説明

燃料電池システムとその運転方法

【課題】従来よりも無駄なエネルギー消費が低減される燃料電池システム及びその運転方法を提供する。
【解決手段】原料ガスを利用して発電する燃料電池ユニット1と、原料ガスを燃焼する燃焼装置2内に設けられた原料ガスの組成に関する情報を取得する組成情報取得器3より取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否か判定する異常判定器5と、異常判定器5により異常と判定されないと起動を開始させ、異常判定器5により異常と判定されると起動を開始しない制御器6とを備える燃料電池システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器を内部に有するとともに、排ガス流路が、燃焼装置と共通のダクトに接続される燃料電池システム関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原料ガスを用いて発電する種々の燃料電池が知られているが、原料ガスとして天然ガスが供給される場合、天然ガスは、時期により組成が変動することが知られている。
【0003】
また、原料ガスには、酸素が含まれる場合があり(例えば、特許文献1参照)、これにより生じる改質触媒の劣化を抑制するために、改質器に流入する前に水添脱硫と並行して酸素を除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−080907号公報
【特許文献2】特開平9−027332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2記載では、酸素が含まれる原料ガスに対応できる燃料電池システムが提案されているが、原料ガスの組成によっては、システムが安定して運転を継続できない場合も想定される。このような場合は、運転を開始した後にシステム内に異常が生じ停止されるが、それまでに運転に要したエネルギー(例えば、起動エネルギー)が無駄になる。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、従来よりも無駄なエネルギー消費が低減される燃料電池システム及びその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池と、原料ガスを燃焼する燃焼装置内に設けられた原料ガスの組成に関する情報を取得する組成情報取得器より取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否か判定する異常判定器と、前記異常判定器により異常と判定されないと起動を開始させ、前記異常判定器により異常と判定されると起動を開始しない制御器とを備える。
【0008】
また、本発明の燃料電池システムの運転方法は、燃料電池ユニット内に設けられた燃焼器からの燃焼排ガスが、燃焼装置からの燃焼排ガスと合流するステップと、前記燃焼装置及び前記燃焼器が共に燃焼しているときに前記燃焼器に供給される可燃性ガスの流量及び可燃性ガスの組成の少なくともいずれか一方が変化する動作を実行するステップと、前記動作の実行に伴い、前記燃焼装置の出力を低下させるステップとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、従来よりも燃料電池システムの無駄なエネルギー消費が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示す図
【図2】実施の形態1に係る燃料電池システムの動作の一例を示すフロー図
【図3】実施の形態2の燃料電池システムの動作の一例を示すフロー図
【図4】実施の形態2の第1変形例に係る燃料電池システムの動作の一例を示すフロー図
【図5】実施の形態3の燃料電池システムの動作の一例を示すフロー図
【図6】実施の形態3の第1変形例に係る燃料電池システムの動作の一例を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、具体的に実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
実施の形態1の燃料電池システムは、原料ガスを利用して発電する燃料電池ユニットと、起動に際して、原料ガスを燃焼する燃焼装置内に設けられた原料ガスの組成に関する情報を取得する組成情報取得器より取得した情報から原料ガスの組成が異常か否か判定する異常判定器と、異常判定器により異常と判定されないと起動を開始させ、異常判定器により異常と判定されると起動を開始しない制御器とを備える。
【0013】
実施の形態1の燃料電池システムの運転方法は、原料ガスを燃焼する燃焼装置内に設けられた原料ガスの組成に関する情報を取得する組成情報取得器より取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否か判定するステップと、判定ステップにおいて異常と判定されないと起動を開始させるステップと、判定ステップにおいて異常と判定されると起動を開始しないステップと、燃料電池ユニットが原料ガスを用いて発電するステップとを備える。
【0014】
かかる構成により、原料ガスの組成に異常が有ると判定されると燃料電池システムが起動されないので、起動に際して原料ガス組成の異常判定を行わない燃料電池システムに比べて、無駄なエネルギー消費が低減される。また、燃焼装置の組成情報取得器により既に取得されている原料ガス組成に関する情報を利用するので、燃料電池システムで起動に際して原料ガス組成の検査をする必要がなく、検査に必要とするエネルギーも省略できる。
【0015】
ここで、「原料ガスの組成に関する情報」とは、原料ガスの組成を直接的に示す情報及び間接的に示す情報の少なくともいずれか一方を意味する。原料ガスの組成を直接的に示す情報は、原料ガスの組成そのものを示す情報であり、例えば、原料ガス中に含まれるガスの種類及びその含有比率が示される。原料ガスの組成を間接的に示す情報とは、原料ガスの組成と相関して変動する情報であり、例えば、火炎電流の値、時期情報が挙げられる。
【0016】
ここで、「組成情報取得器より取得する」とは、組成情報取得器より直接的に取得する及び間接的に取得するの少なくともいずれか一方を意味する。間接的に取得するとは、例えば、組成情報取得器で取得した情報を記憶した記憶部より取得することが挙げられる。
【0017】
実施の形態1の燃料電池システムは、組成情報取得器は、燃焼装置内の炎から発生する炎電流を検知するよう構成されていてもよい。
【0018】
実施の形態1の燃料電池システムの運転方法は、組成情報取得器は、燃焼装置内の炎から発生する炎電流を検知してもよい。
【0019】
次に、実施の形態1における燃料電池システムの詳細について説明する。
【0020】
[構成]
図1は実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、燃料電池システム100は、燃料電池ユニット1と、異常判定器5と、制御器6とを備える。
【0022】
燃料電池ユニット1は、原料ガスを利用して発電する。具体的には、改質部(図示せず)及び燃料電池(図示せず)を備える。
【0023】
改質部は、原料ガス及び水蒸気を用いた改質反応により水素含有ガスを生成する。改質部は、原料ガスを用いる改質反応であれば、いずれの種類であっても良く、水蒸気改質反応、オートサーマル反応、及び部分酸化反応等が例示される。原料ガスは、少なくとも炭素及び水素を構成元素とする有機化合物を含むガスであり、天然ガス、LPG、LNG、都市ガス等の炭化水素、及びメタノール等のアルコールが例示される。
【0024】
燃料電池は、改質器で生成された水素含有ガスを用いて発電する。燃料電池としては、いずれの種類であっても良く、高分子電解質形燃料電池、固体酸化物形燃料電池、及び燐酸形燃料電池等が例示される。なお、燃料電池が、固体酸化物形燃料電池の場合は、改質部と燃料電池とが1つの容器内に内蔵されるよう構成される。
【0025】
異常判定器5は、起動に際して、燃焼装置2内に設けられた組成情報取得器3より取得した情報から原料ガスの組成が異常か否か判定する。
【0026】
ここで、燃焼装置2は、原料ガスを燃焼させて、熱負荷(図示せず)に供給するための熱を発生する装置である。燃焼装置2として、ボイラー、給湯器等が例示される。熱負荷(図示せず)としては、暖房、風呂、シャワー等が例示される。
【0027】
また、組成情報取得器3は、原料ガスの組成に関する情報を取得する。組成情報取得器3は、原料ガスの組成に関する情報を取得可能であれば、いずれの構成であっても良く、例えば、フレームロッドを用いた炎電流検知器が用いられる。
【0028】
制御器6は、燃料電池システム100の動作を制御する。制御器6は、制御機能を有するものであればよく、演算処理部(図示せず)と、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)とを備える。演算処理部としては、MPU、CPUが例示される。記憶部としては、メモリーが例示される。制御器は、集中制御を行う単独の制御器で構成されていてもよく、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。
【0029】
[動作]
次に、以上のように構成された燃料電池システム100が起動にあたって実行する制御器6の制御を、図2を用いて説明する。
【0030】
図2は、本実施の形態の燃料電池システム100の動作の一例を示すフロー図である。
【0031】
燃料電池システム100の起動に際して、異常判定器5は、組成情報取得器3より原料の組成に関する情報を取得する(ステップS1)。異常判定器5は、取得した情報から原料ガスの組成に異常があるか否かを判定する(ステップS2)。異常であるか否かの判定基準は、適宜設定されるが、異常判定器5は、例えば、原料ガスの組成がピークシェビング時の組成であるときに、異常と判定してもよい。
【0032】
異常判定器5が、原料ガスの組成が異常でないと判定すると(ステップS2でYes)、制御器6は、燃料電池システム100の起動を開始する(ステップS3)。
【0033】
一方、異常判定器5が、原料ガスの組成が異常であると判定すると、制御器6は、燃料電池システム100の起動を開始しない(ステップS4)。なお、上記フローは、燃料電池システム100の起動要求が発生することで、実行される。ここで、起動要求には、例えば、操作者によるリモコンを介した起動指示入力、予め設定された起動予定時刻に到達したときの起動指示信号等が例示される。
【0034】
(実施の形態2)
実施の形態2の燃料電池システムは、実施の形態1の燃料電池システムにおいて、異常判定器は、原料ガスの組成を異常と判定した後、組成情報取得器より再度取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否かを再度判定する。
【0035】
かかる構成により、原料ガスの組成の異常判定のミスが抑制される。
【0036】
実施の形態2の燃料電池システムは、実施の形態1の燃料電池システムにおいて、異常判定器は、原料ガス組成が異常と所定の複数回判定すると、次の起動要求が発生するまで原料ガスの組成の異常判定を実行しなくてもよい。
【0037】
原料ガスの組成が一旦異常になると、異常が解消されるまで時間を要し、その間、無駄な異常判定動作を繰り返すことになる。しかしながら、上記構成により、次の起動要求が発生するまで異常判定が停止されるので、無駄な異常判定動作を低減することができる。
【0038】
本実施の形態の燃料電池システムは、上記特徴以外は、実施の形態1の燃料電池システムと同様に構成されていてもよい。
【0039】
次に、本実施の形態の燃料電池システム100について詳細に説明する。
【0040】
本実施の形態の燃料電池システム100は、実施の形態1の燃料電池システムと同様の構成を有するのでその説明を省略し、本実施の形態の燃料電池システム100の動作について説明する。
【0041】
図3は、実施の形態2の燃料電池システム100の動作の一例を示すフロー図である。
【0042】
本実施の形態の燃料電池システム100は、図3に示すように、ステップS2において、異常判定器5により原料ガスの組成が異常であると判定され、起動を開始しないとき、異常判定器5は、再度、組成情報取得器より情報を取得する(ステップS5)。
【0043】
そして、異常判定器5は、取得した情報から原料ガスの組成が異常であるか否かを判定する(ステップS7)。異常判定器5により原料ガスの組成が異常と判定されない場合は(ステップS6でNo)、燃料電池システムの起動を開始する(ステップS9)。
【0044】
一方、異常判定器5により原料ガスの組成が異常と判定された場合は(ステップS6でYes)、異常判定回数が所定の回数E1以上であるか否かを判定し(ステップs7)、異常判定回数がE1未満である場合は(ステップS7でNo)、ステップS5―S6を実行し、原料ガスの組成が異常か否かを再度判定する。なお、上記E1は、複数の値である。
【0045】
一方、異常判定器5により異常判定回数がE1以上である場合は(ステップS7でYes)、異常判定器5による異常判定を停止する(ステップS8)。上記以外のステップについては、実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0046】
なお、その後、次の起動要求が発生すると、図3のフローがステップS1より再開されてもよい。
【0047】
[第1変形例]
実施の形態2の第1変形例の燃料電池システムは、実施の形態2の燃料電池システムにおいて、制御器は、異常判定器は、原料ガス組成が異常と所定の複数回判定すると、少なくとも次の日になるまで起動を許可しない。
【0048】
原料ガスの組成が一旦異常になると、当日中に異常が解消しない場合もある。そういった場合は、当日の間、無駄な異常判定動作を繰り返すことになる。しかしながら、上記構成により、異常判定が所定の複数回繰り返された後は少なくとも異常が発生した当日中、異常判定が停止されるので無駄な異常判定動作を低減することができる。
【0049】
実施の形態2の第1変形例の燃料電池システムは、上記特徴以外は、実施の形態1の燃料電池システムと同様に構成されていてもよい。
【0050】
次に、実施の形態2の第1変形例の燃料電池システム100について詳細に説明する。
【0051】
本変形例の燃料電池システム100は、実施の形態1の燃料電池システムと同様の構成を有するのでその説明を省略し、本変形例の燃料電池システム100の動作について説明する。
【0052】
図4は、実施の形態2の第1変形例における燃料電池システム100の動作の一例を示すフロー図である。
【0053】
燃料電池システム100は、図4に示すように、異常判定器5により原料ガスの組成が異常であると判定した回数が、所定の回数E1以上であると、異常判定器5による異常判定を停止し、燃料電池システム100の起動を禁止する(ステップS10)。燃料電池システム100の起動を禁止している期間は、新たな起動要求が発生しても、燃料電池システム100を起動させない。なお、燃料電池システム100の起動を禁止している期間は、新たな起動要求が発生しても異常判定をしない。
【0054】
そして、日付が更新されると(ステップS11)、燃料電池システム100の起動の禁止が解除される(ステップS12)。上記以外のステップについては、実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。
【0055】
なお、日付更新後、燃料電池システム100の起動の禁止が解除されるタイミングは任意であり、適宜設定される。また、起動禁止を解除した後は、新たに起動要求が発生すると、図4のフローがステップS1より再開されてもよい。
【0056】
(実施の形態3)
実施の形態3の燃料電池システムは、実施の形態1の燃料電池システムにおいて、異常判定器は、組成情報取得器より取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否かを判定するという動作を繰り返しているときに、停止予定時刻までの時間が所定時間以下になると、異常判定器は、異常判定を停止する。
【0057】
組成情報取得器より再度取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否かを再度判定するという動作を繰り返しているときに、仮に正常と判定され、燃料電池システムを起動しても停止予定時刻までの時間が短いと、直ぐに停止しまうことになる。これは、エネルギー(特に、起動エネルギー)の無駄であり、省エネルギー性の観点から好ましくない。
【0058】
そこで、上記のように構成することで、停止予定時刻までの残り時間を考慮しない燃料電池システムに比べ、省エネルギー性の観点から好ましくない燃料電池システムの起動を抑制することができる。
【0059】
次に、本実施の形態の燃料電池システム100について詳細に説明する。
【0060】
本実施の形態の燃料電池システム100は、実施の形態1の燃料電池システムと同様の構成を有するのでその説明を省略し、本実施の形態の燃料電池システム100の動作について説明する。
【0061】
図5は、実施の形態3の燃料電池システム100の動作の一例を示すフロー図である。
【0062】
燃料電池システム100は、図5に示すように、異常判定器5により原料ガスの組成が異常であると判定されると(ステップS6でYes)、停止予定時刻までの残り時間が所定の時間T1以下であるか否かを判定し(ステップS13)、残り時間がT1より長い場合は(ステップS7でNo)、ステップS5―S6を実行し、原料ガスの組成が異常か否かを再度判定する。なお、上記T1は、適宜設定されるが、例えば、燃料電池システム100を使用しない場合に比べ、燃料電池システム100を起動してもエネルギー的に有利な運転時間として定義してもよい。または、T1を、燃料電池システム100を使用しない場合に比べ、燃料電池システム100を運転するとランニングコストで有利になる運転時間として定義してもよい。
【0063】
一方、停止予定時刻までの残り時間が所定の時間T1以下である場合は(ステップS13でYes)、異常判定器5による異常判定を停止する(ステップS8)。上記以外のステップについては、実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
なお、その後、次の起動要求が発生すると、図5のフローがステップS1より再開されてもよい。
【0065】
[第1変形例]
実施の形態3の第1変形例の燃料電池システムは、実施の形態3の燃料電池システムにおいて、制御器は、組成情報取得器より取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否かを判定するという動作を繰り返しているときに、停止予定時刻までの時間が所定時間以下になると、少なくとも次の日になるまで起動を許可しない。
【0066】
原料ガスの組成が一旦異常になると、当日中に異常が解消しない場合もある。そういった場合は、当日の間、無駄な異常判定動作を繰り返すことになる。しかしながら、上記構成により、停止予定時刻までの時間が所定時間以下になった後は少なくとも異常が発生した当日中、異常判定が停止されるので、無駄な異常判定動作を低減することができる。
【0067】
実施の形態2の第1変形例の燃料電池システムは、上記特徴以外は、実施の形態1の燃料電池システムと同様に構成されていてもよい。
【0068】
次に、実施の形態3の第1変形例の燃料電池システム100について詳細に説明する。
【0069】
本変形例の燃料電池システム100は、実施の形態1の燃料電池システムと同様の構成を有するのでその説明を省略し、本変形例の燃料電池システム100の動作について説明する。
【0070】
図6は、実施の形態3の第1変形例における燃料電池システム100の動作の一例を示すフロー図である。
【0071】
燃料電池システム100は、図6に示すように、ステップS5において原料ガスの組成に異常があると判定され(ステップS6でYes)、停止予定時刻までの残り時間が所定の時間T1以下であると(ステップS13でYes)、異常判定器5による異常判定を停止し、燃料電池システム100の起動を禁止する(ステップS14)。燃料電池システム100の起動を禁止している期間は、新たな起動要求が発生しても、燃料電池システム100を起動させない。また、燃料電池システム100の起動を禁止している期間は、新たな起動要求が発生しても異常判定をしない。
【0072】
そして、日付が更新されると(ステップS15)、燃料電池システム100の起動の禁止が解除される(ステップS16)。上記以外のステップについては、実施の形態3と同様であるので、その説明を省略する。
【0073】
なお、日付更新後、燃料電池システム100の起動の禁止が解除されるタイミングは任意であり、適宜設定される。また、起動禁止を解除した後は、新たに起動要求が発生すると、図6のフローがステップS1より再開されてもよい。
【0074】
[実施の形態1−3及びこれらの変形例に対する変形例]
本変形例の燃料電池システムは、実施の形態1−3及びこれらの変形例の燃料電池システムにおいて、異常判定器は、取得した情報の組成情報取得器による取得時間が現時点から所定の時間以内であるとき前記情報を異常判定に利用する。
【0075】
かかる構成により、組成情報取得器による取得時間を考慮せず、異常判定を行う燃料電池システムに比べ、起動時に燃料電池システムに供給される原料ガスの組成が異常であるか否かをより正確に判定することが可能になる。
【0076】
本変形例の燃料電池システムは、実施の形態1−3及びこれらの変形例の燃料電池システムにおいて、異常判定器が取得した情報の組成情報取得器による取得時間が現時点から所定の時間以内でないとき、制御器が、燃焼装置を起動させ、組成情報取得器により原料ガスの組成に関する情報を取得するよう制御してもよい。
【0077】
そして、異常判定器は、燃焼装置の起動に伴い組成情報取得器により取得された情報から原料ガスの組成が異常であるか否かを判定してもよい。
【0078】
上記説明から、当業者にとっては、多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明に係る燃料電池システム及びその運転方法は、従来よりも燃料電池システムの無駄なエネルギー消費が低減されるので有用である。
【符号の説明】
【0080】
1 燃料電池ユニット
2 燃焼装置
3 組成情報取得器
5 異常判定器
6 制御器
100 燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料ガスを利用して発電する燃料電池ユニットと、起動に際して、原料ガスを燃焼する燃焼装置内に設けられた原料ガスの組成に関する情報を取得する組成情報取得器より取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否か判定する異常判定器と、前記異常判定器により異常と判定されないと起動を開始させ、前記異常判定器により異常と判定されると起動を開始しない制御器とを備える燃料電池システム。
【請求項2】
前記異常判定器は、原料ガスの組成を異常と判定した後、前記組成情報取得器より再度取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否かを再度判定する、請求項1記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記異常判定器は、原料ガス組成が異常と所定の複数回判定すると、次の起動要求が発生するまで原料ガスの組成の異常判定を実行しない、請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記制御器は、前記異常判定器は、原料ガス組成が異常と所定の複数回判定すると、少なくとも次の日になるまで起動を許可しない、請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項5】
停止予定時刻までの時間が所定時間以下になると、前記異常判定器は、前記異常判定を停止する、請求項2記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記異常判定器は、前記異常判定を停止した後、次の起動要求が発生するまで原料ガスの組成の異常判定を実行しない、請求項5記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記制御器は、前記異常判定を停止した後、少なくとも次の日になるまで起動を許可しない、請求項5記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記組成情報取得器は、前記燃焼装置内の炎から発生する炎電流を検知するよう構成されている、請求項1−7のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項9】
起動に際して、原料ガスを燃焼する燃焼装置内に設けられた原料ガスの組成に関する情報を取得する組成情報取得器より取得した前記情報から原料ガスの組成が異常か否か判定するステップと、前記判定ステップにおいて異常と判定されないと起動を開始させるステップと、前記判定ステップにおいて異常と判定されると起動を開始しないステップと、燃料電池ユニットが原料ガスを用いて発電するステップとを備える、燃料電池システムの運転方法。
【請求項10】
前記組成情報取得器は、前記燃焼装置内の炎から発生する炎電流を検知する、請求項9に記載の燃料電池システムの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−209025(P2012−209025A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71642(P2011−71642)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】