説明

燃料部品

本発明は、成分Aすなわち構成単位として少なくとも2個の炭素原子を有し、かつ最大で5個の炭素原子を有するジアミンと、少なくとも10個の炭素原子を有する二酸とを有する半結晶性脂肪族ポリアミドを、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも1重量%含むポリマー組成物を含む燃料部品に関する。本発明はまた、このような燃料部品の作製方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ポリマー組成物を含む燃料部品およびこのような燃料部品を製造する方法に関する。
【0002】
燃料部品については周知であり、燃料部品は、例えば、ポリマー組成物から作製されている。国際公開第2009/119759号パンフレットには、末端アミノ基濃度が末端カルボキシル基濃度を超えるポリアミド−6、タルク、および分散剤からなる組成物から作製された燃料部品が記載されている。
【0003】
従来、安全および環境保護を目的として、燃料部品を透過する燃料の量を低減することが求められている。国際公開第2009/119759号パンフレットによる燃料部品には、ポリマー組成物の燃料透過性が依然として高いという欠点がある。
【0004】
本発明の目的は、燃料部品中のポリマー組成物の燃料透過が低減された燃料部品を提供することにある。
【0005】
驚くべきことに、成分Aすなわち構成単位として少なくとも2個の炭素原子を有しかつ最大で5個の炭素原子を有するジアミンと、少なくとも10個の炭素原子を有する二酸とを有する半結晶性脂肪族ポリアミドを、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも1重量%含むポリマー組成物を含む燃料部品が、この種のポリアミドを含まないポリマー組成物と比較して燃料透過性が低下していることをここに見出した。
【0006】
このことは以下に列挙する実施例において例証される。
【0007】
本明細書における「燃料」という用語は、内燃機関または高圧縮比内燃機関の燃料として使用される炭化水素の様々な混合物を含むものと理解される。したがって、この用語には、特に、燃料油、ディーゼル油、およびあらゆる種類のガソリンに加えて、炭化水素およびアルコールの混合物等が包含される。
【0008】
本明細書における燃料部品とは、燃料容器、燃料キャニスタ、燃料キャップ、燃料ホース等の燃料と接触する可能性がある部品と理解される。本明細書における燃料容器とは、燃料を収容する手段と理解される。好適には、容器は、燃料を充填および/または放出を別々に行うかまたは兼用するのに適した1またはそれ以上の開口部を有するものである。
【0009】
本明細書における「半結晶性ポリアミド」とは、結晶性および非晶性領域を有するポリアミドを包含するものと理解される。
【0010】
本発明の一実施形態においては、燃料部品は、一体構造(monolithic)または単層部品である。その例としては、燃料ポンプの筐体、ツマミ(tab)、および単層燃料容器が挙げられる。単層の燃料部品は、射出成形、回転成形、ブロー成形等の製造方法により得られることが周知である。この製造方法には、単純で設計の自由度が高いという利点がある。本発明による単層の燃料部品は、燃料透過性がより低いかまたは同等の燃料透過性を達成するのにより薄肉の単層を用いることができるという利点を有する。単層部品の他の利点は、燃料透過がより均一であることと、ピンチング(pinching)が起こらないこととにある。
【0011】
本発明の他の実施形態においては、燃料部品は多層部品である。多層部品の例としては、多層燃料容器、多層燃料キャニスタ、および多層燃料ホースがある。多層燃料部品は、通常、ブロー成形または押出成形により作製される。ここで、1種またはそれ以上の層が、成分Aを、ポリマー組成物中にポリマーの総重量に対し少なくとも1重量%の含むポリマー組成物から作製される。多層燃料部品には、様々な層の特性を有利に組み合わせることができるという利点がある。他の層としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、様々な理由で有利に作用するタイレイヤーを挙げることができる。HDPEは耐衝撃性、耐吸湿性、および耐薬品性に好ましい影響を与える。EVOHは燃料透過が低いことで知られる。タイレイヤーは全体の強度を得るために使用される。本発明による多層燃料部品の他の利点は、ポリマー組成物の燃料透過が低下することにより、層をより薄肉化させたり層の数を減らすなどといった燃料部品の設計の簡素化か、または燃料部品全体の燃料透過を低下させることが可能になることにある。
【0012】
本明細書におけるポリマー組成物は、成分Aが存在し、かつ場合により1種またはそれ以上の他のポリマー(本明細書において成分Bと称される)が存在する組成物と理解される。成分Bとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の熱可塑性ポリマーが挙げられる。
【0013】
一実施形態においては、成分Bは線状である。線状ポリマーは、通常、粘度がより低く、金型への充填をより良好に行うことが可能になるため、射出成形に有利である。
【0014】
他の実施形態においては、成分Bは分岐状である。分岐状ポリマーは、典型的には分子量が高く、例えば、少なくとも100,000であり、これはブロー成形に有利である。このことによってパリソンの安定性がより高くなり、その結果として、壁の肉厚がより均一になる。
【0015】
好ましくは、成分Bは、1種またはそれ以上のポリアミド、より好ましくは、半結晶性線状ポリアミド、例えば、ポリアミド−6、ポリアミド−66、ポリアミド−46等、またはポリアミド−12である。
【0016】
成分Aは、例えば、PA−210、PA−410、およびPA−510、PA−212、PA−412、およびPA−512、PA−214、PA−414、およびPA−514であってもよい。ここで「PA」は「ポリアミド」を表す。
【0017】
ジアミンおよび二酸から製造されたポリアミドは、一般にAABB樹脂と称される。例えば、Nylon Plastics Handbook,MelvinI.Kohan編,Hanser Publishers,1995,p.5を参照されたい。命名法はNylon Plastics Handbookで使用されているものに従い、例えば、PA−612は、ヘキサン−1,6−ジアミンおよびドデカン二酸の構成単位を有する単独重合体を表し、PA−6/12は、ε−カプロラクタムおよびラウロラクタムから製造される共重合体を表し、PA−6およびPA−12のブレンドはPA−6/PA−12と表される。
【0018】
好ましくは、成分Aは、一般に非晶性がより低く、かつ燃料透過がより低い線状ポリアミドである。
【0019】
好ましくは、二酸は、最大で14個の炭素原子を有する。ジアミンおよび二酸の両方の炭素原子数が減少するにつれて溶融温度は上昇し、機械的性質に好ましい影響を与える。ジアミンの炭素原子が2〜5個の範囲にあり、かつ二酸の炭素原子が10〜14個の範囲にある場合の燃料透過性および溶融温度が最適である。
【0020】
好ましくは、成分Aの二酸はデカン二酸であり、例えば、PA−210、PA−410、PA−510等である。このようなポリアミドを含むポリマー組成物を含む燃料部品は、非常に低い燃料透過性と、低温下(例えば−30℃)における高い耐衝撃性とを兼ね備えている。より好ましくは、良好な耐水性を示すPA−410またはPA−510が使用される。
【0021】
好ましくは、成分Aのジアミンは、例えば、PA−410、PA−412、PA−414等のブタン−1,4−ジアミンであり、その理由は、これを用いることにより、燃料部品の瞬間耐熱性(peak temperature resistance)が高くなるためである。
【0022】
よりさらに好ましくは、成分AはPA−410である。つまり、ジアミンとしてブタン−1,4−ジアミンを有し、二酸としてデカン二酸を有する。成分AがPA−410である場合、PA−610よりも燃料透過が一層低くなることに加えて、瞬間耐熱性がPA−610よりも高くなる。
【0023】
本発明による燃料部品は、成分Aを、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも1重量%含むポリマー組成物を含む。驚くべきことに、本発明による燃料部品は、例え成分Aが比較的低量(例えば、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも1重量%、好ましくは2重量%、より好ましくは3重量%、よりさらに好ましくは4重量%の量)で存在してさえも、成分Aを含まない燃料部品と比較して燃料透過性が低下していることが見出された。
【0024】
より好ましくは、ポリマー組成物は、成分Aを、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも10重量%含む。よりさらに好ましくは、ポリマー組成物は、成分Aを、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも20重量%含む。
【0025】
成分Aを増量することの利点は、ポリマー組成物の燃料透過が一層低下し、かつ/または燃料部品の設計を簡素化しながら同等の燃料透過を維持できることにある。
【0026】
本発明による燃料部品は、好ましくは40℃におけるCE10 fuelの燃料透過が最大で4g・mm/m2・day、より好ましくは2.5、よりさらに好ましくは、40℃において0.5g・mm/m2・dayである。
【0027】
他の利点は、本発明による燃料部品は、燃料中のエタノールの影響をより受けにくいことにある。成分Aの量がポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも60重量%である場合、40℃におけるCE20/CE10 fuelの燃料透過の比率は1.5g・mm/m2・day未満であることが分かった。より好ましくは、成分Aの量は、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも70重量%である。その理由は、こうすることによりCE20/CE10 fuelの燃料透過の比率が一層低下するためである。
【0028】
驚くべきことに、燃料部品が、成分Aを、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも95重量%含むポリマー組成物を含む場合、燃料タンクのCE20/CE10 fuelの燃料透過性の比率が一層低下することが見出された。より好ましくは、燃料部品は、成分Aを、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも98重量%含むポリマー組成物を含む。
【0029】
好ましくは、ポリマー組成物は、成分Aと、ポリアミド−6を、ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも30重量%とを含む。こうすることの利点は、ポリアミド−6単独の燃料透過性および成分A単独の燃料透過性に基づき予測されるものよりも燃料透過が低く維持されることにある。より好ましくは、ポリマー組成物は、ポリアミド−6を少なくとも40重量%含み、よりさらに好ましくは、ポリアミド−6を少なくとも50重量%含む。ポリアミド−6および成分Aのブレンドは燃料透過性が低いまま維持されると同時に、コストも比較的低いままであり、その一方で、機械的性質が十分なまま維持されるという相乗効果を示す。他の利点は、ポリアミド−6に対する成分Aの量を変化させることにより、燃料部品の設計を調整することを必要とせずに、法律上の要件に応じて組成物の燃料透過性を調整できることにある。
【0030】
より好ましくは、ポリマー組成物は、ジアミンがブタン−1,4−ジアミンであり、二酸がデカン二酸である成分AすなわちPA−410を含み、ポリアミド−6をポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも30重量%、より好ましくはポリアミド−6を少なくとも40重量%、よりさらに好ましくはポリアミド−6を少なくとも50重量%含む。こうすることにより、射出成形を行う場合の溶着性がより良好になる。さらに、こうすることにより、ポリマー組成物の燃料透過性も低下する一方で、コストが低いまま維持される。
【0031】
本発明による燃料部品のさらなる利点は、耐低温衝撃性が十分なまま維持されていることにある。
【0032】
燃料部品は射出成形やブロー成形等の周知の方法により製造することができる。
【0033】
本発明における射出成形は、以下のステップ:
a.成分Aおよび場合により成分Bを含む組成物を加熱することにより粘性液体を得るステップと、
b.金型キャビティに粘性液体を充填するステップと、
c.粘性液体が冷却および固化して部品を形成するまで金型内で加圧下に放置するステップと、
d.金型を開放するステップと、
e.部品を突き出すステップと
を含むものと理解される。
【0034】
本明細書におけるブロー成形は、少なくとも以下のステップ:
a.成分Aおよび場合により成分Bを含む組成物を加熱することにより粘性液体を得るステップと、
b.粘性液体からパリソンを形成するステップと、
c.パリソンを加圧気体で膨張させ、冷却および固化して部品を形成するまで金型キャビティに押し付けるステップと、
d.金型を開放するステップと、
e.部品を突き出すステップと
を含むものと理解される。
【0035】
燃料部品は、好ましくは、ASTM標準D4272を用いて−30℃で測定された低温耐衝撃性が良好である。本発明による燃料部品には様々な耐衝撃性改良剤を存在させることができる。
【0036】
好適な耐衝撃性改良剤の例は、オレフィン等の非極性モノマーに加えて、極性または反応性モノマー、特に、アクリル酸エステル、エポキシド、酸または無水物含有モノマー等も含むゴム状ポリマーである。その例として、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体または無水物基で官能化されたエチレン/プロピレン共重合体が挙げられる。この種の添加剤の利点は、ポリマー組成物の衝撃強さが改善されるだけでなく粘度の増加にも寄与することにある。
【0037】
本発明による燃料部品は、場合により、強化材を含むことができる。ガラス繊維等の強化材は燃料透過性をさらに低下させるので有利である。しかしながら、強化材には、組成物の密度を増大させるという望ましくない欠点がある。多くの燃料部品、例えば、屋外用汎用エンジン搭載機(outdoor power product)(リーフブロワー、刈払機)の燃料タンクの重量は、使用者の人間工学を考慮して可能な限り軽量化することが必要である。驚くべきことに、本発明による燃料部品は、通常は充填材よりも低密度である成分Aが存在することにより燃料透過性が低下しているため、好ましくは充填材の量が削減されることが見出された。
【0038】
好適な充填材は、鉱物フィラー、クレー、雲母、タルク、球状ガラスである。強化繊維の例としては、ガラス繊維が挙げられる。好ましくは、ポリアミド組成物は、強化繊維としてのガラス繊維をポリマー組成物全体に対し5〜50重量%、より好ましくは10〜45、最も好ましくはガラス繊維を15〜40重量%含む。好適なガラス繊維は、一般に、直径が5〜20ミクロン、好ましくは8〜15ミクロンであり、ポリアミド中で使用するのに適したコーティングを有するものである。ガラス繊維を含むポリマー組成物の利点は、特に、より高温下における強度および剛性が増大することにあり、それによってポリマー組成物中のポリマーの融点付近の温度まで使用することが可能になる。
【0039】
ここで本発明を実施例により説明するが、これらに限定されるものではない。
【0040】
[実施例]
[方法]
ASTM E96BWに準拠した質量減量法(weight loss method)により、水をASTM fuel CE10(エタノールを10体積%と、ASTM fuel C(トルエンおよびイソオクタンの50/50重量%混合物)を90体積%とから構成される)に置き換えて燃料透過率を測定した。燃料透過測定を40℃の乾燥条件下で実施した。この方法の標準偏差は5〜10%である。ここに示す重量百分率は、特段の指定がない限りポリアミドの総重量に対するものである。結果を表1に示す。
【0041】
既知の厚みを有するポリマーの板状片をfuel CE10に浸漬し、経時的な質量増加を調査することにより燃料吸収測定を実施した。実験開始時点においてはより頻回の質量測定を行い(毎時間)、2日目以降は1日1回測定を実施した。4×4cmの表面を有する厚さ1mmの板状片を用いた。この方法により、全体の拡散率(D)、全体の溶解度(S)が得られ、間接的に燃料透過性(P)を決定した。
【0042】
燃料吸収量(溶解度)および吸収速度(拡散率)から燃料透過率を求めた:
P=D×S (1)
【0043】
板片形状の場合、短時間の相対的な吸収質量は時間の平方根の一次関数となることが分かっており、簡略化された等式で表すことができる:
【数1】



(式中、
は、時間tにおける質量であり、
は、乾燥状態の板状片の初期質量(時間ゼロ)であり、
は、膨潤した板状片の質量(無限時間)であり、
Lは、板状片の半分の厚みである)。
【0044】
このようにしてグラフの傾きから拡散率を求めることができる。
【0045】
全体の溶解度(S)は、総吸収質量(無限時間)から得ることができ:
【数2】



と定義される。
【0046】
このようにして求められた溶解度はパーセントで表される。これは、ポリマー100g中に溶解した燃料の量を意味する。溶解度および拡散率から全体の透過性を式1に従い求めることができる。表2に燃料吸収測定の結果を示す。
【0047】
使用したポリアミド:
[成分A:]
PA−410、構成単位としてブタン−1,4−ジアミンおよびデカン二酸を有するポリアミド、充填剤なし、M=18000
【0048】
[成分B:]
I PA−6、充填剤なし、M=28000
II PA−6、充填剤なし、M=15000
PA−610、構成単位としてヘキサン−1,6−ジアミンおよびデカン二酸を有するポリアミド、充填剤なし、M=16000。
【0049】
[組成]
以下の表に記載するようにポリアミドから組成物を調製した。これらの組成物から板状試験片を作製した。板状片の厚みを1mmとし、直径を5cmとした。燃料吸収測定を室温で実施した。
【0050】
【表1】



【0051】
この例から、成分Aを含む本発明によるポリマー組成物(本明細書においてはPA−410)の燃料透過が低下していることが明らかである(組成物1〜9を比較例A〜Cと比較されたい)。例えば、組成物1から、燃料透過が1.6g・mm/m2・dayに低下したことがわかる。これはPA−410を含まない場合の燃料透過(比較−A)の3分の1に低下している。
【0052】
組成物3および4は、低量のPA−410を用いても燃料透過が低下したことをはっきりと示している。組成物5はPA−410を10%使用しているが、比較Bと比較すると1.6分の1に低下している。
【0053】
本発明による組成物はまた、PA−610の組成物と比較しても燃料透過が低下している(組成物1〜9を比較Cと比較されたい)。
【0054】
これらの例から、成分Aすなわち本明細書においてはPA−410がポリマー組成物中に存在することによって燃料透過に好ましい影響があり、したがって燃料透過が低下することが明らかである。
【0055】
【表2】



【0056】
表2の結果から、成分Aを含むポリマー組成物から作製された板状片の燃料透過性(燃料吸収法(fuel uptake method)により測定)が、ポリアミド6を使用した組成物と比較してほぼ6分の1に低下したことが明らかである(実験10を比較実験Eと比較)。ポリアミド−610と比較すると、燃料透過が2.5分の1に低下したことが認められた(組成物10を比較Dと比較されたい)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー組成物を含む燃料部品であって、構成単位として少なくとも2個の炭素原子を有し、かつ最大で5個の炭素原子を有するジアミンと、少なくとも10個の炭素原子を有する二酸とを有する半結晶性脂肪族ポリアミドである成分Aを、前記ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも1重量%含む、燃料部品。
【請求項2】
成分Aが線状である、請求項1に記載の燃料部品。
【請求項3】
少なくとも10個の炭素原子を有する前記二酸が、デカン二酸であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載の燃料部品。
【請求項4】
少なくとも2個の炭素原子を有し、かつ最大で5個の炭素原子を有する前記ジアミンが、ブタン−1,4−ジアミンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料部品。
【請求項5】
少なくとも10個の炭素原子を有する前記二酸がデカン二酸であり、少なくとも2個の炭素原子を有し、かつ最大で5個の炭素原子を有する前記ジアミンがブタン−1,4−ジアミンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料部品。
【請求項6】
成分Aの量が、前記ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも70重量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料部品。
【請求項7】
前記ポリマー組成物が、さらに成分Bを、前記ポリマー組成物中のポリマーの総重量に対し少なくとも5重量%含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料部品。
【請求項8】
成分Bが、ポリアミド−6、ポリアミド−66、またはポリアミド−46、およびポリアミド−12の群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の燃料部品。
【請求項9】
請求項1〜8に記載の燃料部品の作製方法であって、成分Aを含むポリマー組成物を射出成形またはブロー成形することを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項1〜8に記載の燃料部品または請求項9に記載の方法により作製される燃料部品であって、単層部品であることを特徴とする、燃料部品。
【請求項11】
請求項1〜8に記載の燃料部品または請求項9に記載の方法により作製される燃料部品であって、多層部品であることを特徴とする、燃料部品。

【公表番号】特表2013−518958(P2013−518958A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551622(P2012−551622)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051573
【国際公開番号】WO2011/095551
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】