説明

燃料油の磁気改質装置

【課題】燃料パイプの両側に配設される各々の永久磁石を、簡単かつ容易に正確な位置に配置する。
【解決手段】燃料油の磁気改質装置は、一対の磁石積層ブロック1の間に燃料パイプ20を配置するように一対の外装ケース2を連結して結束具3で連結状態に保持している。一対の磁石積層ブロック1は、燃料油の流れる方向にN極とS極とを交互に配設して永久磁石4を積層している。外装ケース2は、外側プレート11の両側に側壁部12を、両端に端部プレート部13を連結して、外側プレート11の内面に磁石積層ブロック1を固定している。磁石積層ブロック1と端部プレート部13との間には位置決めスペーサ6を挟着して、磁石積層ブロック1を外装ケース2内の定位置に配置して接着剤7で固定している。外装ケース2の側壁部12は、一方にガイドスリット15を、他方にガイド凸部16を設けて、一対の外装ケース2を定位置に配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、さらに、燃料油を燃焼させるボイラーやバーナーなどに供給されるガソリン、重油、軽油などの燃料油を、N極とS極とが交互に反転する交番磁界中に通過させて活性化する燃料油の磁気改質装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料油を交流磁界中に通過させて燃料油を磁界で活性化する装置は開発されている。(特許文献1及び2参照)
特許文献1と2は、図1に示すように、複数の永久磁石94を積層することで燃料油の通路に交番磁界を設け、燃料油を交番磁界に通過させて活性化する。この磁気改質装置は、特許文献1に記載されるように、燃料油に、粒径が50μm〜100μmの油分子が相互に結合した状態の、いわゆる、未処理燃料油が使用されている。この未処理燃料油は、粒径が大きく空気との接触面積が少ないため、これをそのまま燃焼系に使用した場合、不完全燃焼を生じ、燃料油消費量の増大や窒素酸化物(NOx)の発生を招いている。この磁気改質装置は、燃料油の油分子を分解してエンジン等に供給して、燃焼効率を向上する。
【0003】
図1に示すように、複数の永久磁石94を積層して交番磁界を設けて、この交番磁界に燃料油を通過させる磁気改質装置は、積層している永久磁石94によって設けられる強力なN、Sの交番磁場によって、磁化作用を効率よく受けてその油分子を微粒化して燃焼効率を高め、燃料消費量を節減して、カーボンの発生も抑制されると共に、排気ガス中の窒素酸化物をも低減できる効果がある。
【特許文献1】特開平7−238875号公報
【特許文献2】特公平3−030718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1に示すように、複数の永久磁石94を積層して燃料油の通路を交番磁界とする磁気改質装置は、円形の永久磁石を使用すると、燃料パイプ90への連結に手間がかかる。それは、各々の永久磁石94に燃料パイプ90を挿通して連結する必要があるからである。これに対して、燃料パイプに対向するように、一対の磁石積層ブロックを設ける構造として、簡単に燃料パイプを交番磁界中に配置できる。それは、一対の磁石積層ブロックで燃料パイプを挟むように燃料パイプにセットできるからである。また、この構造は、対向して配設される一対の永久磁石の配置によって、理想的な交番磁界を設けることもできる。
【0005】
しかしながら、多数の永久磁石を積層して磁石積層ブロックとし、各々の磁石積層ブロックを燃料パイプの両側に対向して配置する磁気改質装置は、各々の磁石積層ブロックを正確な位置に配置しながら、燃料パイプの両側に配置するのに手間がかかる。燃料パイプの両側に配設される一対の磁石積層ブロックの相対位置がずれると、好ましい状態で交番磁界を設けることができなくなって、磁気による燃料油の改質効果が低下する。
【0006】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、しかも、燃料パイプの両側に配設される各々の永久磁石を正確な位置に配置して、燃料油を好ましい交番磁界中に通過させて効率よく磁気による改質を実現できる燃料油の磁気改質装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0007】
本発明の燃料油の磁気改質装置は、複数の永久磁石4を積層してなる一対の磁石積層ブロック1と、各々の磁石積層ブロック1を内面に固定してなる一対の外装ケース2と、一対の外装ケース2を連結する結束具3とを備えている。磁気改質装置は、一対の磁石積層ブロック1の間に燃料パイプ20を配置するように一対の外装ケース2を連結して、結束具3で連結状態に保持して、燃料パイプ20を通過する燃料油に磁石積層ブロック1で磁界を作用させている。一対の磁石積層ブロック1は、燃料パイプ20の両側にあって、互いに対向する面に、燃料油の流れる方向にN極とS極とが交互に配設されるように永久磁石4を積層して、燃料パイプ20を通過する燃料油がN極とS極との交番磁界中を通過する構造としている。外装ケース2は、外側プレート11の両側に側壁部12を連結すると共に、外側プレート11の両端には、燃料パイプ20を案内するガイド凹部14を設けている端部プレート部13を連結して、外側プレート11の周囲を側壁部12と端部プレート部13とで囲む形状としている。外装ケース2は、側壁部12と端部プレート部13との内側であって外側プレート11の内面に、複数の永久磁石4を側壁部12の長さ方向に積層して磁石積層ブロック1を固定している。さらに、磁石積層ブロック1と端部プレート部13との間には、位置決めスペーサ6を挟着して、位置決めスペーサ6を介して、磁石積層ブロック1を外装ケース2内の定位置に配置し、さらに、磁石積層ブロック1と外装ケース2の内側との間に接着剤7を充填して、磁石積層ブロック1を外装ケース2に固定している。さらに、一対の外装ケース2は、その両端に設けている端部プレート部13の開口縁を互いに接触する状態で、ガイド凹部14に燃料パイプ20を挟着して互いに連結している。さらにまた、外装ケース2の側壁部12は、一方を他方よりも幅広として、一対の外装ケース2が連結される状態において、幅広の側壁部12Aを幅狭の側壁部12Bの外側に積層して配置し、幅広の側壁部12Aと幅狭の側壁部12Bは、一方に永久磁石4の積層面と平行な方向に伸びて側壁部12の側縁に開口してなるガイドスリット15を設けて、他方には、このガイドスリット15に案内されるガイド凸部16を設けており、ガイドスリット15にガイド凸部16を案内して、一対の外装ケース2を定位置に配置して、結束具3で連結状態に固定している。
【0008】
以上の燃料油の磁気改質装置は、簡単かつ容易に、しかも、燃料パイプの両側に配設される各々の永久磁石を正確な位置に配置して、燃料油を好ましい交番磁界中に通過させて効率よく磁気による改質を実現できる特徴がある。
【0009】
本発明の燃料油の磁気改質装置は、磁石積層ブロック1を構成する永久磁石4の積層方向の厚さを5mmないし2mmとすることができる。
以上の磁気改質装置は、薄い永久磁石でもって交番磁界のピッチを小さくして、燃料油をN極とS極とが狭い間隔で変化する交番磁界に通過させて効率よく活性化できる。
【0010】
本発明の燃料油の磁気改質装置は、磁石積層ブロック1を構成する永久磁石4が、燃料パイプ20との対向面とその反対側をN極とS極とすることができる。
この磁気改質装置は、対向して配設されるN極とS極によって、燃料パイプを強力な交番磁界中に配置して、燃料油を効果的に磁気処理できる。
【0011】
本発明の燃料油の磁気改質装置は、対向して配置している一対の磁石積層ブロック1の相対位置を、燃料油の流れ方向に永久磁石4の厚さの1/2ずらせて配置することができる。
以上の磁気改質装置は、一対の磁石積層ブロックでもって、燃料パイプを強力な交番磁界中に配置しながら、一対の磁石積層ブロックを互いに反発させることなく、また吸引もさせることなく簡単に正確な位置に連結できる特徴がある。
【0012】
本発明の燃料油の磁気改質装置は、磁石積層ブロック1が、積層している永久磁石4の積層面の磁極を交互にN極とS極として、かつ対向面の磁極を同極とするように積層することができる。
この磁気改質装置は、燃料パイプをピッチの狭い交番磁界に通過させて効率よく活性化できる。
【0013】
本発明の燃料油の磁気改質装置は、外装ケース2を、ステンレス、アルミ、銅のいずれかの金属板で構成することができる。
この磁気改質装置は、磁石積層ブロックの磁気を有効に燃料パイプ中の燃料油に作用させながら、一対の磁石積層ブロックを正確な位置に強固に固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための燃料油の磁気改質装置を例示するものであって、本発明は磁気改質装置を以下のものに特定しない。
【0015】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0016】
図2ないし図9に示す燃料油の磁気改質装置は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ボイラー、バーナー等に使用するガソリン、重油、軽油などの燃料油を改質するのに使用される。これらの図に示す磁気改質装置は、非磁性材料からなる燃料パイプ20に両側から挟着するように連結して使用される。本燃料において「燃料パイプ」は燃料ホースを含む意味に使用する。
【0017】
図2ないし図9に示す磁気改質装置は、一対の磁石積層ブロック1と、各々の磁石積層ブロック1を内面に固定している一対の外装ケース2と、一対の外装ケース2を連結する結束具3とを備えている。この磁気改質装置は、一対の磁石積層ブロック1の間に燃料パイプ20を配置するように一対の外装ケース2を連結し、結束具3で連結状態に保持される。この磁気改質装置は、一対の磁石積層ブロック1で設けられる磁界中に燃料油を通過させて、燃料油を改質する。
【0018】
一対の磁石積層ブロック1は、複数の永久磁石4を積層状態として、外装ケース2の内側に固定している。図6と図8に示す磁石積層ブロック1は、図7と図9の拡大断面図に示すように、燃料パイプ20の両側にあって互いに対向する面に、燃料油の流れる方向に向かってN極とS極とを交互に配設する状態で積層して、燃料パイプ20を通過する燃料油をN極とS極とが交互に繰り返す交番磁界中を通過させる。
【0019】
磁石積層ブロック1を構成する永久磁石4は、積層方向の厚さが交番磁界のピッチを特定する。永久磁石4を厚くすると交番磁界のピッチは広くなり、薄くすると交番磁界のピッチが小さくなる。永久磁石4は、好ましくは積層方向の厚さを5mmないし2mmとする。永久磁石が厚すぎると、交番磁界のピッチが広くなって、交番磁界の変化が少なくなる。反対に永久磁石を薄くすると使用する永久磁石の個数が多くなって製造コストが高くなる。永久磁石4には、磁束密度を1000Gないし8000Gとするものを使用する。
【0020】
図6と図7の磁石積層ブロック1は、燃料パイプ20との対向面とその反対側をN極とS極とするように永久磁石4を積層している。さらに、この磁気改質装置は、対向して配置している一対の磁石積層ブロック1の相対位置を、燃料油の流れ方向に永久磁石4の厚さの1/2ずらせて配置している。すなわち、対向して配置している一対の磁石積層ブロック1は、一方の積層面が他方の永久磁石4の中央に位置するように配置している。この磁石積層ブロック1は、永久磁石4の半分で吸引して、他の半分で反発するので、互いに連結する状態で吸引力も反発力も作用せず、一対の外装ケース2を簡単に定位置に連結できる特徴がある。
【0021】
図8と図9の磁石積層ブロック1は、積層している永久磁石4の積層面の磁極が交互にN極とS極となり、かつ対向面の磁極を同極とするように積層している。この磁石積層ブロック1は、永久磁石4の積層面で磁力線を互いに反発させて燃料パイプ20中に通過できる。このため、永久磁石4から出る磁力線を効果的に燃料油に作用させて、燃料油を強力な交番磁界中に通過できる特徴がある。
【0022】
外装ケース2は、ステンレス板をプレス加工して製作される。ただし、外装ケース2は、アルミニウムや銅等の金属板で製作することも、また硬質のプラスチックで製作することもできる。外装ケース2は、外側プレート11の両側に側壁部12を連結し、かつ外側プレート11の両端に、端部プレート部13を連結して、外側プレート11の周囲を側壁部12と端部プレート部13とで囲む形状としている。端部プレート部13は、燃料パイプ20を案内するガイド凹部14を設けている。端部プレート部13は、ガイド凹部14の内側に沿ってゴム状弾性からなるパッキン5を連結している。パッキン5は、外側に沿ってU溝5Aを設けて、ここに端部プレート部13を嵌着している。パッキン5の内面は、燃料パイプ20の表面に密着する半円形としている。この磁気改質装置は、ゴム状弾性リングのパッキン5を介して燃料パイプ20に連結できる。
【0023】
外装ケース2は、側壁部12と端部プレート部13との内側であって外側プレート11の内面に、複数の永久磁石4を側壁部12の長さ方向に積層して磁石積層ブロック1を固定している。さらに、外装ケース2は、磁石積層ブロック1と端部プレート部13との間に位置決めスペーサ6を挟着して、位置決めスペーサ6でもって、積層方向の位置を特定して、磁石積層ブロック1を外装ケース2内の定位置に配置して、磁石積層ブロック1と外装ケース2の内側との間に接着剤7を充填して、磁石積層ブロック1を外装ケース2に固定している。この構造は、燃料パイプ20の両側に配置される磁石積層ブロック1の相対位置、とくに、対向して配置される複数の永久磁石4の積層方向の相対位置を正確に特定しながら固定できる。
【0024】
さらに、図4と図5の外装ケース2は、磁石積層ブロック1と側壁部12との間にも位置決めスペーサ8を挟着して、この位置決めスペーサ8でもって、互いに積層される複数の永久磁石4の側面の位置、すなわち、積層方向と垂直な方向の位置を特定している。この位置決めスペーサ8は、磁石積層ブロック1との対向面を、永久磁石4の積層方向に延びる平面状としており、複数の永久磁石4の側面が同一平面となるように位置決めしながら、磁石積層ブロック1を外装ケース2内の定位置に配置している。この位置決めスペーサ8は、図5に示すように、磁石積層ブロック1の両側に配置されて、磁石積層ブロック1の永久磁石4を燃料パイプ20と対向する位置に配置している。この構造は、磁石積層ブロック1を構成する複数の永久磁石4を一列に整列させて配置できると共に、燃料パイプ20の両側に配置される磁石積層ブロック1の相対位置、とくに、永久磁石4の積層方向と垂直な方向(図5において左右方向)の相対位置を正確に特定しながら固定できる。ただ、この位置決めスペーサは、必ずしも必要ではなく、省略することもできる。
【0025】
一対の外装ケース2は、図2と図5に示すように、その両端に設けている端部プレート部13の開口縁を互いに接触する状態で、ガイド凹部14に連結したパッキン5で燃料パイプ20を挟着して互いに連結される。さらに、外装ケース2の側壁部12は、一方を他方よりも幅広として、一対の外装ケース2を連結する状態において、図5の断面図に示すように、幅広の側壁部12Aを幅狭の側壁部12Bの外側に積層して配置するようにしている。図の外装ケース2は、幅狭の側壁部12Bを端部プレート部13と同じ幅として、幅広の側壁部12Aの幅を幅狭の側壁部12Bの2倍としている。
【0026】
さらに、外装ケース2の側壁部12は、図2ないし図4に示すように、幅広の側壁部12Aと幅狭の側壁部12Bの、一方にガイドスリット15を設けて、他方にはこのガイドスリット15に案内されるガイド凸部16を設けている。ガイドスリット15は、永久磁石4の積層面と平行な方向に伸びて側壁部12の側縁に開口している。図の外装ケース2は、幅広の側壁部12Aにガイドスリット15を設けて、幅狭の側壁部12Bにガイド凸部16を設けている。図の外装ケース2は、ネジ頭を大きくしないネジを側壁部12にねじ込んでガイド凸部16を設けている。図示しないが、幅狭の側壁部にガイドスリットを設けて、幅広の側壁部にガイド凸部を設けることもできる。ガイドスリット15とガイド凸部16は、ガイド凸部16をガイドスリット15に案内して一対の外装ケース2を連結することで、外装ケース2に固定している磁石積層ブロック1を所定の相対位置に固定できる位置に設けている。この外装ケース2は、燃料パイプ20を挟着するように一対の外装ケース2を燃料パイプ20の両側に連結する状態で、ガイドスリット15にガイド凸部16を案内することで、互いに定位置に配置される。この状態で結束具3で連結状態に固定することで、燃料パイプ20の両側に一対の磁石積層ブロック1が正確な位置に配置される。
【0027】
結束具3は、互いに連結している外装ケース2の外側を結束できる全てのもの、たとえば、一端に係止構造の貫通孔3Aがあって、その表面に係止凹凸(図示せず)のある細長い結束具3が便利に使用できる。この結束具3は、外装ケース2を囲む状態で先端を貫通孔3Aに挿入して引っ張ることで、一対の外装ケース2を結束できる。係止凹凸が貫通孔3Aの係止構造に係止されて、係止状態に保持されるからである。ただし、本発明は、結束具を以上の構造には特定しない。たとえば、互いに連結される一対の外装ケースに針金等を巻き付けて、その両端を連結することもでき、針金などの線材も結束具として使用できることから、互いに連結している外装ケースを結束して固定できる全ての結束具を使用できるからである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来の磁気改質装置の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施例にかかる磁気改質装置の斜視図である。
【図3】図2に示す磁気改質装置の分解斜視図である。
【図4】図3に示す磁気改質装置の分解斜視図である。
【図5】図2に示す磁気改質装置の横断面図である。
【図6】図2に示す磁気改質装置の縦断面図である。
【図7】図6に示す磁気改質装置の拡大断面図である。
【図8】本発明の他の実施例にかかる磁気改質装置の縦断面図である。
【図9】図8に示す磁気改質装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1…磁石積層ブロック
2…外装ケース
3…結束具 3A…貫通孔
4…永久磁石
5…パッキン 5A…U溝
6…位置決めスペーサ
7…接着剤
8…位置決めスペーサ
11…外側プレート
12…側壁部 12A…幅広の側壁部
12B…幅狭の側壁部
13…端部プレート部
14…ガイド凹部
15…ガイドスリット
16…ガイド凸部
20…燃料パイプ
90…燃料パイプ
94…永久磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の永久磁石(4)を積層してなる一対の磁石積層ブロック(1)と、各々の磁石積層ブロック(1)を内面に固定してなる一対の外装ケース(2)と、一対の外装ケース(2)を連結する結束具(3)とを備えており、一対の磁石積層ブロック(1)の間に燃料パイプ(20)を配置するように一対の外装ケース(2)が連結され、結束具(3)で結束具(3)で連結状態に保持されて、前記磁石積層ブロック(1)が燃料パイプ(20)を通過する燃料油に磁界を作用させるようにしてなる燃料油の磁気改質装置であって、
前記一対の磁石積層ブロック(1)は、前記燃料パイプ(20)の両側にあって互いに対向する面に、燃料油の流れる方向にN極とS極とが交互に配設されるように永久磁石(4)を積層して、前記燃料パイプ(20)を通過する燃料油がN極とS極との交番磁界中を通過する構造としており、
さらに、前記外装ケース(2)は、外側プレート(11)の両側に側壁部(12)が連結されると共に、外側プレート(11)の両端には、燃料パイプ(20)を案内するガイド凹部(14)を設けている端部プレート部(13)を連結して、外側プレート(11)の周囲を側壁部(12)と対向プレート部とで囲む形状としており、この側壁部(12)と端部プレート部(13)との内側であって外側プレート(11)の内面に、複数の永久磁石(4)を側壁部(12)の長さ方向に積層して磁石積層ブロック(1)を固定しており、
さらにまた、前記磁石積層ブロック(1)と前記端部プレート部(13)との間には、位置決めスペーサ(6)が挟着されて、位置決めスペーサ(6)を介して、磁石積層ブロック(1)が外装ケース(2)内の定位置に配置され、さらに磁石積層ブロック(1)と外装ケース(2)の内側との間に接着剤(7)が充填されて磁石積層ブロック(1)を外装ケース(2)に固定しており、
さらに、一対の外装ケース(2)は、その両端に設けている端部プレート部(13)の開口縁を互いに接触する状態で、ガイド凹部(14)に燃料パイプ(20)を挟着して互いに連結され、
さらにまた、前記外装ケース(2)の側壁部(12)は、一方を他方よりも幅広として、一対の外装ケース(2)が連結される状態において、幅広の側壁部(12A)が幅狭の側壁部(12B)の外側に積層して配置され、幅広の側壁部(12A)と幅狭の側壁部(12B)は、一方に前記永久磁石(4)の積層面と平行な方向に伸びて側壁部(12)の側縁に開口してなるガイドスリット(15)を設けて、他方にはこのガイドスリット(15)に案内されるガイド凸部(16)を設けており、前記ガイドスリット(15)に前記ガイド凸部(16)が案内されて、一対の外装ケース(2)が定位置に配置されて、結束具(3)で連結状態に固定されてなる燃料油の磁気改質装置。
【請求項2】
前記磁石積層ブロック(1)を構成する永久磁石(4)の積層方向の厚さが5mmないし2mmである請求項1に記載される燃料油の磁気改質装置。
【請求項3】
前記磁石積層ブロック(1)を構成する永久磁石(4)が、燃料パイプ(20)との対向面とその反対側をN極とS極としている請求項1に記載される燃料油の磁気改質装置。
【請求項4】
前記一対の磁石積層ブロック(1)が、対向して配置している一対の磁石積層ブロック(1)の相対位置を、燃料油の流れ方向に永久磁石(4)の厚さの1/2ずらせて配置している請求項3に記載される燃料油の磁気改質装置。
【請求項5】
前記磁石積層ブロック(1)が、積層している永久磁石(4)の積層面の磁極が交互にN極とS極となり、かつ対向面の磁極を同極とするように積層している請求項1に記載される燃料油の磁気改質装置。
【請求項6】
前記外装ケース(2)が、ステンレス、アルミ、銅のいずれかの金属板からなる請求項1に記載される燃料油の磁気改質装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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