説明

燃料電池、セパレータ及び燃料電池システム

【課題】システム全体としての小型化を図ることができると共に、昇圧時のロスを低減することのできる燃料電池、セパレータ及び燃料電池システムを提供する。
【解決手段】カソード側セパレータ30にセパレータ絶縁部51,61が形成されることによって、互いに電気的に絶縁された複数のセパレータ分割領域30A〜30Cに分割される。アノード側セパレータ20も同様に分割される。このようなセパレータ20,30を積層させることによって、燃料電池スタック3は、互いに電気的に絶縁された複数の電力発生部3A〜3Cに分割される構成となる。分割された電力発生部3A〜3Cは、他の電力発生部とは絶縁され、独立した一つの電池として機能する。従って、燃料電池1は、互いに独立した複数の電池が一つの燃料電池スタック3内に並列に配置されたような構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池、セパレータ及び燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、燃料電池は、電解質膜を電極層で挟むことによって形成されたMembrane Electrode Assembly(MEA)と、MEAを挟む一対のセパレータによって構成される電池セルを、複数積層する構成となっている。従来、このような燃料電池の電圧は積層させる電池セルの枚数に依存していた。一方、家庭用の燃料電池システムにおいては、電力を交流に変換して活用するため、直流である燃料電池の電力を交流に変換する必要がある。このとき、直流を交流に変換するためには交流電源の最大電圧以上の直流電圧が必要であるため、電圧を昇圧させる必要がある。このように電圧を昇圧することは、例えば特許文献1や特許文献2においても要求されている。例えば、燃料電池の電池セルの枚数が少なくて電圧が低い場合、DC/DCコンバータ等で昇圧する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−329506号公報
【特許文献2】特開平8−17451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DC/DCコンバータを用いて昇圧する場合、スイッチング技術により一度直流を高い周波数の交流に変換し、トランスを用いて昇圧し、再び直流に整流する方法が一般的に用いられる。このような方法によれば、スイッチング時、トランスによる昇圧時に変換ロス(例えば熱ロス、トランス内の鉄損、銅損など)が生じることによって、効率が悪化するという問題が生じる。更に、上述のような回路がインバータ内に必要となるため、燃料電池システムの大型化という問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、昇圧時における変換ロスを抑制しつつ、燃料電池システムの小型化を図ることができる燃料電池、セパレータ及び燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る燃料電池は、膜電極接合体と、アノードガスが流通する流路を有するアノード側セパレータと、カソードガスが流通する流路を有するカソード側セパレータとを積層してなるスタックを備える燃料電池であって、各セパレータは、スタックの積層方向と交差する方向において、電気的に絶縁された複数のセパレータ分割領域に分割するためのセパレータ絶縁部を有し、スタックは、セパレータ絶縁部によって分割された各セパレータ分割領域に対応する複数の電力発生部を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るセパレータは、電解質膜を電極層で挟むことによって形成された膜電極接合体に積層され、アノードガスあるいはカソードガスを通過させる流路を有する燃料電池のセパレータであって、積層方向と交差する方向において、電気的に絶縁された複数のセパレータ分割領域に分割するためのセパレータ絶縁部を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る燃料電池におけるセパレータ、及び本発明に係るセパレータは、セパレータ絶縁部が形成されることによって、互いに電気的に絶縁された複数のセパレータ分割領域に分割される。このようなセパレータを積層させることによって、燃料電池スタックは、互いに電気的に絶縁された複数の電力発生部に分割される構成となる。分割された電力発生部は、他の電力発生部とは絶縁され、独立した一つの電池として機能する。従って、本発明に係る燃料電池は、互いに独立した複数の電池が一つの燃料電池スタック内に並列に配置されたような構成となる。更に、各電力発生部が有する電池セルの枚数は、分割されていない場合における燃料電池スタックの電池セルの枚数と同じになる。すなわち、分割前の燃料電池スタックの電圧と、分割された後の一つあたりの電力発生部の電圧は同じになる。以上より、各電力発生部を直列接続した場合に得られる電圧は、従来の分割されていない燃料電池によって得られる電圧よりも高くなる。これによって、本発明に係る燃料電池は、電圧を容易に昇圧することが可能となる。以上によって、セパレータ内で複数の電気的に絶縁された領域に分割することにより、一つの燃料電池スタックでありながら複数の燃料電池スタックを直列配置したのと同様の効果を従来と同じスタックサイズで達成可能となる。すなわち、昇圧時の変換ロスを抑制しつつ、燃料電池及び燃料電池システムの大型化を抑制する(小型化を図る)ことができる。
【0009】
また、本発明に係る燃料電池において、複数の電力発生部は、互いに直列接続されることが好ましい。例えば、電池セル一枚あたりの電圧をA(V)とし、燃料電池スタックの電池セルの枚数をnとし、燃料電池スタックの分割数をNとした場合、各電力発生部における電圧は、A×n(V)となる。これらの電力発生部を直列接続した場合、燃料電池スタックとして得られる電圧は、A×n×N(V)となる。このように、各電力発生部を互いに直列接続することで、一つの燃料電池で高い電圧を得ることができる。
【0010】
また、本発明に係る燃料電池において、膜電極接合体は、スタックの積層方向と交差する方向において、各電力発生部に対応し且つ電気的に絶縁された複数の接合体分割領域に分割するための接合体絶縁部を有することが好ましい。セパレータと共に膜電極接合体も分割することによって、各電力発生部同士をより確実に絶縁することができる。
【0011】
また、本発明に係る燃料電池において、アノード側セパレータ及びカソード側セパレータは、積層方向から見て、中央側に配置されるものに比して面積が大きいセパレータ分割領域を外縁側に有することが好ましい。各電力発生部において発生させることのできる電力は、積層方向から見た各セパレータ分割領域の面積に依存する。一方、セパレータの中央付近におけるセパレータ分割領域よりも外縁側の領域ほど電圧が不安定になる傾向にある。従って、セパレータの外縁側に配置されるセパレータ分割領域の面積を大きくすることによって、各電力発生部における電圧をより均一にすることができる。これによって、電力発生部を複数有する燃料電池の活用範囲を広げることができる。また、燃料電池全体としての電圧の安定性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る燃料電池において、アノード側セパレータの流路をアノードガスが通過する方向と、カソード側セパレータの流路をカソードガスが通過する方向とが一致する場合、アノード側セパレータ及びカソード側セパレータは、積層方向から見て、アノードガス及びカソードガスの上流側に配置されるものに比して面積が大きいセパレータ分割領域を下流側に有することが好ましい。各電力発生部において発生させることのできる電力は、積層方向から見た各セパレータ分割領域の面積に依存する。一方、アノードガス及びカソードガスの下流側におけるセパレータ分割領域ほど電圧が不安定になる傾向にある。従って、アノードガス及びカソードガスの下流側のセパレータ分割領域の面積を大きくすることによって、各電力発生部における電圧をより均一にすることができる。これによって、電力発生部を複数有する燃料電池の活用範囲を広げることができる。また、燃料電池全体としての電圧の安定性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る燃料電池において、アノード側セパレータの流路をアノードガスが通過する方向と、カソード側セパレータの流路をカソードガスが通過する方向とが異なる場合、アノード側セパレータ及びカソード側セパレータは、積層方向から見て、カソードガスの上流側に配置されるものに比して面積が大きいセパレータ分割領域を下流側に有することが好ましい。アノードガスの通過する方向とカソードガスの通過する方向が一致している場合は、アノード側及びカソード側の両方における上流・下流が一致するため、アノード側及びカソード側の両方のガスの流れに応じてセパレータ分割領域の面積の調整を行うことができる。しかし、アノードガスの通過する方向とカソードガスの通過する方向が異なる場合は、アノード側及びカソード側の両方のガスの流れに応じたセパレータ分割領域の面積の調整をすることができない。このような場合は、電圧の安定性に及ぼす影響が大きいカソード側のガスの流れを優先してセパレータ分割領域の面積の調整を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、昇圧時における変換ロスを抑制しつつ、燃料電池システムの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料電池の斜視図である。
【図2】電池セルを積層方向に切断した断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るカソード側セパレータを積層方向から見た図である。
【図4】本発明の実施形態に係る燃料電池システムのブロック構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る燃料電池の等価回路図である。
【図6】変形例に係る燃料電池の燃料電池スタック及びセパレータを示す図である。
【図7】変形例に係る燃料電池の燃料電池スタック及びセパレータを示す図である。
【図8】変形例に係る燃料電池の燃料電池スタック及びセパレータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池1の斜視図である。燃料電池1は、アノードガスとしての水素含有ガス中の水素と、カソードガスとしての酸素含有ガス中の酸素とを用いて電力を発生させるものである。燃料電池1としては、例えば固体高分子形燃料電池(PEFC)、固体酸化物形燃料電池(SOFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)、および溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)が挙げられる。また、アノードガスとしては、図示されないFuel Processor System(FPS)から供給される改質ガスを用いることができる。カソードガスとしては、例えば純酸素ガス、酸素富化空気、および空気が挙げられるが、中でも取扱容易性およびコストの観点から空気が好ましい。カソードガスは、図示されないカソードガス供給装置から供給される。
【0018】
図1に示すように、燃料電池1は、複数の電池セル2が積層され直列に接続された燃料電池スタック3を備えている。複数の電池セル2は、積層方向の両端に配置されたエンドプレート4によって両側から挟まれて固定されている。そして、燃料電池スタック3の両端部には一対の集電体6,7が配置され、具体的には、積層方向の端部における電池セル2とエンドプレート4との間に配置されている。集電体6,7は、例えば銅製であり、隣接する電池セル2と電気的に接続されている。また、集電体6,7には、外方に張り出す接続端子6A,6B,6C,7A,7B,7Cが設けられており、図示されないPower Conditioning System(PCS)と電気的に接続されている。接続端子6A,6B,6C,7A,7B,7Cの構成及び接続関係の詳細な説明は後述する。そして、集電体6,7間に配置された複数の電池セル2によって発電された電力は、PCSに供給される。エンドプレート4には、各電池セル2に対してアノードガス、カソードガス、及び冷却水を供給及び排出するための管が設けられている。
【0019】
図2は、電池セル2を積層方向に切断した断面図である。図2に示すように、電池セル2は、Membrane Electrode Assembly(MEA)10をアノード側セパレータ20とカソード側セパレータ30とで挟むことによって構成されている。MEA10は、電解質膜11をアノード12とカソード13で挟むことによって形成された膜電極接合体である。アノード12は、電気化学的酸化反応が起きる状態にある電極層であり、カソード13は、電気化学的還元反応が起きる状態にある電極層である。アノード側セパレータ20は、カーボンや金属によって形成されており、複数の溝部21によって、アノードガスが通過するガス流路22が形成されている。溝部21は、MEA10のアノード12との接触面20bに形成されている。従って、ガス流路22は、通過するアノードガスをアノード12に供給することができる。カソード側セパレータ30は、カーボンによって形成されており、複数の溝部31によって、カソードガスが通過するガス流路32が形成されている。溝部31は、MEA10のカソード13との接触面30bに形成されている。従って、ガス流路32は、通過するカソードガスをカソード13に供給することができる。
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る燃料電池1の特徴部分、及び本発明の実施形態に係るセパレータの構成について、詳細に説明する。図3は、本発明の実施形態に係るカソード側セパレータ30を積層方向から見た図である。本実施形態におけるカソード側セパレータ30は、長方形板状部材である。従って、カソード側セパレータ30の長手方向を「長さ方向」とし、短手方向を「幅方向」として以下の説明を行う。「長さ方向」及び「幅方向」はいずれも請求項における「積層方向と交わる方向」に該当する。
【0021】
まず、図1に示すように、燃料電池1の燃料電池スタック3は、スタック絶縁部50及びスタック絶縁部60が形成されることによって、長さ方向(積層方向と交わる方向)において、互いに電気的に絶縁された第一電力発生部3A、第二電力発生部3B、第三電力発生部3Cに分割される。本実施形態では、スタック絶縁部50及びスタック絶縁部60は、燃料電池スタック3のみならず、集電体6,7及びエンドプレート4も三つの領域に分割するように形成されている。スタック絶縁部50及びスタック絶縁部60は、燃料電池1がセパレータの長さ方向において三等分されるように配置される。上端側に配置される第一電力発生部3Aは、他の電力発生部3B,3Cから電気的に絶縁されているため、独立した一つの電池として機能する。中央位置に配置される第二電力発生部3Bは、他の電力発生部3A,3Cから電気的に絶縁されているため、独立した一つの電池として機能する。下端側に配置される第三電力発生部3Cは、他の電力発生部3A,3Bから電気的に絶縁されているため、独立した一つの電池として機能する。集電体6,7における第一電力発生部3Aに対応する位置には、第一接続端子6A,7Aが設けられている。集電体6,7における第二電力発生部3Bに対応する位置には、第二接続端子6B,7Bが設けられている。集電体6,7における第三電力発生部3Cに対応する位置には、第三接続端子6C,7Cが設けられている。
【0022】
本実施形態に係るカソード側セパレータ30の構成について、図3を参照して説明する。図3に示すように、カソード側セパレータ30の長さ方向における上端側には三つの貫通孔が形成されることによって、カソードガス入口33、冷却水入口34、アノードガス入口36が形成されている。カソードガス入口33、冷却水入口34、アノードガス入口36は、燃料電池スタック3の積層方向全長に渡って連通されており、エンドプレート4に設けられている管と連通されている。また、カソード側セパレータ30の長さ方向における下端側には貫通孔が形成されることによって、冷却水出口37、アノードガス出口38、カソードガス出口39が形成されている。冷却水出口37、アノードガス出口38、カソードガス出口39は、燃料電池スタック3の積層方向全長に渡って連通されており、エンドプレート4に設けられている管と連通されている。
【0023】
カソード側セパレータ30には、カソードガス入口33、冷却水入口34、アノードガス入口36と、冷却水出口37、アノードガス出口38、カソードガス出口39との間に、複数の溝部31が形成される。溝部31は、長さ方向に沿って延びると共に、幅方向に複数並設されている。また、各溝部31の上端部とカソードガス入口33との間には、カソードガス入口33から供給されたカソードガスを各溝部31へ導くための連通用溝部41が形成されている。各溝部31の下端部とカソードガス出口39との間には、各溝部31を通過したカソードガスをカソードガス出口39へ導くための連通用溝部42が形成されている。以上によって、カソードガス入口33から供給されたカソードガスは、連通用溝部41を介して各溝部31を通過し、連通用溝部42を介してカソードガス出口39へ排出される。これによって、各溝部31は、カソードガスを所定の方向へ通過させてカソード13に供給するガス流路32として機能する。ガス流路32は、カソードガス入口33側が「上流側」となり、カソードガス出口39側が「下流側」となる。
【0024】
カソード側セパレータ30は、セパレータ絶縁部51及びセパレータ絶縁部61が形成されることによって、長さ方向(積層方向と交わる方向)において、互いに電気的に絶縁された第一セパレータ分割領域30A、第二セパレータ分割領域30B、第三セパレータ分割領域30Cに分割される。セパレータ絶縁部51及びセパレータ絶縁部61は、カソード側セパレータ30が長さ方向において三等分されるように配置される。第一セパレータ分割領域30Aは燃料電池スタック3の第一電力発生部3Aを構成し、第二セパレータ分割領域30Bは燃料電池スタック3の第二電力発生部3Bを構成し、第三セパレータ分割領域30Cは燃料電池スタック3の第三電力発生部3Cを構成する。また、セパレータ絶縁部51は燃料電池スタック3のスタック絶縁部50を構成し、セパレータ絶縁部61は燃料電池スタック3のスタック絶縁部60を構成する。
【0025】
セパレータ絶縁部51及びセパレータ絶縁部61は、カソード側セパレータ30の第一セパレータ分割領域30A、第二セパレータ分割領域30B、第三セパレータ分割領域30Cを構成するカーボンの板状部材同士の間に、絶縁材料からなる層を形成することによって構成されている。セパレータ絶縁部51及びセパレータ絶縁部61は、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、燐珪酸ガラス(PSG)、燐硼珪酸ガラス(BPSG)、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシアからなる群から選ばれた少なくとも一種の材料を含有することで構成される。なお、セパレータ絶縁部51及びセパレータ絶縁部61にも溝部31は形成されており、ガス流路32はセパレータ絶縁部51及びセパレータ絶縁部61で途切れることなく上流側から下流側まで連通している。
【0026】
このような構成を有するカソード側セパレータ30は、成形時において、第一セパレータ分割領域30Aを形成するカーボン材料と第二セパレータ分割領域30Bを形成するカーボン材料との間にセパレータ絶縁部51を形成する絶縁材料を配置すると共に、第二セパレータ分割領域30Bを形成するカーボン材料と第三セパレータ分割領域30Cを形成するカーボン材料との間にセパレータ絶縁部61を形成する絶縁材料を配置し、各材料を一体に成形することで得られる。
【0027】
図1に示すように、アノード側セパレータ20、MEA10、集電体6,7、及びエンドプレート4にも、積層方向から見てカソード側セパレータ30のセパレータ絶縁部51及びセパレータ絶縁部61に対応する位置に、絶縁部がそれぞれ形成されている。すなわち、アノード側セパレータ20は、セパレータ絶縁部51,61を有しており、このセパレータ絶縁部51,61によって分割されたセパレータ分割領域20A,20B,20Cを有している。また、MEA10は、接合体絶縁部52,62を有しており、この接合体絶縁部52,62によって分割された接合体分割領域10A,10B,10Cを有している。各部材を積層させることによって、第一電力発生部3A、第二電力発生部3B、第三電力発生部3C、スタック絶縁部50、及びスタック絶縁部60を有する燃料電池スタック3を備える燃料電池1が構成される。なお、スタック絶縁部50,60の厚みは0.5〜3mm程度とすることが好ましい。
【0028】
次に、上述のような燃料電池1を利用した本実施形態に係る燃料電池システムFS1について説明する。図4は、本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック構成図である。図1に示すように、燃料電池システムFS1は、燃料電池1、原料供給装置65、Fuel Processor System(FPS)70、システム制御機構80、Power Conditioning System(PCS)90、カソードガス供給装置95を備えている。なお、図4に示す燃料電池システムは、一例に過ぎず、システム構成は特に限定されず種々の燃料電池システムに適用可能である。
【0029】
原料供給装置65は、FPS70において処理される原料を供給するためのものである。原料としては、炭素および水素を含んでなる化合物(例えば、メタンおよびプロパンなどの炭化水素類、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテルなどのエーテル類など)が挙げられる。中でも、入手容易性の観点からは、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、メタン、天然ガス、都市ガス、LPG(液化石油ガス)、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油などが好ましく、特に、取扱い性にも優れた灯油はより好ましい。
【0030】
FPS70は、原料供給装置65から供給される原料を処理してアノードガスを生成するものであり、本実施形態においては改質部71、シフト部72、および選択酸化部73を含んで構成されている。
【0031】
改質部71は、改質触媒を用いて原料供給装置65から供給される原料を改質し、アノードガスである改質ガスを生成する部位である。改質触媒は、担体と、該担体に担持される金属を含んで構成される。担体の構成材料としては、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)および二酸化ジルコニウム(ジルコニア)が挙げられる。担持される金属としては、例えばニッケル、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、レニウム、およびコバルトが挙げられる。なお、改質手法としては、水蒸気改質および自己熱交換改質などが挙げられるが、本実施形態では水蒸気改質を採用して説明する。
【0032】
改質部71は、熱供給装置71aを有している。熱供給装置71aは、改質部71における改質反応に要する熱を供給するためのものである。本実施形態では、燃料電池1から排出されるアノードガス(いわゆるオフガス)を有効利用する観点から、熱供給装置71aとして供給された燃料を燃焼して熱を発生するバーナを採用しているが、バーナに代えて電力供給により熱を発生するヒータを採用してもよい。また、本実施形態では、特に燃料電池システムFS1の起動時における安定性を考慮して、熱供給装置71aへの燃料供給を燃料供給装置Fによって行う構成を採用しているが、燃料電池システムFS1の駆動時におけるオフガスの有効利用を考慮して、熱供給装置71aへの燃料供給を燃料電池1から排出されるオフガスの供給によって行う構成を採用してもよい。
【0033】
シフト部72は、シフト触媒を用いて改質部71から供給される改質ガスに含まれる一酸化炭素を除去する部位である。シフト触媒は、Fe−Crの混合酸化物、Zn−Cuの混合酸化物、白金、ルテニウム、イリジウムなど貴金属を含有する触媒で構成される。なお、シフト部72を経た改質ガス中の一酸化炭素濃度は、例えば10000ppm以下である。
【0034】
選択酸化部73は、選択酸化触媒を用いてシフト部72から供給される改質ガスに含まれる一酸化炭素を除去する部位である。選択酸化触媒は、担体と、該担体に担持される金属を含んで構成される。担体の構成材料としては、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)および二酸化ジルコニウム(ジルコニア)が挙げられる。担持される金属としては、例えば白金およびルテニウムが挙げられる。なお、選択酸化部73を経た改質ガス中の一酸化炭素濃度は、例えば100ppm以下である。選択酸化部73で一酸化炭素除去が行われた改質ガスは、アノードガスとして燃料電池1のアノード12へ供給される。
【0035】
システム制御機構80は、燃料電池システムFS1などの駆動を制御する駆動制御機構としての機能を有するものである。システム制御機構80としては、例えば電子制御を行うデバイス(例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および入出力インターフェイスを含んで構成されたデバイス)が挙げられる。システム制御機構80は、原料供給装置65、燃料供給装置F、カソードガス供給装置95と電気的に接続されており、各装置に制御信号を出力する。また、システム制御機構80は、燃料電池システムFS1における図示されない各種センサや各種装置に対しても必要に応じて電気的に接続されている。
【0036】
PCS90は、燃料電池1で発生した電力の調整を行う電力調整機構としての役割をになうものであり、電圧変換器91、直交変換器92を有して言いる(また、図示されない制御部を有してもよい)。電圧変換器91は、燃料電池1から出力された直流電力の電圧を変換するものであり、例えばDC/DCコンバータが挙げられる。直交変換器92は、電圧変換器91により変圧された電力を直流から交流へ変換するものであり、例えばDC/ACインバータが挙げられる。外部電力負荷EIは、燃料電池システムFS1から供給される電力を消費するものであり、該燃料電池システムFS1および外部電力系統CEに対して電気的に接続されている。
【0037】
カソードガス供給装置95は、燃料電池1のカソード13にカソードガスを供給するためのものである。カソードガス供給装置95は、投入される電力に応じてカソードガスの供給量を変化させることができ、例えば流量可変式電動ポンプを備えている。
【0038】
次に、本実施形態に係る燃料電池1及びセパレータの作用・効果について説明する。
【0039】
本実施形態に係る燃料電池1では、カソード側セパレータ30にセパレータ絶縁部51,61が形成されることによって、互いに電気的に絶縁された複数のセパレータ分割領域30A〜30Cに分割される。アノード側セパレータ20も同様に分割される。このようなセパレータ20,30を積層させることによって、燃料電池スタック3は、スタック絶縁部50,60によって互いに電気的に絶縁された複数の電力発生部3A〜3Cに分割される構成となる。分割された電力発生部3A〜3Cは、他の電力発生部とは絶縁され、独立した一つの電池として機能する。従って、燃料電池1は、互いに独立した複数の電池が一つの燃料電池スタック3内に並列に配置されたような構成となる。具体的には、図5に示すように、一つの電池として機能する第一電力発生部3A、一つの電池として機能する第二電力発生部3B、一つの電池として機能する第三電力発生部3Cが並列に配置される構成となる。
【0040】
更に、各電力発生部3A〜3Cが有する電池セル2の枚数は、分割されていない場合における燃料電池スタック3の電池セル2の枚数と同じになる。すなわち、分割前の燃料電池スタック3の電圧と、一つの電力発生部3A〜3Cの電圧は同じになる。具体的には、電池セル2一枚あたりの電圧をA(V)とし、燃料電池スタック3の電池セル2の枚数をnとし、燃料電池スタック3の分割数をN(本実施形態ではN=3)とした場合、各電力発生部3A〜3Cにおける電圧は、A×n(V)となる。図5に示すように、接続端子6Cと接続端子7Bとを電気的に接続し、接続端子6Bと接続端子7Aとを電気的に接続することによって、各電力発生部3A〜3Cを直列接続した場合、燃料電池1全体として得られる電圧は、A×n×N(V)となる。一方、従来の分割されていない燃料電池によって得られる電圧は、A×n(V)であるため、本実施形態に係る燃料電池1では、従来の分割されていない燃料電池よりも高い電圧を得ることができる。これによって、本実施形態に係る燃料電池1は、電圧を容易に昇圧することが可能となる。
【0041】
本実施形態においては、一例として三つに分割した場合について説明したが、分割数を更に増やすことで、例えば、燃料電池1の電圧をインバータに求められている電圧にまで昇圧すれば、DC/DCコンバータを不要とすることが可能となり、燃料電池システム全体としての小型化を図ることができると共に、昇圧時のロスを低減することができる。更に、DC/DCコンバータを不要とするまでに昇圧できなかった場合であっても、従来の燃料電池による電圧よりも昇圧することで、DC/DCコンバータへの負荷を低減することが可能となり、昇圧時のロスを低減することができる。以上によって、セパレータ内で複数の電気的に絶縁された領域に分割することにより、一つの燃料電池スタック3でありながら複数の燃料電池スタックを直列配置したのと同様の効果を従来と同じスタックサイズで達成可能となる。すなわち、昇圧時の変換ロスを抑制しつつ、燃料電池1及び燃料電池システムFS1の大型化を抑制する(小型化を図る)ことができる。
【0042】
また、本実施形態に係る燃料電池1において、MEA10は、接合体分割領域10A,10B,10Cに分割するための接合体絶縁部52,62を有している。セパレータ20,30と共にMEA10も分割することによって、各電力発生部3A〜3C同士をより確実に絶縁することができる。
【0043】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態では、本発明に係る燃料電池の一例として三分割されたものについて説明したが、二つに分割されたものであってもよく、あるいは四つ以上に分割されたものでもよい。また、積層方向から見て絶縁部が幅方向に水平になっているが、斜めになっていてもよい。また、燃料電池を幅方向から見たときに、積層方向に対して水平に分割されているが、積層方向に対して斜め方向に分割されていてもよい。また、図6に示すように、セパレータの幅方向にも分割されたものであってもよい。図6(a)に示す例では、アノード側及びカソード側のセパレータ110は、長さ方向に分割するセパレータ絶縁部150と幅方向に分割するセパレータ絶縁部160によって、互いに電気的に絶縁された四つのセパレータ分割領域110A,110B,110C,110Dに分割される。MEA、集電体、及びエンドプレートにも、積層方向から見てセパレータ110のセパレータ絶縁部150,160に対応する位置に、絶縁部がそれぞれ形成され、各絶縁部によって分割された分割領域を有する。これによって、燃料電池スタック100は、スタック絶縁部によって互いに電気的に絶縁された四つの電力発生部100A,100B,100C,100Dに分割される。図6(b)に示す例では、アノード側及びカソード側のセパレータ210は、長さ方向に分割するセパレータ絶縁部250,260と幅方向に分割するセパレータ絶縁部270によって、互いに電気的に絶縁された六つのセパレータ分割領域210A〜210Fに分割される。MEA、集電体、及びエンドプレートにも、積層方向から見てセパレータ210のセパレータ絶縁部250,260,270に対応する位置に、絶縁部がそれぞれ形成され、各絶縁部によって分割された分割領域を有する。これによって、燃料電池スタック200は、スタック絶縁部によって互いに電気的に絶縁された六つの電力発生部200A〜200Fに分割される。
【0044】
また、本発明に係る燃料電池においては、電力発生部の位置に応じて、積層方向から見た場合の領域の面積を変更してもよい。各電力発生部において発生させることのできる電力は、積層方向から見た各領域の面積に依存する。一方、セパレータの中央付近における領域よりも外縁側の領域ほど電圧が不安定になる傾向にある。従って、本発明に係る燃料電池において、図7に示すように、積層方向から見て、アノード側セパレータ及びカソード側セパレータの外縁側に配置される領域の面積を、中央側の領域の面積に比して大きくしてもよい。図7(a)に示す例では、アノード側及びカソード側のセパレータ310は、長さ方向に分割するセパレータ絶縁部350,360によって、互いに電気的に絶縁された三つのセパレータ分割領域310A,310B,310Cに分割される。MEA、集電体、及びエンドプレートにも、積層方向から見てセパレータ310のセパレータ絶縁部350,360に対応する位置に、絶縁部がそれぞれ形成され、各絶縁部によって分割された分割領域を有する。これによって、燃料電池スタック300は、スタック絶縁部によって互いに電気的に絶縁された三つの電力発生部300A,300B,300Cに分割される。このとき、セパレータ310の長さ方向における上端側の外縁310a側に配置されるセパレータ分割領域310A、及び下端側の外縁310b側に配置されるセパレータ分割領域310Cは、中央側に配置されるセパレータ分割領域310Bの面積よりも大きくなる。図7(b)に示す例では、アノード側及びカソード側のセパレータ410は、長さ方向に分割するセパレータ絶縁部450,460及び幅方向に分割するセパレータ絶縁部470,480によって、互いに電気的に絶縁された九つのセパレータ分割領域410A〜410Iに分割される。MEA、集電体、及びエンドプレートにも、積層方向から見てセパレータ410のセパレータ絶縁部450〜480に対応する位置に、絶縁部がそれぞれ形成され、各絶縁部によって分割された分割領域を有する。これによって、燃料電池スタック400は、スタック絶縁部によって互いに電気的に絶縁された九つの電力発生部400A〜400Iに分割される。このとき、セパレータ410の長さ方向における上端側の外縁410a側に配置されるセパレータ分割領域410A,410B,410C及び下端側の外縁410b側に配置されるセパレータ分割領域410G,410H,410Iは、中央側に配置されるセパレータ分割領域410D,410E,410Fの面積よりもそれぞれ大きくなる。また、セパレータ410の幅方向における一端側の外縁410c側に配置されるセパレータ分割領域410A,410D,410G及び他端側の外縁410d側に配置されるセパレータ分割領域410C,410F,410Iは、中央側に配置されるセパレータ分割領域410B,410E,410Hの面積よりもそれぞれ大きくなる。以上のように、セパレータの外縁側に配置される領域の面積を、中央側に配置される領域の面積に比して大きくすることによって、各電力発生部における電圧をより均一にすることができる。これによって、電力発生部を複数有する燃料電池の活用範囲を広げることができる。また、燃料電池全体としての電圧の安定性を向上させることができる。
【0045】
また、本発明に係る燃料電池においては、アノードガスやカソードガスの流れる方向に応じて、積層方向から見た場合の領域の面積を変更してもよい。各電力発生部において発生することのできる電力は、積層方向から見た各領域の面積に依存する。一方、アノードガス及びカソードガスの下流側における領域ほど電圧が不安定になる傾向にある。従って、本発明に係る燃料電池において、図8に示すように、積層方向から見て、ガスの下流側に配置される領域の面積を、上流側に配置される領域の面積に比して大きくしてもよい。図8(a)に示す例では、アノード側及びカソード側のセパレータ510は、長さ方向に分割するセパレータ絶縁部550,560,570によって、互いに電気的に絶縁された四つのセパレータ分割領域510A,510B,510C,510Dに分割される。MEA、集電体、及びエンドプレートにも、積層方向から見てセパレータ510のセパレータ絶縁部550〜570に対応する位置に、絶縁部がそれぞれ形成され、各絶縁部によって分割された分割領域を有する。これによって、燃料電池スタック500は、スタック絶縁部によって互いに電気的に絶縁された四つの電力発生部500A,500B,500C,500Dに分割される。図8(a)に示す例では、アノードガスが通過する方向とカソードガスが通過する方向は一致しており(図中において矢印AG,CGで示す方向)、上端側が上流となり、下端側が下流となる。このとき、上流側から下流側へ向かって、セパレータ分割領域510A、セパレータ分割領域510B、セパレータ分割領域510C、セパレータ分割領域510Dの順で面積が大きくなる。以上のように、アノードガス及びカソードガスの下流側の領域ほど面積を大きくすることによって、各電力発生部における電圧をより均一にすることができる。これによって、電力発生部を複数有する燃料電池の活用範囲を広げることができる。また、燃料電池全体としての電圧の安定性を向上させることができる。
【0046】
図8(a)に示す例のように、アノードガスの通過する方向とカソードガスの通過する方向が一致している場合は、アノード側及びカソード側の両方における上流・下流が一致するため、アノード側及びカソード側の両方のガスの流れに応じて領域の面積の調整を行うことができる。しかし、図8(b)に示す例のように、アノード側セパレータ620内をアノードガスAGが通過する方向と、カソード側セパレータ630内をカソードガスCGが通過する方向が異なる場合は、アノード側及びカソード側の両方のガスの流れに応じた領域の面積の調整をすることができない。このような場合は、電圧の安定性に及ぼす影響が大きいカソード側のカソードガスCGの流れを優先して領域の面積の調整を行うことが好ましい。具体的には、アノード側セパレータ620及びカソード側セパレータ630(更に、MEA610)は、長さ方向に分割するセパレータ絶縁部650,660,670によって、互いに電気的に絶縁された四つのセパレータ分割領域に分割される。MEA、集電体、及びエンドプレートにも、積層方向から見てセパレータ610のセパレータ絶縁部650〜670に対応する位置に、絶縁部がそれぞれ形成され、各絶縁部によって分割された分割領域を有する。これによって、燃料電池スタック600は、スタック絶縁部によって互いに電気的に絶縁された四つの電力発生部600A,600B,600C,600Dに分割される。このとき、積層方向から見て、カソード側のカソードガスCGの上流側から下流側へ向かって、電力発生部600Aの領域、電力発生部600Bの領域、電力発生部600Cの領域、電力発生部600Dの領域の順で面積が大きくなる。
【符号の説明】
【0047】
1…燃料電池、2…電池セル、3,100,200,300,400,500,600…燃料電池スタック、3A,3B,3C…電力発生部、4…エンドプレート、6…集電体、6A,6B,6C,7A,7B,7C…接続端子、10…MEA(膜電極接合体)、10A,10B,10C…接合体分割領域、11…電解質膜、12…アノード、13…カソード、20,620…アノード側セパレータ、21,31…溝部、22,32…ガス流路(流路)、30,630…カソード側セパレータ、20A,20B,20C,30A,30B,30C…セパレータ分割領域、50,60…スタック絶縁部、51,61,150,160,250,260,270,350,360,450,460,470,480,550,560,570,650,660,670…セパレータ絶縁部、52,62…接合体絶縁部、110,210,310,410,510…セパレータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜電極接合体と、アノードガスが流通する流路を有するアノード側セパレータと、カソードガスが流通する流路を有するカソード側セパレータとを積層してなるスタックを備える燃料電池であって、
前記各セパレータは、前記スタックの積層方向と交差する方向において、電気的に絶縁された複数のセパレータ分割領域に分割するためのセパレータ絶縁部を有し、
前記スタックは、前記セパレータ絶縁部によって分割された各セパレータ分割領域に対応する複数の電力発生部を有することを特徴とする、燃料電池。
【請求項2】
複数の前記電力発生部は、互いに直列接続されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
【請求項3】
前記膜電極接合体は、前記スタックの積層方向と交差する方向において、前記各電力発生部に対応し且つ電気的に絶縁された複数の接合体分割領域に分割するための接合体絶縁部を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
【請求項4】
前記アノード側セパレータ及び前記カソード側セパレータは、前記積層方向から見て、中央側に配置されるものに比して面積が大きい前記セパレータ分割領域を外縁側に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の燃料電池。
【請求項5】
前記アノード側セパレータの前記流路を前記アノードガスが通過する方向と、前記カソード側セパレータの前記流路を前記カソードガスが通過する方向とが一致する場合、
前記アノード側セパレータ及び前記カソード側セパレータは、前記積層方向から見て、前記アノードガス及び前記カソードガスの上流側に配置されるものに比して面積が大きい前記セパレータ分割領域を下流側に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の燃料電池。
【請求項6】
前記アノード側セパレータの前記流路を前記アノードガスが通過する方向と、前記カソード側セパレータの前記流路を前記カソードガスが通過する方向とが異なる場合、
前記アノード側セパレータ及び前記カソード側セパレータは、前記積層方向から見て、前記カソードガスの上流側に配置されるものに比して面積が大きい前記セパレータ分割領域を下流側に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の燃料電池。
【請求項7】
電解質膜を電極層で挟むことによって形成された膜電極接合体に積層され、アノードガスあるいはカソードガスを通過させる流路を有する燃料電池のセパレータであって、
積層方向と交差する方向において、電気的に絶縁された複数のセパレータ分割領域に分割するためのセパレータ絶縁部を有することを特徴とするセパレータ。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項記載の燃料電池を備えることを特徴とする、燃料電池システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−216310(P2011−216310A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83021(P2010−83021)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(308013252)株式会社ENEOSセルテック (67)
【Fターム(参考)】