説明

燃料ホース評価試験装置及び燃料ホース評価方法

【課題】実際の使用状況に近い条件を設定し、熟練の技術を要することなく、実走行試験と同様の傾向を、従来の浸漬による試験方法より短い時間で得ることができる燃料ホース評価試験装置及び燃料ホース評価方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る燃料ホース評価試験装置では、温度を調整した試験油(1)が、管状の供試体(2)の中空部を流れる。該試験油は、該試験油を空気に触れた状態で貯留する貯留手段(3)から出て、該貯留手段と別体の加熱手段(4)を経て該貯留手段に戻る流路(5)に通され、該供試体は、該流路における任意の位置に配置されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の燃料系統に使用される燃料ホースの材料適合性を評価するための、燃料ホース評価試験装置及び燃料ホース評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の燃料系統に使用される燃料ホースの材料適合性は、一般に、適用される燃料を試験油とし、その燃料ホースと同じ材料で形成した試験片を供試体とし、それらを前記試験油の中に浸漬させて得た結果により評価される。この際、試験片の成形や試験は、例えば、JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」等のJIS規格に沿って行われる。
【非特許文献1】JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の浸漬による試験方法は、もともと、実車を使用した実走行試験(以下、実走行試験という)とはその結果が完全に一致するものではないが、性状変化については同様の傾向、例えば、変化のオーダーや方向(プラス側かマイナス側か)を得ることができるため、実際の使用状況における挙動を予測するための資料となっていた。しかしながら、その傾向が結果として現れるまでに長い時間、例えば、場合によっては1000時間を越える時間を必要としていた。
【0004】
また、浸漬による試験方法では、試験片が使用されることが多いが、この試験片の成形には、方向性の考慮や良好な端面仕上げ等、熟練の技術を必要としていた。そのため、試験片の出来栄えにより、異なる結果となってしまうおそれがあった。
【0005】
更にまた、浸漬による試験方法では、供試体と試験油は共に動かない静的状態であり、燃料油が流れて常に新しいものに入れ替わる実際の使用状況とは大きく異なっていた。そのため、実際の使用状況にできるだけ近い条件で、燃料ホースの材料適合性を評価できる手法が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明は、実際の使用状況に近い条件を設定し、熟練の技術を要することなく、実走行試験と同様の傾向を、従来の浸漬による試験方法より短い時間で得ることができる燃料ホース評価試験装置及び燃料ホース評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る燃料ホース評価試験装置は、温度を調整した試験油が、管状の供試体の中空部を流れるものである。
【0008】
該試験油は、貯留手段から、該貯留手段と別体の加熱手段を経て該貯留手段に戻る流路に通され、該供試体は、該流路における任意の位置に配置されていてもよい。
なお、貯留手段とは、車両の燃料タンクと同じ状態で、すなわち空気に触れた状態で試験油を貯留しておくためのもので、例えば、耐油性を持つ材料でできた容器を使用してもよい。供試体が配置される位置は、試験条件により適宜決めればよく、流路における加熱手段の上流側(加熱前)、下流側(加熱後)のどちらであってもよい。
【0009】
該加熱手段は、該試験油に、該流路の外表面から熱を加えるものであってもよい。
【0010】
該貯留手段が、該貯留手段に貯留されている該試験油と温度の異なる温度調整部材を備えるものであってもよい。
温度調整部材は、貯蔵されている試験油と温度の異なるもの(試験油に対して高い場合、低い場合のいずれも含む)であれば特に制限はないが、例えば、管状部材をコイル状に形成したもので、その内部に試験油と温度の異なる流体を流せるものが好適である。
【0011】
本発明に係る燃料ホース評価方法では、空気に触れた状態で試験油を貯留するとともに、貯留されている該試験油の一部を連続的に流動させ、流動経路の途中で加熱するとともに管状の供試体の中空部に通した後貯留状態に戻すことを所定時間継続させ、該供試体に関する計測を行う。
供試体に関する計測は任意の内容でよいが、例えば、比重、硬度、引張強度が挙げられる。
【0012】
本発明に係る燃料ホース評価方法において、貯蔵されている該試験油の温度を、該試験油と温度の異なる温度調整部材により調整してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、実走行試験と同様の結果を、従来の浸漬による試験方法より短い時間で得ることができる。また、試験油は、管状の供試体の中空部を流れるため、供試体に対して静的な状態となることがなく、実際の使用状況とほぼ同様の条件とすることができる。更に、供試体として管状のものを採用したことから、所定の形状に成形することなく、評価対象となる燃料ホースを所望の長さに切断するのみで得ることができるため、熟練の技術を要することなく、供試体の出来栄えに試験結果が左右されるおそれもない。
【0014】
更にまた、本発明の燃料ホース評価試験装置において試験油を、貯留手段から、その貯留手段と別体の加熱手段を経て貯留手段に戻る流路に通すこととすれば、定量の試験油で、流動状態を維持することができるとともに、試験油を貯留手段に貯留することとすれば、空気に触れた状態で試験油を貯留して試験を継続しながら、試験油の状態に応じ適宜試験油を交換し、より実際の使用状況に近い条件とすることができる。一方、供試体は、貯留手段から加熱手段を経て貯留手段に戻る流路における任意の位置に配置することとしたため、同時に複数の供試体の試験を行うことができる利点もある。また、本発明に係る燃料ホース評価試験方法でも、同様の効果を得ることができる。
【0015】
更にまた、本発明の燃料ホース評価試験装置の加熱手段において、試験油に、流路を構成する管状部材の外表面から熱を加えることとすれば、試験油を空気に触れない状態で、しかも流れている状態で加熱できるため、試験油の加熱による劣化を防ぐことができる。そのため、従来の浸漬による試験方法よりも試験油の温度を上げることができ、より広範な使用状況に対応した試験を行うことが可能となる。この際、貯留手段においては、実際に使用される燃料タンクと同様、空気に触れた状態で貯留されているので、実際の使用状況において発生し得る劣化は再現されることになる。
【0016】
更にまた、貯留手段が貯留手段に貯留されている試験油と温度の異なる温度調整部材を備えるものであれば、貯留手段における試験油の状態を、温度調整部材を介して実際に使用される燃料タンクにおける状態により近づけることができる。また、本発明に係る燃料ホース評価試験方法でも、同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係る燃料ホース評価試験装置の実施形態の概略図を図1に示す。この試験装置は、試験油1を貯留する貯留手段3と、試験油1を加熱する加熱手段4と、これら貯留手段3及び加熱手段4の間に設けられた流路5とで構成されている。
【0018】
貯留手段3には、試験油1の影響で変質することの無い材質の容器が採用されており、試験油1は、上側の液面において空気に触れる状態で、容器内部に貯留されている。また、容器の外周は断熱材で覆われており、貯留されている試験油1からの放熱防止が図られている。更に、容器の開口部には、試験油1からの放熱と、試験油1への異物混入を防止するための蓋が取り付けられている。ただし、本試験装置の構成を明確にするため、図示は省略されている。なお、容器の材質として、例えばステンレスを採用してもよいが、試験油1の影響で変質することの無いものであれば制限はなく、その他の材質を適宜採用してもよい。
【0019】
一方、加熱手段4は、熱伝達媒体41の貯留槽42と、熱伝達媒体41を加熱するための電気加熱器43とで構成されている。熱伝達媒体41には、シリコーンが好適であるが、試験油1の性状に影響を与えないものであれば、その他のものを採用してもよい。また、加熱手段4の構成自体にも制限はなく、試験油1を加熱できるものであれば、他の構成を採用してもよい。
【0020】
流路5は、試験油1の影響で変質することの無い材質の管状部材で構成され、前記貯留手段3から出て、前記加熱手段4を経て、貯留手段3に戻るものとなっている。そして、管状の供試体2が、この流路5における任意の位置に配置されている。なお、管状部材の材質として、貯留手段3と同様に例えばステンレスを採用してもよいが、試験油1の影響で変質することの無いものであれば制限はなく、その他の材質を適宜採用してもよい。
【0021】
流路5の始点5a、すなわち、試験油1が貯留手段3から出て行く部分には、ポンプ32が設置され、試験油1は、このポンプ32により貯留手段3から流路5へ送り出されている。ただし、試験油1を貯留手段3から流路5へ送り出す手法に制限はなく、その他の手法を採用してもよい。
【0022】
流路5は、その経路の途中がコイル状に形成されており、そのコイル状部分5bが、前記加熱手段4の熱伝達媒体41に浸漬されている。また、流路5の終点5c、すなわち、試験油1が貯留手段3に戻る部分は、貯留手段3に貯留された試験油1の液面近傍に開口し、加熱手段4で加熱された試験油1が前記ポンプ32の送り出し力を利用して戻るものとなっている。この戻ってくる試験油1の熱が、貯留手段3に貯留される試験油1の温度を維持することになるが、この熱量が大きすぎたり小さすぎたりする場合、貯留される試験油1の温度が維持目標とされる範囲から外れることなる。そこで、貯留手段3には、貯留される試験油1の温度を調整するための温度調整部材31が設けられている。
【0023】
この試験装置では、温度調整部材31として、内部に水を通すコイル状の冷却管が採用されている。そして、加熱手段4を経て戻ってきた試験油1の持つ熱量が大きすぎる場合、冷却水を流して、貯留手段3に貯留されている試験油1の温度を調整することとしている。加熱手段4を経て戻ってきた試験油1の持つ熱量が小さすぎる場合は、加熱手段4における加熱量を大きくすることで対応すればよい。ただし、流路5におけるコイル状部分5bと終点5cとの間に供試体2を配置する場合、加熱手段4における熱量は、これら供試体2の試験条件によって決まることになる。そこで、そのような場合に貯蔵手段3における熱量不足が懸念されるようであれば、冷却管に耐熱性を持たせ、冷却水の替わりに熱湯を流すこととすればよい。なお、温度調整部材31の構成に制限はなく、使用状況に応じ、最適な構成としてもよい。
【0024】
この試験装置により実施する燃料ホースの評価試験は、本発明に係る燃料ホース評価試験方法によるものとなる。その方法を、以下、具体的に説明する。
【0025】
まず、図1に示すように、評価対象となる燃料ホースを適度な長さに切断した供試体2を、流路5の任意の位置に配置する。配置する位置は試験条件に応じて決めればよく、試験油1が加熱される前となる加熱手段4の上流側(始点5aとコイル状部分5bの間)、加熱された後となる加熱手段5の下流側(コイル状部分5bと終点5cの間)のどちらでもよい。図1に示す供試体2は、加熱手段4の上流側と下流側に、それぞれ2個ずつ配置されている。
【0026】
供試体2が配置されたら、ポンプ32を始動し、貯留手段3に貯留されている試験油1の一部を連続的に流路5へ送り出し、流動させる。貯留手段3から流路5へ送り出された試験油1が再び貯留手段3に戻り、循環した状態になったことを確認したら、続いて、加熱手段4の電気加熱器43を作動させる。そして、試験油1が流路5に沿って流動し、加熱手段4の上流側に配置された供試体2の中空部を通り、加熱手段4で加熱され、加熱手段4の下流側に配置された供試体2の中空部を通り、終点5cから貯留手段3に戻る循環状態を継続させる。この循環状態において、貯留手段3に貯留されている試験油1及び加熱手段3で加熱された試験油1は所定の温度に維持される。この際、貯留手段3に貯留された試験油1の温度は、既述の通り、温度調整部材31に冷却水或いは熱湯を流すことで調整する。
【0027】
試験油1を循環させた時間が所定の時間に達したら、ポンプ32及び電気加熱器43の作動を停止し、供試体2をとり外し、これら供試体2に関する計測、例えば、質量、硬度、引張強度の計測を行い、燃料ホースの評価を行う。
【実施例】
【0028】
「実施例1」
図1に示す試験装置の流路5における始点5aとコイル状部分5bの間に供試体2を配置し、貯留手段3における温度を80℃に維持した試験油を50時間循環させ、試験前後の供試体の比重変化率と硬度変化率を算出した。
なお、比重変化率は、供試体を縦の長さ3cm程度の環状片に裁断して自動比重測定装置SGM−6(製品名、メトラートレド株式会社製)を用いて測定し、得られたデータから変化率を算出した。一方、硬度変化率は、供試体を縦割りにし、ホース内表面の硬度をJIS定圧荷重器GS−710(製品名、株式会社テクロック製)を用いて測定し、得られたデータから変化率を算出した。
供試体は、内側の材質がNBR、外側の材質がクロロプレンの燃料ホースを、30cmの長さに切断したものとした。
試験油は、表1に示す性状のGTL軽油とした。なお、GTL軽油とは、天然ガス、石炭、バイオマス等の原料を合成ガス化し、フィッシャー・トロプシュ合成により合成して得られる燃料(FT燃料といわれることがある)のうち、天然ガスを原料とするもので、密度や蒸留性状などが一般の軽油と同等のものである。
【表1】

【0029】
「比較例1」
排気量7.96リットル、6気筒のエンジン搭載車に、実施例1の供試体と同じロットの燃料ホースを取り付け、実施例1のGTL軽油と同じロットのGTL軽油で10036kmの市街地道路や一般国道等走行を主とする運行を行った後、燃料ホースの比重変化率と硬度変化率を算出した。
なお、比重変化率及び硬度変化率の算出は、実施例1と同じ方法で行った。
【0030】
「比較例2」
排気量7.96リットル、6気筒のエンジン搭載車に、実施例1の供試体と同じロットの燃料ホースを取り付け、実施例1のGTL軽油と同じロットのGTL軽油で22797kmの高速道路走行を主とする運行を行った後、燃料ホースの比重変化率と硬度変化率を算出した。
なお、比重変化率及び硬度変化率の算出は、実施例1と同じ方法で行った。
【0031】
実施例1、比較例1、比較例2の結果を表2に示す。
【表2】

表2によれば、実施例1、比較例1及び比較例2の比重変化率は1%以下の数値範囲で、また、硬度変化率は4%台の数値範囲に収まっており、変化のオーダーが一致している。従って、実施例1の結果は、比較例1及び比較例2と同様の傾向を示し、妥当なものであることが確認できた。
【0032】
「実施例2」
図1に示す試験装置の流路5における始点5aとコイル状部分5bの間に供試体2を配置し、貯留手段3における温度を85〜90℃に維持した試験油を50時間循環させ、試験前後の供試体の重量変化率を算出した。
なお、重量変化率は、実施例1の比重変化率と同様に、供試体を縦の長さ3cm程度の環状片に裁断して自動比重測定装置SGM−6を用いて測定し、得られたデータから変化率を算出した。
供試体は、実施例1と同じ材質(内側の材質がNBR、外側の材質がクロロプレン)でロットの異なる燃料ホースを、15cmの長さに切断したものとした。
試験油は、表3に示す性状の軽油とした。
【0033】
「実施例3」
実施例2における試験油を表3に示す性状のGTL軽油とし、それ以外は実施例2と同様にして、試験前後の供試体の重量変化率を算出した。なお、重量変化率は、実施例2と同様に算出した。
【表3】

【0034】
「比較例3」
JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」に準拠し、材質がNBRの供試体(JISに準拠して成型した試験片)を85℃で浸漬試験を行い、試験前後の供試体の重量変化率を算出した。試験油は、表4に示す性状の軽油とした。
【0035】
「比較例4」
JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」に準拠し、材質がNBRの供試体(JISに準拠して成型した試験片)を85℃で浸漬試験を行い、試験前後の供試体の重量変化率を算出した。試験油は、表4に示す性状のGTL軽油とした。
【表4】

【0036】
実施例2、実施例3、比較例3、比較例4の結果を表5に示す。なお、比較例3及び比較例4については、実施例3及び実施例4との差異を明確にするため、供試体に変化が現れていない時点の結果もあわせて示した。
【表5】

表5の結果、燃料ホースの重量変化率は、GTL軽油ではマイナスとなることがわかるのが、従来の浸漬試験である比較例4では1008時間後であるのに対し、実施例3ではその傾向を50時間後に知ることができる。また、実施例2によると、一般の軽油については重量変化率がプラスになることが確認され、従来の浸漬試験である比較例3でも同じ傾向の結果となっていることから、実施例3の結果が妥当であることもあわせて確認された。
【0037】
「実施例4」
図1に示す試験装置の流路5におけるコイル状部分5bと終点5cの間に供試体2を配置し、貯留手段3における温度を120〜124℃に維持した試験油を50時間循環させ、試験前後の供試体の比重変化率と硬度変化率を算出した。
なお、重量変化率の算出は、実施例1と同じ方法で行った。
供試体は、材質がHNBRの燃料ホースを、15cmの長さに切断したものとした。
試験油は実施例3の試験油と同じものとした。
【0038】
「比較例5」
JIS K 6258「加硫ゴムの浸せき試験方法」に準拠し、材質がHNBRの供試体(JISに準拠して成型した試験片)を120℃で浸漬試験を行い、試験前後の供試体の重量変化率を算出した。試験油は、実施例3の試験油と同じものとした。
【0039】
実施例4、比較例5の結果を、表6に示す。
【表6】

現在、軽油車両の燃料ホースには、80℃程度の軽油燃料が流れることとなるため、燃料ホース評価を行うための試験において、試験油の温度も80℃程度とされている。しかしながら、今後の技術改良等により、燃料ホースには、より高温の軽油燃料に対する耐久性が求められることが予測される。その一方で、従来の浸漬試験では、試験油の温度を上げることは、劣化や安全性の問題等を考慮すると難しい。上記比較例5は、従来よりも温度を上げた状態でも実施することができたが、今後予測される使用状況に適応できないおそれがある。これに対し、この実施例4を実施した試験装置の試験油は、既述のように貯留手段3において温度調整を行うことができるため、高温にすることができる。そして、この実施例4の結果が、従来の浸漬試験による比較例5と同様の傾向を示していることから、試験油を高温とした場合であっても、妥当な結果が得られることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る燃料ホース評価試験装置の実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0041】
1 試験油
2 供試体
3 貯留手段
4 加熱手段
5 流路
31 温度調整部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度を調整した試験油(1)が、管状の供試体(2)の中空部を流れることを特徴とする燃料ホース評価試験装置。
【請求項2】
該試験油(1)は、該試験油(1)を空気に触れた状態で貯留する貯留手段(3)から出て、該貯留手段(3)と別体の加熱手段(4)を経て該貯留手段(3)に戻る流路(5)に通され、該供試体(2)は、該流路(5)における任意の位置に配置されている請求項1に記載の燃料ホース評価試験装置。
【請求項3】
該加熱手段(4)は、該試験油(1)に、該流路(5)を構成する管状部材の外表面から熱を加える請求項2に記載の燃料ホース評価試験装置。
【請求項4】
該貯留手段(3)が、該貯留手段(3)に貯留されている該試験油(1)と温度の異なる温度調整部材(31)を備える請求項2又は請求項3に記載のいずれか一方の燃料ホース評価試験装置。
【請求項5】
空気に触れた状態で試験油(1)を貯留するとともに、貯留されている該試験油(1)の一部を連続的に流動させ、流動経路の途中で加熱するとともに管状の供試体(2)の中空部に通した後貯留状態に戻すことを所定時間継続させ、該供試体に関する計測を行うことを特徴とする燃料ホース評価方法。
【請求項6】
貯蔵されている該試験油(1)の温度を、該試験油(1)と温度の異なる温度調整部材(31)により調整する請求項5に記載の燃料ホース評価方法。


【図1】
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【公開番号】特開2009−264394(P2009−264394A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−110578(P2008−110578)
【出願日】平成20年4月21日(2008.4.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成17年度独立行政法人交通安全環境研究所「次世代低公害車開発・実用化促進プロジェクト FTD自動車の開発試作」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000186913)昭和シェル石油株式会社 (322)
【Fターム(参考)】