説明

熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート

【課題】発熱体と放熱体の対向面に密接して発熱体から放熱体に効率良く熱を伝導する熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートと、それを用いた放熱構造を提供する。
【解決手段】熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、グリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレングリコールジグリシジルエーテルのいずれか一つ以上のエポキシ化合物と、硬化剤と、熱伝導フィラーを含んだ組成物を反応させて得られるシートであって、JIS K7312に準じてアスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度が94以下のシートである。放熱構造は上記シート1を発熱体2,3と放熱体4との間に介在させたものである。アスカーゴムC2硬度が94以下の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート1は発熱体と放熱体の対向面の凹凸に追従して変形しながら密接するので、発熱体から放熱体へ効率良く熱を伝導させてすみやかに放熱できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱体と放熱体との間に介在させて使用する熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートに関し、更に詳しくは、発熱体と放熱体の対向面に対する密接性に優れ、かつ、剥離して再使用できるリワーク性をも備えた熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の放熱対策として、LED、ICチップ、LSIパッケージ、その他の発熱部品(発熱体)から発生する熱を、アルミニウム板や銅板などの熱伝導率の高い放熱体を用いて外部に逃がすようにしている。その際、発熱体と放熱体との間に、熱伝導率が高い電気絶縁性の材料を介在させることによって、発熱体から放熱体への熱の移動がスムーズに行われるようにしている。
【0003】
発熱体と放熱体との間に介在させる上記材料としては、エポキシ系の材料が良く知られている。例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂と硬化剤と熱伝導性粒子とを含んだペースト状のエポキシ樹脂組成物が開示されており、特許文献2には、エポキシ樹脂と硬化剤とフィラー(アルミナ)と表面処理剤と溶剤とを含んだ組成物をキャリア材の表面に塗布し、半硬化状態に乾燥して形成した熱伝導性エポキシ樹脂シートが開示されている。
また、上記材料としてシリコーン系の材料も良く知られており、硬質のシリコーン樹脂シートから軟質のシリコーン樹脂シートまで開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−45123号公報
【特許文献2】特開2010−229269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1のペースト状のエポキシ樹脂組成物は、これを発熱体と放熱体との間に介在させて硬化させると、発熱体と放熱体が接着固定されるため、例えば、位置ずれ等の不具合が発生した場合に発熱体から放熱体を剥離しようとすると、発熱体(発熱部品)が破損したり、エポキシ樹脂組成物の硬化物が発熱体と放熱体の接着面に残るという問題があった。
【0006】
また、前記特許文献2の熱伝導性エポキシ樹脂シートも、これを発熱体と放熱体との間に介在させて加熱加圧すると、半硬化状態のシートが一旦溶融した後に硬化して、発熱体と放熱体が接着固定されるため、上記と同様の問題があった。
【0007】
一方、前述のシリコーン樹脂シートは、これを発熱体と放熱体との間に介在させて使用すると、低分子シロキサンが経時的に浸出するため、周囲にリレーなどが存在すると、低分子シロキサンによって電気接点障害を引き起こすという恐れがあった。
【0008】
本発明は上記事情の下になされたもので、その解決しようとする課題は、発熱体と放熱体の対向面に密接して発熱体から放熱体に効率良く熱を伝導し、かつ、発熱体と放熱体との位置決めの不具合等が発生した場合でも、発熱体及び放熱体から容易に剥離して再使用できるリワーク性を兼ね備えた熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートを提供すること、並びに、この熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートを用いた放熱構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、JIS K7312に準じてアスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度が94以下であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、グリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレングリコールジグリシジルエーテルのいずれか一つ以上のエポキシ化合物と、硬化剤と、熱伝導フィラーを含んだ組成物を反応させて得られるシートであることが好ましく、更に、JIS Z0237に準じて行ったピーリング試験による粘着力が0.1〜2.0N/25mmであることが好ましい。
【0011】
そして、上記硬化剤は脂環式アミンであることが好ましく、また、組成物中のエポキシ化合物のエポキシ基数と硬化剤の活性水素数との比(エポキシ基数/活性水素数)は1より大きく3未満であることが好ましい。更に、組成物中にはカップリング剤が含まれていることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る放熱構造は、上記の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートを発熱体と放熱体との間に介在させたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートのように、JIS K7312に準じてアスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度が94以下の柔軟なシートであると、発熱体と放熱体との間に介在させたときに、該軟質エポキシ樹脂シートが発熱体と放熱体の対向面の凹凸に追従して変形しながら隙間なく密接するため、発熱体から放熱体に熱を効率良く伝導して放熱体から外部へ熱を放出させることができる。硬度が94以上であると、エポキシ樹脂シートが発熱体と放熱体の対向面の凹凸に追従して変形し難くなり、隙間(空気層)が生じて発熱体から放熱体への熱の伝導効率が低下するので好ましくない。
【0014】
熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートの硬度の下限は特にないが、後述するように硬度が20以上であると、該エポキシ樹脂シートを介在させて発熱体と放熱体を例えば止具で締付け固定する場合に、その締付け力で該エポキシ樹脂シートが発熱体と放熱体の隙間から外側へはみ出して周囲の電子部品と干渉する恐れがなくなるので、はみ出した部分を切取る作業が不要となり、このように切取っていないエポキシ樹脂シートは発熱体及び放熱体から剥離して再使用が可能である。また、片締めによって発熱体と放熱体の対向面に対し該エポキシ樹脂シートの締付けの弱い反対側部分が密接不良となる心配も解消される。
【0015】
特に、グリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレングリコールジグリシジルエーテルのいずれか一つ以上のエポキシ化合物と、硬化剤と、熱伝導フィラーを含んだ組成物を反応させて得られる本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、エポキシ化合物が分子運動を立体障害で抑制するベンゼン環や炭素環を有しないため、適度な柔軟性を備え、且つ、熱伝導フィラーによって良好な熱伝導性を発現する。従って、この熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートを発熱体と放熱体の間に介在させると、発熱体と放熱体の凹凸を有する対向面に密接して優れた熱伝導性を発揮することができる。上記のようにエポキシ化合物と硬化剤との反応が終了した熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、前記特許文献1のペースト状のエポキシ樹脂組成物や前記特許文献2の熱伝導性エポキシ樹脂シートのように、硬化反応によって発熱体や放熱体に接着固定されるものではなく、発熱体や放熱体に粘着状態又は非粘着状態で密接するだけであるから、発熱体や放熱体から容易に剥離させることができる。従って、発熱体と放熱体の位置ずれ等の不具合が生じた場合でも、発熱体(発熱部品)を破損させたり、シート片(残痕)を発熱体や放熱体の対向面に残したりすることなく、熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートを剥離して再使用し、発熱体と放熱体を正確に位置決めできるので、リワーク性に優れている。
【0016】
本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、JIS Z0237に準じて行ったピーリング試験による粘着力が0.1〜2.0N/25mmであることが好ましく、この範囲の適度な粘着力を備えていると、発熱体と放熱体の間に介在させたときに、該エポキシ樹脂シートが発熱体と放熱体の対向面に粘着して隙間なく密接するので、優れた熱伝導性を発揮し、かつ、剥離も容易である。
【0017】
そして、硬化剤として脂環式アミンを用いた本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、良好な柔軟性と適度な粘着性を発揮し、また、前記組成物中のエポキシ化合物のエポキシ基数と硬化剤の活性水素数との比(エポキシ基数/活性水素数)が1より大きく3未満である本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、エポキシ化合物と硬化剤が適度に架橋反応し、架橋密度が高過ぎることも低過ぎることもないので、適度な柔軟性と粘着性と保形性(形状保持性)を発揮し、更に、前記組成物中にカップリング剤が含まれている本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートは、エポキシ化合物又は硬化後のエポキシ樹脂と熱伝導フィラーとの相溶性が良好で熱伝導フィラーの分散状態が均一となるため優れた熱伝導性を発揮できる。
【0018】
また、本発明に係る放熱構造は、上述した本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートを発熱体と放熱体との間に介在させたものであるから、熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートが発熱体と放熱体の対向面に密接して発熱体から放熱体に効率良く熱を伝導し、放熱体から外部へ速やかに熱を放出することができる。そして、発熱体と放熱体との位置決めの不具合等が発生した場合でも、発熱体及び放熱体から熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートを容易に剥離して再使用し、正確に位置決め等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る放熱構造の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1の円で囲んだ部分の拡大図である。
【図3】本発明に係る放熱構造の他の実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明に係る放熱構造の一実施形態を示す断面図、図2は図1の円で囲んだ部分の拡大図である。
【0021】
この図1に示す放熱構造は、発熱体であるLED(発光ダイオード)2を実装したフェノール樹脂製の配線基板3と、放熱体であるアルミニウム製のヒートシンク4との間に、本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート1を介在させ、ネジ5,5で配線基板3と熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート1とヒートシンク4を一体的に締付け固定したものであって、熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート1は適度な柔軟性を有するシートであるため、図2に示すように配線基板3とヒートシンク4の対向面3a,4aの凹凸に追従して変形しながら隙間なく対向面3a,4aに密接している。そのため、LED2の点灯時に発生した熱は、配線基板3から熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート1を通じて効率良くヒートシンク4に伝導し、ヒートシンク4から速やかに放熱されるようになっている。このヒートシンク4は、放熱効率を向上させるために、その下面に複数のフィン4bを設けて放熱面積を拡大したものであるが、フィンがない板状のヒートシンクでも勿論よい。
【0022】
上記の放熱構造に用いる本発明の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート1(以下、熱伝導性シート1と記す)は、配線基板3とヒートシンク4の対向面3a,4aに対する密接性を高めるために、JIS K7312に準じてアスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度(以下、アスカーゴムC2硬度と記す)が94以下となるように柔軟性を付与したシートである。アスカーゴムC2硬度が94を超える熱伝導性シート1は柔軟性に劣り、対向面3a,4aの凹凸に追従して変形し難いため、対向面3a,4aと熱伝導性シート1との間に部分的な隙間(空隙)が生じるようになり、この隙間によって配線基板3からヒートシンク4への熱伝導が阻害されて十分な放熱性が発揮されなくなるので、本発明の目的を達成することはできない。
【0023】
熱伝導性シート1のアスカーゴムC2硬度の下限は特にないが、20以上であることが好ましい。アスカーゴムC2硬度が20未満の熱伝導性シート1は、柔軟過ぎるため、配線基板3とヒートシンク4の間に挟んでネジ5,5で締付け固定するときに、その締付け力によって熱伝導性シート1が配線基板3とヒートシンク4の間から外側へはみ出し易くなる。このように熱伝導性シート1がはみ出すと、周囲の電子部品等と干渉する恐れが生じるので、はみ出した部分を切取る作業が必要になるが、一度切取った熱伝導性シート1は、配線基板3及びヒートシンク4から剥離して再使用できないので、不経済である。また、熱伝導性シート1が柔軟過ぎると、片締めの状態(一方のネジ5を強く締め、他方のネジ5を緩く締めた状態)になり易いため、熱伝導性シート1の締付けの弱い反対側部分が、配線基板3とヒートシンク4の対向面3a,4aに対して密接不良になる恐れも生じる。
これに対し、アスカーゴムC2硬度が20以上の熱伝導性シート1は柔軟過ぎることがないので、上記の不都合を全て解消することができる。熱伝導性シート1のより望ましいアスカーゴムC2硬度の下限値は50であり、更に望ましい下限値は60である。
【0024】
上記の熱伝導性シート1は、離型処理されたベースフィルム上に、エポキシ化合物と硬化剤と熱伝導フィラーを必須成分として含み且つカップリング剤や硬化促進剤を適宜配合して調製した液状の組成物を塗布し、加熱により上記組成物を反応、硬化させた後、ベースフィルムから剥離して得られる軟質エポキシ樹脂シートである。硬化反応は、エポキシ化合物の一般的な反応条件を採用して行えばよく、例えば、130℃程度の温度で1時間程度加熱すればよい。
【0025】
柔軟な熱伝導性シート1を得るためには、上記組成物の主成分のエポキシ化合物として、グリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレングリコールジグリシジルエーテルのいずれか一種以上を使用することが好ましい。これらのエポキシ化合物は、化合物中に分子運動を立体障害で抑制する構造(例えば芳香族エポキシ化合物におけるベンゼン環や脂環族エポキシ化合物における炭素環など)がないため、硬化反応により柔軟なエポキシ樹脂シートを形成できるのである。これらのエポキシ化合物は、熱伝導フィラーを配合することから、常温で液状のものが好ましく使用されるが、常温で固体のものも他の液状のエポキシ化合物と併用することが可能である。
【0026】
グリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステルの好ましい例としては、下記[化1]に示す12−(グリシジルオキシ)−9−オクタデセン酸グリシジルエステルや、下記[化2]に示す12−(グリシジルオキシ)−オクタデカン酸グリシジルエステルなどが挙げられる。前者の12−(グリシジルオキシ)−9−オクタデセン酸グリシジルエステルは、12−ヒドロシキ−9−オクタデセン酸(リシノール酸)をエピクロロヒドリンと反応させて得られるエポキシ化合物であり、後者の12−(グリシジルオキシ)−オクタデカン酸グリシジルエステルは、12−ヒドロシキ−9−オクタデセン酸(リシノール酸)を水添し、エピクロロヒドリンと反応させて得られるエポキシ化合物である。
【0027】
また、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルの好ましい例としては、下記[化3]に示すポリエチレングリコールジグリシジルエーテルや、下記[化4]に示すポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられ、更に、アルキレングリコールジグリシジルエーテルの好ましい例としては、下記[化5]に示す1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0028】
【化1】

【0029】
【化2】

【0030】
【化3】

【0031】
【化4】

【0032】
【化5】

【0033】
前記の組成物中には、主成分の上記エポキシ化合物の他に、以下に例示するエポキシ化合物の一種以上を配合することもできる。即ち、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、アルキルフェノールノボラック型エポキシ化合物、アラルキル型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化合物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ化合物などを配合することもできる。これらのエポキシ化合物は、分子運動を抑制するベンゼン環や炭素環を有し、得られる熱伝導性シート1の柔軟性を低下させる傾向があるので、主成分のエポキシ化合物として使用することはできない。
【0034】
柔軟な熱伝導性シート1を得るためには、前記組成物中のエポキシ化合物の総量100質量部に対し、前記主成分のエポキシ化合物が61質量部以上を占めるように、前記主成分のエポキシ化合物を配合することが好ましい。前記主成分のエポキシ化合物の配合量が61質量部より少ない場合は、得られる熱伝導性シート1のアスカーゴムC2硬度が94を上回り、本発明の目的を達成することが困難になる。
【0035】
前記組成物に配合する硬化剤としては、アミン類、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタンなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。これらの硬化剤の中では、脂環式アミンや脂肪族アミンなどのアミン類が好適であり、脂環式アミンとしては、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどが、また、脂肪族アミンとしては、エチルトリス{アミノプロピルオキシ(n=1〜3)メチル}メタンなどが好ましく使用される。特に、前者の脂環式アミンは、良好な柔軟性と適度な粘着性を兼ね備えた熱伝導性シート1を得ることができるので、極めて好ましい。
【0036】
熱伝導性シート1に適度な柔軟性を付与するためには、前記組成物中のエポキシ化合物のエポキシ基数と硬化剤の活性水素数との比(エポキシ基数/活性水素数)が1より大きく3未満となるように、エポキシ化合物と硬化剤の配合比率を調節することが好ましい。エポキシ基数/活性水素数が1以下では、エポキシ化合物と硬化剤の多くが架橋反応し、架橋密度が高くなるため、柔軟な熱伝導性シート1を得ることができず、また、エポキシ基数/活性水素数が3以上では、大部分のエポキシ化合物が硬化反応しないため、保形性(形状保持性)を有する熱伝導性シート1を得ることが困難になる。けれども、上記のようにエポキシ基数/活性水素数が1より大きく3未満の範囲内に調節されていると、エポキシ化合物と硬化剤が適度に架橋反応をし、柔軟性と粘着性と保形性(形状保持性)を兼ね備えた熱伝導性シート1を得ることが可能となる。好ましくは、エポキシ基数/活性水素数が1.1以上2.8以下、さらに好ましくは、1.3以上2.6以下がよい。
【0037】
熱伝導性シート1は、硬化剤として前記脂環式アミンを使用したり、エポキシ基数/活性水素数をコントロールすることによって、JIS Z0237に準じたピーリング試験による粘着力が0.1〜2.0N/25mmとなるように調節することが好ましい。この範囲の適度な粘着力を備えた熱伝導シート1は、発熱体であるLED2を保持している配線基板3と、放熱体であるヒートシンク4の間に介在させたときに、配線基板3とヒートシンク4の対向面3a,4aに粘着して隙間なく密接するため、優れた熱伝導性を発揮し、かつ、剥離も容易である。また、熱伝導シート1の位置決め作業もし易くなる。粘着力が2.0N/25mmより強くなると、熱伝導性シート1が他の部材や貼付け治具にくっつきやすくなるので、ハンドリング性(取扱い性)が低下する。
【0038】
上記粘着力は、後述の実施例で記載するように長さ100mm×幅25mm×厚み200μmの熱伝導性シートのサンプルを作製し、室温でJIS Z0237に準じてサンプルをアルミ板にロール圧着し、30分後、剥離角度180°、剥離速度300mm/secの条件下に行ったピーリング試験で測定された剥離強度である。
【0039】
なお、前記組成物中には、硬化剤と共に硬化促進剤を適量配合してもよい。硬化促進剤としては、例えば、第三級アミン、イミダゾール類、ルイス酸、ルイス塩基、有機金属化合物、有機酸金属塩などが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。これらの硬化促進剤の中では第三級アミンが最適であり、例えば2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが好ましく使用される。
【0040】
前記組成物に配合される熱伝導フィラーとしては、例えば、(1)アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物粉末、(2)窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などの無機粉末、(3)銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケルなどの金属粉末、(4)チタンなどの金属合金系粉末、(5)ダイアモンド、カーボンブラック、炭素繊維などの炭素系粉末または繊維、(6)石英、石炭ガラスなどのシリカ粉末、などが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
配線基板3とヒートシンク4の間に挟み込む熱伝導性シート1には電気絶縁性が要求されるので、上記熱伝導フィラーの中では、電気絶縁性の窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、アルミナ、ダイアモンドなどの粉末が特に好ましく使用される。なお、これらの熱伝導フィラーは均一な粒径を有するものでもよいし、異なる粒径を有するものを混合したものでもよい。
【0041】
熱伝導フィラーの配合量は、熱伝導性シート1に要求される熱伝導率に対応して、前記組成物総量の90質量%(換言すれば熱伝導性シート1全体の90質量%)まで可能である。90質量%を超えると、前記組成物の流動性が低下してベースフィルムへの塗工、製膜が困難になり、また、硬化させて得られる熱伝導性シート1のアスカーゴムC2硬度が94を超えて柔軟性に欠けるシートとなるので、本発明の目的を達成することが困難になる。熱伝導フィラーの配合量の下限は特にないが、あまり少なすぎると、熱伝導性シート1の熱伝導率が低下して放熱性能が悪くなるので、下限値は50質量%、好ましくは70質量%とするのが良い。熱伝導フィラーの極めて好ましい配合量は、80〜87質量%の範囲である。
【0042】
前記組成物には、エポキシシラン系、アルミニウム系、チタネート系などのカップリング剤を適宜配合してもよい。これらのカップリング剤は、前記組成物中に直接配合してもよいし、熱伝導フィラーに表面被覆して配合してもよい。これらのカップリング剤の中では、ケイ素を含まないアルミニウム系やチタネート系のカップリング剤が好ましく使用され、具体的には、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどが極めて好ましく使用される。このようなカップリング剤を配合すると、前記エポキシ化合物又は硬化後のエポキシ樹脂と前記熱伝導フィラーとの相溶性が向上して熱伝導フィラーの分散状態が均一になるため、優れた熱伝導性を有する熱伝導性シート1を得ることができる。
【0043】
カップリング剤の配合量は特に限定されないが、熱伝導フィラーに表面被覆して配合する場合は、カップリング剤を熱伝導フィラー量に対し0.01〜1質量%の範囲内で添加することが好ましい。カップリング剤の更に好ましい配合量は0.01〜0.5質量%である。
【0044】
熱伝導性シート1の厚みは制限されるものではなく、発熱体と放熱体との間隔を考慮して適宜決定すればよいが、図1に示す放熱構造のように、配線基板3とヒートシンク4との間に熱伝導性シート1を介在させる場合は、熱伝導性シート1の厚みを50μm〜2mm程度に設定することが好ましい。
【0045】
図1,図2に示す放熱構造は、上記熱伝導性シート1をLED2が実装された配線基板3とヒートシンク4との間に介在させてネジ5,5で締付け、熱伝導性シート1を配線基板3とヒートシンク4の凹凸のある対向面3a,4aに密接させたものであるから、LED2の点灯時に発生する熱が配線基板3から熱伝導性シート1を通じてヒートシンク4へ効率良く伝導し、ヒートシンク4から外部へ速やかに放熱することができる。そして、配線基板3とヒートシンク4との位置決めの不具合や熱伝導性シート1の位置決めの不具合などが発生した場合には、ネジ5,5を外して配線基板3及びヒートシンク4から熱伝導性シート1を簡単に剥離し、再使用して正確に位置決め等を行うことができるので、リワーク性にも優れている。
【0046】
図3は本発明に係る放熱構造の他の実施形態の説明図である。
【0047】
この放熱構造は、フェノール樹脂製の配線基板30に実装されたICチップやLSIパッケージなどの電子部品20(発熱体)の上に、前述した本発明の熱伝導性シート1を介在させてアルミニウム放熱板40(放熱体)を載置し、これらをネジ5,5で一体的に締付け固定したものであって、柔軟な熱伝導性シート1が電子部品20とアルミニウム放熱板40の対向面の凹凸(不図示)に追従して変形しながら隙間なく対向面に密接しており、電子部品20の駆動時に発生する熱が熱伝導性シート1を通じて効率良くアルミニウム放熱板40に伝導し、アルミニウム放熱板40から速やかに放熱されるようになっている。
【0048】
この放熱構造も、前述した本発明の熱伝導性シート1を発熱体と放熱体の間に介在させたものであるから、図1,図2に示す実施形態の放熱構造と同様の優れた作用効果(既述した熱伝導性シート1に起因する作用効果)が得られることは言うまでもない。
【0049】
次に、本発明に係る熱伝導性シートの更に具体的な実施例について説明する。
【0050】
[実施例1〜10]
下記の表1,表2に記載されたエポキシ化合物と硬化剤と硬化促進剤とカップリング剤を、表1,表2の実施例1〜10に記載された添加量(配合量)で混合することにより、組成が異なる10種類の混合液を得た。そして、これらの混合液に、表1,表2に記載された熱伝導フィラーを表1,表2の実施例1〜10に記載された添加量で添加し、攪拌・脱泡して、組成が異なる実施例1〜10の塗液状組成物を調製した。
【0051】
これらの塗液状組成物を、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の表面にコンマコーターでそれぞれ塗工し、130℃で1時間加熱、硬化させた後、PETフィルムから剥離することによって、実施例1〜10の熱伝導性シートのサンプルを作製した。
なお、サンプルの厚さは、後述するように、熱伝導率測定用サンプルの場合には1mmとし、ピーリング試験用サンプルの場合には200μmとし、アスカーゴムC2硬度測定用サンプルの場合には複数枚のサンプルを重ねて8mmとした。
【0052】
作製した実施例1〜10の熱伝導性シートのサンプルについて、以下の方法で熱伝導率、粘着力(剥離強度)、アスカーゴムC2硬度を測定した。
1)熱伝導率の測定
レーザーフラッシュ測定機(アルバック理工(株)製、TC−7000)を使用し、JIS R1611−1991に準拠して、厚さ1mmのサンプルの熱伝導率を測定した。
2)粘着力の測定
室温において、JIS Z0237に準じて、長さ100mm×幅25mm×厚さ200μmのサンプルをアルミ板(150mm×150mm×0.5mm)にロール圧着し、30分後、剥離角度180°、剥離速度300mm/secでピーリング試験を行って、サンプルの粘着力(剥離強度)を測定した。
3)アスカーゴムC2硬度の測定
複数枚のサンプルを重ねて厚さ8mmのサンプルを作製し、JIS K7312に準じて、アスカーゴム硬度計C2型(高分子計器(株)製)でサンプルの硬度を測定した。
これらの測定結果を表1,表2に示す。
【0053】
[比較例1〜4]
比較のために、下記の表2に記載されたエポキシ化合物と硬化剤と硬化促進剤とカップリング剤を、表2の比較例1〜4に記載された添加量(配合量)で混合し、これらの混合液に、表2に記載された熱伝導フィラーを表2の比較例1〜4に記載された添加量で添加して、攪拌・脱泡することにより、組成が異なる比較例1〜4の塗液状組成物を調製した。そして、これらの塗液状組成物を用いて、前記実施例1〜10と同様にして比較例1〜4の熱伝導性シートのサンプルを作製した。
これらの比較用サンプルについて、前記実施例1〜10と同様に、熱伝導率、粘着力(剥離強度)、アスカーゴムC2硬度を測定し、その結果を下記の表2に併記した。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
尚、上記の表1,表2に記載されたエポキシ化合物(1)は阪本薬品工業(株)製のSR−CF2(エポキシ当量260)として市販されているものであり、
エポキシ化合物(2)は三菱化学(株)製のJER811(エポキシ当量186)として市販されているものであり、
エポキシ化合物(3)は阪本薬品工業(株)製のSR−8EG(エポキシ当量285)として市販されているものであり、
エポキシ化合物(4)は阪本薬品工業(株)製のSR−4PG(エポキシ当量305)として市販されているものであり、
エポキシ化合物(5)は(株)アデカ製のEP−4088S(エポキシ当量170)として市販されているものであり、
エポキシ化合物(6)は三菱化学(株)製のYED216M(エポキシ当量150)として市販されているものであり、
硬化剤(1)は大都産業(株)製のJ−882(活性水素当量80)として市販されているものであり、
硬化剤(2)は大都産業(株)製のB−2413(活性水素当量47)として市販されているものであり、
硬化促進剤は大都産業(株)製のHD−Acc43として市販されているものであり、
カップリング剤は味の素ファインテクノ(株)製のプレンアクトAL−Mとして市販されているものである。
上記エポキシ化合物(1)〜(6)、硬化剤(1)、(2)、カップリング剤は、液状物である。
【0057】
上記の表1,表2から、グリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステルを主成分とする実施例1〜5,9,10の熱伝導性シートのサンプルや、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルを主成分とする実施例6,7の熱伝導性シートのサンプルや、アルキレングリコールジグリシジルエーテルを主成分とする実施例8の熱伝導性シートのサンプルは、主成分のエポキシ化合物がいずれも分子運動を抑制するベンゼン環や炭素環を持たないものであるため柔軟であり、アスカーゴムC2硬度が94以下である。
これに対し、分子運動を抑制する一対のベンゼン環を備えた芳香族エポキシ化合物(ビスフェノールAジグリシジルエーテルとビスフェノールFジグリシジルエーテル)を主成分とする比較例3のサンプルや、炭素環を備えた脂環式エポキシ化合物を主成分とする比較例4のサンプルは、いずれも柔軟性に劣り、アスカーゴムC2硬度が97以上である。
このことから、グリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレングリコールジグリシジルエーテルは、柔軟な熱伝導性シートを得るために有効なエポキシ化合物であることが判る。
【0058】
また、比較例2のサンプルのように、柔軟性の付与に有効なグリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステルを主成分とするものであっても、主成分のグリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステルの配合量が、エポキシ化合物の総量100質量部に対して61質量部未満であると、柔軟性が低下してアスカーゴムC2硬度が94を上回るようになる。このことから、アスカーゴムC2硬度が94以下の熱導電性シートを得るためには、柔軟性の付与に有効な前記エポキシ化合物を主成分としてエポキシ化合物の総量100質量部に対し61質量部以上配合することが重要であることが判る。
【0059】
また、実施例9、10のサンプル及び比較例1のサンプルはいずれも、柔軟性の付与に有効なグリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステルを主成分として80質量部含むものであるが、これらのサンプルは硬化剤の含有量が異なり、実施例9のサンプルでは8.3質量部、実施例10のサンプルでは11.0質量部、比較例1のサンプルでは17.3質量部であるため、エポキシ基数/硬化剤の活性水素数の比が実施例9のサンプルでは2.2、実施例10のサンプルでは1.6、比較例1のサンプルでは1.0となっている。そして、エポキシ基数/硬化剤の活性水素数の比が1より大きく3未満の範囲にある実施例9,10のサンプルは、いずれもアスカーゴムC2硬度が94以下で柔軟性を備えており、エポキシ基数/硬化剤の活性水素数の比が大きい実施例9のサンプルの方が、該比の小さい実施例10のサンプルよりもアスカーゴムC2硬度が小さく柔軟性に富んでいる。これに対し、エポキシ基数/硬化剤の活性水素数の比が1である比較例1のサンプルは、アスカーゴムC2硬度が97で柔軟性に欠けており、本発明の目的を達成することが困難なものである。
このことから、熱伝導性シートの柔軟性はエポキシ基数/硬化剤の活性水素数の比が大きくなるほど増大し、アスカーゴムC2硬度が94以下の軟質の熱伝導性シートを得るためには、エポキシ基数/硬化剤の活性水素数の比が1より大きく3以下となるようにエポキシ化合物と硬化剤の配合量を決定する必要があることが判る。
【0060】
また、硬化剤として脂肪族アミンを配合した実施例1のサンプルは、ピーリング試験による粘着力が0.1N/25mmと弱いのに対し、硬化剤として脂環式アミンを配合した実施例2のサンプルは、粘着力が増して0.3N/25mmとなっており、更にカップリング剤を配合した実施例9のサンプルは、粘着力が0.5N/25mmと大きくなっている。
このことから、粘着力を有する熱伝導性シートを得るためには、硬化剤として脂肪族アミンよりも脂環式アミンを用いる方がより有効であり、カップリング剤を併用すると更に有効であることが判る。
【0061】
また、実施例1〜10のサンプル及び比較例1〜4のサンプルはいずれも、熱伝導フィラーとして球状アルミナ(平均粒子径35μmと3μmの二種類を混合したもの、φ35:φ3=7:3、又は、φ35:φ3=6:4)を83質量%含有させることによって、2.0W/m・Kの良好な熱伝導率が付与されている。これは、平均粒子径35μmの球状アルミナの相互間隙に平均粒子径3μmの球状アルミナが充填されて、熱伝導フィラー(80%以上)を高充填することができるとともに、大小の球状アルミナが互いに接触し、熱を効率良く伝導させるためである。
【符号の説明】
【0062】
1 熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート
2 LED(発熱体)
20 電子部品(発熱体)
3,30 配線基板
4 ヒートシンク(放熱体)
40 アルミニウム放熱板(放熱体)
5 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
JIS K7312に準じてアスカーゴム硬度計C2型で測定した硬度が94以下であることを特徴とする熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート。
【請求項2】
グリシジルオキシ脂肪酸グリシジルエステル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、アルキレングリコールジグリシジルエーテルのいずれか一つ以上のエポキシ化合物と、硬化剤と、熱伝導フィラーを含んだ組成物を反応させて得られるシートであることを特徴とする、請求項1に記載の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート。
【請求項3】
JIS Z0237に準じて行ったピーリング試験による粘着力が0.1〜2.0N/25mmであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート。
【請求項4】
硬化剤が脂環式アミンであることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート。
【請求項5】
組成物中のエポキシ化合物のエポキシ基数と硬化剤の活性水素数との比(エポキシ基数/活性水素数)が1より大きく3未満であることを特徴とする、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート。
【請求項6】
組成物中にカップリング剤が更に含まれていることを特徴とする、請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の熱伝導性軟質エポキシ樹脂シート。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載された熱伝導性軟質エポキシ樹脂シートを発熱体と放熱体との間に介在させたことを特徴とする放熱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−251089(P2012−251089A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125498(P2011−125498)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【出願人】(591270866)株式会社岡田商会 (3)
【Fターム(参考)】