説明

熱可塑性樹脂帯状物のカール矯正方法

【課題】原反表面への損傷を防ぎ、かつ、カール矯正時間を短縮させ生産性を向上させることのできるカール矯正方法を提供する。
【解決手段】非結晶性樹脂からなる層を少なくとも1層以上含む熱可塑性樹脂帯状物の原反又はその切断物を加熱しカールを矯正するカール矯正方法であって、熱可塑性樹脂帯状物を搬送用部材上に載置後、該搬送用部材により熱可塑性樹脂帯状物を張力のかからない状態で連続的に搬送して熱処理を施し、前記非結晶性樹脂のガラス転移点をTg℃とすると、加熱炉内温度が(Tg−30)℃以上Tg℃以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂帯状物のカール矯正方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱可塑性樹脂帯状物のカール矯正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂シート又はフィルムは、押出法などで成形した後、ロールなどに巻き取られる場合がある。
【0003】
ロールに巻き取られた原反を巻き戻した時に、カール状に巻き癖が残るため、成形、描写などその後の加工での工程通過性、作業性や製品品質に影響を来たすといった問題がある。
【0004】
従来、このようなカールを代表とする巻き癖を除去する方法は、例えば、特許文献1によると、雰囲気温度60℃の恒温槽に多数のカール矯正ロールを配置し、前記恒温槽内の滞留時間を75秒以上とすることでカールを矯正させる技術が知られている。しかしながら、原反に熱を加えつつカール矯正ロールでしごく方法では、原反表面への損傷による品質の低下が問題となる。
【0005】
【特許文献1】特開昭61−32740
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、従来のカール矯正方法の持つ原反表面への損傷を防ぎ、かつ、カール矯正時間を短縮させ生産性を向上させることのできるカール矯正方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
非結晶性樹脂からなる層を少なくとも1層以上含む熱可塑性樹脂帯状物の原反又はその切断物を加熱しカールを矯正するカール矯正方法であって、熱可塑性樹脂帯状物を搬送用部材上に載置し、該搬送用部材により熱可塑性樹脂帯状物を張力のかからない状態で連続的に搬送して熱処理を施し、前記非結晶性樹脂のガラス転移点をTg℃とすると、加熱炉内温度が(Tg−30)℃以上Tg℃以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、熱可塑性樹脂帯状物を搬送用部材上に載置して張力のかからない状態でカール矯正させるので、原反表面を損傷させることなく、生産性よくカールを均一に矯正させることが可能なカール矯正方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のカール矯正方法を以下に説明する。
【0010】
本発明で使用できる熱可塑性樹脂帯状物1の構造は、単層構造であっても、スキン層、コア層を有する多層構造であっても構わないが、非結晶性樹脂からなる層を少なくとも1層以上含む構造体である。また、熱可塑性樹脂帯状物1が多層構造の場合、非結晶性樹脂からなる層はスキン層、コア層いずれに存在していても良い。
【0011】
非結晶性樹脂としては、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられるがこれらに限ったものではない。
【0012】
本発明は非結晶性樹脂からなる層を少なくとも1層以上含む熱可塑性樹脂帯状物1の原反又はその切断物のカール矯正処理時に、搬送用部材4上に熱可塑性樹脂帯状物1を載置後、該搬送用部材4で熱可塑性樹脂帯状物1を張力のかからない状態で搬送しながら熱可塑性樹脂帯状物1を加熱することを特徴としている。熱可塑性樹脂帯状物1を載置し、熱可塑性樹脂帯状物1に張力のかからない状態にすることで、熱可塑性樹脂帯状物1の表面に損傷を来たす事無く、カール矯正処理時の張力によって新たな歪みを生じさせない。また、加熱炉3の加熱手段に赤外線加熱を用いることで、カール矯正処理時間の短縮が可能となる。
【0013】
図1に示す、加熱炉3の加熱手段は、赤外線波長領域の電磁波加熱方式、熱風加熱方式、或いは前述した2方式の併用を採用することができる。
【0014】
赤外線としては、波長が0.8〜1000μmの近〜遠赤外線が具体的に挙げられる。特に波長領域1〜30μmの赤外線は、物質を構成する分子の熱運動を直接励起できるため好ましい。一般に分子の振動スペクトルは赤外線波長領域に現れるため、赤外線を照射された物質は分子レベルで加熱される。したがって、赤外線の照射による熱可塑性樹脂帯状物1の残留応力緩和処理は、熱風単独による加熱に比べて熱可塑性樹脂帯状物1を短時間かつ内部まで均一に昇温できる。
【0015】
赤外線を発振させる赤外線放射体の材質は特に限定しないが、例えば、セラミックス体や、表面にセラミックスをコーティングしたアルミニウム等の金属体を挙げることができる。これらの材質を有していれば、加熱炉3内の高温の雰囲気で加熱されることにより赤外線を照射できるため好ましい。
【0016】
赤外線放射体の構造は特に限定しないが、例えば、内部に電熱線を有する構造や、内部に気体や液体の熱媒体を循環させる経路を有する構造が挙げられる。これらの構造を有していれば、赤外線をより広範囲の面積に、より均一に照射できるため好ましい。赤外線放射体の表面温度を所望する温度に設定できるものであればより好ましい。
【0017】
赤外線放射体の形状は特に限定はしないが、例えば、プレート状や、パイプ状が挙げられる。中でもプレート状は、パイプ状に比べて放射面積が広いので、広範囲にわたって均一に赤外線を照射できるため好ましい。
【0018】
熱風加熱方式を採用する場合は、加熱気体を供給するための熱風発生装置を使用することができる。
【0019】
加熱炉3内への加熱気体の供給方法は、加熱炉3内に設けられた複数の噴出ノズルで供給することができる。噴出ノズルの設置個数は特に限定せず、加熱炉長の長さ、幅によって適宜変更される。配置の箇所は特に限定されず、加熱炉3内の雰囲気温度が均一になるような配置にすればよい。
【0020】
噴出ノズルの形状は、丸穴でもスリットでもよく、その他の形状でもよい。
【0021】
加熱気体の種類は特に限定しないが、例えば、空気等の酸素含有の活性気体や、窒素やアルゴンなどの不活性気体が挙げられる。なお、加熱気体は、熱可塑性樹脂帯状物1表面への異物の付着防止や、加熱炉3内を清浄に保つため、エアーフィルターでろ過した後に、加熱炉3内へ供給されるのが好ましい。
【0022】
加熱炉3内の雰囲気の風速は、加熱炉3内の雰囲気が均一な温度になるようであれば特に限定しない。雰囲気の風速が速いほど、加熱炉3内の雰囲気が均一な温度になり易いが、熱可塑性樹脂帯状物1の近傍においては25m/s以下であることが、熱可塑性樹脂帯状物1の揺動が抑えられるので好ましい。
【0023】
雰囲気の温度をより均一にする方法としては、例えば、加熱炉3の内壁に保温材を配置する、攪拌ペラを加熱炉3内へ配置して雰囲気を攪拌する、加熱炉3の出入口に配置したエアーカーテンから出入口の鉛直方向に向けて温調したエアーを吹き付ける、加熱炉3の出口に排気口を設置する、雰囲気攪拌用ノズルにより噴出された気体により加熱炉内の雰囲気を攪拌する方法が挙げられる。これらの方法は、単独で実施してもよく併用してもよい。
【0024】
加熱炉3内の雰囲気温度は、熱可塑性樹脂帯状物1を構成する非結晶性樹脂のガラス転移点をTg℃とすると、(Tg−30)℃以上Tg℃以下の範囲とする。(Tg−20)℃以上Tg℃以下が好ましい。加熱炉内温度を(Tg−30)℃以上にすると、カールの矯正効果を比較的短時間で得ることができる。Tg℃以下の温度にすると、熱可塑性樹脂帯状物1を室温に戻した時に収縮が小さくなり、波打ちが発生せず品質を損ねることがない。
【0025】
加熱炉3内に熱可塑性樹脂帯状物1が滞留している時間(カール矯正処理時間)は15秒以上が好ましい。15秒以上とするとカールを均一に矯正させることができる。
【0026】
前述した搬送用部材4としては、コンベアベルト等が挙げられる。
【0027】
コンベアベルトを連続的に搬送させるには、コンベアベルトを搬送させる搬送ロールと、コンベアベルトの張力を調整するためのテンションロールを少なくとも設置すればよい。また、コンベアベルトの蛇行を防止するための蛇行防止機能を付与させることが好ましい。ここで、コンベアベルトはエンドレス状に加工するが、エンドレスに加工する際のコンベアベルトの接続部は、表面が平滑であることが好ましく、例えば突合せ継ぎ法や編み込み継ぎ法などを採用でき、或いは、予め筒状の基材を用いるシームレス法も採用できる。
【0028】
コンベアベルトの材質は、熱可塑性樹脂帯状物1の表面を傷つけるものでなければ特に限定されないが、加熱炉3内での加熱温度を考慮し、耐熱性の高い材料が好ましい。例えば、ポリアミド系樹脂などの樹脂材料やガラス材料、金属材料などを挙げることができる。また、これらの材料の表面にフッ素樹脂などのコーティング材料、或いは前記コーティング材料中に帯電防止用のカーボン粉を混入させたコーティング材料等をコーティングして使用することもできる。
【0029】
ここで熱可塑性樹脂帯状物1を載置する前記コンベアベルトの表面は、加熱された状態の熱可塑性樹脂帯状物1の表面が傷つくことを防止するため、異物等の除去されたクリーンな状態に維持されていることが好ましい。コンベアベルト面の異物を排除する方法としては、例えば、圧搾エアーなどにより吹き飛ばし排除する方法や、粘着ロールをコンベアベルト面と接触させ異物を取り除く方法や、ブラシを設置し該ブラシ近傍に異物を吸引させる吸引ノズルを設置し、コンベアベルト上の異物を吸引する方法等が挙げられる。
【0030】
また、熱可塑性樹脂帯状物1の原反の切断物をカール矯正する場合、図2に示すように加熱炉3内の搬送用部材4を多段にすることで、加熱炉3の設備長を長くせずに熱処理時間の調整が可能である。なお、切断物ではない熱可塑性樹脂帯状物1の原反をカール矯正する場合でも、大きな張力はかからず、カール矯正を行うことが出来る。
【0031】
また、図3に示すように加熱炉3で加熱された熱可塑性樹脂帯状物1は切断手段6で切断してもよい。加熱されることで熱可塑性樹脂帯状物1が軟化し容易に切断することが可能となる。特に非結晶性樹脂を含む熱可塑性樹脂帯状物1の切断は、室温ではクラックが発生するなどにより歩留まりが著しく低くなるが、加熱することで非結晶性樹脂が軟化され切断面が良好になる傾向にある。さらに、軟化されることで切断刃の寿命が長くなる効果がある。
【0032】
切断手段6は、シェアー刃、レザー刃、ギロチン刃などが採用できるが、シェアー刃、レザー刃による切断では切断面が良好になり好ましい。
【0033】
前述した工程の後、切断された熱可塑性樹脂帯状物1を順次積み重ねストッカー5にて積層する。積層の際には熱可塑性樹脂帯状物1の1端部を基準とし揃えて積層することが好ましい。ストッカー5が切断工程で切断された熱可塑性樹脂帯状物1で満杯になり次第、空のストッカー5へ変更する。
【実施例】
【0034】
以下、本発明のカール矯正方法にてカール矯正を行った結果について説明する。
なお、カール測定方法と、使用した熱可塑性樹脂帯状物は以下の通りである。
【0035】
(カール矯正率の測定及びカール矯正効果)
本評価はカール矯正効果を確認するために、図4に示すように、紙管に巻かれた熱可塑性樹脂帯状物をカール矯正処理実施前に予め200mm×300mmに切り出し、切り出したサンプルの4角の反り値平均(P0)を測定した。その後、時間をおかずに当該サンプルのカール矯正処理を実施し、後に再びサンプルの4角反り値の平均(P1)を測定し、下記式(1)でカール矯正率を算出し、評価を行った。
反り値はイオナイザー(HAKKO製 商品名:「静電ブロアー443型」)で除電した熱可塑性樹脂帯状物をガラス板上に乗せ、ハイトゲージにて測定した。
カール矯正率(%)=〔(P0−P1)/P0〕×100 ・・・(1)
カール矯正評価
○:カール矯正率 90%〜100%
△:カール矯正率 60%〜90%
×:カール矯正率 0%〜60%
【0036】
(シート表面波打ち状態)
カール矯正処理後のサンプルの4角を粘着テープでガラス板に貼り付け、蛍光灯をサンプルに反射させ、サンプル表面の波打ち状態を目視で評価した。
○:波打ちなし
×:波打ち有り
【0037】
(表面損傷)
シート表面の損傷を、シート表面波打ち状態評価と同様の方法で目視にて評価した。
○:表面損傷なし
×:表面損傷有り
【0038】
[実施例1]
(熱可塑性樹脂帯状物)
熱可塑性樹脂帯状物には、スキン層がビニリデンフルオライド テトラフルオロエチレン共重合体(融点125〜140℃)、コア層がポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂(Tg:93.7℃)、からなる2種3層のシートを用いた。トータル厚みは290μm、層厚比は1:8:1である。また、成形法はTダイ共押出成形、引取り速度は5m/min、冷却は冷却ロール(3本ロール)を使用し、室温で巻き取りを行った。巻き取りは、3インチ紙管を用い、約50m巻いた。
【0039】
(加熱炉)
加熱炉の主な構成について述べる。
【0040】
炉長1mの加熱炉と、搬送用部材に該当するコンベアベルト(基材:ガラス繊維、表面処理:PTFE)からなる。
【0041】
加熱炉の内壁には保温材(厚み75mm、ガラス繊維)を配置し、加熱炉内には、複数の加熱気体噴出ノズルと、複数個の赤外線放射体を配置した。なお、赤外線放射体にはプレート状のセラミックスヒーター(遠赤外線セラミックプレートヒーター 型式:「PLC−322」 200W電熱線内蔵 株式会社ノリタケカンパニーリミテド製)を使用した。
【0042】
加熱気体噴出ノズルと赤外線放射体は、図5に示すように熱可塑性樹脂帯状物を搬送するコンベアベルト面に対し、法線方向の上下両面に配置した。上面に配置した赤外線放射体及び加熱気体噴出ノズルとコンベアベルトとの距離は約90mm、下面に配置した赤外線放射体及び加熱気体噴出ノズルとコンベアベルトとの距離は約80mmとした。
【0043】
コンベアベルト面の上下に配置された加熱気体噴出ノズルと赤外線放射体のユニット構造を図6に示す。赤外線放射体と加熱気体噴出ノズルは交互に配置した。また、加熱気体噴出ノズルには、直径1mmの孔を設けた。
【0044】
加熱気体(空気)の製造及び加熱炉への加熱気体の供給には、熱風発生機(電気式熱風発生機 型式:「TSK−61」 株式会社竹綱製作所製)を用いた。なお、該熱風発生機から加熱炉内への加熱気体の供給量は約15m3/minであった。加熱気体供給ノズル出口付近の風速は、4m/s(測定器:風速計 型式:「6511」 日本カノマックス株式会社製)とした。なお、加熱炉内の雰囲気温度を均一化させるために、雰囲気撹拌用ノズル(ノズル孔 直径4.5mm)を加熱炉2内の適所に複数個配置した。なお、該雰囲気撹拌用ノズル付近の風速は、18m/sであった。このとき、加熱炉内の雰囲気温度は90℃であった。また、カール矯正処理時間を15秒とした。本実施例の評価結果を表1に示す。
【0045】
[実施例2]
加熱炉内の雰囲気温度を80℃に調節した以外は実施例1同様の方法で行った。このときの評価結果を表1に示す。
【0046】
[実施例3]
加熱炉内の雰囲気温度を70℃に調節した以外は実施例1同様の方法で行った。このときの評価結果を表1に示す。
【0047】
[比較例1]
加熱炉内の雰囲気温度を60℃に調節した以外は実施例1同様の方法で行った。このときの評価結果を表1に示す。
【0048】
[比較例2]
加熱炉内の雰囲気温度を100℃に調節した以外は実施例1同様の方法で行った。このときの評価結果を表1に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
カール矯正処理時間15sにおいて、加熱炉内雰囲気温度が90℃、80℃でカール矯正率が高く、シート表面状態及び表面損傷状態は良好であった。
【0051】
本発明による熱可塑性樹脂帯状物のカール矯正方法によれば、搬送用部材上に載置して張力のかからない状態で熱処理しているため、熱可塑性樹脂の帯状物表面への損傷なく、カール矯正処理が短時間でできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係るカール矯正方法の実施形態例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る加熱炉内部に多段構造にした搬送用部材を設置した実施形態例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るカール矯正方法に切断工程と付設した実施形態例を示す断面図である。
【図4】反り値の測定方法を示した模式図である。
【図5】本発明に係る加熱装置の正面(断面)模式図である。
【図6】本発明に係るユニット(赤外線放射体、加熱気体噴出ノズル)の平面模式図である。
【符号の説明】
【0053】
1 熱可塑性樹脂帯状物
2 巻き出し部
3 加熱炉
4 搬送用部材
5 ストッカー
6 切断手段
7 熱可塑性樹脂帯状物の原反の切断物
8 保温材
9 コンベアベルト
10 コンベアベルト搬送ロール
11 上面ユニット(赤外線放射体、加熱気体噴出ノズル)
12 下面ユニット(赤外線放射体、加熱気体噴出ノズル)
13 赤外線放射体(セラミックヒータ)
14 加熱気体噴出ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非結晶性樹脂からなる層を少なくとも1層以上含む熱可塑性樹脂帯状物の原反又はその切断物を加熱しカールを矯正するカール矯正方法であって、熱可塑性樹脂帯状物を搬送用部材上に載置後、該搬送用部材により熱可塑性樹脂帯状物を張力のかからない状態で連続的に搬送して熱処理を施し、前記非結晶性樹脂のガラス転移点をTg℃とすると、加熱炉内温度が(Tg−30)℃以上Tg℃以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂帯状物のカール矯正方法。
【請求項2】
前記加熱炉内に熱可塑性樹脂帯状物が滞留する時間が15秒以上であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂帯状物のカール矯正方法。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂帯状物がスキン層、コア層の多層構造を有し、コア層が非結晶性樹脂からなる層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂帯状物のカール矯正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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