説明

熱転写ラミネートフィルム、熱転写シート及び画像形成装置

【課題】形成された画像にパール光沢を付与することができる熱転写ラミネートフィルム、熱転写シート及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】本技術の一形態に係る熱転写ラミネートフィルムは、基材フィルム11と、画像保護層13とを具備する。上記画像保護層13は、上記基材フィルム11に設置され、熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有し、上記熱可塑性樹脂100質量部に対する上記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、熱転写ラミネートフィルム、熱転写シート及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、印画紙に形成された画像、例えば、昇華性あるいは熱拡散性染料を使用した昇華型熱転写方式により形成された画像には、その画像保護のために熱可塑性樹脂からなる熱転写性画像保護層をラミネートすることがなされている。
【0003】
熱転写性画像保護層のラミネート方法については、熱ローラを用いてインク画像上に熱圧着する方法が知られている。また、基材フィルムとその基材フィルム上に形成された熱可塑性樹脂からなる熱転写性画像保護層とを有する画像ラミネートフィルムを構成し、サーマルヘッド等を用いて加熱した部分の熱転写性画像保護層のみを画像上に転写することができるようにしたもの、すなわち、熱転写ラミネートフィルムを使用する方法が知られている(例えば特許文献1、2、3参照)。
【0004】
上記のように形成された画像に熱転写性画像保護層をラミネートすることにより、例えば、画像の保存安定性を向上させることが期待できる。さらに、画像保護層によって所望の表面形態を形成する方法が提案されており、例えば特許文献4では、表面平滑性を高めることで、従来よりも高い光沢感を得ることができる超光沢感熱転写ラミネートフィルムが提案されている。
【0005】
また、特許文献5では、パール光沢顔料を含有し、虹彩色および金属光沢を有する画像を形成する方法が提案されている。すなわち、背面層の上に基材シートが積層されてなり、上記基材シートの表面に、顔料または染料を含む第一の着色剤と、離型層とが順に積層されてなり、上記離型層の表面にパール光沢顔料を含む第二の着色剤が積層されてなる熱転写シートが提案されている。しかしながら、同文献では、その熱転写シートと中間熱転写シートを用いて画像を形成する方法において、形成された画像を保護するための保護層を形成する際には、パール光沢顔料を含む第二の着色層と画像を保護するための保護層とを別々に設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−147390号公報
【特許文献2】特開昭60−23096号公報
【特許文献3】特開昭60−204397号公報
【特許文献4】特開2009−292041号公報
【特許文献5】特開2009−202598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、形成された画像にパール光沢を付与することができる熱転写ラミネートフィルム、熱転写シート及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る熱転写ラミネートフィルムは、基材フィルムと、画像保護層とを具備する。
上記画像保護層は、上記基材フィルムに設置され、熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有し、上記熱可塑性樹脂100質量部に対する上記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下である。
【0009】
上記熱転写ラミネートフィルムにおいては、熱転写方式によって画像を形成する際、画像保護層が基材フィルムから剥離し、形成された画像上に転写され、例えば、画像の保存性を向上させる。さらに、画像保護層がパール顔料を含有することによって、画像に対してパール光沢を付与することができる。
【0010】
上記画像保護層に含有されるパール顔料の含有比は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である。これによって、形成された画像に対してパール光沢を十分付与できるとともに、画像の質を維持するのに十分な透過性を得ることができる。
【0011】
上記パール顔料の粒度は、例えば、5μm以上25μm以下である。このような粒度であれば、生産性を妨げることなく画像保護層を形成することができる。
【0012】
上記画像保護層は、紫外線吸収剤をさらに含有してもよい。また、上記画像保護層における上記紫外線吸収剤の含有比は、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対して5質量部以上50質量部以下である。
上記画像保護層が紫外線吸収剤を含有することによって、紫外線によるパール顔料の変性を抑制することができる。
【0013】
上記熱転写ラミネートフィルムは、上記基材フィルムと上記画像保護層の間に設置された、耐熱性樹脂からなる非転写性離型層をさらに具備してもよい。
これにより、画像保護層が熱転写ラミネートフィルムから容易に剥離可能となり、形成された画像上への熱転写も容易となる。
【0014】
上記熱転写ラミネートフィルムは、上記画像保護層に設置された接着層をさらに具備してもよい。
これにより、画像保護層が剥離する際、容易に被記録媒体側に接着できる。
【0015】
本発明の一形態に係る熱転写シートは、基材フィルムと、画像保護層と、インク層とを具備する。
上記画像保護層は、上記基材フィルムに設置され、熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有し、上記熱可塑性樹脂100質量部に対する上記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下である。
上記インク層は、上記基材フィルムに設置される。
【0016】
本発明の一形態に係る画像形成装置は、搬送機構と、熱転写シートと、走行機構と、熱転写ヘッドとを具備する。
上記搬送機構は、被記録媒体を所定方向に搬送する。
上記熱転写シートは、画像保護層と、インク層とを有する。上記画像保護層は、熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有し、上記熱可塑性樹脂100質量部に対する上記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下であり、熱転写して上記画像を保護する。上記インク層は、上記被記録媒体の表面に熱転写して画像を形成する。
上記走行機構は、上記熱転写シートを走行させる。
上記熱転写ヘッドは、上記被記録媒体の表面に上記熱転写シートの上記インク層または上記画像保護層を熱転写させる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本技術によれば、熱転写方式によって形成された画像が保護されると同時に、その画像に対してパール光沢を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本技術の第1の実施形態に係る熱転写ラミネートフィルムの構成を示す部分断面図である。
【図2】本技術の第2の実施形態に係る熱転写ラミネートフィルムの構成を示す部分断面図である。
【図3】本技術の第3の実施形態に係る熱転写ラミネートフィルムの構成を示す部分断面図である。
【図4】本技術の第4の実施形態に係る熱転写ラミネートフィルムの構成を示す部分断面図である。
【図5】本技術の一実施形態に係る熱転写シートの構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)における[B]−[B]線方向の断面図である。
【図6】本技術の一実施形態に係る画像形成装置の主要部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0020】
<第1の実施形態>
[熱転写ラミネートフィルム]
図1は、本発明の一実施形態に係る熱転写ラミネートフィルムの一構成例を示す概略断面図である。
【0021】
本実施形態の熱転写ラミネートフィルム100は、基材フィルム11と、非転写性離型層12と、画像保護層13と、接着層14と、耐熱滑性層15と、プライマー層16との積層構造を有する。
【0022】
図1に示すように、熱転写ラミネートフィルム100は、基材フィルム11と、画像保護層13とを有し、基材フィルム11上に画像保護層13が設置される。基材フィルム11と画像保護層13との間には、プライマー層16、非転写性離型層12とが設置され、画像保護層13上には接着層14が設置されている。また基材フィルム11の上記各層が設置された面と反対側の面には、耐熱滑性層15が設置されている。なお、プライマー層16、非転写性離型層12、接着層14及び耐熱滑性層15の設置は、必要に応じて省略されてもよい。
【0023】
(基材フィルム)
基材フィルム11は、例えば透明なプラスチックフィルムで構成される。基材フィルム11は、特に制限されないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの汎用プラスチックフィルム、およびポリイミドフィルムのようなスーパーエンジニアリングプラスチックフィルムにより構成されている。このような材料は、積層された各層を保持できるとともに、熱転写時に付加される熱に対しても十分な耐性を持つ。また、基材フィルム11の形成方法として、典型的には、二軸延伸、縦延伸などの延伸処理方法が採用され、厚みは、十分な耐熱性、機械的強度等を有していれば、特に制限されない。
【0024】
(プライマー層)
プライマー層16は、基材フィルム11の表面に形成される。プライマー層16は、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂から構成されるが、特に限定されず、基材フィルム11及び非転写性離型層12のそれぞれの樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。なお、プライマー層16は、基材フィルム11と非転写性離型層12との密着性を高めるためのものであるため、基材フィルム11と非転写性離型層12とが十分な接着性を有する場合には、省略されてもよい。
【0025】
プライマー層16は、典型的には、基材フィルム11の延伸処理前に数μmの厚みで形成される。その後、基材フィルム11を例えば2軸延伸処理することによって、均一な厚みのプライマー層16を形成することができる。プライマー層16の厚みは特に限定されないが、例えば1μm以下で、均一であればよい。
【0026】
(非転写性離型層)
非転写性離型層12は、プライマー層16の上に形成される。非転写性離型層12は、例えば、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、それらの共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、及びセルロース誘導体などの耐熱性樹脂により構成される。このような材料で構成された非転写性離型層12を設けることによって、画像保護層13を基材フィルム11上から容易に剥離させることができる。
【0027】
非転写性離型層12を形成する方法としては、グラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、ロールコーティングなど、その他様々な形成方法で上記樹脂を含む塗工液を塗工および乾燥する方法が挙げられる。また、非転写性離型層12の厚みは特に限定されず、例えば0.1〜5μm程度の塗工膜厚で十分な耐熱性が得られ、その機能も損なわれない。
【0028】
(画像保護層)
画像保護層13は、非転写性離型層12の表面に形成される。画像保護層13は、透光性を有する熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有する。熱可塑性樹脂は特に制限されないが、例えばポリメチルメタクリレートなどが用いられる。
【0029】
画像保護層13は、熱転写方式によって画像を形成する際、非転写性離型層12から剥離し、形成された画像上に転写され、例えば、画像の保存性を向上させる。その他にも、画像保護層13に含有される熱可塑性樹脂によっては、形成された画像に対して様々な機能を付与できる。例えば、耐ガス性、耐光堅牢性、耐可塑剤性、耐摩耗性、耐皮脂性及び筆記・捺印性の付与、並びに印刷物表面へのマット調などの機能を付与できる。また、熱転写時のエネルギーを不均一に変化させることにより絹目調等の所望の表面形態の形成が可能である。さらに、画像保護層13にパール顔料が含まれているため、容易かつ低廉な方法で画像にパール光沢を付加することができる。
【0030】
パール顔料は、典型的には、天然の雲母に酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物をコートした顔料であり、屈折率の高い酸化チタン層と、屈折率の低い雲母およびその周辺媒体との境界にて入射した光が規則的に多重反射を起こすことによりパール光沢を発現するものである。このほかにも、人工的に合成されたアルミナフレークに金属酸化物をコートしたもの、人工的に合成されたシリカフレークに金属酸化物をコートしたもの、あるいはフレーク状ガラスを基材として、その表面に酸化チタンをコートしたものなどが用いられる。
【0031】
さらに具体的には、本技術において使用可能なパール顔料として、メルク社製パール顔料(「Iriodin100」シリーズ、「Iriodin200」シリーズ、「Iriodin300」シリーズ、「Iriodin500」シリーズ、「Biflair」シリーズ、「Xirallic」シリーズなど)が挙げられる。「Iriodin100」シリーズは、酸化チタンの被覆率や粒度の違いにより、銀白色パール光沢が得られるものであり、粒度が大きいものはメタリック超のきらきらした光沢を、粒度が小さいものは絹に似た柔らかい光沢を発現する。「Iriodin200」シリーズは、酸化チタン層の膜厚により、入射光の一部が透過して、それぞれ反射色と透過色に分けられる虹彩色タイプとなる。「Iriodin300」シリーズは、天然雲母の表面に酸化チタンをコーティングし、さらに酸化鉄が加わることでパール光沢とカラーが一体となり単一色に見えるものである。更に、「Iriodin500」シリーズは、天然雲母の表面に直接酸化鉄をコーティングし、着色力、光沢ともに強い効果を有し、その色は金属調となっている。「Biflair」シリーズは、マイカ系パールとは異なる光沢感を有しながらも強い輝度感が得られるビスマス系(オキシ塩化ビスマス)パール顔料である。「Xirallic」シリーズは、人工的に合成されたアルミナフレークに金属酸化物を被覆した新規エフェクト顔料であり、輝度感、深み感、高彩度の意匠を付与することができるものである。
【0032】
画像保護層13におけるパール顔料の含有比は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である。パール顔料の含有量が熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分にパール光沢を付与できないことがあり、10質量部を超えると、透過性が低下することがある。パール顔料の含有比が、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であれば、形成された画像に対してパール光沢を十分付与できるとともに、画像の質を維持するのに十分な透過性を得ることができる。
【0033】
上記パール顔料の粒度は特に制限されず、例えば、5μm以上25μm以下である。画像保護層13は、例えばグラビアコーティングによって形成されるが、典型的には線数が150〜250LPIのグラビア版胴が用いられる。その際、パール顔料の粒度が25μm以下であれば、容易に形成でき、生産性も維持することができる。また、5μm以上であれば、形成された画像に対して視覚的に十分認識可能なパール光沢を付加することができる。
【0034】
さらに、画像保護層13は紫外線吸収剤を含有してもよい。パール顔料が、例えばビスマス系の材料から形成されている場合、紫外線に対して不安定な性質を有することがある。これを抑制するため、紫外線吸収剤として、例えば、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、シュウ酸アニリド誘導体などが用いられる。画像保護層13が紫外線吸収剤を含有することによって、より低廉かつ安定的にパール光沢を発現させることができる。また、紫外線吸収剤の含有比は、熱可塑性樹脂100質量部に対して5質量部以上50質量部以下でもよい。この含有比であれば、紫外線吸収作用を十分に発揮できるとともに、画像保護層13の特性にも影響を及ぼさない。
【0035】
画像保護層13を形成する方法としては、グラビアコーティングのほかに、グラビアリバースコーティング、ロールコーティングなど、その他様々な形成方法で上記樹脂及びパール顔料等を含む塗工液を塗工および乾燥する方法が挙げられる。また、画像保護層13の厚みは特に限定されず、例えば、塗工膜厚が0.1〜20μmの範囲で任意に設定可能である。
【0036】
(接着層)
接着層14は、画像保護層13の表面に形成される。接着層14は、例えば、ポリエステル系、アクリル系、セルロース系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂などから形成されるが、画像保護層13を容易に被記録媒体側に接着させることができれば特に制限されない。
【0037】
基材フィルム11上に接着層14を形成する方法としては、グラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、ロールコーティングなど、その他様々な形成方法で上記樹脂を含む塗工液を塗工および乾燥する方法が挙げられる。また、厚みは特に限定されず、例えば、塗工膜厚が0.1〜10μmの範囲で任意に設定可能である。
【0038】
(耐熱滑性層)
耐熱滑性層15は、基材フィルム11の裏面に形成される。耐熱滑性層15は、熱転写ヘッド(図示せず)と基材フィルム11がスティッキングあるいは融着することなく、走行可能とするために設置する。なお、基材フィルム11の耐熱性やスリップ性が良好である場合には、特に設けなくてもよい。また、耐熱滑性層15を構成する材料としては、耐熱性が高く、熱転写ヘッドとの間の摩擦係数が加熱時、非加熱時とに依らず、ほとんど一定に保つことができるような材料であれば特に限定されず、例えば、酢酸セルロース、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などを用いることができる。
【0039】
以上のように構成される本実施形態の熱転写ラミネートフィルム100においては、画像保護層13がパール顔料を含有している。よって、画像保護層13がインク画像上に熱転写し、かつ形成された画像の保存性等を向上させるとともに、パール光沢を付加することが可能となる。すなわち、容易かつ低廉に、パール光沢を有する画像を形成することができる。また、パール顔料の含有比は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である。このような含有比であれば、形成された画像に対してパール光沢を十分付与できるとともに、画像の質を維持するのに十分な透過性を得ることができる。
【0040】
<第2の実施形態>
図2は、本技術の第2の実施形態に係る熱転写ラミネートフィルムの一構成例を示す概略断面図である。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0041】
本実施形態の熱転写ラミネートフィルム200は、基材フィルム11と、非転写性離型層12と、画像保護層13と、耐熱滑性層15と、プライマー層16との積層構造を有する。形成された画像上に画像保護層13が容易に転写できる場合には、図2のように接着層14は設置されなくてもよい。これによって、熱転写ラミネートフィルム200の製造工程が減少し、短時間かつ低廉に製造することが可能となる。
【0042】
<第3の実施形態>
図3は、本技術の第3の実施形態に係る熱転写ラミネートフィルムの一構成例を示す概略断面図である。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0043】
本実施形態の熱転写ラミネートフィルム300は、基材フィルム11と、画像保護層13と、接着層14と、耐熱滑性層15との積層構造を有する。基材フィルム11から画像保護層13が容易に剥離できる場合には、図3のように非転写性離型層12及びプライマー層16は設置されなくてもよい。これによって、熱転写ラミネートフィルム300の製造工程が減少し、短時間かつ低廉に製造することが可能となる。
【0044】
<第4の実施形態>
図4は、本技術の第4の実施形態に係る熱転写ラミネートフィルムの一構成例を示す概略断面図である。本実施形態では、第1の実施形態の構成および作用と同様な部分についてはその説明を省略または簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0045】
本実施形態の熱転写ラミネートフィルム400は、基材フィルム11と、画像保護層13と、耐熱滑性層15との積層構造を有する。基材フィルム11から画像保護層13が容易に剥離でき、さらに画像保護層13が形成された画像上に容易に転写できる場合には、図4のように非転写性離型層12、接着層14及びプライマー層は設置されなくてもよい。これによって、熱転写ラミネートフィルム400の製造工程が減少し、短時間かつ低廉に製造することが可能となる。
【0046】
<第5の実施形態>
以上のように構成される熱転写ラミネートフィルムは、例えばインクリボン等の熱転写シートに使用することができる。以下、上述した熱転写ラミネートフィルム100の構成を有する熱転写シートについて説明する。
【0047】
[熱転写シート]
図5は、本技術の一実施形態に係る熱転写シートを示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)における[B]−[B]線方向の断面図である。熱転写シート30は、基材フィルム11と、基材フィルム11上に設置された画像保護層13と、インク層31とを有する。
【0048】
熱転写シート30は、基材フィルム11の第1面S1側に、プライマー層16を介し、その搬送方向に沿ってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各インク層31(31Y、31M、31C)が形成されている。また、上記基材フィルム11の第1面S1側に、プライマー層16を介して、非転写性離型層12と、画像保護層13と、接着層14とが設置されている。基材フィルム11の裏面(第2面S2)側には、熱転写ヘッドとインクリボンとの摩擦を下げ、熱転写シート30の安定した走行をさせるために、耐熱滑性層15が形成されている。なお、非転写性離型層12、画像保護層13及び接着層14と、これらが設置された基材フィルム11、プライマー層16及び耐熱滑性層15の一部は、図1を参照して説明した熱転写ラミネートフィルム100を形成する。
【0049】
なお、基材フィルム11と非転写性離型層12とが十分な接着性を有する場合には、プライマー層16を設置しなくてもよい。また、基材フィルム11から画像保護層13が容易に剥離できる場合には、非転写性離型層12を設置しなくてもよく、画像保護層13が容易に形成された画像上に転写できる場合には、接着層14を設置しなくてもよい。さらに、基材フィルム11の耐熱性やスリップ性が良好である場合には、耐熱滑性層15を設置しなくてもよい。
【0050】
上記インク層31(31Y、31M、31C)、熱転写ラミネートフィルム100は、順次周期的に形成された構成となっており、上記熱転写ラミネートフィルム100は、上記インク層31(31Y、31M、31C)に続いて配置されている。また熱転写シート30では、各インク層31(31Y、31M、31C)の各端部と熱転写ラミネートフィルム100の近傍にセンサーマーク35が形成されている。
【0051】
各インク層31(31Y、31M、31C)は、典型的には昇華性染料からなる。また、バインダー樹脂として、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酪酸酢酸セルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、または各種樹脂を含有することができる。
【0052】
各インク層31(31Y、31M、31C)の色素染料は、バインダー樹脂中に分散または溶解した状態で存在している。色素染料の材料は、特に限定されないが、具体的には以下のような材料が使用される。すなわち、イエロー染料として、例えば、アゾ系、ジスアゾ系、メチン系、スチリル系、ピリドン・アゾ系またはそれらの混合系が使用される。マゼンタ系染料として、例えば、アゾ系、アントラキノン系、スチリル系、複素環系アゾ染料またはそれらの混合系が使用される。シアン系染料として、例えば、アントラキノン系、ナフトキノン系、複素環アゾ染料、インドアニリン系またはそれらの混合系染料が使用される。なお典型的には、これらの色素染料は、複数種類混合して使用されることが多い。
【0053】
色素染料は、典型的には、各インク層31中より色素染料分子単位で熱拡散するような熱移行性を有するものが用いられる。色素染料に要求される特性としては、例えば、熱転写ヘッドの熱エネルギー範囲で、熱分解しないこと、合成が容易であること、画像保存性に優れていること(熱、光、温度、薬品に対して安定であること)、好ましい吸収波長帯を有すること、インク層中にて再結晶化しにくいこと等が挙げられる。
【0054】
上記熱転写シート30を用いて画像形成装置(例えば熱転写プリンター)により熱転写印刷を行う場合には、プリンターの熱転写ヘッドにより、上記熱転写ラミネートフィルム100のうち、画像保護層13および接着層14の部分をインク画像上に熱転写することにより所望の画像を得ることできる。すなわち、熱転写シート30上のインク層31が熱転写されて画像が形成された後に、熱転写シート30上の一部に形成された熱転写ラミネートフィルム100のうち、非転写性離型層12と画像保護層13との界面で剥離が起こり、画像保護層13およびその上に設けられた接着層14がインク画像上に熱転写される。
【0055】
本実施形態の熱転写シート30においては、画像保護層13がパール顔料を含有している。よって、画像保護層13がインク画像上に熱転写し、かつ形成された画像の保存性等を向上させるとともに、パール光沢を付加することが可能となる。すなわち、容易かつ低廉に、パール光沢を有する画像を形成することができる。また、パール顔料の含有比は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である。このような含有比であれば、形成された画像に対してパール光沢を十分付与できるとともに、画像の質を維持するのに十分な透過性を得ることができる。
【0056】
<第6の実施形態>
以上のように構成された熱転写シート30は、例えばプリンター等の画像形成装置に使用することができる。
[画像形成装置]
【0057】
図6は、本技術の一実施形態に係る画像形成装置50の主要部の概略構成図である。画像形成装置50は、搬送機構としてプラテン65と、熱転写シート30と、走行機構として供給リール61及び巻き取りリール62と、熱転写ヘッド51とを有する。供給リール61は熱転写シート30を供給し、巻き取りリール62は熱転写シート30を巻き取る。それとともに、ガイドローラ63、64は熱転写シート30を印刷位置に案内する。熱転写ヘッド51はガイドローラ63、64の間に設定される。また、プラテン65は、被記録媒体71(以下、受像シート71として説明する。)を回転させることで、熱転写ヘッド51に対応する印刷位置に搬送する。この受像シート71には、熱転写による印刷が可能な用紙、例えば印画紙が用いられる。
【0058】
上記構成の主要部の一例を、以下に説明する。
【0059】
供給リール61に巻かれた熱転写シート30は、ガイドローラ63、64によって支持された状態で、駆動モータ(図示せず)により回転駆動される巻き取りリール62に巻き取られる。供給リール61には、例えば、図示しないトルクリミッタが配置され、一定のトルクで熱転写シート30にバックテンションを与えている。また、巻き取りリール62には、例えば、図示しない光学センサにより構成される巻き取り検出用エンコーダが配置されている。
【0060】
熱転写シート30には、前述したように、例えば、一頁分の染料としてイエロー、マゼンタおよびシアンの色染料がそれぞれ所定の長さで塗布されている。また、熱転写シート30は各頁分の色染料の先頭位置に頁先頭マークおよび巻き径マークが塗布されているとともに、各色染料の先頭位置に各色を識別する色識別マークが塗布されている。上記各マークは、前述したセンサーマーク35(図5参照)に対応する。
【0061】
これにより画像形成装置50では、熱転写シート30の走行経路に設けられた光学センサ52がそれぞれ頁先頭マークおよび色識別マークを検出し、この検出結果に基づいて熱転写シート30の各染料の先頭部分の位置決めを行う。
【0062】
図示はしないが、上記熱転写ヘッド51は、回転軸によって回転自在に保持された加圧レバー53の一端に着脱自在に取り付けられている。加圧レバー53の他端はリンクを介してカム板に揺動自在に取り付けられている。これにより、熱転写ヘッド51は、ヘッド駆動モータによって上記カム板が回転駆動されることにより昇降され、上下方向に移動可能な中間位置、この中間位置から上昇してリボンから離間する初期位置、中間位置から下降して受像シート71に当接する最下位置に位置決めされている。これによって、熱転写ヘッド51は熱転写シート30を装填する際等には初期位置に移動し、プラテン65上に受像シート71が載置された際には最下位置に移動する。
【0063】
ヘッドユニットの昇降状態は、例えば、カム板の切り欠き部の近傍に設けられた光学センサによって検出される。熱転写ヘッド51は端面型で構成され、受像シート71の幅方向全体にわたって熱転写シート30を介して受像シート71に当接する。これにより受像シート71が矢印の方向に移動されると受像シート71の全面にわたって所望の画像が印刷されるようになっている。
【0064】
上記のような主要部を有する画像形成装置50を用いて、受像シート71に所望の画像を印刷する。
【0065】
次に、印画紙上への画像形成方法について説明する。
【0066】
画像形成装置50で使用される熱転写シート30には、巻き取り側(巻き取りリール62)から供給側(供給リール61)に向かって、例えば、図5によって説明したように、イエローインクのインク層31Y、マゼンタインクのインク層31M、シアンインクのインク層31Cおよび画像保護層13が順番で繰り返し配列された熱転写シート30を用いる。
【0067】
そして上記画像形成装置50を用いることによって、イエロー、マゼンタ、シアンの順で各色成分の画像を、受像シート71の表面に設けられた受像層(印刷面)側に昇華熱転写した後、画像保護層13を印画面の全面に昇華熱転写する。このように、この画像形成装置50では、画像保護層13によるラミネート工程は他の色情報の画像形成と同一の工程で行われる。
【0068】
上記カラープリントでは、耐光性、耐皮脂性等を上げるために、印刷した後、その表面に画像保護層13を形成することから、印刷された画像の退色を抑制し、保存性を高めることができる。さらに、画像保護層13はパール顔料を含有している。よって、容易かつ低廉に、パール光沢を有する画像を印刷することができる。また、パール顔料の含有比は、熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である。このような含有比であれば、形成された画像に対してパール光沢を十分付与できるとともに、画像の質を維持するのに十分な透過性を得ることができる。
【実施例】
【0069】
以下、本技術の熱転写ラミネートフィルムに係る一実施例について説明する。
【0070】
[熱転写ラミネートフィルムの製造]
4.5μm厚の基材フィルム(ポリエステル、三菱樹脂製K604E4.5W)上に、表1に示す非転写性離型層の組成物を、乾燥厚でおよそ1.0μmとなるように塗工し、乾燥(90℃、1分)させ、非転写性離型層を形成した。
【0071】
【表1】

【0072】
続いて、上述した非転写性離型層の上に、表2及び表3に示した画像保護層形成用組成物をそれぞれ乾燥厚で0.8μmとなるように塗工し、乾燥(90℃、1分)し、画像保護層を形成した。
【0073】
【表2】

【0074】
【表3】

【0075】
続いて、上記の実施例1〜6及び比較例1〜3からなる画像保護層の上に、表4に示す接着層の形成用組成物を乾燥厚で0.8μmとなるように塗工し、乾燥(100℃、1分)させ接着層を形成した。
【0076】
【表4】

【0077】
続いて、上記基材フィルムの、非転写性離型層、画像保護層、接着層が形成された面とは反対側の面上に、表5に示す耐熱滑性層形成用組成物を乾燥厚で0.4μmとなるように塗布し、乾燥(100℃、1分)させ耐熱滑性層を形成した。
【0078】
【表5】

【0079】
以上のように、実施例1〜6として、第1の実施形態として説明した熱転写ラミネートフィルム100を製造し、比較例1〜3として、同様の構造を持つ熱転写ラミネートフィルムを製造した。
【0080】
さらに、画像保護層に対する紫外線吸収剤の添加についての評価を行うために、同様の工程によって、実験例1、2からなる熱転写ラミネートフィルムを製造した。実験例1、2それぞれの画像保護層形成組成物を表6で示す。なお、実験例における基材フィルム、非転写性離型層、接着層及び耐熱滑性層の形成組成物は実施例、比較例と同様である。
【0081】
【表6】

【0082】
以下、上記実施例、比較例並びに実験例の評価について説明する。
【0083】
[熱転写ラミネートフィルムの評価]
製造された各熱転写ラミネートフィルムを用いて、ソニー株式会社製「UP−DR150」プリンターにて、ソニー株式会社製「UP−DR150」用純正印画紙(2UPC−R154)に白ベタを印刷し、その得られた画像のパール光沢評価および透過性評価を目視で行うことにより、画像保護層中にパール顔料を含有した熱転写性ラミネートフィルムの効果を検証した。
【0084】
パール光沢の目視評価基準に関しては、画像保護層にパール顔料を含有していない比較例3と比較して、画像表面がパール光沢を有していると目視で確認できる場合に○評価とする。パール顔料を含有しているにもかかわらず、比較例3と同様にパール光沢を有していないと目視で確認できる場合に×評価とする。
【0085】
一方、透過性の目視評価基準に関しても、パール顔料を含有していない画像保護層を有する比較例3を基準として判断した。すなわち、比較例3における、画像保護層を転写して得られる画像と、画像保護層を転写する前の画像との見え方を基準として、それぞれの実施例及び比較例においても、画像保護層の転写前後の見え方を評価する。比較例3と同等の見え方をしている場合には○評価とし、見えにくくなっている場合には×評価とする。
【0086】
さらに、紫外線吸収剤の添加についても実験例を用いて評価を行った。紫外線吸収剤を添加している実験例1と、添加していない実験例2に対して紫外線照射試験を行うことにより、画像保護層中にパール顔料と紫外線吸収剤とを添加する効果を検証した。この評価方法についても目視評価を行い、紫外線照射前後で画像のパール光沢に変化がなければ○評価とし、光沢が失われた、黒点が形成された等の変化がみられたら×評価とする。
【0087】
表7は、得られた画像のパール光沢の目視評価および透過性の目視評価を示している。画像保護層中に、パール顔料を熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上含有することにより、パール光沢を発現していることが確認された。一方、透過性の評価より、パール顔料の含有量が、画像保護層を形成する熱可塑性樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であれば、比較例3と同等の透過性を示しているが、含有量が10質量部を超えると、比較例3に対して、透過性の低下が見られることが確認された。
【0088】
【表7】

【0089】
表8は、パール光沢を発現する画像の紫外線照射試験評価を示している。紫外線照射試験条件は、低温サイクルキセノンウェザーメーター「XL75S」(スガ試験機製)を用いて、照度60000luxで60時間、連続照射している。実験例1は、パール顔料にオキシ塩化ビスマス等が含有されているが、画像保護層に紫外線吸収剤を含有することで、紫外線照射試験に対し、安定的に耐性を示すことが確認された。一方、実験例2にも、パール顔料にオキシ塩化ビスマス等が含有されているが、紫外線吸収剤を添加していない。この場合、紫外線照射試験を行うとオキシ塩化ビスマスの分解が起こり、ビスマスが析出し、黒点が形成され、×評価となった。
【0090】
【表8】

【0091】
以上の結果より、熱転写ラミネートフィルムに関して、熱可塑性樹脂100質量部に対する前記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下である画像保護層を有する場合は、パール光沢が確認できるとともに、印刷された画像に対しても十分な透過性を有することが確認された。さらに、パール顔料とともに紫外線吸収剤を添加することによって、パール光沢が安定的に発現することが確認された。
【0092】
以上、本技術の実施形態について説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0093】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)基材フィルムと、
前記基材フィルムに設置され、熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有し、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下である画像保護層と
を具備する熱転写ラミネートフィルム。
(2)前記(1)に記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記パール顔料の粒度は、5μm以上25μm以下である熱転写ラミネートフィルム。
(3)前記(1)または(2)に記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記画像保護層は、紫外線吸収剤をさらに含有する熱転写ラミネートフィルム。
(4)前記(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記画像保護層は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記紫外線吸収剤の含有比が5質量部以上50質量部以下である熱転写ラミネートフィルム。
(5)前記(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記基材フィルムと前記画像保護層の間に設置された、耐熱性樹脂からなる非転写性離型層をさらに具備する熱転写ラミネートフィルム。
(6)前記(1)から(5)のうちいずれか1つに記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記画像保護層に設置された接着層をさらに具備する熱転写ラミネートフィルム。
【符号の説明】
【0094】
100、200、300、400…熱転写ラミネートフィルム
11…基材フィルム
12…非転写性離型層
13…画像保護層
14…接着層
30…熱転写シート
50…画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムと、
前記基材フィルムに設置され、熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有し、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下である画像保護層と
を具備する熱転写ラミネートフィルム。
【請求項2】
請求項1に記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記パール顔料の粒度は、5μm以上25μm以下である熱転写ラミネートフィルム。
【請求項3】
請求項1に記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記画像保護層は、紫外線吸収剤をさらに含有する熱転写ラミネートフィルム。
【請求項4】
請求項3に記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記画像保護層は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記紫外線吸収剤の含有比が5質量部以上50質量部以下である熱転写ラミネートフィルム。
【請求項5】
請求項1に記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記基材フィルムと前記画像保護層の間に設置された、耐熱性樹脂からなる非転写性離型層をさらに具備する熱転写ラミネートフィルム。
【請求項6】
請求項1に記載の熱転写ラミネートフィルムであって、
前記画像保護層に設置された接着層をさらに具備する熱転写ラミネートフィルム。
【請求項7】
基材フィルムと、
前記基材フィルムに設置され、熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有し、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下である画像保護層と、
前記基材フィルムに設置されたインク層と
を具備する熱転写シート。
【請求項8】
被記録媒体を所定方向に搬送する搬送機構と、
熱可塑性樹脂とパール顔料とを含有し、前記熱可塑性樹脂100質量部に対する前記パール顔料の含有比が0.5質量部以上10質量部以下であり、熱転写して前記画像を保護する画像保護層と、前記被記録媒体の表面に熱転写して画像を形成するインク層とを有する熱転写シートと、
前記熱転写シートを走行させる走行機構と、
前記被記録媒体の表面に前記熱転写シートのインク層または画像保護層を熱転写させる熱転写ヘッドと
を具備する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−183684(P2012−183684A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47231(P2011−47231)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】