説明

熱応動式スチームトラップ

【課題】 トラップ自体の表面温度を測定することのできる構造が簡単で安価な熱応動式スチームトラップを得ること。
【解決手段】 熱応動式スチームトラップの外表面に取り付けるネームプレート1の表面にサーモラベル2を貼り付ける。サーモラベル2は、内蔵した示温部3,4,5が、ネームプレート1の温度に応じて例えば青色から赤色へと順次に変色することによって、ネームプレート1部の温度が、例えば20℃程度の常温状態であるのか、あるいは100℃程度の高温状態であるのかを表示するものである。
サーモラベル2の示温状態を点検員が目視で確認することによって、トラップの外表面が高いのか低いのかをその場で瞬時に判断することができ、点検員がトラップに触れて火傷することを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種蒸気使用機器や蒸気配管で発生する復水を自動的に排出するスチームトラップに関し、特に、蒸気と復水で加熱冷却されその温度に応じて膨脹収縮する媒体を含む温度制御機素を用いて、所定温度以下の復水を系外へ排出する熱応動式スチームトラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の熱応動式スチームトラップは、例えば特許文献1に開示されている。これは、熱応動式スチームトラップの入口側に温度計を取り付けたもので、設定温度の変動に応じて簡単に温度調節することができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭51−128727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の熱応動式スチームトラップは、スチームトラップの本体に温度計を取り付けなければならず、スチームトラップの構造が複雑となり、また、トラップのコストも高くなってしまう問題点があった。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、トラップ自体の表面温度を測定することのできる構造が簡単で安価な熱応動式スチームトラップを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、蒸気と復水で加熱冷却され、その温度に応じて膨脹収縮する媒体を含む温度制御機素を用いて、所定温度以下の復水を系外へ排出するトラップにおいて、トラップの外表面に取り付けるネームプレートの表面に、周囲の温度変化に応じて表示を自動的に変更するサーモラベルを貼り付けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ネームプレートの表面にサーモラベルを貼り付けたものであるので、構造が簡単で安価に、トラップ自体の表面温度を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係わる熱応動式スチームトラップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。図1は、熱応動式スチームトラップの外表面に取り付けるネームプレート1を示しており、このネームプレート1の表面にサーモラベル2を貼り付ける。サーモラベル2は、内蔵した示温部3,4,5が、ネームプレート1の温度に応じて例えば青色から赤色へと順次に変色することによって、ネームプレート1部の温度が、例えば20℃程度の常温状態であるのか、あるいは100℃程度の高温状態であるのかを表示するものである。
【0010】
このネームプレート1を取り付けた熱応動式スチームトラップの作動状態を、点検員が点検する場合に、サーモラベル2の示温状態を目視で確認することによって、トラップの外表面が高いのか低いのかをその場で瞬時に判断することができ、点検員がトラップに触れて火傷することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、膨脹媒体を含む温度制御機素を用いて各種蒸気使用機器や蒸気配管で発生する所定温度以下の復水を系外へ排出する熱応動式スチームトラップに利用することができる。
【符号の説明】
【0012】
1 ネームプレート
2 サーモラベル
3,4,5 示温部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気と復水で加熱冷却され、その温度に応じて膨脹収縮する媒体を含む温度制御機素を用いて、所定温度以下の復水を系外へ排出するトラップにおいて、トラップの外表面に取り付けるネームプレートの表面に、周囲の温度変化に応じて表示を自動的に変更するサーモラベルを貼り付けたことを特徴とする熱応動式スチームトラップ。

【図1】
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