説明

熱転送方法と、熱転送装置およびシステム

第1の気体吸着剤材料と、その第1の気体吸着剤材料とは熱的に比較的隔離されているが、第1の気体吸着剤材料と連続的に気体を連通する第2の気体吸着剤材料とを使用して、熱を伝導するための方法、装置、システムを開示する。第1のステップでは、第1の材料は、第1の材料に吸着されている気体を脱着するために加熱され、それによって気体は第2の材料へ通過し、そこで吸着される。第2のステップでは、第1の材料は、気体が第2の材料から脱着し、そこを通って第1の吸着剤材料へ再度吸着されるように冷却される。気体が第2の材料から脱着されるとき、第2の材料は従って冷却される。このようにして、高温の気体流が別の気体流の冷却に使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転送方法と、熱転送のための装置およびシステムに関する。本発明は1つの流体(気体または液体)の熱を別の流体を冷却するために使用する、脱着冷却装置として特定の応用を発見するが、この文脈で説明されているようにこれに限定されない。さらに、本発明は反対に、加熱された流体の冷却を強化するために応用されることができる。任意のケースで、本発明は広範囲の産業および文脈で応用を発見する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業は温暖および高温プロセスで廃棄ガスを大気中に排出し、気体を廃棄し、それによって熱エネルギが失われる。これはさらに環境の温暖化を促すことになりかねない。排水のような温かい流体も環境に放出される可能性がある。この廃棄された熱エネルギの幾分かでも捕捉されて、その産業または他で使用されることが望ましい。
【0003】
米国特許第5,522,228号明細書には、二酸化炭素の吸着及び脱着により、冷却を生成する装置が開示されている。その装置は活性化された炭素と沸石をそれぞれ詰め込まれ、弁13を有する導管12により接続されている2つの容器10、11を備えている。熱交換装置14は容器10の周辺に設けられ、ヒータ15が容器11の周辺に設けられている。
【0004】
動作において、容器10は−50℃まで冷却され、容器11中の沸石は190℃である。弁13が開かれ、二酸化炭素が、活性化された炭素から脱着され、これは容器10を0度まで暖める。しかしながら、脱着が活性化された炭素から熱を抽出するとき、恐らく、加熱された流体は熱交換器14を通過し、容器10を0℃まで暖める。脱着された二酸化炭素は容器11へ通過し、沸石により吸着され、45℃まで冷却される。吸着は沸石を加熱し、恐らく、幾つかのタイプの冷却が容器11を45℃まで冷却するために使用される。
【0005】
その後、弁が閉じられ、容器10は0℃から30℃(周囲温度)まで暖められることを可能にされる。同時に、容器11はヒーター15によって、45℃から70℃まで加熱される。
【0006】
その後、弁が開かれ、容器11がヒーター15によって70℃から200℃まで加熱され、これは二酸化炭素を沸石から脱着し、二酸化炭素を容器10中の活性化された炭素へ送り、吸着させる。これによって、吸着は、活性化された炭素を加熱するので、恐らく熱交換器14中で冷却流体を循環することによって、活性化された炭素は30℃から−40℃まで冷却される(即ち、熱力学的には、吸着熱の解放により、−40℃までの自己冷却は不可能である)。
【0007】
容器11の加熱は、その後停止され、200℃から190℃までの冷却が可能にされる。弁を開くと、これは容器10、11の両者で圧力の低下を生じさせ、活性化された炭素はサイクルを完了するために−40℃から−50℃まで温度が降下する。この冷却はその後、流体が交換器14を通過することにより使用されることができる。
【0008】
米国特許第5,522,228号明細書記載の装置では、沸石の再生期間中に、容器10中の二酸化炭素の圧力を維持することが必要とされるので、弁13は必須である。弁が閉じられないならば、二酸化炭素は単に、炭素から脱着し、容器10の事前冷却時に沸石に通過し、それによって冷却相中に、ほとんど冷却が観察されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
米国特許第5,522,228号明細書の教示とは対照的に、本発明は、2つの容器間での周期的な弁の閉/開の複雑性を必要とせず、−50℃付近の開始温度も必要としない方法、装置、システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、その第1の特徴では、第1及び第2の気体吸着材料を使用して、熱を転送する方法を提供する。米国特許第5,522,228号明細書とは反対に、本発明の方法では、第2の材料は第1の材料から比較的に熱的に隔離されているが、連続的に気体と連通している。この方法は、
(i)第1の材料に吸着された気体を脱着するように第1の材料を加熱し、それによって気体は第2の材料へ送られて吸着され、
(ii)気体が第2の材料から脱着され、そこから第1の材料へ再度吸着されるように、第1の材料を冷却し、
それによって第2の材料は、気体をそこから脱着することにより、冷却されるステップを含んでいる。
【0011】
高温の流体流(例えば廃棄ガスまたは処理液体)は、第1の材料に吸着された気体を脱着するように第1の材料を加熱するために使用され、同時に、高温の流体流は冷却されることができる。その後、冷却を必要とする別の流体流が第2の材料と熱的な連通され、それ故、第2の材料はそこからの気体の脱着により冷却され、他の流体流が冷却されることができる利点がある。換言すると、有効に、1つの流体流の熱は別の流体流の冷却に使用されることができる。
【0012】
さらに、第2の材料が第1の材料と連続的に気体の連通することを確実にすることによって、特に米国特許第5,522,228号明細書の装置と比較するとき、多数のシステム、装置、動作の簡潔性および効率が改良され、これは以下の説明により明白になるであろう。例えば装置は周囲温度で開始されることができ、外部の冷却源を必要としない。さらに、連続的なガスの連通のために、動作中の圧力変化は直ちに変換され、適合され、弁、外部ヒータ等の補償のための装置は必要とされない。
【0013】
この明細書で使用されている表現“比較的に熱的に隔離されている”は、第1及び第2の吸着剤材料が十分に熱的に隔離されており、それによって必要な/所望される冷却脱着(またはその逆)が得られることを妨害しない程度まで、一方の吸着剤材料が、他方の吸着剤材料に影響せずに、加熱または冷却されることができることを意味することを意図している。さらに、熱的な隔離は第1及び第2の吸着剤材料を相互から間隔を隔て、および/または絶縁することにより強化されることができる。
【0014】
典型的に、ステップ(i)において、第1の材料は、(例えば熱交換構造を介する)比較的高温の流体流からの熱伝導により加熱される。高温の流体流は処理廃棄ガスまたは液体である可能性がある。
【0015】
随意選択的に、ステップ(i)において、第1の材料が加熱されている期間中に、第2の材料は、冷却流体流による熱伝導により、第1の材料に関して冷却される。この冷却はさらに、第2の材料への気体の吸着を促進する。冷却流体流は例えば周囲空気流であってもよい。
【0016】
典型的に、ステップ(ii)においては、第1の材料は、周囲への熱伝導により、または冷却流体流による熱伝導により、第2の材料に関して冷却される。再度述べるが、冷却流体流は周囲空気の流であってもよい。
【0017】
典型的に、ステップ(ii)では、第2の材料がそこからのガスの脱着により冷却されている間に、(例えば熱交換構造を介して)別の流体(気体または流体)流を冷却するために使用される。典型的に、この別の流体は、冷却を必要とするか冷却から恩恵を得る処理ガスまたは液体であり、例えば冷却されるか、処理において使用される周囲空気であってもよい。
【0018】
各流体流の流体は気体または液体であってもよい。例えば、前述したように、高温の流体流は処理廃棄ガスまたは排出ガスであってもよく、その熱は通常は、廃棄される。さらに、冷却流体流による熱伝導は通常、第1及び第2の材料を(例えばそれぞれ高温の流体または冷却された流体流で使用されるのと同一または異なる熱交換構造を介して)例えば周囲空気流と選択的に熱的な連通をさせることによって実現される。
【0019】
さらに、典型的に、第2の材料からの気体の脱着が完了に到達すると、第2の材料は他の流体流からの熱伝導により僅かに加熱されることを可能にされ、それ故第2の材料はガスがそこに吸着される前に、ステップ(i)の温度に対応するレベルまでその温度を回復するために、丁度十分な温度に加熱され、それによってサイクルを完了する。
【0020】
典型的に、第1の気体吸着剤材料は、第2の気体吸着剤材料とは異なる吸着力を有している。使用において、これは材料間で気体が動作するための駆動力を提供する。典型的に、第1の気体吸着剤材料は、第2の気体吸着剤材料とは異なる材料である。これに関して、第1の気体吸着剤材料は分子ふるいを含むことでき、第2の吸着剤材料は、活性化された粉末を含むことができる。代わりに、第1及び第2の吸着剤材料はそれぞれ分子ふるいで構成されることができ、または異なる吸着力のそれぞれ活性化された粉末で構成されることができる。各分子ふるいは沸石であってもよく、各活性化された粉末は活性化された炭素であってもよく、第1及び第2の吸着剤材料と共に使用される気体は二酸化炭素であってもよい。
【0021】
典型的に、この気体は周囲圧力に関して加圧される。気体に対する方法の典型的な動作圧力は、約0.5MPaである。
【0022】
典型的に、方法の開始ステップ(i)の前には、気体および第1及び第2の材料は通常、周囲温度である。
【0023】
本発明の第2の特徴では、第1の吸着剤材料を含む第1の部分と、第2の吸着剤材料を含む第2の部分とを有するチャンバを備えた熱転送装置を提供し、この装置は、これらの部分が常に、連続的な気体の連通をその間において可能にするように接続され、相互に比較的、熱的に隔離されていることを特徴とする。
【0024】
本発明者は、熱的に隔離された部分を有する装置が、第1及び第2の吸着剤材料が常に連続的な気体の連通で維持されながら(即ち、その間に、脱着冷却サイクルを実現するための弁または停止部を必要とせずに)、脱着冷却を有効に実現できる(およびその逆)ことを観察した。これは例えば弁を必要とする米国特許第5,522,228号明細書の装置よりも簡単化される。さらに、弁は装置中に存在しないか、或いは必要とされないので、第1及び第2のチャンバ部分の圧力は自動的に平衡される。
【0025】
典型的に、第1及び第2の部分は、それらの部分間で連続的な気体の連通を可能にしながら、第1の部分と第2の部分との間の熱の伝導を最小にするように構成されているセクションによって接合されている。このセクションは通常、それに隣接する第1及び第2のチャンバ部分の幅(例えば直径または実効直径)よりも比較的小さい幅(例えばさらに小さい直径またはさらに小さい実効直径)を有する導管である。導管は小さい幅を有するので、熱伝導のための表面面積/寸法は小さく、しかも依然として、それらの部分間に連続的なガスの連通を行うことができる。
【0026】
典型的に、第1及び第2のチャンバ部分と導管はそれぞれ管状であり、一方、典型的に第1及び第2のチャンバ部分はほぼ同一の寸法である。
【0027】
典型的に、1以上の熱伝導素子が第1及び第2の吸着剤材料と共に、第1及び第2のチャンバ部分にそれぞれ配置されている。典型的に、各熱伝導素子は、(チャンバ部分の壁を介して)チャンバ部分の外部とその内部の吸着剤材料との間の熱の連通を高める金属のワイヤメッシュで構成されている。驚くべきことに、および有効に、熱伝導素子はまた第1及び第2の各吸着剤材料を通る気体(例えば二酸化炭素)の質量輸送速度を高めることが発見されている。
【0028】
典型的に、第1及び第2の材料は、それぞれチャンバのそれぞれの部分に詰められている。典型的に、第1及び第2の材料は本発明の第1の特徴で規定されているような材料である。
【0029】
典型的に、第1及び第2のチャンバ部分は、さらに効率的に各流体と部分との間で熱を伝導するように各流体流中の中間流中に位置されるように構成される。
【0030】
本発明の第3の特徴では、第1の流体流から熱を連続的に伝導し、第2の流体流を連続的に冷却するためのシステムを提供する。そのシステムはそれぞれ第1及び第2の流体流と熱的に連通することが可能な第1及び第2の装置を具備している。各装置は、分離された第1及び第2の吸着剤材料を有しているチャンバを備え、各装置は以下の段階で動作されることができる。
(1)第1の材料は、第1の材料に吸着された気体を脱着するように第1の流体流との熱的連通により加熱され、それによって気体は第2の材料に送られ、吸収され、
(2)第1の材料は、気体が第2の材料から脱着されるように冷却され、第1の材料へ再度吸着されるように、そこを通過し、第2の材料はそこから気体が脱着されることによって冷却され、第2の流体流は第2の材料との熱的連通によって冷却される。
【0031】
このシステムは、
第1の装置が段階(1)下で、第1の流体流を使用して第1の装置の第1の材料を加熱するように動作され、第2の装置が段階(2)下で、気体が第2の装置の第2の材料から脱着することにより、第2の流体流を冷却するように動作されることができ、その後、
第1の流体流は第2の装置へ誘導されることができ、第2の装置の段階(1)下で動作され、第2の流体流が第1の装置へ誘導され、第1の装置の段階(2)下で動作できるようにされていることを特徴とする。
【0032】
このようにして、このシステムは第1の流体流からの連続的な熱の伝導と、第2の流体流の連続的な冷却を効率的に有効に行う。第1および第2の流体流の切換えにより、このシステムは例えば、第1及び第2の特徴の方法及び装置が、中断される脱着冷却プロセス(及びその逆)ではなく連続的に動作されることを可能にする。
【0033】
典型的に、システムは複数の第1の装置と複数の第2の装置とを具備し、典型的に、第1および第2の装置は並列に動作される。
【0034】
典型的に、システムはさらに、第1の装置と第2の装置との間、および第2の装置と第1の装置との間でそれぞれ、第1及び第2の流体流の流動を選択的に切換えるための弁を具備しており、それによって、第1の流体流からの熱の連続的な伝導と、第2の流体流の連続的な冷却とを維持する。弁は第1の装置と第2の装置との間での、周囲空気のような冷却流体流の切換えにも使用されることができる。
【0035】
このシステムでは、典型的に、第1及び第2の各装置は第2の特徴で規定されており、典型的に各装置は第1の特徴の方法を使用して動作される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の技術的範囲内に入る他の多くの形態があるが、本発明の好ましい形態を、単なる例示として、添付図面を参照して説明する。
典型的な使用モードでは、本発明による方法、装置、システムは別々の冷却目的(例えば別の分離された流体流の冷却)を実現するために、気体または液体流から熱エネルギ(例えば廃熱)を伝導するために使用される。
【0037】
図1を参照すると、本発明による簡単な装置が、脱着冷却器モジュールの形態で示されている。このモジュールは、再生器チャンバ12と脱着冷却装置チャンバ14である2つの円筒形チャンバ(例えば、ステンレス鋼の管のような管)を有する密封された容器10を具備している。それらのチャンバは(小さい直径の管のような)狭い(例えば小さい直径の)導管またはネック16の形態の接合セクションにより接続されている。チャンバ12、14の、より大きな熱的隔離を行うために、導管16はチャンバ壁よりも小さい熱伝導度の金属(例えば熱伝導度の小さいステンレス鋼)から形成されることができ、典型的に容器10を密封するためのチャンバ壁に溶接される。
【0038】
再生器チャンバ12は、典型的に分子ふるい(例えば13Xの沸石のような沸石)の形態の第1の吸着剤材料を詰められ、脱着冷却装置チャンバ14は、異なる第2の吸着剤材料(例えば活性化された炭素のような表面が活性化された粉末)の異なる第2の吸着剤材料または、異なる吸着力を有する同一の材料(例えば、10A、8A,5Aの沸石のような小さい吸着力を有している別のタイプの沸石または別のタイプの13Xの沸石)を詰められている。
【0039】
複数のディスクリートな金属のワイヤメッシュパネルの形態の1以上の熱伝導素子が第1、第2の吸着剤材料と共に、各チャンバ12および14のそれぞれ中に配置されることが好ましい(即ちパネルは吸着剤材料を通して分散される)。パネルは典型的に、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウムまたは銅のような、容器10中の気体及び材料に反応しない材料で、また、十分な熱伝導性を有する材料から形成される。パネルは吸着剤材料と壁、したがって各チャンバの外部の間での熱伝導性を高めるように機能する。さらに、本発明は驚くことに、および有効に、パネルが各第1及び第2の吸着剤材料を通して、二酸化炭素の質量輸送速度を強化することを発見している。
【0040】
密封された容器10はさらに、適切に加圧された気体、典型的には、豊富さと使用の容易さのために二酸化炭素を含んでいるが、冷媒、アンモニア、アルコール、水(水蒸気)、窒素等のような他の気体が、気体に適した吸着剤と組合わせて使用されることができる。
【0041】
本発明によれば、密封された容器10は、気体が導管16を介して、各チャンバ12、14の間を連続的に、妨害されずに通過することができるように構成される。弁または付加的な流動制御は行われない、または必要とされない利点があり、さらに、密封された容器は可動部をもたない利点がある。
【0042】
さらに、密封された容器10は典型的に、脱着冷却装置チャンバ14(第2の吸着剤材料を収納する)が、少なくとも動作可能な程度までは再生器チャンバ12(第1の吸着剤材料を収納する)から熱的に隔離されるように構成される。これはチャンバと接続するが空間的に隔てられるように、細い導管16を使用することによって最適に実現される。しかしながら熱的な隔離はさらに、チャンバ周辺および/またはチャンバ間に、絶縁バリア及びバッフルを含む適切に配置された絶縁手段(例えば以下説明する図2のシステムを参照)を使用することによって強化されることができる。
【0043】
第1の使用モードでは、第1の吸着剤材料は、第2の吸着剤材料よりも、容器気体に対して高い吸着力を有するように選択される。周囲温度で開始すると、より大きな割合またはバルクの容器気体が第1の材料で吸着されることが観察される。
【0044】
第1の使用モードでは、及び第1のステップでは、再生器チャンバ12は、高温の気体流の中心または中間点に再生器チャンバを配置することによって、比較的高温の気体流(例えば処理廃棄ガス)と接触され、それによって第1の吸着剤材料が加熱される。高温の気体流は(チャンバ12を通って延在する1以上のパイプ/管を介して)チャンバ12の上を、またはその周辺を、またはそこを通過されることができる。第1の材料の温度が上昇するにつれて、吸着された気体(例えば二酸化炭素)はそこから脱着し、容器内の気体圧力は増加する。脱着冷却装置チャンバ14の相対的な熱的隔離のために、導管16を通して、二酸化炭素がチャンバ12からチャンバ14へ通過し、比較的低温の第2の材料(例えば活性化された炭素)へ吸着されるための駆動力が存在する。この吸着期間中、第2の材料は僅かに加熱される。気体が第2の材料に吸着される傾向は、第2の材料がさらに第1の材料に関して冷却されるように、冷却気体流(例えば周囲空気流)の中心または中間点にチャンバ14を配置することによって強化されることができる。
【0045】
第1の材料(例えば沸石の分子ふるい)は、熱い気体流と熱的に連通をしながら、比較的加熱された状態を保ち、それによって容器10中の気体をそこで再吸着するための駆動力は存在しない。
【0046】
第1の使用モードでは、第2のその後のステップで、再生器チャンバ12は(例えば高温ガスの流動を停止するか、再誘導することにより)、さらに典型的にはチャンバ12を冷却気体流(例えば周囲空気)と接触させることにより冷却される。チャンバ12が冷却するにつれて、第1の材料は冷却し、容器内の二酸化炭素の圧力は減少される。これはその後、気体が再生器チャンバ12へ戻り、第1の材料に再度吸着されるための駆動力を提供する。これに関して、気体は第2の材料から脱着され、導管16を介してチャンバ14からチャンバ12へ通過し、第1の材料へ再度吸着される。
【0047】
有効に、チャンバ14中の第2の材料からの二酸化炭素の脱着は、第2の吸着剤材料を冷却し(即ち気体はその脱着期間中に、材料から熱を抽出する必要がある)、したがってチャンバ14とその壁を冷却する。実際に、本発明者は、気体の脱着が進行するにつれて、第2のチャンバが周囲温度より下の10℃よりも高い温度で冷却されることができることを観察した。
【0048】
同一または別の流体流が(チャンバ14を通って配置されている1以上の熱交換パイプ/管を介して)チャンバ14上、その周辺またはそこを通過されることができ、それによって他の流体流が冷却される。したがって、冷却されたチャンバ14は例えばエンジンまたは気体タービンのような気体流を予め冷却するために使用されることができるか、空調用の冷却空気を与えるため等に使用されることができる。このようにして、高温の処理流体(例えば廃棄ガス)は、冷却を必要とするか冷却から恩恵を得る別の処理流体を冷却するために使用されることができる。
【0049】
本発明の最適な応用は電気発生器にあり、ここでは例えば石炭または燃料の燃焼からの高温の廃棄(排気)ガスは、タービン等に与えられる気体流を予め冷却するために使用される。
【0050】
図2を参照すると、ここでは類似の参照符号は類似または同一の部分を示すことに使用されており、本発明による脱着冷却装置システム20が示されている。このシステムは本発明による連続的な脱着冷却を行うことができる。
【0051】
システム20は図1の複数の密封された脱着冷却器容器10を使用し、容器は各平行なモジュールバンクAおよびBにおいて、平行に整列されている。各モジュールバンクはそれぞれのバンク容器22中で整列されている。さらに、各バンク容器22は、(壁24を通過して延在する導管16を除いて)その各の脱着冷却装置チャンバ14から各再生器チャンバ12を分離するために位置されている熱バリア壁24を具備している。バリア壁24はしたがって、チャンバ12、14の熱的な隔離をさらに強化する。バリア壁24はまた絶縁材料から形成されるか、および/または絶縁材料で被覆されることができる。さらに、バリア壁24は各バンク容器22中の再生器チャンバ26と脱着冷却装置チャンバ28を規定する。
【0052】
システム20中の対向する端部には、4方弁30、30’が、流体(例えば気体)をモジュールバンクAおよびBのバンク容器22中に選択的に誘導するために配置されている。これに関して、4方弁30は、高温の処理気体32(例えば高温の空気流)を選択的に、再生器チャンバ26のうちの1つに誘導でき、同時に冷却ガス34(例えば周囲空気流)を再生器チャンバ26のうちの他の再生器チャンバ26に誘導することができる。
【0053】
同様に、4方弁30’は、冷却を必要とする処理気体32(例えば空気流)を選択的に、脱着冷却装置チャンバ28のうちの1つに誘導でき、同時に冷却ガス36(例えば周囲空気流)を脱着冷却装置チャンバ28のうちの他の脱着冷却装置チャンバ28に誘導することができる。しかしながら、図2のシステムでは、冷却ガス流36は分割され、両方の脱着冷却装置チャンバ28へ誘導され、一方のガス流は冷却の目的(即ちチャンバ28のうちの1つにおいて)、他方のガス流は冷却された空気流38を発生するために冷却される(即ちチャンバ28のうちの1つから選択的に回収される)。その後、冷却された空気流は、チャンバ28の他のチャンバから選択的に回収され、連続的な方法で行われる。
【0054】
(即ち4方弁30により制御されるとき)例えばモジュールAの再生器チャンバ26がそこで高温の処理気体32を受取り、各第1の吸着剤材料からの気体の脱着を促し、モジュールBの再生器チャンバ26がそこで冷却気体34を受取って、各第1の吸着剤材料の気体吸着を促すように4方弁30、30’は制御される。同様に、(即ち4方弁30’により制御されるとき)モジュールAの脱着冷却装置28はそこで冷却気体36を受取り、各第2の吸着剤材料での気体の吸着を促し、モジュールBの脱着冷却装置28が、各第2の吸着剤材料からの気体の脱着が生じるとき、そこで冷却を受ける気体36を受取って、各第1の吸着剤材料の気体吸着を促すように4方弁30、30’は制御される。
【0055】
各モジュールに対して同一の予め定められた時間(例えば高温の気体の熱伝導および/または気体の冷却が定常状態からの移動を開始するとき)、各4方弁30、30’に対するガス流が切換えられ、それによってその後の処理段は各モジュールAおよびBで行われることができる。このようにして、システム20は有効に、熱い処理気体32からの熱の連続的な熱伝導と、気体36の連続的な冷却とを行う。さらに気体流の切換えによって、システムは、中断される脱着冷却とは反対に、連続性を可能にする。代わりにシステムは脱着冷却の反対であるプロセスを促すことができる。
【0056】
方法、装置、およびシステムの限定されない例について説明する。
【0057】
[例1]
図1の脱着冷却器モジュールが試験され、0.22(米国特許第5,522,228号明細書のシステムでは0.054よりも小さい理論的COP)の性能係数(COP)を有することが計算された。この計算は以下に基づいて、米国特許第5,522,228号明細書のシステムを使用して行われた。
【0058】
米国特許第5,522,228号明細書のシステムでは、各容器11と10にはそれぞれ100gの沸石及び炭素が存在すると仮定された。炭素を0℃から30℃まで加熱するのに必要なエネルギは約2.1kJと評価された。沸石を45℃から70℃および70℃から200℃まで加熱するのに必要なエネルギは約1.75kJおよび9.1kJとそれぞれ評価された。−40℃から−50までの冷却によって除去されるエネルギは約0.7kJであると評価された。(冷却される材料から加熱される材料へエネルギが循環する可能性があることにより)190℃から45℃および200℃から190℃までの沸石の冷却に必要とされるエネルギと、−50℃から0℃まで炭素を加熱するのに必要なエネルギを無視すると、COPは0.7/(2.1+1.75+9.1)=0.054であると評価された。
【0059】
類似の方法を使用して、図1のモジュールは0.22のCOPを有することが計算された。図2の脱着冷却システムは、0.22よりも非常に大きいCOPを有することが計算され、それはバンク容器22内のモジュールの封じ込めのために、そこからの少ない熱損失と共に、各モジュールAとBでかなり大きな均一の加熱が実現されることによるものである。
【0060】
[例2]
実証装置が開発され、以下の評価について試験をされた。
【0061】
1.再生器の温度の最適化;
2.kJによる冷却容量;
3.性能係数(COP)または効率;
4.1サイクルで得られる温度降下の程度;
5.時間による性能についての影響;
6.加熱及び冷却率を曲げる確率または、商用システムに対する最適な時間サイクルの設計を可能にするための時間。
【0062】
実証装置の概略図及び平面図が図3のaおよびbで示されており、ここでは同様の参照符号が図1および2と類似または同一の部分を示すために使用されている。実証装置40は図2で示され説明されている2つのモジュールAとBの一方から構成されている。
【0063】
実験は、関連する性能及び設計データを集めるためにモジュールのうちの1つを研究し、最適化するために行われ、それによって商用のモジュールの設計を拡大及び縮小することを可能にする。
【0064】
実証装置は102の(図1で示されているように)同一の冷却器モジュール10を含んでいる。冷却器モジュールには、絶縁された再生器と脱着冷却装置チャンバ26、28が積み重ねられており、各冷却器モジュール導管16は壁24を通して延在している。さらに、絶縁された入口41、42、44と出口46のダクトが、熱の伝導効率を最大にし、熱の損失を最小にするためにチャンバ26、28へ/チャンバ26、28から設けられた。
【0065】
再生器チャンバの入口は高温の空気源および周囲空気源に接続された。高温の空気源は、種々の所望の流動速度と温度の高温の空気を発生するために同軸ファン50(ファン2)を有する空気流を連通する電気ヒータ48からなる。周囲空気源は別の同軸ファン52(ファン3)を有する。手作業で動作されるダンパー54が、高温の空気と周囲空気との間で選択的に切換えるために、高温の空気源と周囲空気源との間で使用された。脱着冷却装置チャンバ28もまた、第3の同軸ファン56(ファン1)を含む周囲空気源に接続された。
【0066】
熱電対が再生器入口(T1、T8)、再生器出口(T4)、再生器(T6)、脱着冷却装置入口(T3)、再生器出口(T4)、脱着冷却装置出口(T5)に適切に配置され、動作中の温度変化を感知して、連続的に記録した。熱電対に接続されたデータ記録用コンピュータは、試験が行われる期間中、温度を記録するために使用された。
【0067】
[動作]
以下のステップが、空気流の冷却を行うために使用された。
1.データ記録用コンピュータは、図3の(a)の装置40で示されているような種々の位置における温度Tを記録するためにオンに切換えられた。
2.ダンパー54は、ヒーター48を介して、高温の空気が再生器26へ流れることを可能にするために手作業で切換えられ、その後、ファン50(ファン2)とヒーター48がオンに切換えられた。
3.ファン56(ファン1)は脱着冷却装置チャンバ28中での吸着により発生された熱を除去するためにオンに切換えられた。再生期間中、ファン52(ファン3)はオフに切換えられた。
4.再生器26が135乃至200℃の温度を獲得し、脱着冷却装置28が周囲温度(20乃至25℃)まで冷却されると、ヒーター48とファン50はオフに切換えられた。ダンパーはその後、ファン52からの周囲空気が再生器26へ入ることを可能にするために手作業で切換えられた。
5.これに関して、ファン52は、ファン56が脱着冷却装置28から外に流れる低温の空気を生成するために動作を継続する間はオンに切換えられた。
【0068】
これらのステップで動作の1サイクルを完了した。例えば商用のシステムでは、モジュールAが再生している間、モジュールBは冷却効果を生成し、モジュールBが低温の空気の発生を停止すると、モジュールAは低温空気の生成を開始するように付勢されることに注意すべきである。このようにして、低温の空気が連続して生成されることができる。
【0069】
実証装置は空気によって試験されたが、多くの他の流体流が加熱および/または冷却媒体として使用されることができることに注意すべきである。
【0070】
[動作パラメータ及び結果]
試験の実行中(例えば、以下の操作番号76、表1を参照)、再生器26は約250乃至300リットル/秒の流動速度により150乃至200℃の高温の空気(T1、T8)で加熱された。脱着冷却装置チャンバ28を通る空気流は約250リットル/秒に維持された。再生器の出口46における空気の温度T4が150乃至200℃の入口温度T1、T8と同じになり、再生器の温度T6が約120℃乃至150℃に到達したときに、再生は完了したと考えられる。完全な再生を確実にするために、加熱は短い余分の時間(例えば20乃至30分間)継続される。
【0071】
図4で示されているように、再生は最初の30分間(即ちT4=T8)内に完了された。さらに、30分後、再生器の温度T6には大きな変化は観察されなかった。
【0072】
再生後、ヒーター48とファン50はオフに切換えられ、ダンパー54の位置は、ファン52からの周囲空気が再生器を冷却することを可能にするように変更された。この時間中に、ファン52による空気流の速度は約250乃至450リットル/秒に維持された。
【0073】
大部分の動作では、低温の排気空気を発生するために、ファン56による脱着冷却装置28への空気流は、85乃至250リットル/秒の範囲に維持された。図5に示されているように、5℃乃至7℃(T5)の範囲の温度降下が、(30%から86%まで変化した)空気の相対湿度にしたがって、脱着の低温排気空気で観察された。脱着低温チャンバ28を通る空気流がないと、チャンバの温度は、周囲温度にしたがって11乃至14℃だけ低下したことも観察された。
【0074】
入口(T3)と出口(T5)の温度が同一であるとき(即ち図5では100分間よりも多くの時間)冷却サイクルは、完了したと考えられた。さらに、図5により示されているように、総冷却期間は約60分間であった。しかしながら、実際には、30分間のピーク冷却だけが、30分間の加熱サイクルと一致すると考慮される必要があることが注目された。
【0075】
図6の温度プロットは25分間の再生期間と25分間の冷却期間からなる特別な動作を記録している。動作条件が(以下の)表2に示されている。150乃至170℃の減少された再生空気温度が、冷却容量の大きな損失無く、使用されることができることが発見された。
【0076】
入口空気温度は各動作中に僅かに増加したことに注目すべきである。これは特に、ファンモータから解放された熱によるものであるが、さらにヒーター、再生器、関連するダクトの絶縁された表面からの少量の損失から生じる室温の変化によるものであった。
【0077】
試運転で使用される流動速度は、熱伝導モデルに基づいている。空気流は各ファンの入口に適合されている長さ1メートルで内部直径310mmのダクトにおける空気速度から推定された。デジタル風速計(製造業社Lutron、モデルYK-2001AL)が速度の測定に使用された。実証装置の周辺の相対湿度及び温度は、電子湿度計(製造業社Erler & Weinkauff)を使用して±10%の正確度で測定された。
【0078】
熱電対の較正と正確度は、規則的なベースで試験された。温度は十進法にしたがって第2の位置まで記録され、これらは最大10%の誤差があった。
【0079】
50回を超える試運転で測定された温度と流動速度に基づいて、脱着冷却装置の冷却容量は約900乃至1200kJであることが評価され、性能係数(COP)は熱損失、湿度、再生の効率、測定誤差にしたがって、0.07乃至0.12間で変化する。これは、好ましい性能が商用のスケールアップで実現できることを示している。また、最大の冷却容量とCOPを得るために、動作条件を最適にするための試験も行われた。
【0080】
単一のモジュールの性能は約1年間テストされ、実証装置は6ヶ月を超える期間、テストされ、何れの場合にも性能の劣化は観察されなかった。
【表1】

【表2】

【0081】
好ましい方法、装置およびシステムに対する前述の説明および先の例は、単なる説明の目的で与えられ、いかなる方法でも本発明の技術的範囲を限定することを意図していない。さらに、既に説明したものに加えて、基本的な発明の概念を逸脱せずに、種々のその他の変更、変形を実施形態に対して行うことができることが認識されるべきである。全てのこのような変更及び変形は本発明の技術的範囲内であると考えるべきである。
【0082】
ここでの従来技術の情報の参照は、情報が豪州または任意の他の国で共通の一般知識の一部を形成するという承認を構成するものではないことも理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明による脱着冷却器モジュールの概略図。
【図2】本発明にしたがった、図1の複数の脱着冷却器モジュールを使用している脱着冷却装置システムの概略図。
【図3】気体の脱着冷却において使用するための実証装置の概略的な側面図及び平面図。
【図4】図3の装置の再生器の温度位置T8、T4、T6における時間に対する温度変化を示すグラフ。
【図5】図3の装置の脱着冷却装置の温度位置T5、T3における時間に対する温度変化を示すグラフ。
【図6】図3の実証装置の温度位置T1、T6、T4、T3、T5における時間に対する温度変化を示すグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の気体吸着材料を使用して、熱を転送する方法において、第2の材料は第1の材料から熱的に比較的、隔離されているが、連続的に気体を連通しており、
(i)第1の材料に吸着された気体を脱着するように第1の材料を加熱し、それによって生成された気体は第2の材料へ送られて、吸着され、
(ii)気体が第2の材料から脱着して、そこから第1の材料へ再度吸着されるように、第1の材料を冷却し、
それによって第2の材料は、気体をそこから脱着することにより、冷却されるステップを含んでいる熱転送方法。
【請求項2】
ステップ(i)において、第1の材料は、比較的高温の流体流からの熱伝導により加熱される請求項1記載の方法。
【請求項3】
比較的高温の流体流は廃棄処理ガスまたは液体である請求項2記載の方法。
【請求項4】
第1の材料が加熱されている期間中に、第2の材料は、冷却流体流による熱伝導により、第1の材料に関して冷却される請求項1乃至3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
冷却流体流は周囲空気流である請求項4記載の方法。
【請求項6】
ステップ(ii)において、第1の材料は、周囲への熱伝導により、または冷却流体流による熱伝導により、第2の材料に関して冷却される請求項1乃至5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
冷却流体流は周囲空気流である請求項6記載の方法。
【請求項8】
ステップ(ii)において、第2の材料がその材料からのガスの脱着により冷却されているときに、第2の材料は別の流体を冷却するために使用される請求項1乃至7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記他の流体流は、冷却を必要とする処理ガスまたは液体である請求項8記載の方法。
【請求項10】
第2の材料からの脱着が完了に到達すると、第2の材料は他の流体流からの熱伝導により僅かに加熱されることを可能にされ、その温度は、気体がそこに吸着される前に、第2の材料がステップ(i)の温度に対応するレベルまでその温度を回復するのに、丁度十分な温度である請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
第1の気体吸着剤材料は、第2の気体吸着剤材料とは異なる吸着力を有する請求項1乃至10のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
第1の気体吸着剤材料は、第2の気体吸着剤材料とは異なる材料である請求項1乃至11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
第1の気体吸着剤材料は沸石であり、第2の気体吸着剤材料は活性化された炭素である請求項1乃至12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
第1及び第2の材料に吸着される気体は二酸化炭素である請求項1乃至13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
気体は周囲圧力に関して加圧される請求項1乃至14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
気体は、約0.5MPaに加圧される請求項15記載の方法。
【請求項17】
開始ステップ(i)の前に、気体および第1及び第2の材料は一般的に、周囲温度である請求項1乃至16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
添付図面および/または実施例を参照してここで実質的に説明されている熱転送方法。
【請求項19】
第1の吸着剤材料を含む第1の部分と、第2の吸着剤材料を含む第2の部分とを有するチャンバを具備している熱伝導装置において、前記第1及び第2の部分が常に、連続的な気体の連通をその間において可能にするように接続され、相互に熱的に比較的、隔離されていることを特徴とする熱転送装置。
【請求項20】
前記第1及び第2の部分は、それらの部分間に連続的な気体連通を可能にしながら、第1の部分と第2の部分との間の伝導熱の伝導を最小にするように構成されているセクションによって接合されている請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記セクションは、それに隣接する第1及び第2のチャンバ部分の幅に比較して小さい幅を有する導管である請求項20記載の装置。
【請求項22】
1以上の熱伝導素子が第1及び第2の吸着剤材料と共に、第1及び第2の各チャンバ部分に配置されている請求項19乃至21のいずれか1項記載の装置。
【請求項23】
各熱伝導素子は、チャンバ部分の外部とその内部の吸着剤材料との間の熱の連通を高める金属のワイヤメッシュを具備しており、第1及び第2の各吸着剤材料を通して、気体の質量輸送速度を高めている請求項22記載の装置。
【請求項24】
第1及び第2のチャンバ部分は、各流体とそれらの部分との間で熱を伝導するように、それぞれの流体の流れの中間流に位置されるようにそれぞれ構成されている請求項19乃至23のいずれか1項記載の装置。
【請求項25】
第1及び第2の材料は、それぞれチャンバのそれぞれの部分に詰められている請求項19乃至24のいずれか1項記載の装置。
【請求項26】
第1及び第2の材料は請求項12または13で規定されている請求項19乃至24のいずれか1項記載の装置。
【請求項27】
添付図面および/または実施例を参照してここで実質的に説明されている熱伝導装置。
【請求項28】
第1の流体流から熱を連続的に伝導し、第2の流体流を連続的に冷却するためのシステムにおいて、システムは第1及び第2の流体流と熱的に連通することがそれぞれ可能な第1及び第2の装置を具備しており、各装置は、分離された第1及び第2の吸着剤材料を有しているチャンバを具備し、各装置は以下の段階で動作可能であり、即ち、
(1)前記第1の材料は、第1の材料に吸着された気体を脱着するように第1の流体流との熱的連通により加熱され、それによって、気体は第2の材料に送られて、
(2)前記第1の材料は、気体が第2の材料から脱着されるように冷却され、第1の材料へ再度吸着されるように、そこから送られ、第2の材料はそこから気体が脱着されることにより冷却され、第2の流体流は第2の材料との熱的連通により冷却され、
システムは、
前記第1の装置が段階(1)下で、第1の流体流を使用して第1の装置の第1の材料を加熱するように動作されながら、第2の装置が段階(2)下で、気体が第2の装置の第2の材料から脱着することにより第2の流体流を冷却するように動作され、
その後、第1の流体流は第2の装置へ誘導されることができ、第2の装置の段階(1)下で動作され、第2の流体流が第1の装置へ誘導され、第1の装置の段階(2)下で動作されて、
それによって、第1の流体流からの熱の連続的な伝導と、第2の流体流の連続的な冷却を効率的に行うことを特徴とするシステム。
【請求項29】
複数の第1の装置と複数の第2の装置とを具備している請求項28記載のシステム。
【請求項30】
第1および第2の装置は並列に動作される請求項28または29記載のシステム。
【請求項31】
さらに、第1の装置と第2の装置との間、および第2の装置と第1の装置との間で、それぞれ第1及び第2の流体流の流動を選択的に切換えるための弁を具備しており、それによって、第1の流体流からの熱の連続的な伝導と、第2の流体流の連続的な冷却を維持する請求項28乃至20のいずれか1項記載のシステム。
【請求項32】
第1及び第2の装置のそれぞれは請求項19乃至27のいずれか1項に規定されている構成である請求項28乃至31のいずれか1項記載のシステム。
【請求項33】
第1及び第2の装置のそれぞれは請求項1乃至18のいずれか1項で記載されている方法を使用して動作される請求項28乃至32のいずれか1項記載のシステム。
【請求項34】
添付図面および/または実施例を参照してここで実質的に説明されている、第1の流体流から連続的に熱を伝導し、第2の流体流を連続的に冷却するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−519881(P2007−519881A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549786(P2006−549786)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000083
【国際公開番号】WO2005/073644
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(393028081)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (12)
【Fターム(参考)】