説明

燃焼ガス発生装置

【課題】 電解槽内の電解液の温度を均一化し、電解液の電気分解の速度を速め、効率よく燃焼ガスを発生できる燃焼ガス発生装置を提供すること。
【解決手段】 燃焼ガス発生装置は、電解液17が蓄留された円筒状の電解槽と、電解槽の中心軸に配置され、電解槽の電解液17に浸漬された柱状の負電極13と、電解槽内の中心軸を中心に同心円状に配列された複数の電極板141、142とを備え、電解槽、複数の電極板141、142および負電極13の間で電解液17を電気分解することにより、燃焼ガスGを発生するものである。また、負電極13は、磁性材により形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃焼ガス発生装置に関し、特に複数の電極間で電解液を電気分解することにより、燃焼ガスを発生させる燃焼ガス発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1971年オーストリアのユル ブラウン(YULL BROWN)博士は、水(HO)から出てくる酸素原子と水素原子とを一定比率で結合するとより完全に燃焼するとの事実を発見した。
また、ユル ブラウン博士は、これに対する持続的な研究開発により高効率な電解槽の開発に成功することにより、ブラウンガスと呼ばれるほどの独特な燃料ガスを発明するに至った。その後、より効率的にブラウンガスを発生する装置が世界各地で開発された。
ブラウンガスを発生させる燃焼ガス発生装置として、たとえば、水位センサにより電解槽内の電解液の水位を監視し、電解槽内の電解液の水位に応じてバルブの開閉を行うことにより、給水タンクから電解槽へ水を自動的に供給する燃焼ガス発生装置が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−129480号公報(図1、段落0037〜段落0040)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、各電極間に加わる電圧の格差や各電極の配置場所の違い等により、電解液の温度が電解槽内で均一にならないことがあった。
電解液の温度が約70℃以上の高温になると水蒸気が発生してしまい、水素および酸素を含む燃焼ガスの発生量を減少させてしまう結果を招いていた。
また、各電極が高温の電解液内にさらされると、金属腐食を助長させ、電極の寿命を早めてしまっていた。
この発明は、電解槽内の電解液の温度を均一化し、電解液の電気分解の速度を速め、効率よく燃焼ガスを発生できる燃焼ガス発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る燃焼ガス発生装置は、電解液が蓄留された電解槽と、電解槽内の電解液に浸漬された負電極とを備え、電解液を電気分解することにより、燃焼ガスを発生する燃焼ガス発生装置であって、負電極は、磁性材により形成されたことを特徴とするものである。
このような構成により、電解槽内の電解液の温度を均一化し、電解液の電気分解の速度を速め、効率よく燃焼ガスを発生できる。
【0005】
また、本発明に係る別の燃焼ガス発生装置は、電解液が蓄留される電解槽と、上記電解槽内の上記電解液に浸漬された負電極とを備え、上記電解槽に正電圧を印加し、上記負電極に負電圧を印加し、上記電解槽と上記負電極との間で上記電解液を電気分解することにより、燃焼ガスを発生する燃焼ガス発生装置であって、上記負電極は、磁性材により形成されたことを特徴とするものである。
このような構成により、電解槽内の電解液の温度を均一化し、電解液の電気分解の速度を速め、効率よく燃焼ガスを発生できる。
【0006】
また、本発明に係る別の燃焼ガス発生装置は、電解液が蓄留された円筒状の電解槽と、上記電解槽の中心軸に配置され、上記電解槽の上記電解液に浸漬された柱状の負電極と、上記電解槽内の中心軸を中心に同心円状に配列され、上記電解槽の上記電解液に浸漬された複数の電極板とを備え、上記電解槽に正電圧を印加し、上記負電極に負電圧を印加し、上記電解槽、上記複数の電極板および上記負電極の間で上記電解液を電気分解することにより、燃焼ガスを発生する燃焼ガス発生装置であって、上記負電極は、磁性材により形成されたことを特徴とするものである。
このような構成により、電解槽内の電解液の温度を均一化し、電解液の電気分解の速度を速め、効率よく燃焼ガスを発生できる。
【0007】
また、複数の電極板は、等間隔に配列されてもよい。
【0008】
また、複数の電極板は、電解槽の中心軸を含む面により、分断されてもよい。
【0009】
また、複数の電極板は、電解槽の中心軸を含む面により、2等分に分断されてもよい。
【0010】
また、複数の電極板は、電解槽の中心軸を含む面により、4等分に分断されてもよい。
【0011】
また、複数の電極板は、ステンレス合金により形成されてもよい。
【0012】
また、電解液は、水酸化カリウム水溶液であってもよい。
【0013】
また、電解槽に電解液を供給する供給口と、電解槽内の電解液を排出する排出口とを備え、排出口から排出される電解液が供給口まで循環される循環経路を有してもよい。
【0014】
また、電解液の循環経路中に、電解液を冷却する手段を備えてもよい。
【0015】
また、冷却手段は、電解液の液体温度を約38℃から約48℃の間に冷却してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、電解槽内の電解液の温度を均一化し、電解液の電気分解の速度を速め、効率よく燃焼ガスを発生できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置の全体構成を示す模式図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置の電解槽の内部構成を示す模式図であって、図2(a)は電解槽の中心軸を含む面における断面図であり、図2(b)は図(a)のA−A切断線の断面図である。
図1に示されるように、本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置1は、4つの電解槽10、水位計20、燃焼ガス蓄積タンク30、燃焼ガス供給パイプ40、電解液収集タンク50、循環ポンプ60、フィルタ70、電解液蓄積タンク80、冷却タンク90、冷却水用ポンプ100等から形成されている。
【0018】
図2に示されるように、電解槽10は、金属円筒11の両端を金属蓋12aおよび12bにより密閉されて構成されている。なお、金属円筒11および金属蓋12a、12bは、腐食性に強いステンレス(SUS304)等により形成されている。金属円筒11および金属蓋12a、12b間は、ステンレス(SUS304)製のボルト(不図示)により締結される。
図2に示されるように、電解槽10の金属円筒11の中心軸には負電極13が取り付けられている。負電極13は円柱形状に形成されている。また、負電極13は例えば3000ガウス以上の磁性材により形成されている。
また、図2(a)に示されるように、複数の電極板141、142は金属円筒11内で2段に配置されている。また、図2(b)に示されるように、複数の電極板141、142は、負電極13を中心に同心円状に、例えば約4mm〜約5mm前後の略等間隔に配列されている。なお、図2(b)では、複数の電極板141、142のうち複数の電極板141の切断面を示している。
なお、図2(b)では、電極板141、142は負電極13から電解槽10の金属円筒11内壁の間に16枚配列されている。
【0019】
また、電極板141および142は、好ましくは、電解槽10の中心軸を通る平面で、分断されてもよい。図2(b)では、一例として2分割して、半円状の複数の電極板141a、141bに分断した構成を示している。また、図示しないが、複数の電極板142も、図2(b)に示された構成と同様の構成を有する。なお、4分割、6分割、・・・12分割、・・のように、物理的に可能な範囲で、分割数を増してもよい。電極板141aと141bとの間には、絶縁板(不図示)が設けられている。
また、金属蓋12aおよび12bの内面には、ガイドプレート15a、15bがそれぞれ取り付けられている。また、金属円筒11の長手方向の中央部には、センタープレート16が取り付けられている。複数の電極板141、142は、ガイドプレート15a、15bおよびセンタープレート16により電解槽10内に保持されている。
【0020】
ここで、ガイドプレート15a、15bおよびセンタープレート16の構成について説明する。
図3は、ガイドプレートの構成を示す図であって、図3(a)は平面図であり、図3(b)はB−B切断線の断面図である。
図4は、センタープレートの構成を示す図であって、図4(a)は平面図であり、図4(b)はC−C切断線の断面図である。
図3(a)および(b)に示されるように、ガイドプレート15a、15bは、例えばポリアセタール等の絶縁樹脂により円盤形状に形成されている。また、ガイドプレート15a、15bの中心には負電極13が挿入される貫通穴151が形成されている。また、電解槽10の内側に向けられる面上には、中心から同心円状に複数の溝152が、例えば約4mm〜約5mm前後の略等間隔に形成されている。これら複数の溝152には複数の電極板141または142が挟み込まれる。
【0021】
なお、複数の電極板141または142のガイドプレート15a、15bへの取り付け作業性を考慮して、ガイドプレート15a、15bの中心の貫通穴151から外周方向に向けて、6本の溝153が形成されている。
図4(a)および(b)に示されるように、センタープレート16は、例えばポリアセタール等の絶縁樹脂により十字形の板状に形成されている。また、センタープレート16の中心には負電極13が挿入される貫通穴が161形成されている。また、センタープレート16の両面には、中心から同心円状に複数の溝162a〜162dが、ガイドプレート15a、15bの溝152と同一の間隔で等間隔に形成されている。これら複数の溝162a〜162dには複数の電極板141および142が挟み込まれる。
そして、図1に示されるように、複数の電極板141は、ガイドプレート15aとセンタープレート16との間に、溝152および溝162a〜162dを介して保持される。また、複数の電極板142は、センタープレート16とガイドプレート15bとの間に、溝152および溝162a〜162dを介して保持される。
【0022】
図2に示されるように、電解槽10の内部には電解液17が蓄留されている。電解槽10内の電解液17の水位は、図1に示される水位計20により、常時一定水位になるように管理されている。電解液17には、例えば水酸化カリウム(KOH)水溶液が用いられている。なお、好ましくは、電解液17には、低濃度(例えば5〜30%濃度)の水酸化カリウム水溶液を用いる方がよく、さらに好ましくは5〜15%濃度の水酸化カリウム水溶液を用いるのがよい。
また、図2に示されるように、負電極13、複数の電極板141および142は、電解槽10内の電解液17中に浸漬されている。
図1に示されるように、電解槽10には正電圧が印加され、負電極13には負電圧が印加され、電解槽10、複数の電極板141、142および負電極13の間で、電解液17が電気分解され、水素、酸素およびカリウムを含む混合燃焼ガスGを発生する。この混合燃焼ガスGは、電解液17である水酸化カリウム水溶液よりも比重は軽いため、電解液17内を泡となって上昇し、電解槽10内の上部に溜められる。
【0023】
図2に示されるように、電解槽10の上面には、混合燃焼ガスGを送出する送出口18と、電解液17を電解槽10の内部へ供給するための供給口19とが、設けられている。また、電解槽10の下面には、電解液17を排出するための排出口110が設けられている。
図1に示されるように、電解槽10の上部に溜められる混合燃焼ガスGは、送出口18および連結パイプP1a〜P1dを通って燃焼ガス蓄積タンク30に蓄積される。連結パイプP1a〜P1dは、各電解槽10の上面と燃焼ガス蓄積タンク30との間を接続するのに用いられている。
また、燃焼ガス蓄積タンク30内に蓄積される混合燃焼ガスGは、連結パイプP2a〜P2cを介して、燃焼ガス供給パイプ40へ送出される。
【0024】
図1および図2に示されるように、排出口110から排出される電解液17は、連結パイプP3a〜P3dを介して、電解液収集タンク50に流入される。連結パイプP3a〜P3dは、各電解槽10の各排出口110と電解液収集タンク50との間を接続するのに用いられている。
電解液収集タンク50に収集された電解液17は、連結パイプP4を通って循環ポンプ60に流入される。循環パイプ60により、電解液17は、連結パイプP5、フィルタ70および連結パイプP6を介して、電解液蓄積タンク80に流入される。なお、電解液17に含まれる不純物は、フィルタ70により取り除かれる。
【0025】
図1に示されるように、電解液蓄積タンク80に蓄積された電解液17は、循環ポンプ60の動力により、連結パイプP7、冷却タンク90、連結パイプP8および各電解槽10の各供給口18を介して、各電解槽10内部に流入される。なお、連結パイプP8は各電解槽10の上面の各供給口19に接続されるが、図面作成の便宜上、図1では側面側に接続されるように表している。
冷却タンク90内には、金属管で構成されたヒートパイプ(不図示)が張り巡らされている。ヒートパイプの両端には、連結パイプP9、P10が連結されている。
冷媒としての冷却水が連結パイプP11から流入され、冷却水は冷却水用ポンプ100の動力により連結パイプP9および連結パイプP10間に設けられたヒートパイプ内で循環されている。冷却タンク90内では、電解液蓄積タンク80から流入される電解液17の熱が、ヒートパイプを介して放出・排出されている。連結パイプP10からは、熱を吸収した冷却水が温水となって流出されている。なお、電解液17が約43℃±5℃前後に保たれて電解槽10の供給口19に流入されるように、冷却水の温度や循環ポンプ100の動力が調整されている。
【0026】
次に、本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置の動作説明を図に基づいて、説明する。
図1に示されるように、電解液17が、循環ポンプ60の動力により、フィルタ70、電解液蓄積タンク80、冷却タンク90、4つの電解槽10、電解液収集タンク50およびこれらを連結する連結パイプP3a〜P3d、P4〜P8間で、循環されている。
このとき、冷却タンク90内に張り巡らせられ、金属管で形成されたヒートポンプ(不図示)の中には、冷却水用ポンプ100により冷却水が流入され、冷却タンク90内で電解液17が約43℃±5℃前後にまで冷却されている。
図1に示されるように、電解槽10内の電解液17の水位は、水位計20により一定に保たれている。
【0027】
また、図1に示されるように、各電解槽10には正電圧が印加され、各負電極13には負電圧が印加される。
次に、図2に示されるように、電解槽10、複数の電極板141、142および負電極13の間で、電解液17が電気分解され、水素、酸素およびカリウムを含む混合燃焼ガスGを発生する。混合燃焼ガスGは、電解液17内を泡となって上昇し、各電解槽10内の上部に溜められる。
そして、図1に示されるように、各電解槽10の上部に溜められる混合燃焼ガスGは、各送出口18および連結パイプP1a〜P1dを通って燃焼ガス蓄積タンク30に蓄積された後、連結パイプP2a〜P2cを介して、混合ガス供給パイプ40へ送出される。
【0028】
ここで、一般に、電解槽10内の中心軸に設けられた負電極13側と、電解槽10の内壁側とでは、電解液17の温度が異なる。すなわち、電解槽10内の中心軸に設けられた負電極13側では、電解槽10の内壁側と比較して、電解液17の温度が著しく上昇する傾向にある。これは、電解槽10内の負電極13側では、電解槽10の内壁側と比較して、電極板141および142が密集して配置されており、電解液17の流れが悪くなっていることによるものと考えられている。電解液17が負電極13付近で流れることなく止まってしまうと、負電極13付近の温度が上昇し、電解液17の温度が70℃以上になると負電極13や負電極13付近の複数の電極板141、142が腐食してしまう傾向がある。
【0029】
これに対し、本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置1では、負電極13を磁性材により形成することにより、負電極13に磁性を持たせた。負電極13に磁性を持たせたとき、負電極13、複数の電極板141、142および電解槽10間に流れる電流の電流速度を高速化し、電解槽10内の電解液17に対流を生じさせる作用を発揮する。
この作用が発揮されることにより、電解槽10内の電解液17が電解槽10内で対流し、電解槽10内の電解液17の温度が均一化され、電気分解の速度を速めることができ、効率よく混合燃焼ガスGを発生することができる。また、負電極13や複数の電極板141、142の腐食を防止することができる。
【0030】
発明者は負電極13に磁性を持たせたことによる作用を、次に示す実験により確認した。
図5は、電解液を10%濃度の水酸化カリウム(KOH)水溶液としたときの混合燃焼ガスの発生量等を測定した実験データを示す図であって、図5(a)は負電極に磁性を持たせない場合の実験データを示す図であり、図5(b)は負電極に磁性を持たせた場合の実験データを示す図である。
また、図6は、図5で示された実験データをグラフ化した図であり、電解液を10%濃度の水酸化カリウム水溶液としたときの混合燃焼ガスの発生量等を測定した実験データのグラフを示す図であって、図6(a)は負電極に磁性を持たせない場合の実験データのグラフを示す図であり、図6(b)は負電極に磁性を持たせた場合の実験データのグラフを示す図である。
【0031】
まず、実験装置について説明する。
電極には2枚の電極板を用いた。正電極には約20cm四方のステンレス合金(SUS304)の平板を用いた。負電極には、磁性を持たせない場合は約20cm四方のニッケル(Ni)の平板を用い、磁性を持たせる場合は約20cm四方の約6000ガウスの磁性材料にステンレス合金(SUS304)のメッキを施した平板を用いた。
また、電解液には、10%濃度の水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いた。
このような実験装置を、常温常圧の環境下で密閉状態にし、正電極および負電極を電解液中に浸漬した状態で、両電極に12Vの電圧を印加した。
このような実験を行った結果、図5に示されるような実験データが得られた。この実験データをグラフにすると、図6のように表される。
【0032】
図6(a)および(b)に示されるように、負電極に磁性を持たせるか否かに係らず、時間経過に従って、水素濃度、酸素濃度および温度が上昇している。
図6(a)および(b)に示されるように、負電極に磁性を持たせた場合の方が、磁性を持たせない場合と比較して、水素濃度および酸素濃度が高くなっている。
一方、温度については、図6(a)および(b)に示されるように、負電極に磁性を持たせた場合の方が、磁性を持たせない場合と比較して、温度上昇が低減されている。
このように、負電極に磁性を持たせた結果、混合燃焼ガスに含まれる酸素および水素の濃度を高めることができ、電解液の温度上昇を低減できた。
この結果を本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置1に適用すると、負電極13を磁性材により形成することにより、電解槽10内の電解液17が電解槽10内で対流し、電解槽10内の電解液17の温度が均一化され、電気分解の速度を速めることができ、効率よく混合燃焼ガスGを発生させることができることがわかる。
【0033】
以上のように、本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置1によれば、電解槽10内の電解液17の温度を均一化し、電解液17の電気分解の速度を速め、効率よく燃焼ガスを発生できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。また、当業者であれば、上記発明の実施の形態の各要素を本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る燃焼ガス発生装置の電解槽の内部構成を示す模式図であって、図2(a)は電解槽の中心軸を含む面における断面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A切断線の断面図である。
【図3】ガイドプレートの構成を示す図であって、図3(a)は平面図であり、図3(b)はB−B切断線の断面図である。
【図4】センタープレートの構成を示す図であって、図4(a)は平面図であり、図4(b)はC−C切断線の断面図である。
【図5】電解液を10%濃度の水酸化カリウム(KOH)水溶液としたときの混合燃焼ガスの発生量等を測定した実験データを示す図であって、図5(a)は負電極に磁性を持たせない場合の実験データを示す図であり、図5(b)は負電極に磁性を持たせた場合の実験データを示す図である。
【図6】図5で示された実験データをグラフ化した図であり、電解液を10%濃度の水酸化カリウム水溶液としたときの混合燃焼ガスの発生量等を測定した実験データのグラフを示す図であって、図6(a)は負電極に磁性を持たせない場合の実験データのグラフを示す図であり、図6(b)は負電極に磁性を持たせた場合の実験データのグラフを示す図である。
【符号の説明】
【0035】
10 電解槽
11 金属円筒
12a、12b 金属蓋
13 負電極
14、141、142 複数の電極板
15a、15b ガイドプレート
16 センタープレート
18 送出口
19 供給口
110 排出口
20 水位計
30 燃焼ガス蓄積タンク
40 燃焼ガス供給パイプ
50 電解液収集タンク
60 循環ポンプ
70 フィルタ
80 電解液蓄積タンク
90 冷却タンク
100 冷却水用ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液が蓄留された電解槽と、上記電解槽内の上記電解液に浸漬された負電極とを備え、上記電解液を電気分解することにより、燃焼ガスを発生する燃焼ガス発生装置であって、
上記負電極は、磁性材により形成されたことを特徴とする燃焼ガス発生装置。
【請求項2】
電解液が蓄留される電解槽と、上記電解槽内の上記電解液に浸漬された負電極とを備え、上記電解槽に正電圧を印加し、上記負電極に負電圧を印加し、上記電解槽と上記負電極との間で上記電解液を電気分解することにより、燃焼ガスを発生する燃焼ガス発生装置であって、
上記負電極は、磁性材により形成されたことを特徴とする燃焼ガス発生装置。
【請求項3】
電解液が蓄留された円筒状の電解槽と、上記電解槽の中心軸に配置され、上記電解槽の上記電解液に浸漬された柱状の負電極と、上記電解槽内の中心軸を中心に同心円状に配列され、上記電解槽の上記電解液に浸漬された複数の電極板とを備え、上記電解槽に正電圧を印加し、上記負電極に負電圧を印加し、上記電解槽、上記複数の電極板および上記負電極の間で上記電解液を電気分解することにより、燃焼ガスを発生する燃焼ガス発生装置であって、
上記負電極は、磁性材により形成されたことを特徴とする燃焼ガス発生装置。
【請求項4】
上記複数の電極板は、等間隔に配列されたことを特徴とする請求項3に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項5】
上記複数の電極板は、上記電解槽の中心軸を含む面により、分断されたことを特徴とする請求項3に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項6】
上記複数の電極板は、上記電解槽の中心軸を含む面により、2等分に分断されたことを特徴とする請求項3に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項7】
上記複数の電極板は、上記電解槽の中心軸を含む面により、4等分に分断されたことを特徴とする請求項3に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項8】
上記複数の電極板をステンレス合金により形成したことを特徴とする請求項3に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項9】
上記電解液は、水酸化カリウム水溶液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項10】
上記電解槽に上記電解液を供給する供給口と、上記電解槽内の上記電解液を排出する排出口とを備え、上記排出口から排出される上記電解液が上記供給口まで循環される循環経路を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項11】
上記電解液の循環経路中に、上記電解液を冷却する手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項12】
上記冷却手段は、上記電解液の液体温度を約38℃から約48℃の間に冷却する請求項11に記載の燃焼ガス発生装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液が蓄留された円筒状の電解槽と、上記電解槽の中心軸に配置され、上記電解槽の上記電解液に浸漬された柱状の負電極と、上記電解槽内の中心軸を中心に同心円状に配列され、上記電解槽の上記電解液に浸漬された複数の電極板とを備え、上記電解槽に正電圧を印加し、上記負電極に負電圧を印加し、上記電解槽、上記複数の電極板および上記負電極の間で上記電解液を電気分解することにより、水素と酸素を含む混合燃焼ガスを発生する燃焼ガス発生装置であって、
上記負電極は、磁性材により形成されたことを特徴とする燃焼ガス発生装置。
【請求項2】
上記複数の電極板は、等間隔に配列されたことを特徴とする請求項に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項3】
上記複数の電極板は、上記電解槽の中心軸を含む面により、分断されたことを特徴とする請求項に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項4】
上記複数の電極板は、上記電解槽の中心軸を含む面により、2等分に分断されたことを特徴とする請求項に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項5】
上記複数の電極板は、上記電解槽の中心軸を含む面により、多等分に分断されたことを特徴とする請求項に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項6】
上記複数の電極板をステンレス合金により形成したことを特徴とする請求項に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項7】
上記電解液は、水酸化カリウム水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項8】
上記電解槽に上記電解液を供給する供給口と、上記電解槽内の上記電解液を排出する排出口とを備え、上記排出口から排出される上記電解液が上記供給口まで循環される循環経路を有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼ガス発生装置。
【請求項9】
上記電解液の循環経路中に、上記電解液を冷却する手段を備えたことを特徴とする請求項に記載の燃焼ガス発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−225685(P2006−225685A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37799(P2005−37799)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【特許番号】特許第3795905号(P3795905)
【特許公報発行日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(504179163)有限会社飛幡恒産 (1)
【Fターム(参考)】