説明

物品包装体及び物品包装方法

【課題】本発明は、物品を輸送時の衝撃から確実に保護し、物品を破損させることなく輸送することができる包装体及び包装方法を提供する。
【解決手段】上下板状発泡体1、2と、周縁部31により囲まれた部分を上下方向に貫通した開口部32に形成してなる枠状発泡体3とによって包装体主体を形成してあり、この包装体主体における上記枠状発泡体3の開口部32内に物品4を収容して上記上下板状発泡体1、2により枠状発泡体3を挟持させていると共に、この包装体主体を熱収縮性フィルム5により包被して熱収縮性フィルム5の熱収縮により枠状発泡体3の開口部32内に収容している上記物品4を上下板状発泡体1、2の対向面によって弾性的に保持させていることを特徴とする物品包装体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の破損を防止できる衝撃吸収性を有する物品包装体及び物品包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、商品を電話などで注文し、注文主に郵便にて届ける販売形態が行われており、今日、インターネットの普及によってインターネット上から所望の商品を注文し、郵便にて商品が注文主に届けられる販売形態が多く利用されるようになってきている。
【0003】
注文した商品が割れないように商品が包装された状態で郵送されるが、このような包装体として、例えば、特許文献1に、少なくとも一辺が開口された外筒体と、該外筒体内に挿入され且つ気体の充填によって商品である物品を包被保持する注入弁付内袋体とからなる運搬等用の包装体が提案されている。
【0004】
上記包装体は、注入弁付内袋体内に気体を充填することによって内袋体にクッション性を付与し、このクッション性によって物品を輸送時の衝撃から保護し、輸送時における物品の破損を防止するように構成されている。
【0005】
しかしながら、上記包装体は、上述のように、注入弁付内袋体内に気体を充填することによって注入弁付内袋体にクッション性を付与していることから、輸送時に過度な押圧力が加わると、注入弁付内袋体内の気体は逃げ道がないことから注入弁付内袋体が破裂して注入弁付内袋体が瞬時にクッション性を失い、物品が破損する虞れがあるという問題点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−4664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、物品を輸送時の衝撃から確実に保護し、物品を破損させることなく輸送することができる物品包装体及び物品包装方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の物品包装体は、上下板状発泡体と、周縁部により囲まれた部分を上下方向に貫通した開口部に形成してなる枠状発泡体とによって包装体主体を形成してあり、この包装体主体における上記枠状発泡体の開口部内に物品を収容して上記上下板状発泡体により枠状発泡体を挟持させていると共に、この包装体主体を熱収縮性フィルムにより包被して熱収縮性フィルムの熱収縮により枠状発泡体の開口部内に収容している上記物品を上下板状発泡体の対向面によって弾性的に保持させていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2に記載の物品包装体は、上側板状発泡体の上面と下側板状発泡体の下面とにこれらの上下板状発泡体と同大、同形の剛性を有する保形板状材を配設していることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の物品包装体は、上下板状発泡体の対向面に複数個の凸部を碁盤目状に突設していることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項4の物品包装方法は、上下板状発泡体における下側板状発泡体上に、周縁部により囲まれた部分を上下方向に貫通した開口部に形成してなる枠状発泡体を載置して開口部により囲まれた空間部をこの開口部に露出している上記下側板状発泡体の上面を底面とした収容室に形成し、この収容室に1〜複数個の物品を収容した後、上側板状発泡体を上記枠状発泡体上に重ね合わせて上記上側板状発泡体によって上記収容室を密閉してなる包装体主体を形成し、この包装体主体を熱収縮性フィルムによって包被した後、この熱収縮性フィルムを加熱、収縮させることによって上記上下板状発泡体により上記枠状発泡体を挟圧させ、上記上下板状発泡体の対向面によって上記物品を弾性的に挟持させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5の物品包装方法は、包装体主体における上側板状発泡体の上面と下側板状発泡体の下面とにこれらの上下板状発泡体と同大、同形の剛性を有する保形板状材を重ね合わせた後、熱収縮性フィルムによって包被することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の物品包装体によれば、請求項1に記載したように、包装体主体は上下板状発泡体と、周縁部により囲まれた部分を上下板状発泡体方向に貫通した開口部に形成してなる枠状発泡体とによって構成しているので、構造が簡単で多量生産に適し、安価に提供できるのは勿論、この包装体主体における上記枠状発泡体の開口部内に物品を収容して上記上下板状発泡体により枠状発泡体を挟持させていると共に、この包装体主体を熱収縮性フィルムにより包被して熱収縮性フィルムの熱収縮により、枠状発泡体の開口部内に収容している上記物品を上下板状発泡体の対向面によって弾性的に保持させているので、運搬や取り扱い中においても、物品が妄動することなく、開口部内における所定の収容位置に確実に保持しておくことができると共に、外力が加わっても上下板状発泡体及び枠状発泡体が弾性的に変形しながらその外力を確実に吸収することができ、したがって物品に損傷を与える恐れをなくして安定した包装状態を保持することができる。
【0014】
さらに、包装体主体における上記枠状発泡体に設けている開口部は、周縁部以外の部分を全面的に上下方向に貫通させて物品の大きさや形状に合わせることなく一つの大きな開口部に形成しているので、様々な形状、大きさを有する物品を開口部内に収容することができて物品包装体としての適用範囲が広がり、汎用性に優れている。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、上側板状発泡体の上面と下側板状体の下面とにこれらの上下板状発泡体と同大、同形の剛性を有する保形板状材を配設しているので、運搬や取り扱い時等において、この保形板状材に部分的に衝撃力等の外力が作用しても、その外力を保形板状材によって被覆されている板状発泡体の全面に分散させることができ、上下板状発泡体を介して枠状発泡体の開口部内に収容されている物品に外力が集中的に作用するのをなくして物品を安定して保護しておくことができる。
【0016】
また、請求項3に係る発明によれば、上記上下板状発泡体の対向面に複数個の凸部を碁盤目状に突設しているので、この上下板状発泡体によって枠状発泡体を挟持した状態においては、枠状発泡体の開口部内に収容されている物品の上下面に対向した凸部がこの物品の上下面の形状に応じて弾性的に凹入変形して物品の上下面を圧締め状態に挟持すると共に、物品の周囲に対向する凸部が物品の周面を囲むように該周面に圧着し、物品を確実且つ緩衝的に保持しておくことができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、上記物品包装体による包装方法であって、まず、上下板状発泡体における下側板状発泡体上に、周縁部により囲まれた部分を上下に貫通した開口部に形成してなる枠上発泡体を載置してその開口部により囲まれた空間部を該開口部に露出している上記下側板状発泡体の上面を底面とした収容室に形成し、この収容室に1〜複数個の物品を収容するので、人手による包装作業であっても機械的な包装作業であっても、下側板状発泡体上への枠上発泡体の載置作業と、この載置によって形成された上記収容室内への物品の収容作業を容易に且つ正確に行うことができると共に、上記収容室は物品の大きさや形状に関係なく、周縁部以外の部分を全面的に上下板状発泡体方向に貫通させてなる枠上発泡体の大きな開口部とこの開口部の下端を閉止した下側板状発泡体とによって形成されているので、様々な形状、大きさを有する物品をこの収容室に簡単且つ確実に収容することができる。
【0018】
次いで、上側板状発泡体を枠状発泡体上に重ね合わせて該上側板状発泡体によって収容室を密閉してなる包装体主体を形成することから、その作業も簡単且つ迅速に行えて収容室内に物品を収容してなる包装体主体を、次々と能率よく作製することができる。しかるのち、この包装体主体を熱収縮性フィルムによって包被し、この熱収縮性フィルムの収縮力によって上下板状発泡体を枠上発泡体の上下面に強固に圧着させることができ、枠上発泡体の開口部内に配設している物品をこれらの板状発泡体の対向面によって弾性的に挟着させ、運搬や取り扱い中等において外力が作用しても物品を損傷させることなく安定した状態で保持しておくことができる物品包装体を得ることができる。
【0019】
また、請求項5に係る発明によれば、上記請求項4に記載の包装方法において、包装体主体における上側板状発泡体の上面と下側板状発泡体の下面とにこれらの上下板状発泡体と同大、同形の剛性を有する保形板状材を重ね合わせた後、熱収縮性フィルムによって包被するので、熱収縮性フィルムを熱収縮させた際に、その収縮力が包装体主体の上下面に配設している剛性を有する保形板状材にこれらの保形板状材を互いに接近させる方向に押圧する圧締力として作用し、この圧締力によって上下板状発泡体が全面的に圧締めされて開口部内に物品を収容している枠状発泡体の上下板状発泡体面に強固に圧着し、上下板状発泡体の対向面が物品の上下面に沿って弾性的に変形しながら物品を確実に保持した物品包装体を得ることができ、その上、熱収縮性フィルムの熱収縮にもかかわらず、この保形板状材によって上下板状発泡体の平面形状の大きさをそのまま保持した状態にして厚み方向にのみ弾性、特に圧縮変形させることができ、包装前の平面形状を有する物品包装体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の物品包装体における包装体主体の分解斜視図である。
【図2】本発明の物品包装体を示す斜視図である。
【図3】その縦断面図である。
【図4】本発明の物品包装体の他の一例を示す縦断面図である。
【図5】枠状発泡体の開口部内に物品を収容した状態を示す斜視図である。
【図6】その縦断面図である。
【図7】上下板状発泡体の一例を示す斜視図である。
【図8】本発明の物品包装体の他の一例を示す斜視図である。
【図9】本発明の物品包装体の使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の具体的な実施の形態を図面に基づいて説明すると、物品包装体における包装体主体Aは、図1に示すように、一定厚みを有する同大、同形の発泡合成樹脂からなる上下板状発泡体1、2と、周縁部31によって囲まれた部分を上下板状発泡体方向に貫通した一つの開口部32に形成している発泡合成樹脂からなる一定厚みを有する枠状発泡体3とからなり、図2及び図3に示すように、この包装体主体Aにおける上記枠状発泡体3の開口部32内に複数個の物品4を収容していると共に、この枠状発泡体3を上記上下板状発泡体1、2によりサンドイッチ状に挟持させて、これらの上下板状発泡体1、2の対向面により物品4を収容している枠状発泡体3の上記開口部32の上下開口端を密閉させ、この上下板状発泡体1、2と枠状発泡体3との三層構造の積層体からなる包装体主体Aを筒状又は袋状に形成した熱収縮性フィルム5によって包被して、この熱収縮性フィルム5を熱収縮させることにより、枠状発泡体3の開口部32内に収容している上記物品4を上下板状発泡体1、2の対向面によって弾性的に保持させてなる物品包装体Bを構成している。
【0022】
また、上述した物品包装体Bにおいて、上側板状発泡体1の上面と下側板状発泡体2の下面とのそれぞれには、図4に示すように、これらの上下板状発泡体1、2と大きさ及び平面形状が同じであり且つ所定の剛性を有する保形板状材6、7を重合状態に配設しておくことが好ましい。このように保形板状材6、7を用いることにより、物品4が破損するのを抑制して、物品4を安定して保護しておくことができる。なお、図4に示す物品包装体Bについて、上側板状発泡体1の上面と下側板状発泡体2の下面とのそれぞれに保形板状材6、7が配設されている構成以外は図1〜3に示した物品包装体Bと同様の構成を有するのでその説明を省略する。
【0023】
上下板状発泡体1、2と枠状発泡体3とからなる包装体主体Aを用いて物品4を包装するには、まず、図5及び6に示すように、上下板状発泡体1、2における下側板状発泡体2上に、周縁部31により囲まれた部分を上下方向に貫通した開口部32に形成してなる枠状発泡体3を載置し、この開口部32で囲まれた空間部をこの開口部32に露出している上記下側板状発泡体3の上面を底面とした収容室に形成し、この収容室に1〜複数個の物品4を収容する。次に、上側板状発泡体1を枠状発泡体3上に重ね合わせて、物品4を収容した枠状発泡体3を上下板状発泡体1、2によりサンドイッチ状に挟持させることによって、これらの上下板状発泡体1、2の対向面により物品4を収容している枠状発泡体3の上記開口部32の上下開口端を密閉させ、この上下板状発泡体1、2と枠状発泡体3との三層構造の積層体からなる包装体主体Aを形成する。その後、この包装体主体Aを筒状又は袋状に形成した熱収縮性フィルム5によって包被して、この熱収縮性フィルム5を加熱して熱収縮させることによって上下板状発泡体1、2により枠状発泡体3を挟圧させ、これにより図2及び3に示すように上下板状発泡体1、2の対向面11、21によって物品4を弾性的に挟持させてなる物品包装体Bが得られる。
【0024】
また、保形板状材6、7を用いる場合には、上側板状発泡体1の上面と下側板状発泡体2の下面とのそれぞれに保形板状材6、7を配設し、この保形板状材6、7を含めて包装体主体Aを熱収縮性フィルム5によって全面的に被覆した状態とすればよい。しかる後、熱収縮性フィルム5を熱収縮させると、その収縮力が保形板状材6、7を互いに接近させる方向に押圧する圧締力として作用して上下板状発泡体1、2が全面的に圧締めされ、枠状発泡体3の開口部32内に収容されている物品4の上下面にこれらの上下板状発泡体1、2の対向面11、21が圧着して物品4の上下板状発泡体面の形状に応じて弾性変形し、その弾性復元力により物品4をより確実に保持した物品包装体Bが得られると共に、該物品包装体Bの上面及び下面は包装前の平面形状を保持し、取扱性においても優れた物品包装体Bを得ることができる。
【0025】
上述した包装体主体Aを構成している上記上下板状発泡体1、2と枠状発泡体3とは、弾性的に圧縮変形可能なスポンジ等の発泡合成樹脂材からなると共に、同じ大きさの平面矩形状に形成されてあり、枠状発泡体3は、上記上下板状発泡体1、2と同大、同形の板状発泡体を、その周縁部31を残してその他の部分を全面的に打ち抜いて削除した形態を有し、周縁部31で囲まれた中央部を一つの大きな矩形状開口部32に形成している。
【0026】
なお、上記上下板状発泡体1、2及び枠状発泡体3の平面形状は矩形状に限定されず、円形、楕円形など他の形状であってもよい。枠状発泡体3の開口部32の平面形状も矩形状に限定されず、円形、楕円形など他の形状であってもよい。上下板状発泡体1、2と枠状発泡体3との平面形状及び大きさは、略同一とするのが好ましい。
【0027】
また、上下板状発泡体1、2は、公知の方法で製造することができる。枠状発泡体3も、公知の方法で製造した原反発泡体の中央部を打ち抜いて開口部32を形成することにより製造することができる。
【0028】
上記実施例においては、上下板状発泡体1、2の対向面を平坦な面に形成しているが、図7に示すように、これらの上下板状発泡体1、2の対向面11、21のそれぞれには、複数個の凸部11a、21aを碁盤目状に突設しておいてもよい。このように形成している上下板状発泡体1、2によれば、開口部32内に物品4を収容している枠状発泡体3の上下面にそれぞれこれらの上下板状発泡体1、2を積層状態に重ね合わせると、物品4の上下面に対応する上下板状発泡体1、2の対向面11、21に突設している凸部11a、21aが弾性、特に圧縮変形しながら物品4の上下面に圧着すると共に、物品4の周囲に向かって突出している複数個の凸部11a、21aにより物品4の周囲を弾性的に保持してこれらの上下板状発泡体1、2の対向面11、21間で物品4をより確実に保持することができ、輸送時に加わる衝撃から物品4をより確実に保護することができる。
【0029】
上下板状発泡体1、2として、連続気泡発泡体を用い、これにプロファイル加工などにより上記の通り対向面11、21に複数個の凸部11a、21aが形成されている場合、このような上下板状発泡体1、2は、物品の輸送後に緩衝材としての役目を終えた後は、食器や車両などを洗浄するための洗浄具として使用することができる。したがって、従来であれば廃棄されるだけであった緩衝材として用いられていた発泡体を別の用途に使用することによって資源保護を図り、地球環境の保護を推進することができる。上下板状発泡体1、2を洗浄具として使用する際には、上下板状発泡体1、2を所望の大きさに容易に切断してもよい。
【0030】
枠状発泡体3の厚みは、物品4の厚さと略同一かその近傍に設定されるのが好ましく、物品4の厚さよりも僅かに薄くするのがより好ましい。このような枠状発泡体3を用いることにより、上記物品4を、枠状発泡体3の開口部32内に収容した状態にして、その枠状発泡体3の上下面に上下板状発泡体1、2をそれぞれ重ね合わせた際に、枠状発泡体3の開口部の上下開口端から突出する物品4の上下部分に押接する上下板状発泡体1、2の対向面が、物品4の上下部分に沿って弾性的に凹入変形して物品4をこれらの上下板状発泡体1、2の弾性復元力により確実に挟持することができる。
【0031】
また、枠状発泡体3の開口部32内において、収容した複数個の物品4における隣接する物品間に帯状又は棒状の仕切片を介在させていてもよい。このように仕切片を設けることにより、包装体主体Aに両側方からこの包装体主体Aを圧縮する方向に挟圧力が作用しても、この仕切片によって隣接する物品4が互いに衝合するのを確実に阻止して物品4が破損するのを防止することができる。
【0032】
収容する物品4としては、特に限定されず、例えば、化粧品、宝石、陶器、書籍などの輸送時の衝撃によって破損や傷が付き易い物品が挙げられる。
【0033】
包装体主体を包被する熱収縮性フィルム5とは、所定温度以上に加熱すると熱収縮するフィルムであって、汎用の熱収縮性フィルムが用いられ、例えば、押出機から押出した溶融状態のフィルムを押出方向又は幅方向の何れか一方或いは双方に向かって延伸し、この延伸状態でフィルムを冷却することによって熱収縮性フィルム5を製造することができる。
【0034】
保形板状材6、7としては、熱収縮性フィルム5の収縮力によって変形しない程度の剛性を有していればよく、例えば、合成樹脂シート、厚紙、段ボールなどが挙げられる。また、保形板状材の平面形状及び大きさは、上下板状発泡体の平面形状及び大きさと略同一かその近傍に設定されるのが好ましい。
【0035】
上述した物品包装体Bでは、袋状に形成した熱収縮性フィルム5によって包装体主体Aを全面的に被覆した場合を説明したが、上下板状発泡体1、2の対向面11、21によって物品3が弾性的に保持された状態となればよく、上下板状発泡体1、2を熱収縮性フィルム5によって全面的に被覆しておく必要はない。例えば、図8に示すように、上下板状発泡体1、2と枠状発泡体3とからなる包装体主体Aの外周面を筒状に形成した熱収縮性フィルム5によって包被して、包装体主体Aの長さ方向両端面が熱収縮性フィルム5によって包被されずに露出した状態としてもよい。このような包被状態であっても、熱収縮性フィルム5を熱収縮させることによって枠状発泡体3の開口部32内に収容している上記物品4を上下板状発泡体1、2の対向面によって弾性的に保持させてなる物品包装体Bが得られる。なお、包装体主体Aが部分的に熱収縮性フィルム5によって締め付けられている構成以外は図1〜4に示した物品包装体と同様の構成を有するのでその説明を省略する。
【0036】
本発明の物品包装体Bを郵便にて輸送する場合には、例えば、図9に示すように、包装体主体Aの上面を被覆している熱収縮性フィルム5上に宛て名が記載されたラベル8を貼付し、郵送すればよい。
【0037】
そして、物品包装体Bを郵便にて受け取った者は、熱収縮性フィルム5を破ることによって上下板状発泡体1、2による物品4の保持状態を解除し、上下板状発泡体1、2の挟持面11、21間から物品4を取り出して使用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 上側板状発泡体
2 下側板状発泡体
11、21 対向面
11a、21a 凸部
3 枠状発泡体
31 開口部
4 物品
5 熱収縮性フィルム
6 保形板状材
7 保形板状材
8 宛名ラベル
A 包装体主体
B 物品包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下板状発泡体と、周縁部により囲まれた部分を上下方向に貫通した開口部に形成してなる枠状発泡体とによって包装体主体を形成してあり、この包装体主体における上記枠状発泡体の開口部内に物品を収容して上記上下板状発泡体により枠状発泡体を挟持させていると共に、この包装体主体を熱収縮性フィルムにより包被して熱収縮性フィルムの熱収縮により枠状発泡体の開口部内に収容している上記物品を上下板状発泡体の対向面によって弾性的に保持させていることを特徴とする物品包装体。
【請求項2】
上側板状発泡体の上面と下側板状発泡体の下面とにこれらの上下板状発泡体と同大、同形の剛性を有する保形板状材を配設していることを特徴とする請求項1に記載の物品包装体。
【請求項3】
上下板状発泡体の対向面に複数個の凸部を碁盤目状に突設していることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品包装体。
【請求項4】
上下板状発泡体における下側板状発泡体上に、周縁部により囲まれた部分を上下方向に貫通した開口部に形成してなる枠状発泡体を載置して開口部により囲まれた空間部をこの開口部に露出している上記下側板状発泡体の上面を底面とした収容室に形成し、この収容室に1〜複数個の物品を収容した後、上側板状発泡体を上記枠状発泡体上に重ね合わせて上記上側板状発泡体によって上記収容室を密閉してなる包装体主体を形成し、この包装体主体を熱収縮性フィルムによって包被した後、この熱収縮性フィルムを加熱、収縮させることによって上記上下板状発泡体により上記枠状発泡体を挟圧させ、上記上下板状発泡体の対向面によって上記物品を弾性的に挟持させることを特徴とする物品包装方法。
【請求項5】
包装体主体における上側板状発泡体の上面と下側板状発泡体の下面とにこれらの上下板状発泡体と同大、同形の剛性を有する保形板状材を重ね合わせた後、熱収縮性フィルムによって包被することを特徴とする請求項4に記載の物品包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−17132(P2012−17132A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156598(P2010−156598)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(596111276)積水フイルム株式会社 (133)
【Fターム(参考)】