説明

燃料電池用の電解質膜の製造方法

【課題】燃料電池に用いられる電解質膜の欠損部の発生を抑制する技術を提供する。
【解決手段】電解質ポリマー膜1fを準備し、電解質ポリマー膜1fの外表面に、電解質ポリマー溶液を塗布して乾燥させることにより、電解質ポリマー1sを補充する。そして、電解質ポリマー膜1fと、補充された電解質ポリマー1sとを加熱溶融して一体化させる。その後、電解質ポリマー膜1fに対して加水分解処理を施すことにより、イオン伝導性を付与して、電解質膜10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、電解質膜の両面に電極が配置された発電体である膜電極接合体を備える。特に、固体高分子型燃料電池では、電解質膜として、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子の薄膜が用いられる(下記特許文献1等)。ところで、電解質膜は、プロトン伝導性を向上させるために薄型化されることが望ましい。しかし、電解質膜が薄型化されると、電解質膜や燃料電池の製造工程において、電解質膜の外表面に亀裂や微小穴などの欠損部が生じてしまう可能性が高くなる。
【0003】
そうした欠損部を有した電解質膜を用いて燃料電池が構成された場合には、その欠損部を介した反応ガスの漏洩(いわゆるクロスリーク)が発生してしまう可能性がある。また、燃料電池の運転の際には、電解質膜が膨潤と収縮とを繰り返すため、電解質膜の欠損部が拡大してしまい、燃料電池の劣化が促進される可能性がある。これまで、電解質膜や燃料電池の製造工程において、電解質膜の欠損部の発生を抑制し、燃料電池の劣化を抑制することについて十分な工夫がなされてこなかったのが実情であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−327500号公報
【特許文献2】特開平6−192447号公報
【特許文献3】特開2009−146808号公報
【特許文献4】特開昭61−019638号公報
【特許文献5】特開2004−355959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、燃料電池に用いられる電解質膜の欠損部の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
燃料電池に用いられる電解質膜の製造方法であって、
(a)電解質ポリマー膜を準備する工程と、
(b)前記電解質ポリマー膜の外表面に、電解質ポリマー溶液を塗布して乾燥させることにより、電解質ポリマーを補充する工程と、
(c)前記電解質ポリマー膜と、前記工程(b)において補充された電解質ポリマーとを加熱溶融して一体化する工程と、
(d)前記電解質ポリマー膜に対して加水分解処理を施すことにより、イオン伝導性を付与する工程と、を備える、電解質膜の製造方法。
この製造方法によれば、電解質ポリマー膜の外表面に存在する孔部などの欠損部に電解質ポリマーが補充された上で、加熱溶融処理によって、その電解質ポリマー膜と補充された電解質ポリマーとを溶融一体化させることができる。このように、欠損部が補修された電解質ポリマー膜を用いて電解質膜が製造されるため、電解質膜の欠損部の発生が抑制される。
【0008】
[適用例2]
適用例1記載の製造方法であって、前記電解質膜は、電解質ポリマーを含む第1電解質層と、電解質ポリマーおよび補強部材を含む第2電解質層とを有する多層構造の電解質膜を含み、前記工程(c)は、前記電解質ポリマー膜を、補強部材としての多孔質膜に重ねて配置した後に、前記電解質ポリマー膜を加熱溶融して、前記電解質ポリマー膜の電解質ポリマーを前記多孔質膜の細孔に含浸させることにより、前記電解質ポリマー膜と前記多孔質膜とを一体化させる工程を含む、電解質膜の製造方法。
この製造方法によれば、補強部材を包含して強度が向上された多層構造の電解質膜を得ることができるとともに、その電解質膜において、欠損部の発生を抑制することができる。
【0009】
[適用例3]
適用例1記載の製造方法であって、前記工程(b)は、前記電解質ポリマー膜の外表面に存在する欠損部を検出し、前記欠損部に前記電解質ポリマー溶液を塗布して乾燥させることにより、前記欠損部に電解質ポリマーを補充する工程を含む、製造方法。
この製造方法によれば、補修されるべき部位にのみ電解質ポリマーが補充されるため、電解質膜の製造効率が向上する。また、補修工程において、電解質ポリマーが過剰に補充されることが抑制されるため、電解質ポリマーの補充によって製造される電解質膜の膜厚が増大してしまうことを抑制できる。
【0010】
[適用例4]
適用例1〜3のいずれか一つに記載の製造方法であって、前記工程(b)において、前記ポリマー溶液は、フッ素系溶媒に前記電解質ポリマーが溶解された溶液を含む、製造方法。
この製造方法によれば、電解質ポリマー膜に電解質ポリマーを補充する際に、電解質ポリマー溶液の溶媒が、電解質ポリマー膜を溶融するため、電解質ポリマー膜と補充された電解質ポリマーとの間の接合性が向上する。
【0011】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、燃料電池用の電解質膜の製造方法および製造装置、その製造方法や製造装置で製造された電解質膜として実現することができる。また、その電解質膜を備えた膜電極接合体や、その膜電極接合体を備えた燃料電池、その燃料電池を備えた燃料電池システム、その燃料電池システムを搭載した車両等の形態で実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】燃料電池の構成を示す概略図。
【図2】電解質膜の製造工程を説明するための説明図。
【図3】電解質膜の製造工程を説明するための説明図。
【図4】電解質ポリマー膜の成膜装置の一例を示す概略図。
【図5】電解質ポリマー膜の成膜装置の一例を示す概略図。
【図6】第2実施例としての電解質膜の製造工程を説明するための説明図。
【図7】第2実施例としての電解質膜の製造工程を説明するための説明図。
【図8】電解質膜の耐久性を検証するための試験結果を示す説明図。
【図9】第3実施例としての電解質膜の製造工程を説明するための説明図。
【図10】燃料電池の構成を示す概略図。
【図11】電解質膜の製造工程を説明するための説明図。
【図12】電解質膜の製造工程を説明するための説明図。
【図13】参考例としての電解質膜の製造工程を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.第1実施例:
図1は、燃料電池100の構成を示す概略図である。この燃料電池100は、反応ガスとして水素と酸素の供給を受けて発電する固体高分子型燃料電池である。燃料電池100には、以下に説明する本発明の一実施例である製造工程によって製造された電解質膜10が用いられている。
【0014】
燃料電池100は、複数の単セル110が積層されたスタック構造を有する。単セル110は、膜電極接合体120と、膜電極接合体120を狭持する2枚のセパレータ41,42とを備える。膜電極接合体120は、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す電解質膜10の両面にそれぞれ、第1と第2の電極20,30が配置された発電体である。
【0015】
本実施例の電解質膜10は、フッ素樹脂系のイオン交換膜であり、第1電解質層11と第2電解質層12とが積層された多層構造を有している。第1電解質層11は、電解質ポリマー1を主材料として構成された層であり、第2電解質層12は、補強部材としての多孔質樹脂膜3に電解質ポリマー1を含浸させることにより構成された層である。このように、電解質膜10は、補強部材である多孔質樹脂膜3を含む第2電解質層12を有しているため、その強度を確保しつつ薄型化することが可能である。電解質膜10の製造方法については後述する。
【0016】
第1の電極20は、燃料電池100の運転時には、水素の供給を受けて、アノードとして機能する。第1の電極20は、触媒層21と、ガス拡散層22とを有する。触媒層21は、燃料電池反応を促進するための触媒(例えば白金(Pt)など)が担持された層であり、電解質膜10の外表面に形成されている。
【0017】
触媒層21は、触媒インクを塗布・乾燥させることによって形成することができる。ここで、「触媒インク」とは、水溶性溶媒または有機溶媒に触媒担持カーボンと電解質膜10に含まれる電解質ポリマー1と同種の電解質ポリマーを分散させた混合溶液である。なお、触媒層21は、予めフィルム基材の表面に形成された触媒担持膜を電解質膜10の表面に転写することにより形成されるものとしても良い。
【0018】
ガス拡散層22は、電極20の全体に渡って水素を拡散させて行き渡らせるための層である。ガス拡散層22は、炭素繊維や黒鉛繊維など、導電性およびガス透過性・ガス拡散性を有する多孔質の繊維基材を、触媒層21の上に重ねて配置し、ホットプレスすることにより形成することができる。
【0019】
第2の電極30は、燃料電池100の運転時には、酸素の供給を受けて、カソードとして機能する。第2の電極30は、触媒層31とガス拡散層32とを有する。第2の電極30における触媒層31およびガス拡散層32の構成は、第1の電極20における触媒層21とガス拡散層22と同様であるため、その説明は省略する。
【0020】
第1と第2のセパレータ41,42は、導電性を有するガス不透過の板状部材(例えば金属板)によって構成することができる。第1と第2のセパレータ41,42のそれぞれは、第1と第2の電極20,30の外側に配置される。各セパレータ41,42の電極20,30側の面には、反応ガスのための流路溝45が発電領域全体に渡って形成されている。なお、この流路溝45は省略されるものとしても良い。また、各セパレータ20,30と各ガス拡散層22,32との間には、いわゆるエキスパンドメタルなどの導電性を有する流路部材が配置されるものとしても良い。
【0021】
ここで、燃料電池100では、各セパレータ41,42に、反応ガスや冷媒のためのマニホールドや、冷媒のための流路が形成されるが、その図示および説明は省略する。また、燃料電池100では、各単セル110の膜電極接合体120の外周に、流体の漏洩を防止するとともに、各セパレータ41,42の間の短絡を防止するための絶縁シール部が形成されるが、便宜上、その図示および説明は省略する。
【0022】
ところで、一般に、燃料電池では、電解質膜を薄型化してプロトン伝導性を向上させることが望ましい。しかし、電解質膜を薄型化すると、燃料電池の製造工程において、あるいは、燃料電池の運転時において、電解質膜に微小穴や亀裂(クラック)などの欠損部が生じる可能性が高くなる。その欠損部が電解質膜を貫通するものである場合には、燃料電池100の運転の際に、反応ガスが、燃料電池反応に用いられることなく供給された側とは反対の側の電極に漏洩する、いわゆるクロスリークや、電極同士の間での短絡が発生してしまう可能性がある。
【0023】
電解質膜の欠損部が膜を貫通していない場合であっても、燃料電池の運転の際には、電解質膜は、燃料電池内部の湿潤状態に応じて膨潤と収縮とを繰り返すため、欠損部が膜を貫通するまでに拡大してしまう可能性がある。そこで、本実施例では、以下に説明する製造工程により、電解質膜10を製造し、電解質膜10に欠損部が生じてしまうことを抑制する。
【0024】
図2,図3は、本実施例の電解質膜10の製造工程を説明するための説明図である。図2は、電解質膜10の製造工程を示すフローチャートであり、図3(A)〜(D)は、電解質膜10の製造工程の各工程を示す模式図である。ステップS10では、電解質ポリマー1の薄膜である電解質ポリマー膜1fを準備する(図3(A))。電解質ポリマー1としては、パーフロロスルホニルフロイドや、スチレン樹脂、ポリイミド、ポリアミドなどを用いることができる。電解質ポリマー膜1fは、例えば、以下に説明する成膜方法により形成することができる。
【0025】
図4は、電解質ポリマー膜1fを製造する成膜装置の一例を示す概略図である。この成膜装置200は、原料である電解質ポリマー1を加熱溶融してシート状に押し出し成形することにより、電解質ポリマー膜1fを製造する。成膜装置200は、加熱溶融部201と、成膜部203と、複数の搬送ローラー204と、膜巻取部205とを備える。
【0026】
加熱溶融部201は、スクリュー201sを回転可能に収容する略シリンダー形状の容体である。成膜装置200では、加熱溶融部201は、一方の上面側を上流とし、他方の上面側を下流として配置される。加熱溶融部201は、上流側に設けられた材料投入口202から電解質ポリマー1の供給を受ける。そして、スクリュー201sによって、その電解質ポリマー1を攪拌しつつ、例えば200〜270℃程度の温度で加熱溶融するとともに、下流側へと押し出す。
【0027】
加熱溶融部201の下流側には、配管を介して成膜部203が接続されている。加熱溶融部201において加熱溶融された電解質ポリマー1は、成膜部203のスリット状の出口から排出されることによりシート状の電解質ポリマー膜1fとして成形される。成膜部203から排出された電解質ポリマー膜1fは、複数の搬送ローラー204によって延伸されつつ搬送され、膜巻取部205において、ロール状に巻き取られる。
【0028】
図5は、電解質ポリマー膜1fを製造する成膜装置の他の一例を示す概略図である。この成膜装置210は、電解質ポリマー1を溶かした溶液を、フィルム基材上にキャストして乾燥させることにより、電解質ポリマー膜1fを製造する。成膜装置210は、フィルム基材211と、複数の搬送ローラー212と、ダイコータ213とを備える。
【0029】
フィルム基材211は、搬送ローラー212の回転駆動により、図中の矢印PDの方向へと搬送される。ダイコータ213は、搬送中のフィルム基材211の外表面上に電解質ポリマーの溶液をキャストする。キャストされた電解質ポリマー1の溶液がフィルム基材211の外表面上において乾燥されることにより、電解質ポリマー膜1fが成膜される。なお、電解質ポリマー膜1fは、これらの成膜装置200,210以外の装置や、他の製造方法によって準備されるものとしても良い。
【0030】
ここで、電解質ポリマー膜1fには、外表面上の凹部や孔部、亀裂などの欠損部1dや、膜内部の微小な空孔や亀裂などの欠損部1diが生じている場合がある(図3(A))。こうした欠損部1d,1diを有した電解質ポリマー膜1fを用いて電解質膜10を製造し、燃料電池100に組み付けた場合には、上述したように、燃料電池100が劣化してしまう可能性がある。そのため、本実施例では、後述する工程において、これらの欠損部1d,1diを除去・低減するための処理を行う。
【0031】
ステップS20(図2)では、支持基台300に、多孔質樹脂膜3を載置し、その上に電解質ポリマー膜1fを重ねて配置する(図3(B))。ここで、多孔質樹脂膜3は、3次元網目構造を有するフッ素系樹脂などの樹脂材料により構成することができる。樹脂材料としては、フッ素系樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。多孔質樹脂膜3の3次元網目構造は、樹脂材料を一方向に延伸した状態で結晶融点以上に加熱することにより形成することができる。なお、支持基台300には、電解質ポリマー膜1fおよび多孔質樹脂膜3を、支持基台300の面上に吸着させて固定するための負圧発生部が設けられているものとしても良い。
【0032】
ステップS30では、スプレー220によって、電解質ポリマー膜1fの外表面に電解質ポリマー溶液を塗布して乾燥させることにより、電解質ポリマーの補充層1SLを形成する(図3(C))。このように、電解質ポリマーの補充層1SLを形成することにより、電解質ポリマー膜1fの外表面に存在する欠損部1dに電解質ポリマーを補充することができるとともに、電解質ポリマー膜1fの外表面を平坦化することができる。
【0033】
なお、この工程において用いられる電解質ポリマー溶液は、電解質ポリマー膜1fを構成する電解質ポリマー1と同種の電解質ポリマーをフッ素系の溶媒に溶解させた溶液であることが好ましい。このように、フッ素系の溶媒を用いることにより、補充層1SLの形成の際に、当該溶媒が電解質ポリマー膜1fの外表面を溶融するため、補充層1SLの密着性が向上する。また、フッ素系の溶媒であれば、揮発性が高いため、電解質ポリマー溶液の乾燥時間を短縮することができ、補充層1SLをより短時間で形成することが可能である。
【0034】
ステップS40では、補充層1SLが形成された電解質ポリマー膜1fを、加熱部310によって加熱溶融させる加熱溶融処理を行う(図3(D))。この加熱溶融処理によって、溶融した電解質ポリマー1を多孔質樹脂膜3の細孔に含浸させ、電解質ポリマー膜1fと多孔質樹脂膜3とを一体化させる。この工程によって、電解質ポリマー1を含む第1電解質層11と、電解質ポリマー1および多孔質樹脂膜3を含む第2電解質層12とを有する多層構造の複合膜5が形成される。なお、この加熱溶融処理は、電解質ポリマー1の多孔質樹脂膜3への含浸を促進される程度に電解質ポリマー1を軟化させる温度(例えば200〜270℃)で行われることが好ましい。
【0035】
ここで、この加熱溶融処理では、補充層1SLと電解質ポリマー膜1fとを溶融一体化させることができる。従って、ステップS30において補充された電解質ポリマーが、経年劣化により剥離してしまうことを抑制できる。また、この加熱溶融工程では、電解質ポリマー膜1fを一旦溶融させるため、電解質ポリマー膜1fの内部に存在した欠損部1diを消失させることも可能である。さらに、この加熱溶融工程では、電解質ポリマー膜1fの多孔質樹脂膜側表面に残存した微小な欠損部1dを確実に消失させることも可能である。
【0036】
ステップS50では、電解質ポリマー膜1fと多孔質樹脂膜3とが互いに一体化された複合膜5に対して加水分解処理を施すことにより、イオン伝導性を付与する。これによって、図1で説明した多層構造を有する電解質膜10を得ることができる。
【0037】
このように、本実施例の電解質膜10の製造工程によれば、構成材料である電解質ポリマー膜1fにおける欠損部1d,1diが除去・低減されるため、電解質膜10に欠損部が生じることが抑制される。また、電解質膜10の内部に一体的に包含された補強部材としての多孔質樹脂膜3により、電解質膜10の強度が向上するため、その変形劣化が抑制される。従って、電解質膜10の耐久性を向上させることができ、燃料電池100の劣化を抑制することができる。
【0038】
B.第2実施例:
図6,図7は本発明の第2実施例としての電解質膜10の製造工程を説明するための説明図である。図6は、電解質膜10の製造工程を示すフローチャートであり、ステップS25が追加されている点と、ステップS30に換えてステップS30Aが設けられている点と、各ブロック内に示された図面番号が異なる点以外は、図2とほぼ同じである。図7(A)〜(E)は、図6に示された各工程を説明するための模式図を工程順に示した概略図である。なお、図7(A),(B),(E)はそれぞれ、図3(A),(B),(D)とほぼ同じである。
【0039】
ステップS10,S20では、第1実施例と同様に、電解質ポリマー膜1fを準備し、多孔質樹脂膜3の上に重ねて配置する。ステップS25では、電解質ポリマー膜1fの欠損部1dの位置を検出する(図7(C))。具体的には、多孔質樹脂膜3の上に配置された電解質ポリマー膜1fの外表面上を撮像素子230によりスキャンする。そして、補修すべき度合いの欠損であるとして予め規定された所定の大きさや深さを超えるサイズ(例えば、10μmを超える幅や深さ)を有する凹部などの欠損部1dを検出し、その位置情報を記録する。なお、欠損部1dの位置情報は、電解質ポリマー膜1fの面上における座標値であるものとしても良いし、電解質ポリマー膜1fの面上に付与したマーキングであるものとしても良い。
【0040】
ステップS25において欠損部1dが検出された場合には、ステップS30Aの工程が行われる。ステップS30Aでは、ステップS25において記録された位置情報に基づいて、スプレー220によって、検出された欠損部1dに電解質ポリマー溶液を塗布して乾燥させる(図7(D))。これによって、欠損部1dに電解質ポリマー1sが補充される。
【0041】
ステップS40では、加熱部310によって、電解質ポリマー膜1fを加熱溶融して、複合膜5を形成する(図7(E))。この工程によって、電解質ポリマー膜1fと多孔質樹脂膜3とが一体化されるとともに、ステップS30Aで補充された電解質ポリマー1sと電解質ポリマー膜1fとの溶融一体化が促進される。ステップS50では、加水分解処理によって複合膜5にイオン伝導性を付与し、電解質膜10を形成する。
【0042】
図8は、本発明の発明者による電解質膜の耐久性ついての実験結果を示す説明図である。本発明者は、上記の製造工程によって製造した電解質膜10を用いて発電を行い、発電時間の経過に伴う電解質膜10の劣化の度合いの変化を検証した。具体的には、以下のような実験を行った。本発明の発明者は、試験体として電解質膜10と同様な多層構造の構成を有するサンプルT01〜T07を準備した。
【0043】
なお、各サンプルT01〜T07はいずれも、外表面に幅が20μm以上の欠損部1dを有する電解質ポリマー膜1fを用いて製造した。ただし、サンプルT01〜T05については、図6で説明した工程の手順に従い、電解質ポリマー1sを欠損部1dに補充する補修処理を行った後に、電解質ポリマー膜1fを加熱溶融する処理を行った(ステップS25,S30A)。残りのサンプルT06,T07については、欠損部1dの補修処理(ステップS25)を省略した。
【0044】
本発明の発明者は、各サンプルT01〜T07に電極20,30を設けた膜電極接合体120を構成し、それらの膜電極接合体120に反応ガスを供給して、一定条件での発電を断続的に複数回繰り返し行った。そして、各回の発電を終えるごとに、各サンプルT01〜T07を取り出し、各サンプルT01〜T07を介してガスが漏洩してしまう単位時間あたりのガスのリーク量を計測した。
【0045】
ここで、単位時間あたりのガスのリーク量は、以下のように計測した。まず、各サンプルT01〜T07を挟んで互いに隣接する、同じ容積を有する2つの密閉空間を形成した。そして、それら2つの密閉空間の間に所定の圧力差が生じるように水素を封入し、水素が圧力の高い側の密閉空間から圧力の低い側の密閉空間へと各サンプルT01〜T07を介して漏洩する単位時間あたりの量を計測した。
【0046】
図8のグラフは、横軸を発電の累積時間とし、縦軸を単位時間あたりのガスのリーク量として、各サンプルT01〜T07についての上記の計測値をプロットしたものである。このグラフが示すように、欠損部1dの補修を行わなかったサンプルT06,T07については、発電を行った累積時間の増大に伴って、単位時間あたりのガスのリーク量が増大した。一方、欠損部1dの補修を行ったサンプルT01〜T05については、発電の累積時間が増大しても、単位時間あたりのガスのリーク量の増大は抑制されていた。この実験結果から、欠損部1dの補修を行うことにより、電解質膜10の耐久性が向上することがわかる。
【0047】
このように、第2実施例の製造工程によれば、第1実施例と同様に、電解質ポリマー膜1fの欠損部1dを補修することにより、電解質膜10における欠損部の発生を抑制し、電解質膜10の耐久性を向上させることができる。なお、第2実施例の製造工程では、ステップS25で検出された欠損部1dにのみ電解質ポリマー1sが補充される。そのため、第1実施例に比較して、電解質ポリマー膜1fに対する電解質ポリマー1sの補充による電解質膜10の厚みの増大を抑制することができ、電解質膜10のプロトン伝導性の低下が抑制される。
【0048】
C.第3実施例:
図9は、本発明の第3実施例としての電解質膜10の製造工程を示すフローチャートである。第3実施例の製造工程では、電解質ポリマー膜1fと多孔質樹脂膜3とを加熱溶融処理によって一体化した後に、欠損部を検出し、その補修を行う。具体的には、以下のような手順で電解質膜10を製造する。
【0049】
ステップS100,S110では、図6で説明したステップS10,S20と同様に、電解質ポリマー膜1fを準備するとともに、多孔質樹脂膜3の上に重ねて配置する。ステップS120では、図6で説明したステップS40の加熱溶融処理と同様な処理によって、電解質ポリマー膜1fと多孔質樹脂膜3とを一体化させた複合膜5を形成する。
【0050】
ステップS130では、図6で説明したステップS25と同様に、撮像素子230を用いて、複合膜5における第1電解質層11の外表面をスキャニングし、所定の幅や深さを有する欠損部1dを検出する。なお、この工程において、欠損部1dが検出されなかった場合には、ステップS170の加水分解処理が行われ、複合膜5にプロトン伝導性が付与され、電解質膜10が完成される。
【0051】
一方、ステップS130において、欠損部1dが検出された場合には、ステップS140において、検出された欠損部1dに対して、図6で説明したステップS30Aと同様な補修処理を行う。そして、ステップS150において、再度、ステップS130と同様な検査を行う。
【0052】
この検査工程において、複合膜5に欠損部1dが検出されなかった場合には、ステップS160において、複合膜5に対して加熱溶融処理が行われ、欠損部1dに補充された電解質ポリマー1sと複合膜5の電解質ポリマー1とを溶融一体化させる。そして、ステップS170において加水分解処理が行われ、電解質膜10が完成される。
【0053】
ステップS150において、複合膜5に再び欠損部1dが検出された場合において、その原因がステップS140において補修された補修箇所であった場合には、再度、その補修箇所の検査を行う。補修箇所の欠損状態が修復可能であると予め規定された基準内のレベルであれば、その補修箇所には問題がないものとして、ステップS160,S170を経て、電解質膜10を完成させる。
【0054】
補修箇所における欠損の度合いが修復可能な基準より劣るレベルである場合には、電解質膜10の製造を一時中断し、ステップS140の工程の見直しなどを行う。また、ステップS150において検出された複合膜5の欠損部1dが、ステップS140における補修箇所ではなかった場合にも、電解質膜10の製造を一時中断し、その欠損が発生した原因を特定するために一連の工程の見直しを行う。
【0055】
このように、この第3実施例では、電解質膜10は、電解質ポリマー膜1fと多孔質樹脂膜3とを一体化するための加熱溶融処理を行った後に欠損部1dが生じている場合に、その補修および再度の加熱溶融処理を行うことにより製造される。ここで、ステップS100で準備された電解質ポリマー膜1fに欠損部1dが存在する場合であっても、ステップS120における加熱溶融処理により、その欠損部1dが消失する可能性がある。そのため、第3実施例のような手順で電解質膜10を製造すれば、電解質ポリマー1sを補充する補修処理が行われる度合いを、第2実施例の場合に比較して低減させることができる。また、第3実施例の製造工程によれば、製造工程の途中に検査工程が繰り返されるため、より確実に電解質膜10における欠損部の発生を低減させることができる。
【0056】
D.第4実施例:
図10は、本発明の第4実施例としての製造工程によって製造された電解質膜10Aを用いた燃料電池100Aの構成を示す概略図である。図10は、電解質膜10に換えて電解質膜10Aが設けられている点以外は、図1とほぼ同じである。この燃料電池100Aの電解質膜10Aは、上記実施例で説明した多層構造の電解質膜10とは異なり、補強部材としての多孔質樹脂膜3が省略された単層構造を有している。
【0057】
図11,図12は、電解質膜10Aの製造工程を説明するための説明図である。図11は、電解質膜10Aの製造工程を示すフローチャートであり、ステップS20が省略されている点と、ステップS45が設けられている点と、各ブロック内に示された図面番号が異なる点以外は、図6とほぼ同じである。図12(A)〜(E)は、図11に示された各工程を説明するための模式図を工程順に示した概略図である。図12(A)〜(E)はそれぞれ、多孔質樹脂膜3が省略されている点以外は、図7(A)〜(E)とほぼ同じである。
【0058】
ステップS10では、上記実施例で説明したのと同様な電解質ポリマー膜1fを準備する(図12(A))。ステップS20では、電解質ポリマー膜1fを支持基台300の面上に載置し、撮像素子230により、電解質ポリマー膜1fの外表面をスキャニングする(図12(B))。そして、所定の幅や深さを有する欠損部1dを検出し、その位置情報を記録する。
【0059】
ステップS30Aでは、第2実施例で説明したのと同様に、ステップS25で検出された欠損部1dに対して、電解質ポリマー1sを補充する補修処理を行う(図12(C))。そして、ステップS40では、ステップS30Aにおいて補充された電解質ポリマー1sと、電解質ポリマー膜1fとを溶融一体化させるための加熱溶融処理を行う(図12(D))。なお、この加熱溶融処理では、電解質ポリマー膜1fが軟化して流動してしまわない程度に、上記の第1〜第3実施例における加熱溶融処理よりも低い温度(例えば170〜200℃程度)で行われることが好ましい。
【0060】
このように、ステップS10〜S40の工程では、電解質ポリマー膜1fの一方の面(以後、「第1の面」とも呼ぶ)についての欠損部1dの補修が行われる。しかし、ステップS40の加熱溶融処理を経た後においても、電解質ポリマー膜1fの他方の面(以後、「第2の面」とも呼ぶ)に欠損部1dが生じている可能性がある。そこで、本実施例では、ステップS45において、電解質ポリマー膜1fを反転させ、その第2の面に対して、ステップS25〜S40の処理を行う。これによって、第1の面と同様に、第2の面に生じている欠損部1dが補修される。
【0061】
電解質ポリマー膜1fの第1と第2の面における欠損部1dの補修が完了した後には、電解質ポリマー膜1fに対して加水分解処理が行われ、電解質ポリマー膜1fにプロトン伝導性が付与される(ステップS50)。この一連の工程によって、欠損部の発生が抑制された電解質膜10Aが製造される。
【0062】
このように、第4実施例の製造工程によれば、欠損部の発生が抑制された単層構造の電解質膜10Aを得ることができる。なお、上記の第1〜第3実施例で説明した多孔質樹脂膜3を含有する多層構造の電解質膜10であれば、電解質ポリマー膜1fの一方の面の補修のみで、多孔質樹脂膜3と対向する側の面の補修を省略することができる。即ち、多層構造の電解質膜10の方が、電解質ポリマー膜1fの補修工程の短縮が可能である。また、多層構造の電解質膜10であれば、多孔質樹脂膜3によって強度が向上されているため、燃料電池の製造工程において、電解質膜10が損傷・劣化する可能性が低減される。
【0063】
E.参考例:
図13は、本発明の参考例としての電解質膜の製造工程を示すフローチャートである。図13は、ステップS110,S120,S160が省略されている点以外は、図9とほぼ同じである。即ち、この参考例の製造工程では、多孔質樹脂膜3の使用が省略されるとともに、電解質ポリマー膜1fが補修された後の加熱溶融処理が省略され、第4実施例で説明したのと同様な単層構造の電解質膜10Aが製造される。具体的な製造工程は以下の通りである。
【0064】
ステップS100では、電解質ポリマー膜1fが準備される。ステップS130では、撮像素子230を用いて、電解質ポリマー膜1fの外表面の欠損部1dが検出されるとともに、その位置情報が記録される。なお、ステップS130において、電解質ポリマー膜1fに欠損部1dが検出されなかった場合には、ステップS170において電解質ポリマー膜1fに対して加水分解処理が行われる。
【0065】
ステップ140では、検出された欠損部1dに対して、電解質ポリマー溶液を塗布して電解質ポリマー1sを補充する補修処理が行われる。なお、この工程で用いられる電解質ポリマー溶液の溶媒は、補充される電解質ポリマー1sの接合性を向上させるために、フッ素系の溶媒であることが好ましい。ステップS150では、第3実施例で説明したのと同様に、再度、欠損部1dの検出が行われる。この工程において、補修後の電解質ポリマー膜1fについて欠損部1dが検出されなかった場合には、ステップS170において電解質ポリマー膜1fに対して加水分解処理が行われる。
【0066】
なお、ステップS170において、補修後の電解質ポリマー膜1fについて欠損部1dが検出された場合には、以下の通りに処理する。検出された欠損部1dがステップS140における補修箇所であった場合には、再度、その補修箇所の検査を行う。そして、補修箇所における欠損の度合いが修復可能であるとして予め規定された基準内のレベルである場合には、その補修箇所には問題がないものとして、ステップS170の加水分解処理を行い、電解質膜10Aを完成させる。
【0067】
補修箇所における欠損の度合いが前記の基準より劣るレベルである場合には、電解質膜10Aの製造を一時中断し、ステップS140の補修工程の見直しなどを行う。また、ステップS150において検出された欠損部1dが、ステップS140における補修箇所でなかった場合にも、電解質膜10Aの製造を一時中断し、新たに欠損部1dが発生した原因を特定するために一連の工程の見直しを行う。
【0068】
このように、加熱溶融処理を省略した場合であっても、電解質ポリマー膜1fの欠損部1dが検出された場合には、欠損部1dに対する電解質ポリマー1sの補充によって、電解質膜10Aにおける欠損部の発生を抑制することができる。ただし、加熱溶融処理を行った方が、電解質ポリマー膜1fと補充された電解質ポリマー1sとの間の一体性が向上するため、経年劣化などによって補充された電解質ポリマー1sの剥離が発生することが抑制され、電解質膜10Aの耐久性が向上する。
【0069】
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0070】
F1.変形例1:
上記実施例では、電解質ポリマー膜1fの補修に用いられる電解質ポリマー溶液の溶媒としてフッ素系の溶媒を用いていた。しかし、電解質ポリマー溶液の溶媒は、フッ素系の溶媒でなくとも良く、例えば、界面活性剤を含有した水を溶媒として用いるものとしても良い。
【0071】
F2.変形例2:
上記第1〜第3実施例では、3次元網目構造を有する多孔質樹脂膜3を補強部材として用いていたが、補強部材としては、他の多孔質の膜部材が用いられるものとしても良い。例えば、厚み方向に貫通する複数の孔部が面全体に設けられた多孔質の膜部材を補強部材として用いるものとしても良い。
【0072】
F3.変形例3:
上記第1〜第3実施例では、電解質ポリマー膜1fの一方の面側に多孔質樹脂膜3を配置した状態で電解質ポリマーを加熱溶融することにより、2層構造の電解質膜10を製造していた。しかし、電解質膜10は、さらに複数の層が積層された多層構造を有するように形成されるものとしても良い。例えば、外表面の欠損部1dに電解質ポリマー1sが補充された補修後の電解質ポリマー膜1fの両側に、多孔質樹脂膜3を配置して加熱溶融することにより、3層構造の電解質膜10を製造するものとしても良い。
【0073】
F4.変形例4:
上記第1〜第3実施例では、電解質ポリマー膜1fを多孔質樹脂膜3の上に配置し、電解質ポリマー膜1fの多孔質樹脂膜3とは対向しない側の面に対してのみ欠損部1dの補修を行っていた。しかし、電解質ポリマー膜1fの補修は、電解質ポリマー膜1fの両面について行われるものとしても良い。この場合には、電解質ポリマー膜1fの両面を補修した後に、補修後の電解質ポリマー膜1fを多孔質樹脂膜3の上に配置するものとしても良い。
【符号の説明】
【0074】
1,1s…電解質ポリマー
1d,1di…欠損部
1f…電解質ポリマー膜
1SL…補充層
3…多孔質樹脂膜
5…複合膜
10,10A…電解質膜
11…第1電解質層
12…第2電解質層
20…第1の電極
21…触媒層
22…ガス拡散層
30…第2の電極
31…触媒層
32…ガス拡散層
41…第1のセパレータ
42…第2のセパレータ
45…流路溝
100,100A…燃料電池
110…単セル
120…膜電極接合体
200…成膜装置
201…加熱溶融部
201s…スクリュー
202…材料投入口
203…成膜部
204…搬送ローラー
205…膜巻取部
210…成膜装置
211…フィルム基材
212…搬送ローラー
213…ダイコータ
220…スプレー
230…撮像素子
300…支持基台
310…加熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池に用いられる電解質膜の製造方法であって、
(a)電解質ポリマー膜を準備する工程と、
(b)前記電解質ポリマー膜の外表面に、電解質ポリマー溶液を塗布して乾燥させることにより、電解質ポリマーを補充する工程と、
(c)前記電解質ポリマー膜と、前記工程(b)において補充された電解質ポリマーとを加熱溶融して一体化する工程と、
(d)前記電解質ポリマー膜に対して加水分解処理を施すことにより、イオン伝導性を付与する工程と、
を備える、電解質膜の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の製造方法であって、
前記電解質膜は、電解質ポリマーを含む第1電解質層と、電解質ポリマーおよび補強部材を含む第2電解質層とを有する多層構造の電解質膜を含み、
前記工程(c)は、前記電解質ポリマー膜を、補強部材としての多孔質膜に重ねて配置した後に、前記電解質ポリマー膜を加熱溶融して、前記電解質ポリマー膜の電解質ポリマーを前記多孔質膜の細孔に含浸させることにより、前記電解質ポリマー膜と前記多孔質膜とを一体化させる工程を含む、電解質膜の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の製造方法であって、
前記工程(b)は、前記電解質ポリマー膜の外表面に存在する欠損部を検出し、前記欠損部に前記電解質ポリマー溶液を塗布して乾燥させることにより、前記欠損部に電解質ポリマーを補充する工程を含む、製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法であって、
前記工程(b)において、前記ポリマー溶液は、フッ素系溶媒に前記電解質ポリマーが溶解された溶液を含む、製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−150931(P2012−150931A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7409(P2011−7409)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】