説明

燃料電池システム、及びそのプログラム

【課題】LPGを燃料とし、LPGボンベ交換時に設計標準使用期間に到達しているか否かを屋外情報端末装置に表示させる燃料電池システム、及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】累積の通電時間を計測する累積通電時間計測手段102と、LPGボンベ近傍に屋外情報端末装置110と、燃料供給ライン121からLPGボンベが外されたことを検知するボンベ接続検知手段117とを備え、燃料供給ライン121からボンベが外されたことを検知した場合、屋外情報端末装置110に燃料電池100が機器停止しているか否か、または設計標準使用期間までの運転可能期間の表示や報知を行うことから、ガス事業者は使用者からの通知がなくとも使用者に対し機器停止の事前周知、またはリプレースの商談を開始することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LPGを燃料とする燃料電池システムの設計標準使用期間に対して、機器停止、または設計標準使用期間までの運転可能期間を屋外情報端末装置に表示または報知することを特徴とした燃料電池システム、及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の燃料電池システムは、燃料電池本体の累積運転時間が所定の値に到達すれば燃料電池システムを停止し、燃料電池本体の累積運転回数が所定の値に到達すれば、燃料電池システムを次回起動させないようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は特許文献1に記載された従来の燃料電池システムの構成図を示すものである。図5に示すように、燃料電池本体502の運転が開始されれば、運転時間計測手段511は運転時間を累積して積算することを開始し、積算時間計測手段511によって計測された運転時間が予め設定された所定の値に到達した場合に燃料電池システム501を停止させる。また、運転回数計測手段512は燃料電池本体502の運転が開始されれば、運転回数を累積して積算し(運転回数をプラス1にする)、運転回数計測手段512によって計測された運転回数が予め設定された所定の値に到達すれば、次回起動させないようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−63903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、設計標準使用期間に到達したために機器停止したことを燃料電池システムの使用者からガス事業者へ直接の通知が必要であり、機器停止のために発電装置としての本来の運転稼働率が低下することについて十分考慮されていないという課題があった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、LPGを燃料とし、予め設定された設計標準使用期間に到達すれば機器停止する燃料電池システムであって、LPGボンベ交換時に設計標準使用期間に到達しているか否かを、LPGボンベ近傍に備えた屋外情報端末装置に表示または報知する燃料電池システム、及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、使用開始からの累積の通電時間を計測する累積通電時間計測手段と、LPGボンベ近傍に前記累積通電時間計測手段が計測した累積通電時間に基づく情報を表示または報知する屋外情報端末装置を備えることを特徴としたものである。
【0008】
これによって、燃料電池システムが設計標準使用期間に到達し機器停止しているか否か、また燃料電池システムの設計標準使用期間までの運転可能期間を、LPGボンベの交換に使用者宅を訪問した作業者が容易に目視により検知することができることから、ガス事業者は燃料電池システムの機器停止、また機器停止することを事前に情報を入手することが可能となり、使用者からの通知がなくとも使用者に対し機器停止の事前周知、またはリ
プレースの商談を開始することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の燃料電池システム、及びそのプログラムは、燃料電池システムが設計標準使用期間に到達しているか否かを、LPGボンベ近傍に備えた屋外情報端末装置に表示または報知することから、燃料電池システムが設計標準使用期間に到達し機器停止しているか否か、また燃料電池システムの設計標準使用期間までの運転可能期間を、LPGボンベの交換に使用者宅を訪問した作業者が容易に目視により検知することができ、ガス事業者は燃料電池システムの機器停止、また機器停止することを事前に情報を入手することが可能となり、使用者からの通知がなくとも使用者に対し機器停止の事前周知、またはリプレースの商談を開始することができる。
【0010】
また、LPGボンベの切り換えや取り外しを検出した際に前記表示または報知をすることから、屋外情報端末装置への表示や報知を昼夜間状態化させないことが可能となり、無人状態での表示や報知を避けることができる。またLPGボンベを交換する作業者の操作がなくとも前記表示や報知をさせることができることから、作業者のメンテナンス工数の削減ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における燃料電池システムのブロック図
【図2】(a)本発明の実施の形態1における燃料電池システムの屋外情報端末装置にメッセージで表現した表示例を示す模式図(b)本発明の実施の形態1における燃料電池システムの屋外情報端末装置にLEDで表現した表示例を示す平面図
【図3】本発明の実施の形態1における燃料電池システムの動作を説明するためのフローチャート
【図4】(a)本発明の実施の形態1における燃料電池システムの動作を説明するためのフローチャート(b)本発明の実施の形態1における燃料電池システムの動作を説明するためのフローチャート
【図5】従来の燃料電池システムの構成図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、LPGボンベから供給されるLPGを燃料とし、予め設定された設計標準使用期間に到達すれば機器停止する燃料電池システムであって、使用開始からの累積の通電時間を計測する累積通電時間計測手段と、前記LPGボンベ近傍に前記累積通電時間計測手段が計測した累積通電時間に基づく情報を表示または報知する屋外情報端末装置を備えることを特徴とした燃料電池システムであることを特徴とし、燃料電池システムが設計標準使用期間に到達し機器停止しているか否か、また燃料電池システムの設計標準使用期間までの運転可能期間を、LPGボンベの交換に使用者宅を訪問した作業者が容易に目視により検知することができることから、ガス事業者は燃料電池システムの機器停止、また機器停止することを事前に情報を入手することが可能となり、使用者からの通知がなくとも使用者に対し機器停止の事前周知、またはリプレースの商談を開始することができる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムにおいて、前記屋外情報端末装置は入力手段を有し、前記屋外情報端末装置は前記入力手段で所定の操作が行われた場合に、前記情報を表示または報知することを特徴とし、LPGボンベの交換に使用者宅へ訪問した作業者の意志が働いた時にのみ、前記情報の表示や報知を行うことから、屋外情報端末装置への表示や報知を昼夜間状態化させないことや、無人状態での表示や報知を避けることが可能となり、実用上に有用である。
【0014】
第3の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムにおいて、前記LPGボンベを切り換えるボンベ切り換え手段を備え、前記屋外情報端末装置は、前記ボンベ切り換え手段が第1のLPGボンベから第2のLPGボンベへの切り換えを実施した場合に、前記情報を表示または報知することを特徴とし、屋外情報端末装置への表示や報知を昼夜間状態化させないことや、無人状態での表示や報知を避けることが可能となり、実用上に有用である。
【0015】
第4の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムにおいて、前記LPGボンベの取り外したことを検知するボンベ取り外し検知手段を備え、前記屋外情報端末装置は、1つ以上の複数のLPGボンベの内、少なくとも1つが取り外されたことを検知した場合に、前記情報を表示または報知することを特徴とし、屋外情報端末装置への表示や報知を昼夜間状態化させないことや、無人状態での表示や報知を避けることができる。またLPGボンベを交換する作業者の操作がなくとも前記情報の表示や報知をさせることができることから、作業者のメンテナンス工数の削減ができ、実用上有用である。
【0016】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の燃料電池システムの機能の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラムである。そして、プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明の燃料電池システムの少なくとも一部を容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やインストール作業が簡単にできる。
【0017】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における燃料電池システムのブロック図を示すものである。
【0019】
図1において、燃料電池100はLPGの供給を受けて、LPGを水素に改質し、燃料ガスと空気との供給を受けて電気化学反応により発電する装置である。LPGを充填したボンベA119と、ボンベB120が燃料電池100同様、屋外に設置されており、燃料電池100が有する制御部101は、改質器122に供給を受けたLPGを水素に改質し、燃料電池スタック123へ水素を供給して発電を行う。燃料電池100にはボンベA119から改質器122へLPGを供給するために燃料供給ライン121を備えており、その一端を燃料電池100側に、燃料電池100と反対側の一端をボンベA119の先端に接続する。燃料供給ライン121のボンベA119との接続側には、ボンベ接続検知手段117が配置され、ボンベが外れた時に信号を出力する。また、燃料供給ライン121上には、ボンベA119の内圧を検出する圧力計115と電磁開閉弁113が配置されている。ボンベA119の近傍には表示手段と入力手段111を配置した屋外情報端末装置110を備えており、屋外情報端末装置110はを操作した入力情報や、ボンベ接続検知手段117と圧力計115が出力する信号を一度受信し、燃料電池100へ送信する。また、屋外情報端末装置110には、燃料電池100から屋外情報端末装置110に表示する表示情報や電磁開閉弁113を操作するための操作指示が送信されてくる。ボンベB120にもボンベA119と同じ構成部品が搭載されており、複数のボンベが設置されている場合も同様の構成部品が搭載されている。
【0020】
屋外情報端末装置110は燃料電池100と屋外通信回線112によって接続されており、屋外通信回線112は無線LAN、Bluetooth(登録商標)または特定小電力無線など無線を媒体として利用することも可能で、その場合、屋外情報端末装置110
、燃料電池100それぞれは無線通信ユニットを装着する必要がある。
【0021】
燃料電池100の制御部101は燃料電池100が通電されている期間の時間を計測する累積通電時間計測手段102と、累積通電時間102が累積して積算した通電時間を記憶する記憶手段124を有しており、燃料電池100の電源が切られても積算値を消滅しないようにしている。制御部101の報知信号出力手段103は、記憶手段124に予め設定されている設計標準使用期間と、累積通電時間102が累積して積算した通電時間とを比較し、設計標準使用期間に到達しているか否か、また到達していなければ設計標準使用期間までの運転可能期間を算出する。
【0022】
以上のように構成された燃料電池システムについて、以下その動作、作用を説明する。
【0023】
図1において、燃料電池100は水素と酸素を化学反応させ、電気を作りながら、同時に発生する排熱を有効利用して出来た熱(お湯)をムダなく使うことで、省エネルギー、CO2排出量削減を実現するシステムであるが、一般の家電商品より技術蓄積が浅い本システムは、長期使用による想定外事象を未然に防ぐ対応として、使用者宅への設置から、所定期間の経過でシステム寿命を迎える設定をし、システムのリプレースを促すしくみが必要と考える。設計標準使用期間に到達した時点で、システムを使用させない観点から、燃料電池100の発電はもちろん、給湯利用も停止させる。従って、使用者へは設計標準使用期間までの運転可能期間を事前周知することが望ましい。1つの方法として、屋内の操作リモコンにメッセージ表示やそれと同等のエラーコード等で表現する方法が考えられる。また、設計標準使用期間に対して機器停止した場合も同様である。しかしながら、使用者心理として機器停止に対して事前周知があったとしても機器停止に対する予告であることから、その期間システムが作動している限りは販売店に連絡をせず、機器停止するまで継続使用を行う場合も考えられる。この場合、発電や給湯利用が停止することを使用者が認識していなければ、実際に機器停止になった場合にクレームに直結する場合も考えられる。また、取り扱い説明書への記載や設置時の契約に折り込んだとしても、使用者はそれらを失う場合も考えられる。従って、この事態を救済する方法としては、定期メンテナンスへの訪問時にメンテマンが燃料電池100の実稼働期間の確認を行う方法が考えられる。しかし燃料電池100の定期メンテナンスの周期も場合によっては1〜3年間に一度と長期間使用者宅へ訪問しないことや、都市ガスを燃料とする燃料電池システムであれば、ガスの供給はガス管を介していることから訪問機会がなく、顧客管理をしない限り各使用者宅の燃料電池100の設計標準使用期間に対する実稼働期間がつかみにくい。
【0024】
LPGを燃料とした燃料電池システムであった場合、所定の周期でLPGボンベの交換が必要であることから、既に顧客管理をするしくみがあり、また年間に数回、使用者宅を訪問することになっている。この時に燃料電池100の実稼働期間の確認を行うことができれば、使用者からの通知がなくとも使用者に対し機器停止の事前周知や、リプレース商談を実施することが可能となる。この時、LPGボンベの交換に訪問した作業者が使用者宅の中に入ることなく、屋外でも容易に料電池システムの設計標準使用期間までの運転可能期間を、目視により検知できる施策が必要である。本システムにはボンベA119ボンベB120の近傍に表示手段と入力手段111を配置した屋外情報端末装置110を備えており、報知信号出力手段103が出力する報知信号を表示や報知させることができる。累積通電時間計測手段102は燃料電池100が使用者宅に設置されてから、通電している時間を累積して積算する。報知信号出力手段103は記憶手段124に予め設定された設計標準使用期間と累積通電時間計測手段102が積算した累積時間とを比較し、機器停止させるか否かを判定する。累積通電時間が設計標準使用期間に到達していれば、制御部101は燃料電池100の発電を停止させ、運転を停止させる。同時に報知信号出力手段103は、燃料電池システムが停止したことを報知する報知信号を屋外通信回線112を介してボンベA119近傍に設置している屋外情報端末装置110に報知する。一方、設
計標準使用期間に到達した燃料電池システムは、燃料電池100の次回の発電と、給湯も停止させる。そのため、設計標準使用期間に到達することを使用者に事前に周知させることが望ましい。従って、報知信号出力手段103は、累積通電時間計測手段102が積算した累積時間が設計標準使用期間に未到達だった場合、設計標準使用期間までの運転可能期間を算出し、その数値を屋外情報端末装置110へ報知する。報知内容としては、残りの年、月数を表示させるや、また表示の開始の時期は機器停止まで所定期間以内、例えば機器停止まで3か月以内に入った時のみ表示を開始しても良い。そして、残り年、月数は時間経過と共に、カウントダウンさせても良い。これによって、LPGボンベの交換に使用者宅を訪問した作業者が燃料電池100の機器停止までの期間を容易に目視により検知することができ、ガス事業者は燃料電池システムの機器停止、また機器停止することを事前に情報を入手することが可能となり、使用者からの通知がなくとも使用者に対し機器停止の事前周知、またはリプレースの商談を開始することができる。
【0025】
屋外情報端末装置110への設計標準使用期間までの運転可能期間の表示であるが、屋外情報端末装置110は屋外に設置されていることから、好ましくは近所周辺への配慮として報知信号出力手段103の報知信号の表示や報知を昼夜に関係なく状態化させることは避けるべきと考える。すなわち、LPGボンベの交換に使用者宅を訪問した作業者が作業中にのみ表示や報知をさせることが望ましい。
【0026】
制御部101は外部入力検知手段107を有し、屋外通信回線112を介して屋外情報端末装置110の入力手段111が作業者により操作されたことを検知した時にのみ、報知信号出力手段103が算出した機器停止までの残り期間を屋外情報端末装置110に表示させる。これによって、作業者の意志が働いた時にのみ、設計標準使用期間までの運転可能期間の表示や報知を行うことから、屋外情報端末装置への表示や報知を昼夜間状態化させないことや、無人状態での表示や報知を避けることが可能となり、実用上に有用である。また、制御部101はボンベ内圧検知手段104を有し、圧力計115はボンベA119の内圧データを屋外情報端末装置110へ出力し、ボンベ内圧検知手段104は屋外通信回線112を介してボンベA119の内圧を検知する。ボンベ切り換え制御手段105はボンベ内圧検知手段104が検知したボンベA119の内圧が低下、つまりLPG燃料の残量が少ないと判断すれば、ボンベB120の使用を開始する。ボンベ切り換え制御手段105は、屋外通信回線112を介して屋外情報端末装置110へボンベBの電磁開閉弁114を開け、逆にボンベA119の電磁開閉弁113を閉じる指示を出力し、屋外通信回線112を介して屋外情報端末装置110に前記指示に従い、電磁開閉弁113と電磁開閉弁114を操作する。このようにして燃料を供給するボンベを切り換え、燃料電池100への燃料供給を継続させる。制御部101はボンベ切り換え制御手段105がボンベの切り換え指示を出力した時、報知信号出力手段103が算出した機器停止までの残り期間を屋外通信回線112を介し、屋外情報端末装置110に表示させる。これによって、屋外情報端末装置への表示や報知を昼夜間状態化させないことや、無人状態での表示や報知を避けることが可能となり、実用上に有用である。
【0027】
次に、燃料供給ライン121とボンベA119との接続部には、ボンベ接続検知手段117が配置され、ボンベ接続検知手段117はボンベA119が外された時に信号を出力する。ボンベB120との接続部にも同様のボンベ接続検知手段118が配置されている。制御部101はボンベ取り外し検知手段106を有し、作業者によりボンベA119またはボンベB120のいずれかが燃料供給ライン121から取り外され、ボンベ取り外し検知手段106は屋外情報端末装置110と屋外通信回線112を介してボンベが取り外されたことを検知した時にのみ、制御部101は報知信号出力手段103が算出した機器停止までの残り期間や機器停止しているか否かを屋外通信回線112を介し、屋外情報端末装置110に表示させる。これによって、屋外情報端末装置110への表示や報知を昼夜間状態化させないことや、無人状態での表示や報知を避けることができる。またLPG
ボンベを交換する作業者の操作がなくとも設計標準使用期間までの運転可能期間や機器停止しているか否かの表示や報知をさせることができることから、作業者のメンテナンス工数の削減ができ、実用上有用である。
【0028】
屋外情報端末装置110には設計標準使用期間までの運転可能期間や、機器停止しているか否かを表示させるが、図2(a)と図2(b)は設計標準使用期間までの運転可能期間を表示させた場合の例である。図2(a)は設計標準使用期間までの運転可能期間を屋外情報端末装置110の表示手段にダイアログでメッセージを表示させた例である。メッセージは、設計標準使用期間までの運転可能期間の残り月数をカウントダウン表示させ、いよいよ機器停止が近づいた時点になれば、ボンベを交換する作業者に対して販売店への連絡の必要性を強調する内容に変化させる。また、カウントダウン表示は使用者宅に設置した時点から、残り月数を表示させても良いし、また機器停止する直前数か月前になった時点から表示させても良い。
【0029】
図2(b)は屋外情報端末装置110の一部に表示手段とは別にLED201を設けて設計標準使用期間までの運転可能期間の残り月数を表示させた例である。例えばLED201を3つ準備した場合、残り月数に応じてLED201の点灯個数を積み上げ、例えば、機器停止するまで3か月以上期間が残っている場合は点灯なし、1か月以内になっていれば1つのみ点灯、機器停止2週間前などまもなく停止する時期であれば2つ点灯、機器停止した場合は全点灯させるといった表示にする。また、色変化として表現するとすれば、機器停止するまで3か月以上期間が残っている場合は1つ目が青色で点灯、1か月以内になっていれば1つ目が青色で2つ目が黄色で点灯、機器停止1週間前などまもなく停止する時期であればLED201の1つ目が青、2つ目が黄色、3つ目が赤色で点灯、いよいよ機器停止した場合は全てのLEDを赤色で点灯させるといった表示にしても良い。
【0030】
図3、図4(a)、図4(b)は本実施の形態の燃料電池システムの動作を説明するためのフローチャートである。以下説明では屋外情報端末装置110に機器停止したか否か、また設計標準使用期間までの運転可能期間をメッセージで表示させる例を示す。
【0031】
図3のフローチャートにおいて制御部101が有する累積通電時間計測手段102は燃料電池100の通電時間を累積して積算する(STEP31)。報知信号出力手段103は累積通電時間計測手段102が累積して積算した通電時間と、記憶手段124に予め設定されている設計標準使用期間に対して運転可能期間を算出し、機器停止まで3か月以内か否かを判定する(STEP32)。3か月以上残っている場合(STEP32、No)、報知信号出力手段103は報知信号がないとして通信手段108へデータをセットする(STEP38)。次に機器停止まで3か月以内であった場合(STEP32、Yes)、報知信号出力手段103は機器停止まで2か月以内か否かを判定する(STEP33)。2か月以上残っている場合(STEP33、No)、燃料電池100は最大3か月動作可能であるため、報知信号は3か月と通信手段108へセットする(STEP39)。次に機器停止まで2か月以内であった場合(STEP33、Yes)、報知信号出力手段103は機器停止まで1か月以内か否かを判定する(STEP34)。1か月以上残っている場合(STEP34、No)、燃料電池100は最大2か月動作可能であるため、報知信号は2か月と通信手段108へセットする(STEP40)。次に機器停止まで1か月以内であった場合(STEP34、Yes)、報知信号出力手段103は機器停止まで2週間以内か否かを判定する(STEP35)。2週間以上残っている場合(STEP35、No)、燃料電池100は最大1か月動作可能であるため、報知信号は1か月と通信手段108へセットする(STEP41)。次に機器停止まで2週間以内であった場合(STEP35、Yes)、報知信号出力手段103は累積通電時間計測手段102が累積して積算した通電時間が、設計標準使用期間であるか否かを判定する(STEP36)。累積通電時間が設計標準使用期間に到達していない場合(STEP36、No)、燃料電池
100は最大2週間動作可能であるため、報知信号は2週間と通信手段108へセットする(STEP42)。積通電時間が設計標準使用期間に到達している場合(STEP36、Yes)、制御部101は燃料電池100が発電していれば発電を停止させ(STEP37)、報知信号を機器停止として通信手段108へセットする(STEP43)。この時、次回の発電と給湯を停止させる。
【0032】
上記の様に通信手段108にセットされた報知信号は、昼夜に関係なく屋外通信回線112を介して屋外情報端末装置110に報知するわけではない。近所周辺への配慮として屋外情報端末装置110の入力手段111が操作された場合、またボンベA119の内圧が低下、つまり制御部101がLPG燃料の残量が少ないと判断し、ボンベA119からボンベB120に燃料の供給を切り換えた時、またボンベ交換の作業者によりボンベA119またはボンベB120のいずれかが燃料供給ライン121から取り外された時といった条件があった場合に、機器停止しているか否か、または設計標準使用期間までの運転可能期間を表示させる。図3中のA部がこれら条件を表している。図3中のA部は入力手段111が操作された時に報知することを示し、図4(a)はボンベA119からボンベB120に燃料供給ボンベを切り換えた時に、図4(b)はLPGボンベが取り外されたことを検知した時に屋外情報端末装置110に報知することを示す。図3において、通信手段108にセットされた報知信号であるが、屋外情報端末装置110に配置された入力手段111がLPGボンベを交換する作業者により操作され、制御部101は外部入力検知手段107が屋外情報端末装置110の入力手段111が操作されたことを検知しているか否かを判定する(STEP44)。入力手段111が操作された場合(STEP44、Yes)、通信手段108から屋外通信回線112を介して屋外情報端末装置110に報知信号を出力する(STEP45)。屋外情報端末装置110は燃料電池100から報知された、機器停止しているか否か、または設計標準使用期間までの運転可能期間の表示や報知を行う(STEP46)。入力手段111が操作されていなければ(STEP44、No)通信手段108にセットした報知信号を屋外情報端末装置110に報知しない。同様に図4(a)において、制御部101はボンベ内圧検知手段104が、屋外情報端末装置110を介して内圧計115から信号を受信し、ボンベA119の燃料の残量が残り少なくなっているか否かを判定する(STEP47)。燃料が少なくなっていれば(STEP47、Yes)、ボンベ切り換え制御手段105は電磁開閉弁113、114を操作し、燃料の供給をボンベA119からボンベB120に切り換える指示を出力し、屋外情報端末装置110を介して操作する(STEP48)。そして制御部101は通信手段108にセットした報知信号を屋外通信回線112を介し、屋外情報端末装置110に機器停止したか否か、また設計標準使用期間までの運転可能期間の表示や報知を行う(STEP46)。ボンベA119の燃料が少なくなっていなければ(STEP47、No)ボンベの切り換えもなく、通信手段108にセットした報知信号を屋外情報端末装置110に報知しない。同様に図4(b)において、制御部101はボンベ接続検知手段117、または118が燃料供給ライン121からボンベA119、またはボンベB120のいずれかがが外された信号を屋外情報端末装置110と屋外通信回線112を介し、ボンベ取り外し検知手段106が検出したか否かを判定する(STEP49)。燃料供給ライン121からLPGボンベが外された時(STEP49、Yes)、制御部101は通信手段108にセットした報知信号を屋外通信回線112を介し、屋外情報端末装置110に機器停止したか否か、また設計標準使用期間までの運転可能期間の表示や報知を行う(STEP46)。ボンベの取り外しがなければ(STEP49、No)通信手段108にセットした報知信号を屋外情報端末装置110に報知しない。
【0033】
以上のように、本実施の形態においては、燃料電池システムが設計標準使用期間に到達し機器停止しているか否か、また燃料電池システムの設計標準使用期間までの運転可能期間を、LPGボンベの交換に使用者宅を訪問した作業者が容易に目視により検知することができることから、ガス事業者は燃料電池システムの機器停止、また機器停止することを
事前に情報を入手することが可能となり、使用者からの通知がなくとも使用者に対し機器停止の事前周知、またはリプレースの商談を開始することができる。
【0034】
また、屋外情報端末装置110に配置された入力手段111で所定の操作が行われた場合に、前記情報を表示または報知することを特徴とし、LPGボンベの交換に燃料電池システムの使用者宅へ訪問した作業者の意志が働いた時にのみ、前記情報の表示や報知を行うことから、屋外情報端末装置への表示や報知を昼夜間状態化させないことや、無人状態での表示や報知を避けることが可能となり、実用上に有用である。
【0035】
また、LPGボンベを交換する作業者の操作がなくとも前記情報の表示や報知をさせることができることから、作業者のメンテナンス工数の削減ができ、実用上有用である。
【0036】
なお、本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムであれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したり、インターネットなどの通信回線を用いて配信することでプログラムの配布・更新やインストール作業が簡単にできる。
【0037】
なお、本発明の燃料電池は家庭用に限らずオフィスや工場などの業務用であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明にかかる、本発明の燃料電池システム、及びそのプログラムは、燃料電池システムが設計標準使用期間に到達しているか否かを、LPGボンベ近傍に備えた屋外情報端末装置110に表示または報知することから、燃料電池システムが設計標準使用期間に到達し機器停止しているか否か、また燃料電池システムの設計標準使用期間までの運転可能期間を、LPGボンベの交換に使用者宅を訪問した作業者が容易に目視により検知することができ、ガス事業者は燃料電池システムの機器停止、また機器停止することを事前に情報を入手することが可能となり、使用者からの通知がなくとも使用者に対し機器停止の事前周知、またはリプレースの商談を開始することができる。
【0039】
また、LPGボンベの切り換えや取り外しを検出した際に前記表示または報知をすることから、屋外情報端末装置への表示や報知を昼夜間状態化させないことが可能となり、無人状態での表示や報知を避けることができる。またLPGボンベを交換する作業者の操作がなくとも前記表示や報知をさせることができることから、作業者のメンテナンス工数の削減ができる。
【符号の説明】
【0040】
100 燃料電池
102 累積通電時間計測手段
105 ボンベ切り換え制御手段
106 ボンベ取り外し検知手段
110 屋外情報端末装置
111 入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LPGボンベから供給されるLPGを燃料とし、予め設定された設計標準使用期間に到達すれば機器停止する燃料電池システムであって、使用開始からの累積の通電時間を計測する累積通電時間計測手段と、前記LPGボンベ近傍に前記累積通電時間計測手段が計測した累積通電時間に基づく情報を表示または報知する屋外情報端末装置を備えることを特徴とした燃料電池システム。
【請求項2】
前記屋外情報端末装置は入力手段を有し、前記屋外情報端末装置は前記入力手段で所定の操作が行われた場合に、前記情報を表示または報知することを特徴とした請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記LPGボンベを切り換えるボンベ切り換え手段を備え、前記屋外情報端末装置は、前記ボンベ切り換え手段が第1のLPGボンベから第2のLPGボンベへの切り換えを実施した場合に、前記情報を表示または報知することを特徴とした請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記LPGボンベの取り外したことを検知するボンベ取り外し検知手段を備え、前記屋外情報端末装置は、1つ以上の複数のLPGボンベの内、少なくとも1つが取り外されたことを検知した場合に、前記情報を表示または報知することを特徴とした請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システムの少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−267564(P2010−267564A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119533(P2009−119533)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】