燃料電池
【課題】平面配列型の燃料電池をコンパクト化する。
【解決手段】電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを有し、平面状に配列された複数のセルと、隣接するセルを電気的に接続する電気接続手段と、絶縁体と、を備え、電気接続手段の周囲に電解質膜及び/又は絶縁体が存在し、電気接続手段がアノードおよびカソードの周囲の全体または一部に接することにより、電気接続手段と各セルのアノードおよびカソードとの電気的な接続が得られ、電気接続手段が屈曲し、電気接続手段および電気接続手段の周囲の電解質膜及び/又は絶縁体がアノード面又はカソード面に突出していることを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを有し、平面状に配列された複数のセルと、隣接するセルを電気的に接続する電気接続手段と、絶縁体と、を備え、電気接続手段の周囲に電解質膜及び/又は絶縁体が存在し、電気接続手段がアノードおよびカソードの周囲の全体または一部に接することにより、電気接続手段と各セルのアノードおよびカソードとの電気的な接続が得られ、電気接続手段が屈曲し、電気接続手段および電気接続手段の周囲の電解質膜及び/又は絶縁体がアノード面又はカソード面に突出していることを特徴とする。
【選択図】図3
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に関する。より具体的には、本発明は、セルが平面配列された燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギや運動エネルギの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギ供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
【0003】
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴が有り、特に近年、携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラあるいは電子辞書(書籍))などの電源への利用が期待されている。携帯機器用の固体高分子形燃料電池としては、複数の単セルを平面状に配列した平面配列型の燃料電池が知られている(特許文献1参照)。燃料としては、特許文献1に示したメタノールの他、水素吸蔵合金や水素ボンベに格納された水素を利用することが研究されている。
【特許文献1】特開2004−146092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セルが平面配列された平面配列型の燃料電池では、各セルから電力を取り出すために、電極(アノードおよびカソード)の表面に集電体が接触して設けられている。集電体を電極の表面に接触させる場合には、電極と集電体との接触性を高めるために、ねじなどの締結部材を用いて集電体を電極に押しつける必要がある。このため、締結部材が占める部分が燃料電池をコンパクト化する際の障害となっていた。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、平面配列型の燃料電池をコンパクト化する技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、燃料電池である。当該燃料電池は、電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを有し、平面状に配列された複数のセルと、隣接するセルを電気的に接続する電気接続手段と、絶縁体と、を備え、電気接続手段の周囲に電解質膜及び絶縁体が存在し、電気接続手段がアノードおよびカソードの周囲の全体または一部に接することにより、電気接続手段と各セルのアノードおよびカソードとの電気的な接続が得られ、電気接続手段が屈曲し、電気接続手段および接続手段の周囲の電解質膜及び/又は絶縁体がアノード面またはカソード面のいずれか一方の面に突出していることを特徴とする。ここで、電気接続手段とは、集電体、インターコネクタなどの導電部材をいう。
【0007】
この態様によれば、電極(アノードおよびカソード)と集電体との接触が電極の周囲の全
体または一部において得られているため、電極の表面に集電体を接触させる場合に必要とされた締結部材が不要となる。このため、燃料電池のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0008】
上記態様の燃料電池において、電気接続手段がアノードの面に突出し、カソードの少なくとも一部は、その外周部分に接続された電気接続手段に対して凸になっていてもよい。
【0009】
上記態様の燃料電池において、電気接続手段が隣接するセルを電気的に直列に接続するインターコネクタを含み、インターコネクタが隣接するセルの間に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、平面配列型の燃料電池をより一層コンパクト化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(参考の形態1)
図1は、参考の形態1に係る燃料電池の分解斜視図である。燃料電池10は、膜電極接合体20、水素吸蔵合金タンク30、アノード側筐体40、カソード側筐体42を備える。膜電極接合体20の詳細な構造については後述し、燃料電池10の全体的な概略構造について説明する。
【0013】
膜電極接合体20の一方の面には、アノード側筐体40が設けられ、アノード側筐体40内に、アノード側の部材が格納される。具体的には、膜電極接合体20のアノード側の面には、アノードカバー50および水素吸蔵合金タンク30が設けられている。
【0014】
アノードカバー50によって、膜電極接合体20のアノードに面し、水素が充填される空間が形成される。水素吸蔵合金タンク30には、水素を吸蔵可能な水素吸蔵合金(たとえば、希土類系のMm(ミッシュメタル)Ni4.32Mn0.18Al0.1 Fe0.1 Co0.3)が格納されている。なお、水素吸蔵合金は、希土類系に限られず、たとえばTi−Mn系、Ti−Fe系、Ti−Zr系、Mg−Ni系、Zr−Mn系等であってもよい。
【0015】
水素吸蔵合金タンク30には、補給用の水素を貯蔵する外部ボンベ(図示せず)に接続可能な燃料補給口32が設けられている。燃料補給口32に外部ボンベを接続することにより、水素吸蔵合金タンク30内の水素吸蔵合金に水素を補充可能である。
【0016】
水素吸蔵合金タンク30に貯蔵された水素は、レギュレータ34を介して膜電極接合体20のアノードに供給される。レギュレータ34により、外部ボンベから水素吸蔵合金に水素が補充される際や、水素吸蔵合金から水素が放出される際に、アノードに供給される水素の圧力が低減され、アノードが保護される。
【0017】
また、アノード側筐体40内には、制御回路70が格納されている。制御回路70は、燃料電池10で発生する電圧を調整し、一定の値を外部に出力するDC−DCコンバータなどの電気回路を含む。
【0018】
一方、膜電極接合体20の他方の面には、カソード側筐体42が設けられ、カソード側筐体42内に、カソード側の部材が格納される。具体的には、膜電極接合体20のカソード側の面には、パッキン60を介してメッシュ状のカソードフィルタ62が設けられている。カソードフィルタ62により、外部から取り込まれる空気の塵やほこりが除去される。
【0019】
図2は、膜電極接合体20の構造の要部を示す斜視図である。膜電極接合体20は、電解質膜22、アノード24a、bおよび、アノード24a、bにそれぞれ対向するカソード26a、bを備える。すなわち、膜電極接合体20において、複数のセルが平面状に形成されている。アノード24a、bには、水素吸蔵合金タンク30から水素が供給される。カソード26a、bには空気が供給される。燃料電池10は、水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。なお、図2に示した膜電極接合体の例では、セルの数が2であるが、セルの数は任意である。また、複数のセルを縦横に配列することも可能である。
【0020】
アノード24a、bは、電解質膜22の一方の面に離間した状態で形成されている。本実施の形態では、各アノード24a、bの周囲の一辺にそれぞれ集電体80a、bが接続されている。また、集電体80a、bが設けられた辺とは反対側の各アノード24a、bの側面には、絶縁体84a、bが設けられている。絶縁体84a、bにより、隣接するアノード間において一方のアノードに接続された集電体と他方のアノードとが絶縁されている。
【0021】
一方、カソード26a、bは、電解質膜22の他方の面に離間した状態で形成されている。アノードと同様に、各カソード26a、bの周囲の一辺にそれぞれ集電体82a、bが接続されている。ただし、カソード側において、集電体82a、bは、電解質膜22を挟んでアノード側に設けられた絶縁体84a、bとそれぞれ対向する位置に設けられている。また、集電体82a、bが設けられた辺とは反対側の各カソード26a、bの側面には、絶縁体86a、bが設けられている。絶縁体86a、bにより、隣接するカソード間において一方のカソードに接続された集電体と他方のカソードとが絶縁されている。
【0022】
なお、集電体80a,bおよび集電体82a、bは、たとえば、アルミニウム、金、白金などの金属あるいはカーボンからなる導電材料により構成される。
【0023】
隣接するセルにおいて、一方のセルのアノード側の集電体80と他方のセルのカソード側の集電体82とは、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタ(図示せず)により電気的に接続される。図2の例では、集電体80bと集電体82aとがインターコネクタにより接続される。これにより、各セルが電気的に直列に接続される。
【0024】
電解質膜22は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、アノード24とカソード26との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜22は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。
【0025】
アノード24a、bおよびカソード26a、bは、イオン交換樹脂と触媒粒子からなる触媒層で構成される。
【0026】
イオン交換樹脂は、触媒担持炭素粒子と電解質膜22を接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。イオン交換樹脂は、電解質膜22と同様の高分子材料から形成されてよい。触媒には、例えば白金、ルテニウム、ロジウムなどの1種または2種を合金化したものなどがある。
【0027】
参考の形態の燃料電池によれば、電極(アノードおよびカソード)と集電体との接触が電極の周囲において得られているため、電極の表面に集電体を接触させる場合に必要とされ
た締結部材が不要となる。このため、燃料電池のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0028】
また、集電体が電極の一辺に沿って設けられているため、集電体の投影面積を小さくすることができ、この分だけセル(発電部分)の面積を大きくすることができる。
【0029】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて参考の形態1と同様である。図3は、実施の形態2に係る燃料電池の膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。実施の形態2の膜電極接合体20では、隣接するセル間にアノード側に突き出た突出部100が形成されている。突出部100において、電解質膜22が折り返されている。カソード26aと接する集電体82aの延長部分が、折り返された電解質膜22の間に埋め込まれている。折り返された電解質膜22の間において、集電体82aの延長部分は、カソード26a側の電解質膜22aと接し、カソード26b側の電解質膜22bとは離間している。集電体82aと電解質膜22bとの間に絶縁体86bが埋め込まれている。絶縁体86bにより、集電体82aと電解質膜22bとが絶縁されている。また、アノード側において、アノード24bと接する集電体80bの延長部分が、電解質膜22bに沿って設けられている。なお、突出部(電気接続手段)がアノード側に突き出しているため、本実施の形態では、カソードにおける空気の拡散性が確保されている。
【0030】
本実施の形態によれば、セルの間隔を広げることなく(発電面積効率を損なうことなく)、集電体の断面積を大きくすることにより、集電体における抵抗による電圧ロスを低減することができる。
【0031】
なお、本実施の形態のように、膜電極接合体20に突出部100を設ける場合には、図4に示すように、アノードカバー50に突出部100を挿入可能な溝52を設けることが望ましい。これによれば、突出部100を安定的に固定することができる。
【0032】
(参考の形態3)
参考の形態3に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて参考の形態1と同様である。参考の形態1の燃料電池では、膜電極接合体20の端部にインターコネクタを設けることにより、各セルを電気的に直列に接続しているが、各セルを直列に接続する手段はこれに限られない。参考の形態3の膜電極接合体20では、図5に示すように、インターコネクタ110が隣接するセルの間に設けられている。具体的には、隣接するセル間において、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが対向するように、集電体80bおよび集電体82aが参考の形態1に比べて延長している。インターコネクタ110は、集電体80bと集電体82aとの間に設けられ、集電体80bと集電体82aを電気的に接続する。
【0033】
参考の形態によれば、インターコネクタが膜電極接合体20の端部に設けられずに、隣接するセルの間に設けられているため、電子の移動距離が小さくなり、集電体における抵抗による電圧ロスをさらに低減することができる。
【0034】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて参考の形態1と同様である。図6は、実施の形態4で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。実施の形態4の膜電極接合体20では、実施の形態2と同様に、隣接するセル間にアノード側に突き出た突出部100が形成されている。本実施の形態では、セル間に設けられたインターコネクタ110が突出部100において電解質膜22を貫通している。インターコネクタ110により、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが電気的
に接続されている。
【0035】
本実施の形態によれば、参考の形態3の効果に加えて、セルの間隔を広げることなく(発電面積効率を損なうことなく)、集電体の断面積を大きくすることにより、集電体における抵抗による電圧ロスを低減することができる。
【0036】
(参考の形態5)
参考の形態5に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて参考の形態1と同様である。参考の形態1,3および実施の形態2、4では、各セルの電極の一辺に沿って集電体が設けられているが、参考の形態では、各セルの電極の周囲全体(四辺)に集電体が設けられ、電極周囲の各辺と集電体とが接している。図7は、参考の形態5で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。参考の形態では、集電体80a、bは、それぞれ、アノード24a、bの周囲全体に設けられ、アノード24a、b周囲の四辺の側面に接している。また、集電体82a、bは、それぞれ、カソード26a、bの周囲全体に設けられ、カソード26a、b周囲の四辺の側面に接している。隣接するセルの間において、集電体80aと集電体80bとは、絶縁体84aによって絶縁されている。また、集電体82aと集電体82bとは、絶縁体86aによって絶縁されている。隣接するセルにおいて、一方のセルのアノード側の集電体80と他方のセルのカソード側の集電体82とは、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタ(図示せず)により電気的に接続される。これにより、各セルが電気的に直列に接続される。
【0037】
これによれば、電極周囲の四辺が集電体と接しているため、集電性を損なうことなく、セルの大きさ(幅)を大きくすることができる。また、集電体が電極に対して対称的に設けられているため、電子(電流)が分散し、集電性を高めることができる。
【0038】
(実施の形態6)
図8は、実施の形態6で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。本実施の形態では、参考の形態5に示した膜電極接合体のアノード側において隣接するセルの間に突出部100が設けられている。突出部100において、電解質膜22が折り返されている。カソード26aと接する集電体82aの延長部分が、折り返された電解質膜22の間に埋め込まれている。折り返された電解質膜22の間において、集電体82aの延長部分は、カソード26a側の電解質膜22aと接し、カソード26b側の電解質膜22bとは離間している。また、カソード26bと接する集電体82bの延長部分が、折り返された電解質膜22の間に埋め込まれている。折り返された電解質膜22の間において、集電体82bの延長部分は、カソード26b側の電解質膜22bと接し、カソード26a側の電解質膜22aとは離間している。折り返された電解質膜22の間において、集電体82aと集電体82bとの間に絶縁体86aが埋め込まれている。絶縁体86aにより、集電体82aと集電体82bとが絶縁されている。
【0039】
また、アノード側において、アノード24aと接する集電体80aの延長部分が、電解質膜22aに沿って設けられている。また、アノード24bと接する集電体80bの延長部分が、電解質膜22bに沿って設けられている。集電体80aと集電体80bとは絶縁体84aにより絶縁されている。
【0040】
(膜電極接合体の作製方法1)
図9は、実施の形態6で用いられる膜電極接合体の作製方法を示す工程図である。まず、図9(A)に示すように、印刷法を用いて、電解質膜22の一方の面に所定の間隔で複数のカソード(触媒層)26を形成するとともに、電解質膜22の他方の面に各カソードに対応して所定の間隔で複数のアノード(触媒層)24を形成する。また、隣接するカソード間において、各カソードの周囲全体に設けられ、カソード周囲の各辺に接続された一対
の集電体82を形成した後、一対の集電体82を被覆するように、絶縁体86を形成する。また、隣接するアノード間において、各アノードの周囲全体に設けられ、アノード周囲の各辺に接続された一対の集電体80を形成する。
【0041】
次に、図9(B)に示すように、隣接するカソードの中心部分で電解質膜22を折り曲げることにより、アノード側に突出部100を突出させる。次に、絶縁性の接着ペーストなどを用いて、図9(B)に示した部分X(絶縁体86の端部)同士を接着させる。また、隣接するセルの間の集電体80同士を絶縁するために、領域Yに絶縁体を形成する。以上の工程により、実施の形態6で用いられる膜電極接合体を形成することができる。
【0042】
(膜電極接合体の作製方法2)
図10は、実施の形態6で用いられる膜電極接合体の他の作製方法を示す工程図である。本工程では、まず、図10(A)に示すように、絶縁体86の両面にそれぞれ集電体82を形成した部材を予め作製する。一方、電解質膜22の一方の面に所定の間隔で複数のカソード(触媒層)26を形成する。また、電解質膜22の他方の面に各カソードに対応して所定の間隔で複数のアノード(触媒層)24を形成する。隣接するアノード間において、各アノードの周囲全体に設けられ、アノード周囲の各辺に接続された一対の集電体80を形成する。
【0043】
次に、図10(B)に示すように、隣接するカソードの中心部分で電解質膜22を折り曲げることにより、アノード側に突出部100を突出させる。次に、集電体82とカソード26の側面との接合部分Zを導電ペースト120で接着する。さらに、また、隣接するセルの間の集電体80同士を絶縁するために、領域Yに絶縁体を形成する。
【0044】
(参考の形態7)
参考の形態5では、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタに各セルが電気的に直列に接続されている。実施の形態7では、参考の形態5に対応し、隣接するセルの間に設けられたインターコネクタにより各セルが電気的に直列に接続されている。具体的には、図11に示すように、参考の形態7の膜電極接合体20では、インターコネクタ110が隣接するセルの間に設けられている。隣接するセル間において、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが対向するように、集電体80bおよび集電体82aが参考の形態5に比べて延長している。インターコネクタ110は、集電体80bと集電体82aとの間に設けられ、集電体80bと集電体82aを電気的に接続する。
【0045】
参考の形態によれば、参考の形態5の効果に加えて、インターコネクタが膜電極接合体20の端部に設けられずに、隣接するセルの間に設けられているため、電子の移動距離が小さくなり、集電体における抵抗による電圧ロスをさらに低減することができる。
【0046】
(実施の形態8)
実施の形態6では、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタに各セルが電気的に直列に接続されている。実施の形態8では、実施の形態6に対応し、隣接するセルの間に設けられたインターコネクタにより各セルが電気的に直列に接続されている。具体的には、図12に示すように、実施の形態8の膜電極接合体20では、突出部100内において、隣接するセルの間にインターコネクタ110が設けられている。隣接するセル間において、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが対向するように、集電体80bおよび集電体82aが実施の形態6に比べて延長している。インターコネクタ110は、集電体80bと集電体82aとの間に設けられ、集電体80bと集電体82aを電気的に接続する。
【0047】
本実施の形態によれば、実施の形態6の効果に加えて、インターコネクタが膜電極接合体
20の端部に設けられずに、隣接するセルの間に設けられているため、インターコネクタに必要な占有面積を低減することができる。この結果、燃料電池のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0048】
(実施の形態9)
実施の形態8の膜電極接合体20では、カソード26a、bが平坦な形状であるが、カソード26a、bの形状は平坦でなくてもよい。図13に示すように、実施の形態9の膜電極接合体20では、カソード26a、bは、それぞれ、その外周部分に対して中央部分が凸になっている。また、カソード26a、bの外周部分は、なめらかに湾曲した形状(R部分)となっている。
【0049】
これによれば、突出部(電気接続手段)を突出させるために要する集電体のR部分をも電極として有効に使えるようになるので、燃料電池の投影面積当たりの有効電極面積を増大させることが可能となり、小型高出力化の効果が高まる。
【0050】
また、拡散性の点で拡散分極の増加要因になりやすい空気(大気)との接触界面、および生成水の放出面積が相対的に増加するため、前記拡散分極が低減し、小型化、高出力化の効果が高まる。
【0051】
なお、アノードに燃料として純水素を供給する場合には、燃料の拡散性の影響が小さいので、アノード側に設けられた一組の突出部に挟まれた凹部に触媒層またはガス拡散層などのアノードの一部が埋め込まれていてもよい。これによれば、セル強度が向上する。
【0052】
なお、本実施の形態では、カソード26a、bは、それぞれ、その外周部分に対して中央部分が凸になっているが、カソード26a、bは波状であってもよい。上述した効果は、カソード26a、bの少なくとも一部が、その外周部分に接続された集電体に対して凸になっている構成によっても得られる。
【0053】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
【0054】
たとえば、突出部100の形状および形態は、実施の形態2、4、6および8に示したようなU字状に限られない。たとえば、図14に示すように、突出部100は三角形状であってもよい。また、図15に示すように、突出部100に屈曲箇所が2カ所設けられていてもよい。また、図16に示すように、突出部100において、集電体82aおよび82bが巻回され、集電体82aと集電体82bとが絶縁体86により絶縁されていてもよい。これによれば、集電体82a、82bの断面積を大きくすることにより、電圧ロスをより低減することができる。
【0055】
また、上述の各形態では、一枚の電解質膜の表裏に複数のセルに対応してアノードおよびカソードが形成されているが、電解質膜は、複数のセル毎に分離されていてもよい。具体的には、参考の形態1の変形例としては、図17に示すように、隣接するセル間において、ポリイミド、テフロン(登録商標)シートなどの樹脂基材200を設け、樹脂基材200の一方の面に、アノード24bの側面に接触する集電体80bと、集電体80bとアノード24aとを絶縁する絶縁体84aが設けられる。一方、樹脂基材200の他方の面に、カソード26aの側面に接触する集電体82aと、集電体82aとカソード26bとを絶縁する絶縁体86aが設けられる。また、図18は、実施の形態2の変形例で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。この場合には、樹脂基材200に折り返しを予め設けておき、この樹脂基材200に実施の形態2と同様に、集電体82a、8
0bおよび絶縁体86bが形成されている。
【0056】
このような変形例によれば、樹脂基材200が膨潤しにくいため、集電体および絶縁体が剥離することを抑制することができる。
【0057】
このような変形例に係る膜電極接合体は、たとえば、以下に示す手順により作製可能である。まず、未加工の樹脂基材を用意し、エッチングなどにより、セル部分などに必要な穴を樹脂基材にあける。次に、隣接するセル部分の間の樹脂基材の表裏に集電体および絶縁体を形成する。次に、セル部分の穴に電解質溶液を充填する。最後に、電解質の表裏にそれぞれ、カソード用、アノード用の触媒層を作製する。以上の工程により、図18に示す実施の形態2の変形例の膜電極接合体を作製することができる。
【0058】
なお、燃料電池を構成する複数のセルは、全てが直列に接続されている必要はない。たとえば、複数のセルの半分ずつを直列に接続し、直列に接続されたセルの組を並列に接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】参考の形態1に係る燃料電池の分解斜視図である。
【図2】参考の形態1で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す斜視図である。
【図3】実施の形態2で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図4】実施の形態2に係る燃料電池の要部を示す分解斜視図である。
【図5】参考の形態3で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す斜視図である。
【図6】実施の形態4で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図7】参考の形態5で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図8】実施の形態6で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図9】実施の形態6で用いられる膜電極接合体の作製方法を示す工程図である。
【図10】実施の形態6で用いられる膜電極接合体の他の作製方法を示す工程図である。
【図11】参考の形態7で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図12】実施の形態8で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図13】実施の形態9で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図14】膜電極接合体に設けられた突出部の変形例を示す図である。
【図15】膜電極接合体に設けられた突出部の変形例を示す図である。
【図16】膜電極接合体に設けられた突出部の変形例を示す図である。
【図17】参考の形態1の変形例で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す斜視図である。
【図18】実施の形態2の変形例で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
10 燃料電池、20 膜電極接合体、22 電解質膜、30 水素吸蔵合金タンク、40 アノード側筐体、42 カソード側筐体、50 アノードカバー、60 パッキン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に関する。より具体的には、本発明は、セルが平面配列された燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は水素と酸素とから電気エネルギを発生させる装置であり、高い発電効率を得ることができる。燃料電池の主な特徴としては、従来の発電方式のように熱エネルギや運動エネルギの過程を経ない直接発電であるので、小規模でも高い発電効率が期待できること、窒素化合物等の排出が少なく、騒音や振動も小さいので環境性が良いことなどが挙げられる。このように、燃料電池は燃料のもつ化学エネルギを有効に利用でき、環境にやさしい特性を持っているので、21世紀を担うエネルギ供給システムとして期待され、宇宙用から自動車用、携帯機器用まで、大規模発電から小規模発電まで、種々の用途に使用できる将来有望な新しい発電システムとして注目され、実用化に向けて技術開発が本格化している。
【0003】
中でも、固体高分子形燃料電池は、他の種類の燃料電池に比べて、作動温度が低く、高い出力密度を持つ特徴が有り、特に近年、携帯機器(携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA、MP3プレーヤ、デジタルカメラあるいは電子辞書(書籍))などの電源への利用が期待されている。携帯機器用の固体高分子形燃料電池としては、複数の単セルを平面状に配列した平面配列型の燃料電池が知られている(特許文献1参照)。燃料としては、特許文献1に示したメタノールの他、水素吸蔵合金や水素ボンベに格納された水素を利用することが研究されている。
【特許文献1】特開2004−146092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セルが平面配列された平面配列型の燃料電池では、各セルから電力を取り出すために、電極(アノードおよびカソード)の表面に集電体が接触して設けられている。集電体を電極の表面に接触させる場合には、電極と集電体との接触性を高めるために、ねじなどの締結部材を用いて集電体を電極に押しつける必要がある。このため、締結部材が占める部分が燃料電池をコンパクト化する際の障害となっていた。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、平面配列型の燃料電池をコンパクト化する技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、燃料電池である。当該燃料電池は、電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを有し、平面状に配列された複数のセルと、隣接するセルを電気的に接続する電気接続手段と、絶縁体と、を備え、電気接続手段の周囲に電解質膜及び絶縁体が存在し、電気接続手段がアノードおよびカソードの周囲の全体または一部に接することにより、電気接続手段と各セルのアノードおよびカソードとの電気的な接続が得られ、電気接続手段が屈曲し、電気接続手段および接続手段の周囲の電解質膜及び/又は絶縁体がアノード面またはカソード面のいずれか一方の面に突出していることを特徴とする。ここで、電気接続手段とは、集電体、インターコネクタなどの導電部材をいう。
【0007】
この態様によれば、電極(アノードおよびカソード)と集電体との接触が電極の周囲の全
体または一部において得られているため、電極の表面に集電体を接触させる場合に必要とされた締結部材が不要となる。このため、燃料電池のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0008】
上記態様の燃料電池において、電気接続手段がアノードの面に突出し、カソードの少なくとも一部は、その外周部分に接続された電気接続手段に対して凸になっていてもよい。
【0009】
上記態様の燃料電池において、電気接続手段が隣接するセルを電気的に直列に接続するインターコネクタを含み、インターコネクタが隣接するセルの間に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、平面配列型の燃料電池をより一層コンパクト化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(参考の形態1)
図1は、参考の形態1に係る燃料電池の分解斜視図である。燃料電池10は、膜電極接合体20、水素吸蔵合金タンク30、アノード側筐体40、カソード側筐体42を備える。膜電極接合体20の詳細な構造については後述し、燃料電池10の全体的な概略構造について説明する。
【0013】
膜電極接合体20の一方の面には、アノード側筐体40が設けられ、アノード側筐体40内に、アノード側の部材が格納される。具体的には、膜電極接合体20のアノード側の面には、アノードカバー50および水素吸蔵合金タンク30が設けられている。
【0014】
アノードカバー50によって、膜電極接合体20のアノードに面し、水素が充填される空間が形成される。水素吸蔵合金タンク30には、水素を吸蔵可能な水素吸蔵合金(たとえば、希土類系のMm(ミッシュメタル)Ni4.32Mn0.18Al0.1 Fe0.1 Co0.3)が格納されている。なお、水素吸蔵合金は、希土類系に限られず、たとえばTi−Mn系、Ti−Fe系、Ti−Zr系、Mg−Ni系、Zr−Mn系等であってもよい。
【0015】
水素吸蔵合金タンク30には、補給用の水素を貯蔵する外部ボンベ(図示せず)に接続可能な燃料補給口32が設けられている。燃料補給口32に外部ボンベを接続することにより、水素吸蔵合金タンク30内の水素吸蔵合金に水素を補充可能である。
【0016】
水素吸蔵合金タンク30に貯蔵された水素は、レギュレータ34を介して膜電極接合体20のアノードに供給される。レギュレータ34により、外部ボンベから水素吸蔵合金に水素が補充される際や、水素吸蔵合金から水素が放出される際に、アノードに供給される水素の圧力が低減され、アノードが保護される。
【0017】
また、アノード側筐体40内には、制御回路70が格納されている。制御回路70は、燃料電池10で発生する電圧を調整し、一定の値を外部に出力するDC−DCコンバータなどの電気回路を含む。
【0018】
一方、膜電極接合体20の他方の面には、カソード側筐体42が設けられ、カソード側筐体42内に、カソード側の部材が格納される。具体的には、膜電極接合体20のカソード側の面には、パッキン60を介してメッシュ状のカソードフィルタ62が設けられている。カソードフィルタ62により、外部から取り込まれる空気の塵やほこりが除去される。
【0019】
図2は、膜電極接合体20の構造の要部を示す斜視図である。膜電極接合体20は、電解質膜22、アノード24a、bおよび、アノード24a、bにそれぞれ対向するカソード26a、bを備える。すなわち、膜電極接合体20において、複数のセルが平面状に形成されている。アノード24a、bには、水素吸蔵合金タンク30から水素が供給される。カソード26a、bには空気が供給される。燃料電池10は、水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電する。なお、図2に示した膜電極接合体の例では、セルの数が2であるが、セルの数は任意である。また、複数のセルを縦横に配列することも可能である。
【0020】
アノード24a、bは、電解質膜22の一方の面に離間した状態で形成されている。本実施の形態では、各アノード24a、bの周囲の一辺にそれぞれ集電体80a、bが接続されている。また、集電体80a、bが設けられた辺とは反対側の各アノード24a、bの側面には、絶縁体84a、bが設けられている。絶縁体84a、bにより、隣接するアノード間において一方のアノードに接続された集電体と他方のアノードとが絶縁されている。
【0021】
一方、カソード26a、bは、電解質膜22の他方の面に離間した状態で形成されている。アノードと同様に、各カソード26a、bの周囲の一辺にそれぞれ集電体82a、bが接続されている。ただし、カソード側において、集電体82a、bは、電解質膜22を挟んでアノード側に設けられた絶縁体84a、bとそれぞれ対向する位置に設けられている。また、集電体82a、bが設けられた辺とは反対側の各カソード26a、bの側面には、絶縁体86a、bが設けられている。絶縁体86a、bにより、隣接するカソード間において一方のカソードに接続された集電体と他方のカソードとが絶縁されている。
【0022】
なお、集電体80a,bおよび集電体82a、bは、たとえば、アルミニウム、金、白金などの金属あるいはカーボンからなる導電材料により構成される。
【0023】
隣接するセルにおいて、一方のセルのアノード側の集電体80と他方のセルのカソード側の集電体82とは、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタ(図示せず)により電気的に接続される。図2の例では、集電体80bと集電体82aとがインターコネクタにより接続される。これにより、各セルが電気的に直列に接続される。
【0024】
電解質膜22は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、アノード24とカソード26との間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。電解質膜22は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などが挙げられる。また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどが挙げられる。
【0025】
アノード24a、bおよびカソード26a、bは、イオン交換樹脂と触媒粒子からなる触媒層で構成される。
【0026】
イオン交換樹脂は、触媒担持炭素粒子と電解質膜22を接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。イオン交換樹脂は、電解質膜22と同様の高分子材料から形成されてよい。触媒には、例えば白金、ルテニウム、ロジウムなどの1種または2種を合金化したものなどがある。
【0027】
参考の形態の燃料電池によれば、電極(アノードおよびカソード)と集電体との接触が電極の周囲において得られているため、電極の表面に集電体を接触させる場合に必要とされ
た締結部材が不要となる。このため、燃料電池のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0028】
また、集電体が電極の一辺に沿って設けられているため、集電体の投影面積を小さくすることができ、この分だけセル(発電部分)の面積を大きくすることができる。
【0029】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて参考の形態1と同様である。図3は、実施の形態2に係る燃料電池の膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。実施の形態2の膜電極接合体20では、隣接するセル間にアノード側に突き出た突出部100が形成されている。突出部100において、電解質膜22が折り返されている。カソード26aと接する集電体82aの延長部分が、折り返された電解質膜22の間に埋め込まれている。折り返された電解質膜22の間において、集電体82aの延長部分は、カソード26a側の電解質膜22aと接し、カソード26b側の電解質膜22bとは離間している。集電体82aと電解質膜22bとの間に絶縁体86bが埋め込まれている。絶縁体86bにより、集電体82aと電解質膜22bとが絶縁されている。また、アノード側において、アノード24bと接する集電体80bの延長部分が、電解質膜22bに沿って設けられている。なお、突出部(電気接続手段)がアノード側に突き出しているため、本実施の形態では、カソードにおける空気の拡散性が確保されている。
【0030】
本実施の形態によれば、セルの間隔を広げることなく(発電面積効率を損なうことなく)、集電体の断面積を大きくすることにより、集電体における抵抗による電圧ロスを低減することができる。
【0031】
なお、本実施の形態のように、膜電極接合体20に突出部100を設ける場合には、図4に示すように、アノードカバー50に突出部100を挿入可能な溝52を設けることが望ましい。これによれば、突出部100を安定的に固定することができる。
【0032】
(参考の形態3)
参考の形態3に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて参考の形態1と同様である。参考の形態1の燃料電池では、膜電極接合体20の端部にインターコネクタを設けることにより、各セルを電気的に直列に接続しているが、各セルを直列に接続する手段はこれに限られない。参考の形態3の膜電極接合体20では、図5に示すように、インターコネクタ110が隣接するセルの間に設けられている。具体的には、隣接するセル間において、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが対向するように、集電体80bおよび集電体82aが参考の形態1に比べて延長している。インターコネクタ110は、集電体80bと集電体82aとの間に設けられ、集電体80bと集電体82aを電気的に接続する。
【0033】
参考の形態によれば、インターコネクタが膜電極接合体20の端部に設けられずに、隣接するセルの間に設けられているため、電子の移動距離が小さくなり、集電体における抵抗による電圧ロスをさらに低減することができる。
【0034】
(実施の形態4)
実施の形態4に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて参考の形態1と同様である。図6は、実施の形態4で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。実施の形態4の膜電極接合体20では、実施の形態2と同様に、隣接するセル間にアノード側に突き出た突出部100が形成されている。本実施の形態では、セル間に設けられたインターコネクタ110が突出部100において電解質膜22を貫通している。インターコネクタ110により、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが電気的
に接続されている。
【0035】
本実施の形態によれば、参考の形態3の効果に加えて、セルの間隔を広げることなく(発電面積効率を損なうことなく)、集電体の断面積を大きくすることにより、集電体における抵抗による電圧ロスを低減することができる。
【0036】
(参考の形態5)
参考の形態5に係る燃料電池の構成は、膜電極接合体を除いて参考の形態1と同様である。参考の形態1,3および実施の形態2、4では、各セルの電極の一辺に沿って集電体が設けられているが、参考の形態では、各セルの電極の周囲全体(四辺)に集電体が設けられ、電極周囲の各辺と集電体とが接している。図7は、参考の形態5で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。参考の形態では、集電体80a、bは、それぞれ、アノード24a、bの周囲全体に設けられ、アノード24a、b周囲の四辺の側面に接している。また、集電体82a、bは、それぞれ、カソード26a、bの周囲全体に設けられ、カソード26a、b周囲の四辺の側面に接している。隣接するセルの間において、集電体80aと集電体80bとは、絶縁体84aによって絶縁されている。また、集電体82aと集電体82bとは、絶縁体86aによって絶縁されている。隣接するセルにおいて、一方のセルのアノード側の集電体80と他方のセルのカソード側の集電体82とは、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタ(図示せず)により電気的に接続される。これにより、各セルが電気的に直列に接続される。
【0037】
これによれば、電極周囲の四辺が集電体と接しているため、集電性を損なうことなく、セルの大きさ(幅)を大きくすることができる。また、集電体が電極に対して対称的に設けられているため、電子(電流)が分散し、集電性を高めることができる。
【0038】
(実施の形態6)
図8は、実施の形態6で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。本実施の形態では、参考の形態5に示した膜電極接合体のアノード側において隣接するセルの間に突出部100が設けられている。突出部100において、電解質膜22が折り返されている。カソード26aと接する集電体82aの延長部分が、折り返された電解質膜22の間に埋め込まれている。折り返された電解質膜22の間において、集電体82aの延長部分は、カソード26a側の電解質膜22aと接し、カソード26b側の電解質膜22bとは離間している。また、カソード26bと接する集電体82bの延長部分が、折り返された電解質膜22の間に埋め込まれている。折り返された電解質膜22の間において、集電体82bの延長部分は、カソード26b側の電解質膜22bと接し、カソード26a側の電解質膜22aとは離間している。折り返された電解質膜22の間において、集電体82aと集電体82bとの間に絶縁体86aが埋め込まれている。絶縁体86aにより、集電体82aと集電体82bとが絶縁されている。
【0039】
また、アノード側において、アノード24aと接する集電体80aの延長部分が、電解質膜22aに沿って設けられている。また、アノード24bと接する集電体80bの延長部分が、電解質膜22bに沿って設けられている。集電体80aと集電体80bとは絶縁体84aにより絶縁されている。
【0040】
(膜電極接合体の作製方法1)
図9は、実施の形態6で用いられる膜電極接合体の作製方法を示す工程図である。まず、図9(A)に示すように、印刷法を用いて、電解質膜22の一方の面に所定の間隔で複数のカソード(触媒層)26を形成するとともに、電解質膜22の他方の面に各カソードに対応して所定の間隔で複数のアノード(触媒層)24を形成する。また、隣接するカソード間において、各カソードの周囲全体に設けられ、カソード周囲の各辺に接続された一対
の集電体82を形成した後、一対の集電体82を被覆するように、絶縁体86を形成する。また、隣接するアノード間において、各アノードの周囲全体に設けられ、アノード周囲の各辺に接続された一対の集電体80を形成する。
【0041】
次に、図9(B)に示すように、隣接するカソードの中心部分で電解質膜22を折り曲げることにより、アノード側に突出部100を突出させる。次に、絶縁性の接着ペーストなどを用いて、図9(B)に示した部分X(絶縁体86の端部)同士を接着させる。また、隣接するセルの間の集電体80同士を絶縁するために、領域Yに絶縁体を形成する。以上の工程により、実施の形態6で用いられる膜電極接合体を形成することができる。
【0042】
(膜電極接合体の作製方法2)
図10は、実施の形態6で用いられる膜電極接合体の他の作製方法を示す工程図である。本工程では、まず、図10(A)に示すように、絶縁体86の両面にそれぞれ集電体82を形成した部材を予め作製する。一方、電解質膜22の一方の面に所定の間隔で複数のカソード(触媒層)26を形成する。また、電解質膜22の他方の面に各カソードに対応して所定の間隔で複数のアノード(触媒層)24を形成する。隣接するアノード間において、各アノードの周囲全体に設けられ、アノード周囲の各辺に接続された一対の集電体80を形成する。
【0043】
次に、図10(B)に示すように、隣接するカソードの中心部分で電解質膜22を折り曲げることにより、アノード側に突出部100を突出させる。次に、集電体82とカソード26の側面との接合部分Zを導電ペースト120で接着する。さらに、また、隣接するセルの間の集電体80同士を絶縁するために、領域Yに絶縁体を形成する。
【0044】
(参考の形態7)
参考の形態5では、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタに各セルが電気的に直列に接続されている。実施の形態7では、参考の形態5に対応し、隣接するセルの間に設けられたインターコネクタにより各セルが電気的に直列に接続されている。具体的には、図11に示すように、参考の形態7の膜電極接合体20では、インターコネクタ110が隣接するセルの間に設けられている。隣接するセル間において、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが対向するように、集電体80bおよび集電体82aが参考の形態5に比べて延長している。インターコネクタ110は、集電体80bと集電体82aとの間に設けられ、集電体80bと集電体82aを電気的に接続する。
【0045】
参考の形態によれば、参考の形態5の効果に加えて、インターコネクタが膜電極接合体20の端部に設けられずに、隣接するセルの間に設けられているため、電子の移動距離が小さくなり、集電体における抵抗による電圧ロスをさらに低減することができる。
【0046】
(実施の形態8)
実施の形態6では、膜電極接合体20の端部に設けられたインターコネクタに各セルが電気的に直列に接続されている。実施の形態8では、実施の形態6に対応し、隣接するセルの間に設けられたインターコネクタにより各セルが電気的に直列に接続されている。具体的には、図12に示すように、実施の形態8の膜電極接合体20では、突出部100内において、隣接するセルの間にインターコネクタ110が設けられている。隣接するセル間において、アノード側の集電体80bとカソード側の集電体82aとが対向するように、集電体80bおよび集電体82aが実施の形態6に比べて延長している。インターコネクタ110は、集電体80bと集電体82aとの間に設けられ、集電体80bと集電体82aを電気的に接続する。
【0047】
本実施の形態によれば、実施の形態6の効果に加えて、インターコネクタが膜電極接合体
20の端部に設けられずに、隣接するセルの間に設けられているため、インターコネクタに必要な占有面積を低減することができる。この結果、燃料電池のさらなるコンパクト化を図ることができる。
【0048】
(実施の形態9)
実施の形態8の膜電極接合体20では、カソード26a、bが平坦な形状であるが、カソード26a、bの形状は平坦でなくてもよい。図13に示すように、実施の形態9の膜電極接合体20では、カソード26a、bは、それぞれ、その外周部分に対して中央部分が凸になっている。また、カソード26a、bの外周部分は、なめらかに湾曲した形状(R部分)となっている。
【0049】
これによれば、突出部(電気接続手段)を突出させるために要する集電体のR部分をも電極として有効に使えるようになるので、燃料電池の投影面積当たりの有効電極面積を増大させることが可能となり、小型高出力化の効果が高まる。
【0050】
また、拡散性の点で拡散分極の増加要因になりやすい空気(大気)との接触界面、および生成水の放出面積が相対的に増加するため、前記拡散分極が低減し、小型化、高出力化の効果が高まる。
【0051】
なお、アノードに燃料として純水素を供給する場合には、燃料の拡散性の影響が小さいので、アノード側に設けられた一組の突出部に挟まれた凹部に触媒層またはガス拡散層などのアノードの一部が埋め込まれていてもよい。これによれば、セル強度が向上する。
【0052】
なお、本実施の形態では、カソード26a、bは、それぞれ、その外周部分に対して中央部分が凸になっているが、カソード26a、bは波状であってもよい。上述した効果は、カソード26a、bの少なくとも一部が、その外周部分に接続された集電体に対して凸になっている構成によっても得られる。
【0053】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
【0054】
たとえば、突出部100の形状および形態は、実施の形態2、4、6および8に示したようなU字状に限られない。たとえば、図14に示すように、突出部100は三角形状であってもよい。また、図15に示すように、突出部100に屈曲箇所が2カ所設けられていてもよい。また、図16に示すように、突出部100において、集電体82aおよび82bが巻回され、集電体82aと集電体82bとが絶縁体86により絶縁されていてもよい。これによれば、集電体82a、82bの断面積を大きくすることにより、電圧ロスをより低減することができる。
【0055】
また、上述の各形態では、一枚の電解質膜の表裏に複数のセルに対応してアノードおよびカソードが形成されているが、電解質膜は、複数のセル毎に分離されていてもよい。具体的には、参考の形態1の変形例としては、図17に示すように、隣接するセル間において、ポリイミド、テフロン(登録商標)シートなどの樹脂基材200を設け、樹脂基材200の一方の面に、アノード24bの側面に接触する集電体80bと、集電体80bとアノード24aとを絶縁する絶縁体84aが設けられる。一方、樹脂基材200の他方の面に、カソード26aの側面に接触する集電体82aと、集電体82aとカソード26bとを絶縁する絶縁体86aが設けられる。また、図18は、実施の形態2の変形例で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。この場合には、樹脂基材200に折り返しを予め設けておき、この樹脂基材200に実施の形態2と同様に、集電体82a、8
0bおよび絶縁体86bが形成されている。
【0056】
このような変形例によれば、樹脂基材200が膨潤しにくいため、集電体および絶縁体が剥離することを抑制することができる。
【0057】
このような変形例に係る膜電極接合体は、たとえば、以下に示す手順により作製可能である。まず、未加工の樹脂基材を用意し、エッチングなどにより、セル部分などに必要な穴を樹脂基材にあける。次に、隣接するセル部分の間の樹脂基材の表裏に集電体および絶縁体を形成する。次に、セル部分の穴に電解質溶液を充填する。最後に、電解質の表裏にそれぞれ、カソード用、アノード用の触媒層を作製する。以上の工程により、図18に示す実施の形態2の変形例の膜電極接合体を作製することができる。
【0058】
なお、燃料電池を構成する複数のセルは、全てが直列に接続されている必要はない。たとえば、複数のセルの半分ずつを直列に接続し、直列に接続されたセルの組を並列に接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】参考の形態1に係る燃料電池の分解斜視図である。
【図2】参考の形態1で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す斜視図である。
【図3】実施の形態2で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図4】実施の形態2に係る燃料電池の要部を示す分解斜視図である。
【図5】参考の形態3で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す斜視図である。
【図6】実施の形態4で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図7】参考の形態5で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図8】実施の形態6で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図9】実施の形態6で用いられる膜電極接合体の作製方法を示す工程図である。
【図10】実施の形態6で用いられる膜電極接合体の他の作製方法を示す工程図である。
【図11】参考の形態7で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図12】実施の形態8で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図13】実施の形態9で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【図14】膜電極接合体に設けられた突出部の変形例を示す図である。
【図15】膜電極接合体に設けられた突出部の変形例を示す図である。
【図16】膜電極接合体に設けられた突出部の変形例を示す図である。
【図17】参考の形態1の変形例で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す斜視図である。
【図18】実施の形態2の変形例で用いられる膜電極接合体の構造の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
10 燃料電池、20 膜電極接合体、22 電解質膜、30 水素吸蔵合金タンク、40 アノード側筐体、42 カソード側筐体、50 アノードカバー、60 パッキン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、前記電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを有し、平面状に配列された複数のセルと、
隣接する前記セルを電気的に接続する電気接続手段と、
絶縁体と、
を備え、
前記電気接続手段の周囲に電解質膜及び絶縁体が存在し、
前記電気接続手段が前記アノードおよび前記カソードの周囲の全体または一部に接することにより、前記電気接続手段と各セルの前記アノードおよび前記カソードとの電気的な接続が得られ、前記電気接続手段が屈曲し、前記電気接続手段および前記電気接続手段の周囲の電解質膜及び/又は絶縁体が前記アノード面または前記カソードのいずれか一方の面に突出していることを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
前記電気接続手段が前記アノードの面に突出し、前記カソードの少なくとも一部は、その外周部分に接続された前記電気接続手段に対して凸になっていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記電気接続手段が隣接するセルを電気的に直列に接続するインターコネクタを含み、前記インターコネクタが隣接するセルの間に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
【請求項1】
電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に設けられたアノードと、前記電解質膜の他方の面に設けられたカソードとを有し、平面状に配列された複数のセルと、
隣接する前記セルを電気的に接続する電気接続手段と、
絶縁体と、
を備え、
前記電気接続手段の周囲に電解質膜及び絶縁体が存在し、
前記電気接続手段が前記アノードおよび前記カソードの周囲の全体または一部に接することにより、前記電気接続手段と各セルの前記アノードおよび前記カソードとの電気的な接続が得られ、前記電気接続手段が屈曲し、前記電気接続手段および前記電気接続手段の周囲の電解質膜及び/又は絶縁体が前記アノード面または前記カソードのいずれか一方の面に突出していることを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
前記電気接続手段が前記アノードの面に突出し、前記カソードの少なくとも一部は、その外周部分に接続された前記電気接続手段に対して凸になっていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】
前記電気接続手段が隣接するセルを電気的に直列に接続するインターコネクタを含み、前記インターコネクタが隣接するセルの間に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−58500(P2013−58500A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−284069(P2012−284069)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2007−137255(P2007−137255)の分割
【原出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2007−137255(P2007−137255)の分割
【原出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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