説明

熱式空気流量計

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエンジン等の吸入空気流量を検出する熱式空気流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱式空気流量計には、空気流量測定用の発熱抵抗体としてセラミック,金属等の板状のベースに膜式抵抗を形成したものが知られている。
【0003】この種の発熱抵抗体は、一般に空気通路に発熱抵抗体を片持ち構造で配置しており、さらに、例えば特開昭62−36521号公報に開示されるように、応答性低下を防止するための熱逃げ対策として、発熱抵抗体・保持部材間に断熱部材を介在させたり、特開平2−226016号公報に開示されるように、落下,衝突衝撃による破損防止のために、発熱抵抗体を、空気通路に突出する支持エレメントにより支持するものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、板状の発熱抵抗体を用いた熱式空気流量計では、応答性及び出力特性のばらつきの改善を図る場合、発熱抵抗体の全長を長く、板厚を薄く形成し、片持ち構造とするのが一般的な手法である。
【0005】しかし、発熱抵抗体の支持方法を単純に片持ち構造とすると、機械的強度の確保から全長,板厚等の自由度に制限があり、特に、発熱抵抗体には自動車エンジンの振動が伝わるための、耐振性を配慮する必要があり、そのための寸法的な制約があった。
【0006】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目的は、発熱抵抗体の自由度を高めて応答性,出力特性を良好に保持しつつ、耐振性に優れた片持ち構造の熱式空気流量計を提供することにある。
【0007】もう一つは、前述したような断熱部材を用いないで応答性,検出精度を高める片持ち構造の熱式空気流量計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、基本的には次のような課題解決手段を提案する。
【0009】一つは、空気通路に配置される空気流量測定用の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体を流れる電流を制御すると共に検出信号を出力する制御モジュールとを備えた熱式空気流量計において、前記発熱抵抗体は板状のベースの表面に膜式抵抗を形成して成り、前記発熱抵抗体を片持ちする支持部材には、発熱抵抗体の被支持箇所付近を当てがう補強部材を設け、この補強部材から突出する前記発熱抵抗体の長さ,厚みを、該発熱抵抗体の固有振動数が自動車エンジンで発生する振動域よりも高くなるよう設定して成る(これを第1の課題解決手段とする)。
【0010】もう一つは、第1の課題解決手段同様の発熱抵抗体のうち膜式抵抗を除く少なくとも一面には、その面全体或いは発熱抵抗体被支持箇所付近に膜状の有機物質(合成樹脂)を被覆したものを提案する(これを第2の課題解決手段とする)。
【0011】もう一つは、第1の課題解決手段同様の補強部材に、前記空気流量測定用の発熱抵抗体から逃げる熱を抑制するための発熱抵抗を設けたものを提案する(これを第3の課題解決手段とする)。
【0012】
【作用】第1の課題解決手段の作用…発熱抵抗体は、補強部材が当てがわれるため、片持ち構造であってもその機械的強度が強化される反面、発熱抵抗体の付け根となる発熱抵抗体と補強部材との境は、発熱抵抗体が振動すると、その支点となるため経時的な疲労が生じ易くなる。
【0013】ただし、本発明では、自動車エンジンで発生する振動域よりも高くなるよう、発熱抵抗体のうち先端から補強部材先端までの長さ,厚みを設定してあるため、発熱抵抗体がエンジン振動により共振することなく、耐振性を高め、上記した振動による経時的な疲労ひいては破壊が生じるのを防ぐ。なお、発熱抵抗体の固有振動数は、その長さが短く、厚さが増すほど、高くなる(その詳細の計算式は実施例で示してある)が、反面、応答性,出力特性を良好に保つためには、発熱抵抗体をある程度長くする等の設計の自由度が要求される。本発明は次の理由により、この条件を満足させることができる。
【0014】すなわち、発熱抵抗体を補強部材を介して片持ち構造とするので、発熱抵抗体の長さが見かけ上、抵抗体先端から補強部先端までと短くなるため、固有振動数を高く設計し易く、一方、実際の発熱抵抗体の長さは、支持部材先端から発熱抵抗体先端まで(換言すれば補強部材にあてがわれた部分まで含まれる)とすることができるので、実際の長さは自由度を広げる。
【0015】第2の課題解決手段の作用…補強部材として、発熱抵抗体の少なくとも一面(膜式抵抗のある部分を除く面)を有機物質で被覆する方式を採用すると、この補強部材が発熱抵抗体の厚みの一部となって、発熱抵抗体の固有振動数をエンジン振動域よりも高める。また、補強部材が弾性を有することから、発熱抵抗体を脆性材料で形成した場合でも、補強部材が緩衝機能をなして耐振性のほかに耐衝撃性も高める。
【0016】第3の課題解決手段の作用…補強部材を適度に加熱することにより、発熱抵抗体・補強部材間の温度差を小さくして、発熱抵抗体で発生した熱の補強部材への熱伝導を遮断すると同時に、補強部材と支持部材が隣接していることから支持部材への熱伝導も遮断でき、応答性,検出精度を高める。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面により説明する。
【0018】図1の(a)は本発明の第1実施例に係る熱式空気流量計の正面図、(b)はこれに用いる発熱抵抗体の片持ち構造を示す斜視図、図2はその発熱抵抗体の断面図である。
【0019】図1の(a)に示すように、熱式空気流量計のボディ1には、自動車のエンジンに供給される空気を流すための空気通路(主通路)5と空気流量測定用の副通路6とが設けてあり、副通路6内に空気流量を検出するための発熱抵抗体3と空気温度を検出する温度補償用の感温抵抗体4とが配置してある。
【0020】発熱抵抗体3と感温抵抗体4により検出した信号は、ボディ1の外周に設けた制御モジュール2に入力され空気流量に対応した電気信号を出力するよう設定してある。
【0021】発熱抵抗体3は、図1の(b)に示すようにセラミック製(アルミナ製誘電体)の長方形の板状ベース8の表面に膜式抵抗(抵抗パターン)9を蒸着することで構成され、発熱抵抗体3が合成樹脂製の支持部材10により片持ち構造で支持される。
【0022】7はガラス製の補強部材で、発熱抵抗体3の幅と板厚とに一致させた溝7´が形成してあり、この溝7´に発熱抵抗体3の被支持箇所付近が嵌め込まれて接合されることで、発熱抵抗体3の被支持箇所付近がガラス製の補強部材7により当てがわれる構成としてある。このようにして組み合わされた発熱抵抗体3及び補強部材7は、合成樹脂製の支持部材10をモールド成形する工程で埋め込まれて支持部材10と一体化される。
【0023】支持部材10には導体パターン11が銅めっきにより形成され、制御モジュール2の一部を構成している。この導体パターン11は、フレキシブルワイヤ12を介して発熱抵抗体9と電気的に接続される。ここで、制御モジュール2は、発熱抵抗体3(膜式抵抗9)と感温抵抗体4との温度差が一定となるような加熱電流を発熱抵抗体に流すように制御する。
【0024】本実施例における補強部材7は、片持ちされる発熱抵抗体3の補強をなすが、さらに、発熱抵抗体3の見かけの長さを短くしてその固有振動数が自動車エンジンの振動域より高く設定し易くなる配慮がなされている。
【0025】ここで、単純片持ちばりの棒の振動fは、棒のヤング率、断面2次モーメント、比重、断面積、長さ、板厚をそれぞれE、T、ρ、A、l、hとし、円周率、振動係数、重力加速度をそれぞれπ、λ、gとすると次式で表される。
【0026】
【数1】


【0027】ここで、片持ちばりをセラミック板(アルミナ)を用いた場合、T=3.47×106 kgf/cm2,ρ=3.8×1/103 kg/cm3となる。また、振動係数λは、片持ち1次モードで1.875となり、これらと、g=981cm/s2を代入すると、振動周波数f≧1000Hzとなる板厚hと△l(ここで△lは、図2に示すように補強部材7の先端から発熱抵抗体3の先端までの距離で、図2では△l=l1−l2)の関係は次式となる。
【0028】
【数2】


【0029】以上より、振動周波数fを決めるパラメータとしては、△l及び板厚hがある。一般に自動車用エンジンは、5次高周波まで考慮すると回転数6000rpmで約1000Hzの振動を発生する。したがって、発熱抵抗体3の固有振動数が1000Hz以下にすると、自動車用エンジンとの共振により発熱抵抗体3が破損する可能性がある。そこで、本実施例では、発熱抵抗体3の固有振動数を1000Hz以上とし、例えば、これを満足させる△l,hは、上記式より下記の表に示す通りであり、これを図で表せば図3のような特性が得られ、斜線部分が固有振動数1000Hzとなる領域である。
【0030】
【表1】


【0031】本実施例では、発熱抵抗体3の幅3.0mm,長さ10mm,厚さ0.15mmとしてある。
【0032】本実施例によれば、発熱抵抗体3は、補強部材7が当てがわれるため、片持ち構造であってもその機械的強度が強化されると共に、発熱抵抗体3がエンジン振動により共振することなく、耐振性を高め、上記した振動による経時的な疲労を抑制し、振動に起因する発熱抵抗体3の破損を防止する。また、発熱抵抗体3の長さが見かけ上、抵抗体3先端から補強部材7先端までとなるため、固有振動数を高く設計し易く、加えて、実際の発熱抵抗体3の長さl1は、支持部材10先端から発熱抵抗体3先端までとすることができるので、長さの自由度を広げ、発熱抵抗体の応答性,出力特性も良好に保てる。
【0033】図4は本発明の第2実施例を示す部分斜視図で、第1実施例に用いた符号と同一符号は同一或いは共通する要素を示す(なお、その他の図面における符号も同様である)。
【0034】本実施例は発熱抵抗体3の補強部材7として、発熱抵抗体3の膜式抵抗9が形成してある面と、その反対面及び側面の四面ををあてがうフレーム状に形成して成る。このような、補強構造によれば、発熱抵抗体3が振動を受けた場合、確実に固有振動数を高めることができ、さらに耐振性の向上を図ることができる。
【0035】図5は本発明の第3実施例で、補強部材7を板状部材或いは棒状部材とし、発熱抵抗体3の膜式抵抗9が形成してある面の反対面に補強部材7をリブ状に設けた。本実施例によれば、第1実施例と同様の効果を得られると共に、補強部材7が単純な構造であるため、製造コストも低減できる。
【0036】図6は本発明の第4実施例で、補強部材7を板状部材で形成し、発熱抵抗体3の膜式抵抗9が形成してある面の反対面に張り合わせた構造である。本実施例によれば、第3実施例と同様の効果を奏するほかに、発熱抵抗体3の幅方向全体を補強しているため、振動により発熱抵抗体3が補強部材7から受ける力を分散できる利点がある。
【0037】図7は本発明の第5実施例で、補強部材7をL字状の板部材で形成し、これを発熱抵抗体3の膜式抵抗9が形成してある面の反対面に張り合わせた構造である。本実施例によれば、L字形の形状効果により振動で補強部材7が受ける応力を分散するため、補強部材7を薄肉化しても十分に第3実施例同様の効果を奏し得る。
【0038】図8は本発明の第6実施例である。本実施例における補強部材は今まで述べた実施例と異なり膜状の有機材料7aで形成し、この補強部材7aを発熱抵抗体3の膜式抵抗9が形成してある面の反対面の全面にわたり被覆した構造である。
【0039】本実施例によれば、補強部材7aが発熱抵抗体3の厚みの一部となって、発熱抵抗体の固有振動数をエンジン振動域よりも高める。また、脆性材料で形成した発熱抵抗体3が衝撃力を受ける場合、補強部材7aが緩衝材として作用するため、熱式空気流量計の耐衝撃性を向上させる効果がある。
【0040】図9は本発明の第7実施例であり、補強部材7を支持部材10と同一材料を用いてモールド成形により一体成形したものである。本実施例によれば、補強部材7の材料費及び加工費を安価にできる。
【0041】図10は本発明の第8実施例であり、補強部材7を金属材料により構成して、発熱抵抗体3の膜式抵抗9が形成してある反対面に熱伝導率の低い接着部材13により張り合わせた構造である。本実施例によれば、補強部材7の成形性が良好で、しかも、補強部材7に金属材を用いても、接着部材13の断熱効果により発熱抵抗体3の熱の逃げを抑制して、センサ応答性の低下も防止できる。
【0042】図11は本発明の第9実施例で、補強部材7として熱伝導率の低いセラミック材料により構成したもので、耐振性のほかに、セラミック材料の断熱効果により応答性の低下も防止できる。
【0043】図12は本発明の第10実施例を示すもので、(a)に発熱抵抗体の支持構造を裏側からみた図を、(b)にそのA−A線断面図を示す。本実施例では、補強部材7のうち発熱抵抗体3と接していない面に、発熱抵抗体3から逃げる熱を抑制するための発熱抵抗14を設けた。発熱抵抗14は、補強部材7のうち発熱抵抗体3の接合面と反対側の面に膜式抵抗により形成してある。
【0044】本実施例の熱式空気流量計の駆動回路の一例を図13に示す。図中、パワートランジスタTr1,抵抗Rh1(発熱抵抗体3),R1,R2,R3,Rc(温度補償抵抗4),R7,オペアンプOP1,OP2が空気流量測定のための加熱電流制御回路の構成要素で、符号17が補強部材7に設けた発熱抵抗14の駆動回路で、回路17は空気流量測定回路と電源を共通として、抵抗R11,ツェナーダイオードZD1,抵抗R12,13,オペアンプOP3により定電圧回路を構成して、この定電圧回路17の出力段に発熱抵抗14(Rh2)が電気的に接続され、常に一定電圧を発熱抵抗14に印加して補強部材7を加熱するようにしてある。
【0045】この場合、発熱抵抗14を介して補強部材7に加える熱は、発熱抵抗体3と補強部材7との温度勾配を小さくする程度の熱量である。
【0046】図14に発熱抵抗14を補強部材7に設けた場合と設けない場合の比較データを示す。
【0047】発熱抵抗体3の表面温度分布は、補強部材7に発熱抵抗(以下、加熱部とする)14を付加しない場合、点線で示す通りとなる。空気流量Q=10kg/hの時、l0部の温度T2と支持部材10との差が熱逃げ量となる。補強部材に加熱部14を付加すると、表面温度分布は実線に示す通りとなる。これにより、補強部材7と発熱抵抗体3との間で温度勾配が小となるため、支持部材10への熱逃げ量が小となる。また、発熱抵抗体3の最大発熱温度のうち、l2位置の温度T1と設定しておけば、空気流量が増加した場合においても、発熱抵抗体3への熱伝導による特性影響度は少ない。
【0048】本実施例によれば、発熱抵抗体3からの熱に逃げを抑制してセンサ応答性を高め、しかも計量精度を高めることができる。
【0049】図15は本発明の第11実施例である。本実施例では加熱部14と並設して加熱温度センシング抵抗18を設けたものである。15は導電パターン、16はワイヤである。図16にその制御回路17´を示す。
【0050】加熱部14となる発熱抵抗Rh3と加熱温度センシング抵抗18(Rs1)及び抵抗R14,15によりブリッジ回路を構成し、このブリッジ回路及びオペアンプOP4,パワートランジスタTr2を介して補強部材7を一定温度に加熱して発熱抵抗体3との温度勾配を小さくしたもので、これにより、高精度の熱逃げ防止のための加熱制御が可能となる。
【0051】また、加熱部14の制御回路は、空気流量測定用の発熱抵抗体3の温度に応じて電流値(加熱温度)が変化するよう設定してもよく、このようにすれば熱逃げ防止をより精度良く実行できる。
【0052】
【発明の効果】第1,第2の課題解決手段によれば、センサ応答性,出力特性を良好に保持し、これに用いる発熱抵抗体の機械強度を補強しつつ自動車エンジンで発生する振動との共振を確実に防止できるので、耐振性に優れた熱式空気流量計を提供できる。
【0053】第3の課題解決手段によれば、発熱抵抗体から補強部材及び支持部材へ逃げる熱を抑制できるので、発熱抵抗体で発生した熱は空気流に確実に伝達されるので、応答性及び精度の良い熱式空気流量計を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る熱式空気流量計の正面図及びこれに用いる発熱抵抗体の支持構造を示す斜視図
【図2】上記実施例の要部断面図
【図3】上記実施例に用いる発熱抵抗体の長さ△lと厚さhと固有振動数との関係を示す特性図
【図4】本発明の第2実施例を示す要部斜視図
【図5】本発明の第3実施例を示す要部斜視図
【図6】本発明の第4実施例を示す要部正面図
【図7】本発明の第5実施例を示す要部正面図
【図8】本発明の第6実施例を示す要部斜視図
【図9】本発明の第7実施例を示す要部断面図
【図10】本発明の第8実施例を示す要部断面図
【図11】本発明の第9実施例を示す要部断面図
【図12】本発明の第10実施例を示す要部裏面図及び要部断面図
【図13】第10実施例の駆動回路を示す説明図
【図14】第10実施例の効果を説明するための発熱抵抗体の温度分布特性図
【図15】本発明の第11実施例を示す要部裏面図
【図16】第11実施例の補強部材加熱抵抗の駆動回路を示す説明図
【符号の説明】
1…ボディ、2…制御モジュール、3…発熱抵抗体、4…温度補償抵抗(感温抵抗体)、5…主空気通路、6…副空気通路、7…補強部材、7a…補強部材(被覆部材)、8…ベース、9…薄膜抵抗(発熱抵抗)、10…支持部材、14…補強部材加熱用の発熱抵抗、17,17´…補強部材加熱用の駆動回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気通路に配置される空気流量測定用の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に流れる電流を制御すると共に検出信号を出力する制御モジュールとを備えた熱式空気流量計において、前記発熱抵抗体は板状のベースの表面に膜式抵抗を形成して成り、この発熱抵抗体を片持ちする支持部材には、発熱抵抗体の被支持箇所付近を当てがう補強部材を設け、この補強部材から突出する前記発熱抵抗体の長さ,厚みを、該発熱抵抗体の固有振動数が自動車エンジンで発生する振動域よりも高くなるよう設定して成ることを特徴とする熱式空気流量計。
【請求項2】 請求項1において、前記補強部材は熱伝導率の低い材質で形成してあることを特徴とする熱式空気流量計。
【請求項3】 空気通路に配置される空気流量測定用の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に流れる電流を制御すると共に検出信号を出力する制御モジュールとを備えた熱式空気流量計において、前記発熱抵抗体は板状のベースの表面に膜式抵抗を形成して成り、この発熱抵抗体を片持ちする支持部材には、発熱抵抗体の被支持箇所付近を当てがう補強部材を設け、この補強部材には、前記空気流量測定用の発熱抵抗体から逃げる熱を抑制するための発熱抵抗が設けてあることを特徴とする熱式空気流量計。
【請求項4】 空気通路に配置される空気流量測定用の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体を流れる電流を制御すると共に検出信号を出力する制御モジュールとを備えた熱式空気流量計において、前記発熱抵抗体は板状のベースの表面に膜式抵抗を形成して成り、この発熱抵抗体を片持ちする支持部材には、発熱抵抗体の被支持箇所付近を当てがう補強部材を設け、この補強部材から突出する前記発熱抵抗体の長さ,厚みを、該発熱抵抗体の固有振動数が自動車エンジンで発生する振動域よりも高くなるよう設定し、且つ前記補強部材には、前記空気流量測定用の発熱抵抗体から逃げる熱を抑制するための発熱抵抗が設けてあることを特徴とする熱式空気流量計。
【請求項5】 請求項3又は請求項4において、前記補強部材に設けた発熱抵抗は、前記制御モジュール内に設けた定電圧回路と電気的に接続されて、前記補強部材を一定温度に加熱するよう設定してあることを特徴とする熱式空気流量計。
【請求項6】 請求項3又は請求項4において、前記補強部材に設けた発熱抵抗は、前記制御モジュール内に設けた電流制御回路と電気的に接続されて、前記空気流量測定用の発熱抵抗体の温度に応じて電流値(加熱温度)が変化するよう設定してあることを特徴とする熱式空気流量計。
【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記補強部材はセラミック或いは金属材より成ることを特徴とする熱式空気流量計。
【請求項8】 空気通路に配置される空気流量測定用の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に流れる電流を制御すると共に検出信号を出力する制御モジュールとを備えた熱式空気流量計において、前記発熱抵抗体は板状のベースの表面に膜式抵抗を形成して成り、前記発熱抵抗体は片持ち構造で、該発熱抵抗体のうち膜式抵抗を除く少なくとも一面には、その面全体或いは発熱抵抗体被支持箇所付近に膜状の有機物質を被覆して成ることを特徴とする熱式空気流量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図14】
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【図16】
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【特許番号】第2690655号
【登録日】平成9年(1997)8月29日
【発行日】平成9年(1997)12月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−109514
【出願日】平成4年(1992)4月28日
【公開番号】特開平5−302839
【公開日】平成5年(1993)11月16日
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【上記1名の代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 明夫 (外1名)
【出願人】(000232999)株式会社日立カーエンジニアリング (141)
【上記1名の代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男 (外2名)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−186819(JP,A)
【文献】特開 昭62−36521(JP,A)
【文献】特開 平2−249921(JP,A)
【文献】特開 平4−122818(JP,A)
【文献】特開 平2−226016(JP,A)
【文献】特開 平1−318923(JP,A)