説明

燃焼装置

【課題】目標燃焼量を低負荷側から高負荷側まで切り替えてガスバーナを燃焼させる際に、燃焼炎センサが過熱により破損することを防止しつつ、ガスバーナの燃焼状態の悪化を抑制するように、ファンの回転速度を補正することができる燃焼装置を提供する。
【解決手段】ファン回転速度補正手段85bは、暖房ガスバーナ21の燃焼量設定範囲を、給気・排気閉塞の度合が大きくなるほど、暖房ガスバーナ21の燃焼時の熱電対24の検出温度が高くなる関係が成立する範囲を想定して設定した、所定燃焼量以上の高負荷燃焼量域と、該高負荷燃焼量域未満の低負荷燃焼量域とに二分して扱い、暖房ガスバーナ21が低負荷燃焼量域内の目標燃焼量により燃焼しているときに、熱電対24の検出温度が第1判定温度以上となったときには、目標燃焼量が小さいほど補正率を高くしてファン71の回転速度を増加させる第1の回転速度補正を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバーナに燃焼用空気を供給すると共にガスバーナの燃焼排ガスを排出するファンの回転速度を、ガスバーナの燃焼炎の温度に応じて補正する機能を備えた燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、給湯機能と浴槽内の湯の追焚き機能を有するガス給湯装置において、追焚き用のガスバーナの燃焼炎の温度を熱電対の起電力により検出して、ガスバーナに燃焼用空気を供給すると共にガスバーナの燃焼排ガスを排出するファンの回転速度を補正するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、ガスバーナに実際に供給される燃焼用空気の量と、目標とする燃焼量での燃焼に必要な燃焼用空気の量との比である空気比λ(実際の供給空気量/必要空気量)と、熱電対の起電力との関係は、λ=1付近で起電力が最大となる上に凸の2次曲線となる。そこで、熱電対の起電力V(空気比λに対応する)と、基準空気比λに対応する基準電圧Vとを比較することによって、ガスバーナの燃焼用空気の供給経路又は燃焼排ガスの排出経路の閉塞(以下、給気・排気閉塞という)による燃焼用空気の不足度合を検知することができる。
【0004】
そして、熱電対の起電力Vと基準電圧Vとの差を解消するように、ファンの回転速度を増加する補正を行うことによって、ガスバーナに対する燃焼用空気の供給不足を抑制して、ガスバーナの燃焼状態を良好に保つことができる。
【特許文献1】特開2004−11937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、給気・排気閉塞によるガスバーナの燃焼用空気の不足を検出して、ファンの回転速度を増加する補正を行うことによって、燃焼用空気の不足によるガスバーナの燃焼状態の悪化を抑制することができる。しかし、ガスバーナの燃焼状態が悪化する要因としては、給気・排気閉塞による燃焼用空気の供給不足の他に、燃料ガスの供給管に設けられた開度変更弁のダイヤフラムの経時的な硬化による燃料ガスの供給量の増加も考えられる。
【0006】
そして、開度変更弁のダイヤフラムの硬化が生じた場合、開度変更弁の開度が大きくなるガスバーナの燃焼量が大きい範囲(高負荷燃焼量域)では、燃料ガスが増加する割合は僅なものとなる。それに対して、開度変更弁の開度が小さくなるガスバーナの燃焼量が小さい範囲(低負荷燃焼量域)では、燃料ガスの供給量が増加する割合が大きくなる。
【0007】
この場合、低負荷側ではガスバーナの燃焼良好域が広くなるため、燃料ガスの供給量が増加してもガスバーナの燃焼状態は悪化し難いが、燃焼炎の温度が上昇して熱電対等の炎温度センサが高温になり易い。
【0008】
そこで、本発明は、目標燃焼量を低負荷燃焼量域から高負荷燃焼量域まで切り替えてガスバーナを燃焼させる際に、炎温度センサが過熱により破損することを防止しつつ、ガスバーナの燃焼状態の悪化を抑制するように、ファンの回転速度を補正することができる燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、給気口及び排気口と連通した燃焼室と、該燃焼室内に設けられたバーナと、前記給気口から燃焼用空気を取り込んで前記バーナに供給すると共に、前記バーナの燃焼排ガスを前記排気口から排出するファンと、前記バーナに燃焼ガスを供給するガス供給管と、前記ガス供給管の開度を変更する開度変更弁と、所定の燃焼量範囲内で目標燃焼量を決定する目標燃焼量決定手段と、前記ファンの回転速度を前記目標燃焼量に応じた回転速度に制御するファン制御手段と、前記開度変更弁の開度を前記目標燃焼量に応じた開度に制御する開度変更弁制御手段と、前記バーナの燃焼炎の温度を検出する炎温度センサと、前記炎温度センサの検出温度に応じて、前記ファンの回転速度を補正するファン回転速度補正手段とを備えた燃焼装置の改良に関する。
【0010】
そして、前記ファン回転速度補正手段は、前記燃焼量設定範囲を、前記給気口から前記ガスバーナへの燃焼用空気の供給経路又は前記ガスバーナから前記排気口への燃焼排ガスの排出経路の閉塞度合が大きくなるほど、前記ガスバーナ燃焼時の前記炎温度センサの検出温度が高くなる関係が成立する範囲を想定して設定した、所定燃焼量以上の高負荷燃焼量域と、該所定燃焼量未満の低負荷燃焼量域とに二分して扱い、前記ガスバーナが前記低負荷燃焼量域内の目標燃焼量により燃焼しているときに、前記炎温度センサの検出温度が第1判定温度以上となったときには、目標燃焼量が小さいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる第1の回転速度補正を行うことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、前記ガスバーナの燃焼量が前記低負荷燃焼量域にあるときは、前記ガスバーナの燃焼良好域が広くなる。そのため、前記ガスバーナの燃焼量が前記低負荷燃焼量域にあるときに、前記目標燃焼量が給気・排気閉塞による燃焼用空気の供給量の減少や、前記開度変更弁の経時劣化による燃料ガスの供給量の増加が生じても、前記ガスバーナの燃焼状態の悪化は生じ難い。しかし、炎温度センサ自体が高温になり易くなる。
【0012】
そこで、前記ファン回転速度補正手段は、前記目標燃焼量が前記低負荷燃焼量域にあるときに、前記炎温度センサの検出温度が前記第1判定温度以上となったときには、前記目標燃焼量が小さいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる前記第1の回転速度補正を行う。これにより、前記低負荷燃焼量域における前記ガスバーナに対する燃焼用空気の供給量が増加して、前記炎温度センサの温度の上昇が抑制されるため、過熱による前記炎温度センサの破損を防止することができる。
【0013】
そして、前記開度変更弁の経時劣化が生じた場合、前記ガスバーナの燃焼量が小さいほど(前記開度変更弁の開度が小さいほど)、燃料ガスの過剰率が高くなって前記炎温度センサの温度が上昇し易くなる特性がある。そのため、前記目標燃焼量が小さいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる前記第1の回転速度補正を行うことにより、この特性に合わせて前記ガスバーナの燃焼用空気の供給量を増加させて、前記ガスバーナの良好な燃焼状態を維持することができる。
【0014】
また、前記ファン回転速度補正手段は、前記ガスバーナが前記高負荷燃焼量域内の目標燃焼量により燃焼しているときに、前記炎温度センサの検出温度が前記第1判定温度よりも低い第2判定温度以上となったときには、前記目標燃焼量が大きいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる第2の回転速度補正を行うことを特徴とする。
【0015】
かかる本発明によれば、前記ガスバーナの燃焼量が前記高負荷燃焼量域にあるときは、前記給気口から前記ガスバーナへの燃焼用空気の供給経路又は前記ガスバーナから前記排気口への燃焼排ガスの排出経路の閉塞(以下、給気・排気閉塞という)の度合が大きくなるほど、前記ガスバーナ燃焼時の前記炎温度センサの検出温度が高くなる関係が成立する。また、前記ガスバーナの燃焼量が前記高負荷燃焼量域にあるときは、前記開度変更弁の経時劣化による燃料ガスの増加の影響は小さくなる。
【0016】
そこで、前記ファン回転速度補正手段は、前記目標燃焼量が前記高負荷燃焼量域にあるときに、前記炎温度センサの検出温度が前記第2判定温度以上となったときには、前記目標燃焼量が大きいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる前記第2の回転速度補正を行う。これにより、給気・排気閉塞の塞度合に応じて、前記ファンによる前記ガスバーナに対する燃焼用空気の供給量を増加させ、前記ガスバーナの燃焼状態を良好に維持することができる。
【0017】
また、前記ファン回転速度補正手段は、前記第1の回転速度補正を行った状態で、目標燃焼量が前記低負荷燃焼量域から前記高負荷燃焼量域に移行したときに、前記炎温度センサの検出温度が前記第2判定温度以上となったときには、前記第1の回転速度補正を行った回転速度に対して、さらに前記第2の回転速度補正を行うことを特徴とする。
【0018】
かかる本発明によれば、前記第1の回転速度補正により、前記開度変更弁の経時劣化による燃料ガスの増加によって、前記炎温度センサの温度が上昇することを抑制すると共に、前記第2の回転速度補正により、給気・排気閉塞の度合に応じて前記ガスバーナに対する燃焼用空気の供給量を増加させて、前記ガスバーナの燃焼状態を良好に維持することができる。
【0019】
また、前記ファン回転速度補正手段は、前記第2の回転速度補正を行った状態で、目標燃焼量が前記高負荷燃焼量域から前記低負荷燃焼量域に移行したときに、前記炎温度センサの検出温度が前記第1判定温度以上となったときには、前記第2の回転速度補正を行った回転速度に対して、さらに前記第1の回転速度補正を行うことを特徴とする。
【0020】
かかる本発明によれば、前記第2の回転速度補正により、給気・排気閉塞が生じたときに、前記ガスバーナの燃焼量により変化する閉塞の影響度に応じて、前記ファンによる前記ガスバーナに対する燃焼用空気の供給量を増加させることができる。また、それと共に、前記第1の回転速度補正により、前記開度変更弁の経時劣化による燃料ガスの供給量が増加したときに、前記ガスバーナの燃焼量により変化する前記開度変更弁の経時劣化の影響度に応じて、前記ガスバーナに対する燃焼用空気の供給量を増加させて、前記炎温度センサの温度上昇を防止することができる。
【0021】
また、前記ファン回転速度補正手段は、前記第1の回転速度補正において、前記燃焼量設定範囲の最小燃焼量に対する前記ファンの回転速度の補正率を第1所定値とし、前記燃焼量設定範囲の最大燃焼量に対する前記ファンの回転速度の補正率を前記第1所定値よりも小さい第2所定値として、燃焼量が前記最小燃焼量から前記最大燃焼量まで増加するに従って、前記ファンの回転速度の補正率を前記第1所定値から前記第2所定値まで直線的に減少させることを特徴とする。
【0022】
かかる本発明によれば、前記第1所定値と前記第2所定値を設定することにより、前記ガスバーナの目標燃焼量が小さいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる前記第1の回転速度補正を、容易に行うことができる。
【0023】
また、前記ファン回転速度補正手段は、前記第2の回転速度補正において、前記燃焼量設定範囲の最小燃焼量に対する前記ファンの回転速度の補正率を第3所定値とし、前記燃焼量設定範囲の最大燃焼量に対する前記ファンの回転速度の補正率を前記第3所定値よりも大きい第4所定値として、燃焼量が前記最小燃焼量から前記最大燃焼量まで増加するに従って、前記ファンの回転速度の補正率を前記第3所定値から前記第4所定値まで直線的に増加させることを特徴とする。
【0024】
かかる本発明によれば、前記第3所定値と前記第2所定値を設定することにより、前記ガスバーナの目標燃焼量が大きいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる前記第2の回転速度補正を、容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図7を参照して説明する。
【0026】
図1は本発明の燃焼装置である複合熱源機の全体構成図であり、本実施の形態の複合熱源機は、給水管から供給される水を加熱して給湯管に供給する給湯機能と、温水暖房端末機(床暖房機や温風暖房機等)に温水循環回路を経由して温水を供給する暖房機能とを有している。
【0027】
図1を参照して、複合熱源機は給湯燃焼部1と暖房燃焼部2とにより構成され、給湯燃焼部1は、給湯燃焼室10に収容された給湯ガスバーナ11、給湯燃焼室10の上方に設けられて給湯ガスバーナ11により加熱される給湯熱交換器12、給湯ガスバーナ11に点火するための点火電極14、給湯ガスバーナ11の燃焼炎を検知するフレームロッド13、給湯熱交換器12の上流側に接続された給水管16、給湯熱交換器12の下流側に接続された給湯管15、給湯熱交換器12をバイパスして給水管16と給湯管15を連通するバイパス管17、給湯熱交換器12の出口付近に設けられて給湯熱交換器12から出湯される湯の温度を検出する給湯熱交サーミスタ18、及び給湯管15とバイパス管17との接続箇所の下流側に設けられて給湯管15から供給される湯の温度を検出する給湯サーミスタ19を備えている。
【0028】
さらに、給湯燃焼部1は、給湯ガスバーナ11と接続されたガス供給管50に設けられた電磁弁52と比例弁51を備えている。電磁弁52はガス供給管50を開閉し、比例弁51はガス供給管50の開度を変更して給湯ガスバーナ11への燃料ガスの供給量を変更する。
【0029】
次に、暖房燃焼部2は、暖房燃焼室20(本発明の燃焼室に相当する)に収容された暖房ガスバーナ21(本発明のガスバーナに相当する)、暖房燃焼室20の上方に設けられて暖房ガスバーナ21により加熱される暖房熱交換器22、暖房ガスバーナ21に点火するための点火電極25、暖房ガスバーナ21の燃焼炎を検知するフレームロッド23、暖房ガスバーナ21の燃焼炎の温度を検出する熱電対24(本発明の炎温度センサに相当する)、暖房熱交換器22と温水暖房端末40とを接続する暖房循環回路27、暖房循環回路27内の湯水を循環させる暖房ポンプ29、暖房熱交換器22から暖房循環回路27に供給される温水の温度を検出する暖房熱交サーミスタ30、及び温水暖房端末40への温水の供給/停止を切り替える通水弁41を備えている。
【0030】
さらに、暖房燃焼部2は、暖房ガスバーナ21と接続されたガス供給管60(本発明のガス供給管に相当する)に設けられた電磁弁62と比例弁61(本発明の開度変更弁に相当する)を備えている。電磁弁62はガス供給管60を開閉し、比例弁61はガス供給管50の開度を変更して暖房ガスバーナ21への燃料ガスの供給量を変更する。
【0031】
また、複合熱源機は、給湯バーナ11と暖房バーナ21の燃焼用空気を給気口72から吸入して供給すると共に、給湯バーナ11と暖房バーナ21の燃焼排ガスを排気口70から排出するファン71と、ファン71の回転速度を検出する回転速度センサ73と、複合熱源機の作動を制御するコントローラ80と、熱源機の運転条件の設定等を行なうためのリモコン90を備えている。
【0032】
コントローラ80は、マイクロコンピュータ等により構成された電子ユニットであり、このマイクロコンピュータに複合熱源機の制御用プログラムを実行させることによって、コントローラ80は、給湯燃焼部1を制御する給湯制御部81a及び暖房燃焼部2を制御する暖房制御部81bとして機能する。
【0033】
給湯制御部81aの目標燃焼量決定手段82aは、リモコン90により設定された目標給湯温度の湯が給湯管15から供給されるように、給湯熱交サーミスタ18及び給湯サーミスタ19の検出温度に基づいて、給湯ガスバーナ11の目標燃焼量を決定する。そして、ファン制御手段83aは、目標燃焼量に応じたファンの目標回転速度を決定し、比例弁制御手段84aは目標回転速度に対応する燃料ガスの供給量が得られる比例弁51の目標開度を決定する。
【0034】
ファン制御手段83aは、基本的には、回転速度センサ73による検出速度が目標回転速度と一致するように、ファン71に対する通電量を制御する。また、比例弁制御手段83aは、目標開度が得られるように比例弁51に対する通電量を制御する。
【0035】
ファン回転速度補正手段85aは、給気口72から給湯ガスバーナ11と暖房ガスバーナ21への燃焼用空気の供給経路、及び給湯ガスバーナ11と暖房ガスバーナ21から排気口70への燃焼排ガスの排気経路の閉塞(以下、給気・排気閉塞という)を検知して、ファン制御手段83aにより制御されるファン71の回転速度を増加させる補正を行う。
【0036】
ファン回転速度補正手段85aは、回転速度センサ73による検出速度が目標回転速度と一致するように、ファン制御手段83aによりファン71に対する通電量を制御したときの当該通電量の変化により、給気・排気閉塞の閉塞度合を検知する。給気・排気閉塞が進むに従って、目標回転速度を得るために必要となるファン71に対する通電量が減少するため、ファン回転速度補正手段85aは、この通電量の減少分に従ってファン制御手段83aにより制御されるファン71の回転速度を増加させる補正を行う。
【0037】
次に、暖房制御部81bの目標燃焼量決定手段82b(本発明の目標燃焼量決定手段に相当する)は、温水暖房端末機40に所定温度(例えば、温水暖房端末機40が温風暖房機であるときは80℃、温水暖房端末機40が床暖房パネルであるときは60℃)の湯が供給されるように、暖房熱交サーミスタ30の検出温度に基づいて、暖房ガスバーナ21の燃焼量を決定する。
【0038】
そして、ファン制御手段83b(本発明のファン制御手段に相当する)は、目標燃焼量に応じたファン71の目標回転速度を決定し、比例弁制御手段84b(本発明の開度変更弁制御手段に相当する)は目標回転速度に対応する燃料ガスの供給量が得られる比例弁61の目標開度を決定する。
【0039】
そして、ファン制御手段83bは、基本的には、回転速度センサ73による検出速度が目標回転速度と一致するように、ファン71に対する通電量を制御する。また、比例弁制御手段84bは、目標開度が得られるように比例弁61に対する通電量を制御する。
【0040】
また、ファン回転速度補正手段85bは、給気・排気閉塞及び比例弁61の経時劣化による燃料ガスの供給量の増加を、熱電対24による検出温度により検知して、ファン71の回転速度を増加させる補正を行う。
【0041】
なお、給湯運転と暖房運転が同時に実行されている場合には、給湯制御部81aの燃焼条件決定手段82aにより決定された目標回転速度となるように、ファン制御手段83aによるファン71の制御が実行されると共に、ファン回転速度補正手段85aによるファン71の回転速度の補正が実行される。そして、暖房制御部81bのファン制御手段83bによるファン71の回転速度の制御と、ファン回転速度補正手段85bによるファン71の回転速度の補正は行われない。
【0042】
ここで、図2(a)は暖房ガスバーナ21の目標燃焼量と、該目標燃焼量に応じたファン71の目標回転速度及び燃料ガスの目標供給量との対応マップを示したものであり、縦軸がファン71の回転速度に設定され、横軸が燃料ガスの供給量に設定されている。図中Fminは暖房ガスバーナ21の燃焼量設定範囲の下限である最小燃焼量に対応したファン71の目標回転速度であり、Fmaxは該燃焼量設定範囲の上限である最大燃焼量に対応したファン71の目標回転速度である。
【0043】
また、GminはFminに対応した(暖房ガスバーナ21の最小燃焼量に対応した)燃料ガスの供給量であり、GmaxはFminに対応した(暖房ガスバーナ21の最大燃焼量に対応した)燃料ガスの供給量である。ファン制御手段83bにより目標燃焼量に対応した目標回転速度が決定されると、比例弁制御手段84bは、該目標回転速度を図中aの対応マップに適用して、該目標回転速度に対応する燃料ガスの供給量を得る。そして、比例弁制御手段84bは、この燃料ガスの供給量に対応した比例弁の開度を、目標開度として決定する。
【0044】
なお、図2(a)に示した対応マップと、燃料ガスの供給量と比例弁の開度との対応関係は、実験やシミュレーションにより決定され、これらのデータは予めメモリ(図示しない)に記憶されている。
【0045】
また、図2(b)は、給気・排気閉塞の度合と、熱電対24の出力(図中TC出力と表示)との関係を示したグラフであり、縦軸が熱電対24の出力に設定され、横軸が給気・排気閉塞の度合に設定されている。
【0046】
ここで、暖房ガスバーナ21の燃焼量が図2(a)に示した境界燃焼量Gth(本発明の所定燃焼量に相当する)以上である高負荷燃焼量域内にあるときは、S1に示したように、給気・排気閉塞の度合が大きくなるに従って、熱電対24の出力が増加する関係(比例関係)が成立する。それに対して、暖房ガスバーナ21の燃焼量が境界燃焼量Gth未満である低負荷燃焼量域内にあるときには、S2に示したように、給気・排気閉塞の度合がある程度以上(図中St1以上)となると、熱電対24の出力がTc1で頭打ちとなりそれ以上は増加しない。
【0047】
そして、給気・排気閉塞の度合が大きくなった場合、高負荷燃焼量域では燃焼用空気の不足の影響が大きく、暖房ガスバーナ21の燃焼状態の悪化が生じやすい。一方、低負荷燃焼量域では、給気・排気閉塞による燃焼用空気の不足の影響が小さく、暖房ガスバーナ21の燃焼状態の悪化が生じ難い。
【0048】
そこで、ファン回転速度補正手段85bは、高負荷燃焼量域で熱電対24による検出温度(熱電対24の出力に基づいて検出した温度)が、予め設定した給気・排気閉塞検出用の第2判定温度以上となったときに、図3(b)に示した設定によりファン71の目標回転速度を補正する第2の回転速度補正を行う。
【0049】
図3(b)は縦軸をファン71の回転速度に設定し、横軸を燃料ガスの供給量に設定して、暖房ガスバーナ21の目標燃焼量に対するファン71の回転速度の補正率の設定を示したものである。図中cで示したように、目標燃焼量の設定範囲の下限に対応したファン回転速度Fminの補正率をβ%(本発明の第3所定値に相当する)アップとし、目標燃焼量の設定範囲の上限に対応したファン回転速度Fmaxの補正率をα%アップ(β<α、本発明の第4所定値に相当する)として、Fminの補正値とFmaxの補正値を結んだ直線に従って、ファン71の回転速度の補正率が設定される。
【0050】
例えば、目標回転速度がF1であるときに、熱電対24による検出温度が第2判定温度以上となったときには、ファン回転速度補正手段85bは、ファン制御手段83bにより制御されるファン71の回転速度を目標回転速度よりもx1%増加させた回転速度に補正する。
【0051】
次に、比例弁61のダイヤフラムが経時変化により硬化すると、比例弁61の開度に対する燃料ガスの供給量が、初期(使用開始時)よりも増加する。そして、燃焼ガスの供給量が増加する割合は、燃料ガスの供給量が小さいほど大きくなる傾向がある。そして、低負荷燃焼量域で燃焼ガスの供給量が増加すると、熱電対24が過熱により破損するおそれがある。
【0052】
そのため、例えば、図3(a)に示したように、比例弁61を目標燃焼量の設定範囲の下限に対応した開度に設定したときに、ダイヤフラムの硬化の影響で燃料ガス供給量がΔGだけ増加したときには、Gmin+ΔGの燃料ガス供給量に対応した燃焼用空気を得るために、ファン71の回転速度をΔFだけ増加させる補正を行って、熱電対24の温度上昇を防止する必要がある。
【0053】
そこで、ファン回転速度補正手段85bは、低負荷燃焼量域で熱電対24による検出温度が、予め設定した第1判定温度以上となったときに、図3(a)に示した設定によりファン71の目標回転速度を補正する第1の回転速度補正を行う。
【0054】
図3(a)は縦軸をファン71の回転速度に設定し、横軸を燃料ガス供給量に設定して、暖房ガスバーナ21の目標燃焼量に対するファン71の回転速度の補正率の設定を示したものである。図中bで示したように、目標燃焼量の設定範囲の下限に対応したファン回転速度Fminの補正率をγ%(本発明の第1所定値に相当する)アップとし、目標燃焼量の設定範囲の上限に対応したファン回転速度Fmaxの補正率を0%アップ(本発明の第2所定値に相当する)として、Fminの補正値とFmaxとを結んだ直線に従って、ファン71の回転速度の補正率が設定される。
【0055】
以下、図4〜図6に示したフローチャートに従って、暖房燃焼部2におけるファン回転速度補正手段85bによるファン71の回転速度の補正処理の実行手順について説明する。
【0056】
ファン回転速度補正手段85bは、暖房運転の実行中に図4〜図6の処理を行う。ファン回転速度補正手段85bは、図4のSTEP1で給湯運転が実行されているか否かを判断する。そして、給湯運転が実行されているときはSTEP20に分岐し、給湯優先でファン71の回転速度の補正を行う。そのため、給湯制御部81aのファン回転速度補正手段85aによる回転速度の目標回転速度の補正が行われ、暖房制御部81bによる目標回転速度の補正は禁止される。
【0057】
一方、STEP1で給湯運転中でなかったとき、すなわち暖房運転が単独で実行されているときにはSTEP2に進む。そして、ファン回転速度補正手段85bは、前回記憶したファン補正ステップにより目標回転速度を補正する。
【0058】
なお、ファン回転速度補正手段85bは、以下の表1に示したように、第2の回転速度補正によるファン補正ステップを2段階(ステップA、ステップB)で設定する。また、ファン回転速度補正手段85bは、以下の表2に示したように、第1の回転速度補正によるファン補正ステップを2段階(ステップA、ステップB)で設定する。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
続くSTEP3で、ファン回転速度補正手段85bは、暖房ガスバーナ21に点火されてから、又は暖房ガスバーナ21の目標燃焼量が切り替えられてから1分間が経過したか否かを判断する。そして、1分間が経過していたときはSTEP4に進み、1分間が経過していなかったときにはSTEP1に戻る。
【0062】
STEP4で、ファン回転速度補正手段85bは、ファン制御手段83bにより決定された目標回転速度が回転速度閾値Fth以上であるか否か(目標燃焼量が高負荷燃焼量域内にあるか否か)を判断する。そして、目標回転速度が回転速度閾値Fth以上であるときはSTEP5に進み、Fth未満であるときには図5のSTEP30に分岐する。
【0063】
続くSTEP5で、ファン回転速度補正手段85bは、熱電対24による検出温度が550℃(本発明の第2判定温度に相当する)以上であるか否かを判断する。そして、熱電対24による検出温度が550℃以上であるときは、図6のSTEP60に分岐し、550℃未満であるときにはSTEP6に進む。
【0064】
図6のSTEP60〜STEP65は、第2の回転速度補正の処理であり、ファン回転速度補正手段85bは、STEP60で熱電対24による検出温度が550℃以上である状態が1分間継続しているか否かを判断する。そして、熱電対24による検出温度が550℃以上である状態が1分間継続しているときは、STEP61に進み、1分間継続していないときには図4のSTEP4に分岐する。
【0065】
STEP60で、ファン回転速度補正手段85bは、ファン補正ステップをステップAとして、上述した図3(b)のcを<α_A(5%),β_A(3%)>により設定して、ファン71の回転速度を目標回転速度から増加させる補正を行う。そして、続くSTEP62で、ファン回転速度補正手段85bは、ステップAによる目標回転速度の補正を行っても、熱電対24による検出温度が550℃以上となっているか否かを判断する。
【0066】
STEP62で、熱電対24による検出温度が550℃以上であるときはSTEP63に進み、550℃未満であるときには図4のSTEP6に分岐する。STEP63で、ファン回転速度補正手段85bは、ファン補正ステップをステップBとして、上述した図3(b)のcを<α_B(10%),β_B(6%)>により設定して、ファン71の回転速度を目標回転速度から増加させる補正を行う。これにより、ファン71の回転速度がさらに増加する。
【0067】
続くSTEP64で、ファン回転速度補正手段85bは、ステップBによるファン71の回転速度の補正を行っても、熱電対24による検出温度が550℃以上となっているか否かを判断する。STEP64で熱電対24による検出温度が550℃以上であるとき、すなわち、ファン補正ステップをステップBとしてファン71の回転速度を増加させても、熱電対24による検出温度が550℃未満とならないときは、STEP65に進む。また、STEP64で熱電対24による検出温度が550℃未満となったときは、図4のSTEP6に分岐する。
【0068】
STEP65で、ファン回転速度補正手段85bは、目標燃焼量決定手段82bに対して暖房ガスバーナ21の燃焼停止を指示し、これにより電磁弁62が閉弁されて暖房ガスバーナ21の燃焼が停止する。このように、ファン補正ステップをステップBにしても、熱電対24による検出温度が550℃未満とならないときに、暖房ガスバーナ21の燃焼を停止することによって、給気・排気閉塞により燃焼状態が悪化したまま、暖房ガスバーナ21が燃焼を継続することを回避することができる。
【0069】
次に、図5を参照して、第1の回転速度補正の処理について説明する。ファン回転速度補正手段85bは、図5のSTEP30で、熱電対24による検出温度が750℃(本発明の第1判定温度に相当する)以上であるか否かを判断する。そして、熱電対24による検出温度が750℃以上であるときはSTEP31に進み、750℃未満であるときには図4のSTEP6に分岐する。
【0070】
STEP31で、ファン回転速度補正手段85bは、熱電対24による検出温度が750℃以上である状態が1分間以上継続しているか否かを判断する。そして、STEP31で、熱電対24による検出温度が750℃以上である状態が1分間以上継続しているときはSTEP32に進み、該状態が1分間以上継続していないときには図4のSTEP4に分岐する。
【0071】
STEP32で、ファン回転速度補正手段85bは、ファン補正ステップをステップAとして、上述した図3(a)のbを<γ_A(5%)>により設定して、ファン71の回転速度を目標回転速度よりも増加させる補正を行う。そして、続くSTEP33で、ファン回転速度補正手段85bは、ステップAによる目標回転速度の補正を行っても、熱電対24による検出温度が750℃以上となっているか否かを判断する。
【0072】
STEP33で、熱電対24による検出温度が750℃以上であるときはSTEP34に進み、550℃未満であるときには図4のSTEP6に分岐する。STEP34で、ファン回転速度補正手段85bは、ファン補正ステップをステップBとして、上述した図3(a)のbを<γ_B(10%)>により設定して、ファン71の回転速度を目標回転速度よりも増加させる補正を行う。これにより、ファン71の回転速度がさらに増加する。
【0073】
続くSTEP35で、ファン回転速度補正手段85bは、ステップBによるファン71の回転速度の補正を行っても、熱電対24による検出温度が750℃以上となっているか否かを判断する。STEP35で熱電対24による検出温度が750℃以上であるとき、すなわち、ステップBによるファン71の回転速度の補正を行っても、熱電対24による検出温度が750℃以上であるとき、すなわち、ファン補正ステップをステップBとして目標回転速度を増加させても、熱電対24による検出温度が750℃未満とならないときはSTEP35に分岐し、750℃未満となったときには図4のSTEP6に進む。
【0074】
STEP40で、ファン回転速度補正手段85bは、目標燃焼量決定手段82bに対して暖房ガスバーナ21の燃焼を指示し、これにより電磁弁62が閉弁されて暖房ガスバーナ21の燃焼が停止する。このように、ファン補正ステップをステップBとしても、熱電対24による検出温度が750℃未満とならないときに、暖房ガスバーナ21の燃焼を停止することによって、比例弁61のダイヤフラムの硬化により燃料ガスの供給量が増加して熱電対24が過熱された状態が継続することを回避することができる。
【0075】
次に、図4のSTEP7〜STEP9及び図6のSTEP50〜STEP53は、第1の回転速度補正及び第2の回転速度補正により設定されたステップA及びステップBのファン補正ステップを解除するための処理である。
【0076】
図4のSTEP7で、ファン回転速度補正手段85bは、熱電対24による検出温度が400℃以下である状態が1分間以上継続しているか否かを判断する。そして、熱電対24による検出温度が400℃以下である状態が1分間以上継続しているときはSTEP8に進み、該状態が1分間以上継続していないときにはSTEP4に分岐する。
【0077】
STEP8で、ファン回転速度補正手段85bは、第1の回転速度補正又は第2の回転速度補正により、ファン補正ステップがステップBに設定されているか否かを判断する。そして、ファン補正ステップがステップBに設定されているときはSTEP9に進み、ステップBに設定されていないときには図6のSTEP50に分岐する。
【0078】
STEP9で、ファン回転速度補正手段85bは、ファン補正ステップをステップAとしてSTEP6に進む。また、図6のSTEP50で、ファン回転速度補正手段85bは、ファン補正ステップがステップAに設定されているか否かを判断する。そして、ファン補正ステップがステップAに設定されているときはSTEP51に進み、ファン補正ステップがステップAに設定されていないときにはSTEP52に分岐する。
【0079】
STEP51で、ファン回転速度補正手段85bは、目標回転速度の補正を解除する。続くSTEP52で、ファン回転速度補正手段85bは、熱電対24による検出温度が400℃以下であるか否かを判断する。そして、熱電対24による検出温度が400℃以下であるときはSTEP53に進み、該検出温度が400℃よりも高いときには図4のSTEP6に分岐する。
【0080】
STEP53で、ファン回転速度補正手段85bは、燃焼条件決定手段82bに対して暖房ガスバーナ21の燃焼停止を指示し、これにより電磁弁62が閉弁されて暖房ガスバーナ21の燃焼が停止する。ここで、ファン71の回転速度の補正を解除しても、熱電対24による検出温度が400℃よりも高くならないときは、暖房ガスバーナ21の不完全燃焼が生じているおそれがある。そこで、暖房ガスバーナ21の燃焼を停止することによって、暖房ガスバーナ21の不完全燃焼が継続することを回避することができる。
【0081】
また、以上説明した図4〜図6の処理において、ファン回転速度補正手段85bは、第1の回転速度補正と第2の回転速度補正を並列して実行する。図7(a)は、先に高負荷燃焼量域で第2の回転速度補正が実行された後に、目標燃焼量が低負荷燃焼領域に移行して、低負荷燃焼量域で第1の回転速度補正が実行された場合を例示したものである。この場合は、先ず、初期のファン71の回転速度の設定aに対して第2の回転速度補正によるdの条件で回転速度が補正され、さらに、第1の回転速度補正によるeの条件で回転速度が補正される。
【0082】
また、図7(b)は、先に低負荷燃焼量域で第1の回転速度補正が実行された後に、目標燃焼量が高負荷燃焼量域に移行し、高負荷燃焼量域で第2の回転速度補正が実行された場合を提示したものである。この場合は、先ず、初期のファン71の回転速度の設定aに対して第1の回転速度補正によるfの条件で回転速度が補正され、さらに、第2の回転速度補正によるgの条件で回転速度が補正される。
【0083】
このように、第1の回転速度補正と第2の回転速度補正とを組み合わせて、ファン71の回転速度を目標回転速度よりも増加させる補正を行うことにより、暖房ガスバーナ21の燃焼量により異なる給気・排気閉塞及び比例弁61の経時劣化の影響度合に応じて、給気・排気閉塞及び比例弁61の経時劣化の影響を低減するようにファン71の回転速度を補正することが可能となる。
【0084】
なお、本実施の形態において、ファン回転速度補正手段85bは、低負荷燃焼量域における第1の回転速度補正と高負荷燃焼量域における第2の回転速度補正とを行ったが、第1の回転速度補正のみを行う場合にも本発明の効果を得ることができる。
【0085】
また、本実施の形態において、ファン回転速度補正手段85bは、第1の回転速度補正と第2の回転速度補正とを組み合わせて目標回転速度を補正したが、例えば、低負荷燃焼領域では第1の回転速度補正のみを行い、高負荷燃焼量域では第2の回転速度補正のみを行うようにしてもよい。
【0086】
また、本実施の形態では、本発明の燃焼装置として給湯機能と温水暖房機能とを有する複合熱源機を示したが、ガスバーナの燃焼量を、ガス供給管に設けられた開度変更弁の開度と、ガスバーナへの燃焼用空気の供給と燃焼排ガスの排出を行うファンの回転速度を変更して行う燃焼装置であれば、本発明の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の燃焼装置である複合熱源機の全体構成図。
【図2】目標回転速度と燃料ガス供給量との関係、及び給気・排気閉塞の度合と熱電対の出力との関係を示した説明図。
【図3】ファンに対する第1の回転速度補正と第2の回転速度補正の説明図。
【図4】回転速度補正手段によるファンの回転速度の補正処理のフローチャート。
【図5】回転速度補正手段によるファンの回転速度の補正処理のフローチャート。
【図6】回転速度補正手段によるファンの回転速度の補正処理のフローチャート。
【図7】第1の回転速度補正と第2の回転速度補正を組み合わせて実行する場合の説明図。
【符号の説明】
【0088】
1…給湯燃焼部、2…暖房燃焼部、10…給湯燃焼室、11…給湯ガスバーナ、20…暖房燃焼室、21…暖房ガスバーナ、22…暖房熱交換器、24…熱電対(炎温度センサ)、71…ファン、61…比例弁(開度変更弁)、80…コントローラ、81a…給湯制御部、81b…暖房制御部、82b…目標燃焼量決定手段、83b…ファン制御手段、84b…ファン回転速度補正手段、84b…比例弁制御手段(開度変更弁制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給気口及び排気口と連通した燃焼室と、
該燃焼室内に設けられたバーナと、
前記給気口から燃焼用空気を取り込んで前記バーナに供給すると共に、前記バーナの燃焼排ガスを前記排気口から排出するファンと、
前記バーナに燃焼ガスを供給するガス供給管と、
前記ガス供給管の開度を変更する開度変更弁と、
所定の燃焼量範囲内で目標燃焼量を決定する目標燃焼量決定手段と、
前記ファンの回転速度を前記目標燃焼量に応じた回転速度に制御するファン制御手段と、
前記開度変更弁の開度を前記目標燃焼量に応じた開度に制御する開度変更弁制御手段と、
前記バーナの燃焼炎の温度を検出する炎温度センサと、
前記炎温度センサの検出温度に応じて、前記ファンの回転速度を補正するファン回転速度補正手段とを備えた燃焼装置において、
前記ファン回転速度補正手段は、前記燃焼量設定範囲を、前記給気口から前記ガスバーナへの燃焼用空気の供給経路又は前記ガスバーナから前記排気口への燃焼排ガスの排出経路の閉塞度合が大きくなるほど、前記ガスバーナ燃焼時の前記炎温度センサの検出温度が高くなる関係が成立する範囲を想定して設定した、所定燃焼量以上の高負荷燃焼量域と、該所定燃焼量未満の低負荷燃焼量域とに二分して扱い、前記ガスバーナが前記低負荷燃焼量域内の目標燃焼量により燃焼しているときに、前記炎温度センサの検出温度が第1判定温度以上となったときには、目標燃焼量が小さいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる第1の回転速度補正を行うことを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
請求項1記載の燃焼装置において、
前記ファン回転速度補正手段は、前記ガスバーナが前記高負荷燃焼量域内の目標燃焼量により燃焼しているときに、前記炎温度センサの検出温度が前記第1判定温度よりも低い第2判定温度以上となったときには、前記目標燃焼量が大きいほど補正率を高くして前記ファンの回転速度を増加させる第2の回転速度補正を行うことを特徴とする燃焼装置。
【請求項3】
請求項2記載の燃焼装置において、
前記ファン回転速度補正手段は、前記第1の回転速度補正を行った状態で、目標燃焼量が前記低負荷燃焼量域から前記高負荷燃焼量域に移行したときに、前記炎温度センサの検出温度が前記第2判定温度以上となったときには、前記第1の回転速度補正を行った回転速度に対して、さらに前記第2の回転速度補正を行うことを特徴とする燃焼装置。
【請求項4】
請求項2記載の燃焼装置において、
前記ファン回転速度補正手段は、前記第2の回転速度補正を行った状態で、目標燃焼量が前記高負荷燃焼量域から前記低負荷燃焼量域に移行したときに、前記炎温度センサの検出温度が前記第1判定温度以上となったときには、前記第2の回転速度補正を行った回転速度に対して、さらに前記第1の回転速度補正を行うことを特徴とする燃焼装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の燃焼装置において、
前記ファン回転速度補正手段は、前記第1の回転速度補正において、前記燃焼量設定範囲の最小燃焼量に対する前記ファンの回転速度の補正率を第1所定値とし、前記燃焼量設定範囲の最大燃焼量に対する前記ファンの回転速度の補正率を前記第1所定値よりも小さい第2所定値として、燃焼量が前記最小燃焼量から前記最大燃焼量まで増加するに従って、前記ファンの回転速度の補正率を前記第1所定値から前記第2所定値まで直線的に減少させることを特徴とする燃焼装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のうちいずれか1項記載の燃焼装置において、
前記ファン回転速度補正手段は、前記第2の回転速度補正において、前記燃焼量設定範囲の最小燃焼量に対する前記ファンの回転速度の補正率を第3所定値とし、前記燃焼量設定範囲の最大燃焼量に対する前記ファンの回転速度の補正率を前記第3所定値よりも大きい第4所定値として、燃焼量が前記最小燃焼量から前記最大燃焼量まで増加するに従って、前記ファンの回転速度の補正率を前記第3所定値から前記第4所定値まで直線的に増加させることを特徴とする燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−96427(P2010−96427A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267588(P2008−267588)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】