説明

熱電変換装置

【課題】熱排流体の熱量が低下した場合であっても発電効率の低下を抑え、効率よくエネルギー回収できる熱電変換装置を提供することを目的とする。
【解決手段】熱電変換モジュールの高温側が排熱流体に接触し回収した熱を電気に変換する複数の熱電変換ユニット群と、熱排流体が通る第1流路と前記複数の熱電変換ユニットとの結合度を変更する流路切換装置と、前記熱排流体の状態を検出するセンサと、前記センサの検出に基づいて計算した前記熱排流体の熱量に応じて前記流路切換装置を発電効率が向上するように運転するコントローラを設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排熱を用いて発電を行う熱電変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車の排気からエネルギー回収する熱電変換装置が記載されている。これは図8に示すように構成されている。
熱源であるエンジン19からの熱排気20は、排気マニホールド21で集められた後、排気管22により排出される。熱電変換装置23は、排気管22に取付けられた熱電変換ユニット24a〜24cと、電力変換器25と、冷却水ポンプ26と、冷却水ラジエータ27と、冷却水循環路28,29とを有する。冷却水ポンプ26は、冷却水循環路28,29のそれぞれに冷却水が矢印方向に循環するよう冷却水を供給する。冷却水管30は冷却水循環路29の一部である。
【0003】
熱電変換ユニット24a〜24cの高温側が、排気管22に熱結合して加熱され、熱電変換ユニット24a〜24cの低温側が、冷却水管30の冷却水によって冷却されて、熱電変換ユニット24a〜24cはそれぞれの高温側と低温側との温度差に応じた熱電効果によって発電を行う。熱電変換ユニット24a〜24cの発電出力は、電力変換器25を介して発電エネルギーとして出力されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−299417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このように排気管22の上流から下流に向けて一様に熱排気20を流すだけでは、熱排気の温度と流量の変化によっては全ての熱電変換ユニット24a〜24cを効率良く使うことができず、高い発電効率を得ることが困難になる。
【0006】
例えば、熱排気の温度が低下した場合は、熱電変換ユニット24a〜24c毎の高温側の温度差が大きく開くため、熱電変換ユニット24a〜24c毎の発電差も大きくなり、直列接続、並列接続した場合のいずれでも発電効率が低くなる。これは発電効率が温度差の2乗で増加するためである。
【0007】
熱電変換ユニット24a〜24c毎の高温側の温度差が極端に異なる場合は、温度差の小さな熱電変換ユニット、つまり発電量の低い熱電変換ユニットでは逆電流が流れエネルギーを消費してペルチェ効果が働くといった不具合が生じる。
【0008】
本発明は、熱排気などの熱排流体の熱量が低下した場合であっても発電効率の低下を抑え、効率よくエネルギー回収できる熱電変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱電変換装置は、熱電変換モジュールの高温側が排熱流体に接触し回収した熱を電気に変換する複数の熱電変換ユニット群と、熱排流体が通る第1流路と前記複数の熱電変換ユニットとの結合度を変更する流路切換装置と、前記熱排流体の状態を検出するセンサと、前記センサの検出に基づいて計算した前記熱排流体の熱量に応じて前記流路切換装置を発電効率が向上するように運転するコントローラとを設けたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の熱電変換装置は、前記複数の熱電変換ユニット群の熱電変換モジュールの高温側と接触して前記第1流路から供給された熱排流体が流れる流路を直列接続して第2流路が形成され、前記第2流路における前記第1流路からの熱排流体の注入位置を、前記コントローラが前記流路切換装置に指示して前記結合度を変更することを特徴とする。具体的には、前記熱電変換ユニット群のそれぞれは、前記第1流路の周囲に、前記熱電変換モジュールの高温側を内側に向けて複数の熱電変換ユニットを配置して構成されている。
【0011】
また、本発明の熱電変換装置は、前記熱電変換ユニット群は、前記第1流路の上手側から下手側に向かって配置され、前記熱電変換ユニット群のそれぞれは、前記第1流路の周囲に、前記熱電変換モジュールの高温側を内側に向けて複数の熱電変換ユニットを配置して構成され、前記熱電変換モジュールの高温側と接触して前記第1流路から供給された熱排流体が流れる流路を直列接続して第2流路が形成され、前記第2流路における前記第1流路からの熱排流体の注入位置を、前記コントローラが前記熱排流体の熱量に応じて前記流路切換装置に指示して変更するとともに、発電に使用する前記熱電変換ユニット群のうちの下手側の熱電変換ユニット群については、前記コントローラが前記熱排流体の熱量に応じて前記複数の熱電変換ユニットのうちの少なくとも一部の前記熱電変換モジュールの高温側に前記第1流路からの熱排流体を選択的に供給するよう、前記流路切換装置を介して前記第1流路と前記第2流路との結合度を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、発電に使用する熱電変換ユニット群の個数を熱排流体の熱量に応じて算出し、使用する熱電変換ユニット群の温度差をできるだけ少なくし、熱排流体の熱量が低下した場合であっても発電効率の低下を抑え、効率よくエネルギー回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における熱電変換装置の断面図
【図2】図1のA−A断面図とB−B断面図
【図3】図1のA−A断面部分の分解図
【図4】同実施の形態における熱排気の流路変更により1列目使用中の断面図と、1列目と2列目使用中の断面図と、1列目と2列目および3列目使用中の断面図
【図5】同実施の形態における熱電変換ユニットのI−V特性図
【図6】同実施の形態における熱排気流量と熱排気温度、モジュール投入熱量の相関図
【図7】同実施の形態における熱排気流量とモジュール列数、熱排気温度変化の相関図と熱排気の温度が200℃一定で、流量を変更した場合のモジュール出力の実測結果説明図
【図8】特許文献1の熱電変換装置の構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の熱電変換装置を実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図7は実施の形態1を示す。
【0015】
図1において、熱電変換装置1は熱排気発生源の下流側に設置されている。熱排流体としての熱排気2は第1流路3に流れ込む。第1流路3の外周には下流側Dから上流側Uに向けて、複数段、ここでは5段の熱電変換ユニット群14,14,14,14,14が設けられている。
【0016】
1列目の熱電変換ユニット群14には、図2(a)に示すように複数、ここでは8個の熱電変換ユニット14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14hが、第1流路3の外周に設けられている。図2(a)はA−Aの断面であるが、2列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14も同様である。
【0017】
熱電変換ユニット14aは、熱電変換モジュール13の高温側に熱交換フィン11が取り付けられ、熱電変換モジュール13の低温側に水冷ユニット12が取り付けられている。熱電変換ユニット14b〜14hも同様である。
【0018】
図3は熱電変換ユニット14a〜14hを取り付ける直前の分解図を示す。
熱交換フィン11を第1流路3の側に向けて熱電変換ユニット14a〜14hが取り付けられる部分には、第1流路3の管壁から隔壁15〜15が設けられている。熱電変換ユニット14aは隔壁15〜15と第1流路3の管壁とで囲まれるエリアE1の開口部を閉塞するように取り付けられている。熱電変換ユニット14b〜14hも同様に、エリアE2〜E8の開口部を閉塞するように取り付けられている。エリアE1〜E8の第1流路3の管壁には、図1に示すように上手側寄りに排気孔10〜10が形成されている。2列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14も同様である。
【0019】
このように第1流路3の管壁の回りに形成された1列目の熱電変換ユニット群14のエリアE1〜E8は、隣接する2列目の熱電変換ユニット群14のエリアE1〜E8と連通している。2列目の熱電変換ユニット群14のエリアE1〜E8は、隣接する3列目の熱電変換ユニット群14のエリアE1〜E8と連通している。3列目の熱電変換ユニット群14のエリアE1〜E8は、隣接する4列目の熱電変換ユニット群14のエリアE1〜E8と連通している。4列目の熱電変換ユニット群14のエリアE1〜E8は、隣接する5列目の熱電変換ユニット群14のエリアE1〜E8の下手側と連通している。5列目の熱電変換ユニット群14の上手側は壁17で閉塞されている。1列目の熱電変換ユニット群14の下手側は開放されている。
【0020】
このように第1通路3の外周には、複数の第2通路16が形成されている。詳しくは、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14のエリアE1が連通して形成された通路と、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14のエリアE2が連通して形成された通路と、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14のエリアE3が連通して形成された通路と、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14のエリアE4が連通して形成された通路と、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14のエリアE5が連通して形成された通路と、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14のエリアE6が連通して形成された通路と、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14のエリアE7が連通して形成された通路と、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14のエリアE8が連通して形成された通路が形成されている。それぞれの第2通路16は前記排気孔10〜10によって第1流路3の内部と連通が可能である。
【0021】
第1流路3の内側には、スライド自在に摺動管18が設けられている。この摺動管18は、アクチュエータとしてのエアーシリンダ9によって駆動されて1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14の排気孔10〜10を開閉する。具体的には、摺動管18には、第1流路3における摺動管18の位置に応じて、1列目〜5列目の熱電変換ユニット群14〜14の排気孔10〜10に連通して第1流路3の熱排気2が通過する連通孔4〜4が形成されている。
【0022】
第1流路3の上手側には、熱排気2の流量を測定する流量計5と熱排気2の温度を測定する温度計6が設けられている。流量計5としては超音波流量計を使用できる。演算部7は、流量計5と温度計6の検出に基づいて熱排気2の熱量を計算する。コントローラ8は、演算部7で計算した熱量に応じてエアーシリンダ9を駆動して摺動管18をスライドさせて発電に用いる熱電変換ユニット群14〜14を次のように切り換える。
【0023】
例えば、温度と流量から計算した熱量が少ない場合は、図4(a)に示すようにコントローラ8がエアーシリンダ9を駆動して、1列目の熱電変換ユニット群14のみを使用する。
【0024】
図2(b)はこのときの2列目の熱電変換ユニット群14の排気口10の状態を示している。3列目〜5列目の熱電変換ユニット群14,14,14の排気口10,10,10の状態も図2(b)と同じである。
【0025】
この時、第1流路3の熱排気2は、摺動管18の連通孔4から1列目の熱電変換ユニット群14の排気孔10だけを通過して、1列目の熱電変換ユニット群14の熱交換フィン11にて熱を奪われ下流側に流れていく。この熱より1列目の熱電変換ユニット群14は発電を行う。
【0026】
図4(a)の場合よりも温度と流量から計算した熱量が高くなった場合には、コントローラ8が図4(b)に示すようにエアーシリンダ9を駆動して、1列目と2列目の熱電変換ユニット群14,14を使用する。この時、摺動管18の連通孔4と1列目の熱電変換ユニット群14の排気孔10との連通は閉塞され、第1流路3の熱排気2は、摺動管18の連通孔4から2列目の熱電変換ユニット群14の排気孔10だけを通過して、2列目の熱電変換ユニット群14の熱交換フィン11にて熱を奪われ、1列目の熱電変換ユニット群14の熱交換フィン11にて熱を奪われ下流側Dに流れていく。この熱より1列目と2列目の熱電変換ユニット群14,14は発電を行う。
【0027】
図4(b)の場合よりも温度と流量から計算した熱量が高くなった場合には、コントローラ8が図4(c)に示すようにエアーシリンダ9を駆動して、1列目〜3列目の熱電変換ユニット群14〜14を使用する。この時、摺動管18の連通孔4と1列目の熱電変換ユニット群14の排気孔10との連通は閉塞され、摺動管18の連通孔4と2列目の熱電変換ユニット群14の排気孔10との連通も閉塞され、第1流路3の熱排気2は、摺動管18の連通孔4から3列目の熱電変換ユニット群14の排気孔10だけを通過して、3列目の熱電変換ユニット群14の熱交換フィン11にて熱を奪われ、2列目の熱電変換ユニット群14の熱交換フィン11にて熱を奪われ、1列目の熱電変換ユニット群14の熱交換フィン11にて熱を奪われ下流側に流れていく。この熱より1列目〜3列目の熱電変換ユニット群14〜14は発電を行う。
【0028】
以下同様にコントローラ8が熱排気2の熱量に応じてエアーシリンダ9を駆動して、発電に用いる熱電変換ユニット群の個数を変化させる。
熱交換フィン11の材質はグラファイト、アルミニウム、銅、ステンレス等といった熱伝導率の良い材料で形成されている。
【0029】
熱電変換モジュール13は、熱交換フィン11で回収された熱を電気に変換するものである。熱電変換モジュール13は、複数の熱電変換素子(例えばBiTe等からなるp型半導体及びn型半導体)を有している。熱交換フィン11で回収された熱と、水冷ユニット12に流れる冷却水の温度差に応じて、ゼーベック効果による発電を行う。
【0030】
また、この実施の形態では、第1流路3の管壁に明けられた排気孔10〜10に対して連通孔4〜4が明けられた摺動管18をエアーシリンダ9によって移動させることによって、熱排流体22が通る第1流路3と熱電変換ユニット群14〜14の熱電変換ユニットとの結合度を変更する流路切換装置が構成されている。
【0031】
このように、コントローラ8が熱排流体22の熱量に応じて発電に使用する熱電変換ユニットを切り換えることの効果を検討する。
図5は、熱電変換モジュール13のI−V特性図を示す。
【0032】
このように熱電変換モジュール13は、高温側と低温側の温度差に比例して、出力が上昇している。もちろんこの特性以外の熱電変換モジュールを用いても良い。図5に示す特性の熱電変換モジュール13を用いて、熱排気2から熱を取る実験を行った。
【0033】
熱排気2の温度を、100℃、150℃、200℃、熱排気2の流量を、0.1m/分、0.5m/分、1m/分、2m/分と変化させたときの、熱電変換モジュールへの投入熱量を図6に示す。熱電変換モジュールへの投入熱量は、通過流量と熱交換フィン11の出口の温度より算出した。
【0034】
図6に示すように、熱排気2の温度上昇に伴い、投入熱量は比例的に増加するが、流量の増加に対して投入熱量はある程度の値で飽和し増加量が少なくなるのがわかる。
次に同様の熱交換フィン11と水冷ユニット12と熱電変換モジュール13からなる熱電変換ユニットを、図1に示すように配置して実験を行った。
【0035】
なお、熱電変換ユニット群14〜14は、図2(a)のように第1流路3の周囲に複数の熱電変換ユニットを配置していたが、ここでは説明の簡略化のため、第1流路3の周囲の熱伝変換ユニットの個数は1つとした。
【0036】
熱排気2の各熱電変換ユニットの入口における温度が200℃の時に、熱排気2の流量を0.1m/分、0.5m/分、1m/分、2m/分と変化させたときの、各熱電変換ユニットでの温度変化を図7に示す。
【0037】
この図7の結果からわかるように、各熱交換フィン11の上流側から順に排気熱が奪われて、対応する熱電変換モジュール13により発電が行われるため、下流側に向かうにつれて熱排気2の温度は下がっていく。下流側から順に配置された熱電変換ユニット群14,14,14,14,14の熱交換フィン11及び熱電変換モジュール13の温度は、5列目、4列目、3列目、2列目、1列目と、下流側ほど低くなる。また、流量によっても、排気熱の奪われ方が変化することがわかる。
【0038】
図6、図7より、温度と流量が変化する熱排気2の場合、全ての熱電変換ユニット群14〜14を最も効率の良い温度で使用するのは困難であり、温度差の少ない熱電変換ユニット群は発電せずに、熱電変換モジュールに逆電流が流れエネルギーを消費してペルチェ効果が働くといった不具合が生じる可能性がある。
【0039】
これに対してこの実施の形態1の熱電変換装置1では、演算部7による熱量計算に基づいてコントローラ8が、発電効率の良い熱電変換ユニットの個数を決定した後、決定した個数になるように、エアーシリンダ9を作動させて、使用する熱電変換ユニットの個数を変化させることができるので、効率の良い発電が可能となる。
【0040】
例えば、図7(a)に示すような、熱排気2の温度が200℃、流量0.1m/分の時は、上手側から2列目以降の熱排気温度が極端に低下していることがわかる。これは熱量が十分で無いため、上手側から1列目で大部分の熱量を消費しているからである。
【0041】
図7(b)は熱排気2の温度が200℃、流量を0.1m/分,0.5m/分,1.0m/分,2.0m/分に変更した場合の各モジュールの出力を実測した。流量を0.1m/分の場合には、上手側から1列目のみを使用すると、発電される電力は5.2Wであるが、上手側から1列目と2列目を使用すると、上手側から2列目のモジュールの高温側の温度が低いため、上手側から2列目のモジュールに逆電流が流れ1.2Wのエネルギーを消費するため発電効率は低下し、システムの発電量は4.0Wとなる。このため上手側から1列目のみを使用することでシステム効率を上昇する。
【0042】
熱排気2の温度が200℃、流量2m/分の時の発電される電力は上手側から1列目7.7W、2列目6.9W、3列目6.4W、4列目5.9W、5列目5.3Wとなり、全て発電に関与していたため、システム効率が上昇した。
【0043】
(実施の形態2)
実施の形態1ではエアーシリンダ9によって摺動管18を駆動したが、エアーシリンダ9の代わりに、モータを設置し、このモータを回転させることで摺動管18を駆動し、発電に使用する熱電変換モジュール13の個数を変化させても良い。
【0044】
(実施の形態3)
上記の各実施の形態では、熱電変換ユニット群14〜14のうちの発電に使用するとコントローラ8が判定した熱電変換ユニット群については、図2(a)に示した8個の全ての熱電変換ユニット14a〜14hの全てに熱排気2が供給されたが、熱排気2の熱量に応じて熱電変換ユニット群14〜14のうちの、使用すると判定された熱電変換ユニット群のうちで最上手側に位置する熱電変換ユニット群を除く熱電変換ユニット群については8個の全ての熱電変換ユニット14a〜14hの全てに熱排気2を供給し、最下手側に位置する熱電変換ユニット群については熱排気2の熱量に応じて摺動管8の連通孔と第1通路3の管壁の排気孔との連通の面積を多段または連続的にコントロールするよう構成することによって、さらに熱量の変化に細かく対応することも可能である。
【0045】
上記の各実施の形態では、熱排流体が熱排気の場合を例に挙げて説明したが、ガス状では無く液体状などの場合でも、同様にエネルギー回収することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は熱排流体からエネルギーを効率よく回収することができ、各種の装置のエネルギー効率の改善に寄与するものである。
【符号の説明】
【0047】
1 熱電変換装置
2 熱排気
3 第1流路
〜4 連通孔
5 流量計
6 温度計
7 演算部
8 コントローラ
9 エアーシリンダ(アクチュエータ)
10〜10 排気孔
11 熱交換フィン(高温側)
12 水冷ユニット(低温側)
13 熱電変換モジュール
14〜14 熱電変換ユニット群
14a〜14h 熱電変換ユニット
15〜15 隔壁
16 第2通路
17 壁
18 摺動管
22 熱排気(熱排流体)
E1〜E8 エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電変換モジュールの高温側が排熱流体に接触し回収した熱を電気に変換する複数の熱電変換ユニット群と、
熱排流体が通る第1流路と前記複数の熱電変換ユニットとの結合度を変更する流路切換装置と、
前記熱排流体の状態を検出するセンサと、
前記センサの検出に基づいて計算した前記熱排流体の熱量に応じて前記流路切換装置を発電効率が向上するように運転するコントローラと
を設けた熱電変換装置。
【請求項2】
前記複数の熱電変換ユニット群の熱電変換モジュールの高温側と接触して前記第1流路から供給された熱排流体が流れる流路を直列接続して第2流路が形成され、
前記第2流路における前記第1流路からの熱排流体の注入位置を、前記コントローラが前記流路切換装置に指示して前記結合度を変更する
請求項1記載の熱電変換装置。
【請求項3】
前記熱電変換ユニット群のそれぞれは、前記第1流路の周囲に、前記熱電変換モジュールの高温側を内側に向けて複数の熱電変換ユニットを配置して構成されている
請求項2記載の熱電変換装置。
【請求項4】
前記熱電変換ユニット群は、前記第1流路の上手側から下手側に向かって配置され、
前記熱電変換ユニット群のそれぞれは、前記第1流路の周囲に、前記熱電変換モジュールの高温側を内側に向けて複数の熱電変換ユニットを配置して構成され、
前記熱電変換モジュールの高温側と接触して前記第1流路から供給された熱排流体が流れる流路を直列接続して第2流路が形成され、
前記第2流路における前記第1流路からの熱排流体の注入位置を、前記コントローラが前記熱排流体の熱量に応じて前記流路切換装置に指示して変更するとともに、
発電に使用する前記熱電変換ユニット群のうちの下手側の熱電変換ユニット群については、前記コントローラが前記熱排流体の熱量に応じて前記複数の熱電変換ユニットのうちの少なくとも一部の前記熱電変換モジュールの高温側に前記第1流路からの熱排流体を選択的に供給するよう、前記流路切換装置を介して前記第1流路と前記第2流路との結合度を変更する
請求項1記載の熱電変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−227982(P2012−227982A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90544(P2011−90544)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)