燃料電池
【課題】比較的高価なセパレータを良好に小型化することができ、コストの削減を図るとともに、電解質・電極構造体の剛性を有効に向上させることを可能にする。
【解決手段】燃料電池10を構成するセルユニット12は、第1電解質膜・電極構造体14、第1セパレータ16、第2電解質膜・電極構造体18及び第2セパレータ20を備える。第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18は、外周に額縁部28a、28bを有し、前記額縁部28a、28bには、流体連通孔が積層方向に貫通形成される。額縁部28a、28bは、外周端部を周回して肉厚部28aa、28baを設けるとともに、前記肉厚部28aa、28baは、前記外周端部を除く他の部位に対して最も大きな厚さ寸法を有する。
【解決手段】燃料電池10を構成するセルユニット12は、第1電解質膜・電極構造体14、第1セパレータ16、第2電解質膜・電極構造体18及び第2セパレータ20を備える。第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18は、外周に額縁部28a、28bを有し、前記額縁部28a、28bには、流体連通孔が積層方向に貫通形成される。額縁部28a、28bは、外周端部を周回して肉厚部28aa、28baを設けるとともに、前記肉厚部28aa、28baは、前記外周端部を除く他の部位に対して最も大きな厚さ寸法を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体を、第1セパレータ及び第2セパレータで挟持したセルユニットを備える燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池では、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒層と多孔質カーボンからなるアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(以下、MEAともいう)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持することにより単位セルが構成されている。通常、この単位セルを所定数だけ積層した燃料電池スタックが、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
【0003】
一般的に、燃料電池は、セパレータの積層方向に貫通する入口連通孔及び出口連通孔が設けられた、所謂、内部マニホールドを構成している。そして、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体は、それぞれの入口連通孔から電極面方向に沿って形成された燃料ガス流路、酸化剤ガス流路及び冷却媒体流路に供給された後、それぞれの出口連通孔に排出されている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池用セパレータは、図16に示すように、セパレータ板1を備えている。セパレータ板1は、金属板により構成されており、その表裏面に多数の突起2a、2bがエンボス加工乃至ディンプル加工により形成されている。セパレータ板1には、突起2a、2bが形成された領域の外側に、それぞれガスマニホールドを装填するためのマニホールド装填口3a、3b、3c及び3dが貫通形成されている。
【0005】
マニホールド装填口3a、3b、3c及び3dは、例えば、燃料ガス導入マニホールド、酸化剤ガス導入マニホールド、燃料ガス排出マニホールド及び酸化剤ガス排出マニホールドとして使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−222237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のセパレータ板1では、マニホールド装填口3a、3b、3c及び3dが貫通形成されるため、前記セパレータ板1の面積が相当に大きくなってしまう。これにより、特に高価なステンレス等の素材の使用量が増大し、部品単価が高騰するという問題がある。
【0008】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、比較的高価なセパレータを良好に小型化することができ、コストの削減を図るとともに、電解質・電極構造体の剛性を有効に向上させることが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体を、第1セパレータ及び第2セパレータで挟持したセルユニットを備える燃料電池に関するものである。
【0010】
この燃料電池では、電解質・電極構造体の外周には、高分子材料で形成される枠部材が一体に設けられ、前記枠部材には、反応ガス入口連通孔、反応ガス出口連通孔、冷却媒体入口連通孔及び冷却媒体出口連通孔を含む流体連通孔が積層方向に貫通して形成される一方、前記積層方向に隣接する前記枠部材間には、前記流体連通孔及び反応面外周を周回して密封するシール部材が介装されている。
【0011】
そして、第1セパレータ及び第2セパレータは、それぞれ外形が同一形状を有する2枚のプレートを備え、且つ前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの外周端は、流体連通孔よりも内側に配置されるとともに、枠部材は、少なくとも最外周又は前記流体連通孔の周囲に、厚さ方向に突出するリブ部の部位を有している。
【0012】
また、この燃料電池では、セルユニットは、第1の電解質・電極構造体、第1セパレータ、第2の電解質・電極構造体及び第2セパレータを備え、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、それぞれ2枚のプレートを接合して構成されるとともに、2枚の前記プレート間には、冷却媒体をセパレータ面方向に流通させる冷却媒体流路が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、電解質・電極構造体の外周に設けられる枠部材には、流体連通孔が積層方向に貫通して形成されるため、第1セパレータ及び第2セパレータには、前記流体連通孔を設ける必要がない。
【0014】
従って、第1セパレータ及び第2セパレータは、発電領域に対応する外形寸法に設定することができ、小型軽量化が容易に図られ、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの製造コストを削減することができる。これにより、第1セパレータ及び第2セパレータを効率的に製造することが可能になり、燃料電池全体を経済的に得ることができる。
【0015】
しかも、枠部材は、少なくとも最外周又は流体連通孔の周囲に、厚さ方向に突出するリブ部を有している。このため、電解質・電極構造体及び枠部材の薄肉化を図るとともに、前記電解質・電極構造体全体の剛性を確保することが可能になる。従って、比較的高価なセパレータを良好に小型化することができ、コストの削減を図るとともに、電解質・電極構造体の剛性を有効に向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池の、図1中、II−II線断面図である。
【図3】前記燃料電池を構成する第1電解質膜・電極構造体のカソード面の説明図である。
【図4】前記第1電解質膜・電極構造体のアノード面の説明図である。
【図5】前記燃料電池を構成する第2電解質膜・電極構造体のカソード面の説明図である。
【図6】前記第2電解質膜・電極構造体のアノード面の説明図である。
【図7】前記燃料電池を構成する第1セパレータのカソード面の説明図である。
【図8】前記第1セパレータのアノード面の説明図である。
【図9】前記燃料電池を構成する第2セパレータのカソード面の説明図である。
【図10】前記第2セパレータのアノード面の説明図である。
【図11】前記燃料電池の、図1中、XI−XI線断面図である。
【図12】前記燃料電池の、図1中、XII−XII線断面図である。
【図13】前記燃料電池の、図1中、XIII−XIII線断面図である。
【図14】前記燃料電池の、図1中、XIV−XIV線断面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の要部断面説明図である。
【図16】特許文献1の燃料電池用セパレータの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10は、複数のセルユニット12を矢印A方向(水平方向)に積層して構成される。
【0018】
セルユニット12は、第1電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)14、第1セパレータ16、第2電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)18及び第2セパレータ20を備える。セルユニット12が積層されることにより、第1電解質膜・電極構造体14は、第2及び第1セパレータ20、16に挟持される一方、第2電解質膜・電極構造体18は、前記第1及び第2セパレータ16、20に挟持される。
【0019】
第1電解質膜・電極構造体14と第2電解質膜・電極構造体18とは、それぞれ、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(電解質)22と、前記固体高分子電解質膜22を挟持するカソード側電極24及びアノード側電極26とを備える(図2参照)。
【0020】
固体高分子電解質膜22は、カソード側電極24及びアノード側電極26と同一の表面積に設定される。第1電解質膜・電極構造体14では、固体高分子電解質膜22は、カソード側電極24及びアノード側電極26と同一の表面積に設定される。なお、固体高分子電解質膜22の外周部が、カソード側電極24及びアノード側電極26よりも突出してもよく、また、前記カソード側電極24と前記アノード側電極26の表面積が異なっていてもよい。
【0021】
第1電解質膜・電極構造体14では、固体高分子電解質膜22、カソード側電極24及びアノード側電極26の外周端縁部には、絶縁性を有する高分子材料で形成される額縁部(枠部材)28aが、例えば、射出成形により一体成形される。第2電解質膜・電極構造体18では、同様に固体高分子電解質膜22、カソード側電極24及びアノード側電極26の外周端縁部には、高分子材料で形成される額縁部(枠部材)28bが、例えば、射出成形により一体成形される。高分子材料としては、汎用プラスチックの他、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチック等が採用される。
【0022】
カソード側電極24及びアノード側電極26は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成された電極触媒層(図示せず)とを有する。
【0023】
図1に示すように、額縁部28a、28bの矢印C方向(鉛直方向)の一端縁部(上端縁部)には、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔32a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔34aが、矢印B方向(水平方向)に配列して設けられる。
【0024】
額縁部28a、28bの矢印C方向の他端縁部(下端縁部)には、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔34b、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔30bが、矢印B方向に配列して設けられる。
【0025】
図3に示すように、額縁部28aには、第1電解質膜・電極構造体14のカソード面(カソード側電極24が設けられる面)14a側の上部に、酸化剤ガス入口連通孔30aの下方近傍に位置して複数の入口凸部36a及び入口溝部37aが設けられる。額縁部28aのカソード面14a側の上部には、冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ酸化剤ガス入口連通孔30aに近接して複数の入口溝部38aが設けられるとともに、前記冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ燃料ガス入口連通孔34aに近接して複数の入口孔部40aが貫通形成される。
【0026】
額縁部28aのカソード面14a側の下部には、酸化剤ガス出口連通孔30bの上方近傍に位置して複数の出口凸部36b及び出口溝部37bが設けられる。額縁部28aのカソード面14a側の下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ酸化剤ガス出口連通孔30bに近接して複数の出口溝部38bが設けられるとともに、前記冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ燃料ガス出口連通孔34bに近接して複数の出口孔部40bが貫通形成される。
【0027】
図4に示すように、額縁部28aには、第1電解質膜・電極構造体14のアノード面(アノード側電極26が設けられる面)14b側の上部に、冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ燃料ガス入口連通孔34aに近接して複数の入口溝部42aが設けられる。入口溝部42aの下方近傍には、複数の入口孔部40aが貫通形成される。額縁部28aには、燃料ガス入口連通孔34aの下方に位置して複数の入口溝部46aが設けられる。
【0028】
額縁部28aのアノード面14b側の下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ燃料ガス出口連通孔34bに近接して複数の出口溝部42bが設けられる。出口溝部42bの上方近傍には、複数の出口孔部40bが貫通形成される。額縁部28aには、燃料ガス出口連通孔34bの上方に位置して複数の出口溝部46bが設けられる。
【0029】
額縁部28aのアノード面14b側には、外側シール部材(外側シールライン)48及び内側シール部材(内側シールライン)50が一体又は別体に成形される。外側シール部材48及び内側シール部材50には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。なお、以下に説明する各シール部材は、上記の外側シール部材48及び内側シール部材50と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0030】
外側シール部材48は、額縁部28aの外周縁部から全流体連通孔である酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bの外周並びに反応面(発電面)外周を周回する。この外側シール部材48は、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bを囲繞する。外側シール部材48により、入口溝部42a及び入口孔部40aが、冷却媒体入口連通孔32aと一体に囲繞され、出口溝部42b及び出口孔部40bが、冷却媒体出口連通孔32bと一体に囲繞される。
【0031】
内側シール部材50は、外側シール部材48の内方に位置するとともに、アノード側電極26と入口溝部46a及び出口溝部46bとを一体に囲繞する。
【0032】
内側シール部材50は、第1セパレータ16の外形形状に対応する輪郭線に沿って設けられ、前記第1セパレータ16の外周端縁面全周(セパレータ面内)に接する。外側シール部材48は、第1セパレータ16の外周端外方(セパレータ面外)に配置される。外側シール部材48及び内側シール部材50により、全流体連通孔が周回密封される。
【0033】
図3に示すように、額縁部28aのカソード面14a側には、入口孔部40aを囲繞するリング状入口シール部材52aと、出口孔部40bを囲繞するリング状出口シール部材52bとが設けられる。
【0034】
図5に示すように、額縁部28bには、第2電解質膜・電極構造体18のカソード面(カソード側電極24が設けられる面)18a側の上部に、酸化剤ガス入口連通孔30aの下方近傍に位置して複数の入口凸部54a及び複数の入口溝部56aが設けられる。
【0035】
額縁部28bのカソード面18a側の上部には、冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ燃料ガス入口連通孔34aに近接して複数の入口溝部58aが設けられるとともに、前記冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ酸化剤ガス入口連通孔30aに近接して複数の入口孔部60aが形成される。第2電解質膜・電極構造体18の入口孔部60aは、第1電解質膜・電極構造体14の入口孔部40aと積層方向に互いに重なり合わない位置にオフセットして配置される。
【0036】
額縁部28bのカソード面18a側の上部には、燃料ガス入口連通孔34aの下方近傍に位置して複数の入口溝部62aが設けられるとともに、前記入口溝部62aの下端部には、複数の入口孔部64aが貫通形成される。各入口孔部64aの下方には、所定の間隔だけ離間して複数の入口孔部66aが貫通形成される。
【0037】
額縁部28bのカソード面18a側の下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ燃料ガス出口連通孔34bに近接して複数の出口溝部58bが設けられるとともに、前記冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ酸化剤ガス出口連通孔30bに近接して複数の出口孔部60bが形成される。第2電解質膜・電極構造体18の出口孔部60bは、第1電解質膜・電極構造体14の出口孔部40bと積層方向に互いに重なり合わない位置にオフセットして配置される。
【0038】
額縁部28bのカソード面18a側の下部には、燃料ガス出口連通孔34bの上方近傍に位置して複数の出口溝部62bが設けられるとともに、前記出口溝部62bの上端部には、複数の出口孔部64bが貫通形成される。各出口孔部64bの上方には、所定の間隔だけ離間して複数の出口孔部66bが貫通形成される。
【0039】
図6に示すように、額縁部28bには、第2電解質膜・電極構造体18のアノード面(アノード側電極26が設けられる面)18b側の上部に、冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ酸化剤ガス入口連通孔30aに近接して複数の入口溝部68aが設けられる。入口溝部68aの下方近傍には、複数の入口孔部60aが貫通形成される。額縁部28bには、燃料ガス入口連通孔34aの下方に位置して入口孔部64a、66aを連通する複数の入口溝部72aが設けられる。
【0040】
額縁部28bのアノード面18b側の下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ酸化剤ガス出口連通孔30bに近接して複数の出口溝部68bが設けられる。出口溝部68bの上方近傍には、複数の出口孔部60bが形成される。燃料ガス出口連通孔34bの上方に位置して出口孔部64b、66bを連通する複数の出口溝部72bが設けられる。
【0041】
額縁部28bには、アノード面18b側に外側シール部材(外側シールライン)74及び内側シール部材(内側シールライン)76が一体又は別体に成形される。外側シール部材74は、額縁部28bの外周縁部から全流体連通孔である酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bの外周並びに反応面外周を周回する。
【0042】
外側シール部材74は、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bを囲繞する。外側シール部材74により、入口溝部68a及び入口孔部60aが、冷却媒体入口連通孔32aと一体に囲繞され、出口溝部68b及び出口孔部60bが、冷却媒体出口連通孔32bと一体に囲繞される。
【0043】
内側シール部材76は、外側シール部材74の内方に位置するとともに、アノード側電極26と入口孔部64a、66a、入口溝部72a、出口孔部64b、66b及び出口溝部72bとを一体に囲繞する。
【0044】
内側シール部材76は、第2セパレータ20の外形形状に対応する輪郭線に沿って設けられ、前記第2セパレータ20の外周端縁面全周に接する。外側シール部材74は、第2セパレータ20の外周端外方に配置される。外側シール部材74及び内側シール部材76により、全流体連通孔が周回密封される。
【0045】
図5に示すように、額縁部28bのカソード面18a側には、入口孔部60a、66aを囲繞するリング状入口シール部材78a、80aと、出口孔部60b、66bを囲繞するリング状出口シール部材78b、80bとが設けられる。
【0046】
第1及び第2セパレータ16、20は、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34b(全流体連通孔)の内方に配置される寸法に設定される。
【0047】
図2に示すように、第1セパレータ16は、外形が同一形状を有して互いに積層される2枚の金属プレート(例えば、ステンレスプレート)82a、82bを備え、前記金属プレート82a、82bは、外周縁部を、例えば、溶接や接着により一体化され、且つ内部が密閉される。金属プレート82aには、カソード側電極24に対向して酸化剤ガス流路84が形成されるとともに、金属プレート82bには、アノード側電極26に対向して燃料ガス流路86が形成される。金属プレート82a、82b間には、冷却媒体流路88が形成される。
【0048】
図7に示すように、第1セパレータ16は、金属プレート82aの面内に、矢印C方向(鉛直方向)に延在する複数の流路溝を有した酸化剤ガス流路84を設ける。酸化剤ガス流路84の上流及び下流には、入口バッファ部86a及び出口バッファ部86bが設けられる。入口バッファ部86aの上方には、酸化剤ガス入口連通孔30aの下方に位置して複数の入口溝部88aが形成される。出口バッファ部86bの下方には、酸化剤ガス出口連通孔30bの上方に位置して複数の出口溝部88bが形成される。
【0049】
金属プレート82aの上部には、第2電解質膜・電極構造体18の複数の入口孔部60aに連通する複数の穴部90aと、前記第2電解質膜・電極構造体18の入口孔部66aに連通する複数の孔部92aとが形成される。孔部92aは、金属プレート82bにも形成されて第1セパレータ16を貫通する。
【0050】
金属プレート82aの下部には、第2電解質膜・電極構造体18の複数の出口孔部60bに連通する複数の穴部90bと、前記第2電解質膜・電極構造体18の出口孔部66bに連通する複数の孔部92bとが形成される。孔部92bは、金属プレート82bにも形成されて第1セパレータ16を貫通する。
【0051】
第1セパレータ16は、第1電解質膜・電極構造体14の入口孔部40aを避けるための上部逃げ部94aと、前記第1電解質膜・電極構造体14の出口孔部40bを避けるための下部逃げ部94bとを設ける。
【0052】
図8に示すように、第1セパレータ16は、金属プレート82bの面内に、矢印C方向(鉛直方向)に延在する複数の流路溝を有した燃料ガス流路86を設ける。燃料ガス流路86の上流及び下流には、入口バッファ部96a及び出口バッファ部96bが設けられる。入口バッファ部96aの上方には、酸化剤ガス入口連通孔30aの下方に位置して複数の入口溝部98aと、冷却媒体入口連通孔32aの下方に位置して複数の入口溝部100aとが形成される。入口溝部100aは、第1セパレータ16の内部に冷却媒体通路を形成するための凹凸構造である。
【0053】
出口バッファ部96bの下方には、酸化剤ガス出口連通孔30bの上方に位置して複数の出口溝部98bと、冷却媒体出口連通孔32bの上方に位置して複数の出口溝部100bとが形成される。出口溝部100bは、第1セパレータ16の内部に冷却媒体通路を形成するための凹凸構造である。
【0054】
図2に示すように、第2セパレータ20は、外形が同一形状を有して互いに積層される2枚の金属プレート(例えば、ステンレスプレート)102a、102bを備え、前記金属プレート102a、102bは、外周縁部を、例えば、溶接や接着により一体化され、且つ内部が密閉される。金属プレート102aには、カソード側電極24に対向して酸化剤ガス流路84が形成されるとともに、金属プレート102bには、アノード側電極26に対向して燃料ガス流路86が形成される。金属プレート102a、102b間には、冷却媒体流路88が形成される。
【0055】
図9に示すように、第2セパレータ20は、金属プレート102aの面内に、矢印C方向(鉛直方向)に延在する複数の流路溝を有した酸化剤ガス流路84を設ける。酸化剤ガス流路84の上流及び下流には、入口バッファ部104a及び出口バッファ部104bが設けられる。金属プレート102aの上方には、第1電解質膜・電極構造体14の複数の入口孔部40aに連通する複数の穴部106aが形成される。金属プレート102aの下部には、第1電解質膜・電極構造体14の複数の出口孔部40bに連通する複数の穴部106bが形成される。
【0056】
第2セパレータ20は、第2電解質膜・電極構造体18の入口孔部60aを避けるための上部逃げ部108aと、前記第2電解質膜・電極構造体18の出口孔部60bを避けるための下部逃げ部108bとを設ける。
【0057】
図10に示すように、第2セパレータ20は、金属プレート102bの面内に、矢印C方向(鉛直方向)に延在する複数の流路溝を有した燃料ガス流路86を設ける。燃料ガス流路86の上流及び下流には、入口バッファ部110a及び出口バッファ部110bが設けられる。
【0058】
金属プレート102bの上部には、冷却媒体入口連通孔32aの下方に位置して複数の入口溝部112aが形成される一方、前記金属プレート102bの下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方に位置して複数の出口溝部112bが形成される。入口溝部112a及び出口溝部112bは、それぞれ第2セパレータ20の内部に冷却媒体通路を形成するための凹凸構造である。
【0059】
第1の実施形態では、図2〜図4に示すように、額縁部28aは、最外周の部位に、すなわち、外周端部を周回して肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)28aaを設ける。図2に示すように、額縁部28aの他の部位(MEA当接部位28a1、シール成形部位28a2、外周端部隣接部位28a3及び連通孔内周隣接部位等、多くの部位を含み、特定部位ではない)に対して、肉厚部28aaの厚さh1は、最も大きな厚さ寸法に設定される。
【0060】
図3、図4及び図11〜図14に示すように、額縁部28aは、流体連通孔の周囲の部位に、すなわち、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bを周回して肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)28abを設ける。図11〜図14に示すように、額縁部28aの外周端部を除く他の部位に対して、肉厚部28abの厚さh2は、最も大きな厚さ寸法に設定される。
【0061】
第1の実施形態では、図2、図5及び図6に示すように、額縁部28bは、最外周の部位に、すなわち、外周端部を周回して肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)28baを設ける。図2に示すように、額縁部28bの外周端部を除く他の部位に対して、肉厚部28baの厚さh3は、最も大きな厚さ寸法に設定される。
【0062】
図5、図6及び図11〜図14に示すように、額縁部28bは、流体連通孔の周囲の部位に、すなわち、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bを周回して肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)28bbを設ける。図11〜図14に示すように、額縁部28bの外周端部を除く他の部位に対して、肉厚部28bbの厚さh4は、最も大きな厚さ寸法に設定される。
【0063】
なお、第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18は、所望の剛性を確保できるものであれば、例えば、肉厚部28aa、28abの少なくともいづれか一方のみ、肉厚部28ba、28bbの少なくともいづれか一方のみを設けることが可能である。
【0064】
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
【0065】
図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aには、純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。
【0066】
各セルユニット12では、酸化剤ガス入口連通孔30aに供給された酸化剤ガスが、図1及び図11に示すように、第1電解質膜・電極構造体14の入口凸部36a間と第2電解質膜・電極構造体18の入口凸部54a間から入口溝部56aとに導入される。
【0067】
入口凸部36aに導入された酸化剤ガスは、入口溝部37aを通って前記第2セパレータ20の酸化剤ガス流路84に供給される。酸化剤ガス流路84に供給された酸化剤ガスは、第1電解質膜・電極構造体14のカソード側電極24に供給された後、残余の酸化剤ガスは、出口凸部36b間から酸化剤ガス出口連通孔30bに排出される。
【0068】
一方、入口溝部56a間に導入された酸化剤ガスは、第2電解質膜・電極構造体18と第1セパレータ16との間の入口溝部88aを通って前記第1セパレータ16の酸化剤ガス流路84に供給される。酸化剤ガス流路84に供給された酸化剤ガスは、第2電解質膜・電極構造体18のカソード側電極24に供給された後、残余の酸化剤ガスは、出口溝部88b、56bから出口凸部54b間を通って酸化剤ガス出口連通孔30bに排出される。
【0069】
また、燃料ガス入口連通孔34aに供給された燃料ガスは、図1及び図12に示すように、第2電解質膜・電極構造体18のカソード側の入口溝部62aに導入される。燃料ガスは、入口溝部62aから入口孔部64aを通ってアノード側に移動し、一部分が入口溝部72aから第2セパレータ20の燃料ガス流路86に供給される。
【0070】
燃料ガスの残余の部分は、入口孔部66a及び第1セパレータ16の孔部92aを通って前記第1セパレータ16と第1電解質膜・電極構造体14との間に導入され、前記1セパレータ16の燃料ガス流路86に供給される。
【0071】
第2セパレータ20の燃料ガス流路86を流通した使用済みの燃料ガスは、出口溝部72bに排出され、さらに出口孔部64bから出口溝部62bを通って燃料ガス出口連通孔34bに排出される。一方、第1セパレータ16の燃料ガス流路86を流通した使用済みの燃料ガスは、孔部92bから出口孔部66bを通って出口溝部72bに排出され、同様に燃料ガス出口連通孔34bに排出される。
【0072】
これにより、第1電解質膜・電極構造体14及び第2電解質膜・電極構造体18では、それぞれカソード側電極24に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極26に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
【0073】
さらにまた、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体の一部は、図1及び図13に示すように、第1電解質膜・電極構造体14の入口溝部42aに導入され、入口溝部58aから入口孔部40aに供給される。冷却媒体は、入口孔部40aから第2セパレータ20の穴部106aを通って前記第2セパレータ20の内部に導入される。
【0074】
冷却媒体は、第2セパレータ20内を入口溝部112aに沿って流通し、冷却媒体流路88に供給された後、出口溝部112bから穴部106bを通って前記第2セパレータ20から排出される。さらに、この冷却媒体は、出口孔部40bから出口溝部58b、42bを通って冷却媒体出口連通孔32bに排出される。
【0075】
一方、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体の他の一部は、図1及び図14に示すように、第2電解質膜・電極構造体18の入口溝部68aに導入され、入口溝部38aから入口孔部60aに供給される。冷却媒体は、入口孔部60aから第1セパレータ16の穴部90aを通って前記第1セパレータ16内部に導入される。
【0076】
冷却媒体は、第1セパレータ16内を入口溝部100aに沿って流通し、冷却媒体流路88に供給された後、出口溝部100bから穴部90bを通って前記第1セパレータ16から排出される。さらに、この冷却媒体は、出口孔部60bから出口溝部38b、68bを通って冷却媒体出口連通孔32bに排出される。
【0077】
このため、第1電解質膜・電極構造体14及び第2電解質膜・電極構造体18は、第1セパレータ16内の冷却媒体流路88及び第2セパレータ20内の冷却媒体流路88を流通する冷却媒体により冷却される。
【0078】
この場合、第1の実施形態では、第1電解質膜・電極構造体14を構成する額縁部28a及び第2電解質膜・電極構造体18を構成する額縁部28bには、全流体連通孔である酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bが積層方向に貫通して形成されている。
【0079】
このため、第1セパレータ16及び第2セパレータ20には、流体連通孔を設ける必要がなく、前記第1セパレータ16及び前記第2セパレータ20は、発電領域に対応する外形寸法に設定することができる。従って、第1セパレータ16及び第2セパレータ20は、小型軽量化が容易に図られ、前記第1セパレータ16及び前記第2セパレータ20の製造コストを削減することが可能になる。
【0080】
これにより、第1セパレータ16及び第2セパレータ20を効率的に製造することができ、燃料電池10全体を経済的に得ることが可能になるという利点が得られる。
【0081】
さらに、図2に示すように、第1電解質膜・電極構造体14を構成する額縁部28aは、外周端部を周回して該外周端部を除く他の部位よりも厚さ方向に大きな厚さh1を有する肉厚部28aaを設けている。同様に、第2電解質膜・電極構造体18を構成する額縁部28bは、外周端部を周回して該外周端部を除く他の部位よりも厚さ方向に大きな厚さh3を有する肉厚部28baを設けている。
【0082】
このため、第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18及び額縁部28a、28bの薄肉化が図られるとともに、前記第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18全体の剛性を確保することが可能になる。従って、比較的高価な第1セパレータ16及び第2セパレータ20を良好に小型化することができ、コストの削減を図るとともに、第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18の剛性を有効に向上させることが可能になるという効果が得られる。
【0083】
一方、図11〜図14に示すように、額縁部28a、28bには、流体連通孔の周囲の部位に、該周囲を除く他の部位よりも厚さ方向に大きな厚さh2、h4を有する肉厚部28ab、28bbを設けている。これにより、第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18の薄肉化を図るとともに、剛性を有効に向上させることが可能になる等の効果が得られる。
【0084】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池120の要部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0085】
燃料電池120は、複数のセルユニット122を積層して構成されるとともに、前記セルユニット122は、第1電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)124、第1セパレータ16、第2電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)126及び第2セパレータ20を備える。
【0086】
第1電解質膜・電極構造体124及び第2電解質膜・電極構造体126は、絶縁性を有する高分子材料で形成される額縁部(枠部材)128a及び額縁部(枠部材)128bを設ける。
【0087】
額縁部128a、128bは、固体高分子電解質膜22、カソード側電極24及びアノード側電極26の外周端縁部に、これらの積層方向の全体厚さと同一の厚さh5、h6を有する連結部位(他の部位)が連結されるとともに、前記連結部位の外方には、該連結部位の厚さh5、h6よりも大きな寸法に設定された厚さh7、h8(h7>h5、h8>h6)を有する肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)128aa、128baが設けられる。
【0088】
肉厚部128aa、128baは、額縁部128a、128bの外周端部を周回するとともに、流体連通孔(酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34b)を周回する。
【0089】
額縁部128aの両面には、外側シール部材(外側シールライン)48a、48b及び内側シール部材(内側シールライン)50a、50bが一体又は別体に成形される。額縁部128bの両面には、外側シール部材(外側シールライン)74a、74b及び内側シール部材(内側シールライン)76a、76bが一体又は別体に成形される。
【0090】
このように構成される第2の実施形態では、コストの削減を図るとともに、第1及び第2電解質膜・電極構造体124、126の剛性を有効に向上させることが可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0091】
10、120…燃料電池 12、122…セルユニット
14、18、124、126…電解質膜・電極構造体
16、20…セパレータ 22…固体高分子電解質膜
24…カソード側電極 26…アノード側電極
28a、28b、128a、128b…額縁部
28aa、28ab、28ba、28bb、128aa、128ba…肉厚部
30a…酸化剤ガス入口連通孔 30b…酸化剤ガス出口連通孔
32a…冷却媒体入口連通孔 32b…冷却媒体出口連通孔
34a…燃料ガス入口連通孔 34b…燃料ガス出口連通孔
36a、54a…入口凸部 36b、54b…出口凸部
40a、60a、64a、66a…入口孔部
40b、60b、64b、66b…出口孔部
48、74…外側シール部材 50、76…内側シール部材
82a、82b、102a、102b…金属プレート
84…酸化剤ガス流路 86…燃料ガス流路
88…冷却媒体流路
90a、90b、106a、106b…穴部
92a、92b…孔部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体を、第1セパレータ及び第2セパレータで挟持したセルユニットを備える燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池では、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒層と多孔質カーボンからなるアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(以下、MEAともいう)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持することにより単位セルが構成されている。通常、この単位セルを所定数だけ積層した燃料電池スタックが、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
【0003】
一般的に、燃料電池は、セパレータの積層方向に貫通する入口連通孔及び出口連通孔が設けられた、所謂、内部マニホールドを構成している。そして、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体は、それぞれの入口連通孔から電極面方向に沿って形成された燃料ガス流路、酸化剤ガス流路及び冷却媒体流路に供給された後、それぞれの出口連通孔に排出されている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池用セパレータは、図16に示すように、セパレータ板1を備えている。セパレータ板1は、金属板により構成されており、その表裏面に多数の突起2a、2bがエンボス加工乃至ディンプル加工により形成されている。セパレータ板1には、突起2a、2bが形成された領域の外側に、それぞれガスマニホールドを装填するためのマニホールド装填口3a、3b、3c及び3dが貫通形成されている。
【0005】
マニホールド装填口3a、3b、3c及び3dは、例えば、燃料ガス導入マニホールド、酸化剤ガス導入マニホールド、燃料ガス排出マニホールド及び酸化剤ガス排出マニホールドとして使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−222237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のセパレータ板1では、マニホールド装填口3a、3b、3c及び3dが貫通形成されるため、前記セパレータ板1の面積が相当に大きくなってしまう。これにより、特に高価なステンレス等の素材の使用量が増大し、部品単価が高騰するという問題がある。
【0008】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、比較的高価なセパレータを良好に小型化することができ、コストの削減を図るとともに、電解質・電極構造体の剛性を有効に向上させることが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体を、第1セパレータ及び第2セパレータで挟持したセルユニットを備える燃料電池に関するものである。
【0010】
この燃料電池では、電解質・電極構造体の外周には、高分子材料で形成される枠部材が一体に設けられ、前記枠部材には、反応ガス入口連通孔、反応ガス出口連通孔、冷却媒体入口連通孔及び冷却媒体出口連通孔を含む流体連通孔が積層方向に貫通して形成される一方、前記積層方向に隣接する前記枠部材間には、前記流体連通孔及び反応面外周を周回して密封するシール部材が介装されている。
【0011】
そして、第1セパレータ及び第2セパレータは、それぞれ外形が同一形状を有する2枚のプレートを備え、且つ前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの外周端は、流体連通孔よりも内側に配置されるとともに、枠部材は、少なくとも最外周又は前記流体連通孔の周囲に、厚さ方向に突出するリブ部の部位を有している。
【0012】
また、この燃料電池では、セルユニットは、第1の電解質・電極構造体、第1セパレータ、第2の電解質・電極構造体及び第2セパレータを備え、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、それぞれ2枚のプレートを接合して構成されるとともに、2枚の前記プレート間には、冷却媒体をセパレータ面方向に流通させる冷却媒体流路が形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、電解質・電極構造体の外周に設けられる枠部材には、流体連通孔が積層方向に貫通して形成されるため、第1セパレータ及び第2セパレータには、前記流体連通孔を設ける必要がない。
【0014】
従って、第1セパレータ及び第2セパレータは、発電領域に対応する外形寸法に設定することができ、小型軽量化が容易に図られ、前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの製造コストを削減することができる。これにより、第1セパレータ及び第2セパレータを効率的に製造することが可能になり、燃料電池全体を経済的に得ることができる。
【0015】
しかも、枠部材は、少なくとも最外周又は流体連通孔の周囲に、厚さ方向に突出するリブ部を有している。このため、電解質・電極構造体及び枠部材の薄肉化を図るとともに、前記電解質・電極構造体全体の剛性を確保することが可能になる。従って、比較的高価なセパレータを良好に小型化することができ、コストの削減を図るとともに、電解質・電極構造体の剛性を有効に向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の分解斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池の、図1中、II−II線断面図である。
【図3】前記燃料電池を構成する第1電解質膜・電極構造体のカソード面の説明図である。
【図4】前記第1電解質膜・電極構造体のアノード面の説明図である。
【図5】前記燃料電池を構成する第2電解質膜・電極構造体のカソード面の説明図である。
【図6】前記第2電解質膜・電極構造体のアノード面の説明図である。
【図7】前記燃料電池を構成する第1セパレータのカソード面の説明図である。
【図8】前記第1セパレータのアノード面の説明図である。
【図9】前記燃料電池を構成する第2セパレータのカソード面の説明図である。
【図10】前記第2セパレータのアノード面の説明図である。
【図11】前記燃料電池の、図1中、XI−XI線断面図である。
【図12】前記燃料電池の、図1中、XII−XII線断面図である。
【図13】前記燃料電池の、図1中、XIII−XIII線断面図である。
【図14】前記燃料電池の、図1中、XIV−XIV線断面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の要部断面説明図である。
【図16】特許文献1の燃料電池用セパレータの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10は、複数のセルユニット12を矢印A方向(水平方向)に積層して構成される。
【0018】
セルユニット12は、第1電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)14、第1セパレータ16、第2電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)18及び第2セパレータ20を備える。セルユニット12が積層されることにより、第1電解質膜・電極構造体14は、第2及び第1セパレータ20、16に挟持される一方、第2電解質膜・電極構造体18は、前記第1及び第2セパレータ16、20に挟持される。
【0019】
第1電解質膜・電極構造体14と第2電解質膜・電極構造体18とは、それぞれ、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(電解質)22と、前記固体高分子電解質膜22を挟持するカソード側電極24及びアノード側電極26とを備える(図2参照)。
【0020】
固体高分子電解質膜22は、カソード側電極24及びアノード側電極26と同一の表面積に設定される。第1電解質膜・電極構造体14では、固体高分子電解質膜22は、カソード側電極24及びアノード側電極26と同一の表面積に設定される。なお、固体高分子電解質膜22の外周部が、カソード側電極24及びアノード側電極26よりも突出してもよく、また、前記カソード側電極24と前記アノード側電極26の表面積が異なっていてもよい。
【0021】
第1電解質膜・電極構造体14では、固体高分子電解質膜22、カソード側電極24及びアノード側電極26の外周端縁部には、絶縁性を有する高分子材料で形成される額縁部(枠部材)28aが、例えば、射出成形により一体成形される。第2電解質膜・電極構造体18では、同様に固体高分子電解質膜22、カソード側電極24及びアノード側電極26の外周端縁部には、高分子材料で形成される額縁部(枠部材)28bが、例えば、射出成形により一体成形される。高分子材料としては、汎用プラスチックの他、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチック等が採用される。
【0022】
カソード側電極24及びアノード側電極26は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成された電極触媒層(図示せず)とを有する。
【0023】
図1に示すように、額縁部28a、28bの矢印C方向(鉛直方向)の一端縁部(上端縁部)には、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔32a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔34aが、矢印B方向(水平方向)に配列して設けられる。
【0024】
額縁部28a、28bの矢印C方向の他端縁部(下端縁部)には、燃料ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔34b、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔32b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔30bが、矢印B方向に配列して設けられる。
【0025】
図3に示すように、額縁部28aには、第1電解質膜・電極構造体14のカソード面(カソード側電極24が設けられる面)14a側の上部に、酸化剤ガス入口連通孔30aの下方近傍に位置して複数の入口凸部36a及び入口溝部37aが設けられる。額縁部28aのカソード面14a側の上部には、冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ酸化剤ガス入口連通孔30aに近接して複数の入口溝部38aが設けられるとともに、前記冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ燃料ガス入口連通孔34aに近接して複数の入口孔部40aが貫通形成される。
【0026】
額縁部28aのカソード面14a側の下部には、酸化剤ガス出口連通孔30bの上方近傍に位置して複数の出口凸部36b及び出口溝部37bが設けられる。額縁部28aのカソード面14a側の下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ酸化剤ガス出口連通孔30bに近接して複数の出口溝部38bが設けられるとともに、前記冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ燃料ガス出口連通孔34bに近接して複数の出口孔部40bが貫通形成される。
【0027】
図4に示すように、額縁部28aには、第1電解質膜・電極構造体14のアノード面(アノード側電極26が設けられる面)14b側の上部に、冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ燃料ガス入口連通孔34aに近接して複数の入口溝部42aが設けられる。入口溝部42aの下方近傍には、複数の入口孔部40aが貫通形成される。額縁部28aには、燃料ガス入口連通孔34aの下方に位置して複数の入口溝部46aが設けられる。
【0028】
額縁部28aのアノード面14b側の下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ燃料ガス出口連通孔34bに近接して複数の出口溝部42bが設けられる。出口溝部42bの上方近傍には、複数の出口孔部40bが貫通形成される。額縁部28aには、燃料ガス出口連通孔34bの上方に位置して複数の出口溝部46bが設けられる。
【0029】
額縁部28aのアノード面14b側には、外側シール部材(外側シールライン)48及び内側シール部材(内側シールライン)50が一体又は別体に成形される。外側シール部材48及び内側シール部材50には、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材が用いられる。なお、以下に説明する各シール部材は、上記の外側シール部材48及び内側シール部材50と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
【0030】
外側シール部材48は、額縁部28aの外周縁部から全流体連通孔である酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bの外周並びに反応面(発電面)外周を周回する。この外側シール部材48は、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bを囲繞する。外側シール部材48により、入口溝部42a及び入口孔部40aが、冷却媒体入口連通孔32aと一体に囲繞され、出口溝部42b及び出口孔部40bが、冷却媒体出口連通孔32bと一体に囲繞される。
【0031】
内側シール部材50は、外側シール部材48の内方に位置するとともに、アノード側電極26と入口溝部46a及び出口溝部46bとを一体に囲繞する。
【0032】
内側シール部材50は、第1セパレータ16の外形形状に対応する輪郭線に沿って設けられ、前記第1セパレータ16の外周端縁面全周(セパレータ面内)に接する。外側シール部材48は、第1セパレータ16の外周端外方(セパレータ面外)に配置される。外側シール部材48及び内側シール部材50により、全流体連通孔が周回密封される。
【0033】
図3に示すように、額縁部28aのカソード面14a側には、入口孔部40aを囲繞するリング状入口シール部材52aと、出口孔部40bを囲繞するリング状出口シール部材52bとが設けられる。
【0034】
図5に示すように、額縁部28bには、第2電解質膜・電極構造体18のカソード面(カソード側電極24が設けられる面)18a側の上部に、酸化剤ガス入口連通孔30aの下方近傍に位置して複数の入口凸部54a及び複数の入口溝部56aが設けられる。
【0035】
額縁部28bのカソード面18a側の上部には、冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ燃料ガス入口連通孔34aに近接して複数の入口溝部58aが設けられるとともに、前記冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ酸化剤ガス入口連通孔30aに近接して複数の入口孔部60aが形成される。第2電解質膜・電極構造体18の入口孔部60aは、第1電解質膜・電極構造体14の入口孔部40aと積層方向に互いに重なり合わない位置にオフセットして配置される。
【0036】
額縁部28bのカソード面18a側の上部には、燃料ガス入口連通孔34aの下方近傍に位置して複数の入口溝部62aが設けられるとともに、前記入口溝部62aの下端部には、複数の入口孔部64aが貫通形成される。各入口孔部64aの下方には、所定の間隔だけ離間して複数の入口孔部66aが貫通形成される。
【0037】
額縁部28bのカソード面18a側の下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ燃料ガス出口連通孔34bに近接して複数の出口溝部58bが設けられるとともに、前記冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ酸化剤ガス出口連通孔30bに近接して複数の出口孔部60bが形成される。第2電解質膜・電極構造体18の出口孔部60bは、第1電解質膜・電極構造体14の出口孔部40bと積層方向に互いに重なり合わない位置にオフセットして配置される。
【0038】
額縁部28bのカソード面18a側の下部には、燃料ガス出口連通孔34bの上方近傍に位置して複数の出口溝部62bが設けられるとともに、前記出口溝部62bの上端部には、複数の出口孔部64bが貫通形成される。各出口孔部64bの上方には、所定の間隔だけ離間して複数の出口孔部66bが貫通形成される。
【0039】
図6に示すように、額縁部28bには、第2電解質膜・電極構造体18のアノード面(アノード側電極26が設けられる面)18b側の上部に、冷却媒体入口連通孔32aの下方近傍で且つ酸化剤ガス入口連通孔30aに近接して複数の入口溝部68aが設けられる。入口溝部68aの下方近傍には、複数の入口孔部60aが貫通形成される。額縁部28bには、燃料ガス入口連通孔34aの下方に位置して入口孔部64a、66aを連通する複数の入口溝部72aが設けられる。
【0040】
額縁部28bのアノード面18b側の下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方近傍で且つ酸化剤ガス出口連通孔30bに近接して複数の出口溝部68bが設けられる。出口溝部68bの上方近傍には、複数の出口孔部60bが形成される。燃料ガス出口連通孔34bの上方に位置して出口孔部64b、66bを連通する複数の出口溝部72bが設けられる。
【0041】
額縁部28bには、アノード面18b側に外側シール部材(外側シールライン)74及び内側シール部材(内側シールライン)76が一体又は別体に成形される。外側シール部材74は、額縁部28bの外周縁部から全流体連通孔である酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bの外周並びに反応面外周を周回する。
【0042】
外側シール部材74は、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bを囲繞する。外側シール部材74により、入口溝部68a及び入口孔部60aが、冷却媒体入口連通孔32aと一体に囲繞され、出口溝部68b及び出口孔部60bが、冷却媒体出口連通孔32bと一体に囲繞される。
【0043】
内側シール部材76は、外側シール部材74の内方に位置するとともに、アノード側電極26と入口孔部64a、66a、入口溝部72a、出口孔部64b、66b及び出口溝部72bとを一体に囲繞する。
【0044】
内側シール部材76は、第2セパレータ20の外形形状に対応する輪郭線に沿って設けられ、前記第2セパレータ20の外周端縁面全周に接する。外側シール部材74は、第2セパレータ20の外周端外方に配置される。外側シール部材74及び内側シール部材76により、全流体連通孔が周回密封される。
【0045】
図5に示すように、額縁部28bのカソード面18a側には、入口孔部60a、66aを囲繞するリング状入口シール部材78a、80aと、出口孔部60b、66bを囲繞するリング状出口シール部材78b、80bとが設けられる。
【0046】
第1及び第2セパレータ16、20は、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34b(全流体連通孔)の内方に配置される寸法に設定される。
【0047】
図2に示すように、第1セパレータ16は、外形が同一形状を有して互いに積層される2枚の金属プレート(例えば、ステンレスプレート)82a、82bを備え、前記金属プレート82a、82bは、外周縁部を、例えば、溶接や接着により一体化され、且つ内部が密閉される。金属プレート82aには、カソード側電極24に対向して酸化剤ガス流路84が形成されるとともに、金属プレート82bには、アノード側電極26に対向して燃料ガス流路86が形成される。金属プレート82a、82b間には、冷却媒体流路88が形成される。
【0048】
図7に示すように、第1セパレータ16は、金属プレート82aの面内に、矢印C方向(鉛直方向)に延在する複数の流路溝を有した酸化剤ガス流路84を設ける。酸化剤ガス流路84の上流及び下流には、入口バッファ部86a及び出口バッファ部86bが設けられる。入口バッファ部86aの上方には、酸化剤ガス入口連通孔30aの下方に位置して複数の入口溝部88aが形成される。出口バッファ部86bの下方には、酸化剤ガス出口連通孔30bの上方に位置して複数の出口溝部88bが形成される。
【0049】
金属プレート82aの上部には、第2電解質膜・電極構造体18の複数の入口孔部60aに連通する複数の穴部90aと、前記第2電解質膜・電極構造体18の入口孔部66aに連通する複数の孔部92aとが形成される。孔部92aは、金属プレート82bにも形成されて第1セパレータ16を貫通する。
【0050】
金属プレート82aの下部には、第2電解質膜・電極構造体18の複数の出口孔部60bに連通する複数の穴部90bと、前記第2電解質膜・電極構造体18の出口孔部66bに連通する複数の孔部92bとが形成される。孔部92bは、金属プレート82bにも形成されて第1セパレータ16を貫通する。
【0051】
第1セパレータ16は、第1電解質膜・電極構造体14の入口孔部40aを避けるための上部逃げ部94aと、前記第1電解質膜・電極構造体14の出口孔部40bを避けるための下部逃げ部94bとを設ける。
【0052】
図8に示すように、第1セパレータ16は、金属プレート82bの面内に、矢印C方向(鉛直方向)に延在する複数の流路溝を有した燃料ガス流路86を設ける。燃料ガス流路86の上流及び下流には、入口バッファ部96a及び出口バッファ部96bが設けられる。入口バッファ部96aの上方には、酸化剤ガス入口連通孔30aの下方に位置して複数の入口溝部98aと、冷却媒体入口連通孔32aの下方に位置して複数の入口溝部100aとが形成される。入口溝部100aは、第1セパレータ16の内部に冷却媒体通路を形成するための凹凸構造である。
【0053】
出口バッファ部96bの下方には、酸化剤ガス出口連通孔30bの上方に位置して複数の出口溝部98bと、冷却媒体出口連通孔32bの上方に位置して複数の出口溝部100bとが形成される。出口溝部100bは、第1セパレータ16の内部に冷却媒体通路を形成するための凹凸構造である。
【0054】
図2に示すように、第2セパレータ20は、外形が同一形状を有して互いに積層される2枚の金属プレート(例えば、ステンレスプレート)102a、102bを備え、前記金属プレート102a、102bは、外周縁部を、例えば、溶接や接着により一体化され、且つ内部が密閉される。金属プレート102aには、カソード側電極24に対向して酸化剤ガス流路84が形成されるとともに、金属プレート102bには、アノード側電極26に対向して燃料ガス流路86が形成される。金属プレート102a、102b間には、冷却媒体流路88が形成される。
【0055】
図9に示すように、第2セパレータ20は、金属プレート102aの面内に、矢印C方向(鉛直方向)に延在する複数の流路溝を有した酸化剤ガス流路84を設ける。酸化剤ガス流路84の上流及び下流には、入口バッファ部104a及び出口バッファ部104bが設けられる。金属プレート102aの上方には、第1電解質膜・電極構造体14の複数の入口孔部40aに連通する複数の穴部106aが形成される。金属プレート102aの下部には、第1電解質膜・電極構造体14の複数の出口孔部40bに連通する複数の穴部106bが形成される。
【0056】
第2セパレータ20は、第2電解質膜・電極構造体18の入口孔部60aを避けるための上部逃げ部108aと、前記第2電解質膜・電極構造体18の出口孔部60bを避けるための下部逃げ部108bとを設ける。
【0057】
図10に示すように、第2セパレータ20は、金属プレート102bの面内に、矢印C方向(鉛直方向)に延在する複数の流路溝を有した燃料ガス流路86を設ける。燃料ガス流路86の上流及び下流には、入口バッファ部110a及び出口バッファ部110bが設けられる。
【0058】
金属プレート102bの上部には、冷却媒体入口連通孔32aの下方に位置して複数の入口溝部112aが形成される一方、前記金属プレート102bの下部には、冷却媒体出口連通孔32bの上方に位置して複数の出口溝部112bが形成される。入口溝部112a及び出口溝部112bは、それぞれ第2セパレータ20の内部に冷却媒体通路を形成するための凹凸構造である。
【0059】
第1の実施形態では、図2〜図4に示すように、額縁部28aは、最外周の部位に、すなわち、外周端部を周回して肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)28aaを設ける。図2に示すように、額縁部28aの他の部位(MEA当接部位28a1、シール成形部位28a2、外周端部隣接部位28a3及び連通孔内周隣接部位等、多くの部位を含み、特定部位ではない)に対して、肉厚部28aaの厚さh1は、最も大きな厚さ寸法に設定される。
【0060】
図3、図4及び図11〜図14に示すように、額縁部28aは、流体連通孔の周囲の部位に、すなわち、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bを周回して肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)28abを設ける。図11〜図14に示すように、額縁部28aの外周端部を除く他の部位に対して、肉厚部28abの厚さh2は、最も大きな厚さ寸法に設定される。
【0061】
第1の実施形態では、図2、図5及び図6に示すように、額縁部28bは、最外周の部位に、すなわち、外周端部を周回して肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)28baを設ける。図2に示すように、額縁部28bの外周端部を除く他の部位に対して、肉厚部28baの厚さh3は、最も大きな厚さ寸法に設定される。
【0062】
図5、図6及び図11〜図14に示すように、額縁部28bは、流体連通孔の周囲の部位に、すなわち、酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bを周回して肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)28bbを設ける。図11〜図14に示すように、額縁部28bの外周端部を除く他の部位に対して、肉厚部28bbの厚さh4は、最も大きな厚さ寸法に設定される。
【0063】
なお、第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18は、所望の剛性を確保できるものであれば、例えば、肉厚部28aa、28abの少なくともいづれか一方のみ、肉厚部28ba、28bbの少なくともいづれか一方のみを設けることが可能である。
【0064】
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
【0065】
図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔30aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔34aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔32aには、純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。
【0066】
各セルユニット12では、酸化剤ガス入口連通孔30aに供給された酸化剤ガスが、図1及び図11に示すように、第1電解質膜・電極構造体14の入口凸部36a間と第2電解質膜・電極構造体18の入口凸部54a間から入口溝部56aとに導入される。
【0067】
入口凸部36aに導入された酸化剤ガスは、入口溝部37aを通って前記第2セパレータ20の酸化剤ガス流路84に供給される。酸化剤ガス流路84に供給された酸化剤ガスは、第1電解質膜・電極構造体14のカソード側電極24に供給された後、残余の酸化剤ガスは、出口凸部36b間から酸化剤ガス出口連通孔30bに排出される。
【0068】
一方、入口溝部56a間に導入された酸化剤ガスは、第2電解質膜・電極構造体18と第1セパレータ16との間の入口溝部88aを通って前記第1セパレータ16の酸化剤ガス流路84に供給される。酸化剤ガス流路84に供給された酸化剤ガスは、第2電解質膜・電極構造体18のカソード側電極24に供給された後、残余の酸化剤ガスは、出口溝部88b、56bから出口凸部54b間を通って酸化剤ガス出口連通孔30bに排出される。
【0069】
また、燃料ガス入口連通孔34aに供給された燃料ガスは、図1及び図12に示すように、第2電解質膜・電極構造体18のカソード側の入口溝部62aに導入される。燃料ガスは、入口溝部62aから入口孔部64aを通ってアノード側に移動し、一部分が入口溝部72aから第2セパレータ20の燃料ガス流路86に供給される。
【0070】
燃料ガスの残余の部分は、入口孔部66a及び第1セパレータ16の孔部92aを通って前記第1セパレータ16と第1電解質膜・電極構造体14との間に導入され、前記1セパレータ16の燃料ガス流路86に供給される。
【0071】
第2セパレータ20の燃料ガス流路86を流通した使用済みの燃料ガスは、出口溝部72bに排出され、さらに出口孔部64bから出口溝部62bを通って燃料ガス出口連通孔34bに排出される。一方、第1セパレータ16の燃料ガス流路86を流通した使用済みの燃料ガスは、孔部92bから出口孔部66bを通って出口溝部72bに排出され、同様に燃料ガス出口連通孔34bに排出される。
【0072】
これにより、第1電解質膜・電極構造体14及び第2電解質膜・電極構造体18では、それぞれカソード側電極24に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極26に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
【0073】
さらにまた、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体の一部は、図1及び図13に示すように、第1電解質膜・電極構造体14の入口溝部42aに導入され、入口溝部58aから入口孔部40aに供給される。冷却媒体は、入口孔部40aから第2セパレータ20の穴部106aを通って前記第2セパレータ20の内部に導入される。
【0074】
冷却媒体は、第2セパレータ20内を入口溝部112aに沿って流通し、冷却媒体流路88に供給された後、出口溝部112bから穴部106bを通って前記第2セパレータ20から排出される。さらに、この冷却媒体は、出口孔部40bから出口溝部58b、42bを通って冷却媒体出口連通孔32bに排出される。
【0075】
一方、冷却媒体入口連通孔32aに供給された冷却媒体の他の一部は、図1及び図14に示すように、第2電解質膜・電極構造体18の入口溝部68aに導入され、入口溝部38aから入口孔部60aに供給される。冷却媒体は、入口孔部60aから第1セパレータ16の穴部90aを通って前記第1セパレータ16内部に導入される。
【0076】
冷却媒体は、第1セパレータ16内を入口溝部100aに沿って流通し、冷却媒体流路88に供給された後、出口溝部100bから穴部90bを通って前記第1セパレータ16から排出される。さらに、この冷却媒体は、出口孔部60bから出口溝部38b、68bを通って冷却媒体出口連通孔32bに排出される。
【0077】
このため、第1電解質膜・電極構造体14及び第2電解質膜・電極構造体18は、第1セパレータ16内の冷却媒体流路88及び第2セパレータ20内の冷却媒体流路88を流通する冷却媒体により冷却される。
【0078】
この場合、第1の実施形態では、第1電解質膜・電極構造体14を構成する額縁部28a及び第2電解質膜・電極構造体18を構成する額縁部28bには、全流体連通孔である酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34bが積層方向に貫通して形成されている。
【0079】
このため、第1セパレータ16及び第2セパレータ20には、流体連通孔を設ける必要がなく、前記第1セパレータ16及び前記第2セパレータ20は、発電領域に対応する外形寸法に設定することができる。従って、第1セパレータ16及び第2セパレータ20は、小型軽量化が容易に図られ、前記第1セパレータ16及び前記第2セパレータ20の製造コストを削減することが可能になる。
【0080】
これにより、第1セパレータ16及び第2セパレータ20を効率的に製造することができ、燃料電池10全体を経済的に得ることが可能になるという利点が得られる。
【0081】
さらに、図2に示すように、第1電解質膜・電極構造体14を構成する額縁部28aは、外周端部を周回して該外周端部を除く他の部位よりも厚さ方向に大きな厚さh1を有する肉厚部28aaを設けている。同様に、第2電解質膜・電極構造体18を構成する額縁部28bは、外周端部を周回して該外周端部を除く他の部位よりも厚さ方向に大きな厚さh3を有する肉厚部28baを設けている。
【0082】
このため、第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18及び額縁部28a、28bの薄肉化が図られるとともに、前記第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18全体の剛性を確保することが可能になる。従って、比較的高価な第1セパレータ16及び第2セパレータ20を良好に小型化することができ、コストの削減を図るとともに、第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18の剛性を有効に向上させることが可能になるという効果が得られる。
【0083】
一方、図11〜図14に示すように、額縁部28a、28bには、流体連通孔の周囲の部位に、該周囲を除く他の部位よりも厚さ方向に大きな厚さh2、h4を有する肉厚部28ab、28bbを設けている。これにより、第1及び第2電解質膜・電極構造体14、18の薄肉化を図るとともに、剛性を有効に向上させることが可能になる等の効果が得られる。
【0084】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池120の要部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0085】
燃料電池120は、複数のセルユニット122を積層して構成されるとともに、前記セルユニット122は、第1電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)124、第1セパレータ16、第2電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)(MEA)126及び第2セパレータ20を備える。
【0086】
第1電解質膜・電極構造体124及び第2電解質膜・電極構造体126は、絶縁性を有する高分子材料で形成される額縁部(枠部材)128a及び額縁部(枠部材)128bを設ける。
【0087】
額縁部128a、128bは、固体高分子電解質膜22、カソード側電極24及びアノード側電極26の外周端縁部に、これらの積層方向の全体厚さと同一の厚さh5、h6を有する連結部位(他の部位)が連結されるとともに、前記連結部位の外方には、該連結部位の厚さh5、h6よりも大きな寸法に設定された厚さh7、h8(h7>h5、h8>h6)を有する肉厚部(厚さ方向に突出するリブ部)128aa、128baが設けられる。
【0088】
肉厚部128aa、128baは、額縁部128a、128bの外周端部を周回するとともに、流体連通孔(酸化剤ガス入口連通孔30a、冷却媒体入口連通孔32a、燃料ガス入口連通孔34a、酸化剤ガス出口連通孔30b、冷却媒体出口連通孔32b及び燃料ガス出口連通孔34b)を周回する。
【0089】
額縁部128aの両面には、外側シール部材(外側シールライン)48a、48b及び内側シール部材(内側シールライン)50a、50bが一体又は別体に成形される。額縁部128bの両面には、外側シール部材(外側シールライン)74a、74b及び内側シール部材(内側シールライン)76a、76bが一体又は別体に成形される。
【0090】
このように構成される第2の実施形態では、コストの削減を図るとともに、第1及び第2電解質膜・電極構造体124、126の剛性を有効に向上させることが可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0091】
10、120…燃料電池 12、122…セルユニット
14、18、124、126…電解質膜・電極構造体
16、20…セパレータ 22…固体高分子電解質膜
24…カソード側電極 26…アノード側電極
28a、28b、128a、128b…額縁部
28aa、28ab、28ba、28bb、128aa、128ba…肉厚部
30a…酸化剤ガス入口連通孔 30b…酸化剤ガス出口連通孔
32a…冷却媒体入口連通孔 32b…冷却媒体出口連通孔
34a…燃料ガス入口連通孔 34b…燃料ガス出口連通孔
36a、54a…入口凸部 36b、54b…出口凸部
40a、60a、64a、66a…入口孔部
40b、60b、64b、66b…出口孔部
48、74…外側シール部材 50、76…内側シール部材
82a、82b、102a、102b…金属プレート
84…酸化剤ガス流路 86…燃料ガス流路
88…冷却媒体流路
90a、90b、106a、106b…穴部
92a、92b…孔部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体を、第1セパレータ及び第2セパレータで挟持したセルユニットを備える燃料電池であって、
前記電解質・電極構造体の外周には、高分子材料で形成される枠部材が一体に設けられ、
前記枠部材には、反応ガス入口連通孔、反応ガス出口連通孔、冷却媒体入口連通孔及び冷却媒体出口連通孔を含む流体連通孔が積層方向に貫通して形成される一方、
前記積層方向に隣接する前記枠部材間には、前記流体連通孔及び反応面外周を周回して密封するシール部材が介装され、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、それぞれ外形が同一形状を有する2枚のプレートを備え、且つ前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの外周端は、前記流体連通孔よりも内側に配置されるとともに、
前記枠部材は、少なくとも最外周又は前記流体連通孔の周囲に、厚さ方向に突出するリブ部を有することを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池において、前記セルユニットは、第1の前記電解質・電極構造体、前記第1セパレータ、第2の前記電解質・電極構造体及び前記第2セパレータを備え、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、それぞれ2枚の前記プレートを接合して構成されるとともに、
2枚の前記プレート間には、冷却媒体をセパレータ面方向に流通させる冷却媒体流路が形成されることを特徴とする燃料電池。
【請求項1】
電解質の両側に一対の電極を配設した電解質・電極構造体を、第1セパレータ及び第2セパレータで挟持したセルユニットを備える燃料電池であって、
前記電解質・電極構造体の外周には、高分子材料で形成される枠部材が一体に設けられ、
前記枠部材には、反応ガス入口連通孔、反応ガス出口連通孔、冷却媒体入口連通孔及び冷却媒体出口連通孔を含む流体連通孔が積層方向に貫通して形成される一方、
前記積層方向に隣接する前記枠部材間には、前記流体連通孔及び反応面外周を周回して密封するシール部材が介装され、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、それぞれ外形が同一形状を有する2枚のプレートを備え、且つ前記第1セパレータ及び前記第2セパレータの外周端は、前記流体連通孔よりも内側に配置されるとともに、
前記枠部材は、少なくとも最外周又は前記流体連通孔の周囲に、厚さ方向に突出するリブ部を有することを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池において、前記セルユニットは、第1の前記電解質・電極構造体、前記第1セパレータ、第2の前記電解質・電極構造体及び前記第2セパレータを備え、
前記第1セパレータ及び前記第2セパレータは、それぞれ2枚の前記プレートを接合して構成されるとともに、
2枚の前記プレート間には、冷却媒体をセパレータ面方向に流通させる冷却媒体流路が形成されることを特徴とする燃料電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−146522(P2012−146522A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4157(P2011−4157)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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