説明

物品収納容器

【課題】周壁に形成されたミシン線と接合壁に形成されたミシン線とが一致しなくても、ミシン線で周壁と接合壁とを破断することができる物品収納容器を提供する。
【解決手段】物品収納容器1Aは、頂壁7および底壁9と、周り方向へ延びる周壁12と、周壁12の側縁24から周り方向外方へ延出する接合壁10とを有する。側縁24の反対側に位置する周壁12の側縁16から内側には、周壁12の外面と接合壁10の内面とを固着する連結域17が形成されている。容器1Aでは、周り方向へ延びる一対の壁破断用第1上下ミシン線19,20が接合壁10を除いた周壁12に形成され、第1上ミシン線19の縦方向直上に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2上ミシン線26と第1下ミシン線20の縦方向直下に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2下ミシン線27とが接合壁10に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部スペースに所定の物品を収納する物品収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに離間対向して縦方向へ延びる前後壁と、互いに離間対向して縦方向へ延びる左右側壁と、後壁の上端縁に連接されて頂部開口を開閉可能な頂壁と、後壁の下端縁に連接されて底部開口を塞ぐ底壁と、前壁に連接された接合壁とを有し、左側壁の側縁から内側に該左側壁と接合壁とを固着した連結域が形成され、縦方向へ所定寸法離間並行して周り方向へ延びる一対の壁破断用上下ミシン線が前後壁と右側壁とに形成された物品収納容器がある(特許文献1参照)。容器では、左側壁に後壁が連接され、後壁に右側壁が連接され、右側壁に前壁が連接されている。後壁には、フックに挿通可能な貫通孔を有する吊り下げ片が形成されている。容器は、それら壁が直角に交差する直方体であり、それら壁に囲繞された内部スペースに物品を収納して使用する。この容器は、吊り下げ片の貫通孔にフックを通し、前壁を前にした状態で容器をフックに吊り下げて陳列することができる。
【0003】
右側壁には、下ミシン線から延長されて周り方向へ延びる折曲線が形成されている。上下ミシン線は、周り方向へ間欠的に並ぶ多数のミシン孔によって仮想された切取線である。ミシン線の延びる方向におけるミシン孔の長さ寸法は0.15〜0.75mmの範囲にあり、隣り合うミシン孔どうしの離間寸法は0.15〜0.5mmの範囲にある。容器は、上下ミシン線で前後壁と右側壁とを破断すると、それら壁が縦方向へ二分され、折曲線を軸として上ミシン線から上方に延びる容器の上部を縦方向下方へ旋回させることができるから、頂壁を開けることなく、容器の内部に収納された物品を容器から取り出すことができる。
【特許文献1】特開平11−292067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公報に開示の容器において、それを上部と下部との2つに分離するには、それらミシン線を前後壁および右側壁のみならず、左側壁にも形成する必要があるが、左側壁に固着された接合壁を破断しないと、左側壁をミシン線で破断することができないから、接合壁にも壁破断用上下ミシン線を形成する必要がある。しかし、左側壁と接合壁とを固着するときに、左側壁の上ミシン線と接合壁の上ミシン線とを完全に一致させることや左側壁の下ミシン線と接合壁の下ミシン線とを完全に一致させることは困難であり、左側壁と接合壁とに形成されたそれらミシン線が一致しないと、左側壁に引き続いてミシン線で接合壁を破断することができない場合がある。
【0005】
本発明の目的は、周壁に形成されたミシン線と接合壁に形成されたミシン線とが一致しなくても、ミシン線で周壁と接合壁とを破断することができる物品収納容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の前提は、周り方向へ延びる周壁と、周壁の縦方向上方に位置する頂壁と、周壁の縦方向下方に位置する底壁と、周壁の第1側縁から周り方向外方へ延出する接合壁とを有し、第1側縁の反対側に位置する周壁の第2側縁から内側に該周壁と接合壁とを固着する連結域が形成され、縦方向へ所定寸法離間並行して周り方向へ延びる一対の壁破断用第1上下ミシン線が周壁に形成された物品収納容器である。
【0007】
前記前提における本発明の第1の特徴として、連結域では、周壁の外面と接合壁の内面とが固着され、第1上下ミシン線が接合壁を除いた周壁に形成され、第1上ミシン線の縦方向直上に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2上ミシン線と第1下ミシン線の縦方向直下に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2下ミシン線とが接合壁に形成されている。この容器は、第1上下ミシン線で周壁を破断すると、それらミシン線の間に延びる帯状部分が容器から次第に切り離され、周壁が第1上ミシン線の上方に延びる上部と第1下ミシン線の下方に延びる下部とに二分される。周壁と接合壁とが固着された連結域では、接合壁がそこに形成された第2上下ミシン線で破断し、周壁から切り離される帯状部分に引き続いて接合壁の第2上下ミシン線の間に延びる部分が帯状部分とともに容器から切り離される。
【0008】
前記第1の特徴を有する本発明の実施態様の一例として、接合壁の自由側縁には、第2上ミシン線の終端から周り方向内方へ凹む第1凹欠部と第2下ミシン線の終端から周り方向内方へ凹む第2凹欠部とが形成され、第1凹欠部が、第1および第2上ミシン線につながって自由側縁から第1側縁に向かって縦方向上方へ傾斜する第1斜辺を有し、第2凹欠部が、第1および第2下ミシン線につながって自由側縁から第1側縁に向かって縦方向下方へ傾斜する第2斜辺を有する。この容器は、第1上ミシン線に加えられた力が第1斜辺を介して第1上ミシン線から第2上ミシン線に伝わるとともに、第1下ミシン線に加えられた力が第2斜辺を介して第1下ミシン線から第2下ミシン線に伝わる。
【0009】
前記前提における本発明の第2の特徴として、連結域では、周壁の内面と接合壁の外面とが固着され、第1上下ミシン線が接合壁を除いた周壁に形成され、第1上ミシン線の縦方向直下に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2上ミシン線と第1下ミシン線の縦方向直上に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2下ミシン線とが接合壁に形成されている。この容器は、第1上下ミシン線で周壁を破断すると、それらミシン線の間に延びる帯状部分が容器から次第に切り離され、周壁が第1上ミシン線の上方に延びる上部と第1下ミシン線の下方に延びる下部とに二分される。周壁と接合壁とが固着された連結域では、接合壁がそこに形成された第2上下ミシン線で破断し、周壁から切り離される帯状部分に引き続いて接合壁の第2上下ミシン線の間に延びる部分が帯状部分とともに容器から切り離される。
【0010】
前記第2の特徴を有する本発明の実施態様の一例として、接合壁の自由側縁には、第2上ミシン線の終端から周り方向内方へ凹む第1凹欠部と第2下ミシン線の終端から周り方向内方へ凹む第2凹欠部とが形成され、第1凹欠部が、第1および第2上ミシン線につながって自由側縁から第1側縁に向かって縦方向下方へ傾斜する第1斜辺を有し、第2凹欠部が、第1および第2下ミシン線につながって自由側縁から第1側縁に向かって縦方向上方へ傾斜する第2斜辺を有する。この容器は、第1上ミシン線に加えられた力が第1斜辺を介して第1上ミシン線から第2上ミシン線に伝わるとともに、第1下ミシン線に加えられた力が第2斜辺を介して第1下ミシン線から第2下ミシン線に伝わる。
【0011】
前記第1および第2の特徴を有する本発明は、以下の実施態様を有する。
(1)第2上下ミシン線間に延びる壁破断用第3ミシン線が周壁の第1側縁に形成されている。
(2)周壁が、互いに離間対向する第1および第2周壁と、第1および第2周壁の間に位置して互いに離間対向する第3および第4周壁とから形成され、容器が、頂底壁と第1〜第4周壁とが直角に交差する六面体であり、接合壁が第1周壁の側縁に連接され、連結域が第4周壁の側縁から内側に形成され、第1上下ミシン線が第1周壁を除く第2〜第4周壁に形成されている。
(3)容器では、第1上ミシン線と第1下ミシン線とのいずれか一方から延長されて周り方向へ延びる折曲線が第1周壁に形成され、第2〜第4周壁と接合壁とを第1および第2上下ミシン線で破断したときに、折曲線から縦方向上方に位置する容器の上部が該折曲線を軸として縦方向上下に旋回可能である。
【発明の効果】
【0012】
前記第1の特徴を有する本発明の物品収納容器によれば、接合壁には第1上ミシン線の縦方向直上に近接する第2上ミシン線と第1下ミシン線の縦方向直下に近接する第2下ミシン線とが形成されているから、第1上下ミシン線で周壁を次第に破断してゆくと、周壁とともに接合壁がそこに形成された第2上下ミシン線で破断し、周壁の第1上下ミシン線間に延びる帯状部分に引き続いて接合壁の第2上下ミシン線間に延びる部分が容器から切り離される。容器は、周壁の第1上ミシン線と接合壁の第2上ミシン線とが一致せず、周壁の第1下ミシン線と接合壁の第2下ミシン線とが一致しなくても、それらミシン線を介して周壁と接合壁とを確実に破断することができる。この容器は、周壁と接合壁とをミシン線で破断すると、容器が第1上ミシン線から上方に位置する上部と第1下ミシン線から下方に延びる下部とに二分され、容器の上部を縦方向下方へ旋回させることで内部スペースを開けることができるから、頂壁を開けなくてもスペースに収容された物品を容器から取り出すことができる。
【0013】
第1の特徴を有する本発明において、接合壁の自由側縁に第1および第2凹欠部が形成された物品収納容器は、第1凹欠部が第1上ミシン線と第2上ミシン線とにつながる第1斜辺を有し、第2凹欠部が第1下ミシン線と第2下ミシン線とにつながる第2斜辺を有するから、第1上下ミシン線で周壁を破断する過程で、第1上ミシン線に加えられた力が第1斜辺を介して第1上ミシン線から第2上ミシン線に伝わるとともに、第1下ミシン線に加えられた力が第2斜辺を介して第1下ミシン線から第2下ミシン線に伝わり、帯状部分に引き続いて第2上下ミシン線の間に延びる部分を接合壁から確実に切り離すことができる。
【0014】
前記第2の特徴を有する本発明の物品収納容器によれば、接合壁には第1上ミシン線の縦方向直下に近接する第2上ミシン線と第1下ミシン線の縦方向直上に近接する第2下ミシン線とが形成されているから、第1上下ミシン線で周壁を次第に破断してゆくと、周壁とともに接合壁がそこに形成された第2上下ミシン線で破断し、周壁の第1上下ミシン線間に延びる帯状部分に引き続いて接合壁の第2上下ミシン線間に延びる部分が容器から切り離される。容器は、周壁の第1上ミシン線と接合壁の第2上ミシン線とが一致せず、周壁の第1下ミシン線と接合壁の第2下ミシン線とが一致しなくても、それらミシン線を介して周壁と接合壁とを確実に破断することができる。この容器は、周壁と接合壁とをミシン線で破断すると、容器が第1上ミシン線から上方に位置する上部と第1下ミシン線から下方に延びる下部とに二分され、容器の上部を縦方向下方へ旋回させることで内部スペースを開けることができるから、頂部開口を開けなくてもスペースに収容された物品を容器から取り出すことができる。
【0015】
第2の特徴を有する本発明において、接合壁の自由側縁に第1および第2凹欠部が形成された物品収納容器は、第1凹欠部が第1上ミシン線と第2上ミシン線とにつながる第1斜辺を有し、第2凹欠部が第1下ミシン線と第2下ミシン線とにつながる第2斜辺を有するから、第1上下ミシン線で周壁を破断する過程で、第1上ミシン線に加えられた力が第1斜辺を介して第1上ミシン線から第2上ミシン線に伝わるとともに、第1下ミシン線に加えられた力が第2斜辺を介して第1下ミシン線から第2下ミシン線に伝わり、帯状部分に引き続いて第2上下ミシン線の間に延びる部分を接合壁から確実に切り離すことができる。
【0016】
第1および第2の特徴を有する本発明において、第2上下ミシン線間に延びる第3ミシン線が周壁の第1側縁に形成された物品収納容器は、周壁を第1上下ミシン線で破断するとともに、接合壁を第2上下ミシン線と第3ミシン線とで破断すると、周壁の第1上下ミシン線の間に延びる帯状部分と接合壁の第2上下ミシン線の間に延びる部分とを容器から分離することができるから、周壁と接合壁とをそれらミシン線で破断した後に帯状部分が容器につながったままの場合と比較し、帯状部分が邪魔にならず、容器の内部スペースから物品を容易に取り出すことができる。
【0017】
第1および第2の特徴を有する本発明において、周壁が第1〜第4周壁から形成され、第1上下ミシン線が第1周壁を除く第2〜第4周壁に形成された物品収納容器は、第2〜第4周壁と接合壁とを第1上下ミシン線と第2上下ミシン線とで破断して容器を縦方向に二分した後、第1上ミシン線から縦方向上方に延びる容器の上部を第1周壁において縦方向下方へ旋回させることができ、頂部開口を開けることなく、内部スペースに収容された物品を容器から取り出すことができる。この容器は、第1周壁にミシン線が形成されていないから、内部スペースに収納した物品の名称や品質、効能等の宣伝文句を第1周壁に印刷したとしても、宣伝文句がミシン線によって見難くなることがなく、第1周壁を前にして容器を陳列することで、容器の見た目の悪化を防ぐことができる。
【0018】
第1および第2の特徴を有する本発明において、第1上ミシン線と第1下ミシン線とのいずれか一方から延長されて周り方向へ延びる折曲線が第1周壁に形成された物品収納容器は、第2〜第4周壁と接合壁とを第1上下ミシン線と第2上下ミシン線とで破断して容器を縦方向上下に二分した後、第1上ミシン線から縦方向上方に延びる容器の上部を折曲線を軸として縦方向下方へ容易に旋回させることができ、頂部開口を開けることなく、内部スペースに収容された物品を容器から取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照し、本発明にかかる物品収納容器の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0020】
図1,2は、頂部開口6を開けた状態の一例として示す容器1Aの斜視図と、頂部開口6を閉じた状態の容器1Aの斜視図とであり、容器1Aを後壁3の側から示している。図3,4は、左側壁5および接合壁10を示す容器1Aの側面図と、組み立て以前の状態で示す容器1Aの展開平面図とである。図1,2,4では、縦方向を矢印Lで示し、周り方向(図4では横方向)を矢印Mで示す。
【0021】
容器1Aは、互いに離間対向して縦方向へ延びる矩形の前壁2および後壁3と、互いに離間対向して縦方向へ延びる矩形の右側壁4および左側壁5と、それら壁2,3,4,5の縦方向上方に位置して頂部開口6を開閉可能な頂壁7と、それら壁2,3,4,5の縦方向下方に位置して底部開口8を塞ぐ底壁9と、接合壁10および延長壁11とを有する。容器1Aでは、前後壁2,3と左右側壁4,5とが周り方向へ延びる四角い周壁12を画成している。容器1Aは、それら壁2,3,4,5,7,9,11,12の他に、頂部開口6を開閉可能な一対の頂部フラップ13と、底部開口8を塞ぐ一対の底部フラップ14と、頂壁7につながる挿入フラップ15とを有する。なお、本実施の形態では、それを前壁2の正面から見たときに、前壁2の右側に位置する壁を右側壁4とし、前壁2の左側に位置する壁を左側壁5とする。
【0022】
容器1Aでは、隣接する壁2,3,4,5,7,9どうし(フラップ13,14,15を含む)が互いに直交するように、それら壁2,3,4,5,7,9が折り曲げられ、左右側壁4,5が前後壁2,3の間に位置して前後壁2,3と交差し、頂底壁7,9が前後壁2,3および左右側壁4,5の間に位置してそれら壁2,3,4,5と交差している。容器1Aは、それら壁2,3,4,5,7,9が略直角に交差する直方体(六面体)である。左側壁5の側縁16(周壁の第2側縁)から内側には、左側壁5と接合壁10とを固着するための連結域17が形成されている。連結域17の周り方向の長さ寸法は、図4に仮想斜線で示すように、接合壁10の周り方向のそれと略同一である。接合壁10は、前壁2と左側壁5とを連結する糊代となる。連結域17では、接合壁10が左側壁5の外側に周り方向から重なって左側壁5の外面と接合壁10の内面とが当接し、それら壁5,10が接着剤(図示せず)を介して固着されている。この容器1Aは、それら壁2,3,4,5,9に囲繞された内部スペース18に所定の物品(図示せず)を入れた後、頂壁7とフラップ13,15とによって頂部開口6を閉じて使用する。
【0023】
後壁3と左右側壁4,5とには、壁破断用第1上ミシン線19と壁破断用第1下ミシン線20とが形成されている。それらミシン線19,20は、縦方向へ所定寸法離間し、互いに並行して周り方向へ直線状に延びている。ミシン線19,20は、周り方向へ間欠的に並ぶ多数のミシン孔によって作られた切取線である。後壁3と左右側壁4,5とは、それらミシン線19,20で破断可能である。ミシン線19,20の延びる方向におけるミシン孔の長さ寸法や周り方向へ隣り合うミシン孔どうしの離間寸法に特に限定はないが、この容器1Aではミシン線19,20の延びる方向におけるミシン孔の長さ寸法が0.15〜0.75mmの範囲にあることが好ましく、周り方向へ隣り合うミシン孔どうしの離間寸法が0.15〜0.5mmの範囲にあることが好ましい。ミシン線19,20で後壁3と左右側壁4,5とを破断すると、後壁3および左右側壁4,5がミシン線19の上方に延びる上部とミシン線20の下方に延びる下部とに二分されるとともに、それらミシン線19,20の間に延びる帯状部分21がそれら壁3,4,5から切り離され、帯状部分21がそれら壁3,4,5から分離する(図5参照)。右側壁4に延びる帯状部分21には、ミシン線19,20につながる切り込み線に囲まれた摘み22が形成されている。
【0024】
前壁2には、周り方向へ直線状に延びる折曲線23が形成されている。折曲線23は、右側壁4のミシン線19から延長されて側縁24(周壁の第1側縁)に達している。前壁2は、折曲線23を介して縦方向上下に折り曲げることが可能である。前壁2は、折曲線23の上方に延びる上部と折曲線23の下方に延びる下部とに区分されている。延長壁11は、後壁3につながって後壁3から縦方向上方へ延びている。延長壁11には、それを貫通する円形の貫通孔25が形成されている。
【0025】
接合壁10には、壁破断用第2上ミシン線26と壁破断用第2下ミシン線27とが形成されている。側縁24には、壁破断用第3ミシン線28が形成されている。それらミシン線26,27,28は、ミシン線19,20と同様に、間欠的に並ぶミシン孔によって作られた切取線である。接合壁10は、それらミシン線26,27,28を介して破断可能である。第2上下ミシン線26,27は、縦方向へ所定寸法離間対向し、互いに並行して周り方向へ直線状に延びている。ミシン線26は、ミシン線19の縦方向直上に近接位置している。ミシン線27は、ミシン線20の縦方向直下に近接位置している。ミシン線28は、ミシン線26,27の間に位置してそれらミシン線26,27につながり、側縁24に沿って縦方向へ延びている。ミシン線26,27,28の延びる方向におけるミシン孔の長さ寸法は、ミシン線19,20の延びる方向におけるミシン孔のそれよりも大きく、ミシン線26,27,28におけるミシン孔どうしの縦方向の離間寸法は、ミシン線19,20におけるミシン孔どうしの縦方向のそれよりも大きい。ミシン線26,27,28で接合壁10を破断すると、接合壁10がミシン線26の上方に延びる上部とミシン線27の下方に延びる下部とに二分されるとともに、それらミシン線26,27の間に延びる部分29が接合壁10から切り離され、部分29が接合壁10から分離する(図6参照)。
【0026】
接合壁10の側縁30(自由側縁)には、第2上ミシン線26の終端から周り方向内方へ凹む(側縁30から側縁24に向かって凹む)第1凹欠部31と、第2下ミシン線27の終端から周り方向内方へ凹む(側縁30から側縁24に向かって凹む)第2凹欠部32とが形成されている。凹欠部31は、第1上ミシン線19と第2上ミシン線26とにつながる第1斜辺33を有する。斜辺33は、第2上ミシン線26の縦方向直下に位置し、側縁30から側縁24に向かって(第1上ミシン線19から第2上ミシン線26に向かって)縦方向上方へ傾斜している。ミシン線19は、斜辺33のほぼ中央と交差している。凹欠部32は、第1下ミシン線20と第2下ミシン線27とにつながる第2斜辺34を有する。斜辺34は、第2下ミシン線27の縦方向直上に位置し、側縁30から側縁24に向かって(第1下ミシン線20から第2下ミシン線27に向かって)縦方向下方へ傾斜している。ミシン線20は、斜辺34のほぼ中央と交差している。斜辺33と斜辺34とは、互いの離間寸法が側縁30から側縁24に向かうにつれて次第に大きくなっている。
【0027】
図4の展開平面図では、図の横方向左方から横方向右方に向かって、接合壁10,前壁2,右側壁4,後壁3,左側壁5の順に並んでいる。頂壁7は、上端縁35を介して前壁2に連接され、前壁2から縦方向上方へ延びている。フラップ15は、端縁36を介して頂壁7に連接されている。接合壁10は、側縁24(周壁の第1側縁)を介して前壁2に連接され、前壁2から横方向外方へ延びている。底壁9は、下端縁37を介して前壁2と後壁3とに連接され、前後壁2,3から縦方向下方へ延びている。右側壁4は、側縁39を介して前壁2に連接され、側縁40を介して後壁3に連接されている。左側壁5は、側縁41を介して後壁3に連接されている。延長壁11は、後壁3に連接されている。フラップ13は、上端縁35を介して右側壁4と左側壁5とに連接され、それら壁4,5から縦方向上方へ延びている。フラップ14は、下端縁37を介して右側壁4と左側壁5とに連接され、それら壁4,5から縦方向下方へ延びている。
【0028】
図4の展開状態から図1の容器1Aに組み立てる手順は、以下のとおりである。接合壁10が前壁2に対して直交するように、接合部10を側縁24で折り曲げ、前壁2が右側壁4に対して直交するように、前壁2を側縁39で折り曲げる。右側壁4が後壁3に対して直交するように、右側壁4を側縁40で折り曲げ、後壁3が左側壁5に対して直交するように、後壁3を側縁41で折り曲げる。それら壁2,3,4,5,10を折り曲げた後は、接合壁10を左側壁5の外側に重ね合わせ、連結域17において互いに重なり合う左側壁5と接合壁10とを固着する。次に、底壁9が前後壁2,3に対して直交するように、それら底壁9を下端縁37で折り曲げ、フラップ14が左右側壁4,5に対して直交するように、それらフラップ14を下端縁37で折り曲げる。それら底壁9とそれらフラップ14とを折り曲げた後は、底壁9とフラップ14とを互いに係合させて底部開口8を閉じる。
【0029】
容器1Aでは、頂部開口6から内部スペース18に物品を入れた後、フラップ13が左右側壁4,5に対して直交するように、それらフラップ13を上端縁35で折り曲げる。次に、フラップ15が頂壁7に対して直交するように、フラップ15を端縁36で折り曲げ、頂壁7が前壁2に対して直交するように、頂壁7を上端縁35で折り曲げる。頂壁7とフラップ13とを折り曲げた後は、頂壁7をフラップ13の外面に重ね合わせるとともに、フラップ15を後壁3の内側から内部スペース18に挿通し、頂壁7とそれらフラップ13とで頂部開口6を閉じる。頂部開口6を閉じた容器1Aは、前壁2を前に向けた状態で棚に載置して陳列したり、貫通孔25にフックを挿通し、前壁2を前に向けた状態でフックに吊下げて陳列する。
【0030】
図5,6は、ミシン線19,20で壁3,4,5を破断する途中の図と、壁3,4,5,10から切り離された部分21,29を拡大して示す図とである。容器1Aの内部スペース18に収納された物品を取り出す手順は、以下のとおりである。摘み22を指で摘持してミシン線19,20の間に延びる帯状部分21を容器1Aの周り方向外方へ引っ張る。摘み22を摘持しながら帯状部分21を引っ張ると、右側壁4,後壁3,左側壁5の順にそれら壁3,4,5がミシン線19,20で次第に破断し、帯状部分21がそれら壁3,4,5から次第に切り離される。ミシン線19,20で左側壁5を破断していくと、壁5を破断する力が斜辺33,34を介してミシン線19,20からミシン線26,27に伝わる。連結域17では、左側壁5がミシン線19,20で破断されるとともに、接合壁10がミシン線26,27とミシン線28とで破断され、ミシン線26,27の間に延びる接合壁10の部分29と帯状部分21とが容器1Aから切り離され、それら部分21,29が容器1Aから分離する。それら部分21,29を容器1Aから分離した後は、折曲線23を軸として容器1Aの上部42を縦方向下方へ旋回させて内部スペース18を開け、スペース18に収納された物品を容器1Aから取り出す。
【0031】
容器1Aは、第1上下ミシン線19,20で左側壁5を次第に破断してゆくと、左側壁5とともに接合壁10がそこに形成された第2上下ミシン線26,27で破断し、第1上下ミシン線19,20間に延びる帯状部分21に引き連れられて接合壁10の第2上下ミシン線26,27間に延びる部分29が容器1Aから切り離されるから、左側壁5に形成されたミシン線19,20と接合壁10に形成されたミシン線26,27とが一致しなくても、それらミシン線19,20,26,27で左側壁5と接合壁10とを破断することができる。容器1Aは、それら壁3,4,5,10をミシン線19,20,26,27で破断すると、容器1Aがミシン線19から上方に延びる上部42とミシン線20から下方に延びる下部43とに二分され、折曲線23を軸として容器1Aの上部42を縦方向下方へ旋回させて内部スペース18を開けることができるから、頂壁7を開けなくてもスペース18に収容された物品を容器1Aから取り出すことができる。この容器1Aは、前壁2に折曲線23が形成されているから、容器1Aの上部42を折曲線23を軸として縦方向下方へ容易に旋回させることができる。
【0032】
容器1Aは、接合壁10に側縁30から周り方向内方へ凹む凹欠部31,32が形成され、凹欠部31が第1上ミシン線19と第2上ミシン線26とにつながる第1斜辺33を有し、凹欠部32が第1下ミシン線20と第2下ミシン線27とにつながる第2斜辺34を有するから、第1上下ミシン線19,20で左側壁5を破断する過程で、第1上ミシン線19に加えられた力が斜辺33を介してミシン線19から第2上ミシン線26に伝わるとともに、第1下ミシン線20に加えられた力が斜辺34を介してミシン線20から第2下ミシン線27に伝わり、帯状部分21に引き続いて第2上下ミシン線26,27の間に延びる部分29を接合壁10から容易に切り離すことができる。容器1Aは、第1上下ミシン線19,20の間に延びる帯状部分21と第2上下ミシン線26,27の間に延びる部分29とが容器1Aから分離されるから、それら壁3,4,5,10をミシン線19,20,26,27で破断した後、内部スペース18から物品を取り出すときに帯状部分21や部分29が邪魔になることがない。容器1Aは、収納した物品の名称や品質、効能等の宣伝文句を前壁2に印刷したとしても、前壁2にミシン線19,20が形成されていないから、宣伝文句がミシン線19,20によって見難くなることはなく、前壁2を前にして容器1Aを陳列したとしても、容器1Aの見た目が悪くなることはない。
【0033】
図7,8は、他の一例として示す容器1Bの斜視図と、左側壁5および接合壁10を示す容器1Bの側面図とであり、図9,10は、組み立て以前の状態で示す容器1Bの展開平面図と、3,4,5,10から切り離された部分21,29を拡大して示す図とである。図7,9では、縦方向を矢印Lで示し、周り方向(図9では横方向)を矢印Mで示す。容器1Bは、前後壁2,3および左右側壁4,5と、頂部開口6を開閉可能な頂壁7および下部開口8を塞ぐ底壁9と、接合壁10および延長壁11とを有し、それら壁2,3,4,5,7,9が略直角に交差する直方体(六面体)であり、側縁16(周壁の第2側縁)から内側に左側壁5と接合壁10とを固着するための連結域17が形成されている点において図1の容器1Aと同一である。この容器1Bが図1のそれと異なるのは、接合壁10が左側壁5の内側に重なっている点と、第2上ミシン線26が第1上ミシン線19の縦方向下方に位置している点と、第2下ミシン線27が第1下ミシン線20の縦方向上方に位置している点とであり、その他の構成は図1の容器1Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すことでこの容器1Bにおけるその他の構成の詳述は省略する。
【0034】
連結域17では、接合壁10が左側壁5の内側に周り方向から重なって左側壁5の内面と接合壁10の外面とが当接し、それら壁5,10が接着剤(図示せず)を介して固着されている。後壁3と左右側壁4,5とに形成された壁破断用第1上下ミシン線19,10は、縦方向へ所定寸法離間し、互いに並行して周り方向へ直線状に延びている。ミシン線19,20で後壁3と左右側壁4,5とをを破断すると、それら壁3,4,5がミシン線19の上方に延びる上部とミシン線20の下方に延びる下部とに二分されるとともに、それらミシン線19,20の間に延びる帯状部分21がそれら壁3,4,5から切り離され、帯状部分21がそれら壁3,4,5から分離する。前壁2に形成された折曲線23は、右側壁4のミシン線19から延長されて周り方向へ直線状に延び、側縁24に達している。
【0035】
接合壁10に形成された第2上下ミシン線26,27は、縦方向へ所定寸法離間対向し、互いに並行して周り方向へ直線状に延びている。ミシン線26は、ミシン線19の縦方向直下に近接位置している。ミシン線27は、ミシン線20の縦方向直上に近接位置している。側縁24に形成された第3ミシン線28は、ミシン線26,27の間に位置してそれらミシン線26,27につながっている。ミシン線26,27,28で接合壁10を破断すると、接合壁10がミシン線26の上方に延びる上部とミシン線27の下方に延びる下部とに二分されるとともに、それらミシン線26,27の間に延びる部分29が接合壁10から切り離され、部分29が接合壁10から分離する。
【0036】
接合壁10の側縁30(自由側縁)には、第2上ミシン線26の終端から周り方向内方へ凹む第1凹欠部31と、第2下ミシン線27の終端から周り方向内方へ凹む第2凹欠部32とが形成されている。凹欠部31は、第1上ミシン線19と第2上ミシン線26とにつながる第1斜辺33を有する。斜辺33は、第2上ミシン線26の縦方向直上に位置し、側縁30から側縁24に向かって縦方向下方へ傾斜している。ミシン線19は、斜辺33のほぼ中央と交差している。凹欠部32は、第1下ミシン線20と第2下ミシン線27とにつながる第2斜辺34を有する。斜辺34は、第2上ミシン線27の縦方向直下に位置し、側縁30から側縁24に向かって縦方向上方へ傾斜している。ミシン線20は、斜辺34のほぼ中央と交差している。斜辺33と斜辺34とは、互いの離間寸法が側縁30から側縁24に向かうにつれて次第に小さくなっている。
【0037】
図9の展開状態から図7の容器1Bに組み立てる手順は、以下のとおりである。接合壁10が前壁2に対して直交するように、接合部10を側縁24で折り曲げ、前壁2が右側壁4に対して直交するように、前壁2を側縁39で折り曲げる。右側壁4が後壁3に対して直交するように、右側壁4を側縁40で折り曲げ、後壁3が左側壁5に対して直交するように、後壁3を側縁41で折り曲げる。それら壁2,3,4,5,10を折り曲げた後は、接合壁10を左側壁5の内側に重ね合わせ、連結域17において互いに重なり合う左側壁5と接合壁10とを固着する。次に、底壁9が前後壁2,3に対して直交するように、それら底壁9を下端縁37で折り曲げ、フラップ14が左右側壁4,5に対して直交するように、それらフラップ14を下端縁37で折り曲げる。それら底壁9とそれらフラップ14とを折り曲げた後は、底壁9とフラップ14とを互いに係合させて底部開口8を閉じる。
【0038】
頂部開口6から内部スペース18に物品を入れた後、フラップ13が左右側壁4,5に対して直交するように、それらフラップ13を上端縁35で折り曲げる。次に、フラップ15が頂壁7に対して直交するように、フラップ15を端縁36で折り曲げ、頂壁7が前壁2に対して直交するように、頂壁7を上端縁35で折り曲げる。頂壁7とフラップ13とを折り曲げた後は、頂壁7をフラップ13の外面に重ね合わせるとともに、フラップ15を後壁3の内側から内部スペース18に挿通し、頂壁7とそれらフラップ13とで頂部開口6を閉じる。頂部開口6を閉じた容器1Aは、前壁2を前に向けた状態で棚に載置して陳列したり、貫通孔25にフックを挿通し、前壁2を前に向けた状態でフックに吊下げて陳列する。
【0039】
容器1Bの内部スペース18に収納された物品を取り出す手順は、以下のとおりである。摘み22を指で摘持してミシン線19,20の間に延びる帯状部分21を容器1Bの周り方向外方へ引っ張る。摘み22を摘持しながら帯状部分21を引っ張ると、右側壁4,後壁3,左側壁5の順にそれら壁3,4,5がミシン線19,20で次第に破断し、帯状部分21がそれら壁3,4,5から次第に切り離される(図5参照)。ミシン線19,20で左側壁5を破断していくと、壁5を破断する力が斜辺33,34を介してミシン線19,20からミシン線26,27に伝わる。連結域17では、左側壁5がミシン線19,20で破断されるとともに、接合壁10がミシン線26,27とミシン線28とで破断され、ミシン線26,27の間に延びる接合壁10の部分29と帯状部分21とが容器1Bから切り離され(図10参照)、それら部分21,28が容器1Bから分離する。それら部分21,28を容器1Bから分離した後は、折曲線23で容器1Bの上部42を縦方向下方へ旋回させて内部スペース18を開け、スペース18に収納された物品を容器1Bから取り出す。
【0040】
容器1Bは、第1上下ミシン線19,20で左側壁5を次第に破断してゆくと、左側壁5とともに接合壁10がそこに形成された第2上下ミシン線26,27で破断し、第1上下ミシン線19,20間に延びる帯状部分21に引き連れられて接合壁10の第2上下ミシン線26,27間に延びる部分29が容器1Bから切り離されるから、左側壁5に形成されたミシン線19,20と接合壁10に形成されたミシン線26,27とが一致しなくても、ミシン線19,20,26,27で左側壁5と接合壁10とを破断することができる。容器1Bは、それら壁3,4,5,10をミシン線19,20,26,27で破断すると、容器1Bがミシン線19から上方に位置する上部42とミシン線20から下方に延びる下部43とに分離され、折曲線23を軸として容器1Bの上部42を縦方向下方へ旋回させて内部スペース18を開けることができるから、頂壁7を開けなくてもスペース18に収容された物品を容器1Bから取り出すことができる。この容器1Bは、前壁2に折曲線23が形成されているから、容器1Bの上部42を折曲線23を軸として縦方向下方へ容易に旋回させることができる。
【0041】
容器1Bは、接合壁10の側縁30に凹欠部31,32が形成され、凹欠部31が第1上ミシン線19と第2上ミシン線26とにつながる第1斜辺33を有し、凹欠部32が第1下ミシン線20と第2下ミシン線27とにつながる第2斜辺34を有するから、第1上下ミシン線19,20で左側壁5を破断する過程で、第1上ミシン線19に加えられた力が斜辺33を介してミシン線19から第2上ミシン線26に伝わるとともに、第1下ミシン線26に加えられた力が斜辺34を介してミシン線20から第2下ミシン線27に伝わり、帯状部分21に引き続いて第2上下ミシン線26,27の間に延びる部分29を接合壁10から容易に切り離すことができる。容器1Bは、第1上下ミシン線19,20の間に延びる帯状部分21と第2上下ミシン線26,27の間に延びる部分29とが容器1Bから分離されるから、それら壁3,4,5,10をミシン線19,20,26,27で破断した後、容器1Bの内部スペース18から物品を取り出すときに帯状部分21や部分29が邪魔になることがない。容器1Bは、収納した物品の名称や品質、効能等の宣伝文句を前壁2に印刷したとしても、前壁2にミシン線19,20が形成されていないから、宣伝文句がミシン線19,20によって見難くなることはなく、前壁2を前にして容器1Bを陳列したとしても、容器1Bの見た目が悪くなることはない。
【0042】
図1,7に示す容器1A,1Bでは、前壁2が請求の範囲における第1周壁に相当し、後壁3が請求の範囲における第2周壁に相当するとともに、右側壁4が請求の範囲における第3周壁に相当し、左側壁5が請求の範囲における第4側壁に相当する。ただし、容器1A,1Bにおけるそれら壁2,3,4,5が請求の範囲における第1〜第4周壁を直ちに意味するものではなく、後壁3を第1周壁とし、前壁2を第2周壁とするとともに、右側壁4を第4周壁とし、左側壁5を第3周壁としてもよい。
【0043】
それら容器1A,1Bでは、側縁24に第3ミシン線28が形成されていなくてもよく、接合壁10の側縁30に第1および第2凹欠部31,32が形成されていなくてもよい。容器1A,1Bは、その材質に特に限定はなく、紙やプラスチックシート、紙とプラスチックシートをラミネートした複合シート等から作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】頂部開口を開けた状態の一例として示す容器の斜視図。
【図2】頂部開口を閉じた状態の容器の斜視図。
【図3】左側壁および接合壁を示す容器の側面図。
【図4】組み立て以前の状態で示す容器の展開平面図。
【図5】ミシン線で壁を破断する途中の図。
【図6】壁から切り離された部分を拡大して示す図。
【図7】他の一例として示す容器の斜視図。
【図8】側壁および接合壁を示す容器の側面図。
【図9】組み立て以前の状態で示す容器の展開平面図。
【図10】壁から切り離された部分を拡大して示す図。
【符号の説明】
【0045】
1A 物品収納容器
1B 物品収納容器
2 前壁
3 後壁
4 右側壁
5 左側壁
7 頂壁
9 底壁
10 接合壁
16 側縁(第2側縁)
17 連結域
19 壁破断用第1上ミシン線
20 壁破断用第1下ミシン線
21 帯状部分
23 折曲線
24 側縁(第1側縁)
26 壁破断用第2上ミシン線
27 壁破断用第2下ミシン線
28 壁破断用第3ミシン線
29 部分
30 側縁(自由側縁)
31 第1凹欠部
32 第2凹欠部
33 第1斜辺
34 第2斜辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周り方向へ延びる周壁と、前記周壁の縦方向上方に位置する頂壁と、前記周壁の縦方向下方に位置する底壁と、前記周壁の第1側縁から周り方向外方へ延出する接合壁とを有し、前記第1側縁の反対側に位置する前記周壁の第2側縁から内側に該周壁と前記接合壁とを固着する連結域が形成され、縦方向へ所定寸法離間並行して周り方向へ延びる一対の壁破断用第1上下ミシン線が前記周壁に形成された物品収納容器において、
前記連結域では、前記周壁の外面と前記接合壁の内面とが固着され、前記第1上下ミシン線が前記接合壁を除いた前記周壁に形成され、前記第1上ミシン線の縦方向直上に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2上ミシン線と前記第1下ミシン線の縦方向直下に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2下ミシン線とが前記接合壁に形成されていることを特徴とする前記容器。
【請求項2】
前記接合壁の自由側縁には、前記第2上ミシン線の終端から周り方向内方へ凹む第1凹欠部と前記第2下ミシン線の終端から周り方向内方へ凹む第2凹欠部とが形成され、
前記第1凹欠部が、前記第1および第2上ミシン線につながって前記自由側縁から前記第1側縁に向かって縦方向上方へ傾斜する第1斜辺を有し、前記第2凹欠部が、前記第1および第2下ミシン線につながって前記自由側縁から前記第1側縁に向かって縦方向下方へ傾斜する第2斜辺を有する請求項1記載の物品収納容器。
【請求項3】
周り方向へ延びる周壁と、前記周壁の縦方向上方に位置する頂壁と、前記周壁の縦方向下方に位置する底壁と、前記周壁の第1側縁から周り方向外方へ延出する接合壁とを有し、前記第1側縁の反対側に位置する前記周壁の第2側縁から内側に該周壁と前記接合壁とを固着する連結域が形成され、縦方向へ所定寸法離間並行して周り方向へ延びる一対の壁破断用第1上下ミシン線が前記周壁に形成された物品収納容器において、
前記連結域では、前記周壁の内面と前記接合壁の外面とが固着され、前記第1上下ミシン線が前記接合壁を除いた前記周壁に形成され、前記第1上ミシン線の縦方向直下に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2上ミシン線と前記第1下ミシン線の縦方向直上に近接して周り方向へ延びる壁破断用第2下ミシン線とが前記接合壁に形成されていることを特徴とする前記容器。
【請求項4】
前記接合壁の自由側縁には、前記第2上ミシン線の終端から周り方向内方へ凹む第1凹欠部と前記第2下ミシン線の終端から周り方向内方へ凹む第2凹欠部とが形成され、
前記第1凹欠部が、前記第1および第2上ミシン線につながって前記自由側縁から前記第1側縁に向かって縦方向下方へ傾斜する第1斜辺を有し、前記第2凹欠部が、前記第1および第2下ミシン線につながって前記自由側縁から前記第1側縁に向かって縦方向上方へ傾斜する第2斜辺を有する請求項3記載の物品収納容器。
【請求項5】
前記第2上下ミシン線間に延びる壁破断用第3ミシン線が、前記周壁の第1側縁に形成されている請求項1ないし請求項4いずれかに記載の物品収納容器。
【請求項6】
前記周壁が、互いに離間対向する第1および第2周壁と、前記第1および第2周壁の間に位置して互いに離間対向する第3および第4周壁とから形成され、前記容器が、前記頂底壁と前記第1〜第4周壁とが直角に交差する六面体であり、
前記接合壁が、前記第1周壁の側縁に連接され、前記連結域が、前記第4周壁の側縁から内側に形成され、前記第1上下ミシン線が、前記第1周壁を除く前記第2〜第4周壁に形成されている請求項1ないし請求項5いずれかに記載の物品収納容器。
【請求項7】
前記容器では、前記第1上ミシン線と前記第1下ミシン線とのいずれか一方から延長されて周り方向へ延びる折曲線が前記第1周壁に形成され、前記第2〜第4周壁と前記接合壁とを前記第1および第2上下ミシン線で破断したときに、前記折曲線から縦方向上方に位置する前記容器の上部が該折曲線を軸として縦方向上下に旋回可能である請求項6記載の物品収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−264722(P2006−264722A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83927(P2005−83927)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【出願人】(391018743)トーイン株式会社 (8)
【Fターム(参考)】