説明

燃料電池

【課題】出力の低下を抑制することが可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質膜17と、電解質膜17の一方の面に配置されたアノード触媒層11およびアノードガス拡散層12を有するアノード13と、電解質膜17の他方の面に配置されたカソード触媒層14およびカソードガス拡散層15を有するカソード16と、によって構成された膜電極接合体2と、アノードガス拡散層12に接触するアノード集電部18Aと、その面内において第1方向の熱伝導率が第1方向に直交する第2方向の熱伝導率より高い高熱伝導性熱伝導体によって形成されるとともにカソードガス拡散層15に接触するカソード集電部18Cと、カソード集電部18Cから第1方向D1に向かって延びた延出電極と、を有する集電体18と、を備えたことを特徴とする燃料電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体燃料を用いた燃料電池の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型の燃料電池が注目を集めている。特に、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は、小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、有望視されている。
【0003】
DMFCは、アノードとカソードとの間に電解質膜を挟持させた構造の膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を備えている。このようなDMFCのアノードでは、導入されたメタノールが酸化分解され、プロトン、電子および二酸化炭素が生成される。一方、カソードでは、空気中の酸素とアノード側から移動してきたプロトンとアノードから外部回路を通じて供給される電子とが反応して水が生成される。また、外部回路を通る電子によって電力が供給される。
【0004】
DMFCでは、電子の集電効率を向上させるために集電体が用いられている。例えば、特許文献1では、炭素粒子などを含む多孔質導電性シートを集電体として用いる技術が開示されている。また、特許文献2では、撥水性を付与した炭素繊維ならびに導電性および撥水性を付与したパルプから構成された集電体が開示されている。また、特許文献3では、炭素繊維の集合体から成る集電体の構成が開示されている。さらに、例えば、特許文献4では、金属炭化皮膜を形成して成る集電体の構成が開示されている。
【0005】
ところで、燃料としてメタノールを用いた発電反応では、カソードで生成された水を効率よくアノード側に供給し、アノード側での触媒作用に利用されることが望まれる。しかしながら、発電反応によるカソード側での温度上昇により、生成した水が蒸発してしまい、アノード側に供給すべき水が不足してしまうことがある。この場合、燃料電池の出力の低下を招くおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−196085号公報
【特許文献2】特開2002−358981号公報
【特許文献3】特開2005−203238号公報
【特許文献4】特開2005−251490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、出力の低下を抑制することが可能な燃料電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1態様によれば、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置されたアノード触媒層および前記アノード触媒層に積層されたアノードガス拡散層を有するアノードと、前記電解質膜の他方の面に配置されたカソード触媒層および前記カソード触媒層に積層されたカソードガス拡散層を有するカソードと、によって構成された膜電極接合体と、前記アノードガス拡散層に接触するアノード集電部と、その面内において第1方向の熱伝導率が第1方向に直交する第2方向の熱伝導率より高い高熱伝導性熱伝導体によって形成されるとともに前記カソードガス拡散層に接触するカソード集電部と、前記カソード集電部から第1方向に向かって延びた延出電極と、を有する集電体と、を備えたことを特徴とする燃料電池が提供される。
【0009】
この発明の第2態様によれば、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置されたアノード触媒層および前記アノード触媒層に積層されたアノードガス拡散層を有するアノードと、前記電解質膜の他方の面に配置されたカソード触媒層および前記カソード触媒層に積層されたカソードガス拡散層を有するカソードと、によって構成された膜電極接合体と、前記アノードガス拡散層に接触するアノード集電部と、その面内において第1方向の熱伝導率が第1方向に直交する第2方向の熱伝導率より高い高熱伝導性熱伝導体によって形成された第1導電層および前記第1導電層と前記カソードガス拡散層との間に配置されるとともに前記カソードガス拡散層と接触する第2導電層を有するカソード集電部と、前記カソード集電部から第1方向に向かって延びた延出電極と、を有する集電体と、を備えたことを特徴とする燃料電池が提供される。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、出力の低下を抑制することが可能な燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る燃料電池の構造を概略的に示す断面図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る燃料電池の集電体の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【図3】図3は、第2実施形態に係る燃料電池の集電体の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【図4】図4は、第2実施形態に係る燃料電池の膜電極接合体および集電体の構造を概略的に示す断面図である。
【図5】図5は、第3実施形態に係る燃料電池の膜電極接合体および集電体の構造を概略的に示す断面図である。
【図6】図6は、第4実施形態に係る燃料電池の膜電極接合体および集電体の構造を概略的に示す断面図である。
【図7】図7は、カソード集電部の少なくとも一部を熱伝導率に異方性を有する高熱電導性によって形成したことによる効果の検証結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の一実施の形態に係る燃料電池について図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、燃料電池1は、起電部を構成する膜電極接合体(MEA)2と、膜電極接合体2に燃料を供給する燃料供給機構3と、から主として構成されている。
【0014】
すなわち、燃料電池1において、膜電極接合体2は、アノード触媒層11およびアノード触媒層11の上に配置されたアノードガス拡散層12を有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14およびカソード触媒層14に積層されたカソードガス拡散層15を有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とを備えて構成されている。
【0015】
アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11には、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14には、PtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒は、これらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。また、触媒は、炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
【0016】
アノード触媒層11およびカソード触媒層14は、例えば、スルホン酸基を有する、例えば、パーフルオロスルホン酸重合体等のフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)、フレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂、タングステン酸やリンタングステン酸、硝酸リチウムなどの無機物等のプロトン導電剤を含んでいても良い。
【0017】
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17は、これらに限られるものではない。
【0018】
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電機能を有するものである。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤(空気あるいは酸素)を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電機能を有するものである。アノードガス拡散層12およびカソードガス拡散層15は、例えばカーボンペーパーなどの導電性を有する多孔質基材によって構成されている。
【0019】
膜電極接合体2は、電解質膜17のアノード13側およびカソード16側にそれぞれ配置されたゴム製のOリング等のシール部材19によってシールされており、これにより、膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。なお、電解質膜17は、シール部材19の内側において、アノード触媒層11およびカソード触媒層14と対向しない位置に複数のガス排出孔(図示せず)を設けていてもよい。
【0020】
膜電極接合体2のカソード16側には、絶縁材料によって形成された板状体20が配置されている。この板状体20は、主に保湿層として機能する。すなわち、この板状体20は、カソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制するとともに、カソード触媒層14への空気の取入れ量を調整し且つ空気の均一拡散を促進するものである。この板状体20は、例えば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンの多孔質フィルムなどが挙げられる。
【0021】
上述した膜電極接合体2は、燃料供給機構3とカバープレート21との間に配置されている。カバープレート21は、外観が略矩形状のものであり、例えばステンレス鋼(SUS)によって形成されている。また、カバープレート21は、酸化剤である空気を取入れるための複数の開口部(空気導入孔)21Aを有している。
【0022】
燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13に対して燃料を供給するように構成されているが、特に、特定の構成に限定されるものではない。以下に、燃料供給機構3の一例について説明する。
【0023】
燃料供給機構3は、例えば、箱状に形成された容器30を備えている。この燃料供給機構3は、液体燃料を収容する燃料収容部4と流路5を介して接続されている。燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ供給する燃料供給部31を備えている。ここでは、特に、燃料供給部31が燃料分配板31Aを備えた構成について説明するが、燃料供給部31は他の構成であっても良い。
【0024】
すなわち、燃料分配板31Aは、1つの燃料注入口32と、複数の燃料排出口33とを
有しており、細管34のような燃料通路を介して燃料注入口32と燃料排出口33とを接続して構成である。この燃料分配板31Aは、液体燃料の液体成分や気化成分を透過させない材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド樹脂によって形成されている。また、燃料注入口32には、液体燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過しない気液分離膜が配置されてもよい。気液分離膜として、例えばシリコンゴム、低密度ポリエチレン(LDPE)薄膜、ポリ塩化ビニル(PVC)薄膜、ポリエチレンテレフタレート(PET)薄膜、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PEFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA))微多孔質膜などが用いられる。
【0025】
燃料注入口32は、容器30の燃料導入口30Aと連通している。これにより、燃料分配板31Aの燃料注入口32が流路5を介して燃料収容部4に接続される。流路5は、燃料収容部4や燃料供給部31と独立した配管として構成されているが、流路5を介して燃料供給部31と燃料収容部4とが連通していればよく、この構成に限定されるものではない。
【0026】
燃料排出口33は、例えば128箇所にあり、液体燃料もしくはその気化成分を排出する。燃料注入口32から注入された液体燃料は、複数に分岐した細管34を介して複数の燃料排出口33にそれぞれ導かれる。
【0027】
このような燃料分配板31Aを使用することによって、燃料注入口32から注入された液体燃料を方向や位置に係わりなく、複数の燃料排出口33に均等に分配することができる。したがって、膜電極接合体2の面内における発電反応の均一性をより一層高めることが可能となる。
【0028】
さらに、細管34で燃料注入口32と複数の燃料排出口33とを接続することによって、燃料電池1の特定箇所により多くの燃料を供給するような設計も可能となる。これは、膜電極接合体2の発電度合いの均一性の向上等に寄与する。
【0029】
膜電極接合体2は、そのアノード13が上述したような燃料分配板31Aの燃料排出口33に対向するように配置されている。カバープレート21は、燃料供給機構3との間に膜電極接合体2を保持した状態で容器30に対してカシメあるいはネジ止めなどの手法により固定されている。これにより、燃料電池(DMFC)1の発電ユニットが構成されている。
【0030】
燃料供給部31は、燃料分配板31Aと膜電極接合体2との間に燃料拡散室31Bとして機能する空間を形成するような構成であることが望ましい。この燃料拡散室31Bは、燃料排出口33から液体燃料が排出されたとしても気化を促進するとともに、面方向への拡散を促進する機能を有している。
【0031】
膜電極接合体2と燃料供給部31との間には、膜電極接合体2をアノード13側から支持する支持部材を配置しても良い。
【0032】
また、膜電極接合体2と燃料供給部31との間には、少なくとも1つの多孔体を配置しても良い。
【0033】
燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。なお、液体燃料は、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えば、エタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容される。
【0034】
重力を使用して、液体燃料を落下させ燃料収容部4から流路5を介して燃料供給部31に送液することができる。また、流路5に多孔体等を充填して、毛細管現象により燃料収容部4に収容された液体燃料を燃料供給部31まで送液することができる。さらに、流路5にポンプ6を介在させ、燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料を送液することもできる。燃料供給部31から膜電極接合体2に供給された燃料は、発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。
【0035】
この実施の形態の燃料電池1は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ6を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。図1に示す燃料電池1は、例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
【0036】
この実施の形態の燃料電池1においては、ポンプ6を用いて燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料が間欠的に送液される。ポンプ6で送液された液体燃料は、燃料供給部31を経て膜電極接合体2のアノード13の前面に対して均一に供給される。
【0037】
すなわち、膜電極接合体2の平面方向に対して均一に燃料が供給され、これにより発電反応が生起される。燃料供給用(送液用)のポンプ6の運転動作は、燃料電池1の出力、温度情報、電力供給先である電子機器の運転情報等に基づいて制御することが好ましい。
【0038】
上述したように、燃料供給部31から放出された燃料は、膜電極接合体2のアノード13に供給される。膜電極接合体2内において、燃料は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
【0039】
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は、集電体18を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体18を経由してカソード16に導かれる。(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には、酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
【0040】
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせるとともに、膜電極接合体2の電極全体に均一に燃料を供給し、電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
【0041】
ここで、第1実施形態に係る燃料電池1について説明する。第1実施形態において、集電体18は、アノード集電部18Aと、カソード集電部18Cと、を有する。アノード集電部18Aは、膜電極接合体2のアノード13、特に、アノードガス拡散層12に接触する。カソード集電部18Cは、膜電極接合体2のカソード16、特にカソードガス拡散層15に接触する。
【0042】
アノード集電部18Aは、アノード13と略同等のサイズに形成されている。カソード集電部18Cは、カソード16と略同等のサイズに形成されている。アノード13に接触しているアノード集電部18Aは、カソード16に接触しているカソード集電部18Cと対向するように配置されている。アノード集電部18Aとカソード集電部18Cとは、膜電極接合体2を挟み込むように配置されている。なお、アノード集電部18Aとカソード集電部18Cとは、別体である。
【0043】
アノード集電部18Aは、例えば、金(Au)、ニッケル(Ni)などの金属材料、箔体、ステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金属材料を被覆した複合材料によって形成されている。アノード集電部18Aは、燃料供給機構3から供給された燃料のアノード13への導入を促進するために複数の開口AP1を有している。
【0044】
カソード集電部18Cは、一般的な金属より熱伝導率が高い高熱伝導性カーボンなどの高熱伝導性熱伝導体によって形成されている。このカソード集電部18Cは、カバープレート21の開口部21Aから取り込んだ空気のカソード16への導入を促進するために複数の開口AP2を有している。
【0045】
図2は、膜電極接合体2および集電体の主要部を示す分解斜視図である。
【0046】
集電体18は、アノード集電部18Aおよびカソード集電部18Cの他に、さらに延出電極18CEおよび18AEを備えている。これらの延出電極18CEおよび18AEは、膜電極接合体2における発電反応により発生した電力を外部に取り出すための端子である。
【0047】
延出電極18CEは、カソード集電部18Cから第1方向D1に向かって延びている。延出電極18AEも同様に、アノード集電部18Aから第1方向D1に向かって延びている。図示した例では、延出電極18CEは、延出電極18AEと反対側に延びているが、同一方向に延びていても良いし、延出電極18AEが第1方向D1以外の方向から延びていても良い。
【0048】
これらの延出電極18CEおよび18AEは、帯状に形成されている。延出電極18CEの第1方向D1に直交する第2方向D2の幅は、カソード集電部18Cの第2方向D2の幅より小さく形成されている。延出電極18CEは、カソード集電部18Cと同一材料、つまり高熱伝導性カーボンなどの高熱伝導性熱伝導体によって形成されている場合において、延出電極18CEとカソード集電部18Cとは、一体に形成されてもよい。延出電極18CEがカソード集電部18Cと異なる材料、例えば金によって形成されている場合において、延出電極18CEとカソード集電部18Cとは機械的および電気的に接続される。
【0049】
特に、高熱伝導性カーボンは、熱伝導性に異方性を有しているため好ましい。このような高熱伝導性熱伝導体によって形成されたカソード集電部18Cは、その面内において、第1方向D1の熱伝導率が第2方向D2の熱伝導率より高い。さらに、このようなカソード集電部18Cは、その厚さ方向D3の熱伝導率が第2方向D2の熱伝導率より高い。
【0050】
このようなカソード集電部18Cを形成するための高熱伝導性熱伝導体としては、その第1方向D1の熱伝導率が500〜2000W/mkの範囲にあるものが望ましい。なお、本実施形態で示す熱伝導率は、レーザーフラッシュ法によって測定した値である。具体的には、熱伝導率測定にはJIS R1611−1997に準拠した京都電子工業(株)製のLFA−502を用いた。サンプル片は、厚み方向がD1、D2、D3方向になるようにφ10・厚さ1mmに切り取り作製。室温でレーザーフラッシュ法による厚み方向の熱導電率を測定し、高熱導電性カーボン集電体のD1、D2、D3方向の熱導電率を求めた。
【0051】
第1実施形態によれば、発電反応に伴ってカソード16で発生した熱は、カソード16からカソード集電部18Cに伝導される。さらに、カソード集電部18Cに伝導された熱は、カソード集電部18Cの第1方向D1の熱伝導率が第2方向D2の熱伝導率よりも高いため、カソード集電部18Cにおいて主として第1方向D1にさらに伝導される。さらに、カソード集電部18Cに伝導された熱は、カソード集電部18Cの第1方向D1に向かって延出した延出電極18CEへと伝導される。つまり、カソード16で発生した熱は、カソード集電部18Cおよび延出電極18CEを経由して外部に向けて放熱される。また、このようなカソード集電部18Cは、その厚さ方向D3の熱伝導率が比較的高いため、カソード16の放熱が促進される。
【0052】
このため、カソード16の放熱効率を向上することが可能となり、適温に保持できる。したがって、カソード16で生成した水の過剰な蒸発を抑制することが可能となる。このため、発電反応に必要な水を安定してアノード13に供給することが可能となり、燃料電池1の出力の低下の抑制することが可能となる。
【0053】
次に、第2実施形態に係る燃料電池1について説明する。第2実施形態において、上述の第1実施形態に係る燃料電池1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
第2実施形態において適用したカソード集電部18Cは、厚み方向D3に複数の導電層を積層している点で第1実施形態と相違している。すなわち、図3および図4に示すように、カソード集電部18Cは、第1導電層18C1と、第2導電層18C2と、を有している。第1導電層18C1は、高熱伝導性カーボンによって形成されている。第1集電部18C1は、カバープレート21の開口部21Aから取り込んだ空気のカソード16への導入を促進するために複数の第1開口AP2を有している。第2導電層18C2は、第1導電層18C1とカソードガス拡散層15との間に配置されており、カソードガス拡散層15と接触している。第2導電層18C2は、例えば、金によって形成されている。第2導電層18C2は、カバープレート21の開口部21Aから取り込んだ空気のカソード16への導入を促進するために複数の第2開口AP3を有している。第1開口AP2と第2開口AP3とは、連通している。第1導電層18C1の第1方向D1の熱伝導率は、第2導電層18C2の熱伝導率より高いことが望ましい。
【0055】
このような第2実施形態においても、発電反応に伴ってカソード16で発生した熱は、第2導電層18C2に伝導された後に、第1導電層18C1に伝導され、速やかに延出電極18CEを経由して外部に向けて放熱される。つまり、カソード16で生成した水の過剰な蒸発を抑制することが可能となる。このため、発電反応に必要な水を安定してアノード13に供給することが可能となり、燃料電池1の出力の低下の抑制することが可能となり、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0056】
次に、第3実施形態に係る燃料電池1について説明する。第3実施形態において、上述の第1実施形態に係る燃料電池1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
第3実施形態において適用したカソード集電部18Cは、第1実施形態のカソード集電部18Cの形状が異なる。すなわち、図5に示すように、カソード集電部18Cは、延出電極18CEに向かって厚さが厚くなるように形成されている。このカソード集電部18Cの一方の主平面は、傾斜面Sである。つまり、カソード集電部18Cは、延出電極18CEに近接する側の厚さが厚く延出電極18CEから離れるにしたがって次第に厚さが薄くなるテーパー状の断面を有する。カソード集電部18Cの傾斜面Sと対向する主平面は、カソード16と接触している。さらに、カソード集電部18Cは、第1方向D1の熱伝導率が厚さ方向D3の熱伝導率よりも高い。
【0058】
このような第3実施形態によれば、カソード集電部18Cの厚さの薄い領域では、延出電極18CEまでの距離が長いが、厚さ方向D3の熱伝導率よりも第1方向D1の熱伝導率が高いため、発電反応に伴ってカソード16で発生した熱は、カソード集電部18Cに伝導された後にその面内で拡散し、延出電極18CEへと速やかに伝導される。
【0059】
カソード集電部18Cの厚さの厚い領域では、延出電極18CEまでの距離が短いため、カソード16で発生した熱は、カソード集電部18Cに伝導された後にその厚さ方向D3に拡散するより先に主として面内で拡散し、延出電極18CEへと速やかに伝導される。したがって、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0060】
ここでは、カソード集電部18Cの傾斜面Sと対向する面がカソード16と接触している例を説明したが、カソード集電部18Cの傾斜面Sがカソード16と接触してもよい。このような構成においても、第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0061】
次に、第4実施形態に係る燃料電池1について説明する。第4実施形態において、上述の第1実施形態に係る燃料電池1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
第4実施形態において適用した第1導電層18C1および第2導電層18C2は、第2実施形態の第1導電層18C1および第2導電層18C2の形状が異なる。すなわち、図6に示すように、第1導電層18C1は、延出電極18CEに向かって厚さが厚くなるように形成されている。このような第1導電層18C1の一方の主平面は、第1傾斜面S1である。第2導電層18C2は、延出電極18CEに向かって厚さが薄くなるように形成されている。このような第2導電層18C2の一方の主平面は、第2傾斜面S2である。第1傾斜面S1と第2傾斜面S2とは、互いに接触している。第2導電層18C2の第2傾斜面S2と対向する面は、カソード16と接触している。さらに、第1導電層18C1は、第1方向D1の熱伝導率が厚さ方向D3の熱伝導率よりも高い。
【0063】
このような第4実施形態においても、発電反応に伴ってカソード16で発生した熱は、第2導電層18C2および第1導電層18C1を経て延出電極18CEへと速やかに伝導される。このため、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
次に、カソード集電部18Cの少なくとも一部を高熱伝導性カーボンによって形成した燃料電池1について効果を検証した。
【0065】
まず、40mm×30mmのアノードガス拡散層12用の多孔質のカーボンペーパーを用意した。次に、アノード用触媒粒子(Pt:Ru=1:1)を担持したカーボンブラックに、プロトン伝導性樹脂としてパーフルオロカーボンスルホン酸溶液と、分散媒として水およびメトキシプロパノールを添加し、アノード用触媒粒子を担持したカーボンブラックを分散させてペーストを調製した。上述したアノードガス拡散層12の上にペーストを塗布し、厚さ100μmのアノード触媒層11を形成した。これにより、アノード13を得た。
【0066】
また、40mm×30mmのカソードガス拡散層15用の多孔質のカーボンペーパーを用意した。次に、カソード用触媒粒子(Pt)を担持したカーボンブラックに、プロトン伝導性樹脂としてパーフルオロカーボンスルホン酸溶液と、分散媒として水およびメトキシプロパノールを添加し、カソード用触媒粒子を担持したカーボンブラックを分散させてペーストを調製した。上述したカソードガス拡散層15の上にペーストを塗布し、厚さ100μmのカソード触媒層14を形成した。これにより、カソード16を得た。
【0067】
なお、アノードガス拡散層12とカソードガス拡散層15とは、大きさ、厚さが等しく、同じ形状を有している。また、アノードガス拡散層12の上に形成されたアノード触媒層11と、カソードガス拡散層15の上に形成されたカソード触媒層14とは、大きさ、厚さが等しく、同じ形状を有している。
【0068】
そして、電解質膜17として、パーフルオロカーボンスルホン酸膜(ナフィオン膜、デュポン社製)を用い、この電解質膜17とカソード16とをカソード触媒層14が電解質膜17側を向くように重ね合わせる。そして、電解質膜17のカソード16を重ね合わせた面とは反対の面に、アノード触媒層11が電解質膜17側を向くようにアノード13を重ね合わせる。その後、電解質膜17をアノード触媒層11とカソード触媒層14とが重ね合わされた状態で、ホットプレスを施すことにより、膜電極接合体2を得た。
【0069】
サンプルAにおいて、直径3mmの円形の開口AP2が均等に36個形成された、40mm×30mm、厚さ0.7mmの熱伝導性の異方性を有する高熱伝導性カーボン(PYROID HT、商品名、東京カソード研究所製)によってカソード集電部18Cを形成した。このカソード集電部18Cをカソードガス拡散層15の上に配置した。このとき、カソード集電部18Cは、面内において、第1方向D1の熱伝導率が1500W/m・Kであり、第2方向D2の熱伝導率が40W/m・Kであり、厚さ方向D3の熱伝導率が1500W/m・Kであった。延出電極18CEは、カソード集電部18Cから第1方向D1に向かって延びている。
【0070】
サンプルBにおいて、カソード集電部18Cは、第2導電層18C2として直径3mmの円形の開口AP3を均等に36個形成された、40mm×30mm、厚さ0.1mmの金フィルムと、直径3mmの円形の開口AP2を均等に36個形成された、40mm×30mm、厚さ0.7mmの伝導率の異方性を有する高熱伝導性カーボンによって形成された第1導電層18C1と、を有している。第2導電層18C2をカソードガス拡散層15の上に配置し、第1導電層18C1を第2導電層18C2の上に配置した。このとき、第1導電層18C1は、面内において、第1方向D1の熱伝導率が1500W/m・Kであり、第2方向D2の熱伝導率が40W/m・Kであり、厚さ方向D3の熱伝導率が1500W/m・Kであった。延出電極18CEは、第1導電層18C1から第1方向D1に向かって延びている。
【0071】
サンプルCにおいて、カソード集電部18Cを直径3mmの円形の開口AP2を均等に36個形成された、40mm×30mm、厚さ0.1mmの金フィルムによって形成した。金フィルムをカソードガス拡散層15の上に配置した。延出電極18CEは、金フィルムから延出している。
【0072】
サンプルDにおいて、カソード集電部18Cを直径3mmの円形の開口AP2を均等に36個形成された、40mm×30mm、厚さ0.7mmの伝導率の異方性を有する高熱伝導性カーボンによって形成した。カソード集電部18Cをカソードガス拡散層15の上に配置した。このとき、カソード集電部18Cは、面内において、第1方向D1の熱伝導率が40W/m・Kであり、第2方向D2の熱伝導率が1500W/m・Kであり、厚さ方向D3の熱伝導率が1500W/m・Kであった。延出電極18CEは、カソード集電部18Cから第1方向D1に向かって延びている。
【0073】
続いて、アノードガス拡散層12の上にアノード集電部を配置する。
【0074】
カソード集電部の上に、板状体20(保湿層として機能する)として、厚さ1.0mm、40mm×30mm、透気度20秒/100cm(JIS P−8117に規定の測定方法による)で、透湿度2000g/(m・24h)(JIS L−1099 A−1に規定の測定方法による)のポリエチレン製多孔質フィルムを配置する。
【0075】
そして、保湿層の上にカバープレート21として、厚さ1.0mm、44mm×34mm、直径3mmの円形の開口部21Aを均等に36個形成されたステンレス(SUS304)を配置し、固定した。このようにして燃料電池1を組み立てた。
【0076】
このような燃料電池1の燃料収容部4に純度99.9重量%の純メタノールを供給した。温度25℃、相対湿度50%の環境において、定電圧電源を接続して、燃料電池1の出力電圧が0.3Vで一定になるように、燃料電池に流れる電流を制御し、サンプルA、B、C、Dの燃料電池1から得られる出力密度(mW/cm)を計測した。ここで、燃料電池1の出力密度とは、燃料電池1に流れる電流密度(発電部の面積1cm当りの電流値(mA/cm))に燃料電池1の出力電圧を乗じたものである。また、発電部の面積とは、アノード触媒層11とカソード触媒層14とが対向している部分の面積である。ここでは、アノード触媒層11とカソード触媒層14との面積が等しく、かつ完全に対向しているので、発電部の面積はアノード触媒層11およびカソード触媒層14の面積に等しい。サンプルCに係る燃料電池1の出力密度に対して相対的な出力密度を図7に示す。
【0077】
図7に示すように、サンプルCに係る燃料電池1の出力密度を100としたとき、サンプルAに係る燃料電池1の出力密度は125であり、サンプルBに係る燃料電池1の出力密度は120であり、サンプルDに係る燃料電池1の出力密度は85であった。
【0078】
この測定結果から、熱伝導性に異方性を有する高熱伝導性カーボンによって形成されたカソード集電部18Cを備えたサンプルAの燃料電池1および高熱伝導性カーボンによって形成された第1導電層18C1を有するカソード集電部18Cを備えたサンプルBの燃料電池1の出力密度は、金フィルムのみからなるカソード集電部18Cを備えたサンプルCの燃料電池1の出力密度より高くなることが確認された。また、延出電極18CEが接続される第1方向D1の熱伝導率が第2方向D2の熱伝導率より高いカソード集電部18Cを備えたサンプルAおよびBの燃料電池1の出力密度は、延出電極18CEが接続された第1方向D1の熱伝導率が第2方向D2の熱伝導率より低いカソード集電部18Cを備えたサンプルDの燃料電池1の出力密度より高くなることが確認された。
【0079】
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したりする等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0080】
なお、燃料電池1は、電解質膜17の一方の面に単一のアノード13を有するとともに他方の面に単一のカソード16を有する膜電極接合体2を集電体によって保持した構成でもよく、電解質膜17の一方の面に複数のアノード13を有するとともに他方の面に複数のカソード16を有する膜電極接合体2を集電体18によって保持するとともに電気的に直列に接続する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…燃料電池 2…膜電極接合体 3…燃料供給機構 11…アノード触媒層 12…アノードガス拡散層 13…アノード 14…カソード触媒層 15…カソードガス拡散層 16…カソード 17…電解質膜 18A…アノード集電部 18C…カソード集電部 18C1…導電層 18…集電体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置されたアノード触媒層および前記アノード触媒層に積層されたアノードガス拡散層を有するアノードと、前記電解質膜の他方の面に配置されたカソード触媒層および前記カソード触媒層に積層されたカソードガス拡散層を有するカソードと、によって構成された膜電極接合体と、
前記アノードガス拡散層に接触するアノード集電部と、その面内において第1方向の熱伝導率が第1方向に直交する第2方向の熱伝導率より高い高熱伝導性熱伝導体によって形成されるとともに前記カソードガス拡散層に接触するカソード集電部と、前記カソード集電部から第1方向に向かって延びた延出電極と、を有する集電体と、
を備えたことを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
前記高熱伝導性熱伝導体は、高熱伝導性カーボンであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記カソード集電部は、前記延出電極に向かって厚さが厚くなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項4】
電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配置されたアノード触媒層および前記アノード触媒層に積層されたアノードガス拡散層を有するアノードと、前記電解質膜の他方の面に配置されたカソード触媒層および前記カソード触媒層に積層されたカソードガス拡散層を有するカソードと、によって構成された膜電極接合体と、
前記アノードガス拡散層に接触するアノード集電部と、その面内において第1方向の熱伝導率が第1方向に直交する第2方向の熱伝導率より高い高熱伝導性熱伝導体によって形成された第1導電層および前記第1導電層と前記カソードガス拡散層との間に配置されるとともに前記カソードガス拡散層と接触する第2導電層を有するカソード集電部と、前記カソード集電部から第1方向に向かって延びた延出電極と、を有する集電体と、
を備えたことを特徴とする燃料電池。
【請求項5】
前記高熱伝導性熱伝導体は、高熱伝導性カーボンであることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
【請求項6】
前記第1導電層は、前記延出電極に向かって厚さが厚くなるように形成されるとともに第1主平面を有し、
前記第2導電層は、前記延出電極に向かって厚さが薄くなるように形成されるとともに前記第1導電層の第1主平面に接触する第2主平面を有することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
【請求項7】
前記第1導電層の第1方向の熱伝導率は、前記第2導電層の熱伝導率より高いことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
【請求項8】
前記高熱伝導性熱伝導体は、その厚さ方向の熱伝導率が第2方向の熱伝導率より高いことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の燃料電池。
【請求項9】
前記高熱伝導性熱伝導体は、第1方向の熱伝導率が500〜2000W/mkであることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の燃料電池。
【請求項10】
前記延出電極は、前記高熱伝導性カーボンによって形成されるとともに前記カソード集電部と一体に形成されることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の燃料電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−257700(P2010−257700A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105266(P2009−105266)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000221339)東芝電子エンジニアリング株式会社 (238)
【Fターム(参考)】