説明

燃料供給装置

【課題】小型、低コストでかつ燃料量の高い計測精度が得られる燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料タンク1内に設けられ、燃料を貯留するチャンバ5と、該チャンバに前記燃料タンクから燃料を移送するジェットポンプと、チャンバ内の燃料を吸引して内燃機関に供給する燃料ポンプ10と、を備えている。前記チャンバの底面5aに、該チャンバ内の燃料量を検出する半導体歪みセンサ6を設けると共に、該歪みセンサから出力された検出値に基づいて前記燃料ポンプを介して第1、第2ジェットポンプの駆動を制御するコントロールユニット7を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両の燃料タンク内に設けられたチャンバ内の燃料量を計測して燃料を供給する燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両の燃料タンク内に貯留された燃料量を計測する従来の技術としては、例えば以下の特許文献1、2に記載されたものがある。
【0003】
特許文献1の技術は、燃料タンクにキャニスターが一体に設けられ、このキャニスターなどを含む前記燃料タンク全体の重量を重量検出手段によって検出するようになっている。
【0004】
特許文献2の技術は、自己発熱用感温抵抗体と温度補償用感温抵抗体を支持基板上に形成して、燃料浸漬部位の気化熱冷却による感温抵抗体の抵抗値変化を差動出力電圧として検出することにより、燃料量を検出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−254173号公報
【特許文献2】特開平02−77622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術は、燃料タンク全体の重量を計測することから、装置が大型化すると共に、コストの高騰が余儀なくされている。
【0007】
一方、特許文献の技術は、複数の抵抗体と細長い支持基板を用いることから、連続的かつ複数の箇所の計測が必要になると共に、高い計測精度が得られないおそれがある。
【0008】
本発明は、前記従来技術の技術的課題に鑑みて案出されたもので、小型、低コストでかつ燃料量の高い計測精度が得られる燃料供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、燃料タンク内に設けられ、燃料を貯留するチャンバと、該チャンバに前記燃料タンクから燃料を移送する移送手段と、前記チャンバ内の燃料を吸引して内燃機関に供給する燃料ポンプと、を備えた燃料供給装置において、前記チャンバ内に、該チャンバ内の燃料量を検出する歪みセンサを設けると共に、該歪みセンサから出力された検出値に基づいて前記移送手段の作動を制御するコントロールユニットを設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記歪みセンサによって検出された前記チャンバ内の燃料量に応じて、前記コントロールユニットを介して前記燃料ポンプの駆動を制御することを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記燃料ポンプの燃圧を検出する燃圧センサを設けると共に、前記歪みセンサによって検出された検出値が所定値以下の場合には、前記燃圧センサからの検出値と前記歪みセンサからの検出値を比較して大きい方の値に基づいて前記燃料ポンプを制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特異な構造の歪みセンサを用いることによって、小型、低コストで精度の高い燃料量の計測が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る燃料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本実施形態に供される歪みセンサの実装状態を示す平面図である。
【図3】本実施形態に供される歪みセンサの断面図である。
【図4】本実施形態に供されるコントロールユニットの制御フローチャート図である。
【図5】第2実施形態に係る燃料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】本実施形態に供されるコントロールユニットの制御フローチャート図である。
【図7】第3実施形態に係る燃料供給装置の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る燃料供給装置を、4気筒内燃機関を搭載した自動車に適用した実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1は本発明に係る燃料供給装置の第1実施形態を示し、この燃料供給装置の基本構成は、例えば本出願人が先に出願した特開2008−232076号公報に記載されたものと同じであるから、以下では、各構成を簡単に説明する。
【0016】
すなわち、この燃料供給装置は、車両に搭載された燃料タンク1と、該燃料タンク1の内部上端側に収容配置された燃料ポンプユニット2と、内燃機関の吸気系に設けられて、前記燃料ポンプユニット2から燃料供給配管3を介して燃料が供給される4つの燃料噴射弁4と、燃料ポンプユニット2の内部に設けられて、燃料を貯留する有底状の合成樹脂製のチャンバ5と、該チャンバ5の底面5aに固定されて、該チャンバ5内の燃料量を検出する歪みセンサ6と、該歪みセンサ6から出力された検出信号などに基づいて前記燃料ポンプユニット2や燃料噴射弁4の駆動を制御するコントロールユニット7と、から主として構成されている。
【0017】
前記燃料タンク1は、メインタンク1aとサブタンク1bとを有する鞍型タンクとして構成されており、前記燃料ポンプユニット2は、メインタンク1aの上面側に固定されて、該メインタンク1a内に垂下されて、ケース8や前記チャンバ5、燃料フィルタ9及びチャンバ5内の燃料を吸引して前記燃料供給配管3に圧送する燃料ポンプ10などを一体的に備えている。
【0018】
また、前記燃料ポンプユニット2は、図外のレギュレータバルブが一体的に設けられ、これによって、前記燃料供給配管3のみが存在して内燃機関からのリターン配管のない、いわゆるノンリターン方式になっている。
【0019】
前記燃料ポンプ10は、サクションフィルタを介して前記チャンバ5内の燃料を吸入するようになっている。
【0020】
前記ケース8のメインケース内には、複数の燃料通路や分岐通路及びリターン通路が形成されており、これらの各通路は、燃料を内燃機関に供給し、また燃圧を制御するレギュレータバルブから排出される燃料を通流させるものである。
【0021】
そして、前記燃料ポンプ10から吐出された燃料は、吐出ポートから燃料通路を経て燃料フィルタ9内に導入され、燃料フィルタ9を上から下に通過して浄化された後に、別異の燃料通路を経て燃料供給配管3に送出される。
【0022】
このとき、前記燃料通路の燃料は、パイプ及び燃料供給配管3を経由して内燃機関の前記各燃料噴射弁4に供給されるものと、前記レギュレータバルブ、リターン通路を経由して前記チャンバ5内に戻るものとに分配される。燃料ポンプ10から吐出された燃料のうち、内燃機関側に供給されないものは、全て前記レギュレータバルブに流れ込み、ここからリターン通路を経て燃料溜まり部に導入される。
【0023】
この燃料溜まり部には、さらに2つの燃料通路が連通しており、これらの燃料通路のうち、一方の燃料通路には前記メインタンク1a内の燃料をチャンバ5に供給する移送手段である図外の第1ジェットポンプが設けられ、他方の燃料通路には、サブタンク1b内の燃料をメインタンク1aに供給する第2ジェットポンプが設けられている。この第1,第2ジェットポンプは、前記リターン通路から供給される燃料を駆動流体として作動し、メインタンク1aとサブタンク1b内の燃料をチャンバ5内に移送するものである。
【0024】
一方の燃料通路は、チャンバ5に形成された燃料通路に連通しており、具体的には、メインケースの燃料溜まり部から下方に突出されたパイプがチャンバ5の底面5aから上方に突設されたパイプ内に嵌挿されており、これらパイプの内部が燃料通路となっている。
【0025】
前記パイプの下端には、貫通孔が形成され、この貫通孔に前記第1ジェットポンプのノズルユニットが下方から嵌挿されている。このノズルユニットには、リターン通路から供給された燃料を噴出するジェットノズルが設けられている。このジェットノズルから噴出されたリターン燃料は、第1ジェットポンプのスロート部内に導入されて、そのスロート部の入口周囲に負圧を発生させる。
【0026】
そして、この負圧によってスロート部の燃料入口からメインタンク1a内の燃料を吸引して、その吸引したタンク内燃料をノズルユニットから噴出したリターン燃料と共にチャンバ5内に送出するようになっている。
【0027】
なお、前記パイプの外周には、パイプの根元とパイプの先端部との間にコイルスプリングが巻回され、このコイルスプリングのばね力によってチャンバ5がメインタンク1aの底面方向へ押し付け付勢されている。
【0028】
また、他方の燃料通路は、燃料溜まり部から下方に延びるパイプに設けられており、この開口部には、第2ジェットポンプのジェットノズルが嵌挿されて、このジェットノズルの下流側が前記燃料通路になっている。
【0029】
そして、ジェットノズルの噴出口は、燃料通路を介してサブタンク1bから燃料チューブ11が接続される導入パイプと連通する一方、燃料通路の下端がチャンバ5内に開放している。
【0030】
したがって、燃料溜まり部内のリターン燃料がジェットノズルの噴出口から噴出することにより、スロート部としてのパイプの入口周囲に負圧を発生させて、その負圧によって燃料通路からサブタンク1b内の燃料を吸引して、燃料チューブ11及び燃料通路からチャンバ5内に送出するようになっている。
【0031】
そして、前記チャンバ5の底面5aに固定された歪みセンサ6は、例えば、特開2009−53005号公報などに記載されたものと構造的に同一のものであって、チャンバ5内の燃料量、つまりチャンバ5内の燃料の自重に応じた歪みを検出するようになっている。
【0032】
この歪みセンサ6は、図2及び図3に示すように、ピエゾ抵抗素子(図示せず)が形成された半導体歪みゲージとして機能するシリコン製の歪みセンサチップ12を、金属製のベース板13のほぼ中央位置に金属はんだ14によって固着してある。前記ベース板13は、図2のX方向に長い長方形状とし、歪みセンサチップ接続部15を挟んだ両側に、接続エリア16,17が設けられており、X方向に向かって第1接続エリア16、歪みセンサチップ接続部15、第2接続エリア17と並んでいる。
【0033】
前記歪みセンサ接続部15より平面積の小さい歪みセンサチップ12は、歪みセンサチップ接続部15のほぼ中央に配置されている。
【0034】
前記ベース板13は、Y方向が約6mm幅に設定され、第1接続エリア15のX方向の長さが約5mm幅に設定され、前記歪みセンサチップ接続部15が4.5mm、第2接続エリア17が4.5mmにそれぞれ設定されている。前記歪みセンサチップ12は、Y方向の長さが2.5mm、X方向の長さが2.5mmに設定されている。
【0035】
前記ベース板13は、シリコンと熱膨張係数の近い鉄58−ニッケル42合金で、厚みは0.3mmである。歪みセンサチップ12の厚みは0.16mmに形成されている。
【0036】
前記歪みセンサチップ12とベース板3の固着には、金属はんだ接合を用い、歪みセンサチップ12のベース板13と対向する側面に、Cr−Ni−Auの3層メタライズをスパッターにより形成し、その上にSn系の金属はんだ材料を蒸着によって形成した。
【0037】
ベース板13の歪みセンサチップ12の対向側面にも、Cr−Ni−Auの3層メタライズをスパッターにより形成した。
【0038】
そして、ベース板13のほぼ中央に歪みセンサチップ12を位置合わせした後、金属はんだを加熱溶融してベース板13に歪みセンサチップ12を固着したのである。
【0039】
前記ベース板13側の3層メタライズは歪みセンサチップ12が固着されている部位だけで良いが、マスクスパッターなどの手間を省くためにベース板13全面に形成しても良い
歪みセンサチップ12の電極18からの配線引き出しには、フレキシブル配線板19を用い、該フレキシブル配線板19の先端の配線が露出している面と反対の面を、ベース板13上のセンサチップ接合部のY方向に隣接した位置にエポキシ系樹脂接着剤を用いて接着した。また、前記フレキシブル配線板19の配線と歪みセンサチップ12の電極18の間は、Φ20μmの裸Auワイヤー20を超音波溶接で接続した。歪みセンサチップ12の電極18とAuワイヤー20、フレキシブル配線板19の配線を覆うように熱可塑性の樹脂カバー21を塗布した。
【0040】
ベース板13上に歪みセンサチップ12を接合して配線を行った半導体歪みセンサ6を、前記チャンバ5の底面5aの所望の位置に、ビス22止めによって固定されている。また、他の固定方法としては、チャンバ5を樹脂成形する際に歪みセンサ6を一緒に鋳込み固定するとか、あるいはエポキシ樹脂などで接着することも可能である。
【0041】
前記歪みセンサチップ12には、X方向とY方向の歪みを検出できるようにピエゾ抵抗素子が形成されており、複数のピエゾ抵抗素子を用いてブリッジ回路を形成し、X方向とY方向の歪み量に比例した出力が得られるように形成した。
【0042】
すなわち、チャンバ5内の燃料量、つまり燃料の自重に応じて前記歪みセンサチップ12のX方向とY方向に歪みが発生して、これに伴うピエゾ抵抗素子の抵抗変化により電気信号出力が得られる。前記歪みセンサチップ12の剛性によって、該歪みセンサチップ12に発生する歪み量は燃料量とずれが発生するが、予め変換係数を求めておくことによって実用的な歪みセンサとして用いることができる。
【0043】
前記コントロールユニット7は、クランク角センサやエアーフローメター、水温センサ、スロットルバルブ開度センサなどの各種のセンサ類から入力した機関回転数や負荷などの情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出して、前記各燃料噴射弁4などの駆動制御を行うと共に、前記半導体歪みセンサ6の歪みセンサチップ12からの出力信号に基づいて前記チャンバ5内の燃料量を検出し、この検出された燃料量に応じて前記燃料ポンプ10の駆動を制御するようになっている。
【0044】
図4は前記コントロールユニット7による前記燃料ポンプ10の制御フローチャート図である。
【0045】
すなわち、ステップ1では、前記機関回転数や機関負荷に基づいて算出されたマップによって現在の前記各燃料噴射弁4に供給するための基本ポンプ仕事となる燃料ポンプ10の駆動電圧を読み取る。
【0046】
ステップ2では、前記歪みセンサ6からの出力電圧(VSEN)を検出して、つまりチャンバ5内の燃料量を検出する。
【0047】
続いてステップ3では、前記歪みセンサ6からの出力電圧値(VSEN)が、予め記憶されている所定の固定電圧値Aよりも小さい(等しい)か否かを判断する。
【0048】
ここで、固定電圧値Aよりも小さいか等しいと判断した場合、つまり、チャンバ6内の燃料量が所定量より少ないと判断した場合は、燃料の汲み上げモードであるとしてステップ4に移行する。
【0049】
このステップ4では、前記燃料ポンプ10の最終駆動電圧値(QPUMP)を、前記基本ポンプ仕事の電圧値(QPUMPBASE)に、前記メインタンク1aとサブタンク1bの両方を含む燃料タンク1内の燃料をチャンバ5内に供給するための仕事の電圧値(QJET)を加算した電圧値として燃料ポンプ10に出力する。
【0050】
一方、前記ステップ3において、歪みセンサ出力電圧値(VSEN)が、固定電圧値Aよりも大きいと判断した場合、つまり、チャンバ6内には燃料が所定量よりも多く入っていて通常モードと判断した場合は、ステップ5に移行する。
【0051】
このステップ5では、燃料ポンプ10の最終駆動電圧値(QPUMP)を、前述した基本ポンプ仕事の電圧値(QPUMPBASE)として処理する。
【0052】
なお、前記燃料タンク1(メインタンク1a)内の燃料残量により、チャンバ5自体の浮力などが変化する影響があることから、燃料タンク1内の燃料ゲージによって検出された燃料タンク1内の燃料残量によってチャンバ5内の燃料量を補正するようになっている。
【0053】
以上のように、本実施形態では、前記チャンバ5内の燃料量を、前記歪みセンサ6によって検出して燃料ポンプ10の仕事量を切り換えるようにしたため、チャンバ5内の燃料量を高精度に制御することが可能になる。
【0054】
しかも、チャンバ5の底面5aに固定された小さくかつ安価な前記歪みセンサ6を用いていることから、装置全体の大型化が抑制できると共に、コストの低減化が図れる。
〔第2実施形態〕
図4は本発明の第2実施形態を示し、前記燃料供給配管3を介して各燃料噴射弁4に供給する燃料ポンプ10の燃圧を検出する燃圧センサ23を設け、該燃圧センサ23からの検出信号に基づいて前記コントロールユニット7が現在の燃料ポンプ10の燃圧を算出して、前記歪みセンサ6からの検出信号と併せて前記燃料ポンプ10の駆動を制御するようになっている。
【0055】
具体的には、図5のコントロールユニット7による制御フローチャート図に基づいて説明する。
【0056】
ステップ11では、前述と同じく機関回転数や機関負荷に応じて基本燃圧(PBASE)が予め算出されたマップから現在の燃圧を読み取る。
【0057】
ステップ12では、前記歪みセンサ6からの出力電圧(VSEN)を検出して現在のチャンバ5内の燃料量を読み取る。
【0058】
続いてステップ13では、前記歪みセンサ6からの出力電圧値(VSEN)が、予め記憶されている所定の固定電圧値Aよりも小さい(等しい)か否かを判断する。
【0059】
ここで、固定電圧値Aよりも小さいか等しいと判断した場合、つまり、チャンバ6内の燃料量が所定量より少ないと判断した場合は、燃料の汲み上げモードであるとしてステップ14に移行する。
【0060】
このステップ14では、前記基本燃圧(PBASE)と燃料タンク1の燃料を燃料ポンプ10の内部に汲み上げるための燃圧(PJET)とを比較して、これらのうちの大きい方の値を選択して、燃料ポンプ10の燃圧(PPUMP)としてこれに相当する制御電流を燃料ポンプ10に出力する。
【0061】
一方、前記ステップ13において、歪みセンサ6からの出力電圧値(VSEN)が、予め記憶されている所定の固定電圧値Aよりも大きいと判断した場合は、通常モードと判断してステップ15に移行する。
【0062】
このステップ15では、前記基本燃圧(PBASE)が燃料ポンプ10の燃圧であるとして処理する。
【0063】
したがって、この実施形態も、第1実施形態と同じく、前記チャンバ5内の燃料量を、前記歪みセンサ6によって検出して燃料ポンプ10の仕事量を切り換えるようにしたため、チャンバ5内の燃料量を高精度に制御することが可能になる。
【0064】
しかも、チャンバ5の底面5aに固定された小さくかつ安価な前記歪みセンサ6を用いていることから、装置全体の大型化が抑制できると共に、コストの低減化が図れる。
〔第3実施形態〕
図6は第3実施形態を示し、第2実施形態を基本構成として、前記燃料ポンプ10を、前記エンジンのコントロールユニット7によって直接駆動制御するのではなく、このコントロールユニット7とは別構成のポンプコントロールユニット24を設けたものである。
【0065】
前記エンジンコントロールユニット7は、前記各燃料噴射弁4などの駆動制御を行うと共に、前記燃圧センサ23からの検出信号を入力してポンプコントロールユニット24に制御信号を出力する。
【0066】
一方、ポンプコントロールユニット24は、エンジンコントロールユニット7からの制御信号を受けて、図5に示すフローチャートに基づき、前記燃料ポンプ10を制御するようになっている。
【0067】
したがって、この実施形態も第2実施形態と同様な作用効果が得られることは勿論のこと、燃料ポンプ10を独自のポンプコントロールユニット24によって制御することから、さらに高精度な制御が可能になる。
【0068】
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えばチャンバ5の底面5aに歪みセンサ6を2以上設けることも可能であり、この場合、複数の歪みセンサ6を底面5aの径方向で対向する端部に配置する。
【0069】
このように、歪みセンサ6を複数設けた場合には、該各歪みセンサ6から出力された複数出力値の平均値を用いても良いし、また最小電圧値を用いても良い。このようにすれば、燃料ポンプ10の駆動を制御すれば、さらに高精度な制御が可能になる。
【0070】
また、燃料タンク1が傾いた場合でも、複数の歪みセンサ6で燃料量の変化を検出することができる。
【符号の説明】
【0071】
1…燃料タンク
1a…メインタンク
1b…サブタンク
2…燃料ポンプユニット
3…燃料供給配管
4…燃料噴射弁
5…チャンバ
5a…底面
6…半導体歪みセンサ
7…コントロールユニット
8…ケース
9…燃料フィルタ
10…燃料ポンプ
11…燃料チューブ
12…歪みセンサチップ
13…ベース板
14…金属はんだ
15…歪みセンサチップ接続部
16・17…接続エリア
18…電極
19…フレキシブル配線板
20…Auワイヤー
21…カバー樹脂
22…ビス
23…燃圧センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク内に設けられ、燃料を貯留するチャンバと、該チャンバに前記燃料タンクから燃料を移送する移送手段と、前記チャンバ内の燃料を吸引して内燃機関に供給する燃料ポンプと、を備えた燃料供給装置において、
前記チャンバ内に、該チャンバ内の燃料量を検出する歪みセンサを設けると共に、該歪みセンサから出力された検出値に基づいて前記移送手段の駆動を制御するコントロールユニットを設けたことを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
前記歪みセンサによって検出された前記チャンバ内の燃料量に応じて、前記コントロールユニットを介して前記燃料ポンプの駆動量を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記燃料ポンプの燃圧を検出する燃圧センサを設けると共に、前記歪みセンサによって検出された検出値が所定値以下の場合には、前記燃圧センサからの検出値と前記歪みセンサからの検出値を比較して大きい方の値に基づいて前記燃料ポンプを制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68107(P2013−68107A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205479(P2011−205479)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)