物品の整列搬送装置
【課題】
物品の姿勢を略一定に維持した状態で一定間隔で搬送することができると共にコスト的に有利な、あるいは整列された物品を計測装置に安定供給できて物品の計測精度を向上させる物品の整列搬送装置を提供する。
【解決手段】
無端状に回動する無端状帯の外周面に、突出状態で内部に空洞部を有して弾性を有する突起を多数設けた整列搬送コンベアを備え、該整列搬送コンベアは、物品を搬送する物品搬送コンベアの上方に配置されて、突起がコンベア上の物品に上方から当接することにより空洞部が変形して当該物品を所定姿勢に維持することを特徴とする。前記突起は、例えば変形可能なシートを搬送ベルトに屈曲状態で固着することにより搬送方向と直交する両端が開口した空洞部を有する如く形成される。
物品の姿勢を略一定に維持した状態で一定間隔で搬送することができると共にコスト的に有利な、あるいは整列された物品を計測装置に安定供給できて物品の計測精度を向上させる物品の整列搬送装置を提供する。
【解決手段】
無端状に回動する無端状帯の外周面に、突出状態で内部に空洞部を有して弾性を有する突起を多数設けた整列搬送コンベアを備え、該整列搬送コンベアは、物品を搬送する物品搬送コンベアの上方に配置されて、突起がコンベア上の物品に上方から当接することにより空洞部が変形して当該物品を所定姿勢に維持することを特徴とする。前記突起は、例えば変形可能なシートを搬送ベルトに屈曲状態で固着することにより搬送方向と直交する両端が開口した空洞部を有する如く形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばすだち、みかん等の青果物や卵等の農産物、及びその他の球状で転がりやすい物品を搬送しながら整列させる物品の整列搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農産物に関するこの種の整列搬送装置としては、例えば特許文献1〜3に開示されている。このうち、特許文献1に開示の整列供給装置は、搬送方向と直交する横方向の中央部が両端部より短く形成することで、搬送方向に沿ってトンネル状となるように多数のブラシ毛を無端状帯に植設し、このブラシ毛により選別コンベア上を搬送される農産物を押し付けながら搬送コンベアの幅方向の中央部分にセンタリングするようにしたものである。
【0003】
また、特許文献2に開示の卵搬送装置は、前後のコンベア組立体の乗継部の上方に、発泡材料またはスポンジからなる弾性パッド部分を有する無端ベルトを配置し、この無端ベルトの弾性パッド部分で卵を押し付けながら、卵を前後のコンベア組立体の間を静かに移動させるようにしたものである。さらに、特許文献3に開示の搬送ベルトは、無端状の平ベルトの外周面に多数の細長いスポンジ製のブロックを固着し、このブロックで包装製品を押し付けることにより、搬送ベルト上での包装製品の位置ずれを防止するようにしたものである。
【特許文献1】特公平8−25621号公報
【特許文献2】実公昭53−22958号公報
【特許文献3】実開昭59−18706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの装置においては、ブラシ毛や中実状のスポンジ等の弾性材により物品を上面側から単に押し付けることで、農産物等の物品の姿勢を整列させるものであるため、物品の大きさによって、搬送方向前後の間隔にバラツキが生じ易く、例えば次工程に計測装置が配置される場合に、計測結果に悪影響を与え易い。また、ブラシ毛やスポンジ等の弾性材が使用されるため、その弾性力の調整が困難で物品の大きさによって各弾性材による押し付け力が異なり、弾性材を物品に応じた最適な力で押し付けることが難しい。さらに、弾性材としてブラシ毛を使用した場合は、ブラシコンベアの機長が長くなって、ブラシコンベアの数が多いと装置自体がコスト高になり易い。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、物品の姿勢を略一定に維持した状態で一定間隔で搬送することができると共に、コスト的に有利な物品の整列搬送装置を提供することにある。また、他の目的は、前記目的に加え、整列された物品を計測装置に安定供給できて、物品の計測精度を向上させる物品の整列搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、無端状に回動する無端状帯の外周面に、突出状態で内部に空洞部を有して弾性を有する突起が多数設けれた整列搬送コンベアを備え、前記整列搬送コンベアは、物品を搬送する物品搬送コンベアの上方に配置されて、前記突起がコンベア上の物品に上方から当接することにより前記空洞部が変形して当該物品を所定姿勢に維持することを特徴とする。
【0007】
そして、請求項2に記載の発明のように、前記物品搬送コンベアが上流側コンベアと下流側コンベアを備え、前記整列搬送コンベアは、上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の上方、上流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアの上方の少なくとも一つの位置に配置されることが好ましい。
【0008】
また、請求項3に記載の発明のように、前記突起が変形可能なシートを前記無端状帯に屈曲状態で固着することにより形成されると共に、該突起の空洞部が物品搬送コンベアの搬送方向と直交する方向に開口していることが好ましい。この場合、前記シートは、請求項4に記載の発明のように、無端状帯と略同一幅を有する長尺状のシートで形成され、該シートを屈曲状態で固着することにより、複数の突起が所定間隔で一括して形成されていることが好ましい。
【0009】
また、前記突起は、請求項5に記載の発明のように、搬送方向における間隔が物品搬送コンベアで搬送される物品の外径より小さく設定されていたり、請求項6に記載の発明のように、その突出高さが物品搬送コンベアで搬送される物品の外径と同等かもしくは高く設定されていることが好ましい。また、前記整列搬送コンベアは、請求項7に記載の発明のように、物品の外径に応じて物品搬送コンベアに対する間隔寸法が調整されることが好ましく、また、前記物品搬送コンベアは、請求項8に記載の発明のように、整列搬送コンベアと対向する搬送面に物品の位置決め手段が設けられていることが好ましい。
【0010】
さらに、前記物品搬送コンベアは、請求項9に記載の発明のように、整列搬送コンベアで整列された物品を計測する計測装置を備えることが好ましく、この場合、前記計測装置は、請求項10に記載の発明のように、物品搬送コンベアを形成する上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の下方、上流側コンベアの上方、下流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアに接続された搬送コンベアの上方の少なくとも一つの位置に配置されることが好ましい。また、前記物品は、請求項11に記載の発明のように、球状青果物、卵等の農産物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、整列搬送コンベアが物品搬送コンベアの上方に配置されて、空洞部を有して弾性を有する突起が物品搬送コンベア上の物品に上方から当接することにより空洞部が変形して当該物品を物品搬送コンベアに押さえ付けるため、突起の空洞部の変形により物品の搬送方向や搬送方向と直交する方向の移動を規制することができて、物品を物品搬送コンベアで一定の姿勢で一定間隔を有して搬送することができると共に、物品の姿勢維持のための部材として空洞部を要する突起で対応できて、コスト的に有利な物品の整列搬送装置を得ることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、整列搬送コンベアが上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の上方や上流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアの上方に配置されるため、上流側コンベアと下流側コンベアからなる物品搬送コンベアの所望位置に整列搬送コンベアを配置できて、各種物品やライン構成等に的確に対応することができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、変形可能なシートを無端状帯に屈曲状態で固着することにより、両端が開口した空洞部を有する突起が無端状帯に形成されるため、空洞部を有する突起を簡単に形成できて、整列搬送コンベアの構成を簡略化して一層コスト的に有利な整列搬送コンベアが得られると共に、両端部の開口により突起の変形が良好に行えて、物品の各方向への位置ずれ等が確実に防止され、物品の姿勢を一層安定させることができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、突起を形成するシートが無端状帯と略同一幅を有する長尺状のシートで形成され、該シートを屈曲して固着することにより、複数の突起が所定間隔で一括して形成されるため、無端状帯に多数の突起を簡単に形成することができて、突起を有する整列搬送コンベアを安価に形成することができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、突起の搬送方向の間隔(ピッチ)が物品搬送コンベアで搬送される物品の外径より小さく設定されているため、少なくとも一つの突起により物品の上面側を確実に押さえ付けることができて、物品の姿勢を一層安定させることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5に記載の発明の効果に加え、突起の突出高さが物品搬送コンベアで搬送される物品の外径と同等かもしくは高く設定されているため、突起により物品の上面側を一層確実に押さえ付けることができて、物品の姿勢をより一層安定させることができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1ないし6に記載の発明の効果に加え、整列搬送コンベアと物品搬送コンベア間の間隔寸法が物品の品種、品目等に応じた外径に応じて調整されるため、物品の高さ等の品種、品目等に応じて弾性材の高さを最適位置に設定でき、突起で各種物品を確実に押さえ付けることができてその汎用性の向上を図ることができる。
【0018】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項1ないし7に記載の発明の効果に加え、物品搬送コンベアの整列搬送コンベアと対向する搬送面に物品の位置決め手段が設けられているため、この位置決め手段で物品を搬送面上に位置決めした状態で整列搬送コンベアの突起で押さえ付けることができ、物品の姿勢をより一層安定させることができる。
【0019】
また、請求項9に記載の発明によれば、請求項1ないし8に記載の発明の効果に加え、物品搬送コンベアが整列搬送コンベアで整列された物品を計測する計測装置を備えるため、整列搬送コンベアで姿勢が一定に維持されかつ一定間隔状態の物品を計測装置に供給できて、例えば物品の外観等を高精度に計測することができる。
【0020】
また、請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の効果に加え、計測装置が物品搬送コンベアを形成する上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の下方等の所定位置に設けられるため、これらの計測装置で例えば物品の外周面全域を高精度に計測することができると共に、各種の物品の計測に容易に適用することができる。
【0021】
また、請求項11に記載の発明によれば、請求項1ないし10に記載の発明の効果に加え、物品が球状青果物、卵等の農産物であるため、例えばすだち、みかん等の青果物の選別ラインに適用することで、これら青果物の選別作業の能率向上や選別精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図12は、本発明に係わる物品の整列搬送装置の一実施形態を示し、図1が該整列搬送装置の概略正面図、図2がその平面図、図3〜図5が整列供給コンベアを示す図、図6及び図7がベルトコンベア及び選別コンベアの断面図、図8が整列搬送コンベアの断面図、図9〜図12がその動作説明図である。
【0023】
図1及び図2において、整列搬送装置1は、搬送方向イに連設されて物品搬送コンベア2を形成する整列供給コンベア3、上流側コンベア4、下流側コンベア5及び選別コンベア6と、上流側コンベア4と下流側コンベア5の乗継部7bの下方に配置された下面計測装置8及び選別コンベア6の始端側の上方に配置された上面計測装置9と、上流側コンベア4から下流側コンベア5及び選別コンベア6の始端側の上方に配置された整列搬送コンベア10等を備えている。
【0024】
前記整列供給コンベア3は、図3〜図5に示すように、回転可能な搬送ベルト3aの搬送方向イと直交する幅方向の中央に、農産物Wを位置決めする位置決め手段としての一対の突条11が一体形成され、この搬送ベルト3aの幅方向の両側には、多数の搬送ローラ12が搬送方向イに沿って回転可能に並設されている。この搬送ローラ12は、図2に示すように、搬送方向イに対して逆「ハ」の字状に並設されると共に、幅方向の中央部が低くなるように図3に示すような、ローラ12a及びローラ軸12bを有し、ローラ12aの長手方向の中央下部が、受けローラ21aとベルト受け21bにより回転可能に支持された駆動ベルト13に当接することにより、駆動ベルト13の回転方向と逆方向に回転するようになっている。
【0025】
また、搬送ローラ12は、図4及び図5に拡大して示すように、そのローラ軸12bの所定位置に回り止め用の切欠き14が設けられ、この切欠き14がコンベアフレーム3bの上部に固定されたローラブラケット15の係止溝15aに係止されることにより、ローラ軸12b自体の回転が規制されている。さらに、ローラ軸12bの先端は、ローラブラケット15のやや大きめの孔15bに貫通されてその外側に抜け防止用の止め輪16が嵌合されている。これにより、搬送ローラ12は、ローラブラケット15の孔15部分を軸として傾動可能となり、搬送ローラ12自体の自重により駆動ベルト13と当接する。さらに、搬送ローラ12は、図3の二点鎖線で示すように、例えば作業者がローラ12aを手で持って上方に持ち上げることにより、ローラブラケット15の孔15b部分を軸とし、ローラ軸12bが縦長で上部が開口した前記係止溝15a内を移動して、矢印ロの如く傾動動作できるようになっている。
【0026】
なお、搬送ローラ12は、図5に示すように、筒状のローラ12aの先端にゴム等の弾性材17が嵌合固着されると共に、ローラ12aの内部のローラ軸12bにカラー18が嵌挿され、このカラー18の両端部にベアリング19が止め輪20等によって抜けが防止された状態でそれぞれ配設されている。そして、このような搬送ローラ12を有する整列供給コンベア3は、該コンベア3の上流側に例えば同時に供給された農産物Wを搬送方向イに搬送しながら、逆「ハ」の字状の搬送ローラ12で農産物Wを回転させつつ、整列供給コンベア3の幅方向中央に集めて搬送ベルト3aの突条11上に一列に整列させて搬送し、その終端側から前記上流側コンベア4に供給するようになっている。
【0027】
前記上流側コンベア4及び下流側コンベア5は、下面計測装置8が計測できる程度の隙間を有した乗継部7bを介して略水平状態で連設されたベルトコンベアで形成され、それぞれ略同一構造に形成されている。そして、図6に示す上流側コンベア4の場合は、コンベアフレーム4bにベルト受けブラケット4c等で支持されつつ無端状に巻回された搬送ベルト4aを有している。そして、この搬送ベルト4aの搬送面にも、整列供給コンベア3の搬送ベルト3aと同様の農産物Wの位置決め手段としての一対の突条22が一体形成され、搬送ベルト4aが回転することにより農産物Wを搬送方向イに搬送するようになっている。
【0028】
また、前記選別コンベア6は、図7に示すように、軸23を中心に回動可能なバケット24を有し、このバケット24は、その基端側が支持フレーム25を介してコンベアフレーム6a(図1参照)に移動可能に設けられたチェーン26に連結され、チェーン26が回転することにより、農産物Wがそれぞれ載せられた各バケット24を搬送方向イに搬送するようになっている。
【0029】
前記整列搬送コンベア10は、図1及び図6〜図8に示すように、無端状帯としての平ベルト10aが、コンベアフレーム10bの所定位置に設けた複数のローラ27(図1参照)に無端状に巻回されて矢印ニの如く回転し、この平ベルト10aの搬送面(外周面)には、弾性材28が一体的に設けられている。この弾性材28は、図8に示すように、屈曲(変形)可能で平ベルト10aの幅と略同一幅を有するシートで形成され、このシートを図8に示す正面視で波形形状となるように屈曲させ、その底部を平ベルト10aの外側の外周面に接着剤等で固着して一体化することにより形成された多数の突起28aを有している。
【0030】
この突起28aは、平ベルト10aの外周面から所定高さh突出する状態でかつ略一定間隔で形成され、各突起28aの内部には空洞部28bが形成されると共に、この空洞部28bのシートの幅方向両端には開口部28c(図6及び図7参照)がそれぞれ形成されている。そして、この弾性材28の突起28aが、例えば図7に示すように農産物Wに当接して変形することにより、内部の空洞部28bも同時に変形するようになっている。なお、弾性材28を形成するシートとしては、合成樹脂あるいは布や不織布等で農産物Wを所定圧力で押さえることができ、かつシート自体が変形可能な材質が使用される。
【0031】
また、このシートで形成される弾性材28の各突起28aの周面の長さが略同一に設定されることで、各突起28a内部の空洞部28bの容積が略同一に設定されると共に、各突起28aの前記高さhは、農産物Wの外径Dと同等もしくは高くなるように設定され、かつ、隣接する突起28a間のピッチPが、農産物Wの外径Dより小さくなるように設定されている。
【0032】
さらに、整列搬送コンベア10は、図1及び図2に示すように、その全長が上流側コンベア4から選別コンベア6の始端側に至る長さに設定されて、例えばその下流側の所定位置を若干上方に折り曲げ形成することで、その始端側と上流側コンベア4間及びその終端側と選別コンベア6間の間隔寸法Hが中央部分より広くなり、突起28aの農産物Wへの当接開始(挟み込み)と当接解除がスムーズとなるように設定されている。
【0033】
前記下面計測装置8は、図1に示すように、筐体30に配置された計測カメラ31やミラー32及び図示しない光源等を有し、光源から上流側コンベア4と下流側コンベア5の乗継部7bに光を照射すると共に、乗継部7bに位置する農産物Wの下面側を計測カメラ31で撮像し、その撮像データから農産物Wの下面品質等を計測するようになっている。また、前記上面計測装置9は、筐体33内に配置された計測カメラ34や図示しない光源等を有し、光源から選別コンベア6の計測位置S1のバケット24上の農産物Wに光を照射すると共に、当該農産物Wを計測カメラ34で撮像し、その撮像データから農産物Wの上面品質等を計測するようになっている。
【0034】
次に、前記整列搬送装置1の動作の一例について説明する。整列供給コンベア3の始端側に投入された例えばすだち等の球状の農産物Wは、該供給コンベア3の搬送ローラ12の回転作用により、搬送ベルト3aの突条11上に一列状態で載置されて終端側に搬送され、上流側コンベア4の始端側に供給される。この上流側コンベア4に供給される農産物Wは、一列状態で搬送ベルト4aの突条22上に乗り移り、該ベルトコンベア4の終端側に搬送されて、前記乗継部7bから下流側コンベア5の始端側に供給され、該コンベア5で終端側に搬送される。また、この下流側コンベア5でその終端側まで搬送された農産物Wは、該コンベア5から選別コンベア6上に乗り移り、該選別コンベア6で検査位置S1まで搬送される。
【0035】
そして、この整列供給コンベア3から上流側コンベア4、下流側コンベア5及び選別コンベア6による農産物Wの搬送中において、整列搬送コンベア10が農産物Wに作用して、次のようにしてその姿勢が略一定に維持される。すなわち、整列搬送コンベア10の搬送ベルト10aと整列供給コンベア3の搬送ベルト3a、上流側コンベア4及び下流側コンベア5の搬送ベルト4a、5a、あるいは選別コンベア6のバケット24との間隔寸法Hが、農産物Wの外径Dより若干大きくなるように設定されていることから、農産物Wがこれらのコンベア4、5、あるいは選別コンベア6上にある時に、整列搬送コンベア10の弾性材28の突起28aが農産物Wの上面に必ず当接して変形される。
【0036】
この時、農産物Wが上流側コンベア4と下流側コンベア5上にある場合には、図6に示すように、整列搬送コンベア10の弾性材28の突起28aが農産物Wの上面に押さえ付けられ、突起28aの幅方向中央部が窪んで両端部がやや内側に引っ張られるように変形した状態となる。この突起28aの変形状態において、その内部の空洞部28bも両端の開口部28cから内部に介在する空気が抜けることで同時に変形し、農産物Wの搬送方向イと直交方向両側の上面が突起28a(すなわち空洞部28b)で押さえ付けられ、農産物Wの図6の矢印ハに示す直交方向への移動が規制された状態となる。
【0037】
また、この突起28aの直交方向への変形状態でその搬送方向イにおいても、農産物Wとの当接状態に応じて突起28aが図9〜図11に示すように変形する。すなわち、図9に示すように、一つの突起28aが農産物Wに当接して変形する場合は、突起28aが農産物Wで押し潰されてその空洞部28bが搬送方向イに沿って拡開した状態となり、この搬送方向イに拡開した突起28aにより農産物Wの上面が押さえ付けられ、搬送方向イへの移動が規制される。この例の場合は、突起28aの先端が農産物Wの上面略中央に略垂直方向から均等に押さえ付けられた場合等に生じ易い形態である。
【0038】
また、図10に示すように、前後の隣接する突起28aに農産物Wに略均等に当接して前後の突起28aが共に変形する場合は、前方側の突起28aが前方に押され後方側の突起28aが後方に押される状態、つまり前後の一対の突起28aが拡開する方向に変形し、この各突起28aの変形に応じて各空洞部28bも所定に変形する。そして、この変形した前後の突起28aにより農産物Wの上面側の前部と後部が押さえ付けられて農産物Wの搬送方向イに沿った移動が規制される。この例の場合は、前後の突起28aに農産物Wの上面略中央が略均等な力で押さえ付けられた場合等に生じ易い形態である。
【0039】
さらに、図11に示すように、前後の隣接する突起28aに農産物Wが不均等に当接してこれらが共に変形する場合は、図10と同様に前後の突起28aが変形するが、各突起28aに加わる力の違いにより、一方側の突起28a(図の場合は後方側の突起28a)が大きく変形し他方側の突起28a(図では前方側の突起28a)が小さく変形することになる。この場合も、両突起28aの変形に応じて各空洞部28bもそれぞれ変形し、この変形した前後の突起28aにより農産物Wの上面側の前部と後部が押さえ付けられて農産物Wの搬送方向イに沿った移動が規制される。この例の場合は、前後の突起28aに農産物Wの上面略中央が不均等に押さえ付けられた場合等に生じ易い形態である。
【0040】
つまり、弾性材28の突起28aが農産物Wに当接して変形することで、突起28a内部の空洞部28bも同時に変形し、所定の少なくとも一つの突起28aが農産物Wの上面に押さえ付けられた状態となり、農産物Wの搬送方向イは勿論のこと搬送方向イと直交する方向等、略360度全域の農産物Wの移動が規制されることになる。
【0041】
そして、この突起28aの変形時に、突起28a自体が変形可能な薄いシートで形成されると共に、内部に空洞部28bが設けられ、この空洞部28bが突起28aの幅方向の両端部で開口していることから、空洞部28bの変形すなわち突起28aの変形動作がスムーズに行えると共に、各突起28a内部にそれぞれ形成された空洞部28bの空気圧を利用して各農産物Wの上面を押さえ付けることができて、各農産物Wに略均一な押さえ付け状態が容易に得られる等、一列状態で搬送される各農産物Wを一定姿勢に良好に維持できることになる。
【0042】
ところで、以上の説明においては、上流側コンベア4と下流側コンベア5上における農産物Wの姿勢維持について説明したが、整列供給コンベア3の終端側(乗継部7a)に位置する農産物Wや、選別コンベア6上の始端側(乗継部7c)に位置するバケット24上の農産物Wについても、整列搬送コンベア10によってその姿勢が搬送されてくるままの状態に維持される。この動作も、上流側コンベア4や下流側コンベア5上の農産物Wと同様にして行われるため、その詳細な説明は省略する。
【0043】
そして、このように整列搬送コンベア10で姿勢が一定に維持されつつ、各コンベア3〜6上を搬送される農産物Wは、上流側コンベア4から下流側コンベア5に乗継部7bで乗り移る際に、下面計測装置8によって下面品質等が計測される。この時、整列搬送コンベア10の始端側で一定の姿勢でかつ一定の前後間隔で農産物Wが乗継部7bに供給されることから、その下面品質等を下面計測装置8によって高精度に計測できることになる。
【0044】
また、下流側コンベア5から選別コンベア6上に移載された農産物Wも、その乗り移りの際や該選別コンベア6の始端側の搬送中において、整列搬送コンベア10の突起28aによりその姿勢が一定に維持されることから、下面計測装置8で計測されたままの姿勢を維持しつつ上面品質等が上面計測装置9で計測され、これらにより、当該農産物Wの全周面の外観等が両計測装置8、9によって高精度に計測できることになる。
【0045】
なお、前記整列搬送コンベア10は、その弾性材28の突起28aの高さhやピッチPが、農産物Wの品種、品目に応じた外径Dに応じて図12に示すような適宜の形状を採用することができる。すなわち、農産物Wの外径Dが小さい場合は高さhとピッチPを小さく設定し、農産物Wの外径Dが大きい場合は高さhとピッチPを大きく設定する。また、この整列搬送コンベア10は、その全体を図示しない上下機構により上下動可能として、農産物Wの品種、品目に応じた外径Dに応じて上流側コンベア4と下流側コンベア5との間隔寸法Hを農産物Wの姿勢維持に最適な値に設定できる構成とすることもできる。
【0046】
このように、上記実施形態の整列搬送装置1にあっては、上流側コンベア4や下流側コンベア5の上方に配置される整列搬送コンベア10の弾性材28が、その突起28aを農産物Wの上方から当接することにより空洞部28bが変形して当該農産物Wを所定姿勢に維持するため、物品搬送コンベア2上の農産物Wを弾性材28の突起28aと空洞部28bの変形で押さえ付けることができる。その結果、突起28aの変形により農産物Wの搬送方向イや搬送方向イと直交する方向の移動が規制され、農産物Wを物品搬送コンベア2の各コンベア3〜6上でその姿勢を一定に維持しつつ一定間隔で搬送することができる
【0047】
特に、弾性材28としての変形可能なシートを平ベルト10aに屈曲状態で固着することにより、搬送方向イと直交する両端が開口した空洞部28bを有する突起28aが多数形成されるため、両端の開口部28cにより突起28aの変形が良好に行えて、少なくとも一つの突起28aを各農産物Wの外形形状に沿って良好に変形させて押さえ付けることができる。また、弾性材28の各突起28aのピッチPが各コンベア3〜6で搬送される農産物Wの外径Dより小さく設定されたり、各突起28aの突出高さhが各コンベア3〜6で搬送される農産物Wの外径Dと同等かもしくは高く設定されているため、突起28aにより農産物Wの上面側を確実に押さえ付けることができる。
【0048】
また、整列搬送コンベア10の各突起28aの周面の長さを略同一に設定することにより空洞部28bの容積が略同一に設定されているため、各突起28aによる農産物Wの押さえ付け力を略均一とすることができ、連続的に搬送される農産物Wの姿勢を一層安定させることができる。また同時に、各突起28aの周面の長さを所定に設定することで、各突起28aの空洞部28bの容積を所望値に設定できるため、各突起28aによる農産物Wの押さえ付け力の調整を簡単に行うこともできる。
【0049】
これらにより、例えば特許文献2や特許文献3に示す中実状の弾性材で押し付ける場合やベルト状の部材を複数の農産物の上面に単に押し付ける場合等に比較して、弾性材28の各突起28aを各農産物Wの上面側に空洞部28bの圧力を利用して押さえ付けることができる。その結果、農産物Wの各方向への位置ずれ等を確実に防止でき、その姿勢の維持を一層安定させて、例えば乗継部7bや検査位置S1等に農産物Wを安定した状態で供給することが可能になると共に、弾性材28による農産物Wの傷付き等も確実に防止することができる。
【0050】
さらに、整列搬送コンベア10が整列供給コンベア3の終端側から選別コンベア6の始端側にかけて配置されているため、姿勢を一定に維持する必要がある範囲に1台の整列搬送コンベア10を配置すれば良く、整列搬送装置1の構成を簡略化することができると共に、1台の整列搬送コンベア10の配置で対応できるため、既存の選別ライン等にも容易に付設することができる。また、平ベルト10aと同一幅を有する1枚の長尺状のシートを用意し、これを波形に屈曲させてその底部を平ベルト10aに固着することことで多数の突起28aを一括して形成できるため、弾性材28を有する平ベルト10aを簡単に製造することができる。
【0051】
また、弾性材28の高さ位置を農産物Wの品種、品目に応じた外径Dに応じて調整できるように構成すれば、農産物Wの品種、品目に応じて弾性材28の高さを最適位置に設定できて、各種農産物Wを確実に押さえ付けることができ、整列搬送装置1の汎用性を大幅に向上させることができる。これらにより、構成簡易でかつ安価な整列搬送コンベア10が得られて、コスト的に有利な整列搬送装置1を提供することが可能となる。
【0052】
また、物品搬送コンベア2が農産物Wを計測する下面計測装置8や上面計測装置9を備え、これらが整列搬送コンベア10に対して所定位置に配置されているため、整列搬送コンベア10で姿勢が一定に維持されかつ一定間隔状態の農産物Wを各計測装置8、9に安定して供給することができる。その結果、例えば下面を計測した農産物Wの姿勢を変えることなく上面計測位置9に供給できる等、農産物Wの下面や上面等の外周面の全域を確実に計測できて、その外観品質等を高精度に計測することができる。特に、下面計測装置8が上流側コンベア4と下流側コンベア5の乗継部7bの下方に配置されているため、乗継部7bの間隙を利用して農産物Wの下面側を簡単に計測することができる。
【0053】
また、整列供給コンベア3が逆「ハ」の字状に並設されると共に幅方向の中央部が低くなるように傾斜した多数の搬送ローラ12を有するため、該整列供給コンベア3の始端側に投入された農産物Wを、搬送しながら中央の搬送ベルト3a上に整列させることができると共に、搬送ローラ12自体がその自重で駆動ベルト13に当接することで回転するため、無理のないスムーズな回転が可能になったり、全ての搬送ローラ12が同じ回転数で回転し、農産物Wの搬送をスムーズに行うことができる。また、搬送ローラ12の先端部にゴム等の弾性材17が固着されているため、搬送ローラ12による農産物Wへの傷付きも確実に防止することができる。
【0054】
さらに、各搬送ローラ12が傾動可能に配設されているため、先端部を手で持って持ち上げることにより、上方に所定角度傾動させることができて、搬送ローラ12やその下部のメンテナンス作業を簡単に行うことができると共に、搬送ベルト3a上に設けた突条11により農産物Wを搬送ベルト3aの中央部分に安定して整列させることができる。これらにより、整列供給コンベア3から農産物Wを安定した整列状態で上流側コンベア4に供給することが可能となり、この整列供給コンベア3と前述した作用効果を有する整列搬送コンベア10とを併用することで、例えばすだちやみかん等の農産物Wの選別場の選別ラインに好適に使用することができて、当該農産物Wの選別作業の能率向上や選別精度の向上を図ることができる。
【0055】
図13及び図14は、本発明に係わる整列搬送装置の他の実施形態を示す、図1及び図2と同様の概略正面図及び平面図である。以下、上記実施形態と同一部位には同一符号を付して説明する。この実施形態の整列搬送装置1の特徴は、上流側コンベア4の上方に上面計測装置9を配置すると共に、この上面計測装置9の上流側で上流側コンベア4の始端側上方に第1の整列搬送コンベア10Aを配置し、上流側コンベア4と下流側コンベア5の乗継部7bの下流側で、下流側コンベア5の始端側上方から選別コンベア6の始端側上方にかけて第2の整列搬送コンベア10Bを配置するようにした点にある。
【0056】
すなわち、搬送方向イの長さが比較的短い第1の整列搬送コンベア10Aを、上流側コンベア4の始端側上方に配置し、整列供給コンベア3から上流側コンベア4の始端側に供給される農産物Wの姿勢を一定に維持する。そして、この第1の整列搬送コンベア10Aの下流側の上流側コンベア4の上方に上面計測装置9を配置し、第1の整列搬送コンベア10Aで姿勢が一定に維持された農産物Wの上面品質等を計測する。
【0057】
また、乗継部7bの下方に下面計測装置8を配置し、この下面計測装置8で上流側コンベア4で搬送されて乗継部7bに供給される農産物Wの下面等で計測し、この計測した農産物Wを第2の整列搬送コンベア10Bで姿勢を一定に維持した状態で選別コンベア6に供給する。つまり、この実施形態の場合は、乗継部7aで上流側コンベア4に乗り移る直前の整列供給コンベア3上の農産物Wが、第1の整列搬送コンベア10Aの突起28aと空洞部28bにより押さえ付けられると共に、乗継部7bで乗り移り直後の農産物Wが第2の整列コンベア10Bの突起28aと空洞部28bにより押さえ付けられることになる。
【0058】
この実施形態の整列搬送装置1においても、突起28aと空洞部28bを有する弾性材28の作用により農産物Wを良好に押さえ付けることができて、農産物Wの姿勢を一定に維持することができる等、上記実施形態と同様の作用効果が得られる他に、整列搬送コンベア10A、10Bを分割状態で配置しているため、上流側コンベア4や下流側コンベア5の機長が長い場合等に、所定長さの機長を有する各整列搬送コンベア10A、10Bを効率的に配置しつつ、農産物Wの姿勢を一定に維持できる等の作用効果を奏することができる。
【0059】
なお、上記各実施形態においては、弾性材28として長尺状のシートを使用し、このシートを正面視で波形に屈曲させることで内部に空洞部28bを有する突起28aを多数一括して形成したが、本発明の弾性材はこれに限定されず、例えば短尺状のシートを屈曲させて個々に平ベルト10aに固着することで突起28aを所定間隔で形成しても良い。また、突起28aも搬送方向イの直交する両端に開口部28cを有する形状に限らず、例えば所定方向に開口する空洞部を有する半円形の凸部や膨出部で突起を形成する等、内部に空洞部を有し変形時に空洞部内の空気が所定方向に抜けるように設定した所定形状の突起や凸部、膨出部等を有する弾性材を使用することができる。
【0060】
また、上記各実施形態においては、整列搬送コンベア10、10Bを所定角度上方に反るように構成したが、整列搬送コンベア10Aのように平坦状に形成しても良いし、上記各実施形態におる整列搬送コンベアの配置数や配置位置、物品搬送コンベアの形態、各種計測装置の配置位置等も一例であって、本発明に関わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、すだちやみかんに限らず、リンゴ、梨、桃、メロン、西瓜あるいは卵等の球状の農産物や、農産物以外のボール等の球状物品の整列搬送装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係わる物品の整列搬送装置の概略正面図
【図2】同その平面図
【図3】同整列供給コンベアの断面図
【図4】同その搬送ローラの拡大図
【図5】同その断面図
【図6】同上流側コンベアの断面図
【図7】同選別コンベアの断面図
【図8】同整列搬送コンベアの断面図
【図9】同整列搬送コンベアの動作説明図
【図10】同整列搬送コンベアの他の動作説明図
【図11】同整列搬送コンベアのさらに他の動作説明図
【図12】同整列搬送コンベアの変形例を示す断面図
【図13】本発明に係わる物品の整列搬送装置の他の実施形態を示す概略正面図
【図14】同その平面図
【符号の説明】
【0063】
1・・・整列搬送装置、2・・・物品搬送コンベア 3・・・整列供給コンベア、3a・・・搬送ベルト、4・・・上流側コンベア、4a・・・搬送ベルト、5・・・下流側コンベア、5a・・・搬送ベルト、6・・・選別コンベア、7a、7b、7c・・・乗継部、8・・・下面計測装置、9・・・上面計測装置、10・・・整列搬送コンベア、10a・・・平ベルト(無端状帯)、11・・・突条(位置決め手段)、12・・・搬送ローラ、22・・・突条(位置決め手段)、24・・・バケット、28・・・弾性材、28a・・・突起、28b・・・空洞部、28c・・・開口部、31、34・・・計測カメラ、S1・・・検査位置、W・・・農産物。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばすだち、みかん等の青果物や卵等の農産物、及びその他の球状で転がりやすい物品を搬送しながら整列させる物品の整列搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農産物に関するこの種の整列搬送装置としては、例えば特許文献1〜3に開示されている。このうち、特許文献1に開示の整列供給装置は、搬送方向と直交する横方向の中央部が両端部より短く形成することで、搬送方向に沿ってトンネル状となるように多数のブラシ毛を無端状帯に植設し、このブラシ毛により選別コンベア上を搬送される農産物を押し付けながら搬送コンベアの幅方向の中央部分にセンタリングするようにしたものである。
【0003】
また、特許文献2に開示の卵搬送装置は、前後のコンベア組立体の乗継部の上方に、発泡材料またはスポンジからなる弾性パッド部分を有する無端ベルトを配置し、この無端ベルトの弾性パッド部分で卵を押し付けながら、卵を前後のコンベア組立体の間を静かに移動させるようにしたものである。さらに、特許文献3に開示の搬送ベルトは、無端状の平ベルトの外周面に多数の細長いスポンジ製のブロックを固着し、このブロックで包装製品を押し付けることにより、搬送ベルト上での包装製品の位置ずれを防止するようにしたものである。
【特許文献1】特公平8−25621号公報
【特許文献2】実公昭53−22958号公報
【特許文献3】実開昭59−18706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの装置においては、ブラシ毛や中実状のスポンジ等の弾性材により物品を上面側から単に押し付けることで、農産物等の物品の姿勢を整列させるものであるため、物品の大きさによって、搬送方向前後の間隔にバラツキが生じ易く、例えば次工程に計測装置が配置される場合に、計測結果に悪影響を与え易い。また、ブラシ毛やスポンジ等の弾性材が使用されるため、その弾性力の調整が困難で物品の大きさによって各弾性材による押し付け力が異なり、弾性材を物品に応じた最適な力で押し付けることが難しい。さらに、弾性材としてブラシ毛を使用した場合は、ブラシコンベアの機長が長くなって、ブラシコンベアの数が多いと装置自体がコスト高になり易い。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、物品の姿勢を略一定に維持した状態で一定間隔で搬送することができると共に、コスト的に有利な物品の整列搬送装置を提供することにある。また、他の目的は、前記目的に加え、整列された物品を計測装置に安定供給できて、物品の計測精度を向上させる物品の整列搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、無端状に回動する無端状帯の外周面に、突出状態で内部に空洞部を有して弾性を有する突起が多数設けれた整列搬送コンベアを備え、前記整列搬送コンベアは、物品を搬送する物品搬送コンベアの上方に配置されて、前記突起がコンベア上の物品に上方から当接することにより前記空洞部が変形して当該物品を所定姿勢に維持することを特徴とする。
【0007】
そして、請求項2に記載の発明のように、前記物品搬送コンベアが上流側コンベアと下流側コンベアを備え、前記整列搬送コンベアは、上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の上方、上流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアの上方の少なくとも一つの位置に配置されることが好ましい。
【0008】
また、請求項3に記載の発明のように、前記突起が変形可能なシートを前記無端状帯に屈曲状態で固着することにより形成されると共に、該突起の空洞部が物品搬送コンベアの搬送方向と直交する方向に開口していることが好ましい。この場合、前記シートは、請求項4に記載の発明のように、無端状帯と略同一幅を有する長尺状のシートで形成され、該シートを屈曲状態で固着することにより、複数の突起が所定間隔で一括して形成されていることが好ましい。
【0009】
また、前記突起は、請求項5に記載の発明のように、搬送方向における間隔が物品搬送コンベアで搬送される物品の外径より小さく設定されていたり、請求項6に記載の発明のように、その突出高さが物品搬送コンベアで搬送される物品の外径と同等かもしくは高く設定されていることが好ましい。また、前記整列搬送コンベアは、請求項7に記載の発明のように、物品の外径に応じて物品搬送コンベアに対する間隔寸法が調整されることが好ましく、また、前記物品搬送コンベアは、請求項8に記載の発明のように、整列搬送コンベアと対向する搬送面に物品の位置決め手段が設けられていることが好ましい。
【0010】
さらに、前記物品搬送コンベアは、請求項9に記載の発明のように、整列搬送コンベアで整列された物品を計測する計測装置を備えることが好ましく、この場合、前記計測装置は、請求項10に記載の発明のように、物品搬送コンベアを形成する上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の下方、上流側コンベアの上方、下流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアに接続された搬送コンベアの上方の少なくとも一つの位置に配置されることが好ましい。また、前記物品は、請求項11に記載の発明のように、球状青果物、卵等の農産物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、整列搬送コンベアが物品搬送コンベアの上方に配置されて、空洞部を有して弾性を有する突起が物品搬送コンベア上の物品に上方から当接することにより空洞部が変形して当該物品を物品搬送コンベアに押さえ付けるため、突起の空洞部の変形により物品の搬送方向や搬送方向と直交する方向の移動を規制することができて、物品を物品搬送コンベアで一定の姿勢で一定間隔を有して搬送することができると共に、物品の姿勢維持のための部材として空洞部を要する突起で対応できて、コスト的に有利な物品の整列搬送装置を得ることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、整列搬送コンベアが上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の上方や上流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアの上方に配置されるため、上流側コンベアと下流側コンベアからなる物品搬送コンベアの所望位置に整列搬送コンベアを配置できて、各種物品やライン構成等に的確に対応することができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、変形可能なシートを無端状帯に屈曲状態で固着することにより、両端が開口した空洞部を有する突起が無端状帯に形成されるため、空洞部を有する突起を簡単に形成できて、整列搬送コンベアの構成を簡略化して一層コスト的に有利な整列搬送コンベアが得られると共に、両端部の開口により突起の変形が良好に行えて、物品の各方向への位置ずれ等が確実に防止され、物品の姿勢を一層安定させることができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、突起を形成するシートが無端状帯と略同一幅を有する長尺状のシートで形成され、該シートを屈曲して固着することにより、複数の突起が所定間隔で一括して形成されるため、無端状帯に多数の突起を簡単に形成することができて、突起を有する整列搬送コンベアを安価に形成することができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、突起の搬送方向の間隔(ピッチ)が物品搬送コンベアで搬送される物品の外径より小さく設定されているため、少なくとも一つの突起により物品の上面側を確実に押さえ付けることができて、物品の姿勢を一層安定させることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5に記載の発明の効果に加え、突起の突出高さが物品搬送コンベアで搬送される物品の外径と同等かもしくは高く設定されているため、突起により物品の上面側を一層確実に押さえ付けることができて、物品の姿勢をより一層安定させることができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1ないし6に記載の発明の効果に加え、整列搬送コンベアと物品搬送コンベア間の間隔寸法が物品の品種、品目等に応じた外径に応じて調整されるため、物品の高さ等の品種、品目等に応じて弾性材の高さを最適位置に設定でき、突起で各種物品を確実に押さえ付けることができてその汎用性の向上を図ることができる。
【0018】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項1ないし7に記載の発明の効果に加え、物品搬送コンベアの整列搬送コンベアと対向する搬送面に物品の位置決め手段が設けられているため、この位置決め手段で物品を搬送面上に位置決めした状態で整列搬送コンベアの突起で押さえ付けることができ、物品の姿勢をより一層安定させることができる。
【0019】
また、請求項9に記載の発明によれば、請求項1ないし8に記載の発明の効果に加え、物品搬送コンベアが整列搬送コンベアで整列された物品を計測する計測装置を備えるため、整列搬送コンベアで姿勢が一定に維持されかつ一定間隔状態の物品を計測装置に供給できて、例えば物品の外観等を高精度に計測することができる。
【0020】
また、請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明の効果に加え、計測装置が物品搬送コンベアを形成する上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の下方等の所定位置に設けられるため、これらの計測装置で例えば物品の外周面全域を高精度に計測することができると共に、各種の物品の計測に容易に適用することができる。
【0021】
また、請求項11に記載の発明によれば、請求項1ないし10に記載の発明の効果に加え、物品が球状青果物、卵等の農産物であるため、例えばすだち、みかん等の青果物の選別ラインに適用することで、これら青果物の選別作業の能率向上や選別精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図12は、本発明に係わる物品の整列搬送装置の一実施形態を示し、図1が該整列搬送装置の概略正面図、図2がその平面図、図3〜図5が整列供給コンベアを示す図、図6及び図7がベルトコンベア及び選別コンベアの断面図、図8が整列搬送コンベアの断面図、図9〜図12がその動作説明図である。
【0023】
図1及び図2において、整列搬送装置1は、搬送方向イに連設されて物品搬送コンベア2を形成する整列供給コンベア3、上流側コンベア4、下流側コンベア5及び選別コンベア6と、上流側コンベア4と下流側コンベア5の乗継部7bの下方に配置された下面計測装置8及び選別コンベア6の始端側の上方に配置された上面計測装置9と、上流側コンベア4から下流側コンベア5及び選別コンベア6の始端側の上方に配置された整列搬送コンベア10等を備えている。
【0024】
前記整列供給コンベア3は、図3〜図5に示すように、回転可能な搬送ベルト3aの搬送方向イと直交する幅方向の中央に、農産物Wを位置決めする位置決め手段としての一対の突条11が一体形成され、この搬送ベルト3aの幅方向の両側には、多数の搬送ローラ12が搬送方向イに沿って回転可能に並設されている。この搬送ローラ12は、図2に示すように、搬送方向イに対して逆「ハ」の字状に並設されると共に、幅方向の中央部が低くなるように図3に示すような、ローラ12a及びローラ軸12bを有し、ローラ12aの長手方向の中央下部が、受けローラ21aとベルト受け21bにより回転可能に支持された駆動ベルト13に当接することにより、駆動ベルト13の回転方向と逆方向に回転するようになっている。
【0025】
また、搬送ローラ12は、図4及び図5に拡大して示すように、そのローラ軸12bの所定位置に回り止め用の切欠き14が設けられ、この切欠き14がコンベアフレーム3bの上部に固定されたローラブラケット15の係止溝15aに係止されることにより、ローラ軸12b自体の回転が規制されている。さらに、ローラ軸12bの先端は、ローラブラケット15のやや大きめの孔15bに貫通されてその外側に抜け防止用の止め輪16が嵌合されている。これにより、搬送ローラ12は、ローラブラケット15の孔15部分を軸として傾動可能となり、搬送ローラ12自体の自重により駆動ベルト13と当接する。さらに、搬送ローラ12は、図3の二点鎖線で示すように、例えば作業者がローラ12aを手で持って上方に持ち上げることにより、ローラブラケット15の孔15b部分を軸とし、ローラ軸12bが縦長で上部が開口した前記係止溝15a内を移動して、矢印ロの如く傾動動作できるようになっている。
【0026】
なお、搬送ローラ12は、図5に示すように、筒状のローラ12aの先端にゴム等の弾性材17が嵌合固着されると共に、ローラ12aの内部のローラ軸12bにカラー18が嵌挿され、このカラー18の両端部にベアリング19が止め輪20等によって抜けが防止された状態でそれぞれ配設されている。そして、このような搬送ローラ12を有する整列供給コンベア3は、該コンベア3の上流側に例えば同時に供給された農産物Wを搬送方向イに搬送しながら、逆「ハ」の字状の搬送ローラ12で農産物Wを回転させつつ、整列供給コンベア3の幅方向中央に集めて搬送ベルト3aの突条11上に一列に整列させて搬送し、その終端側から前記上流側コンベア4に供給するようになっている。
【0027】
前記上流側コンベア4及び下流側コンベア5は、下面計測装置8が計測できる程度の隙間を有した乗継部7bを介して略水平状態で連設されたベルトコンベアで形成され、それぞれ略同一構造に形成されている。そして、図6に示す上流側コンベア4の場合は、コンベアフレーム4bにベルト受けブラケット4c等で支持されつつ無端状に巻回された搬送ベルト4aを有している。そして、この搬送ベルト4aの搬送面にも、整列供給コンベア3の搬送ベルト3aと同様の農産物Wの位置決め手段としての一対の突条22が一体形成され、搬送ベルト4aが回転することにより農産物Wを搬送方向イに搬送するようになっている。
【0028】
また、前記選別コンベア6は、図7に示すように、軸23を中心に回動可能なバケット24を有し、このバケット24は、その基端側が支持フレーム25を介してコンベアフレーム6a(図1参照)に移動可能に設けられたチェーン26に連結され、チェーン26が回転することにより、農産物Wがそれぞれ載せられた各バケット24を搬送方向イに搬送するようになっている。
【0029】
前記整列搬送コンベア10は、図1及び図6〜図8に示すように、無端状帯としての平ベルト10aが、コンベアフレーム10bの所定位置に設けた複数のローラ27(図1参照)に無端状に巻回されて矢印ニの如く回転し、この平ベルト10aの搬送面(外周面)には、弾性材28が一体的に設けられている。この弾性材28は、図8に示すように、屈曲(変形)可能で平ベルト10aの幅と略同一幅を有するシートで形成され、このシートを図8に示す正面視で波形形状となるように屈曲させ、その底部を平ベルト10aの外側の外周面に接着剤等で固着して一体化することにより形成された多数の突起28aを有している。
【0030】
この突起28aは、平ベルト10aの外周面から所定高さh突出する状態でかつ略一定間隔で形成され、各突起28aの内部には空洞部28bが形成されると共に、この空洞部28bのシートの幅方向両端には開口部28c(図6及び図7参照)がそれぞれ形成されている。そして、この弾性材28の突起28aが、例えば図7に示すように農産物Wに当接して変形することにより、内部の空洞部28bも同時に変形するようになっている。なお、弾性材28を形成するシートとしては、合成樹脂あるいは布や不織布等で農産物Wを所定圧力で押さえることができ、かつシート自体が変形可能な材質が使用される。
【0031】
また、このシートで形成される弾性材28の各突起28aの周面の長さが略同一に設定されることで、各突起28a内部の空洞部28bの容積が略同一に設定されると共に、各突起28aの前記高さhは、農産物Wの外径Dと同等もしくは高くなるように設定され、かつ、隣接する突起28a間のピッチPが、農産物Wの外径Dより小さくなるように設定されている。
【0032】
さらに、整列搬送コンベア10は、図1及び図2に示すように、その全長が上流側コンベア4から選別コンベア6の始端側に至る長さに設定されて、例えばその下流側の所定位置を若干上方に折り曲げ形成することで、その始端側と上流側コンベア4間及びその終端側と選別コンベア6間の間隔寸法Hが中央部分より広くなり、突起28aの農産物Wへの当接開始(挟み込み)と当接解除がスムーズとなるように設定されている。
【0033】
前記下面計測装置8は、図1に示すように、筐体30に配置された計測カメラ31やミラー32及び図示しない光源等を有し、光源から上流側コンベア4と下流側コンベア5の乗継部7bに光を照射すると共に、乗継部7bに位置する農産物Wの下面側を計測カメラ31で撮像し、その撮像データから農産物Wの下面品質等を計測するようになっている。また、前記上面計測装置9は、筐体33内に配置された計測カメラ34や図示しない光源等を有し、光源から選別コンベア6の計測位置S1のバケット24上の農産物Wに光を照射すると共に、当該農産物Wを計測カメラ34で撮像し、その撮像データから農産物Wの上面品質等を計測するようになっている。
【0034】
次に、前記整列搬送装置1の動作の一例について説明する。整列供給コンベア3の始端側に投入された例えばすだち等の球状の農産物Wは、該供給コンベア3の搬送ローラ12の回転作用により、搬送ベルト3aの突条11上に一列状態で載置されて終端側に搬送され、上流側コンベア4の始端側に供給される。この上流側コンベア4に供給される農産物Wは、一列状態で搬送ベルト4aの突条22上に乗り移り、該ベルトコンベア4の終端側に搬送されて、前記乗継部7bから下流側コンベア5の始端側に供給され、該コンベア5で終端側に搬送される。また、この下流側コンベア5でその終端側まで搬送された農産物Wは、該コンベア5から選別コンベア6上に乗り移り、該選別コンベア6で検査位置S1まで搬送される。
【0035】
そして、この整列供給コンベア3から上流側コンベア4、下流側コンベア5及び選別コンベア6による農産物Wの搬送中において、整列搬送コンベア10が農産物Wに作用して、次のようにしてその姿勢が略一定に維持される。すなわち、整列搬送コンベア10の搬送ベルト10aと整列供給コンベア3の搬送ベルト3a、上流側コンベア4及び下流側コンベア5の搬送ベルト4a、5a、あるいは選別コンベア6のバケット24との間隔寸法Hが、農産物Wの外径Dより若干大きくなるように設定されていることから、農産物Wがこれらのコンベア4、5、あるいは選別コンベア6上にある時に、整列搬送コンベア10の弾性材28の突起28aが農産物Wの上面に必ず当接して変形される。
【0036】
この時、農産物Wが上流側コンベア4と下流側コンベア5上にある場合には、図6に示すように、整列搬送コンベア10の弾性材28の突起28aが農産物Wの上面に押さえ付けられ、突起28aの幅方向中央部が窪んで両端部がやや内側に引っ張られるように変形した状態となる。この突起28aの変形状態において、その内部の空洞部28bも両端の開口部28cから内部に介在する空気が抜けることで同時に変形し、農産物Wの搬送方向イと直交方向両側の上面が突起28a(すなわち空洞部28b)で押さえ付けられ、農産物Wの図6の矢印ハに示す直交方向への移動が規制された状態となる。
【0037】
また、この突起28aの直交方向への変形状態でその搬送方向イにおいても、農産物Wとの当接状態に応じて突起28aが図9〜図11に示すように変形する。すなわち、図9に示すように、一つの突起28aが農産物Wに当接して変形する場合は、突起28aが農産物Wで押し潰されてその空洞部28bが搬送方向イに沿って拡開した状態となり、この搬送方向イに拡開した突起28aにより農産物Wの上面が押さえ付けられ、搬送方向イへの移動が規制される。この例の場合は、突起28aの先端が農産物Wの上面略中央に略垂直方向から均等に押さえ付けられた場合等に生じ易い形態である。
【0038】
また、図10に示すように、前後の隣接する突起28aに農産物Wに略均等に当接して前後の突起28aが共に変形する場合は、前方側の突起28aが前方に押され後方側の突起28aが後方に押される状態、つまり前後の一対の突起28aが拡開する方向に変形し、この各突起28aの変形に応じて各空洞部28bも所定に変形する。そして、この変形した前後の突起28aにより農産物Wの上面側の前部と後部が押さえ付けられて農産物Wの搬送方向イに沿った移動が規制される。この例の場合は、前後の突起28aに農産物Wの上面略中央が略均等な力で押さえ付けられた場合等に生じ易い形態である。
【0039】
さらに、図11に示すように、前後の隣接する突起28aに農産物Wが不均等に当接してこれらが共に変形する場合は、図10と同様に前後の突起28aが変形するが、各突起28aに加わる力の違いにより、一方側の突起28a(図の場合は後方側の突起28a)が大きく変形し他方側の突起28a(図では前方側の突起28a)が小さく変形することになる。この場合も、両突起28aの変形に応じて各空洞部28bもそれぞれ変形し、この変形した前後の突起28aにより農産物Wの上面側の前部と後部が押さえ付けられて農産物Wの搬送方向イに沿った移動が規制される。この例の場合は、前後の突起28aに農産物Wの上面略中央が不均等に押さえ付けられた場合等に生じ易い形態である。
【0040】
つまり、弾性材28の突起28aが農産物Wに当接して変形することで、突起28a内部の空洞部28bも同時に変形し、所定の少なくとも一つの突起28aが農産物Wの上面に押さえ付けられた状態となり、農産物Wの搬送方向イは勿論のこと搬送方向イと直交する方向等、略360度全域の農産物Wの移動が規制されることになる。
【0041】
そして、この突起28aの変形時に、突起28a自体が変形可能な薄いシートで形成されると共に、内部に空洞部28bが設けられ、この空洞部28bが突起28aの幅方向の両端部で開口していることから、空洞部28bの変形すなわち突起28aの変形動作がスムーズに行えると共に、各突起28a内部にそれぞれ形成された空洞部28bの空気圧を利用して各農産物Wの上面を押さえ付けることができて、各農産物Wに略均一な押さえ付け状態が容易に得られる等、一列状態で搬送される各農産物Wを一定姿勢に良好に維持できることになる。
【0042】
ところで、以上の説明においては、上流側コンベア4と下流側コンベア5上における農産物Wの姿勢維持について説明したが、整列供給コンベア3の終端側(乗継部7a)に位置する農産物Wや、選別コンベア6上の始端側(乗継部7c)に位置するバケット24上の農産物Wについても、整列搬送コンベア10によってその姿勢が搬送されてくるままの状態に維持される。この動作も、上流側コンベア4や下流側コンベア5上の農産物Wと同様にして行われるため、その詳細な説明は省略する。
【0043】
そして、このように整列搬送コンベア10で姿勢が一定に維持されつつ、各コンベア3〜6上を搬送される農産物Wは、上流側コンベア4から下流側コンベア5に乗継部7bで乗り移る際に、下面計測装置8によって下面品質等が計測される。この時、整列搬送コンベア10の始端側で一定の姿勢でかつ一定の前後間隔で農産物Wが乗継部7bに供給されることから、その下面品質等を下面計測装置8によって高精度に計測できることになる。
【0044】
また、下流側コンベア5から選別コンベア6上に移載された農産物Wも、その乗り移りの際や該選別コンベア6の始端側の搬送中において、整列搬送コンベア10の突起28aによりその姿勢が一定に維持されることから、下面計測装置8で計測されたままの姿勢を維持しつつ上面品質等が上面計測装置9で計測され、これらにより、当該農産物Wの全周面の外観等が両計測装置8、9によって高精度に計測できることになる。
【0045】
なお、前記整列搬送コンベア10は、その弾性材28の突起28aの高さhやピッチPが、農産物Wの品種、品目に応じた外径Dに応じて図12に示すような適宜の形状を採用することができる。すなわち、農産物Wの外径Dが小さい場合は高さhとピッチPを小さく設定し、農産物Wの外径Dが大きい場合は高さhとピッチPを大きく設定する。また、この整列搬送コンベア10は、その全体を図示しない上下機構により上下動可能として、農産物Wの品種、品目に応じた外径Dに応じて上流側コンベア4と下流側コンベア5との間隔寸法Hを農産物Wの姿勢維持に最適な値に設定できる構成とすることもできる。
【0046】
このように、上記実施形態の整列搬送装置1にあっては、上流側コンベア4や下流側コンベア5の上方に配置される整列搬送コンベア10の弾性材28が、その突起28aを農産物Wの上方から当接することにより空洞部28bが変形して当該農産物Wを所定姿勢に維持するため、物品搬送コンベア2上の農産物Wを弾性材28の突起28aと空洞部28bの変形で押さえ付けることができる。その結果、突起28aの変形により農産物Wの搬送方向イや搬送方向イと直交する方向の移動が規制され、農産物Wを物品搬送コンベア2の各コンベア3〜6上でその姿勢を一定に維持しつつ一定間隔で搬送することができる
【0047】
特に、弾性材28としての変形可能なシートを平ベルト10aに屈曲状態で固着することにより、搬送方向イと直交する両端が開口した空洞部28bを有する突起28aが多数形成されるため、両端の開口部28cにより突起28aの変形が良好に行えて、少なくとも一つの突起28aを各農産物Wの外形形状に沿って良好に変形させて押さえ付けることができる。また、弾性材28の各突起28aのピッチPが各コンベア3〜6で搬送される農産物Wの外径Dより小さく設定されたり、各突起28aの突出高さhが各コンベア3〜6で搬送される農産物Wの外径Dと同等かもしくは高く設定されているため、突起28aにより農産物Wの上面側を確実に押さえ付けることができる。
【0048】
また、整列搬送コンベア10の各突起28aの周面の長さを略同一に設定することにより空洞部28bの容積が略同一に設定されているため、各突起28aによる農産物Wの押さえ付け力を略均一とすることができ、連続的に搬送される農産物Wの姿勢を一層安定させることができる。また同時に、各突起28aの周面の長さを所定に設定することで、各突起28aの空洞部28bの容積を所望値に設定できるため、各突起28aによる農産物Wの押さえ付け力の調整を簡単に行うこともできる。
【0049】
これらにより、例えば特許文献2や特許文献3に示す中実状の弾性材で押し付ける場合やベルト状の部材を複数の農産物の上面に単に押し付ける場合等に比較して、弾性材28の各突起28aを各農産物Wの上面側に空洞部28bの圧力を利用して押さえ付けることができる。その結果、農産物Wの各方向への位置ずれ等を確実に防止でき、その姿勢の維持を一層安定させて、例えば乗継部7bや検査位置S1等に農産物Wを安定した状態で供給することが可能になると共に、弾性材28による農産物Wの傷付き等も確実に防止することができる。
【0050】
さらに、整列搬送コンベア10が整列供給コンベア3の終端側から選別コンベア6の始端側にかけて配置されているため、姿勢を一定に維持する必要がある範囲に1台の整列搬送コンベア10を配置すれば良く、整列搬送装置1の構成を簡略化することができると共に、1台の整列搬送コンベア10の配置で対応できるため、既存の選別ライン等にも容易に付設することができる。また、平ベルト10aと同一幅を有する1枚の長尺状のシートを用意し、これを波形に屈曲させてその底部を平ベルト10aに固着することことで多数の突起28aを一括して形成できるため、弾性材28を有する平ベルト10aを簡単に製造することができる。
【0051】
また、弾性材28の高さ位置を農産物Wの品種、品目に応じた外径Dに応じて調整できるように構成すれば、農産物Wの品種、品目に応じて弾性材28の高さを最適位置に設定できて、各種農産物Wを確実に押さえ付けることができ、整列搬送装置1の汎用性を大幅に向上させることができる。これらにより、構成簡易でかつ安価な整列搬送コンベア10が得られて、コスト的に有利な整列搬送装置1を提供することが可能となる。
【0052】
また、物品搬送コンベア2が農産物Wを計測する下面計測装置8や上面計測装置9を備え、これらが整列搬送コンベア10に対して所定位置に配置されているため、整列搬送コンベア10で姿勢が一定に維持されかつ一定間隔状態の農産物Wを各計測装置8、9に安定して供給することができる。その結果、例えば下面を計測した農産物Wの姿勢を変えることなく上面計測位置9に供給できる等、農産物Wの下面や上面等の外周面の全域を確実に計測できて、その外観品質等を高精度に計測することができる。特に、下面計測装置8が上流側コンベア4と下流側コンベア5の乗継部7bの下方に配置されているため、乗継部7bの間隙を利用して農産物Wの下面側を簡単に計測することができる。
【0053】
また、整列供給コンベア3が逆「ハ」の字状に並設されると共に幅方向の中央部が低くなるように傾斜した多数の搬送ローラ12を有するため、該整列供給コンベア3の始端側に投入された農産物Wを、搬送しながら中央の搬送ベルト3a上に整列させることができると共に、搬送ローラ12自体がその自重で駆動ベルト13に当接することで回転するため、無理のないスムーズな回転が可能になったり、全ての搬送ローラ12が同じ回転数で回転し、農産物Wの搬送をスムーズに行うことができる。また、搬送ローラ12の先端部にゴム等の弾性材17が固着されているため、搬送ローラ12による農産物Wへの傷付きも確実に防止することができる。
【0054】
さらに、各搬送ローラ12が傾動可能に配設されているため、先端部を手で持って持ち上げることにより、上方に所定角度傾動させることができて、搬送ローラ12やその下部のメンテナンス作業を簡単に行うことができると共に、搬送ベルト3a上に設けた突条11により農産物Wを搬送ベルト3aの中央部分に安定して整列させることができる。これらにより、整列供給コンベア3から農産物Wを安定した整列状態で上流側コンベア4に供給することが可能となり、この整列供給コンベア3と前述した作用効果を有する整列搬送コンベア10とを併用することで、例えばすだちやみかん等の農産物Wの選別場の選別ラインに好適に使用することができて、当該農産物Wの選別作業の能率向上や選別精度の向上を図ることができる。
【0055】
図13及び図14は、本発明に係わる整列搬送装置の他の実施形態を示す、図1及び図2と同様の概略正面図及び平面図である。以下、上記実施形態と同一部位には同一符号を付して説明する。この実施形態の整列搬送装置1の特徴は、上流側コンベア4の上方に上面計測装置9を配置すると共に、この上面計測装置9の上流側で上流側コンベア4の始端側上方に第1の整列搬送コンベア10Aを配置し、上流側コンベア4と下流側コンベア5の乗継部7bの下流側で、下流側コンベア5の始端側上方から選別コンベア6の始端側上方にかけて第2の整列搬送コンベア10Bを配置するようにした点にある。
【0056】
すなわち、搬送方向イの長さが比較的短い第1の整列搬送コンベア10Aを、上流側コンベア4の始端側上方に配置し、整列供給コンベア3から上流側コンベア4の始端側に供給される農産物Wの姿勢を一定に維持する。そして、この第1の整列搬送コンベア10Aの下流側の上流側コンベア4の上方に上面計測装置9を配置し、第1の整列搬送コンベア10Aで姿勢が一定に維持された農産物Wの上面品質等を計測する。
【0057】
また、乗継部7bの下方に下面計測装置8を配置し、この下面計測装置8で上流側コンベア4で搬送されて乗継部7bに供給される農産物Wの下面等で計測し、この計測した農産物Wを第2の整列搬送コンベア10Bで姿勢を一定に維持した状態で選別コンベア6に供給する。つまり、この実施形態の場合は、乗継部7aで上流側コンベア4に乗り移る直前の整列供給コンベア3上の農産物Wが、第1の整列搬送コンベア10Aの突起28aと空洞部28bにより押さえ付けられると共に、乗継部7bで乗り移り直後の農産物Wが第2の整列コンベア10Bの突起28aと空洞部28bにより押さえ付けられることになる。
【0058】
この実施形態の整列搬送装置1においても、突起28aと空洞部28bを有する弾性材28の作用により農産物Wを良好に押さえ付けることができて、農産物Wの姿勢を一定に維持することができる等、上記実施形態と同様の作用効果が得られる他に、整列搬送コンベア10A、10Bを分割状態で配置しているため、上流側コンベア4や下流側コンベア5の機長が長い場合等に、所定長さの機長を有する各整列搬送コンベア10A、10Bを効率的に配置しつつ、農産物Wの姿勢を一定に維持できる等の作用効果を奏することができる。
【0059】
なお、上記各実施形態においては、弾性材28として長尺状のシートを使用し、このシートを正面視で波形に屈曲させることで内部に空洞部28bを有する突起28aを多数一括して形成したが、本発明の弾性材はこれに限定されず、例えば短尺状のシートを屈曲させて個々に平ベルト10aに固着することで突起28aを所定間隔で形成しても良い。また、突起28aも搬送方向イの直交する両端に開口部28cを有する形状に限らず、例えば所定方向に開口する空洞部を有する半円形の凸部や膨出部で突起を形成する等、内部に空洞部を有し変形時に空洞部内の空気が所定方向に抜けるように設定した所定形状の突起や凸部、膨出部等を有する弾性材を使用することができる。
【0060】
また、上記各実施形態においては、整列搬送コンベア10、10Bを所定角度上方に反るように構成したが、整列搬送コンベア10Aのように平坦状に形成しても良いし、上記各実施形態におる整列搬送コンベアの配置数や配置位置、物品搬送コンベアの形態、各種計測装置の配置位置等も一例であって、本発明に関わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、すだちやみかんに限らず、リンゴ、梨、桃、メロン、西瓜あるいは卵等の球状の農産物や、農産物以外のボール等の球状物品の整列搬送装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係わる物品の整列搬送装置の概略正面図
【図2】同その平面図
【図3】同整列供給コンベアの断面図
【図4】同その搬送ローラの拡大図
【図5】同その断面図
【図6】同上流側コンベアの断面図
【図7】同選別コンベアの断面図
【図8】同整列搬送コンベアの断面図
【図9】同整列搬送コンベアの動作説明図
【図10】同整列搬送コンベアの他の動作説明図
【図11】同整列搬送コンベアのさらに他の動作説明図
【図12】同整列搬送コンベアの変形例を示す断面図
【図13】本発明に係わる物品の整列搬送装置の他の実施形態を示す概略正面図
【図14】同その平面図
【符号の説明】
【0063】
1・・・整列搬送装置、2・・・物品搬送コンベア 3・・・整列供給コンベア、3a・・・搬送ベルト、4・・・上流側コンベア、4a・・・搬送ベルト、5・・・下流側コンベア、5a・・・搬送ベルト、6・・・選別コンベア、7a、7b、7c・・・乗継部、8・・・下面計測装置、9・・・上面計測装置、10・・・整列搬送コンベア、10a・・・平ベルト(無端状帯)、11・・・突条(位置決め手段)、12・・・搬送ローラ、22・・・突条(位置決め手段)、24・・・バケット、28・・・弾性材、28a・・・突起、28b・・・空洞部、28c・・・開口部、31、34・・・計測カメラ、S1・・・検査位置、W・・・農産物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状に回動する無端状帯の外周面に、突出状態で内部に空洞部を有して弾性を有する突起が多数設けられた整列搬送コンベアを備え、
前記整列搬送コンベアは、物品を搬送する物品搬送コンベアの上方に配置されて、前記突起が物品搬送コンベア上の物品に上方から当接することにより前記空洞部が変形して当該物品を所定姿勢に維持することを特徴とする物品の整列搬送装置。
【請求項2】
前記物品搬送コンベアが上流側コンベアと下流側コンベアを備え、前記整列搬送コンベアは、上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の上方、上流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアの上方の少なくとも一つの位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の物品の整列搬送装置。
【請求項3】
前記突起は、変形可能なシートを屈曲状態で前記無端状帯に固着することにより形成されると共に、該突起の空洞部が物品搬送コンベアの搬送方向と直交する方向に開口していることを特徴とする請求項1または2に記載の物品の整列搬送装置。
【請求項4】
前記シートは、無端状帯と略同一幅を有する長尺状のシートで形成され、該シートを屈曲状態で固着することにより複数の突起が所定間隔で一括して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の物品の整列搬送装置。
【請求項5】
前記突起は、搬送方向における間隔が物品搬送コンベアで搬送される物品の外径より小さく設定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項6】
前記突起は、その突出高さが物品搬送コンベアで搬送される物品の外径と同等かもしくは高く設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項7】
前記整列搬送コンベアは、物品の外径に応じて物品搬送コンベアに対する間隔寸法が調整されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項8】
前記物品搬送コンベアは、整列搬送コンベアと対向する搬送面に物品の位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項9】
前記物品搬送コンベアは、整列搬送コンベアで整列された物品を計測する計測装置を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項10】
前記計測装置は、物品搬送コンベアを形成する上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の下方、上流側コンベアの上方、下流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアに接続された搬送コンベアの上方の少なくとも一つの位置に配置されることを特徴とする請求項9に記載の物品の整列搬送装置。
【請求項11】
前記物品は、球状青果物、卵等の農産物であることを特徴とする請求項1ない10のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項1】
無端状に回動する無端状帯の外周面に、突出状態で内部に空洞部を有して弾性を有する突起が多数設けられた整列搬送コンベアを備え、
前記整列搬送コンベアは、物品を搬送する物品搬送コンベアの上方に配置されて、前記突起が物品搬送コンベア上の物品に上方から当接することにより前記空洞部が変形して当該物品を所定姿勢に維持することを特徴とする物品の整列搬送装置。
【請求項2】
前記物品搬送コンベアが上流側コンベアと下流側コンベアを備え、前記整列搬送コンベアは、上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の上方、上流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアの上方の少なくとも一つの位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の物品の整列搬送装置。
【請求項3】
前記突起は、変形可能なシートを屈曲状態で前記無端状帯に固着することにより形成されると共に、該突起の空洞部が物品搬送コンベアの搬送方向と直交する方向に開口していることを特徴とする請求項1または2に記載の物品の整列搬送装置。
【請求項4】
前記シートは、無端状帯と略同一幅を有する長尺状のシートで形成され、該シートを屈曲状態で固着することにより複数の突起が所定間隔で一括して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の物品の整列搬送装置。
【請求項5】
前記突起は、搬送方向における間隔が物品搬送コンベアで搬送される物品の外径より小さく設定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項6】
前記突起は、その突出高さが物品搬送コンベアで搬送される物品の外径と同等かもしくは高く設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項7】
前記整列搬送コンベアは、物品の外径に応じて物品搬送コンベアに対する間隔寸法が調整されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項8】
前記物品搬送コンベアは、整列搬送コンベアと対向する搬送面に物品の位置決め手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項9】
前記物品搬送コンベアは、整列搬送コンベアで整列された物品を計測する計測装置を備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【請求項10】
前記計測装置は、物品搬送コンベアを形成する上流側コンベアと下流側コンベアの乗継部の下方、上流側コンベアの上方、下流側コンベアの上方もしくは下流側コンベアに接続された搬送コンベアの上方の少なくとも一つの位置に配置されることを特徴とする請求項9に記載の物品の整列搬送装置。
【請求項11】
前記物品は、球状青果物、卵等の農産物であることを特徴とする請求項1ない10のいずれかに記載の物品の整列搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−8272(P2006−8272A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184526(P2004−184526)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000137328)株式会社マキ製作所 (48)
【Fターム(参考)】
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