説明

燃料供給ユニット

【課題】燃料供給ユニットにおいて、燃料フィルタの下流側に異物が混入した場合でも、該異物を確実に捕捉して燃料ポンプへの進入を阻止する。
【解決手段】燃料供給ユニット10では、ベース部材14の吸入管28と燃料ポンプ18とを連結するアダプタ62の内部に補助フィルタ78が設けられ、前記補助フィルタ78によって吸入通路36を流通する燃料に含まれた異物等が捕捉され除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の燃料タンクから内燃機関へと燃料を供給するための燃料供給ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両において燃料を燃料タンクから燃料噴射装置へと供給するための燃料供給ユニットが用いられている。このような燃料供給ユニットとしては、例えば、燃料を吸入・吐出可能なポンプを有したポンプユニットと、前記ポンプユニットを燃料タンクに固定するための板部材とを備え、前記ポンプユニットには、燃料を吸入する燃料吸入部と、吸入した前記燃料を吐出するための燃料吐出部とを有する。この燃料吸入部は、板部材に設けられ燃料タンクの外部に突出した吸入口に接続され、一方、燃料吐出部は、前記板部材に設けられ燃料タンクの外部に突出した吐出口に接続されている。また、燃料タンクの外部には、燃料中の異物を除去するための燃料フィルタが設けられ、該燃料フィルタを通過した燃料が吸入口へと供給される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2004/072469号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような構成を有した燃料供給ユニットでは、燃料フィルタが燃料タンクの外部に設けられているため、その交換作業及びメンテナンス作業が容易であるが、その一方、前記燃料フィルタと吸入口とを着脱した際に、その内部に異物等が進入してしまうことが懸念される。この場合、異物等は、燃料フィルタの下流側に進入することとなるため、燃料ポンプ内へと進入してしまうこととなる。
【0005】
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、燃料フィルタの下流側に異物が混入した場合でも、該異物を確実に捕捉して燃料ポンプへの進入を阻止することが可能な燃料供給ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明は、燃料タンクの外部に設けられたフィルタを通過した前記燃料を吸入する吸入口と、該燃料が吐出される吐出口とを有し、前記燃料タンクの開口部に装着されるベース部材と、該ベース部材に保持され前記燃料を吸入・吐出する燃料ポンプとを備え、前記燃料が前記吸入口を介して前記燃料ポンプの吸入ポートに吸引され、該燃料ポンプの吐出ポートから前記吐出口を通じて燃料噴射弁へと供給される燃料供給ユニットにおいて、
前記ベース部材の吸入口と前記燃料ポンプの吸入ポートとの間には、前記燃料の流通する流路に補助フィルタが設けられることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、燃料供給ユニットにおいて、燃料フィルタを通過した燃料が吸入されるベース部材の吸入口と、該吸入口に接続された燃料ポンプの吸入ポートとの間に補助フィルタを設けている。従って、ベース部材の吸入口から燃料配管を取り外したり、該燃料配管を燃料フィルタから取り外した際に、前記燃料配管又は吸入口の内部に誤って異物等が進入してしまった場合でも、該吸入口と燃料ポンプとの間に設けられた補助フィルタによって前記異物等を流路内において確実に捕捉して除去することができる。
【0008】
その結果、燃料供給ユニットのメンテナンス時や燃料フィルタの交換時などに、誤って燃料配管や吸入口に異物が進入してしまった場合でも、該異物を補助フィルタで除去し、燃料と共に前記異物等が燃料ポンプ側へと進入してしまうことを確実に防止することができる。
【0009】
また、補助フィルタは、燃料配管の接続される吸入口の開口端部に設けるとよい。これにより、吸入口に接続された燃料配管を取り外した際、補助フィルタを外部から確実に視認することができるため、該補助フィルタの状態を容易に確認することができ、該状態に基づいて迅速にメンテナンスや交換作業を行うことが可能となる。
【0010】
さらに、補助フィルタは、燃料ポンプとベース部材との流路接続部に保持されるとよい。これにより、燃料ポンプをベース部材に対して組み付けることで、補助フィルタの固定を行うことができるため、その組付作業を簡素化できると共に、該補助フィルタを固定するための固定手段を設ける必要がなく好適である。
【0011】
さらにまた、ベース部材と燃料ポンプとの間に連結部材を設け、補助フィルタを、前記連結部材に対して固定するとよい。これにより、連結部材をベース部材及び燃料ポンプに対して組み付けることで、同時に補助フィルタの組み付けがなされるため、該補助フィルタの組付作業をより一層簡素化することができると共に、前記補助フィルタの組み付け忘れを防止することもできる。
【0012】
またさらに、ベース部材と燃料ポンプとの間に連結部材を設け、補助フィルタを、前記連結部材と前記燃料ポンプとの間の流路接続部、又は、前記連結部材と前記ベース部材との間の流路接続部のいずれか一方に設けて保持するとよい。これにより、燃料ポンプ又はベース部材を連結部材に組み付けるだけで、補助フィルタを固定できるため、その組付作業を簡素化できると共に、該補助フィルタを固定するための固定手段を設ける必要がなく好適である。
【0013】
また、補助フィルタを、燃料ポンプにおける吸入ポートの端部に固定することにより、前記補助フィルタの組付作業をより一層簡素化することができると共に、前記補助フィルタの組み付け忘れを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0015】
すなわち、吸入されるベース部材の吸入口と、該吸入口に接続された燃料ポンプの吸入ポートとの間に補助フィルタを設けることにより、燃料供給ユニットのメンテナンス時や燃料フィルタの交換時などに、誤って燃料配管や吸入口に異物が進入してしまった場合でも、該異物を流路内において補助フィルタで確実に除去し、燃料と共に前記異物等が燃料ポンプ側に進入してしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る燃料供給ユニットが燃料タンクに装着された状態を示す全体構成図である。
【図2】図2Aは、補助フィルタがアダプタの圧入部に設けられた変形例を示す拡大図であり、図2Bは、補助フィルタが吸入通路内においてアダプタの挿入部によって挟持された変形例を示す拡大図である。
【図3】図3Aは、補助フィルタが吐出管の端部に装着された変形例を示す拡大図であり、図3Bは、補助フィルタが吸入通路内において燃料吸入部に隣接して設けられた変形例を示す拡大図である。
【図4】燃料ポンプの燃料吸入部に対して補助フィルタが固定された変形例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る燃料供給ユニットについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0018】
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る燃料供給ユニットを示す。
【0019】
この燃料供給ユニット10は、図1に示されるように、燃料タンク12の底壁に固定されるベース部材14と、該ベース部材14に接続される有底筒状のホルダ16と、前記ホルダ16の内部に設けられる燃料ポンプ18とを含む。
【0020】
ベース部材14は、燃料タンク12の底壁に開口した開口部20に装着され、該開口部20に挿入される有底筒状の筒部22と、該筒部22の底壁部から半径外方向に向かって延在したフランジ部24とを有し、前記筒部22が前記燃料タンク12の外側から内部へと挿入されると共に、前記フランジ部24が前記燃料タンク12の底壁に当接した状態で複数のボルト26で固定される。
【0021】
筒部22の底壁部には、燃料フィルタ34を通過した燃料を吸入する吸入管28と、前記燃料を燃料噴射弁(図示せず)へと吐出する吐出管30とが形成される。この吸入管28及び吐出管30は、燃料供給ユニット10が燃料タンク12に固定された際、前記燃料タンク12の外側となるように設けられ、前記吸入管28及び吐出管30は、それぞれ底壁部から離間する方向(矢印A方向)へと所定距離だけ延在した後、略直角に折曲されてフランジ部24と略平行に延在している。なお、吸入管28と吐出管30とは、互いに離間する方向へと延在している。
【0022】
そして、吸入管28の先端部には、燃料チューブ32が接続され、該燃料チューブ32を介して燃料フィルタ34と接続される。一方、吐出管30の先端部は、図示しない別の燃料チューブを介して燃料を内燃機関のシリンダ内に噴射する燃料噴射弁(図示せず)に接続されている。なお、燃料フィルタ34は、燃料中に含まれる異物を除去する目的で設けられている。
【0023】
吸入管28の内部には、燃料の流通する吸入通路36が形成され、該吸入通路(流路)36は、筒部22の底壁部を貫通して該筒部22の内部まで貫通している。一方、吐出管30の内部には、燃料の流通する吐出通路38が形成され、該吐出通路38は前記底壁部を貫通して該筒部22の内部まで貫通している。
【0024】
さらに、筒部22の端部には、周方向に沿って複数の孔部40が形成され、略長方形状に開口した孔部40には、後述するホルダ16の外周面に形成された爪部42が係合されることにより、前記ホルダ16とベース部材14とが連結される。
【0025】
フランジ部24の端面には、筒部22の外周面近傍に設けられた環状溝を介して第1シールリング44が装着され、前記フランジ部24が燃料タンク12の底壁に当接した際、前記第1シールリング44が底壁に当接し前記燃料タンク12とベース部材14との間の液密を保持する。
【0026】
ホルダ16は、内部に形成され燃料ポンプ18が設けられる円筒部46と、前記円筒部46に接合され該円筒部46の内部と連通する流路形成部48と、前記流路形成部48の端部に形成されベース部材14の吐出通路38に接続される接続部50とを備える。
【0027】
円筒部46の内部は、該円筒部46の端部に形成された連通孔52を介して後述する流路形成部48の連通路54と連通している。
【0028】
流路形成部48は、ホルダ16の外壁面に接合され、該ホルダ16の底壁部及び側部に沿うように断面略L字状に形成される。この流路形成部48の内部には、燃料ポンプ18から吐出された燃料が流通する連通路54が形成され、該連通路54はホルダ16の他端部側(矢印B方向)において該ホルダ16の軸線と直交方向に延在し、前記ホルダ16の頂部側方で開口している。
【0029】
そして、連通路54の開口部位には、燃料の圧力を調整可能な圧力調整弁56が装着され閉塞される。この圧力調整弁56は、燃料供給ユニット10を通じて燃料噴射弁に一定の圧力で前記燃料を供給する目的で設けられる。
【0030】
また、連通路54は、ホルダ16の他端部において水平方向に延在した後、開口部位と反対側となる部位から直角に折曲して該ホルダ16の軸線と略平行に鉛直下方向(矢印A方向)へと延在している。そして、連通路54の端部が、ホルダ16の一端部に形成された接続部50の内部を貫通している。
【0031】
接続部50は、先端の外周面が縮径した断面段付状に形成され、ベース部材14の吐出通路38に挿入されると共に、その段付部位に環状溝を介して第2シールリング58が装着され、吐出通路38に対して当接することによって前記吐出通路38と連通路54との間の液密を保持している。
【0032】
燃料ポンプ18は、通電作用下に回転駆動する電動モータ(図示せず)と、前記電動モータにより駆動するポンプ(図示せず)とがケーシング60に内装され、ベース部材14側(矢印A方向)に配置されるケーシング60の一端部には、アダプタ(連結部材)62を介して吸入通路36に挿入され燃料を内部へと吸入する燃料吸入部(吸入ポート)64が形成され、ホルダ16の頂部側(矢印B方向)に配置される他端部には、ホルダ16の連通孔52に挿入され前記燃料を外部へと吐出する燃料吐出部66が形成される。
【0033】
また、燃料吐出部66の外周面には、環状の第3シールリング68が設けられ、連通孔52の内周面に当接することによって燃料ポンプ18とホルダ16との間における液密が保持される。
【0034】
アダプタ62は、筒部22の内部に設けられる本体部70と、該本体部70から突出した筒状の挿入部72とを含み、前記挿入部72がベース部材14の吸入通路36に挿入されると共に前記筒部22の底壁に前記本体部70が当接するように配置される。
【0035】
挿入部72は、その外周面が軸線方向に沿って断面段付状に形成され、その内部には軸線方向(矢印A、B方向)に沿って貫通した貫通孔(流路)74が形成される。貫通孔74は、挿入部72から本体部70まで貫通し、燃料ポンプ18側(矢印B方向)となる部位に燃料ポンプ18の燃料吸入部64の圧入され拡径した圧入部76を有する。すなわち、燃料吸入部64を圧入部76に圧入することにより、アダプタ62における貫通孔74と燃料ポンプ18の燃料吸入部64との間の液密が維持される。
【0036】
また、貫通孔74の端部には、円筒状の補助フィルタ78が挿入され、吸入管28の吸入通路36の臨むように配置されている。この補助フィルタ78は、燃料フィルタ34と同様に、複数の孔を有したメッシュ状に形成され、吸入通路36を通じて供給される燃料中に含まれた異物を除去する。また、補助フィルタ78は、例えば、貫通孔74に対して圧入、接着等で一体的に固定される。
【0037】
本発明の実施の形態に係る燃料供給ユニット10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0038】
先ず、燃料供給ユニット10の燃料ポンプ18において、図示しないコントローラからの制御信号に基づいて電動モータが駆動することによってポンプが回転駆動し、燃料タンク12内の燃料が燃料フィルタ34を介して燃料チューブ32から吸入管28へと吸入される。そして、吸入された燃料は、吸入通路36及び燃料吸入部64を通じて燃料ポンプ18へと供給された後、燃料吐出部66から吐出されて連通孔52、連通路54及び接続部50を経て吐出管30へと流通し、図示しない別の燃料チューブを介して燃料噴射弁へと供給される。
【0039】
なお、この連通路54を流通する燃料は、圧力調整弁56によって常に所定圧力に調整される。
【0040】
また、燃料供給ユニット10のメンテナンスを行う際に、ベース部材14の吸入管28から燃料チューブ32を取り外したり、該燃料チューブ32を燃料フィルタ34から取り外した場合、前記燃料チューブ32又は吸入管28の内部へと異物が誤って進入してしまうことがある。このような場合でも、燃料チューブ32及び吸入管28の下流側となるアダプタ62の貫通孔74に補助フィルタ78を設けているため、燃料と共に下流側へと移動した異物を前記補助フィルタ78で確実に捕捉して除去することができる。
【0041】
その結果、燃料供給ユニット10のメンテナンス時や燃料フィルタ34の交換時などに、誤って燃料チューブ32又は吸入管28に異物が進入してしまった場合でも、該異物が燃料と共に燃料ポンプ18側へ進入してしまうことが確実に防止される。
【0042】
また、補助フィルタ78は、上述したような円筒状に形成されるものに限定されず、例えば、メッシュ状のシートのような簡易的なものでもよい。すなわち、燃料タンク12の下流側において、異物を確実に捕捉して燃料ポンプ18側への進入を確実に阻止可能なものであればよい。
【0043】
一方、補助フィルタ78は、上述した燃料供給ユニット10のように、アダプタ62の挿入部72に設けられる場合に限定されるものではなく、例えば、図2Aに示される燃料供給ユニット100のように、補助フィルタ102を、アダプタ62の貫通孔74と燃料ポンプ18の燃料吸入部64との間に挟持して保持するようにしてもよい。
【0044】
詳細には、補助フィルタ102は、アダプタ62の圧入部76に挿入され、内周径の異なる前記圧入部76と貫通孔74との境界に形成された段付部104と燃料吸入部64の端面との間に挟持される。
【0045】
このような構成とすることにより、アダプタ62に補助フィルタ102を挿入し、燃料ポンプ18の燃料吸入部64を圧入することにより、容易且つ確実に前記補助フィルタ102をアダプタ62に対して固定することができ、例えば、貫通孔74から燃料ポンプ18側へと流通する燃料によって前記補助フィルタ102が移動してしまうことが防止される。
【0046】
換言すれば、補助フィルタ102をアダプタ62に対して固定するための固定手段を別個に設ける必要がなく、部品点数の削減を図ることができると共に、組付工数の削減を図ることも可能となる。
【0047】
また、図2Bに示される燃料供給ユニット110のように、補助フィルタ112を、吐出通路38内に挿入し、アダプタ114における挿入部116の端部と前記吐出管30の内周面に形成された段付部118との間に挟持させるようにしてもよい。この場合にも、補助フィルタ112を予め吐出通路38内に挿入し、アダプタ114の挿入部116を前記吐出通路38へと挿入することにより、容易且つ確実に前記補助フィルタ112をベース部材14に対して固定することができ、例えば、吐出通路38を流通する燃料によって移動してしまうことが防止される。
【0048】
さらに、補助フィルタ112を、アダプタ114における挿入部116の端部に予め固定しておいてもよい。これにより、補助フィルタ112の組付け作業をより一層簡素化することができると共に、該補助フィルタ112の組み付け忘れを防止することができ好適である。なお、補助フィルタ112を固定するための手段は、例えば、接着や溶着等であればよい。
【0049】
さらにまた、図3Aに示されるように、アダプタを備えていない燃料供給ユニット120では、補助フィルタ122を吸入管28の端部に設けるようにしてもよい。この補助フィルタ122は、例えば、吸入通路36への圧入や接着等によって固定されると共に、前記吸入通路36内に形成された段付部124によって燃料ポンプ18側に移動することがないように係止される。このような構成とすることにより、吸入管28に接続された燃料チューブ32を取り外した際、補助フィルタ122を外部から視認することができるため、該補助フィルタ122の状態(例えば、異物の捕捉状態)を容易に確認することができ好適である。そのため、補助フィルタ122の状況に応じてメンテナンスや交換作業を迅速に行うことができる。
【0050】
またさらに、図3Bに示されるアダプタを備えていない燃料供給ユニット130では、吸入通路36の段付部134と燃料ポンプ18の燃料吸入部64との間で補助フィルタ132を挟持するようにしてもよい。この場合には、補助フィルタ132を吸入通路36と燃料ポンプ18の燃料吸入部64との間に挟持することにより、該補助フィルタ132を固定するための固定手段を別個に設ける必要がなく、簡素な構成で容易に固定することが可能となる。さらに、補助フィルタ132を、ベース部材14の吸入通路36内に装着することで、容易に該補助フィルタ132を固定することができるため、組付工数の削減を図ることが可能である。
【0051】
さらに、図4に示される燃料供給ユニット140のように、燃料ポンプにおける燃料吸入部64の端部に補助フィルタ142を固定し、該燃料吸入部64と共に吸入通路36に挿入するようにしてもよい。これにより、補助フィルタ142の組付け作業をより一層簡素化することができると共に、該補助フィルタ142の組み付け忘れを防止することができ好適である。なお、補助フィルタ142を固定するための手段は、例えば、接着や溶着等であればよい。
【0052】
なお、本発明に係る燃料供給ユニットは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0053】
10、100、110、120、130、140…燃料供給ユニット
12…燃料タンク 14…ベース部材
16…ホルダ 18…燃料ポンプ
28…吸入管 30…吐出管
32…燃料チューブ 34…燃料フィルタ
36…吸入通路 38…吐出通路
48…流路形成部 50…接続部
62、114…アダプタ 64…燃料吸入部
66…燃料吐出部 72、116…挿入部
74…貫通孔 76…圧入部
78、102、112、122、132、142…補助フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクの外部に設けられたフィルタを通過した燃料を吸入する吸入口と、該燃料が吐出される吐出口とを有し、前記燃料タンクの開口部に装着されるベース部材と、該ベース部材に保持され前記燃料を吸入・吐出する燃料ポンプとを備え、前記燃料が前記吸入口を介して前記燃料ポンプの吸入ポートに吸引され、該燃料ポンプの吐出ポートから前記吐出口を通じて燃料噴射弁へと供給される燃料供給ユニットにおいて、
前記ベース部材の吸入口と前記燃料ポンプの吸入ポートとの間には、前記燃料の流通する流路に補助フィルタが設けられることを特徴とする燃料供給ユニット。
【請求項2】
請求項1記載の燃料供給ユニットにおいて、
前記補助フィルタは、燃料配管の接続される前記吸入口の開口端部に設けられることを特徴とする燃料供給ユニット。
【請求項3】
請求項1記載の燃料供給ユニットにおいて、
前記補助フィルタは、前記燃料ポンプと前記ベース部材との流路接続部に保持されることを特徴とする燃料供給ユニット。
【請求項4】
請求項1記載の燃料供給ユニットにおいて、
前記ベース部材と前記燃料ポンプとの間には連結部材が設けられ、前記補助フィルタが、前記連結部材に対して固定されることを特徴とする燃料供給ユニット。
【請求項5】
請求項1記載の燃料供給ユニットにおいて、
前記ベース部材と前記燃料ポンプとの間には連結部材が設けられ、前記補助フィルタが、前記連結部材と前記燃料ポンプとの間の流路接続部、又は、前記連結部材と前記ベース部材との間の流路接続部のいずれか一方に設けられ保持されることを特徴とする燃料供給ユニット。
【請求項6】
請求項1記載の燃料供給ユニットにおいて、
前記補助フィルタは、前記燃料ポンプにおける吸入ポートの端部に固定されることを特徴とする燃料供給ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−202288(P2012−202288A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67397(P2011−67397)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)