説明

燃焼装置及び燃焼方法

【課題】簡単な構造で高温燃焼に有利な燃焼装置を提供する。
【解決手段】板状部材11を階段状に配置して傾斜部を形成したロストル10と、燃料供給筒2内の空間と燃焼筒3内の空間とをつなぐ流通口とを備え、流通口は、開口間に遮蔽部を介在させて開口が断続的に配置された断続的開口部を含んでおり、断続的開口部及びロストル10は、断続的開口部とロストル10の傾斜部との間に、固体燃料20が充填されるように配置されており、燃焼筒2内の燃焼火炎の上昇により、吸引口30から空気が吸引され、吸引された空気30は、通風空間14を通過してロストル10で加熱され、固体燃料20に加熱された空気が供給されて、固体燃料20から水分が蒸発し、蒸発した水分は、断続的開口部を通過し、燃焼筒3を上昇する固体燃料20の燃焼火炎に吹き付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草木の破砕物等の固体燃料を燃焼させる焼装置及び燃焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体燃料の燃焼装置として、上方の開口から固体燃料を投入し、順次自然落下してくる燃料を燃焼させるものがある(例えば下記特許文献1、2)。これらの装置においては、固体燃料を受ける傾斜部を備えており、この傾斜部に沿って燃料が下側に向かって落下して行くことになる。落下した固体燃料は、着火されると燃焼し燃焼室内を燃焼ガスが上昇することになる。
【0003】
燃焼ガスの上昇により装置内に外気が吸引され、外気が連続的に固体燃料に供給され、固体燃料の燃焼が持続することになる。このため、これらの装置においては送風機や他の燃料を用いることなく燃焼の持続が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−47350号公報
【特許文献2】特開2009−24900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記のような従来の燃焼装置では、外気が連続的に固体燃料に供給され固体燃料の燃焼が持続することになるが、送風機や助燃バーナを追加することなく、一層の高温燃焼を図るには限界があった。
【0006】
本発明は,前記のような従来の問題を解決するものであり、簡単な構造で高温燃焼に有利な燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の燃焼装置は、固体燃料が落下する燃料供給筒と、前記固体燃料の燃焼火炎が上昇する燃焼筒とを含む燃焼装置であって、板状部材を階段状に配置して傾斜部を形成したロストルと、前記板状部材間に隙間をあけて形成した通風空間と、前記固体燃料に供給する外気が吸引される吸引口と、前記燃料供給筒内の空間と前記燃焼筒内の空間とをつなぐ流通口とを備え、前記流通口は、開口間に遮蔽部を介在させて前記開口が断続的に配置された断続的開口部を含んでおり、前記断続的開口部及び前記ロストルは、前記断続的開口部と前記ロストルの前記傾斜部との間に、前記固体燃料が充填されるように配置されており、前記燃焼筒内の前記燃焼火炎の上昇により、前記吸引口から空気が吸引され、前記吸引された空気は、前記通風空間を通過して前記ロストルで加熱され、前記固体燃料に前記加熱された空気が供給されて、前記固体燃料から水分が蒸発し、前記蒸発した水分は、前記断続的開口部を通過し、前記燃焼筒を上昇する前記固体燃料の燃焼火炎に吹き付けられることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、ロストル上の固体燃料に、ロストルの通風空間を経てロストルで加熱された空気が供給され、ロストル上の固体燃料は加熱され乾燥が進むことになる。一方、断続的開口部は遮蔽部を含んでいるので、固体燃料の燃焼筒側への移動が制限される。このため、断続的開口部とロストルの傾斜部との間に固体燃料が充填された状態では、ロストル上の固体燃料の移動が緩やかになる。このことは、固体燃料の乾燥に有利になり、固体燃料の着火に有利になる。
【0009】
また、断続的開口部においては、開口部分を空気及び水分が通過することは可能である。したがって、固体燃料の乾燥により生じた水分は、固体燃料に供給された空気の流れに乗って、断続的開口部の開口を通過して、燃焼筒内に吹き出されることになる。この燃焼筒内に吹き出された水分は、固体燃料の燃焼火炎に吹き付けられる。このことにより、燃焼火炎に残留した炭素と水分とで水性ガス反応が起こり、一酸化炭素と水素との混合ガスが生成されることになる。この混合ガスは燃焼火炎により燃焼するので、完全燃焼が促進されることになり、送風機や助燃バーナを追加することなく簡単な構造で、高温燃焼に有利になる。さらに、すすの発生を抑えることができ、燃焼筒内におけるすすの付着を抑えることができる。例えば、燃焼筒内に被加熱流体を通過させる中空パイプを設けた場合、中空パイプへのすすの付着による熱伝達の低下が抑えられ加熱能力の低下を防止することができる。
【0010】
前記燃焼装置においては、前記流通口は、上下方向において前記開口又は前記遮蔽部の大きさを変化させて、前記流通口の上部よりも下部の方が前記固体燃料を通過し易くしていることが好ましい。この構成によれば、固体燃料の燃焼火炎に、燃料供給筒側で固体燃料から蒸発した水分が吹き付けられ易くなる。
【0011】
前記ロストルの前記板状部材は、前記傾斜部側の端部に、切り込みを形成した板状部材を含んでおり、前記切り込みにおいて前記通風空間を通過した空気の一部が上昇するようにしていることが好ましい。この構成によれば、固体燃料には通風空間を経て加熱された空気が行き亘り易くなり、固体燃料の乾燥度合いが一層高まり、固体燃料の着火も一層容易になる。
【0012】
前記遮蔽部は可動部材であり、前記遮蔽部の可動により前記流通口における開口面積を調節可能であることが好ましい。この構成によれば、ロストル上の固体燃料の燃焼筒内への移動の程度を調節することができる。例えば、投入する固体燃料の一粒単位の大きさが大きくなるほど、流通口下部の開口面積を大きくして、燃焼中の固体燃料が燃焼筒内へ移動し易くなるようにすればよい。
【0013】
前記燃料供給筒の開口面積は、前記ロストル側に向かうにつれて広がっていることが好ましい。この構成によれば、燃料供給筒内における固体燃料は落下し易くなり、ロストル上の固体燃料がロストル下部へ移動した場合、この移動に直ぐ追従して燃料供給筒内の固体燃料が落下することになる。したがって、燃料供給筒内に固体燃料が充填されている限り、ロストル上は固体燃料で満たされた状態を維持することが可能になる。
【0014】
前記燃焼筒に、上下の仕切り板で仕切られた空間を形成し、前記空間に中空パイプを立設させており、前記中空パイプ内を、前記燃焼火炎又は前記燃焼火炎から生じた燃焼ガスが上昇して通過し、前記空間に流入した流体が、前記空間で加熱されて前記空間から流出することが好ましい。この構成によれば、空間内を通過させた流体を加熱して取り出すことができる。例えば、空間内に水を通過させて温水を取り出したり、空間内に空気を通過させて温風を取り出したりすることができる。
【0015】
前記燃焼筒内に、中空パイプが配置されており、前記中空パイプ内を通過する流体が、前記燃焼筒を上昇する前記燃焼火炎又は前記燃焼火炎から生じた燃焼ガスにより加熱されることが好ましい。この構成によれば、中空パイプ内を通過させた流体を加熱して取り出すことができる。したがって、この構成によっても、中空パイプ内に水や空気を通過させることにより、温水や温風を取り出すことができる。
【0016】
前記燃料供給筒に前記固体燃料を供給する燃料供給装置をさらに備えていることが好ましい。この構成によれば、燃料供給筒に固体燃料を連続的に供給できるので、燃料補給の回数を減らすことが可能になる。
【0017】
次に、本発明の燃焼方法は、固体燃料が落下する燃料供給筒と、前記固体燃料の燃焼火炎が上昇する燃焼筒とを含む燃焼装置の燃焼方法であって、前記燃焼装置は、板状部材を階段状に配置して傾斜部を形成したロストルと、前記板状部材間に隙間をあけて形成した通風空間と、前記固体燃料に供給する外気が吸引される吸引口と、前記燃料供給筒内の空間と前記燃焼筒内の空間とをつなぐ流通口とを備えており、前記燃焼筒内の前記燃焼火炎の上昇により、前記吸引口から空気を吸引し、前記吸引された空気を、前記通風空間を通過させて前記ロストルで加熱し、前記固体燃料に前記加熱された空気を供給し、前記固体燃料から水分を蒸発させ、前記蒸発した水分を、前記流通口を通過させ、前記燃焼筒を上昇する前記固体燃料の燃焼火炎に吹き付けることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、ロストル上の固体燃料に、ロストルの通風空間を経てロストルで加熱された空気が供給され、ロストル上の固体燃料は加熱され乾燥が進むことになる。固体燃料の乾燥により生じた水分を、流通口を通過させて、固体燃料の燃焼火炎に吹き付けることにより、燃焼火炎に残留した炭素と水分とで水性ガス反応が起こり、一酸化炭素と水素との混合ガスが生成されることになる。この混合ガスは燃焼火炎により燃焼するので、完全燃焼が促進されることになり、高温燃焼に有利になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、断続的開口部を備えたことにより、固体燃料の燃焼筒側への移動が制限され、ロストル上の固体燃料の移動が緩やかになり、固体燃料の乾燥に有利になり、固体燃料が着火し易くなる。さらに、固体燃料の乾燥により生じた水分が、断続的開口部の開口を通過して、固体燃料の燃焼火炎に吹き付けられることにより、水性ガス反応が起こり、完全燃焼が促進されることになり、送風機や助燃バーナを追加することなく簡単な構造で、高温燃焼に有利になる。
【0020】
流通口は、上部よりも下部の方が固体燃料を通過し易くすることにより、固体燃料の燃焼火炎に、固体燃料から蒸発した水分が吹き付けられ易くなる。ロストルの板状部材に、切り込みを形成した板状部材を含ませることにより、固体燃料の乾燥度合いが一層高まり、固体燃料の着火も一層容易になる。
【0021】
燃料供給筒の開口面積を、ロストル側に向かうにつれて広がっているようにすることにより、燃料供給筒内に固体燃料が充填されている限り、ロストル上は固体燃料で満たされた状態を維持することが可能になる。燃焼筒内の空間や中空パイプを介して、燃焼筒内を水や空気を通過させることにより、温水や温風を取り出すことができる。燃料供給筒に固体燃料を供給する燃料供給装置を備えることにより、燃料補給の回数を減らすことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置1の概略断面図。
【図2】図1に示した燃焼装置1の正面図。
【図3】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置1におけるロストル10の拡大斜視図であり、(a)図は正面側を示す斜視図、(b)図は背面側を示す斜視図。
【図4】図1に図示した高さHの範囲を矢印A方向から見た図。
【図5】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置1における遮蔽部材40の正面図。
【図6】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置1において、固体燃料20の投入開始状態を示す概略断面図。
【図7】図1のロストル10近傍の拡大図。
【図8】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置1における灰出しロストル50の平面図。
【図9】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置を温水又は温風発生機として使用した例を示す概略図。
【図10】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置を温風発生機として使用した例を示す概略図。
【図11】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置を温水発生機として使用した例を示す概略図。
【図12】本発明の一実施の形態に係る燃焼装置において、固体燃料を連続供給する一例を示す概略図。
【図13】本発明の実施例に係る燃焼装置の外観図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。最初に図1、2を参照しながら、燃焼装置1について概略的に説明する。図1は、本実施の形態に係る燃焼装置1の概略断面図を示している。図2は、図1に示した燃焼装置1の正面図を示している。図2においては、ロストル10の配置位置を示すために、図1の蓋32の図示は省略している。
【0024】
図1、2において、燃焼装置1は、燃料供給筒2と燃焼筒3とが一体になった本体部が支持脚4により支持されている。燃焼筒3には、煙突6が接続されている。燃料供給筒2には、投入口5から固体燃料20を投入可能である。投入口5から投入した固体燃料20は、重力落下し燃料供給筒2の下部に設けたロストル10上に堆積することになる。図1は、燃料供給筒2内が固体燃料20で満杯になっている状態を示している。
【0025】
固体燃料20の種類は特に限定されないが、詳細は後に示すように本実施の形態においては、水分を含んだ固体燃料20を用いても高温燃焼に有利になる。水分を含んだ固体燃料として、草木の破砕物が挙げられる。破砕対象の草木としては、例えば伐採した木、倒木、落ち葉等の山林物、各種の竹、笹類等の竹林物、麦わら、農作物の茎や軸木等の農業廃棄物が挙げられる。また、破砕対象はこれらに限るものではなく、公園、河川敷等における剪定物、木工事業所の廃棄物、家屋解体物等であってもよい。
【0026】
図1に示したように、ロストル10は、板状部材11が階段状に配置されている。詳細は後に説明するが、固体燃料20は、ロストル10の下部で燃焼する。このことにより、燃焼筒3内において燃焼火炎8が発生し、燃焼ガスによる矢印a方向の上昇気流が生じることになる。この上昇気流は煙突6内を経て外部に排気されることになる。
【0027】
蓋32の下部には、外気を取り入れる流入口30を形成している。燃焼筒3内の上昇気流の発生により、流入口30を経て、燃焼装置1内に外部の空気が吸引される(矢印b方向)ことになる。この吸引された空気は、ロストル10の通風空間14を通過し(矢印c方向)、固体燃料20に供給されることになる。
【0028】
以上のように、燃焼装置1内においては、ロストル10の下部まで落下した固体燃料20は、流入口30を経た空気が供給されつつ燃焼し、燃焼筒3内に燃焼火炎8が発生し燃焼ガスが煙突6を経て排気されることになる。このことにより、燃焼筒3内は高温になり、後に図9〜11を用いて説明するように、外部から燃焼筒3内を通過させた空気や水を、それぞれ温風にしたり温水にしたりすることが可能になる。
【0029】
図3は、ロストル10の拡大斜視図であり、図3(a)は固体燃料20が堆積する正面側、図3(b)は外気が流入する背面側を示している。ロストル10は、複数の板状部材11を階段状に配置しており、下側の板状部材11の先端部は上側の板状部材11の先端部から突出した位置にある。このことにより、ロストル10の正面側には傾斜部12を形成している。図1では、この傾斜部12上に固体燃料20が堆積している。
【0030】
複数の板状部材11は、左右一対のプレート13に挟まれて固定されている。板状部材11及びプレート13の材料は例えば鉄である。上下に隣接する板状部材11の間には、隙間をあけて通風空間14を形成している。通風空間14が形成されていることにより、ロストル10を通過する空気の流通が可能である。固体燃料20の燃焼とともにロストル10は加熱され、通風空間14を通過する空気は、ロストル10により加熱されることになる。
【0031】
各板状部材11の先端部には、切り込み15が形成されており、通風空間14を通過した空気の一部は、切り込み15を通過することができる。このことにより、通風空間14を通過し加熱された空気の上昇が促進されることになる。ロストル10を通過する空気の流れの詳細については、後に図7を参照しながら説明する。
【0032】
図3のロストル10は一例であり、板状部材11の個数、各板状部材11における切り込み15の個数、配置は適宜決定すればよい。例えば、図3の例では、各板状部材11における切り込み15は同一配列であるが、板状部材11毎に配列を変えてもよい。また、切り込み15の無い板状部材11を含んでいてもよく、板状部材11のいずれにも切り込み15の無い仕様であってもよい。
【0033】
図1において、燃料供給筒2内の空間と燃焼筒3内の空間とは、燃焼筒3の下部の高さHの範囲内に形成された流通口を介してつながっている。この流通口について、図4、5を参照しながら説明する。図4は、図1に図示した高さHの範囲を矢印A方向から見た図である。図4において、高さHの範囲は遮蔽部材40が配置されている。高さHの範囲は、遮蔽部材40の無い状態では、高さHの範囲全体に形成された開口部である。この開口部が流通口7を残して遮蔽部材40で塞がれている。
【0034】
図5は、遮蔽部材40の正面図を示している。図5に示したように、遮蔽部材40は、櫛歯部41に調節棒44が一体になったものである。櫛歯部41は、櫛歯42と隙間43とが交互に配置されている。遮蔽部材40の材料は例えば鉄である。図5の図示では調節棒44の全体は図示されていないが、調節棒44は、図1に示したように、燃料供給筒2の上端にまで延出している。調節棒44の先端部分には、調節ねじ45が取り付けられており、調節ねじ45を回転させて調節ねじ45の出代を調節することにより、遮蔽部材40の下端位置を調節可能である。
【0035】
図4では、高さhの位置に遮蔽部材40の下端が配置されている。このことにより、高さhの範囲に流通口7の一部である流通7bを形成している。高さhより上側の部分においては、遮蔽部材40の櫛歯部41が配置されている。櫛歯部41には、図5に示したように隙間43が形成されており、図4において隙間43に対応した位置に、流通口7の一部である流通口7aを形成している。すなわち、遮蔽部材40の櫛歯部41の配置部分においては、開口である流通口7aと遮蔽部である櫛歯42とが交互に配置された断続的開口部7cを形成している。
【0036】
燃料供給筒2内の固体燃料20は、流通口7を経て燃焼筒3内に移動することができる。この場合、固体燃料20は主に櫛歯42により遮蔽されていない流通口7bを経て、燃焼筒3内に移動することになる。断続的開口部7cにおいては、櫛歯42による遮蔽により固体燃料20の通過は制限されることになる。
【0037】
一方、断続的開口部7cにおいては、断続的に配置された流通口7aを経て、流入口30(図1)から吸引された空気や、固体燃料20から蒸発した水分の通過は可能になる。このことの詳細については、後に図1を参照しながら説明する。
【0038】
以下、燃焼手順を説明しながら、燃焼装置1についてさらに具体的に説明する。図6は、固体燃料20の投入開始状態を示す概略断面図である。ロストル10上には、あらかじめ、着火対象物である細割り木21が投入されている。また、図6の図示では、燃焼材22が落下中である。燃焼材22は、例えば灯油を滲ませた布の小片を燃焼させたものである。
【0039】
燃焼材22が落下すると細割り木21に着火し、ロストル10上の細割り木21が燃え始めることになる。この状態で固体燃料20が投入されると、ロストル10上の燃焼中の細割り木21に固体燃料20が堆積し、固体燃料20が燃焼することになる。
【0040】
燃焼した細割り木21は灰になり、この灰は灰出しロストル50を経て、灰溜り31に落下する。灰出しロストル50の詳細については、後に図8を参照しながら説明する。細割り木21が燃焼し切っても、燃焼中の固体燃料20に、順次落下してくる固体燃料20が供給され、固体燃料20の燃焼が持続することになる。図1の状態では、図6の細割り木21は燃焼し切っており、燃焼中の固体燃料20に、落下した固体燃料20が供給されることになる。
【0041】
図7は、図1のロストル10近傍の拡大図を示している。図7において、ロストル10上の固体燃料20は、傾斜部12に沿って下方に移動(矢印e方向)する。板状部材11間に形成された通風空間14には、流入口30(図1)から取り込まれた外部の空気が通過する(矢印c方向)ことになる。
【0042】
ここで、ロストル10の下部において、固体燃料20が燃焼し続けると、ロストル10の下部が加熱される。一方、ロストル10の各板状部材11は、左右一対のプレート13に挟まれて固定されている。このため、ロストル10の下部が加熱されると、プレート13を介してロストル10の下部の熱がロストル10の全体に伝達され、ロストル10の全体が高温に加熱されることになる。
【0043】
したがって、通風空間14を通過する空気は加熱され、この加熱された空気が固体燃料20に供給され、固体燃料20の乾燥度合いが高まることになる。このことにより、固体燃料20は燃焼が促進されることになる。
【0044】
図3及び図7に示したように、各板状部材11の先端部には、切り込み15が形成されている。このことにより、図7の矢印dで示したように、通風空間14を流通する空気の一部は、切り込み15を通過して上昇することになる。この場合、ロストル10上の固体燃料20には、矢印c方向及び矢印d方向の両方向から、空気が供給されることになる。したがって、固体燃料20には通風空間14を経て加熱された空気が行き亘り易くなり、固体燃料20の乾燥度合いが一層高まり、固体燃料20の燃焼も一層促進されることになる。
【0045】
図1において燃焼した固体燃料20は、燃焼筒3側に移動するとともに、固体燃料20の灰23が灰出しロストル50を経て、灰溜り31に落下する。図8は、灰出しロストル50の平面図を示している。灰出しロストル50は環状部材51の内側に格子52を設けている。隣接する格子52間には隙間53が形成されている。隙間53を経て、固体燃料20の灰23が灰出しロストル50を経て、灰溜り31に落下する。
【0046】
次に、燃料供給筒2側から燃焼筒3側への固体燃料20の移動について説明する。前記の通り、図1の高さHの範囲には、図4に示したように流通口7aが断続的に配置された断続的開口部7cを形成している。断続的開口部7cを形成しているのは、固体燃料20の通過を制限しつつ、流入口30(図1)から吸引された空気や、固体燃料20から蒸発した水分を通過させるためである。同様の効果は、狭めた開口を一つ配置した場合でも得られるが、断続的開口部7cは流通口7aを交互に配置しているので、広い範囲に亘り、固体燃料20の通過を制限しつつ、空気や水分を通過させることができる。
【0047】
流通口7aの幅Wは、固体燃料20の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば、固体燃料20として、2〜10mm程度の粒径の草木等の破砕物が混在しているものを用いる場合は、流通口7aの幅Wを6〜8mmとすることにより、流通口7aにおける固体燃料20の通過量を少量に制限することができる。
【0048】
一方、流通口7bは、断続的開口部7cの下部に形成されており、遮蔽部は形成されていない。このため、流通口7bにおいては、固体燃料20は燃焼筒3内に移動し易くなる。したがって、固体燃料20は断続的開口部7cにおいては移動が抑えられつつ、主に流通口7bを経て燃焼筒3内に移動することになる。このことにより、ロストル10上の固体燃料20の移動が緩やかになり、固体燃料20はロストル10の下部に除々に落下して行く。ロストル10の下部に至った固体燃料20は燃焼中の固体燃料20に供給されて燃焼し、主に流通口7bを経て燃焼筒3側に移動していくことになる。
【0049】
前記のように、ロストル10上の固体燃料20の移動が緩やかになることにより、固体燃料20のロストル10上の滞留時間も長くなる。このため、図7において、ロストル10上の固体燃料20は、通風空間14を通過して加熱され矢印c、d方向に流れる空気が吹き付けられる時間も長くなる。このことは、固体燃料20の乾燥に有利になり、固体燃料20がロストル10の下部に至った際に着火し易くなる。
【0050】
一方、図4の高さHの範囲に、遮蔽部材40を設けていない場合は、遮蔽部材40による固体燃料20の移動の制限が解かれることになる。この構成では、一度に大量の固体燃料20が燃焼筒3の下部に移動することになる。この固体燃料20の燃焼が進むと、燃焼中の固体燃料20に再び大量の固体燃料20が堆積することになる。
【0051】
このことにより、燃焼火炎の火力が一旦弱まり燃焼筒3内の温度も低下することになる。また、大量の固体燃料20が一度に落下することにより、十分に乾燥していない固体燃料20も落下することになる。このことも、火力低下の一因となる。したがって、遮蔽部材40を設けていない構成では、周期的に燃焼筒3内の温度が低下し、安定した高温燃焼の実現には不利になる。
【0052】
次に、図1に示したように、本実施の形態においては、燃料供給筒2の開口面積は、ロストル側10に向かうにつれて広がっている。この構成では、燃料供給筒2内における固体燃料20は落下し易くなる。このため、ロストル10上の固体燃料20がロストル10下部へ移動した場合、この移動に直ぐ追従して燃料供給筒2内の固体燃料20が落下することになる。したがって、燃料供給筒2内に固体燃料20が充填されている限り、ロストル10上は固体燃料20で満たされた状態を維持することが可能になる。
【0053】
ここで、前記のように断続的開口部7cにおいては、固体燃料20の通過量は制限されるが、流通口7aを空気及び水分が通過することは可能である。したがって、図1において吸引口30から吸引された空気は、矢印c方向にロストル10の通風空間14内を流動し、図4の流通口7aを経て、燃焼筒3内に吸引されることになる。
【0054】
この吸引空気は、前記の通りロストル10の通風空間14内を通過する際に加熱される。この加熱空気が固体燃料20に供給されると、水分を含んだ固体燃料20が加熱され、固体燃料20から蒸発した水分が発生することになる。この水分は、吸引空気の流れに乗って移動し、図4の流通口7aを経て、図1の矢印eで示したように、燃焼筒3内に水分が吹き出されることになる。
【0055】
一方、開口7の下部からは燃焼した固体燃料20が燃焼筒3内に移動し、燃焼火炎が燃焼筒3内を上昇する。この燃焼火炎に、燃焼筒3内に吹き出された水分が吹き付けられることになる。
【0056】
炭素を高温で水蒸気と反応させることにより、一酸化炭素と水素との混合ガスが生成される水性ガス反応が知られている。この反応により燃焼火炎中の炭素が可燃性ガスに変化し、この可燃性ガスがさらに燃焼し完全燃焼が促進され、高温燃焼に有利になる。後に図13を用いて説明する実施例においては、助燃バーナーや送風機を用いることなく、燃焼火炎部において少なくとも910℃までの温度上昇が確認できた。
【0057】
また、完全燃焼により、すすの発生を抑えることができる。後に図9〜11を用いて説明するように、本実施の形態においては、燃焼筒2内に中空パイプを設けることにより、中空パイプを通過する被加熱流体を加熱することができる。すすの発生が抑えられることにより、中空パイプへのすすの付着が抑えられることになる。このことにより、中空パイプへの熱伝達の低下が抑えられ加熱能力の低下を防止することができる。
【0058】
また、固体燃料20から蒸発した水分は、前記の通り燃焼筒3内に向かうので、これらの水分が固体燃料20の堆積部分に留まることが防止される。このことも、固体燃料20の乾燥促進に有利になる。
【0059】
以下、図9〜11を参照しながら、燃焼装置1の使用例について説明する。図9は、燃焼装置1を温水又は温風発生機として使用した使用例を示す概略図である。燃焼筒3内には、上下の仕切り板60で仕切られた空間61を形成している。空間61内には、複数の中空パイプ62を立設させている。中空パイプ62内は、燃焼筒3内の下部における燃焼火炎及び燃焼ガスが通過し、煙突6を経て排気されることになる。空間61には送入口63を介して流体を送入可能であり、送出口64を介して空間61内の流体を送出可能である。
【0060】
前記のように中空パイプ62内を燃焼火炎及び燃焼ガスが通過すると、中空パイプ62は高温になり、中空パイプ62に接触した流体は加熱されることになる。このため、送水ポンプを用い、送入口63を介して水を空間61内に送出した場合は、水が中空パイプ62に接触し、送出口64からは温水が取り出されることになる。同様に送風機を用い、送入口63を介して空気を空間61内に送出した場合は、送出口64からは温風が取り出されることになる。
【0061】
図10は、燃焼装置1を温風発生機として使用した使用例を示す概略図である。燃焼筒3を径方向に横断するように複数の中空パイプ65を装着している。中空パイプ65は燃焼筒3内を上昇する燃焼火炎及び燃焼ガスにより加熱されることになる。燃焼筒3の外周面には送風筒66及び送出筒67が取り付けられている。送風筒66内には送風機68のファン69が配置されている。ファン69の回転により、外気が加熱された中空パイプ65内を通過し加熱され、送出筒67から温風が送出されることになる。
【0062】
図11は、燃焼装置1を温水発生機として使用した使用例を示す概略図である。燃焼筒3内に、中空パイプで形成したコイル管70を配置している。コイル管70は燃焼筒3内を上昇する燃焼火炎及び燃焼ガスにより加熱されることになる。コイル管70の入口71から水を送入すると、この水はコイル管70内を循環し、コイル管70の出口72からは温水が流出することになる。
【0063】
図10、11では、燃焼筒3内に中空パイプを設置するために、燃焼筒3は上部と下部とに2分割されている。上部と下部とにはそれぞれフランジ35を形成しており、一対のフランジ35をボルト36で締め付けて、上部と下部とを固定している。図9の構成においても、同様に燃焼筒3を2分割してフランジ部で固定するようにしてもよい。
【0064】
図12は、固体燃料を連続供給する一例を示す概略図である。本図の例では、燃焼装置1の燃料供給筒2に、固体燃料20を供給する燃料供給装置80をさらに備えている。燃料供給筒2にスクリューフィーダ75の先端が対向している。スクリューフィーダ75の下部は、燃料供給容器77の下端部が対向している。燃料供給容器77内の固体燃料20は、減速モータ79で駆動された送りスクリュー78の回転により下方に送られ、スクリューフィーダ75上に供給される。この固体燃料20は、スクリューフィーダ75内を燃料供給筒2側に向かって上昇する。上昇した固体燃料20は、スクリューフィーダ75の先端部から、燃料供給筒2内に投入されることになる。
【0065】
この構成では、燃料供給容器77に大量の固体燃料20を充填でき、燃料供給筒2に固体燃料20を連続的に供給できる。このため、長時間に亘り燃料供給筒2に固体燃料20が充填された状態を維持することができ、燃料補給の回数を減らすことが可能になる。
【0066】
図13は、本発明の実施例に係る燃焼装置の外観図である。実施例として、接地面から燃焼筒3の上端までの高さAを700mm、燃焼筒3と蓋32の端部同士の幅Bを600mm、燃焼筒3の外径Cを300mm、煙突6の外径Dを120mm、燃料供給筒2の高さEを450mm、燃料供給筒2の側面の最大幅Fを150mmとしたものを製作した。
【0067】
内部構造は、図1に示した構造とし、燃料供給筒2及び燃焼筒3は鉄板で形成し、ロストル10(図3)及び遮蔽部材40(図4)の材料は鉄とした。図4において、高さhは50mm、高さHは145mm、開口7の全幅は145mm、流通口7aの幅Wは6.8mmとした。また、遮蔽部42は丸棒とし、直径10mmとした。
【0068】
実施例において竹を破砕した固体燃焼(粒径2〜10mm程度)を投入し燃焼させ、図1の測定点Pにおいて温度測定した。測定点Pは、縦方向の位置は高さHの半分の位置であり、横方向の位置は燃焼筒3の直径の半分の位置である。測定点Pの温度は、初期着火から5分後において700℃、30分後において887℃、33分後において910℃であった。その後も温度は上昇し続けたが、燃焼筒3の破断を防ぐため40分程度で運転を中止した。このため、燃焼筒3内で安定する最高温度は910℃より高い温度になると考えられる。また、測定点P以外に、さらに温度の高い位置がある可能性もある。したがって、本実施例では、910℃の高温燃焼が確認できたが、910℃を超える高温燃焼も可能であるといえる。
【0069】
また、図7の測定点P1及びP2において、通風空間14の温度を測定した。測定点P1及びP2は、板状部材11の後端から2cmの位置における通風空間14の高さの半分の位置である。温度測定は、初期着火から35〜40分の間とした。測定点P1においては600〜620℃であり、測定点P1より上側の測定点P2において600〜670℃であった。すなわち、測定点P1より上側にあり、燃焼部分であるロストル10下部からより離れた測定点P2においても、測定点P1と同程度の温度であることが確認できた。
【0070】
また、実施例では燃焼筒3にはのぞき窓を設けており、燃焼筒3の内部を見たところ、燃焼筒3内に水分が吹き出されていることが確認できた。さらに、燃焼筒3及び煙突6の内部には、すすの付着は見当たらなかった。
【0071】
ここで、本実施例で用いた固体燃焼は、竹を破砕したに止まり加圧工程は経ていない。この固体燃焼について、加熱乾燥式水分計を用いて水分率を測定したところ28.7%であった。一方、木を粉状にした後固めて成形した木質ペレットと呼ばれる固体燃料の水分率は5〜10%程度である。また、木質ペレットを送風機や助燃バーナを用いない鉄板製薪ストーブで燃焼させた場合、燃焼温度は通常500℃未満である。
【0072】
本実施例は、送風機や助燃バーナを用いず、かつ水分率の高い固体燃焼を用いながらも、前記の通り910℃の高温燃焼が確認されている。さらに、前記の通り、燃焼筒3及び煙突6の内部にすすの付着がなく、燃焼筒3内に水分が吹き出されることも確認できている。すなわち、本実施例においては、前記の水性ガス反応により、完全燃焼が促進され高温燃焼が実現できていると考えられる。
【0073】
次に、本実施の形態では、図4に示したように、開口7の上側に櫛歯状の断続的開口部7cを設け、流通口7の上部よりも下部の方が固体燃料を通過し易くしているが、この効果を他の構成により実現してもよい。
【0074】
例えば、図4の例では櫛歯部41により、開口及び遮蔽部を形成しているが、網状部材により、開口及び遮蔽部を形成してもよい。
【0075】
また、図4の例では通風口7aは縦長の開口であるが、横長の開口を上下方向に断続的に配置したものであってもよい。
【0076】
また、図4において通風口7bの位置にも遮蔽部材を配置してもよい。例えば、通風口7bの位置に、断続的開口部7cに比べ櫛歯42のピッチを大きくした断続的開口部を設け、断続的開口部7cに比べ固体燃料が通過し易くした仕様が考えられる。
【0077】
また、図4の例では、遮蔽部材40の位置調節により、開口及び遮蔽部の面積を調節可能であるが、開口及び遮蔽部が固定されたものであってもよい。例えば、燃焼筒2の筒体に隙間を断続的に配置した格子形状を設けることにより開口及び遮蔽部を形成してもよい。
【0078】
また、櫛歯42の長さを長くした遮蔽部材40を用いて、遮蔽部材40の位置調節により、図4の開口7の全体を櫛歯42で塞ぐことができるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 燃焼装置
2 燃料供給装置
3 燃焼筒
7,7a,7b 流通口
7c 断続的開口部
8 燃焼火炎
10 ロストル
11 板状部材
12 傾斜部
14 通風空間
15 切り込み
20 固体燃料
30 吸引口
40 遮蔽部材
41 櫛歯部
42 櫛歯
43 隙間
44 調節棒
60 仕切り板
61 空間
62,65 中空パイプ
70 コイル管
80 燃料供給装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体燃料が落下する燃料供給筒と、前記固体燃料の燃焼火炎が上昇する燃焼筒とを含む燃焼装置であって、
板状部材を階段状に配置して傾斜部を形成したロストルと、
前記板状部材間に隙間をあけて形成した通風空間と、
前記固体燃料に供給する外気が吸引される吸引口と、
前記燃料供給筒内の空間と前記燃焼筒内の空間とをつなぐ流通口とを備え、
前記流通口は、開口間に遮蔽部を介在させて前記開口が断続的に配置された断続的開口部を含んでおり、
前記断続的開口部及び前記ロストルは、前記断続的開口部と前記ロストルの前記傾斜部との間に、前記固体燃料が充填されるように配置されており、
前記燃焼筒内の前記燃焼火炎の上昇により、前記吸引口から空気が吸引され、
前記吸引された空気は、前記通風空間を通過して前記ロストルで加熱され、
前記固体燃料に前記加熱された空気が供給されて、前記固体燃料から水分が蒸発し、
前記蒸発した水分は、前記断続的開口部を通過し、前記燃焼筒を上昇する前記固体燃料の燃焼火炎に吹き付けられることを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記流通口は、上下方向において前記開口又は前記遮蔽部の大きさを変化させて、前記流通口の上部よりも下部の方が前記固体燃料を通過し易くしている請求項1に記載の燃焼装置。
【請求項3】
前記ロストルの前記板状部材は、前記傾斜部側の端部に、切り込みを形成した板状部材を含んでおり、前記切り込みにおいて前記通風空間を通過した空気の一部が上昇するようにしている請求項1又は2に記載の燃焼装置。
【請求項4】
前記遮蔽部は可動部材であり、前記遮蔽部の可動により前記流通口における開口面積を調節可能である請求項1から3のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項5】
前記燃料供給筒の開口面積は、前記ロストル側に向かうにつれて広がっている請求項1から4のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項6】
前記燃焼筒に、上下の仕切り板で仕切られた空間を形成し、前記空間に中空パイプを立設させており、前記中空パイプ内を、前記燃焼火炎又は前記燃焼火炎から生じた燃焼ガスが上昇して通過し、前記空間に流入した流体が、前記空間で加熱されて前記空間から流出する請求項1から5のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項7】
前記燃焼筒内に、中空パイプが配置されており、前記中空パイプ内を通過する流体が、前記燃焼筒を上昇する前記燃焼火炎又は前記燃焼火炎から生じた燃焼ガスにより加熱される請求項1から6のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項8】
前記燃料供給筒に前記固体燃料を供給する燃料供給装置をさらに備えている請求項1から7のいずれかに記載の燃焼装置。
【請求項9】
固体燃料が落下する燃料供給筒と、前記固体燃料の燃焼火炎が上昇する燃焼筒とを含む燃焼装置の燃焼方法であって、
前記燃焼装置は、
板状部材を階段状に配置して傾斜部を形成したロストルと、
前記板状部材間に隙間をあけて形成した通風空間と、
前記固体燃料に供給する外気が吸引される吸引口と、
前記燃料供給筒内の空間と前記燃焼筒内の空間とをつなぐ流通口とを備えており、
前記燃焼筒内の前記燃焼火炎の上昇により、前記吸引口から空気を吸引し、
前記吸引された空気を、前記通風空間を通過させて前記ロストルで加熱し、
前記固体燃料に前記加熱された空気を供給し、前記固体燃料から水分を蒸発させ、
前記蒸発した水分を、前記流通口を通過させ、前記燃焼筒を上昇する前記固体燃料の燃焼火炎に吹き付けることを特徴とする燃焼方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−242109(P2011−242109A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117457(P2010−117457)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(591220344)
【Fターム(参考)】