに貫通穴39を形成する。雌側シール面33の外端とOリング37との距離L1および貫通穴39の外端とめねじ32の外端との距離L2を、おねじ34の内端とめねじ32の外端との距離L3よりも短くする。
【解決手段】熱交換器の受液器7の円筒状本体26の内周面に、雌側シール面33と雌側シール面33の内方に連なっためねじ32とを設ける。受液器7のプラグ28の外周面に、雄側シール面35と雄側シール面35の内方に連なったおねじ34とを設ける。雌側シール面33の内径をめねじ32の内径よりも大きくし、雄側シール面35の外径をおねじ36の外径よりも大きくする。雌側シール面33と雄側シール面35との間をOリング37でシールする。プラグ28に形成された凹陥部38の周壁38aに貫通穴39を形成する。雌側シール面33の外端とOリング37との距離L1および貫通穴39の外端とめねじ32の外端との距離L2を、おねじ34の内端とめねじ32の外端との距離L3よりも短くする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえばカーエアコンを構成する冷凍サイクルに用いられる熱交換器に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、図1の上下を上下というものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、車体への組み付け性の向上や、設置スペースの節約を図ること、および冷凍サイクルの冷凍能力の向上を図ることを目的として、カーエアコンを構成する冷凍サイクルの熱交換器として、たとえば互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた上下方向にのびる受液器とを備えており、両タンクがそれぞれ同一高さ位置に設けられた仕切壁によりタンクの長さ方向に2つのヘッダに区画され、両仕切壁よりも上側の部分にコンデンサとしての機能を有する凝縮部が設けられるとともに、両仕切壁よりも下側の部分に過冷却器としての機能を有する過冷却部が設けられた熱交換器が広く知られている。
【0004】
上述した熱交換器においては、受液器内に配置された乾燥剤などを交換する必要があり、たとえば特許文献1記載の熱交換器が知られている。特許文献1記載の熱交換器の受液器は、上下方向にのびかつ少なくとも下端が開口した円筒状本体と、円筒状本体の下端部内にねじ嵌められたプラグとを有し、円筒状本体の下端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、円筒状本体内の下端部の内周面における雌側シール面の上方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの下方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、円筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、円筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間が上下2つのOリングによりシールされ、円筒状本体の雌側シール面の下端と上側Oリングとの距離が、プラグのおねじの上端と円筒状本体のめねじの下端との距離よりも長くなっている熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の熱交換器の受液器においては、円筒状本体の雌側シール面の下端(外端)と上側Oリングとの距離が、プラグのおねじの上端(内端)と円筒状本体のめねじの下端(外端)との距離よりも長くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内に冷媒が残留して内圧が高い間にプラグを円筒状本体から取り外す場合に次のような問題が発生する。すなわち、プラグを円筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除した時点では、雌側シール面と雄側シール面との間が上側のOリングによりシールされて熱交換器内に冷媒が残留して内圧が高いままの状態であるから、熱交換器内の圧力によりプラグが勢いよく下方に飛び出してしまう。
【特許文献1】特開平9−324962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、上記問題を解決し、受液器のプラグを円筒状本体から取り外す際のプラグの飛び出しを防止しうる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0008】
1)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面における雌側シール面の内方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面の外端部に円筒面状の雄側シール面が設けられるとともに、プラグの外周面における雄側シール面の内方に連なった部分に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面におねじの少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁におけるおねじが設けられている部分に冷媒抜き通路が形成されるとともに、冷媒抜き通路の外端が筒状本体のめねじよりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせるようになっており、筒状本体の雌側シール面の外端とOリングとの距離およびプラグの冷媒抜き通路の外端と筒状本体のめねじの外端との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【0009】
2)冷媒抜き通路が、プラグの凹陥部の周壁に形成された貫通穴からなる上記1)記載の熱交換器。
【0010】
3)冷媒抜き通路が、プラグの凹陥部の周壁に内端から形成された切り欠きからなる上記1)記載の熱交換器。
【0011】
4)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面における雌側シール面の内方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面の外端部に円筒面状の雄側シール面が設けられるとともに、プラグの外周面における雄側シール面の内方に連なった部分に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面に雄側シール面の少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁における雄側シール面が設けられている部分でかつOリングよりも内側の部分に冷媒抜き用貫通穴が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端と冷媒抜き用貫通穴との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【0012】
5)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面にめねじが設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面におけるめねじの内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面が設けられ、プラグの外周面の外端部に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの内方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも小さくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも小さくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、筒状本体のめねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き通路が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【0013】
6)冷媒抜き通路が、筒状本体の周壁におけるめねじが設けられた部分に形成された貫通穴からなる上記5)記載の熱交換器。
【0014】
7)冷媒抜き通路が、筒状本体の周壁内周面におけるめねじが設けられた部分に形成された上下方向にのびる凹溝からなる上記5)記載の熱交換器。
【0015】
8)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面にめねじが設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面におけるめねじの内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面が設けられ、プラグの外周面の外端部に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの内方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも小さくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも小さくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグの外周面のおねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き用凹溝が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【発明の効果】
【0016】
上記1)の熱交換器によれば、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面におねじの少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁におけるおねじが設けられている部分に冷媒抜き通路が形成されるとともに、冷媒抜き通路の外端が筒状本体のめねじよりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせるようになっており、筒状本体の雌側シール面の外端とOリングとの距離およびプラグの冷媒抜き通路の外端と筒状本体のめねじの外端との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力が未だ比較的高い間にプラグを筒状本体から取り外す場合であっても次の効果を奏する。すなわち、プラグを円筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除する前の時点において、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径およびおねじの外径よりも大きくなっていることに起因して、雌側シール面とプラグのおねじとの間に隙間が形成されるとともに、冷媒抜き通路および前記隙間を介して受液器の内外が通じさせられることになるので、熱交換器内に残留した冷媒は冷媒抜き通路および前記隙間を通って外部に抜ける。したがって、筒状本体のめねじとプラグのおねじとのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しているので、プラグが勢いよく飛び出すことが防止される。
【0017】
上記2)および3)の熱交換器によれば、上記1)の熱交換器において、比較的簡単に冷媒抜き通路を形成することができる。
【0018】
上記4)の熱交換器によれば、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面に雄側シール面の少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁における雄側シール面が設けられている部分でかつOリングよりも内側の部分に冷媒抜き用貫通穴が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端と冷媒抜き用貫通穴との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力が未だ比較的高い間にプラグを筒状本体から取り外す場合であっても次の効果を奏する。すなわち、プラグを筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除する前の時点において、冷媒抜き用貫通穴を介して受液器の内外が通じさせられるので、熱交換器内に残留した冷媒は冷媒抜き用貫通穴を通って外部に抜ける。したがって、筒状本体のめねじとプラグのおねじとのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しているので、プラグが勢いよく飛び出すことが防止される。
【0019】
上記5)の熱交換器によれば、筒状本体のめねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き通路が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力が未だ比較的高い間にプラグを筒状本体から取り外す場合であっても次の効果を奏する。すなわち、プラグを円筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除する前の時点において、プラグの雄側シール面の内径がおねじの外径およびめねじの内径よりも小さくなっていることに起因して、雄側シール面と筒状本体のめねじとの間に隙間が形成されるとともに、冷媒抜き通路および前記隙間を介して受液器の内外が通じさせられるので、熱交換器内に残留した冷媒は冷媒抜き通路および前記隙間を通って外部に抜ける。したがって、筒状本体のめねじとプラグのおねじとのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しているので、プラグが勢いよく飛び出すことが防止される。
【0020】
上記6)および7)の熱交換器によれば、上記5)の熱交換器において、比較的簡単に冷媒抜き通路を形成することができる。
【0021】
上記8)の熱交換器によれば、プラグの外周面のおねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き用凹溝が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力が未だ比較的高い間にプラグを筒状本体から取り外す場合であっても次の効果を奏する。すなわち、プラグを筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除する前の時点において、プラグの雄側シール面の内径がおねじの外径およびめねじの内径よりも小さくなっていることに起因して、雄側シール面と筒状本体のめねじとの間に隙間が形成されるとともに、冷媒抜き用凹溝および前記隙間を介して受液器の内外が通じさせられるので、熱交換器内に残留した冷媒は冷媒抜き用凹溝および前記隙間を通って外部に抜ける。したがって、筒状本体のめねじとプラグのおねじとのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しているので、プラグが勢いよく飛び出すことが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
この実施形態は、この発明による熱交換器を、コンデンサの機能を有する凝縮部と、過冷却器の機能を有する過冷却部とが一体化された熱交換器に適用したものである。
【0024】
以下の説明において、図1の左右を左右というものとし、図1の紙面表側を前、これと反対側を後というものとする。また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0025】
なお、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
実施形態1
この実施形態は図1〜図3に示すものである。
【0027】
図1は熱交換器の全体構成を示し、図2および図3はその要部の構成を示す。
【0028】
図1において、熱交換器(1)は、互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる左右1対のアルミニウム製タンク(2)(3)と、両タンク(2)(3)間に幅方向を前後方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置され、かつ左右両端部が両タンク(2)(3)にそれぞれ接続された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(4)と、隣り合う熱交換管(4)間および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側に配置されてコルゲートフィン(5)にろう付された上下1対のアルミニウム製サイドプレート(6)と、左タンク(2)に取付部材(8)を介して固定された受液器(7)とを備えている。
【0029】
熱交換器(1)の両タンク(2)(3)内は、下部の同一高さ位置においてそれぞれ仕切壁(9)(11)により上下に区画されており、これにより気相の冷媒を凝縮させて液相とするコンデンサの機能を有する凝縮部(12)と、凝縮部(12)で凝縮された液状冷媒を凝縮温度よりも5〜15℃程度低い温度まで過冷却する過冷却器の機能を有する過冷却部(13)とが同一垂直面内において上下に並んで一体に設けられている。
【0030】
ここで、左タンク(2)における仕切壁(9)よりも上方の部分が凝縮部(12)の左ヘッダ(14)であり、右タンク(3)における仕切壁(11)よりも上方の部分が凝縮部(12)の右ヘッダ(15)である。また、左タンク(2)における仕切壁(9)よりも下方の部分が過冷却部(13)の左ヘッダ(16)であり、右タンク(3)における仕切壁(11)よりも下方の部分が過冷却部(13)の右ヘッダ(17)である。
【0031】
凝縮部(12)の右ヘッダ(15)は、上下方向の中程の高さ位置に設けられた通路群形成用のアルミニウム製第1仕切板(18)により上ヘッダ部(15a)と下ヘッダ部(15b)とに区画されており、左ヘッダ(14)は第1仕切板(18)よりも下方の高さ位置に設けられた通路群形成用のアルミニウム製第2仕切板(19)により上ヘッダ部(14a)と下ヘッダ部(14b)とに区画されている。そして、凝縮部(12)に、第1仕切板(18)よりも上方の部分、両仕切板(18)(19)間の部分および第2仕切板(19)よりも下方の部分において、それぞれ上下に連続して並んだ熱交換管(4)からなる通路群(21)(22)(23)が設けられている。各通路群(21)(22)(23)を構成する熱交換管(4)の本数は、上から順次減少している。また、各通路群(21)(22)(23)を構成する全ての熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの通路群(21)(22)および(22)(23)の熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が異なっている。
【0032】
凝縮部(12)の右ヘッダ(15)の上ヘッダ部(15a)の上端部に、図示しない冷媒入口に通じるアルミニウム製冷媒入口部材(24)がろう付され、過冷却部(13)の右ヘッダ(17)に、図示しない冷媒出口に通じるアルミニウム製冷媒出口部材(25)がろう付されている。また、凝縮部(12)の左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14b)に、受液器(7)に冷媒を送り出す冷媒出口(図示略)が形成されるとともに、過冷却部(13)の左ヘッダ(16)に受液器(7)から冷媒を送り込む冷媒入口(図示略)が形成されている。左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14b)の冷媒出口は、取付部材(8)に形成された冷媒流入路を介して受液器(7)に形成された冷媒流入口(いずれも図示略)に通じ、左ヘッダ(16)の冷媒入口は、取付部材(8)に形成された冷媒流出路を介して受液器(7)に形成された冷媒流出口(いずれも図示略)に通じている。
【0033】
受液器(7)は、上下両端が開口した円筒状本体(26)と、円筒状本体(26)の下端部にろう付されて下端開口を閉鎖するアルミニウム製下キャップ(27)と、円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖する円筒状のアルミニウム製プラグ(28)とを備えている。円筒状本体(26)は、横断面円形のアルミニウム製パイプ(30)と、パイプ(30)の上端部にろう付され、かつ内周面が円筒面状となされたアルミニウム製段付き円筒状めねじ部品(31)とよりなる。パイプ(30)の下部に、図示しない冷媒流入口および冷媒流出口が形成されている。図示は省略したが、受液器(7)内には、乾燥剤、ストレーナなどが配置されている。
【0034】
図2に示すように、パイプ(30)の上端部にろう付されためねじ部品(31)の内周面の上端部に円筒面状の雌側シール面(33)が設けられ、めねじ部品(31)の内周面における雌側シール面(33)の下方(内方)に連なった部分にめねじ(32)が設けられている。したがって、円筒状本体(26)の上側開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面(33)が設けられ、円筒状本体(26)の上側開口端部の内周面における雌側シール面(33)の内方に連なった部分にめねじ(32)が設けられていることになる。めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の内径はめねじ(32)の内径よりも大きくなっている。
【0035】
プラグ(28)の外周面の上端部に円筒面状の雄側シール面(35)が設けられ、プラグ(28)の外周面における雄側シール面(35)の下方(内方)に連なった部分に円筒状本体(26)のめねじ部品(31)のめねじ(32)とねじ合わされるおねじ(34)が設けられている。プラグ(28)の雄側シール面(35)の外径はおねじ(34)の外径よりも大きくなっている。プラグ(28)の雄側シール面(35)の外周面には全周にわたる環状溝(36)が形成され、環状溝(36)内にOリング(37)が装着されており、Oリング(37)により円筒状本体(26)のめねじ部品(31)の雌側シール面(33)とプラグ(28)の雄側シール面(35)との間がシールされている。また、プラグ(28)にはその下端面(内端面)から上側(外側)に凹みかつおねじ(34)の上端よりも若干上方に至る凹陥部(38)が形成されている。その結果、凹陥部(38)の周壁(38a)の外周面におねじ(34)の全部が設けられていることになる。プラグ(28)の凹陥部(38)の周壁(38a)におけるおねじ(34)が設けられている部分に貫通穴(39)(冷媒抜き通路)が形成されている。貫通穴(39)は、その上端(外端)が円筒状本体(26)のめねじ部品(31)のめねじ(32)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている(図3参照)。また、プラグ(28)の上端面には、プラグ(28)を軸線の周りに回転させるためのレンチを挿入する角穴(41)が形成されている。
【0036】
ここで、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の上端(外端)とOリング(37)との距離(L1)およびプラグ(28)の貫通穴(39)の上端(外端)とめねじ部品(31)の雌側シール面(33)の下端(内端)との距離(L2)は、それぞれプラグ(28)のおねじ(34)の下端(内端)とめねじ部品(31)のめねじ(32)の上端(外端)との距離(L3)よりも短くなっている。したがって、図3に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(28)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(28)を回していくと、めねじ(32)とおねじ(34)とのねじ合わせを解除する前の時点において、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の内径がめねじ(32)の内径およびプラグ(28)のおねじ(34)の外径よりも大きくなっていることに起因して、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)とプラグ(28)のおねじ(34)との間に隙間(42)が形成されるとともに、貫通穴(39)および隙間(42)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(28)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は貫通穴(39)および隙間(42)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(32)とプラグ(28)のおねじ(34)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(28)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0037】
熱交換器(1)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0038】
上述した熱交換器(1)において、冷凍サイクルの運転時には、圧縮機により圧縮された高温高圧の気液混相の冷媒が入口部材(24)を通って図示しない冷媒入口から凝縮部(12)の右ヘッダ(15)の上ヘッダ部(15a)内に流入する。右ヘッダ(15)の上ヘッダ部(15a)内に流入した気液混相の冷媒は、上端通路群(21)の熱交換管(4)を通って左ヘッダ(14)の上ヘッダ部(14a)内に流入した後、中間通路群(22)の熱交換管(4)を通って右ヘッダ(15)の下ヘッダ部(15b)内に流入し、さらに下端通路群(23)の熱交換管(4)を通って左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14b)内に流入する。
【0039】
凝縮部(12)の左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14b)内に流入した気液混相の冷媒は、下ヘッダ部(14b)に形成された冷媒出口から送り出され、取付部材(8)に形成された冷媒流入路および受液器(7)の円筒状本体(26)のパイプ(30)に形成された冷媒流入口から受液器(7)内に流入する。そして、受液器(7)内において気液分離されるとともに水分が除去される。
【0040】
気相冷媒と分離された液相冷媒は、受液器(7)の円筒状本体(26)のパイプ(30)に形成された冷媒流出口、取付部材(8)に形成された冷媒流出路、および過冷却部(13)の左ヘッダ(16)に形成された冷媒入口を通って左ヘッダ(16)内に入る。過冷却部(13)の左ヘッダ(16)内に流入した冷媒は、熱交換管(4)を通って右ヘッダ(17)内に流入し、図示しない冷媒出口から冷媒出口部材(25)を通して膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0041】
実施形態2
この実施形態は図4および図5に示すものである。
【0042】
図4および図5はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0043】
図4に示すように、この実施形態の熱交換器における受液器(7)の円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖するプラグ(28)の凹陥部(38)の周壁(38a)には、その下端(内端)から切り欠き(45)(冷媒抜き通路)が形成されている。切り欠き(45)は、その上端(外端)がめねじ部品(31)のめねじ(32)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0044】
ここで、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の上端(外端)とOリング(37)との距離(L1)およびプラグ(28)の切り欠き(45)の上端(外端)とめねじ部品(31)の雌側シール面(33)の下端(内端)との距離(L4)は、それぞれプラグ(28)のおねじ(34)の下端(内端)と円筒状本体(26)のめねじ(32)の上端(外端)との距離(L3)よりも短くなっている。
【0045】
したがって、図5に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(28)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(28)を回していくと、めねじ(32)とおねじ(34)とのねじ合わせを解除する前の時点において、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の内径がめねじ(32)の内径およびプラグ(28)のおねじ(34)の外径よりも大きくなっていることに起因して、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)とプラグ(28)のおねじ(34)との間に隙間(42)が形成されるとともに、切り欠き(45)および隙間(42)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(28)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は切り欠き(45)および隙間(42)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(32)とプラグ(28)のおねじ(34)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(28)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0046】
実施形態3
この実施形態は図6および図7に示すものである。
【0047】
図6および図7はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0048】
図6に示すように、この実施形態の熱交換器における受液器(7)の円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖するプラグ(28)の凹陥部(38)の周壁(38a)における雄側シール面(35)が設けられている部分でかつOリング(37)よりも下側(内側)の部分に冷媒抜き用貫通穴(50)が形成されている。貫通穴(50)は、その上端(外端)がめねじ部品(31)の上端よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0049】
ここで、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の上端(外端)と冷媒抜き用貫通穴(50)との距離(L5)が、プラグ(28)のおねじ(34)の下端(内端)とめねじ部品(31)のめねじ(32)の上端(外端)との距離(L3)よりも短くなっている。
【0050】
したがって、図7に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(28)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(28)を回していくと、めねじ(32)とおねじ(34)とのねじ合わせを解除する前の時点において、冷媒抜き貫通穴(50)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(28)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は冷媒抜き用貫通穴(50)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(32)とプラグ(28)のおねじ(34)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しており、プラグ(28)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0051】
実施形態4
この実施形態は図8および図9に示すものである。
【0052】
図8および図9はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0053】
図8に示すように、この実施形態の熱交換器における受液器(7)の円筒状本体(26)のパイプ(30)の上端部にろう付され、かつ内周面が円筒面となされたアルミニウム製段付き円筒状めねじ部品(55)の場合、その内周面の上端部にめねじ(56)が設けられ、めねじ部品(55)の内周面におけるめねじ(56)の下方(内方)に連なった部分に円筒面状の雌側シール面(57)が設けられている。したがって、円筒状本体(26)の上側開口端部の内周面にめねじ(56)が設けられるとともに、円筒状本体(26)の上側開口端部の内周面におけるめねじ(56)の内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面(57)が設けられていることになる。めねじ部品(55)の雌側シール面(57)の内径はめねじ(56)の内径よりも小さくなっている。また、めねじ部品(55)の周壁(55a)におけるめねじ(56)が形成された部分に、縦長の貫通穴(58)(冷媒抜き通路)が形成されている。貫通穴(58)は、後述するOリング(64)が雌側シール面(57)の上端(外端)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0054】
受液器(7)の円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖するプラグ(59)の外周面における下端部を除いた部分に、円筒状本体(26)のめねじ部品(55)のめねじ(56)とねじ合わされるおねじ(61)が設けられるとともに、プラグ(59)の外周面におけるおねじ(61)の下方(内方)に連なった部分に円筒面状の雄側シール面(62)が設けられている。プラグ(59)の雄側シール面(62)の外径はおねじ(61)の外径よりも小さくなっている。プラグ(59)の雄側シール面(62)の外周面には全周にわたる環状溝(63)が形成され、環状溝(63)内にOリング(64)が装着されており、Oリング(64)により円筒状本体(26)のめねじ部品(55)の雌側シール面(57)とプラグ(59)の雄側シール面(62)との間がシールされている。
【0055】
ここで、めねじ部品(55)の雌側シール面(57)の上端(外端)とOリング(64)との距離(L6)は、プラグ(59)のおねじ(61)の下端(内端)とめねじ部品(55)のめねじ(56)の上端(外端)との距離よりも短くなっている。
【0056】
したがって、図9に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(59)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(59)を回していくと、めねじ(56)とおねじ(61)とのねじ合わせを解除する前でかつOリング(64)が雌側シール面(57)の上端よりも上側に至った時点において、プラグ(59)の雄側シール面(62)の外径がおねじ(61)の外径およびめねじ部品(55)のめねじ(56)の内径よりも小さくなっていることに起因して、プラグ(59)の雄側シール面(62)とめねじ部品(55)のめねじ(56)との間に隙間(65)が形成されるとともに、貫通穴(58)および隙間(65)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(59)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は貫通穴(58)および隙間(65)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(56)とプラグ(59)のおねじ(61)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(59)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0057】
実施形態5
この実施形態は図10〜図12に示すものである。
【0058】
図10〜図12はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0059】
図10および図11に示すように、この実施形態の熱交換器の受液器(7)におけるめねじ部品(55)の周壁(55a)のめねじ(56)が設けられた部分の内周面に、上下方向にのびる凹溝(70)(冷媒抜き通路)が形成されている。凹溝(70)は、Oリング(64)が雌側シール面(57)の上端(外端)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0060】
ここで、めねじ部品(55)の雌側シール面(57)の上端(外端)とOリング(64)との距離(L6)は、プラグ(59)のおねじ(61)の下端(内端)とめねじ部品(55)のめねじ(56)の上端(外端)との距離(L7)よりも短くなっている。
【0061】
したがって、図12に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(59)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(59)を回していくと、めねじ(56)とおねじ(61)とのねじ合わせを解除する前でかつOリング(64)が雌側シール面(57)の上端よりも上側に至った時点において、プラグ(59)の雄側シール面(62)の外径がおねじ(61)の外径およびめねじ部品(55)のめねじ(56)の内径よりも小さくなっていることに起因して、プラグ(59)の雄側シール面(62)とめねじ部品(55)のめねじ(56)との間に隙間(65)が形成されるとともに、凹溝(70)および隙間(65)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(59)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は凹溝(70)および隙間(65)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(56)とプラグ(59)のおねじ(61)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(59)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0062】
なお、実施形態5においては、おねじ(61)のねじ山を全高にわたって取り除くとともにプラグ(59)の外周面を掘削することにより凹溝(70)が形成されているが、おねじ(61)のねじ山を全高にわたって取り除くこと、またはおねじ(61)のねじ山を部分的に取り除くことのみによって凹溝(70)を形成してもよい。
【0063】
実施形態6
この実施形態は図13〜図15に示すものである。
【0064】
図13〜図15はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0065】
図13および図14に示すように、この実施形態の熱交換器の受液器(7)における円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖するプラグ(59)の外周面のおねじ(61)が設けられている部分に、上下方向にのびる冷媒抜き用凹溝(75)が形成されている。凹溝(75)は、Oリング(64)が雌側シール面(57)の上端(外端)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0066】
ここで、めねじ部品(55)の雌側シール面(57)の上端(外端)とOリング(64)との距離(L6)は、プラグ(59)のおねじ(61)の下端(内端)と円筒状本体(26)のめねじ(56)の上端(外端)との距離(L7)よりも短くなっている。
【0067】
したがって、図15に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(59)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(59)を回していくと、めねじ(56)とおねじ(61)とのねじ合わせを解除する前でかつOリング(64)が雌側シール面(57)の上端よりも上側に至った時点において、プラグ(59)の雄側シール面(62)の外径がおねじ(61)の外径およびめねじ部品(55)のめねじ(56)の内径よりも小さくなっていることに起因して、プラグ(59)の雄側シール面(62)とめねじ部品(55)のめねじ(56)との間に隙間(65)が形成されるとともに、凹溝(75)および隙間(65)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(59)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は凹溝(75)および隙間(65)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(56)とプラグ(59)のおねじ(61)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(59)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0068】
なお、実施形態6においては、めねじ(56)のねじ山を全高にわたって取り除くとともにめねじ部品(55)の周壁(55a)の内周面を掘削することにより凹溝(75)が形成されているが、めねじ(56)のねじ山を全高にわたって取り除くこと、またはめねじ(56)のねじ山を部分的に取り除くことのみによって凹溝(75)を形成してもよい。
【0069】
上記実施形態1〜6においては、受液器の円筒状本体は、パイプ(30)とパイプ(30)の上端部にろう付された段付き円筒状めねじ部品(31)(55)とからなるが、これに限定されるものではなく、円筒状本体全体が1つの部材からなり、その上端部にめねじ(32)(56)および雌側シール面(33)(57)が設けられていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態1〜6においては、円筒状本体の上端開口にプラグ(28)(59)がねじ嵌められているが、これとは逆に、円筒状本体の下端開口にプラグ(28)(59)がねじ嵌められていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明の実施形態1の熱交換器の全体構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す熱交換器の受液器の上端部を拡大して示す垂直縦断面図である。
【図3】図1に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す受液器の上端部の部分拡大垂直縦断面図である。
【図4】この発明の実施形態2の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図5】図4に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【図6】この発明の実施形態3の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図7】図6に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【図8】この発明の実施形態4の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図9】図8に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【図10】この発明の実施形態5の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図11】図10に示す熱交換器の受液器の円筒状本体に用いられるめねじ部品の斜視図である。
【図12】図10に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【図13】この発明の実施形態6の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図14】図13に示す熱交換器の受液器に用いられるプラグの斜視図である。
【図15】図13に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【符号の説明】
【0072】
(1):熱交換器
(2)(3):タンク
(4):熱交換管
(7):受液器
(26):円筒状本体
(28)(59):プラグ
(30):パイプ
(31)(55):めねじ部品
(32)(56):めねじ
(33)(57):雌側シール面
(34)(61):おねじ
(35)(62):雄側シール面
(37)(64):Oリング
(38):凹陥部
(38a):周壁
(39):貫通穴(冷媒抜き通路)
(45):切り欠き
(50):冷媒抜き用貫通穴
(55a):周壁
(58):貫通穴(冷媒抜き通路)
(70):凹溝(冷媒抜き通路)
(75):冷媒抜き用凹溝
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえばカーエアコンを構成する冷凍サイクルに用いられる熱交換器に関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、図1の上下を上下というものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、車体への組み付け性の向上や、設置スペースの節約を図ること、および冷凍サイクルの冷凍能力の向上を図ることを目的として、カーエアコンを構成する冷凍サイクルの熱交換器として、たとえば互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた上下方向にのびる受液器とを備えており、両タンクがそれぞれ同一高さ位置に設けられた仕切壁によりタンクの長さ方向に2つのヘッダに区画され、両仕切壁よりも上側の部分にコンデンサとしての機能を有する凝縮部が設けられるとともに、両仕切壁よりも下側の部分に過冷却器としての機能を有する過冷却部が設けられた熱交換器が広く知られている。
【0004】
上述した熱交換器においては、受液器内に配置された乾燥剤などを交換する必要があり、たとえば特許文献1記載の熱交換器が知られている。特許文献1記載の熱交換器の受液器は、上下方向にのびかつ少なくとも下端が開口した円筒状本体と、円筒状本体の下端部内にねじ嵌められたプラグとを有し、円筒状本体の下端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、円筒状本体内の下端部の内周面における雌側シール面の上方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの下方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、円筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、円筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間が上下2つのOリングによりシールされ、円筒状本体の雌側シール面の下端と上側Oリングとの距離が、プラグのおねじの上端と円筒状本体のめねじの下端との距離よりも長くなっている熱交換器が知られている(特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の熱交換器の受液器においては、円筒状本体の雌側シール面の下端(外端)と上側Oリングとの距離が、プラグのおねじの上端(内端)と円筒状本体のめねじの下端(外端)との距離よりも長くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内に冷媒が残留して内圧が高い間にプラグを円筒状本体から取り外す場合に次のような問題が発生する。すなわち、プラグを円筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除した時点では、雌側シール面と雄側シール面との間が上側のOリングによりシールされて熱交換器内に冷媒が残留して内圧が高いままの状態であるから、熱交換器内の圧力によりプラグが勢いよく下方に飛び出してしまう。
【特許文献1】特開平9−324962号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の目的は、上記問題を解決し、受液器のプラグを円筒状本体から取り外す際のプラグの飛び出しを防止しうる熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0008】
1)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面における雌側シール面の内方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面の外端部に円筒面状の雄側シール面が設けられるとともに、プラグの外周面における雄側シール面の内方に連なった部分に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面におねじの少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁におけるおねじが設けられている部分に冷媒抜き通路が形成されるとともに、冷媒抜き通路の外端が筒状本体のめねじよりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせるようになっており、筒状本体の雌側シール面の外端とOリングとの距離およびプラグの冷媒抜き通路の外端と筒状本体のめねじの外端との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【0009】
2)冷媒抜き通路が、プラグの凹陥部の周壁に形成された貫通穴からなる上記1)記載の熱交換器。
【0010】
3)冷媒抜き通路が、プラグの凹陥部の周壁に内端から形成された切り欠きからなる上記1)記載の熱交換器。
【0011】
4)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面における雌側シール面の内方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面の外端部に円筒面状の雄側シール面が設けられるとともに、プラグの外周面における雄側シール面の内方に連なった部分に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面に雄側シール面の少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁における雄側シール面が設けられている部分でかつOリングよりも内側の部分に冷媒抜き用貫通穴が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端と冷媒抜き用貫通穴との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【0012】
5)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面にめねじが設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面におけるめねじの内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面が設けられ、プラグの外周面の外端部に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの内方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも小さくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも小さくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、筒状本体のめねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き通路が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【0013】
6)冷媒抜き通路が、筒状本体の周壁におけるめねじが設けられた部分に形成された貫通穴からなる上記5)記載の熱交換器。
【0014】
7)冷媒抜き通路が、筒状本体の周壁内周面におけるめねじが設けられた部分に形成された上下方向にのびる凹溝からなる上記5)記載の熱交換器。
【0015】
8)互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面にめねじが設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面におけるめねじの内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面が設けられ、プラグの外周面の外端部に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの内方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも小さくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも小さくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグの外周面のおねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き用凹溝が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【発明の効果】
【0016】
上記1)の熱交換器によれば、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面におねじの少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁におけるおねじが設けられている部分に冷媒抜き通路が形成されるとともに、冷媒抜き通路の外端が筒状本体のめねじよりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせるようになっており、筒状本体の雌側シール面の外端とOリングとの距離およびプラグの冷媒抜き通路の外端と筒状本体のめねじの外端との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力が未だ比較的高い間にプラグを筒状本体から取り外す場合であっても次の効果を奏する。すなわち、プラグを円筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除する前の時点において、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径およびおねじの外径よりも大きくなっていることに起因して、雌側シール面とプラグのおねじとの間に隙間が形成されるとともに、冷媒抜き通路および前記隙間を介して受液器の内外が通じさせられることになるので、熱交換器内に残留した冷媒は冷媒抜き通路および前記隙間を通って外部に抜ける。したがって、筒状本体のめねじとプラグのおねじとのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しているので、プラグが勢いよく飛び出すことが防止される。
【0017】
上記2)および3)の熱交換器によれば、上記1)の熱交換器において、比較的簡単に冷媒抜き通路を形成することができる。
【0018】
上記4)の熱交換器によれば、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面に雄側シール面の少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁における雄側シール面が設けられている部分でかつOリングよりも内側の部分に冷媒抜き用貫通穴が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端と冷媒抜き用貫通穴との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力が未だ比較的高い間にプラグを筒状本体から取り外す場合であっても次の効果を奏する。すなわち、プラグを筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除する前の時点において、冷媒抜き用貫通穴を介して受液器の内外が通じさせられるので、熱交換器内に残留した冷媒は冷媒抜き用貫通穴を通って外部に抜ける。したがって、筒状本体のめねじとプラグのおねじとのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しているので、プラグが勢いよく飛び出すことが防止される。
【0019】
上記5)の熱交換器によれば、筒状本体のめねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き通路が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力が未だ比較的高い間にプラグを筒状本体から取り外す場合であっても次の効果を奏する。すなわち、プラグを円筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除する前の時点において、プラグの雄側シール面の内径がおねじの外径およびめねじの内径よりも小さくなっていることに起因して、雄側シール面と筒状本体のめねじとの間に隙間が形成されるとともに、冷媒抜き通路および前記隙間を介して受液器の内外が通じさせられるので、熱交換器内に残留した冷媒は冷媒抜き通路および前記隙間を通って外部に抜ける。したがって、筒状本体のめねじとプラグのおねじとのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しているので、プラグが勢いよく飛び出すことが防止される。
【0020】
上記6)および7)の熱交換器によれば、上記5)の熱交換器において、比較的簡単に冷媒抜き通路を形成することができる。
【0021】
上記8)の熱交換器によれば、プラグの外周面のおねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き用凹溝が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっているので、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力が未だ比較的高い間にプラグを筒状本体から取り外す場合であっても次の効果を奏する。すなわち、プラグを筒状本体から取り外す際に、プラグを回し、めねじとおねじとのねじ合わせを解除する前の時点において、プラグの雄側シール面の内径がおねじの外径およびめねじの内径よりも小さくなっていることに起因して、雄側シール面と筒状本体のめねじとの間に隙間が形成されるとともに、冷媒抜き用凹溝および前記隙間を介して受液器の内外が通じさせられるので、熱交換器内に残留した冷媒は冷媒抜き用凹溝および前記隙間を通って外部に抜ける。したがって、筒状本体のめねじとプラグのおねじとのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しているので、プラグが勢いよく飛び出すことが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
この実施形態は、この発明による熱交換器を、コンデンサの機能を有する凝縮部と、過冷却器の機能を有する過冷却部とが一体化された熱交換器に適用したものである。
【0024】
以下の説明において、図1の左右を左右というものとし、図1の紙面表側を前、これと反対側を後というものとする。また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0025】
なお、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0026】
実施形態1
この実施形態は図1〜図3に示すものである。
【0027】
図1は熱交換器の全体構成を示し、図2および図3はその要部の構成を示す。
【0028】
図1において、熱交換器(1)は、互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる左右1対のアルミニウム製タンク(2)(3)と、両タンク(2)(3)間に幅方向を前後方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置され、かつ左右両端部が両タンク(2)(3)にそれぞれ接続された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(4)と、隣り合う熱交換管(4)間および上下両端の熱交換管(4)の外側に配置されて熱交換管(4)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(5)と、上下両端のコルゲートフィン(5)の外側に配置されてコルゲートフィン(5)にろう付された上下1対のアルミニウム製サイドプレート(6)と、左タンク(2)に取付部材(8)を介して固定された受液器(7)とを備えている。
【0029】
熱交換器(1)の両タンク(2)(3)内は、下部の同一高さ位置においてそれぞれ仕切壁(9)(11)により上下に区画されており、これにより気相の冷媒を凝縮させて液相とするコンデンサの機能を有する凝縮部(12)と、凝縮部(12)で凝縮された液状冷媒を凝縮温度よりも5〜15℃程度低い温度まで過冷却する過冷却器の機能を有する過冷却部(13)とが同一垂直面内において上下に並んで一体に設けられている。
【0030】
ここで、左タンク(2)における仕切壁(9)よりも上方の部分が凝縮部(12)の左ヘッダ(14)であり、右タンク(3)における仕切壁(11)よりも上方の部分が凝縮部(12)の右ヘッダ(15)である。また、左タンク(2)における仕切壁(9)よりも下方の部分が過冷却部(13)の左ヘッダ(16)であり、右タンク(3)における仕切壁(11)よりも下方の部分が過冷却部(13)の右ヘッダ(17)である。
【0031】
凝縮部(12)の右ヘッダ(15)は、上下方向の中程の高さ位置に設けられた通路群形成用のアルミニウム製第1仕切板(18)により上ヘッダ部(15a)と下ヘッダ部(15b)とに区画されており、左ヘッダ(14)は第1仕切板(18)よりも下方の高さ位置に設けられた通路群形成用のアルミニウム製第2仕切板(19)により上ヘッダ部(14a)と下ヘッダ部(14b)とに区画されている。そして、凝縮部(12)に、第1仕切板(18)よりも上方の部分、両仕切板(18)(19)間の部分および第2仕切板(19)よりも下方の部分において、それぞれ上下に連続して並んだ熱交換管(4)からなる通路群(21)(22)(23)が設けられている。各通路群(21)(22)(23)を構成する熱交換管(4)の本数は、上から順次減少している。また、各通路群(21)(22)(23)を構成する全ての熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの通路群(21)(22)および(22)(23)の熱交換管(4)における冷媒の流れ方向が異なっている。
【0032】
凝縮部(12)の右ヘッダ(15)の上ヘッダ部(15a)の上端部に、図示しない冷媒入口に通じるアルミニウム製冷媒入口部材(24)がろう付され、過冷却部(13)の右ヘッダ(17)に、図示しない冷媒出口に通じるアルミニウム製冷媒出口部材(25)がろう付されている。また、凝縮部(12)の左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14b)に、受液器(7)に冷媒を送り出す冷媒出口(図示略)が形成されるとともに、過冷却部(13)の左ヘッダ(16)に受液器(7)から冷媒を送り込む冷媒入口(図示略)が形成されている。左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14b)の冷媒出口は、取付部材(8)に形成された冷媒流入路を介して受液器(7)に形成された冷媒流入口(いずれも図示略)に通じ、左ヘッダ(16)の冷媒入口は、取付部材(8)に形成された冷媒流出路を介して受液器(7)に形成された冷媒流出口(いずれも図示略)に通じている。
【0033】
受液器(7)は、上下両端が開口した円筒状本体(26)と、円筒状本体(26)の下端部にろう付されて下端開口を閉鎖するアルミニウム製下キャップ(27)と、円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖する円筒状のアルミニウム製プラグ(28)とを備えている。円筒状本体(26)は、横断面円形のアルミニウム製パイプ(30)と、パイプ(30)の上端部にろう付され、かつ内周面が円筒面状となされたアルミニウム製段付き円筒状めねじ部品(31)とよりなる。パイプ(30)の下部に、図示しない冷媒流入口および冷媒流出口が形成されている。図示は省略したが、受液器(7)内には、乾燥剤、ストレーナなどが配置されている。
【0034】
図2に示すように、パイプ(30)の上端部にろう付されためねじ部品(31)の内周面の上端部に円筒面状の雌側シール面(33)が設けられ、めねじ部品(31)の内周面における雌側シール面(33)の下方(内方)に連なった部分にめねじ(32)が設けられている。したがって、円筒状本体(26)の上側開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面(33)が設けられ、円筒状本体(26)の上側開口端部の内周面における雌側シール面(33)の内方に連なった部分にめねじ(32)が設けられていることになる。めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の内径はめねじ(32)の内径よりも大きくなっている。
【0035】
プラグ(28)の外周面の上端部に円筒面状の雄側シール面(35)が設けられ、プラグ(28)の外周面における雄側シール面(35)の下方(内方)に連なった部分に円筒状本体(26)のめねじ部品(31)のめねじ(32)とねじ合わされるおねじ(34)が設けられている。プラグ(28)の雄側シール面(35)の外径はおねじ(34)の外径よりも大きくなっている。プラグ(28)の雄側シール面(35)の外周面には全周にわたる環状溝(36)が形成され、環状溝(36)内にOリング(37)が装着されており、Oリング(37)により円筒状本体(26)のめねじ部品(31)の雌側シール面(33)とプラグ(28)の雄側シール面(35)との間がシールされている。また、プラグ(28)にはその下端面(内端面)から上側(外側)に凹みかつおねじ(34)の上端よりも若干上方に至る凹陥部(38)が形成されている。その結果、凹陥部(38)の周壁(38a)の外周面におねじ(34)の全部が設けられていることになる。プラグ(28)の凹陥部(38)の周壁(38a)におけるおねじ(34)が設けられている部分に貫通穴(39)(冷媒抜き通路)が形成されている。貫通穴(39)は、その上端(外端)が円筒状本体(26)のめねじ部品(31)のめねじ(32)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている(図3参照)。また、プラグ(28)の上端面には、プラグ(28)を軸線の周りに回転させるためのレンチを挿入する角穴(41)が形成されている。
【0036】
ここで、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の上端(外端)とOリング(37)との距離(L1)およびプラグ(28)の貫通穴(39)の上端(外端)とめねじ部品(31)の雌側シール面(33)の下端(内端)との距離(L2)は、それぞれプラグ(28)のおねじ(34)の下端(内端)とめねじ部品(31)のめねじ(32)の上端(外端)との距離(L3)よりも短くなっている。したがって、図3に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(28)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(28)を回していくと、めねじ(32)とおねじ(34)とのねじ合わせを解除する前の時点において、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の内径がめねじ(32)の内径およびプラグ(28)のおねじ(34)の外径よりも大きくなっていることに起因して、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)とプラグ(28)のおねじ(34)との間に隙間(42)が形成されるとともに、貫通穴(39)および隙間(42)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(28)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は貫通穴(39)および隙間(42)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(32)とプラグ(28)のおねじ(34)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(28)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0037】
熱交換器(1)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0038】
上述した熱交換器(1)において、冷凍サイクルの運転時には、圧縮機により圧縮された高温高圧の気液混相の冷媒が入口部材(24)を通って図示しない冷媒入口から凝縮部(12)の右ヘッダ(15)の上ヘッダ部(15a)内に流入する。右ヘッダ(15)の上ヘッダ部(15a)内に流入した気液混相の冷媒は、上端通路群(21)の熱交換管(4)を通って左ヘッダ(14)の上ヘッダ部(14a)内に流入した後、中間通路群(22)の熱交換管(4)を通って右ヘッダ(15)の下ヘッダ部(15b)内に流入し、さらに下端通路群(23)の熱交換管(4)を通って左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14b)内に流入する。
【0039】
凝縮部(12)の左ヘッダ(14)の下ヘッダ部(14b)内に流入した気液混相の冷媒は、下ヘッダ部(14b)に形成された冷媒出口から送り出され、取付部材(8)に形成された冷媒流入路および受液器(7)の円筒状本体(26)のパイプ(30)に形成された冷媒流入口から受液器(7)内に流入する。そして、受液器(7)内において気液分離されるとともに水分が除去される。
【0040】
気相冷媒と分離された液相冷媒は、受液器(7)の円筒状本体(26)のパイプ(30)に形成された冷媒流出口、取付部材(8)に形成された冷媒流出路、および過冷却部(13)の左ヘッダ(16)に形成された冷媒入口を通って左ヘッダ(16)内に入る。過冷却部(13)の左ヘッダ(16)内に流入した冷媒は、熱交換管(4)を通って右ヘッダ(17)内に流入し、図示しない冷媒出口から冷媒出口部材(25)を通して膨張弁を経て蒸発器に送られる。
【0041】
実施形態2
この実施形態は図4および図5に示すものである。
【0042】
図4および図5はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0043】
図4に示すように、この実施形態の熱交換器における受液器(7)の円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖するプラグ(28)の凹陥部(38)の周壁(38a)には、その下端(内端)から切り欠き(45)(冷媒抜き通路)が形成されている。切り欠き(45)は、その上端(外端)がめねじ部品(31)のめねじ(32)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0044】
ここで、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の上端(外端)とOリング(37)との距離(L1)およびプラグ(28)の切り欠き(45)の上端(外端)とめねじ部品(31)の雌側シール面(33)の下端(内端)との距離(L4)は、それぞれプラグ(28)のおねじ(34)の下端(内端)と円筒状本体(26)のめねじ(32)の上端(外端)との距離(L3)よりも短くなっている。
【0045】
したがって、図5に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(28)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(28)を回していくと、めねじ(32)とおねじ(34)とのねじ合わせを解除する前の時点において、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の内径がめねじ(32)の内径およびプラグ(28)のおねじ(34)の外径よりも大きくなっていることに起因して、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)とプラグ(28)のおねじ(34)との間に隙間(42)が形成されるとともに、切り欠き(45)および隙間(42)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(28)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は切り欠き(45)および隙間(42)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(32)とプラグ(28)のおねじ(34)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(28)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0046】
実施形態3
この実施形態は図6および図7に示すものである。
【0047】
図6および図7はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0048】
図6に示すように、この実施形態の熱交換器における受液器(7)の円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖するプラグ(28)の凹陥部(38)の周壁(38a)における雄側シール面(35)が設けられている部分でかつOリング(37)よりも下側(内側)の部分に冷媒抜き用貫通穴(50)が形成されている。貫通穴(50)は、その上端(外端)がめねじ部品(31)の上端よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0049】
ここで、めねじ部品(31)の雌側シール面(33)の上端(外端)と冷媒抜き用貫通穴(50)との距離(L5)が、プラグ(28)のおねじ(34)の下端(内端)とめねじ部品(31)のめねじ(32)の上端(外端)との距離(L3)よりも短くなっている。
【0050】
したがって、図7に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(28)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(28)を回していくと、めねじ(32)とおねじ(34)とのねじ合わせを解除する前の時点において、冷媒抜き貫通穴(50)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(28)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は冷媒抜き用貫通穴(50)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(32)とプラグ(28)のおねじ(34)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器内の圧力は低下しており、プラグ(28)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0051】
実施形態4
この実施形態は図8および図9に示すものである。
【0052】
図8および図9はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0053】
図8に示すように、この実施形態の熱交換器における受液器(7)の円筒状本体(26)のパイプ(30)の上端部にろう付され、かつ内周面が円筒面となされたアルミニウム製段付き円筒状めねじ部品(55)の場合、その内周面の上端部にめねじ(56)が設けられ、めねじ部品(55)の内周面におけるめねじ(56)の下方(内方)に連なった部分に円筒面状の雌側シール面(57)が設けられている。したがって、円筒状本体(26)の上側開口端部の内周面にめねじ(56)が設けられるとともに、円筒状本体(26)の上側開口端部の内周面におけるめねじ(56)の内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面(57)が設けられていることになる。めねじ部品(55)の雌側シール面(57)の内径はめねじ(56)の内径よりも小さくなっている。また、めねじ部品(55)の周壁(55a)におけるめねじ(56)が形成された部分に、縦長の貫通穴(58)(冷媒抜き通路)が形成されている。貫通穴(58)は、後述するOリング(64)が雌側シール面(57)の上端(外端)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0054】
受液器(7)の円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖するプラグ(59)の外周面における下端部を除いた部分に、円筒状本体(26)のめねじ部品(55)のめねじ(56)とねじ合わされるおねじ(61)が設けられるとともに、プラグ(59)の外周面におけるおねじ(61)の下方(内方)に連なった部分に円筒面状の雄側シール面(62)が設けられている。プラグ(59)の雄側シール面(62)の外径はおねじ(61)の外径よりも小さくなっている。プラグ(59)の雄側シール面(62)の外周面には全周にわたる環状溝(63)が形成され、環状溝(63)内にOリング(64)が装着されており、Oリング(64)により円筒状本体(26)のめねじ部品(55)の雌側シール面(57)とプラグ(59)の雄側シール面(62)との間がシールされている。
【0055】
ここで、めねじ部品(55)の雌側シール面(57)の上端(外端)とOリング(64)との距離(L6)は、プラグ(59)のおねじ(61)の下端(内端)とめねじ部品(55)のめねじ(56)の上端(外端)との距離よりも短くなっている。
【0056】
したがって、図9に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(59)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(59)を回していくと、めねじ(56)とおねじ(61)とのねじ合わせを解除する前でかつOリング(64)が雌側シール面(57)の上端よりも上側に至った時点において、プラグ(59)の雄側シール面(62)の外径がおねじ(61)の外径およびめねじ部品(55)のめねじ(56)の内径よりも小さくなっていることに起因して、プラグ(59)の雄側シール面(62)とめねじ部品(55)のめねじ(56)との間に隙間(65)が形成されるとともに、貫通穴(58)および隙間(65)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(59)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は貫通穴(58)および隙間(65)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(56)とプラグ(59)のおねじ(61)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(59)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0057】
実施形態5
この実施形態は図10〜図12に示すものである。
【0058】
図10〜図12はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0059】
図10および図11に示すように、この実施形態の熱交換器の受液器(7)におけるめねじ部品(55)の周壁(55a)のめねじ(56)が設けられた部分の内周面に、上下方向にのびる凹溝(70)(冷媒抜き通路)が形成されている。凹溝(70)は、Oリング(64)が雌側シール面(57)の上端(外端)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0060】
ここで、めねじ部品(55)の雌側シール面(57)の上端(外端)とOリング(64)との距離(L6)は、プラグ(59)のおねじ(61)の下端(内端)とめねじ部品(55)のめねじ(56)の上端(外端)との距離(L7)よりも短くなっている。
【0061】
したがって、図12に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(59)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(59)を回していくと、めねじ(56)とおねじ(61)とのねじ合わせを解除する前でかつOリング(64)が雌側シール面(57)の上端よりも上側に至った時点において、プラグ(59)の雄側シール面(62)の外径がおねじ(61)の外径およびめねじ部品(55)のめねじ(56)の内径よりも小さくなっていることに起因して、プラグ(59)の雄側シール面(62)とめねじ部品(55)のめねじ(56)との間に隙間(65)が形成されるとともに、凹溝(70)および隙間(65)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(59)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は凹溝(70)および隙間(65)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(56)とプラグ(59)のおねじ(61)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(59)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0062】
なお、実施形態5においては、おねじ(61)のねじ山を全高にわたって取り除くとともにプラグ(59)の外周面を掘削することにより凹溝(70)が形成されているが、おねじ(61)のねじ山を全高にわたって取り除くこと、またはおねじ(61)のねじ山を部分的に取り除くことのみによって凹溝(70)を形成してもよい。
【0063】
実施形態6
この実施形態は図13〜図15に示すものである。
【0064】
図13〜図15はこの実施形態の熱交換器の要部の構成を示す。
【0065】
図13および図14に示すように、この実施形態の熱交換器の受液器(7)における円筒状本体(26)の上端開口を閉鎖するプラグ(59)の外周面のおねじ(61)が設けられている部分に、上下方向にのびる冷媒抜き用凹溝(75)が形成されている。凹溝(75)は、Oリング(64)が雌側シール面(57)の上端(外端)よりも上側(外側)に来た際に、受液器(7)の内外を通じさせるようになっている。
【0066】
ここで、めねじ部品(55)の雌側シール面(57)の上端(外端)とOリング(64)との距離(L6)は、プラグ(59)のおねじ(61)の下端(内端)と円筒状本体(26)のめねじ(56)の上端(外端)との距離(L7)よりも短くなっている。
【0067】
したがって、図15に示すように、受液器(7)内に配置された乾燥剤などの交換の際に、プラグ(59)を円筒状本体(26)から取り外すためにプラグ(59)を回していくと、めねじ(56)とおねじ(61)とのねじ合わせを解除する前でかつOリング(64)が雌側シール面(57)の上端よりも上側に至った時点において、プラグ(59)の雄側シール面(62)の外径がおねじ(61)の外径およびめねじ部品(55)のめねじ(56)の内径よりも小さくなっていることに起因して、プラグ(59)の雄側シール面(62)とめねじ部品(55)のめねじ(56)との間に隙間(65)が形成されるとともに、凹溝(75)および隙間(65)を介して受液器(7)の内外が通じさせられることになる。その結果、プラグ(59)の取り外しの際に、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内に冷媒が残留して内圧が未だ比較的高くなっていたとしても、残留した冷媒は凹溝(75)および隙間(65)を通って外部に抜けるので、円筒状本体(26)のめねじ(56)とプラグ(59)のおねじ(61)とのねじ合わせを解除した時点では、冷凍サイクル内、すなわち熱交換器(1)内の圧力は低下しており、プラグ(59)が勢いよく上方に飛び出すことが防止される。
【0068】
なお、実施形態6においては、めねじ(56)のねじ山を全高にわたって取り除くとともにめねじ部品(55)の周壁(55a)の内周面を掘削することにより凹溝(75)が形成されているが、めねじ(56)のねじ山を全高にわたって取り除くこと、またはめねじ(56)のねじ山を部分的に取り除くことのみによって凹溝(75)を形成してもよい。
【0069】
上記実施形態1〜6においては、受液器の円筒状本体は、パイプ(30)とパイプ(30)の上端部にろう付された段付き円筒状めねじ部品(31)(55)とからなるが、これに限定されるものではなく、円筒状本体全体が1つの部材からなり、その上端部にめねじ(32)(56)および雌側シール面(33)(57)が設けられていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態1〜6においては、円筒状本体の上端開口にプラグ(28)(59)がねじ嵌められているが、これとは逆に、円筒状本体の下端開口にプラグ(28)(59)がねじ嵌められていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明の実施形態1の熱交換器の全体構成を示す正面図である。
【図2】図1に示す熱交換器の受液器の上端部を拡大して示す垂直縦断面図である。
【図3】図1に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す受液器の上端部の部分拡大垂直縦断面図である。
【図4】この発明の実施形態2の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図5】図4に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【図6】この発明の実施形態3の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図7】図6に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【図8】この発明の実施形態4の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図9】図8に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【図10】この発明の実施形態5の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図11】図10に示す熱交換器の受液器の円筒状本体に用いられるめねじ部品の斜視図である。
【図12】図10に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【図13】この発明の実施形態6の熱交換器の要部を示す図2相当の図である。
【図14】図13に示す熱交換器の受液器に用いられるプラグの斜視図である。
【図15】図13に示す熱交換器の受液器のプラグを円筒状本体から取り外す状態を示す図3相当の図である。
【符号の説明】
【0072】
(1):熱交換器
(2)(3):タンク
(4):熱交換管
(7):受液器
(26):円筒状本体
(28)(59):プラグ
(30):パイプ
(31)(55):めねじ部品
(32)(56):めねじ
(33)(57):雌側シール面
(34)(61):おねじ
(35)(62):雄側シール面
(37)(64):Oリング
(38):凹陥部
(38a):周壁
(39):貫通穴(冷媒抜き通路)
(45):切り欠き
(50):冷媒抜き用貫通穴
(55a):周壁
(58):貫通穴(冷媒抜き通路)
(70):凹溝(冷媒抜き通路)
(75):冷媒抜き用凹溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面における雌側シール面の内方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面の外端部に円筒面状の雄側シール面が設けられるとともに、プラグの外周面における雄側シール面の内方に連なった部分に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面におねじの少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁におけるおねじが設けられている部分に冷媒抜き通路が形成されるとともに、冷媒抜き通路の外端が筒状本体のめねじよりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせるようになっており、筒状本体の雌側シール面の外端とOリングとの距離およびプラグの冷媒抜き通路の外端と筒状本体のめねじの外端との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【請求項2】
冷媒抜き通路が、プラグの凹陥部の周壁に形成された貫通穴からなる請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
冷媒抜き通路が、プラグの凹陥部の周壁に内端から形成された切り欠きからなる請求項1記載の熱交換器。
【請求項4】
互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面における雌側シール面の内方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面の外端部に円筒面状の雄側シール面が設けられるとともに、プラグの外周面における雄側シール面の内方に連なった部分に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面に雄側シール面の少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁における雄側シール面が設けられている部分でかつOリングよりも内側の部分に冷媒抜き用貫通穴が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端と冷媒抜き用貫通穴との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【請求項5】
互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面にめねじが設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面におけるめねじの内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面が設けられ、プラグの外周面の外端部に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの内方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも小さくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも小さくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、筒状本体のめねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き通路が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【請求項6】
冷媒抜き通路が、筒状本体の周壁におけるめねじが設けられた部分に形成された貫通穴からなる請求項5記載の熱交換器。
【請求項7】
冷媒抜き通路が、筒状本体の周壁内周面におけるめねじが設けられた部分に形成された上下方向にのびる凹溝からなる請求項5記載の熱交換器。
【請求項8】
互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面にめねじが設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面におけるめねじの内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面が設けられ、プラグの外周面の外端部に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの内方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも小さくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも小さくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグの外周面のおねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き用凹溝が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【請求項1】
互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面における雌側シール面の内方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面の外端部に円筒面状の雄側シール面が設けられるとともに、プラグの外周面における雄側シール面の内方に連なった部分に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面におねじの少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁におけるおねじが設けられている部分に冷媒抜き通路が形成されるとともに、冷媒抜き通路の外端が筒状本体のめねじよりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせるようになっており、筒状本体の雌側シール面の外端とOリングとの距離およびプラグの冷媒抜き通路の外端と筒状本体のめねじの外端との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【請求項2】
冷媒抜き通路が、プラグの凹陥部の周壁に形成された貫通穴からなる請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
冷媒抜き通路が、プラグの凹陥部の周壁に内端から形成された切り欠きからなる請求項1記載の熱交換器。
【請求項4】
互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面に円筒面状の雌側シール面が設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面における雌側シール面の内方に連なった部分にめねじが設けられ、プラグの外周面の外端部に円筒面状の雄側シール面が設けられるとともに、プラグの外周面における雄側シール面の内方に連なった部分に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも大きくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも大きくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグにその内端面から外側に凹む凹陥部が形成されるとともに、凹陥部の周壁の外周面に雄側シール面の少なくとも一部分が設けられており、プラグの凹陥部の周壁における雄側シール面が設けられている部分でかつOリングよりも内側の部分に冷媒抜き用貫通穴が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端と冷媒抜き用貫通穴との距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【請求項5】
互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面にめねじが設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面におけるめねじの内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面が設けられ、プラグの外周面の外端部に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの内方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも小さくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも小さくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、筒状本体のめねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き通路が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【請求項6】
冷媒抜き通路が、筒状本体の周壁におけるめねじが設けられた部分に形成された貫通穴からなる請求項5記載の熱交換器。
【請求項7】
冷媒抜き通路が、筒状本体の周壁内周面におけるめねじが設けられた部分に形成された上下方向にのびる凹溝からなる請求項5記載の熱交換器。
【請求項8】
互いに間隔をおいて配置された上下方向にのびる1対のタンクと、両タンク間に上下方向に間隔をおいて並列状に配置されかつ両端部が両タンクにそれぞれ接続された複数の熱交換管と、隣り合う熱交換管間に配置されたフィンと、いずれか一方のタンクに取り付けられた受液器とを備えており、受液器が、上下方向にのびかつ少なくとも一端が開口した筒状本体、および筒状本体の開口端部内にねじ嵌められたプラグとを有する熱交換器において、
筒状本体の開口端部の内周面にめねじが設けられるとともに、筒状本体の開口端部の内周面におけるめねじの内方に連なった部分に円筒面状の雌側シール面が設けられ、プラグの外周面の外端部に前記めねじとねじ合わされるおねじが設けられるとともに、プラグの外周面におけるおねじの内方に連なった部分に円筒面状の雄側シール面が設けられ、筒状本体の雌側シール面の内径がめねじの内径よりも小さくなるとともに、プラグの雄側シール面の外径がおねじの外径よりも小さくなり、筒状本体の雌側シール面とプラグの雄側シール面との間がOリングによりシールされ、プラグの外周面のおねじが設けられている部分に、Oリングが雌側シール面よりも外側に来た際に受液器の内外を通じさせる冷媒抜き用凹溝が形成され、筒状本体の雌側シール面の外端からOリングまでの距離が、プラグのおねじの内端と筒状本体のめねじの外端との距離よりも短くなっている熱交換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−30931(P2009−30931A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197418(P2007−197418)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]