説明

燃料カートリッジ

【課題】燃料電池用燃料カートリッジにおいて、燃料電池に燃料を一定流量で供給し、さらに燃料電池が搭載される機器の小型化を実現可能にする。
【解決手段】燃料電池用燃料カートリッジ1は、燃料電池に接続する接続部22を備え、内部に燃料電池に供給する燃料Fと、燃料Fを押し出すための押出手段Pとを収容してなる容器本体2と、接続部22に設けられ、燃料電池に燃料を供給するための供給口41aを有し、容器本体2の燃料電池への接続動作に応じて供給口41aを開くバルブ4とを備える。接続部22に、一端がバルブ4と連通し、他端が容器本体2の内部と連通して、該内部に収容された燃料Fを、容器本体2内部の一次圧力より低い二次圧力に調整して、バルブ4に流出させる圧力調整機構5を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池用燃料カートリッジに関し、特に圧力調整機構を備えた燃料カートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、例えば水素、メタノール等の燃料と酸素とを隔てる電解質膜が水素イオンを通すことによって、水素と酸素を化学反応させ、電気を発生させるエネルギー変換装置であり、作動温度が低く、装置の小型化が期待できることから、現在さまざまな用途に使用され、例えばノート型パソコンや携帯電話の連続動作時間を長時間化させることができるモバイル機器用電源などの分野で開発が進められている。
【0003】
そして、該モバイル機器用電源などに使用される燃料電池に燃料を補充するには、燃料を供給する燃料容器(例えば燃料カートリッジ)が提案されている。
【0004】
通常、燃料電池は前記モバイル機器等の機器の内部に搭載されていて、該搭載された燃料電池には、燃料が一定圧力で供給されるように、圧力調整器(いわゆるガバナ)が装着されている。
【0005】
しかしながら、上記のようなモバイル機器は、年々小型化が進んでおり、将来さらなる小型化が望まれているため、モバイル機器内部にガバナを搭載する空間がなくなりつつある。
【0006】
そこで、ガバナを搭載しない燃料電池に燃料を供給するために、可撓性を有する容器に燃料を収容し、例えば人が容器を一定の力で押圧することによって流量を任意に調整しながら、燃料電池に燃料を供給する燃料容器(特許文献1)や、燃料容器の供給口に毛細管を配設し、毛細管現象を用いて、燃料電池に一定の流量で燃料を供給する燃料容器(特許文献2)が提案されている。
【特許文献1】特許第3550396号公報
【特許文献2】特開2005−216817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前者の可撓性を有する燃料容器では、人の手の押圧力によって流量が決まるので、例えば押圧する力が強すぎた場合には、燃料容器内の燃料が勢いよく排出され、燃料の供給先である燃料電池の電解質膜が、注入された燃料の圧力によって破れてしまう虞がある。
【0008】
また後者の毛細管現象を利用した燃料容器では、燃料容器内の燃料を一定の流量でゆっくりと供給するので、燃料電池が多量の燃料を必要とするときに、燃料を供給するのに時間がかかってしまう。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、燃料電池に燃料を一定流量で供給し、さらに燃料電池が搭載される機器の小型化を実現可能な燃料電池用燃料カートリッジの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の燃料電池用燃料カートリッジは、燃料電池に接続する接続部を備え、内部に前記燃料電池に供給する燃料と、該燃料を押し出すための押出手段とを収容してなる容器本体と、
前記接続部に設けられ、前記燃料電池に燃料を供給するための供給口を有し、前記容器本体の前記燃料電池への接続動作に応じて前記供給口を開くバルブとを備えてなる燃料電池用燃料カートリッジであって、
前記接続部に、一端が前記バルブと連通し、他端が前記容器本体の内部と連通して、該内部に収容された燃料を、前記容器本体内部の一次圧力より低い二次圧力に調整して、前記バルブに流出させる圧力調整機構が設けられたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の燃料電池用燃料カートリッジは、前記圧力調整機構の前記一端と、前記バルブとの間にフィルターを備えることが好ましい。
【0012】
本発明の燃料電池用燃料カートリッジは、前記容器本体が、前記接続部と前記内部との間に、略中央に連通孔を有する区画壁を備え、
前記接続部が、前記バルブと前記圧力調整機構との間に、外周面が前記接続部の内面に固着され、略中央に軸孔を有する略円柱状の中間部材を備えるものであって、
前記圧力調整機構が、前記バルブ側に突出して前記軸孔に挿入される第一の軸部と、前記内部側に突出して前記連通孔を挿通する第二の軸部とを有し、前記燃料の圧力変動に応じて変位するダイヤフラムを備え、
前記第一の軸部が、先端外周に第一の環状溝部を有し、該溝部に、前記軸孔の内面を摺動する、前記バルブ側に形成された前記バルブと連通する調圧室と前記区画壁側に形成された大気が収容された大気室とを区画する摺動隔壁部材が装着され、
前記第一の軸部の先端には前記調圧室と連通し前記燃料を排出する排出口が設けられて、
前記第二の軸部が、先端外周に第二の環状溝部を有し、該溝部に、該第二の軸部の軸方向の移動に応じて前記連通孔を開閉する調圧弁が装着され、
前記第二の軸部の該調圧弁より前記バルブ側の外周面には、前記調圧弁が開状態のときに前記内部と連通し前記燃料が流入する流入口が設けられ、
前記ダイヤフラムの内部に前記流入口から前記排出口に至る流路が形成されているものとすることができる。
【0013】
なお本発明の燃料電池用燃料カートリッジにおいては、前記中間部材が、前記バルブ側に、一端が該バルブに当接され、他端が前記中間部材に当接し、該バルブの開閉動作に応じて伸縮するバルブ用ばね部材を備え、
前記ダイヤフラム側に、一端が該ダイヤフラムに当接され、他端が前記中間部材に当接し、前記ダイヤフラムの変位に応じて伸縮するダイヤフラム用ばね部材を備えてなり、
前記バルブ用ばね部材と前記ダイヤフラム用ばね部材とが、異なる径を有し、それぞれ同心軸に、少なくとも該ばねの伸縮方向に一部が重なるように配設されてなることが好ましい。なお「一部が重なるように」とは、バルブ用ばね部材の中間部材側端部とダイヤフラム用ばね部材の中間部材側端部とが同一平面上に位置するものを含む。
【0014】
また本発明の燃料電池用燃料カートリッジにおいては、前記バルブ用ばね部材が、前記ダイヤフラム用ばね部材よりも小さい径を有することができる。
【0015】
また本発明の燃料電池用燃料カートリッジにおいては、前記押出手段が、前記燃料とともに前記容器本体内部に収容された圧縮ガス又は液化ガスとすることができる。
【0016】
また本発明の燃料電池用燃料カートリッジにおいては、前記容器本体が、前記圧力調整機構と連通し、内部に前記押出手段を構成するピストンを備えた円筒状の内容器と、該内容器の外側に圧縮ガス又は液化ガスを封入する押出用空間を形成する外容器からなる二重容器であるとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の燃料電池用燃料カートリッジは、容器本体内部に収容された燃料を、容器本体内部の一次圧力より低い二次圧力に調整して、バルブに流出させる圧力調整機構が設けられているので、燃料電池を搭載した機器に圧力調整器を搭載することなく、燃料を一定流量で燃料電池に供給することができる。これにより燃料電池に急激に燃料が供給されて燃料電池の電解質膜が破けるのを防止することができ、さらに前記機器は圧力調整器を搭載するスペース分小型化できる。また圧力調整機構が接続部に、一端がバルブと連通し、他端が容器本体の内部と連通して設けられているので、圧力調整機構が配設される空間分だけ接続部内部の空き空間が減少する。これにより、燃料電池用燃料カートリッジと燃料電池との接続が外された際に、接続部の内部に僅かながら残存してしまう燃料を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に図面を参照し、本発明にかかる一実施形態の燃料電池用燃料カートリッジについて詳細に説明する。図1は本実施形態における燃料電池用燃料カートリッジ1の中央断面図、図2は図1の燃料電池用燃料カートリッジ1の上端拡大斜視図、図3は図1の燃料電池用燃料カートリッジ1の主要部分解斜視図である。本実施形態の燃料電池用燃料カートリッジ1は内部に燃料Fを収容し、例えばDMFC等の燃料電池が内蔵されたノート型パソコン、PDA(Personal Data Assistant)、デジタルカメラ、デジタルビデオ等の小型の携帯端末(以下、機器という)に装着することで、燃料電池に燃料を供給する燃料電池用燃料カートリッジである。本実施形態においては便宜上、燃料電池に接続する側(図1中上方)を上側とする。
【0019】
燃料電池用燃料カートリッジ1は、図1に示す如く、内部に燃料Fと燃料Fを押し出すための圧縮ガスG及びピストン3から構成される押出手段Pとを収容し、上端に機器(図示しない)に接続するための接続部22を有する容器本体2と、接続部22に設けられ容器本体2に収容された燃料Fの流通を開放または遮断するバルブ4と、接続部22に設けられ容器本体2に収容された燃料Fを容器本体2内部の一次圧力より低い二次圧力に調整して、バルブ4に流出させる圧力調整機構5とから概略構成されている。
【0020】
なお本実施形態において燃料Fは特に限定されるものではなく、例えば燃料電池がDFMFCの場合にはメタノールと純水の混合液であり、エタノールと純水等の所定濃度のアルコールと純水の混合液やアルコール単体等、燃料電池の種類に応じて適宜変更可能である。また、本実施形態において圧縮ガスGは、燃料電池での反応に悪影響を及ぼす酸素が燃料Fへ混入することを防ぐという観点から、さらには燃料Fが酸化することを防ぐという観点から、窒素ガス、炭酸ガス、脱酸素空気等の酸素を含まないガスを用いることが好ましい。なお本実施形態では圧縮ガスGとしたが、本発明はこれに限られるものではなく例えばDME(ジメチルエーテル)等が気化した液化ガスであってもよい。
【0021】
容器本体2は、図1、図2に示す如く、上端部が開放した略円筒状の外容器21と、外容器21の上端に装着され、上端が機器(図示しない)と接続される接続部22と、外容器21の内部に二重構造に配設された内容器23とから概略構成されている。
【0022】
容器本体2内部には、図1に示す如く、内容器23の内部に形成された燃料Fを収容する燃料収容空間11と、主に内容器23の外面と外容器21の内面との間に形成され、燃料Fを押し出すための応力を生じさせる圧縮ガスGを封入する押出用空間12と、内容器23に上下に摺動可能に配設され、燃料収容空間11と押出用空間12とを区画するピストン3と、ピストン3が下降移動した際に外容器21の底内面21aとの間で圧縮される弾性体24とが備えられている。該弾性体24は、本発明において特に限定されるものではないが、本実施形態においては例えば、ばね等が使用される。なお燃料収容空間11と押出用空間12は、ピストン3の位置によって容積比率が変動するものであり、燃料Fが減少してピストン3が上昇すると、押出用空間12の一部が内容器23の内部に位置することになる。
【0023】
内容器23は下端が開放した略円筒状であり、下端部が外容器21の底内面21aと接することなく配設されている。また、下端側周面には縦方向に延びる複数の切欠き231が形成されていて、ピストン3が下降移動した際に、内容器23の内部と外容器21の内部が連通可能になっている。(後に詳細に説明する。)内容器23の上端には、図2、図3に示す如く、略中央に後述するダイヤフラム50の下軸部512が挿通する連通孔232aを有する略扁平な区画壁232が設けられている。区画壁232の上面外周部には、後述するダイヤフラム本体52の下面と係合用の係合凹部232bが形成され、区画壁232の上面即ち内容器23の上端と、外容器21の上端とは略同一平面上に配設されている。このように外容器21と内容器23の上端が略同一平面上に配設すると、内容器23内部に形成された燃料収容空間11を大きくすることができるので、容器本体2内部における燃料収容空間11の容積率を向上させることができる。
【0024】
接続部22は、図3に示す如く、上端に筒状の接続筒部221を備える略筒状の接続部本体222を有している。接続部本体222の下端には、内容器23の外面と外容器21の内面との間に挿入し、内容器23及び外容器21と係合する係合環状体223が備えられ、接続部22は該係合環状体223によって外容器21及び内容器23に固着されている。また、接続筒部221の内面には、内周の一箇所に、接続筒部221の上端面から下方に延び、絶対位置の基準となる基準突起221aが形成され、さらに、基準突起221aと幅の異なる2本の選択突起221b,221cが、燃料の種類に応じて予め設定された位置に形成されている。一方、不図示の燃料電池を内蔵した機器の接続部には、前記基準突起221aに対応する機器側基準溝と、前記選択突起221b,221cに対応する機器側選択溝が形成されている。基準突起221aは、選択突起221b,221cよりも幅を広く形成され、これに対応して、機器側基準溝も機器側選択溝よりも幅を広くしてあるので、ユーザーが無意識に接続しようとしても基準突起221aは、機器側基準溝以外には嵌合しない。
【0025】
なお本実施形態では、位置決め用の基準突起221aが1本のみ設けられているが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば基準突起を接続筒部221の中心に関して点対称の位置に複数本設けてもよい。その場合には、選択突起も点対称の位置に形成される。また選択突起を円筒体の外周および内周の双方に設けてもよい。さらには、選択突起の幅及び/又は位置を変えた多数の組合せパターンが考えられる。また本実施形態は、接続筒部221の形状を異ならせるために、接続筒部221の内周に選択突起221b,221cを設けた場合であるが、これらは突起に限らず溝でもよい。また燃料Fの種類に応じて接続筒部221の口径を変えてもよい。さらに、本実施形態では、円筒状の接続筒部221を用いているが、円筒状に限らず、例えば四角筒状であってもよく、機器側の接続部の形状や燃料Fの種類に応じて適宜設計変更可能である。上述の実施形態によれば、燃料Fの種類に応じて接続筒部221の形状を異ならせたので、目的とする燃料Fとは種類の異なる燃料Fを収容した燃料電池用燃料カートリッジ1が機器側接続部に装着不能となり、燃料電池用燃料カートリッジ1の誤装着を防止することができる。
【0026】
バルブ4は、図2に示す如く、接続部22への固定部材及び機器側接続部への嵌着部材としてのハウジング41と、機器(図示しない)との接続に応じて移動するステム42と、ステム42を閉方向に付勢するバルブ用ばね部材43と、燃料Fの流通を開放または遮断する弁体44(Oリング)と、機器との接続時にシール部材として作用する接続シール部材45とから概略構成され、これらは好ましくは非金属材料で形成されてなる。
【0027】
ハウジング41は、図3に示す如く、上端に燃料電池に燃料Fを供給するための供給口41aを有する装着筒部411を備え、該装着筒部411の下端には外周に上述した接続部本体222の上端内面222aに当接する段部412aを有し、内部に空間Sが形成されたハウジング本体412が設けられている。装着筒部411の上端外周には前記接続シール部材45が嵌装されている。ハウジング41は上述した接続部22の内部に、段部412aが上端内面222aに当接して装着され、ハウジング本体412の下端は後述する中間部材25の上面に当接する。
【0028】
ステム42は略円柱状の大径部421と、該大径部421の上方に延びる上軸部422と、下方に延びる下軸部423とを備えている。大径部421の下面には、下軸部423の外周から外方に向かって、等間隔四方に流路溝424が形成されている。そしてステム42は、上軸部422がハウジング41の供給口41a内を軸方向に移動可能に挿入され、大径部421の下面と後述する中間部材25の上面との間にはバルブ用ばね部材43が配設されて、上方に付勢されている。ステム42の上軸部422の基部外周には、Oリングによる弁体44が装着され、供給口41aの下端すなわちハウジング本体412の上端内面412bに圧接することで、供給口41aを閉塞して燃料Fの流通を遮断している。また、上軸部422の上面が下方に押し込まれると、バルブ用ばね部材43が縮んでステム42が下方に移動し、弁体44がハウジング本体412の上端内面412bから離れることによって、供給口41aが開口し、燃料収容空間11内の燃料Fの流通が開放される。そして流路溝424及び大径部421の外周面とハウジング本体412の内周面又は中間部材25の環状突起252の内周面との隙間を通った燃料Fは上軸部422の外周面と供給口41aの内面との隙間を通って燃料電池に供給される。
【0029】
バルブ4の下方には、図1、図2の如く、外周面が接続部本体222の内面に固着された略円柱状の中間部材25が配設されている。中間部材25は、図3に示す如く、略中央に貫通孔251を有する略円柱状であって、上面には貫通孔251を囲んで環状突起252が上方に向かって突設され、さらに環状突起252の内面から下方に向かって延びる第一の環状溝253が形成されている。貫通孔251には上述したステムの下軸部423が軸方向(上下方向)に移動可能に挿入され、第一の環状溝253には上述したバルブ用ばね部材43が挿入される。下面には、略中央に貫通孔251より大きい径の軸孔255が上方の所定位置まで形成され、該軸孔255を囲んでかつ第一の環状溝253よりも外側に第二の環状溝254が形成されている。このとき第一の環状溝253と第二の環状溝254とは同心軸に形成され、溝の深さ方向(上下方向)に一部が重なっている。このように第一の環状溝253と第二の環状溝254とを同心軸に重ねて形成することによって、バルブ用ばね部材43と後述するダイヤフラム用ばね部材55とを同心軸に該ばね部材43、55の伸縮方向(上下方向)が重なるように配設できるので、燃料電池用燃料カートリッジ1の外形が上下方向に大きくなるのを防ぐことができる。そして中間部材25は、外周面が、上述した接続部本体222の内面に固着され、さらに環状突起252の外周に装着された中間部材用Oリング256を介して上述したハウジング本体412の内面に固着される。
【0030】
本発明において特徴的なのは、接続部22の内部に、上端がバルブ4と連通し、下端が容器本体2内部と連通して、該内部に収容された燃料Fを、容器本体2内部の一次圧力よりも低い二次圧力に調整して、バルブ4に流出させる圧力調整機構5が設けられていることである。
【0031】
圧力調整機構5はダイヤフラム50と、該ダイヤフラム50に装着された摺動隔壁部材53及び調圧弁54と、ダイヤフラム50の変位に応じて伸縮するダイヤフラム用ばね部材55とから概略構成されている。ここで図4にダイヤフラム50の断面斜視図を示す。
【0032】
ダイヤフラム50は、図4に示す如く、バルブ4側(上側)に位置する移動本体51と、該移動本体51の下面に固着し区画壁232側(下側)に位置するダイヤフラム本体52とから構成されている。
【0033】
移動本体51は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)及びポリアクリロニトリル(PAN)等の樹脂で形成されるものであって、略円柱状の本体510と、該本体510の上面略中央に上方に向かって突設された上軸511(第一の軸部)と、本体510の下面略中央に下方に向かって突設された下軸512(第二の軸部)とから概略構成されている。本体510の上面縁側にはダイヤフラム用ばね部材55が当接する段部510aが形成され、ダイヤフラム用ばね部材55は上部が上述した第二の環状溝254に挿入され、上端が第二の環状溝254の底部に当接し、下端が段部510aに当接している。
【0034】
上軸511は、上述した軸孔255に挿入されるものであって、上端外周に上環状溝部511a(第一の環状溝部)を有し、該溝部511aに軸孔255の内面を摺動する摺動隔壁部材53が装着されている。該摺動隔壁部材53は、接続部22内部の空間をバルブ4と連通するバルブ4側の空間5a(以下、調圧室5aという)と大気が収容された区画壁232側の空間5b(以下、大気室5bという)とに区画している。また上軸511の上端面略中央には調圧室5aと連通し容器本体2内部に収容された燃料Fを排出する排出口511bが設けられている。
【0035】
下軸512は、上述した連通孔232aを挿通して下端が燃料収容空間11に位置するものであって、下端外周に下環状溝部512a(第二の環状溝部)を有し、該溝部512aに下軸512の移動に応じて連通孔232aを開閉する調圧弁54が装着されている。該調圧弁54は区画壁232の下面に当接することによって連通孔232aを開閉している。また下軸512の下環状溝部512aより上側の外周面には、調圧弁54が開状態のときに燃料収容空間11と連通し、該空間11内に収容された燃料Fが流入する流入口512bが設けられている。
【0036】
このように構成された移動本体51は、内部に、排出口511bから軸芯に沿って下軸の所定位置まで下方に延びる流路50aが形成されている。なお所定位置とは流入口512bより下側の位置をいい、流路50aは流入口512bと連通する。そして移動本体51は下側にダイヤフラム本体52を有し、該ダイヤフラム本体52はその上面が本体510の下面に固着されている。
【0037】
ダイヤフラム本体52は、例えばゴム等から構成され、弾力性を有する概ね平板状の部材であり、略中央には下軸512が挿通する円形の開口520が穿設され、外周には環状壁521が垂下されている。該環状壁521は、図2に示す如く、上述した区画壁232の係合凹部232bと係合するものであり、ダイヤフラム本体52は環状壁521の上面を接続部本体222の下端に、下面を係合凹部232bの底部にそれぞれ押圧されることで容器本体22に固着されている。ダイヤフラム本体52の下面と、区画壁232の上面との間には空間5a’が形成されていて、該空間5a’は上述した調圧室5aと流路50aを介して連通し、さらに調圧弁54が開状態のときは燃料収容空間11と連通する。以下、この空間5a’を本調圧室5a’という。
【0038】
ダイヤフラム50は、上述の移動本体51とダイヤフラム本体52とが二色成形で一体的に成形されることによって形成されている。なお本実施形態のダイヤフラム50は、移動本体51とダイヤフラム本体52とを二色成形によって成形したが、本発明のダイヤフラムはこれに限られるものではなく、例えば移動本体51とダイヤフラム本体52とをそれぞれ別に成形し、固着したものであってもよい。
【0039】
このように構成された圧力調整機構5の動作について説明する。ダイヤフラム50は、容器本体2内部から供給される燃料Fの一次圧力に対して、ダイヤフラム用ばね部材55により調圧室5a及び本調圧室5a’内が一次圧力より低い二次圧力になるように設定されている。そして調圧室5a及び本調圧室5a’内部の燃料Fの圧力が、前記二次圧力より高くなった場合、調圧室5a内の燃料Fが上軸511を下方に押圧し、本調圧室5a’内の燃料Fがダイヤフラム本体52の下面を上方に押圧する。このときダイヤフラム本体52の下面の面積は、上軸511の上端の面積よりも大きいので、ダイヤフラム50には下方から上方に向かう力が加わる。この結果ダイヤフラム用ばね部材55による付勢力に抗して、移動本体51の下軸512は上方に移動し、調圧弁54が区画壁232の連通孔232aを遮断して、それ以上燃料Fが本調圧室5a’及び調圧室5aに流入することを阻止する。また逆に、調圧室5a及び本調圧室5a’内部の燃料Fの圧力が低くなった場合、ダイヤフラム用ばね部材55の付勢力により、移動本体51の下軸512が、下降して連通孔232aを開放し、再度、燃料Fが本調圧室5a’及び流路50aを通って調圧室5a内に流入可能となる。このように、ダイヤフラム50は、燃料Fの圧力の変動に対して絶えず上下に移動することによって燃料Fを略一定の二次圧力に保っている。このときダイヤフラム50の内部に、下側に形成された本調圧室5a’と上側に形成された調圧室5aとを連通する流路50aが形成されているので、連通孔232a(下側)から流入した容器本体2内部の燃料Fを、二次圧力に調整してからバルブ4(上側)に流出することができる。
【0040】
このように燃料電池用燃料カートリッジ1は、容器本体2内部の一次圧力より低い二次圧力に調整して、バルブ4に流出させる圧力調整機構5が設けられているので、燃料電池を搭載した機器に圧力調整器を搭載することなく、燃料Fを一定流量で供給できるため、急激に燃料Fが供給されて燃料電池の電解質膜が破けるのを防止することができ、さらに前記機器は圧力調整器を搭載するスペース分小型化できる。また圧力調整機構5が接続部22の内部に配設されているので、接続部22内部の空き空間が減少する。これにより、接続部22と機器との接続が外されて供給口41aが閉状態となった際に、接続部22の内部に僅かながら残存してしまう燃料Fを減少させることができる。
【0041】
ピストン3は、図1に示す如く、略円柱状で外周面に全周に亘って延びた1つの溝310を有する本体部材31と、該溝310に嵌合するゴム等の弾性を有する材料から形成されたOリング32とで構成され、Oリング32は、外周が内容器23の内面に気密に接触し、内容器23内部を上下に摺動可能となるように配設されている。ピストン3は、上面と接する空間を燃料収容空間11、底面と接する空間を押出用空間12とにそれぞれ区画する移動隔壁として機能し、底面に作用する圧縮ガスGの圧力によって上面の燃料Fを加圧し、ステム42が開作動した際に、燃料Fを押し出すように作用する。
【0042】
なお本発明のピストン3は、耐燃料性、寸法安定性、成形性等の観点から、ポリプロピレン(PP)樹脂で形成されることが好ましく、ポリエチレン(PE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂で形成しても良い。
【0043】
また、容器本体2とピストン3とが摺接する面、すなわちOリング32の外表面及び内容器23の内壁面の少なくとも一方に、燃料Fに対して非溶出性のPTFE樹脂、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)樹脂又はポリパラキシレン系樹脂、特にパリレンN(日本パリレン株式会社の登録商標;ポリパラキシリレンを示す)で形成された被覆層を施すことによって、ピストン3の移動抵抗を低減し、圧縮ガスGの圧力が低くても確実で良好な作動を確保するように構成されている。
【0044】
また本発明のピストン3は、シリコンゴムで形成しても良い。この場合、前記被覆層を施さなくてもピストン3の移動抵抗を低減することができるので、ピストン3の下方に弾性体24を配設しなくても、後述する圧縮ガスGの封入時に、ピストン3は再下降した状態から燃料収容空間11を密封する状態に戻ることができる。
【0045】
また、摺動性を向上させるという点から、バルブ4の上端外周に嵌装された接続シール部材45の外表面にも前記被覆層が施されている。
【0046】
次に押出用空間12への圧縮ガスGの封入及び燃料収容空間11への燃料Fの注入について説明する。なお、圧縮ガスGの封入は燃料収容空間11に燃料Fを注入する前に行うものとする。
【0047】
まず図示しない燃料充填装置のガス注入口を供給口41aに結合し、押し込み作動によりステム42を開作動させ、バルブ4及び流路50aを通して、圧縮ガスGを燃料収容空間11に注入する。これに応じてピストン3が下降し、図1に示す如く弾性体24が自然長である位置から、さらに圧縮ガスGを注入することによって、ピストン3は、弾性体24を押圧変形させて外容器21の底内面21aに向かってさらに移動する。ピストン3が最下降した状態において、切欠き231の上端部がピストン3のOリング32より上方となり、切欠き231を通して燃料収容空間11から押出用空間12へ圧縮ガスGが注入される。そして、押出用空間12内が所定圧力となったら、圧縮ガスGの注入を停止する。
【0048】
次に、ステム42を再び開作動させて燃料収容空間11の圧縮ガスGを排出する。これに応じてピストン3は弾性体24の反発力によって上昇し、図2に示す如く燃料収容空間11を密封する状態に戻る。そして、さらなる圧縮ガスGの排出でピストン3は下面に押出用空間12の圧縮ガスGの圧力が作用した状態で内容器23の上端にまで上昇移動し、燃料収容空間11内の圧縮ガスGを排出することで、押出用空間12に圧縮ガスGが封入される。このとき、圧縮ガスGの圧力は、後述するようにして燃料収容空間11に充填された燃料Fを、ピストン3により押し出しながら全て排出することができる圧力であれば、特に制限はない。
【0049】
その後、注入手段を供給口41aに接続し、バルブ4及び流路50aを介して燃料収容空間11へ燃料Fを注入することによってピストン3を下降させ、燃料収容空間11に所定量の燃料Fを収容して燃料電池用燃料カートリッジ1が構成される。このように構成された燃料電池用燃料カートリッジ1は、内部に収容された燃料Fが減少または無くなると、再度内部に燃料Fを充填し再使用することが可能である。
【0050】
なお本実施形態において容器本体2を二重容器構造としたが、本発明の燃料電池用燃料カートリッジはこれに限られるものではなく、適宜設計変更可能であり、例えば一重容器構造で形成された容器本体内部に、燃料FとともにLPG(液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)及びCFC(クロロフルオロカーボン)等を気化した液化ガス又は炭酸ガスや窒素ガス等の圧縮ガスを噴射剤として収容し、前記液化ガス又は前記圧縮ガスの圧力によって、燃料Fを容器本体の外に自力で霧状や泡状などにして放出させる構造の一重容器構造としてもよい。この場合、押出手段Pは前記液化ガス又は前記圧縮ガスとなる。
【0051】
次に本発明にかかる別の実施形態の燃料電池用燃料カートリッジ1’について説明する。図5は本実施形態の燃料電池用燃料カートリッジ1’の接続部拡大断面図である。本実施形態においては便宜上、燃料電池に接続する側(図5中上方)を上側とする。なお本実施形態の燃料電池用燃料カートリッジ1’は、上述した実施形態の燃料電池用燃料カートリッジ1と略同様な構造を有するものは同符号で示して詳細な説明を省略し、異なる構造を有するものについてのみ詳細に説明する。
【0052】
本実施形態の燃料電池用燃料カートリッジ1’は、図5に示す如く、圧力調整機構5の上端側とバルブ4との間にフィルター6を備えている。
【0053】
本実施形態のバルブ4は上述した実施形態の燃料電池用燃料カートリッジ1と概略同様であるが、ステム42の構造が若干異なっている。本実施形態のステム42’は、下軸部423’の径が上軸部422の径よりも大きく形成され、下軸部423’の外周にバルブ用ばね部材43が装着されている。そしてバルブ用ばね部材43が装着された下軸部423’は後述する貫通孔251’に軸方向(上下方向)に移動可能に挿入される。
【0054】
接続部22の内部に固着された中間部材25’は、略中央に貫通孔251’を有する略円柱状であって、上面の外周縁にはハウジング本体412の下端が当接する環状段部257’形成され、該環状段部257’に装着された中間部材用Oリング256を介してハウジング本体412の内面に固着されている。また、貫通孔251’の底面略中央には貫通孔251’よりも小さい径の、移動本体51の上軸511が挿入される軸孔255’が下方に貫通して形成され、該軸孔255’を塞ぐようにしてフィルター6が配設されている。
【0055】
フィルター6は、略中央に軸孔255’を塞ぐフィルター弾性体6aを備える円板状であり、周縁(外周)には円筒状の周壁6bが立設されていて、該周壁6bの外周面が貫通孔251’の内周面に当接し、フィルター6の底面が貫通孔251’の底面に当接するようにして、貫通孔251’内部に配設されている。そしてフィルター6の上面にはフィルター弾性体6aを囲むようにしてバルブ用ばね部材43の下端が当接される。このフィルター6によって移動本体51の排出口511bから排出された燃料Fはさらに流量調整され、かつ異物が除去される。これにより圧力調整機構5で一定の二次圧力に調整された燃料Fは、さらに流量調整され、且つ異物の除去がなされた上でバルブ4に供給されるので、バルブ4及び燃料電池に異物が混入するのを防ぐことができ、かつ安定した燃料供給を行うことが可能となる。なお本実施形態のフィルター6は本出願人が先に出願した「流量調整フィルターの製造方法および流量調整フィルター」(特開2005−353299号公報)に開示された流量調整フィルターを使用可能とし、詳細な説明は省略する。
【0056】
また中間部材25’の下面には、軸孔255’を囲んで貫通孔251’よりも外側にダイヤフラム用ばね部材55の上部が挿入される第二の環状溝254が形成されている。このとき貫通孔251’と第二の環状溝254とは同心軸に形成され、貫通孔251’の底面と第二の環状溝254の上面とが同一平面上に位置するように形成される。これによりバルブ側ばね部材43とダイヤフラム用ばね部材55とが、異なる径を有し、それぞれ同心軸に、バルブ側ばね部材43の下端部とダイヤフラム用ばね部材55の上端部とが同一平面上に位置するように配設される。なお本実施形態では、貫通孔251’の底面と第二の環状溝254の上面とが同一平面上に位置する構造としたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば第二の環状溝254の上面が貫通孔251’の底面よりも上側に位置する構造としてもよい。この場合、バルブ用ばね部材43とダイヤフラム用ばね部材55とは、少なくとも該ばねの伸縮方向に一部が重なるように配設される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】燃料電池用燃料カートリッジ1の中央断面図
【図2】接続部の拡大断面斜視図
【図3】図1の主要部断面分解斜視図
【図4】ダイヤフラムの断面斜視図
【図5】別の実施形態にかかる燃料電池用燃料カートリッジ1’の接続部拡大断面図
【符号の説明】
【0058】
1、1’ 燃料電池用燃料カートリッジ
11 燃料収容空間
12 押出用空間
2 容器本体
21 外容器
21a 底内面
22 接続部
23 内容器
232 区画壁
232a 連通孔
24 弾性体
25、25’ 中間部材
251、251’貫通孔
255、255’軸孔
3 ピストン
4 バルブ
41 ハウジング
41a 供給口
42 ステム
43 バルブ用ばね部材
5 圧力調整機構
5a 調圧室
5a’ 本調圧室
5b 大気室
50 ダイヤフラム
50a 流路
51 移動本体
511 上軸(第一の軸部)
511a 上環状溝部(第一の環状溝部)
511b 排出口
512 下軸(第二の軸部)
512a 下環状溝部(第二の環状溝部)
512b 流入口
52 ダイヤフラム本体
53 摺動隔壁部材
54 調圧弁
55 ダイヤフラム用ばね部材
6 フィルター
F 燃料
G 圧縮ガス
P 押出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池に接続する接続部を備え、内部に前記燃料電池に供給する燃料と、該燃料を押し出すための押出手段とを収容してなる容器本体と、
前記接続部に設けられ、前記燃料電池に燃料を供給するための供給口を有し、前記容器本体の前記燃料電池への接続動作に応じて前記供給口を開くバルブとを備えてなる燃料電池用燃料カートリッジであって、
前記接続部に、一端が前記バルブと連通し、他端が前記容器本体の内部と連通して、該内部に収容された燃料を、前記容器本体内部の一次圧力より低い二次圧力に調整して、前記バルブに流出させる圧力調整機構が設けられたことを特徴とする燃料電池用燃料カートリッジ。
【請求項2】
前記圧力調整機構の前記一端と、前記バルブとの間にフィルターを備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用燃料カートリッジ。
【請求項3】
前記容器本体が、前記接続部と前記内部との間に、略中央に連通孔を有する区画壁を備え、
前記接続部が、前記バルブと前記圧力調整機構との間に、外周面が前記接続部の内面に固着され、略中央に軸孔を有する略円柱状の中間部材を備えるものであって、
前記圧力調整機構が、前記バルブ側に突出して前記軸孔に挿入される第一の軸部と、前記内部側に突出して前記連通孔を挿通する第二の軸部とを有し、前記燃料の圧力変動に応じて変位するダイヤフラムを備え、
前記第一の軸部が、先端外周に第一の環状溝部を有し、該溝部に、前記軸孔の内面を摺動する、前記バルブ側に形成された前記バルブと連通する調圧室と前記区画壁側に形成された大気が収容された大気室とを区画する摺動隔壁部材が装着され、
前記第一の軸部の先端には前記調圧室と連通し前記燃料を排出する排出口が設けられて、
前記第二の軸部が、先端外周に第二の環状溝部を有し、該溝部に、該第二の軸部の軸方向の移動に応じて前記連通孔を開閉する調圧弁が装着され、
前記第二の軸部の該調圧弁より前記バルブ側の外周面には、前記調圧弁が開状態のときに前記内部と連通し前記燃料が流入する流入口が設けられ、
前記ダイヤフラムの内部に前記流入口から前記排出口に至る流路が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用燃料カートリッジ。
【請求項4】
前記中間部材が、前記バルブ側に、一端が該バルブに当接され、他端が前記中間部材に当接し、該バルブの開閉動作に応じて伸縮するバルブ用ばね部材を備え、
前記ダイヤフラム側に、一端が該ダイヤフラムに当接され、他端が前記中間部材に当接し、前記ダイヤフラムの変位に応じて伸縮するダイヤフラム用ばね部材を備えてなり、
前記バルブ用ばね部材と前記ダイヤフラム用ばね部材とが、異なる径を有し、それぞれ同心軸に、少なくとも該ばねの伸縮方向に一部が重なるように配設されてなることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用燃料カートリッジ。
【請求項5】
前記バルブ用ばね部材が、前記ダイヤフラム用ばね部材よりも小さい径を有するものであることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池用燃料カートリッジ。
【請求項6】
前記押出手段が、前記燃料とともに前記容器本体内部に収容された圧縮ガス又は液化ガスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用燃料カートリッジ。
【請求項7】
前記容器本体が、前記圧力調整機構と連通し、内部に前記押出手段を構成するピストンを備えた円筒状の内容器と、該内容器の外側に圧縮ガス又は液化ガスを封入する押出用空間を形成する外容器からなる二重容器であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池用燃料カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−200734(P2007−200734A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−18503(P2006−18503)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000151265)株式会社東海 (45)
【Fターム(参考)】