説明

燃料電池セル、及び燃料電池

【課題】 複数個組み込んで燃料電池モジュール或いは燃料電池とした場合に構造的な燃料偏流の発生を低減することができる燃料電池セルを提供すること。
【解決手段】 この燃料電池セルFC1は、空気極支持体20と、燃料極50と、電解質部40と、インターコネクタ部60と、を備え、空気極支持体20の内部には空気が流れる流路70が形成されており、流路70は、空気が流入する往路71と、往路71に流入した空気が折り返して流出する復路72とを含み、流路70の開口端近傍に延在し、空気極支持体20を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって形成されている熱交換部材30を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般に、燃料電池セル、及び燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような燃料電池セルは、電解質を挟んで空気極と燃料極を配置すべく様々な態様のものが提案されている。一つの態様は、下記特許文献1の図4等に示されているように、有底円筒状のものとして形成されている燃料電池セルである。この燃料電池セルは、空気極支持体の外側に電解質層が形成され、その電解質層に重ねて燃料極層が形成され、空気極支持体に接続されるようにインターコネクタが形成されている。有底円筒状の空気極支持体の内部には空気導入管が挿入され、この空気導入管を介して空気が導入される。また別の態様は、下記特許文献2に示されるように、空気流路又は燃料ガス流路を折り返すように形成した燃料電池セルである。この燃料電池セルの場合、流路の一端から空気又は燃料ガスを流入させ、流路の他端から流出させている。
【特許文献1】特開2006−66387号公報
【特許文献2】特開2006−216408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、いかなる態様の燃料電池セルを採用する場合であっても、燃料電池セルを複数個電気的に接続しハウジング内に収めて燃料電池モジュール或いは燃料電池とする場合には、燃料電池セルが延びる方向と、これと直交する方向と、における偏熱の課題が生じる。具体的には、複数個の燃料電池セルを組み込んだ燃料電池を形成すると、前者の偏熱は燃料電池セルの端の部分における温度よりも中央の部分の温度が上昇し、後者の偏熱は外側の部分における温度よりも内側の部分における温度が上昇してしまう。このような偏熱状態となると、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一、内側における燃料ガス又は空気の濃度低下、などにより発電性能の低下を生じる。
【0004】
そこで、本発明では、複数個組み込んで燃料電池モジュール或いは燃料電池とした場合に構造的なガス偏流の発生を低減することができる燃料電池セル及びその燃料電池セルによって構成される燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池セルは、燃料ガス及び酸化剤ガスの一方を含む第1ガスと他方を含む第2ガスとによって作動する燃料電池セルであって、前記第1ガスに対応する第1電極と、前記第2ガスに対応する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される電解質部と、前記第1電極と電気的に接続されたインターコネクタ部と、前記第1電極、前記第2電極、前記電解質部、及び前記インターコネクタ部を支持するための支持体と、を備え、前記支持体の内部には前記第1ガスが流れる流路が形成されており、前記流路は、前記第1ガスが流入する流入部を有する往路と、前記往路に流入した前記第1ガスが折り返して流出する流出部を有する復路とを含み、前記支持体を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって形成されている均熱部材を備え、前記流入部と前記流出部とが前記均熱部材を挟んで隣接するように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数個組み込んで燃料電池モジュール或いは燃料電池とした場合に構造的な燃料電池の偏熱を低減することができる燃料電池セル及びその燃料電池セルによって構成される燃料電池を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を実施するための最良の形態を説明するのに先立って、本発明の作用効果について説明する。上記目的を達成するため、本発明者は様々な角度からガス偏流の低減について検討を重ねた。その結果、直接的にガス偏流を解決すべく燃料ガスや空気の流し方等に対策を施すのではなく、燃料電池セルの構造を工夫することで上記目的を達成することが可能であることを発見し、その知見に基づいて本発明を成し得たものである。
【0008】
本発明に係る燃料電池セルは、燃料ガス及び酸化剤ガスの一方を含む第1ガスと他方を含む第2ガスとによって作動する燃料電池セルであって、前記第1ガスに対応する第1電極と、前記第2ガスに対応する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される電解質部と、前記第1電極と電気的に接続されたインターコネクタ部と、前記第1電極、前記第2電極、前記電解質部、及び前記インターコネクタ部を支持するための支持体と、を備え、前記支持体の内部には前記第1ガスが流れる流路が形成されており、前記流路は、前記第1ガスが流入する流入部を有する往路と、前記往路に流入した前記第1ガスが折り返して流出する流出部を有する復路とを含み、前記支持体を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって形成されている均熱部材を備え、前記流入部と前記流出部とが前記均熱部材を挟んで隣接するように配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の燃料電池セルのように、支持体の内部に第1ガスが流れる流路が形成され、その流路は、第1ガスが支持体内へと流入するための往路と、その往路によって支持体内へと流入した第1ガスが折り返して支持体外へと流出するための復路とを備えている場合、折り返す部分や往路への流入口部分や復路からの流出口部分の近傍において、第1ガスや第2ガスの温度が低下する。このような燃料電池セルが延在する方向における温度の不均一は、温度が低い部分における発電性能の低下をも引き起こしてしまう。そこで本発明では、支持体を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって均熱部材を形成し、流入部と流出部との間に配置することで、第1ガスの温度が高い部分で受け取った熱を低い部分へと伝熱している。従って、急激な温度分布により局所的な熱応力が発生しやすい流入部及び流出部近傍において、そのような局所的な熱応力の発生を抑制できる。その結果、支持体及び燃料電池セルの延在する方向における均熱化が図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性が抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。従って、燃料電池セル内外の第1ガス及び第2ガスの流れを安定的に保つことができ、この燃料電池セルを複数個組み込んで燃料電池モジュール或いは燃料電池を構成した場合にも実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
【0010】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記電解質部及び前記電解質部を挟んで形成される前記第1電極及び前記第2電極からなる第1反応部が前記支持体の外表面の一部に形成され、前記インターコネクタ部は、前記支持体の外表面であって前記第1反応部が形成されていない残部に形成され、前記支持体は導電性を有する材料によって形成されていることも好ましい。
【0011】
このように、導電性材料によって支持体を形成する構成を採用し、電解質部、第1電極及び第2電極を含む第1反応部をまとめて支持体の外表面の一部に形成した場合であっても、上述したように、支持体及び燃料電池セルの延在する方向における均熱化が図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性が抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。また、インターコネクタ部を支持体の外表面に配置する構成としているため、支持体内部のみならずその部分にも均熱部材を配置することが可能なように構成されている。
【0012】
本発明に係る燃料電池セルは、燃料ガス及び酸化剤ガスの一方を含む第1ガスと他方を含む第2ガスとによって作動する燃料電池セルであって、前記第1ガスに対応する第1電極材料によって形成される電極支持体と、前記第2ガスに対応する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される電解質部と、前記第1電極と電気的に接続されたインターコネクタ部と、を備え、前記電極支持体は、前記第2電極、前記電解質部、及び前記インターコネクタ部を支持し、前記電極支持体の内部には前記第1ガスが流れる流路が形成されており、前記流路は、前記第1ガスが流入する流入部を有する往路と、前記往路に流入した前記第1ガスが折り返して流出する流出部を有する復路とを含み、前記電極支持体を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって形成されている均熱部材を備え、前記流入部と前記流出部とが前記均熱部材を挟んで隣接するように配置されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の燃料電池セルのように、電極支持体の内部に第1ガスが流れる流路が形成され、その流路は、第1ガスが支持体内へと流入するための往路と、その往路によって電極支持体内へと流入した第1ガスが折り返して電極支持体外へと流出するための復路とを備えている場合、折り返す部分や往路への流入口部分や復路からの流出口部分の近傍において、第1ガスや第2ガスの温度が低下する。このような燃料電池セルが延在する方向における温度の不均一は、温度が低い部分における発電性能の低下をも引き起こしてしまう。そこで本発明では、電極支持体を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって均熱部材を形成し、流入部と流出部との間に配置することで、第1ガスの温度が高い部分で受け取った熱を低い部分へと伝熱している。従って、急激な温度分布により局所的な熱応力が発生しやすい流入部及び流出部近傍において、そのような局所的な熱応力の発生を抑制できる。その結果、電極支持体及び燃料電池セルの延在する方向における均熱化が図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性が抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。従って、燃料電池セル内外の第1ガス及び第2ガスの流れを安定的に保つことができ、この燃料電池セルを複数個組み込んで燃料電池モジュール或いは燃料電池を構成した場合にも実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
【0014】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記電解質部は前記電極支持体の外表面の一部に形成され、当該形成された電解質部に重ねて前記第2電極部が形成されることで第2反応部を形成しており、前記インターコネクタ部は、前記電極支持体の外表面であって前記電解質部が形成されていない残部に形成されることも好ましい。
【0015】
このような構成を採用した場合であっても、上述したように、電極支持体及び燃料電池セルの延在する方向における均熱化が図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性が抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。また、インターコネクタ部を電極支持体の外表面に配置する構成としているため、電極支持体内部のみならずその部分にも均熱部材を配置することが可能なように構成されている。
【0016】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記往路は、前記支持体の内表面と、前記支持体の内部に配された仕切部の第一面とによって形成され、前記復路は、前記支持体の内表面と、前記支持体の内部に配された前記仕切部の前記第一面とは異なる第二面とによって形成され、前記仕切部の、前記流入部及び前記流出部に対応する一部が、前記均熱部材として構成されていることも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、往路の流入部及び復路の流出部を構成する仕切部の少なくとも一部を均熱部材として構成しているので、均熱部材に直接第1ガスを接触させることができる。従って、第1ガスの温度が高い領域で受け取った熱を第1ガスの温度が低い領域まで伝熱する際の効率をより高めることができる。また、往路及び復路の一方において第1ガスの温度が低く、他方において温度が高い場合に、均熱部材を介して熱の授受を行うことができる。その結果、支持体及び燃料電池セルの延在する方向及びその方向に交わる方向における均熱化がより一層図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性がより効果的に抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。
【0018】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記往路は、前記電極支持体の内表面と、前記電極支持体の内部に配された仕切部の第一面とによって形成され、前記復路は、前記電極支持体の内表面と、前記電極支持体の内部に配された前記仕切部の前記第一面とは異なる第二面とによって形成され、前記仕切部の、前記流入部及び前記流出部に対応する一部が、前記均熱部材として構成されていることも好ましい。
【0019】
この好ましい態様では、往路の流入部及び復路の流出部を構成する仕切部の少なくとも一部を均熱部材として構成しているので、均熱部材に直接第1ガスを接触させることができる。従って、第1ガスの温度が高い領域で受け取った熱を第1ガスの温度が低い領域まで伝熱する際の効率をより高めることができる。また、往路及び復路の一方において第1ガスの温度が低く、他方において温度が高い場合に、均熱部材を介して熱の授受を行うことができる。その結果、電極支持体及び燃料電池セルの延在する方向及びその方向に交わる方向における均熱化がより一層図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性がより効果的に抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。
【0020】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記第1反応部は前記往路に対応した位置に形成され、前記インターコネクタ部は前記復路に対応した位置に形成されていることも好ましい。
【0021】
この好ましい態様では、第1反応部が往路に対応した位置に形成されているので、往路に流入した第1ガスは、第1反応部の熱を吸熱し未反応部側へと熱を放熱しながら折り返す部分へと進む。折り返して復路に入った第1ガスは、第1反応部側から熱を吸熱し支持体へと熱を放熱しながら進む。従って、支持体及び燃料電池セルの延在する方向及びその方向に交わる方向における均熱化がより一層図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性がより効果的に抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。更に、支持体内に第1ガスが流入する部分に近い往路に対応した位置に第1反応部が形成されているので、例えば負荷変動等で何らかの条件変化が生じても、支持体内へと流入する第1ガスと均熱部材との熱の授受が早く効果的に伝熱できるので、第1反応部の温度変化に応答良く対応することができる。
【0022】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記第2反応部は前記往路に対応した位置に形成され、前記インターコネクタ部は前記復路に対応した位置に形成されていることも好ましい。
【0023】
この好ましい態様では、第2反応部が往路に対応した位置に形成されているので、往路に流入した第1ガスは、第2反応部の熱を吸熱し未反応部側へと熱を放熱しながら折り返す部分へと進む。折り返して復路に入った第1ガスは、第2反応部側から熱を吸熱し電極支持体へと熱を放熱しながら進む。従って、電極支持体及び燃料電池セルの延在する方向及びその方向に交わる方向における均熱化がより一層図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性がより効果的に抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。更に、電極支持体内に第1ガスが流入する部分に近い往路に対応した位置に第2反応部が形成されているので、例えば負荷変動等で何らかの条件変化が生じても、電極支持体内へと流入する第1ガスと均熱部材との熱の授受が早く効果的に伝熱できるので、第2反応部の温度変化に応答良く対応することができる。
【0024】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記インターコネクタ部は前記往路に対応した位置に形成され、前記第1反応部は前記復路に対応した位置に形成されていることも好ましい。
【0025】
この好ましい態様では、往路に流入した第1ガスは、往路の熱を吸熱しながら折り返す部分へと進む。第1反応部が復路に対応した位置に形成されているので、折り返して復路に入った第1ガスは、十分に昇温された状態で発電反応に寄与することができる。従って、支持体及び燃料電池セルの延在する方向及びその方向に交わる方向における均熱化がより一層図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性がより効果的に抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。更に、支持体内に供給される第1ガスの温度が低い場合であっても、インターコネクタ部に対応する往路において熱が与えられるので、復路に対応する第1反応部においては十分な温度の第1ガスを供給することができる。このため、この燃料電池セルを用いて燃料電池を構成した場合には、第1ガスの予熱器容量を小さなものとすることができる。
【0026】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記インターコネクタ部は前記往路に対応した位置に形成され、前記第2反応部は前記復路に対応した位置に形成されていることも好ましい。
【0027】
この好ましい態様では、往路に流入した第1ガスは、往路の熱を吸熱しながら折り返す部分へと進む。第2反応部が復路に対応した位置に形成されているので、折り返して復路に入った第1ガスは、十分に昇温された状態で発電反応に寄与することができる。従って、電極支持体及び燃料電池セルの延在する方向及びその方向に交わる方向における均熱化がより一層図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性がより効果的に抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。更に、電極支持体内に供給される第1ガスの温度が低い場合であっても、インターコネクタ部に対応する往路において熱が与えられるので、復路に対応する第2反応部においては十分な温度の第1ガスを供給することができる。このため、この燃料電池セルを用いて燃料電池を構成した場合には、第1ガスの予熱器容量を小さなものとすることができる。
【0028】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記流入部及び前記流出部の少なくとも一方には、前記第1ガスの流速を低下させる滞留部が形成されていることも好ましい。この好ましい態様では、滞留部において第1ガスの流速が低下するので、その部分において第1ガスから均熱部材へと熱を効果的に伝熱させることができる。滞留部は、温度差の大きい流入部及び流出部の少なくとも一方に設けられており、局所的な熱応力の発生を効果的に抑制することができる。
【0029】
また、本発明に係る燃料電池セルでは、前記滞留部は、前記流入部には第1滞留部が、前記流出部には第2滞留部がそれぞれ形成されていることも好ましい。
【0030】
この好ましい態様では、流入部には第1滞留部が、流出部には第2滞留部が、それぞれ形成されているので、第1滞留部と第2滞留部とが均熱部材を挟んで配置される。従って、第1滞留部及び第2滞留部において流速が低下する第1ガスが相互に熱交換をすることができ、局所的な熱応力の発生を抑制できる。結果として、支持体及び燃料電池セルの延在する方向及びその方向に交わる方向における均熱化がより一層図られ、燃料電池セルの温度に依存する材料抵抗の不均一性がより効果的に抑制され、燃料電池セルの発電性能をその延在方向において均一化することができる。
【0031】
また、本発明に係る燃料電池セルを備える燃料電池では、上述したような作用効果を奏する燃料電池を提供することができる。
【0032】
続いて、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0033】
図1〜図8を参照しながら、本発明の第一実施形態に係る燃料電池セルFC1について説明する。図1は、燃料電池セルFC1の外形を説明するための斜視図である。図2は、図1のA―A線を含むxz平面における燃料電池セルFC1の断面図である。図3は、図1のB―B線を含むxz平面における燃料電池セルFC1の断面図である。図4は、図1のC―C線を含むyz平面における燃料電池セルFC1の断面図である。図5は、図1のD―D線を含むyz平面における燃料電池セルFC1の断面図である。図6は、図1のE―E線を含むxy平面における燃料電池セルFC1の断面図である。図7は、図1のF―F線を含むxy平面における燃料電池セルFC1の断面図である。図8は、図1のG―G線を含むxy平面における燃料電池セルFC1の断面図である。
【0034】
図1において、燃料電池セルFC1の軸方向(燃料電池セルFC1が延在する方向)をy方向とし、y方向に直交する燃料電池セルFC1の幅方向(後述する流路70が連設される方向)をx方向とし、y方向及びx方向の双方に直交する方向であって燃料電池セルFC1の厚み方向をz方向としている。
【0035】
図1に示すように、燃料電池セルFC1は、直方体状を成すように形成されている。燃料電池セルFC1は、xy平面を含む面であって図1においては天面として描かれている第一面101と、第一面101に対する裏面である第二面102と、第一面101と第二面102とを繋ぐ側面であってyz平面を含む面である第三面103及び第四面104と、第一面101と第二面102とを繋ぐ端面であってxz平面を含む面である第五面105及び第六面106と、によって直方体状を成すように形成されている。第五面105は、流路70が開口されている端面である開口端として形成され、第六面106は、流路70が封止されている端面である封止端として形成されている。
【0036】
燃料電池セルFC1は、空気極支持体20(本発明における支持体、第1電極に相当する)と、熱交換部材30(本発明における均熱部材に相当する)と、電解質部40と、燃料極50(本発明における第2電極に相当する)と、インターコネクタ部60と、流路70とを備えている。
【0037】
空気極支持体20は、熱交換部材30、電解質部40、燃料極50、及びインターコネクタ部60を支持するための支持体であって、その内部には流路70が形成されている。空気極支持体20は、ペロブスカイト型酸化物からなる空気極材料によって形成されている。そのような空気極材料としては、例えばLaCoO、LaMnO、LaFeO等であって、SrやCa等をLaサイトにドープしたもの、あるいはドープしないもの、又はそれらの複合材等が用いられる。
【0038】
空気極支持体20には、燃料電池セルFC1の軸方向(燃料電池セルFC1が延在する方向)であるy方向に沿って流路70が形成されている。本実施形態の場合、流路70はy方向と直交するx方向に4つ連なって形成されている。各流路70は、第1ガスである空気(酸化剤ガス)が流入する往路71と、流入した空気が流出するための復路72とを含んでいる。往路71及び復路72は、開口端としての第五面105から、封止端としての第六面106に向けて空気極支持体20の内部を刳り貫くように形成されている。
【0039】
このように、往路71及び復路72を含む流路70は、空気極支持体20内に軸方向であるy方向に沿った空洞を形成することで形成されている。流路70の開口端近傍には熱交換部材30が配置されている。空気極支持体20内にy方向に沿った空洞を形成するにあたっては、一体的にプレス成型等で形成してもよく、空気極支持体20を二分割してそれぞれに半円形状の空洞用溝を形成してもよい。
【0040】
熱交換部材30は、上述したように、開口端としての第五面105から、封止端としての第六面106に向けて、開口端近傍の一部分に形成されている(図2及び図8参照)。従って、図3に示すように、燃料電池セルFC1の中ほどにおいては、熱交換部材30は配置されておらず、空気極支持体20のみによって流路70(往路71、復路72)が形成されている。図4に示すように、熱交換部材30は、往路71の流入部71aと復路72の流出部72aとに挟まれるように、その部分においてのみ形成されている。
【0041】
また、封止端である第六面106近傍において、往路71と復路72とが繋がっていて、所定の空間としての接続部73を形成している。更に、図5に示すように、隣接する往路71は、流入部71aにおいて繋がっていて、滞留部74(第1滞留部)を形成している。
【0042】
図6及び図7に示すように、本実施形態の場合、4つの各流路70に設けられている接続部73は互いに連通するように形成されている。従って、各流路70ごとにみた場合には、接続部73においてガス流方向に直交する断面積が広がっており、この部分において酸化剤ガスとしての空気の流速は低下するように形成されている。従って、接続部73は本発明の滞留部として機能している。
【0043】
熱交換部材30は、銀、金、タングステン、ロジウム、イリジウムを少なくとも1種以上含む合金からなり、熱膨張係数が空気極支持体20と略同一である金属板として形成されている。ここでいう略同一とは、空気極支持体20の熱膨張係数が約10.5×10-6(cm/cm・K-1)に対して、熱交換部材30の熱膨張係数が約8.5〜12.5×10-6(cm/cm・K-1)である程度を指している。
【0044】
電解質部40は、空気極支持体20の第二面102、第三面103、第四面104、第六面106を覆うように層状に形成されている。空気極支持体20の第一面101においては、インターコネクタ部60が形成されていない部分を覆うように層状に形成されている。電解質部40は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
【0045】
燃料極50は、空気極支持体20の第二面102、第三面103、及び第四面104にかけて繋がるように層状に形成されている。燃料極50は、多孔質のニッケルとYSZのサーメットにより形成されている。
【0046】
インターコネクタ部60は、空気極支持体20の第一面101の一部を覆うように層状に形成されている。インターコネクタ部60は、LaCrOにSrやCa等をドープしたものにより形成されている。
【0047】
尚、この第一実施形態では、空気極支持体20として構成したが、燃料極支持体として構成しても構わない。その場合、燃料極50は空気極として構成される。空気極支持体20を燃料極支持体として構成する場合には、多孔質のニッケルとYSZのサーメットにより形成される。その場合、燃料極50を空気極として構成するため、例えばLaCoO、LaMnO、LaFeO等であって、SrやCa等をLaサイトにドープしたもの、あるいはドープしないもの、又はそれらの複合材等が用いられる。
【0048】
尚、この第一実施形態では、空気(空気極支持体20を燃料極支持体とする場合は燃料ガス)を、反応部(本発明の第2反応部に相当する)として形成されている燃料極50側から導入して、インターコネクタ部60側から導出しているが、これとは逆に構成することも好ましい。具体的には、空気(空気極支持体20を燃料極支持体とする場合は燃料ガス)を、インターコネクタ部60側から導入して、燃料極50側から導出する態様である。
【0049】
上述したように構成した燃料電池セルFC1を実際に燃料電池として運転した場合のシミュレーション結果を図9及び図10に示す。図9は、燃料電池セルFC1内に供給される空気の温度と、燃料電池セルFC1の外側を流れるように供給される燃料ガス(例えば、都市ガス等を改質したもの)の温度との関係を示した図である。図10は、その場合の燃料電池セルFC1の発電性能を示した図である。図9及び図10において、実線は熱交換部材30を設けた燃料電池セルFC1の場合を示し、破線は熱交換部材30を設けない場合を比較対象として示している。
【0050】
図9及び図10に示すように、熱交換部材30を設けない場合は、燃料電池セル内を流れる空気の温度は反応部においてやや上昇するものの、十分には昇温されずに進行する。燃料電池セル外を流れる燃料ガスについても同様の傾向を示している。一方、熱交換部材30を設けた場合には、開口端近傍における均熱化が図られており、結果として燃料電池セルFC1の軸方向における均熱化にも寄与し、発電性能も軸方向におけるばらつきが抑制され、全体として向上する。
【0051】
より具体的には、本実施形態の燃料電池セルFC1のように、空気極支持体20の内部に第1ガスとしての空気が流れる流路70が形成され、その流路70は、空気が空気極支持体20内へと流入するための往路71と、その往路71によって空気極支持体20内へと流入した空気が折り返して空気極支持体20外へと流出するための復路72とを備えている場合、折り返す部分や往路71への流入口部分や復路72からの流出口部分の近傍において、第1ガスとしての空気や第2ガスとしての燃料ガスの温度が低下する。このような燃料電池セルFC1が延在する方向における温度の不均一は、温度が低い部分における発電性能の低下をも引き起こしてしまう。そこで本実施形態では、空気極支持体20を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって均熱部材としての熱交換部材30を形成し、流路70の開口端近傍に配置することで、流入する第1ガスと流出する第1ガスとの間で熱交換を行っている。その結果、空気極支持体20及び燃料電池セルFC1の延在する方向における均熱化が図られ、燃料電池セルFC1の温度に依存する材料抵抗の不均一性が抑制され、燃料電池セルFC1の発電性能をその延在方向において均一化することができ、特に開口端近傍において均一化することができる。従って、燃料電池セルFC1内外の空気及び燃料ガスの流れを安定的に保つことができ、この燃料電池セルFC1を複数個組み込んで燃料電池モジュール或いは燃料電池を構成した場合にも実用的で安全かつ高効率な発電性能を得ることができる。
【0052】
更に、本実施形態では、流路70が空気極支持体20の内部に複数(4つ)連設されているので、連接されているそれぞれの流路70の間においては、空気極支持体20が熱交換部材30を介して連続した状態となっている部分と、空気極支持体20が直接連続した状態となっている部分とがある。従って、燃料極50とインターコネクタ部60との間を流れる電流のパスが最短経路となるように構成することができるので、流路を単一に形成した場合に比較して内部抵抗が小さく、発電性能がより向上する。
【0053】
また、流路を拡大して流速を低下させる態様の滞留部を、例えば流路70の途中における反応部(本発明の第2反応部に相当する)近傍に設けると、その滞留部を設けた部分においては、空気極支持体20から熱交換部材30を介して繋がる電気のパスが無くなり、局所的に電気抵抗が増大する。その結果、反応部(本発明の第2反応部に相当する)に局所的な反応活性が高まることを抑制できる。
【0054】
続いて、図11〜図17を参照しながら、本発明の第二実施形態に係る燃料電池セルFC2について説明する。図11は、燃料電池セルFC2の外形を説明するための斜視図である。図12は、図11のA2―A2線を含むxz平面における燃料電池セルFC2の断面図である。図13は、図11のB2―B2線を含むxz平面における燃料電池セルFC2の断面図である。図14は、図11のC2―C2線を含むyz平面における燃料電池セルFC2の断面図である。図15は、図11のD2―D2線を含むyz平面における燃料電池セルFC2の断面図である。図16は、図11のE2―E2線を含むxy平面における燃料電池セルFC2の断面図である。図17は、図11のF2―F2線を含むxy平面における燃料電池セルFC2の断面図である。
【0055】
図11において、燃料電池セルFC2の軸方向(燃料電池セルFC2が延在する方向)をy方向とし、y方向に直交する燃料電池セルFC2の幅方向(後述する流路702が連設される方向)をx方向とし、y方向及びx方向の双方に直交する方向であって燃料電池セルFC2の厚み方向をz方向としている。
【0056】
図11に示すように、燃料電池セルFC2は、直方体状を成すように形成されている。燃料電池セルFC2は、xy平面を含む面であって図11においては天面として描かれている第一面121と、第一面121に対する裏面である第二面122と、第一面121と第二面122とを繋ぐ側面であってyz平面を含む面である第三面123及び第四面124と、第一面121と第二面122とを繋ぐ端面であってxz平面を含む面である第五面125及び第六面126と、によって直方体状を成すように形成されている。第五面125は、流路702が開口されている端面である開口端として形成され、第六面126は、流路702が封止されている端面である封止端として形成されている。
【0057】
燃料電池セルFC2は、支持体202(本発明における支持体に相当する)と、熱交換部材302(本発明における均熱部材に相当する)と、空気極902(本発明における第1電極に相当する)と、電解質部402と、燃料極502(本発明における第2電極に相当する)と、インターコネクタ部602と、流路702とを備えている。
【0058】
支持体202は、熱交換部材302、空気極902、電解質部402、燃料極502、及びインターコネクタ部602を支持するための支持体であって、その内部には流路702が形成されている。支持体202は、導電性の材料によって形成されており、例えばインタコネクタを形成する場合に用いられるLaCrOにSrやCa等をドープしたものにより形成されている。
【0059】
支持体202には、燃料電池セルFC2の軸方向(燃料電池セルFC2が延在する方向)であるy方向に沿って流路702が形成されている。本実施形態の場合、流路702はy方向と直交するx方向に4つ連なって形成されている。各流路702は、第1ガスである空気(酸化剤ガス)が流入する往路712と、流入した空気が流出するための復路722とを含んでいる。往路712及び復路722は、開口端としての第五面125から、封止端としての第六面126に向けて支持体202の内部を刳り貫くように形成されている。
【0060】
このように、往路712及び復路722を含む流路702は、支持体202内に軸方向であるy方向に沿った空洞を形成することで形成されている。流路702の開口端近傍には、熱交換部材302が配置されている。支持体202内にy方向に沿った空洞を形成するにあたっては、一体的にプレス成型等で形成してもよく、支持体202を二分割してそれぞれに半円形状の空洞用溝を形成してもよい。
【0061】
熱交換部材302は、上述したように、開口端としての第五面125から、封止端としての第六面126に向けて、開口端近傍の一部分に形成されている(図12〜図17参照)。従って、図13に示すように、燃料電池セルFC2の中ほどにおいては、熱交換部材302は配置されておらず、空気極支持体202のみによって流路702(往路712、復路722)が形成されている。図14に示すように、熱交換部材302は、往路712の流入部712aと復路722の流出部722aとに挟まれるように、その部分においてのみ形成されている。
【0062】
また、封止端である第六面106近傍において、往路712と復路722とが繋がっていて、所定の空間としての接続部732を形成している。更に、図5に示すように、隣接する往路712は、流入部712aにおいて繋がっていて、滞留部742(第1滞留部)を形成している。また、隣接する復路722は、流出部722aにおいて繋がっていて、滞留部752(第2滞留部)を形成している。滞留部742と滞留部752とは、熱交換部材302を介して隣接するように形成されており、この部分において流入するガスと流出するガスとの間で効果的に熱交換可能なように構成されている。
【0063】
図16及び図17に示すように、本実施形態の場合、4つの各流路702に設けられている接続部732は互いに連通するように形成されている。従って、各流路702ごとにみた場合には、接続部732においてガス流方向に直交する断面積が広がっており、この部分において酸化剤ガスとしての空気の流速は低下するように形成されている。従って、接続部732は本発明の滞留部として機能している。
【0064】
熱交換部材302は、銀、金、タングステン、ロジウム、イリジウムを少なくとも1種以上含む合金からなり、熱膨張係数が支持体202と略同一である金属板として形成されている。ここでいう略同一とは、支持体202の熱膨張係数が約10.5×10-6(cm/cm・K-1)に対して、熱交換部材302の熱膨張係数が約8.5〜12.5×10-6(cm/cm・K-1)である程度を指している。
【0065】
空気極902は、支持体202の第二面122、第三面123、及び第四面124にかけて繋がるように層状に形成されている。空気極902は、ペロブスカイト型酸化物からなる空気極材料によって形成されている。そのような空気極材料としては、例えばLaCoO、LaMnO、LaFeO等であって、SrやCa等をLaサイトにドープしたもの、あるいはドープしないもの、又はそれらの複合材等が用いられる。
【0066】
電解質部402は、支持体202の第二面122、第三面123、第四面124、第六面126を覆うように層状に形成されている。支持体202の第一面121においては、インターコネクタ部602が形成されていない部分を覆うように層状に形成されている。電解質部402は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
【0067】
燃料極502は、支持体202の第二面122、第三面123、及び第四面124にかけて繋がるように層状に形成されている。燃料極502は、多孔質のニッケルとYSZのサーメットにより形成されている。
【0068】
インターコネクタ部602は、支持体202の第一面121の一部を覆うように層状に形成されている。インターコネクタ部602は、LaCrOにSrやCa等をドープしたものにより形成されている。
【0069】
尚、この第二実施形態では、空気(又は燃料ガス)を、インターコネクタ部602側から導入して、反応部(本発明の第1反応部に相当する)として形成されている空気極902及び燃料極502側から導出しているが、これとは逆に構成することも好ましい。具体的には、空気(又は燃料ガス)を、反応部(本発明の第2反応部に相当する)として形成されている空気極902及び燃料極502側から導入して、インターコネクタ部602側から導出する態様である。
【0070】
尚、本発明における滞留部の形成態様としては、上述したものに限られない。滞留部の形成態様の変形例を図18及び図19に示す。図18に示す滞留部の形成態様は、流路703の途中に、通過するガスが蛇行するような滞留部773が設けられるように、支持体203を形成したものである。より具体的には、流路703の両側面から所定距離をおいた一対の突出部703aを設け、この一対の突出部703aの間に十字状の島部703bを設けている。このように通過するガスが蛇行するような流路を形成すると、ガスの通過する道程が実質的に長くなり、流路703が伸びるy方向においては流速が低下するものである。
【0071】
図19に示す滞留部の形成態様は、流路704の途中に、通過するガスの流れが乱れるような滞留部774が設けられるように、支持体204を形成したものである。より具体的には、流路774の途中に円柱状の突出部704aを多数個(図示している例の場合は18個)設けている。このように通過するガスの流れが乱れるような流路を形成すると、ガスの流速が低下する。
【0072】
このような滞留部773,774は、燃料電池セルFC1,FC2の活性の高い反応部に形成することが好ましい。そのような部分に滞留部773,774を形成すると、ガスの流速低下やガスとの実質的な接触面積の拡大により熱交換量を増大することができる。その結果、反応部の熱を熱交換部材30,302へ効果的に放熱して局所的な反応活性が高まることを抑制できる。
【0073】
上述した燃料電池セルFC1及びFC2を用いて、モジュール容器内に収め、断熱材や集電部材を配置し、更にガスを供給するためのヘッダやガスタンクを設けて燃料電池モジュールを構成することができることは、詳細に説明するまでもなく当然のことである。また、そのような燃料電池モジュールを用いて、制御装置や空気供給装置やガス供給装置、並びに電力取り出し装置等を装着し、燃料電池システムを構成することができることも、詳細に説明するまでもなく当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第一実施形態に係る燃料電池セルを示す斜視図である。
【図2】第一実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図3】第一実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図4】第一実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図5】第一実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図6】第一実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図7】第一実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図8】第一実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図9】第一実施形態に係る燃料電池セルを用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。
【図10】第一実施形態に係る燃料電池セルを用いた場合のシミュレーション結果を示す図である。
【図11】第二実施形態に係る燃料電池セルを示す斜視図である。
【図12】第二実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図13】第二実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図14】第二実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図15】第二実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図16】第二実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図17】第二実施形態に係る燃料電池セルを示す断面図である。
【図18】滞留部の例を示す断面図である。
【図19】滞留部の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0075】
20…空気極支持体
30…熱交換部材
40…電解質部
50…燃料極
60…インターコネクタ部
70…流路
71…往路
72…復路
73…接続部
202…支持体
203…支持体
204…支持体
302…熱交換部材
402…電解質部
502…燃料極
602…インターコネクタ部
702…流路
703…流路
703a…突出部
703b…島部
704…流路
704a…突出部
712…往路
722…復路
732…接続部
742…滞留部
752…滞留部
762…滞留部
773,774…滞留部
774…流路
902…空気極
FC1,FC2…燃料電池セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガス及び酸化剤ガスの一方を含む第1ガスと他方を含む第2ガスとによって作動する燃料電池セルであって、
前記第1ガスに対応する第1電極と、前記第2ガスに対応する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される電解質部と、前記第1電極と電気的に接続されたインターコネクタ部と、前記第1電極、前記第2電極、前記電解質部、及び前記インターコネクタ部を支持するための支持体と、を備え、
前記支持体の内部には前記第1ガスが流れる流路が形成されており、前記流路は、前記第1ガスが流入する流入部を有する往路と、前記往路に流入した前記第1ガスが折り返して流出する流出部を有する復路とを含み、
前記支持体を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって形成されている均熱部材を備え、
前記流入部と前記流出部とが前記均熱部材を挟んで隣接するように配置されていることを特徴とする燃料電池セル。
【請求項2】
前記電解質部及び前記電解質部を挟んで形成される前記第1電極及び前記第2電極からなる第1反応部が前記支持体の外表面の一部に形成され、
前記インターコネクタ部は、前記支持体の外表面であって前記第1反応部が形成されていない残部に形成され、
前記支持体は導電性を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
【請求項3】
燃料ガス及び酸化剤ガスの一方を含む第1ガスと他方を含む第2ガスとによって作動する燃料電池セルであって、
前記第1ガスに対応する第1電極材料によって形成される電極支持体と、前記第2ガスに対応する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される電解質部と、前記第1電極と電気的に接続されたインターコネクタ部と、を備え、
前記電極支持体は、前記第2電極、前記電解質部、及び前記インターコネクタ部を支持し、
前記電極支持体の内部には前記第1ガスが流れる流路が形成されており、前記流路は、前記第1ガスが流入する流入部を有する往路と、前記往路に流入した前記第1ガスが折り返して流出する流出部を有する復路とを含み、
前記電極支持体を構成する材料よりも熱伝導性の高い材料によって形成されている均熱部材を備え、
前記流入部と前記流出部とが前記均熱部材を挟んで隣接するように配置されていることを特徴とする燃料電池セル。
【請求項4】
前記電解質部は前記電極支持体の外表面の一部に形成され、当該形成された電解質部に重ねて前記第2電極部が形成されることで第2反応部を形成しており、
前記インターコネクタ部は、前記電極支持体の外表面であって前記電解質部が形成されていない残部に形成されることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池セル。
【請求項5】
前記往路は、前記支持体の内表面と、前記支持体の内部に配された仕切部の第一面とによって形成され、
前記復路は、前記支持体の内表面と、前記支持体の内部に配された前記仕切部の前記第一面とは異なる第二面とによって形成され、
前記仕切部の、前記流入部及び前記流出部に対応する一部が、前記均熱部材として構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池セル。
【請求項6】
前記往路は、前記電極支持体の内表面と、前記電極支持体の内部に配された仕切部の第一面とによって形成され、
前記復路は、前記電極支持体の内表面と、前記電極支持体の内部に配された前記仕切部の前記第一面とは異なる第二面とによって形成され、
前記仕切部の、前記流入部及び前記流出部に対応する一部が、前記均熱部材として構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料電池セル。
【請求項7】
前記第1反応部は前記往路に対応した位置に形成され、
前記インターコネクタ部は前記復路に対応した位置に形成されていることを特徴とする請求項1,2,5のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
【請求項8】
前記第2反応部は前記往路に対応した位置に形成され、
前記インターコネクタ部は前記復路に対応した位置に形成されていることを特徴とする請求項3,4,6のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
【請求項9】
前記インターコネクタ部は前記往路に対応した位置に形成され、
前記第1反応部は前記復路に対応した位置に形成されていることを特徴とする請求項1,2,5のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
【請求項10】
前記インターコネクタ部は前記往路に対応した位置に形成され、
前記第2反応部は前記復路に対応した位置に形成されていることを特徴とする請求項3,4,6のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
【請求項11】
前記流入部及び前記流出部の少なくとも一方には、前記第1ガスの流速を低下させる滞留部が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池セル。
【請求項12】
前記滞留部は、前記流入部には第1滞留部が、前記流出部には第2滞留部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池セル。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料電池セルを複数備え、当該複数の燃料電池セルが互いに電気的に接続されていることを特徴とする燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−283240(P2009−283240A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133103(P2008−133103)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】