説明

燃焼システム、及び融雪システム

【課題】複数のうちの一部の燃焼部が故障した場合、又は複数の燃焼部の構成を変更する場合の作業性を改善できる燃焼システム、及び融雪システムを提供する。
【解決手段】融雪装置2〜4の制御基板25,35,45はハーネス80,90によって直列に連結されている。ハーネスは配線の長手方向の両端に一対のコネクタを備えている。配線の途中に設けられた分岐配線の末端には予備コネクタが設けられている。ハーネス80のコネクタ82は制御基板25に連結され、コネクタ83は制御基板35に連結される。ハーネス90のコネクタ92は制御基板35に連結され、コネクタ93は制御基板45に連結される。制御基板35が故障した場合、制御基板35からコネクタ83とコネクタ92を外し、予備コネクタ85とコネクタ92とをダイレクトに連結できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼システム、及び融雪システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路面の融雪対象領域内に埋設されたパイプに、給湯装置で加熱した熱媒体を循環させて、融雪対象領域内の積雪を溶かす融雪装置が利用されている。融雪対象領域の大きさによっては、複数の給湯装置を連結して使用する必要がある。例えば、筐体内に給湯装置を内蔵したメインユニットに、同じく筐体内に給湯装置を内蔵したサブユニットを連結し、融雪対象領域内に埋設された温水管にメインユニット及びサブユニット内の給湯装置で加熱した温水を循環させる融雪装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような融雪装置は駐車場や坂道等にそれぞれ設置され、各融雪面積に応じて給湯装置の台数が調整される。
【0003】
例えば各場所に設置された融雪装置をハーネスを用いて連結し、1つの融雪システムとして使用することができる。この場合システム全体の動作を制御する上位の融雪装置から下位の融雪装置、さらに下位の融雪装置といった順で、各融雪装置の制御基板がハーネスで直列に連結される。ここで融雪装置は各融雪場所にそれぞれ設置されるものである。それ故、ハーネスは融雪装置と融雪装置とが離間する距離に応じてその長さが調整されている。また美観上、ハーネスがなるべく外部に露出しないようにその配策方法も考慮する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4079270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の融雪システムにおいて、何れかの融雪装置が故障してしまった場合、少なくともその他の正常な融雪装置を継続運転させる為に、応急処置として故障した融雪装置を迂回して再度ハーネスを連結し直す必要がある。しかし上述のように、ハーネスはその長さや配策方法を適宜調整して連結する必要がある。その為、故障した融雪装置を迂回できる長さのハーネスを別途用意し、新たに連結し直す必要があるので、現場での迅速な対応が困難であった。また融雪システムが管理する地域では、積雪状況がそれぞれ異なることもあり、場所によっては積雪が無くて融雪する必要が無いときもある。この様な場合、特に節電の必要性からその場所に対応する融雪装置の稼動を停止させる。しかし上述のように、停止させる融雪装置からハーネスを外し、その融雪装置を迂回できる長さのハーネスを別途用意して連結し直さなければならず、作業面、コスト面から見ても好ましくなかった。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数のうちの一部の燃焼装置が故障した場合、又は複数の燃焼装置の構成を変更する場合の作業性を改善できる燃焼システム、及び融雪システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る燃焼システムは、バーナを燃焼させて熱交換器を加熱して被加熱流体を加熱する複数の燃焼部を備え、前記燃焼部がそれぞれ備える電装基板をハーネスを用いて直列に連結した燃焼システムであって、前記ハーネスは、一対の前記電装基板間を配線を介して相互に連結可能な一対のコネクタと、前記配線から分岐する分岐配線に設けられ、他のハーネスの前記コネクタに連結可能な予備コネクタとを備えている。
【0008】
また請求項2に係る発明の融雪システムは、バーナを燃焼させて熱交換器を加熱して熱媒体を加熱する複数の給湯装置を備え、融雪対象領域内に埋設されたパイプに、前記熱交換器で加熱された熱媒体を循環させて、前記融雪対象領域内の積雪を融雪する融雪システムであって、前記給湯装置がそれぞれ備える電装基板を、請求項1に記載のハーネスを用いて直列に連結している。
【0009】
また請求項3に係る発明の融雪システムは、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記給湯装置は1台又は2台以上の給湯ユニットより構成している。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明の燃焼システムでは、電装基板を直列に連結するハーネスは、一対のコネクタに加え、予備コネクタを備えている。例えば、複数の燃焼部のうちの一部の燃焼部が故障した場合、その故障した燃焼部の電装基板からコネクタを外し、その代わりに予備コネクタを、別の燃焼部の電装基板に連結されたハーネスのコネクタに連結すればよい。故障した燃焼部の電装基板を介さずに、別の燃焼部の電装基板に直接連結できるので、複数のうちの一部の燃焼部が故障した場合、又は複数の燃焼部の構成を変更する場合の作業性を改善できる。そして従来のような別途ハーネスが不要となるので、現場での迅速な対応が可能となる。
【0011】
また請求項2に係る発明の融雪システムでは、給湯装置がそれぞれ備える電装基板を、請求項1に記載のハーネスを用いて直列に連結しているので、複数のうちの一部の給湯装置が故障した場合、又は複数の給湯装置の構成を変更する場合の作業性を改善できる。そして従来のような別途ハーネスが不要となるので、現場での迅速な対応が可能となる。
【0012】
また請求項3に係る発明の融雪システムでは、請求項2に記載の発明の効果に加え、給湯装置は1台又は2台以上の給湯ユニットより構成するので、融雪対象領域の面積に応じて融雪能力を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】融雪システム1の構成を示す図である。
【図2】図1に示すハーネス80,90の連結態様を変更した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態である融雪システム1について、図面に基づいて説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下に記載されている装置の構造などは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0015】
先ず、融雪システム1の構成について説明する。図1に示すように、融雪システム1は、融雪装置2、3、4を備えている。融雪装置2は融雪対象領域11の積雪を融雪する。融雪装置3は融雪対象領域12の積雪を融雪する。融雪装置4は融雪対象領域13の積雪を融雪する。融雪対象領域11〜13は例えば寒冷地の駐車場、坂道等である。融雪装置2〜4は1台又は2台以上の後述する給湯装置のユニットを備えている。ユニットの台数は融雪対象領域の面積、積雪量等に応じて調整される。融雪装置2〜4は、各給湯装置を用いて不凍液を加熱し、融雪対象領域11〜13に埋設されたヒーティングパイプ15〜17に流すことにより融雪対象領域11〜13の積雪を融雪する。不凍液は、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類を主成分とする一般的なものである。融雪装置2〜4は、ハーネス80,90によって直列に連結されている。使用者はリモコン28を操作して融雪装置2〜4に後述する融雪運転を実行させる。
【0016】
次に、融雪装置2の構成について説明する。図1に示すように、融雪装置2は、メインユニット21と、1台のサブユニット22とを備えている。なおメインユニット21、サブユニット22は、本発明の「給湯ユニット」の一例である。メインユニット21と、サブユニット22とは横一列に並んで配置されている。メインユニット21は筐体21Aを備えている。筐体21Aの内側には給湯装置26が設けられている。サブユニット22は筐体22Aを備えている。筐体22Aの内側には給湯装置27が設けられている。給湯装置26,27は筐体内に図示しないバーナ及び熱交換器等を備えている。給湯装置26はバーナ基板26Aを備えている。バーナ基板26Aはバーナの点火消火を制御する。給湯装置27はバーナ基板27Aを備えている。バーナ基板27Aはバーナの点火消火を制御する。
【0017】
筐体21Aの内側には制御基板25が設けられている。制御基板25はマイクロコンピュータ及び複数の電子部品等を実装する電装基板である。制御基板25は融雪装置2の動作、及び融雪システム1全体の動作を制御する。制御基板25には、リモコン28と、上述のバーナ基板26A,27Aとが配線で連結されている。リモコン28は筐体21Aの外側に設けられている。リモコン28は融雪システム1の運転指示、各種動作条件の設定、及び各種表示等を行うことができる操作機器である。
【0018】
融雪対象領域11にはヒーティングパイプ15が埋設されている。ヒーティングパイプ15には給湯装置26,27で加熱された不凍液が流れる。ヒーティングパイプ15の不凍液が流れる下流側一端部には戻り管51が連結されている。戻り管51は、給湯装置26,27に不凍液を流入させる。給湯装置26,27で加熱された不凍液は往き管52を流れる。往き管52の下流側一端部はヒーティングパイプ15の上流側一端部に連結されている。
【0019】
なお図示しないが、戻り管51にはエアセパレータと、膨張タンクとが設けられている。エアセパレータは不凍液中の空気を分離する。膨張タンクは融雪システム1内を循環する不凍液の温度変化による膨張収縮を吸収する。さらに融雪装置2は図示しない循環ポンプと、戻り温度センサと、往き温度センサとを備えている。循環ポンプはシステム内において不凍液を循環させる。戻り温度センサは不凍液の戻り温度を検出する。往き温度センサは不凍液の往き温度を検出する。循環ポンプと、戻り温度センサと、往き温度センサとは、制御基板25に連結されている。
【0020】
上記の構成を有する融雪装置2の融雪運転について説明する。循環ポンプが駆動される。次いで給湯装置26,27の各種バーナが点火される。循環ポンプが駆動されると、給湯装置26,27で加熱された不凍液が往き管52を経由してヒーティングパイプ15に流れる。これにより融雪対象領域11の地面温度が上昇するので、融雪対象領域11内の積雪が溶ける。ヒーティングパイプ15を流れた不凍液は温度が低下している。温度が低下した不凍液は戻り管51を経由して給湯装置26,27に戻る。不凍液は給湯装置26,27で再び加熱され、往き管52を経由してヒーティングパイプ15に繰り返し流れる。このような融雪運転が実行されることにより融雪対象領域11内の積雪を継続的に溶かすことができる。
【0021】
次に、融雪装置3の構成について説明する。図1に示すように、融雪装置3は、メインユニット31と、2台のサブユニット32,33とを備えている。メインユニット31、サブユニット32,33は横一列に並んで配置されている。メインユニット31は筐体31Aを備えている。筐体31Aの内側には給湯装置36が設けられている。サブユニット32は筐体32Aを備えている。筐体32Aの内側には給湯装置37が設けられている。サブユニット33は筐体33Aを備えている。筐体33Aの内側には給湯装置38が設けられている。給湯装置36〜38は筐体内に図示しないバーナ及び熱交換器等を備えている。給湯装置36はバーナ基板36Aを備えている。バーナ基板36Aはバーナの点火消火を制御する。給湯装置37はバーナ基板37Aを備えている。バーナ基板37Aはバーナの点火消火を制御する。給湯装置38はバーナ基板38Aを備えている。バーナ基板38Aはバーナの点火消火を制御する。
【0022】
筐体31Aの内側には制御基板35が設けられている。制御基板35はマイクロコンピュータ及び複数の電子部品等を実装する電装基板である。制御基板35はハーネス80を経由して、融雪装置2の制御基板25から送信される制御信号を受信し、融雪装置3の動作を制御する。制御基板35には上述のバーナ基板36A,37A,38Aが配線で連結されている。
【0023】
融雪対象領域12にはヒーティングパイプ16が埋設されている。ヒーティングパイプ16には給湯装置36〜38で加熱された不凍液が流れる。ヒーティングパイプ16の不凍液が流れる下流側一端部には戻り管61が連結されている。戻り管61は、給湯装置36〜38に不凍液を流入させる。給湯装置36〜38で加熱された不凍液は往き管62を流れる。往き管62の下流側一端部はヒーティングパイプ16の上流側一端部に連結されている。
【0024】
なお図示しないが、戻り管61にもエアセパレータと、膨張タンクとが設けられている。さらに融雪装置3は図示しない循環ポンプと、戻り温度センサと、往き温度センサとを備えている。循環ポンプと、戻り温度センサと、往き温度センサとは、制御基板35に連結されている。
【0025】
上記の構成を有する融雪装置3の融雪運転について説明する。循環ポンプが駆動される。次いで給湯装置36〜38の各種バーナが点火される。循環ポンプが駆動されると、給湯装置36〜38で加熱された不凍液が往き管62を経由してヒーティングパイプ16に流れる。これにより融雪対象領域12の地面温度が上昇するので、融雪対象領域12内の積雪が溶ける。ヒーティングパイプ16を流れた不凍液は温度が低下している。温度が低下した不凍液は戻り管61を経由して給湯装置36〜38に戻る。不凍液は給湯装置36〜38で再び加熱され、往き管62を経由してヒーティングパイプ16に繰り返し流れる。このような融雪運転が実行されることにより融雪対象領域12内の積雪を継続的に溶かすことができる。
【0026】
次に、融雪装置4の構成について説明する。図1に示すように、融雪装置4は、メインユニット41を備え、融雪装置2,3のようなサブユニットは備えていない。メインユニット41は筐体41Aを備えている。筐体41Aの内側には給湯装置46が設けられている。給湯装置46は筐体内に図示しないバーナ及び熱交換器を備えている。給湯装置46はバーナ基板46Aを備えている。バーナ基板46Aはバーナの点火消火を制御する。
【0027】
筐体41Aの内側には制御基板45が設けられている。制御基板45はマイクロコンピュータ及び複数の電子部品等を実装する電装基板である。制御基板45は、ハーネス80、融雪装置3の制御基板35、及びハーネス90を経由して、融雪装置2の制御基板25から送信される制御信号を受信し、融雪装置4の動作を制御する。制御基板45には上述のバーナ基板46Aが配線で連結されている。
【0028】
融雪対象領域13にはヒーティングパイプ17が埋設されている。ヒーティングパイプ17には給湯装置46で加熱された不凍液が流れる。ヒーティングパイプ17の不凍液が流れる下流側一端部には戻り管71が連結されている。戻り管71は、給湯装置46に不凍液を流入させる。給湯装置46で加熱された不凍液は往き管72を流れる。往き管72の下流側一端部はヒーティングパイプ17の上流側一端部に連結されている。
【0029】
なお図示しないが、戻り管71にもエアセパレータと、膨張タンクとが設けられている。さらに融雪装置4は図示しない循環ポンプと、戻り温度センサと、往き温度センサとを備えている。循環ポンプと、戻り温度センサと、往き温度センサとは、制御基板45に連結されている。
【0030】
上記の構成を有する融雪装置4の融雪運転について説明する。循環ポンプが駆動される。次いで給湯装置46のバーナが点火される。循環ポンプが駆動されると、給湯装置46で加熱された不凍液が往き管72を経由してヒーティングパイプ17に流れる。これにより融雪対象領域13の地面温度が上昇するので、融雪対象領域13内の積雪が溶ける。ヒーティングパイプ17を流れた不凍液は温度が低下している。温度が低下した不凍液は戻り管71を経由して給湯装置46に戻る。不凍液は給湯装置46で再び加熱され、往き管72を経由してヒーティングパイプ17に繰り返し流れる。このような融雪運転が実行されることにより融雪対象領域13内の積雪を継続的に溶かすことができる。
【0031】
次に、ハーネス80,90を用いた制御基板25,35,45の連結態様について具体的に説明する。図1に示すように、融雪装置2の制御基板25、融雪装置3の制御基板35、融雪装置4の制御基板45は、2本のハーネス80,90によって直列に連結されている。
【0032】
ハーネス80は制御基板25と制御基板35とを連結している。ハーネス80は配線81の長手方向の両端に一対のコネクタ82,83を備えている。配線81の途中には分岐配線84が分岐して設けられている。分岐配線84の末端には予備コネクタ85が設けられている。コネクタ82は制御基板25に連結され、コネクタ83は制御基板35に連結されている。通常の連結態様では予備コネクタ85はどこにも連結されない。なお予備コネクタ85は筐体31A内にあるのが望ましい。これにより分岐配線84の引き回しを極力変更せずに済むことができる。さらには予備コネクタ85の端子部分を水滴、粉塵から保護できる。
【0033】
ハーネス90は制御基板35と制御基板45とを連結している。ハーネス90は配線91の長手方向の両端に一対のコネクタ92,93を備えている。配線91の途中には分岐配線94が分岐して設けられている。分岐配線94の末端には予備コネクタ95が設けられている。コネクタ92は制御基板35に連結され、コネクタ93は制御基板45に連結されている。通常の連結態様では予備コネクタ95はどこにも連結されない。なお予備コネクタ95は筐体41A内にあるのが望ましい。これにより分岐配線94の引き回しを極力変更せずに済むことができる。さらには予備コネクタ95の端子部分を水滴、粉塵から保護できる。
【0034】
なおハーネス80,90は共通部品であるので相互に入れ替え可能である。コネクタ82,83,92,93は、制御基板25,35,45が備える端子にそれぞれ連結可能な同一の端子形状を有する。これに対し予備コネクタ85,95はハーネス80,90の各コネクタに連結可能な同一の端子形状を有する。
【0035】
制御基板25,35,45は、ハーネス80,90を用いて直列に連結される。ハーネス80の長さは、融雪装置2のメインユニット21と、融雪装置3のメインユニット31との間を繋げれば足りる。ハーネス80の長さは、融雪装置3のメインユニット31と、融雪装置4のメインユニット41との間を繋げれば足りる。故にハーネス80,90にかかる部品コストを節約できる。
【0036】
次に、融雪システム1内の何れかの融雪装置が故障した場合におけるハーネス80,90の連結態様の変更方法について説明する。例えば、図1に示す融雪装置3の制御基板35が故障した場合を想定する。上述の通り、制御基板25,35,45は直列に連結されている。制御基板35が故障すると、制御基板45も機能しなくなる。故に融雪装置3のみならず、それより下位の融雪装置4も使用不能となる。作業者は故障した融雪装置3を完全復旧させる必要があるが、復旧が容易でない場合もある。そこで作業者は故障した制御基板35を迂回して制御基板25と制御基板45とをダイレクトに連結する為に、ハーネス80,90の連結態様を変更する。
【0037】
図2に示すように、作業者は先ずハーネス80のコネクタ83を制御基板35から外す。次いで作業者はハーネス90のコネクタ92を制御基板35から外す。そしてハーネス80の予備コネクタ85と、ハーネス90のコネクタ92とをダイレクトに連結する。ハーネス80の分岐配線84と、ハーネス90の配線91とは、少なくとも予備コネクタ85とコネクタ92とをダイレクトに連結できる程度の長さを有する。故に別途ハーネスを設けることなく、制御基板35を迂回して制御基板25と制御基板45とを簡単に連結できる。正常である融雪装置2,4は動作を継続できるので、融雪対象領域11,13内の積雪を継続的に溶かすことができる。従って現場での迅速な対応が可能となる。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の融雪システム1では、融雪装置2〜4の各制御基板25,35,45は、2本のハーネス80,90によって直列に連結されている。例えばハーネス80は配線81の長手方向の両端に一対のコネクタ82,83を備えている。配線81の途中には分岐配線84が設けられ、その末端には予備コネクタ85が設けられている。ハーネス80,90は共通部品である。ハーネス80のコネクタ82は制御基板25に連結され、コネクタ83は制御基板35に連結される。ハーネス90のコネクタ92は制御基板35に連結され、コネクタ93は制御基板45に連結される。融雪装置3の制御基板35が故障した場合、制御基板35からハーネス80のコネクタ83と、ハーネス90のコネクタ92とを外す。次いでハーネス80の予備コネクタ85と、ハーネス90のコネクタ92とをダイレクトに連結する。これにより別途ハーネスを設けることなく、制御基板35を迂回して制御基板25と制御基板45とを簡単に連結できる。正常である融雪装置2,4は動作を継続できるので、融雪対象領域11,13内の積雪を継続的に溶かすことができる。従って現場での迅速な対応が可能となる。
【0039】
なお本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態の各融雪装置2〜4のサブユニットの台数は限定されない。サブユニットの台数は、融雪システム1を設置する環境、設置場所の天候状況、融雪負荷、融雪対象領域の面積等に応じて変更するのが好ましい。融雪面積や融雪負荷等は現場毎に異なるので、現場に合わせて熱源機としての給湯装置の台数を調節すればよい。
【0040】
また上記実施形態では、3台の融雪装置2〜4を直列に連結したものであるが、他の融雪装置をさらに直列に連結してもよい。
【0041】
また熱源機としての給湯装置は、顕熱を利用して熱媒体を加熱する通常の給湯装置の他に、顕熱及び潜熱を回収できる潜熱回収型給湯装置でもよい。給湯装置の加熱方式については限定されない。
【0042】
また上記実施形態では、融雪装置3が故障した場合のハーネス80,90の連結態様を変更する場合を一例として説明したが、本発明は融雪装置が故障した場合に限らず、融雪装置の連結態様を変更する場合にも利用できる。
【0043】
また本発明は融雪システムのみならず、例えば、複数台の給湯装置で水道水を加熱して給湯する給湯システムにも適用可能である。
【0044】
また上記実施形態では、融雪装置3の制御基板35が故障した場合に、ハーネス80,90の連結態様を変更する場面を一例として説明したが、ハーネス80,90の連結態様を変更する場面はこれ以外にも想定される。例えば、融雪システム1が管理する融雪対象領域11〜13において、場所によっては融雪する必要が無いときがある。この様な場合、特に節電の必要性から、その場所に対応する融雪装置の稼動を停止させればよい。本実施形態のハーネス80,90を用いれば、連結態様を簡単かつ迅速に変更できるので、省電力の観点からも有利な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 融雪システム
2〜4 融雪装置
11〜13 融雪対象領域
15〜17 ヒーティングパイプ
21 メインユニット
22 サブユニット
25 制御基板
26,27 給湯装置
31 メインユニット
32,33 サブユニット
35 制御基板
36〜38 給湯装置
41 メインユニット
45 制御基板
46 給湯装置
80,90 ハーネス
81,91 配線
82,92 コネクタ
83,93 コネクタ
84,94 分岐配線
85,95 予備コネクタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナを燃焼させて熱交換器を加熱して被加熱流体を加熱する複数の燃焼部を備え、前記燃焼部がそれぞれ備える電装基板をハーネスを用いて直列に連結した燃焼システムであって、
前記ハーネスは、
一対の前記電装基板間を配線を介して相互に連結可能な一対のコネクタと、
前記配線から分岐する分岐配線に設けられ、他のハーネスの前記コネクタに連結可能な予備コネクタと
を備えたことを特徴とする燃焼システム。
【請求項2】
バーナを燃焼させて熱交換器を加熱して熱媒体を加熱する複数の給湯装置を備え、融雪対象領域内に埋設されたパイプに、前記熱交換器で加熱された熱媒体を循環させて、前記融雪対象領域内の積雪を融雪する融雪システムであって、
前記給湯装置がそれぞれ備える電装基板を、請求項1に記載のハーネスを用いて直列に連結したことを特徴とする融雪システム。
【請求項3】
前記給湯装置は1台又は2台以上の給湯ユニットより構成していることを特徴とする請求項2に記載の融雪システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−14928(P2013−14928A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147955(P2011−147955)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000112015)株式会社パロマ (298)
【Fターム(参考)】