説明

物品収納確認装置、物品収納確認方法、及び物品収納確認プログラム

【課題】収納した物品の情報を、作業者が収納を行った時点で確認することができるようにする。
【解決手段】物品収納確認装置は、物品ごとに付された当該物品の識別性を示すタグを検出するタグ検出手段と、検出された前記タグの物品を収納、又は取り出しによって、当該物品の収納状態を管理する収納管理手段と、前記物品の収納状態の変化に基づいて、前記収納状態をユーザに出力する収納状態出力手段とを備える。これにより、誤って物品を収納したり、或いは取り出したりしても、作業者やユーザは即座にその内容を知ることができるので、すぐに物品の収納先を確認したり、収納内容を容易に確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納した物品の情報を作業者が収納を行った時点で確認できる物品収納確認装置、物品収納確認方法、及び物品収納確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、作業者が書類や書籍など物品を収納棚に収納する際に、その収納位置が正しい場所であるか否かについて、その場でシステム的に確認することができないという問題があった。
【0003】
また、複数の書類を同時に収納する際に、何枚収納したのか、作業者はその場ではすぐに確実に確認することができないという問題もあった。
【0004】
特に重要度の高い書類や物品の収納管理においては、不正な収納を収納作業時点で作業者に即座に通知することが望まれている。
【0005】
そこで、例えば、図書館などの書類毎に固有のICタグを貼り付けて、ICタグRWを内蔵した書類棚に格納したことをリアルタイムで検知する書籍管理システムが、特開2005−182352号公報に記載されている。
【0006】
この書籍管理システムでは、書籍の出し入れの履歴を、棚とは別のクライアントシステムで確認を行い、参照時間や回数を分析して書籍毎の消耗具合や人気統計情報を表示するようになっている。
【特許文献1】特開2005−182352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この従来の書籍管理システムでは、書籍を書棚に収納する作業者が何の書籍をどこに何冊収納したのかをその場で確認することができず、検知された書籍が収納されるべき正しい場所であり、かつ収納されるべき冊数であるかの結果について、クライアントシステムで別途確認しなければならないという欠点があった。
【0008】
特に雑誌などの薄い書籍を数十冊まとめて収納する場合は、作業者自身がその場で予定した冊数を格納完了したことが確認できず、システム側の検知数と作業者側の認識数を収納時点で一致させることができないという課題があった。
【0009】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、収納した物品の情報を、作業者が収納を行った時点で確認できる物品収納確認装置および物品収納確認方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る物品収納確認装置は、物品ごとに付された当該物品の識別性を示すタグを検出するタグ検出手段と、検出された前記タグの物品を収納、又は取り出しによって、当該物品の収納状態を管理する収納管理手段と、前記物品の収納状態の変化に基づいて、前記収納状態をユーザに出力する収納状態出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また本発明に係る物品収納確認装置は、前記物品の収納、又は取り出す予定を登録する物品登録予定手段を更に備えるようにしても良い。
【0012】
また本発明に係る物品収納確認装置は、前記物品登録予定手段が、登録された前記予定と、現在の前記物品の収納状態とを照合する収納予定照合手段を更に備え、当該照合した照合結果を、前記収納状態出力手段によってユーザに出力するようにしても良い。
【0013】
また本発明に係る物品収納確認装置は、前記収納状態に変化があった場合には、前記収納状態出力手段が画面出力、又は音声出力によって、リアルタイムに前記収納状態を前記ユーザに出力するようにしても良い。
【0014】
本発明に係る物品収納確認方法は、物品ごとに付された当該物品の識別性を示すタグを検出するタグ検出ステップと、検出された前記タグの物品を収納、又は取り出しによって、当該物品の収納状態を管理する収納管理ステップと、前記物品の収納状態の変化に基づいて、前記収納状態をユーザに出力する収納状態出力ステップとを備えたことを特徴とする。
【0015】
また本発明に係る物品収納確認方法は、前記物品の収納、又は取り出す予定を登録する物品登録予定ステップを更に備えるようにしても良い。
【0016】
また本発明に係る物品収納確認方法は、前記物品登録予定ステップが、登録された前記予定と、現在の前記物品の収納状態とを照合する収納予定照合ステップを更に備え、当該照合した照合結果を、前記収納状態出力ステップによってユーザに出力するようにしても良い。
【0017】
また本発明に係る物品収納確認方法は、前記収納状態に変化があった場合には、前記収納状態出力手段が画面出力、又は音声出力によって、リアルタイムに前記収納状態を前記ユーザに出力するようにしても良い。
【0018】
また本発明に係る物品収納確認プログラムは、上記方法をコンピュータに行わせるようにしても良い。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、物品に付されたタグを検出することより、物品が収納された状態をユーザに即座に知らせることができる。
【0020】
これによりユーザが、誤って物品を収納したり、或いは取り出したりしても、ユーザは即座にその内容を知ることができるので、すぐに物品の収納先を確認したり、物品の中身を容易に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1では、本発明による実施の形態として、物品収納確認装置の構成を示す概略図である。図1に示す物品収納確認装置は、収納装置100と、外部出力装置5と、管理端末6と、管理データベース7とを備えている。
【0022】
また、収納装置100と管理端末6と外部出力装置5とは、ネットワーク200を介して相互に接続されている。
【0023】
収納装置100は、物品1と、物品2と、物品3と、IC(Integrated circuit)タグaと、ICタグbと、ICタグcと、ICタグRW(Read Write)4とを収容している。
【0024】
ICタグaからcは、それぞれ物品1から3に識別用としてユニークなID(Identification)を含む形で貼り付けられたRFIF(Radio Frequency Interface)タグであり、収納装置100に収納される全ての物品に同様に貼り付けられている。
【0025】
ICタグRW4は、RF(Radio Frequency)IDタグのリーダであり、収納装置100に収容される形で設置されている。またICタグRW4は、物品1から3が収納された時点で即座にそのICタグaからcを読み込み、そのユニークなIDをネットワーク200を介して管理端末6に送信する機能を備えている。
【0026】
外部出力装置5は、収納装置の近くに設置されており、物品の収納情報を映像や音声などで知覚的に作業者に通知する機能を備えている。
【0027】
図2を参照すると管理端末6は、サーバー等の情報処理装置であり、ネットワーク200を介してICタグRW4が取得したICタグのユニークなID情報を受け取り、管理データベース7にリアルタイムに書き込む収納実績登録機能6aを備えている。
【0028】
また、管理端末6は、作業者が物品を収納する前に、収納予定している物品情報を管理データベース7に登録する収納予定登録機能6bを備えている。
【0029】
また、管理端末6は、前記収納実績登録機能6aと収納予定登録機能6bからそれぞれ管理データベース7に登録された情報を照合することにより、収納予定と収納実績の照合結果を、ネットワーク200を介して外部出力装置5に出力する収納照合機能6cを備えている。
【0030】
これにより、作業者は事前に収納を予定していた物品が、正しく収納装置100に収納できたかを映像や音声でその場で確認することができる。
【0031】
管理データベース7は、管理端末6に接続されており(図1参照、管理データベース7は内蔵されていても良い。)、収納実績登録機能6aからの登録内容である収納実績DB7aと、収納予定登録機能6bからの登録内容である収納予定DB7bを格納している。
【0032】
収納実績DB7aは、作業者が実際に収納した物品の情報、例えば物品毎のユニークIDとそれに紐付けられた物品名、収納状態、収納場所、データの更新日時が記録されている。
【0033】
収納予定DB7bは、作業者による収納を予定している物品の情報、例えば物品ごとのユニークIDとそれに紐付けられた物品名、収納場所、収納予定日時が記録されている。
【0034】
次に、図1から図6を参照して、本実施の形態の動作について詳細に説明する。
【0035】
まず前提条件として、収納装置100には、すでに物品2と、物品4と、物品5とが既に収納されていることとする。この時、収納実績DB7aには、管理端末6の収納実績登録機能6a(図2参照)を使って、物品2、物品4、物品5が「収納」状態で登録されている(図3参照)。また、物品1と物品3は、収納装置100に収納されておらず、「持出」状態で登録されている(図3参照)。
【0036】
ここで、作業者が、物品1と物品3を収納装置100に収納するまでのフローを図4を用いて説明する。
【0037】
まず作業者は、管理端末6の収納予定登録機能6a(図2参照)を使って、物品1と物品3を収納する場所と日時を、収納予定DB7bに登録する(ステップA1、図5参照)。
【0038】
収納予定日時は、入力した日時から1時間以内に収納するなどのルールを決めることができるようになっている。なお、特に予定日時を指定しなくて、すでに管理端末6に登録されている収納実績DB7aを見ることにより、作業者は、収納されている状態をいつでも確認することができるようになっている。
【0039】
次に作業者は物品1と物品3を収納装置100に収納すると(ステップA2)、収納装置100に収容されているICタグRW4は、物品1のICタグaと物品3のICタグcをリアルタイムに自動で読み取り、ネットワーク200を介して管理端末6にそれぞれのICタグから読み取ったユニークなID情報を送信する(ステップA3)。
【0040】
管理端末6は、受け取ったIDを収納実績として収納実績DBaに書き込み、物品1と物品3の状態を「持出」から「収納」に変更する(ステップA4)。
【0041】
同時に管理端末6は、収納照合機能6c(図2参照)を使って、受け取ったIDが収納予定DB7bに登録されているIDと同じであるか、つまり予定していた物品が予定していた日時と場所に収納されたかの照合を行い(ステップA5)、ネットワーク200を介して外部出力装置5にその結果を通知する(ステップA6)。
【0042】
外部出力装置5は、受け取った照合結果を出力し(ステップA7)、作業者はその情報を受けて正しく物品が収納されたことを確認する。
【0043】
ここで外部出力装置5は、ディスプレイ5a、ランプ5bの点灯、スピーカ5cからの音声、プリンタ5dからの印刷やそれらの組み合わせなどが使えるようになっている(図6参照)。
【0044】
ここで収納実績DB7aや収納予定DB7bに登録する情報は、ユニークID以外は任意の項目を入力でき、収納予定と収納実績の照合のルールも任意の設定を行うことができる。また、収納対象の物品も本実施例のように3個に限定されるものではなく、任意の数量を自由に設定し、使用することができる。
【0045】
このように、物品毎に貼り付けたICタグを活用することで、物品が収納されたことをリアルタイムに検知することができる。また、それを元に収納を予定していた物品と、実際に収納された物品の情報を比較を行い、作業者に収納直後にその結果を通知することができる。
【0046】
これにより、作業者が誤って物品を収納してもすぐにその内容を知ることができ、その場で物品を入れ直すなどの修正を行うことができるので、特に収納する物品の個数が多い場合や、書類単位などの細かい物品保管管理を行う際には、作業効率の向上と収納ミスの軽減に効果がある。
【0047】
さらに、物品のレンタル事業で本発明を活用すれば、レンタルをした消費者が自ら指定された場所にレンタル品を返却する用途にも使え、セルフサービスによる人件費の削減を行うことができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
【0048】
第2の実施の形態においては、管理端末6および管理データベース7を構成から外し、ICタグRW4で物品情報を読み取った際(ステップA3)に、直接外部出力にその内容を出力する点で前述した第1の実施の形態と異なる。
【0049】
第2の実施の形態では、作業者が物品を収納装置に収納した際に、先述の第1の実施の形態のように収納予定と収納実績を突合せる必要がなく、単に収納された物品のIDや数などICタグRW4で読み込んだICタグの情報だけから導き出される内容を、外部出力装置5に出力することで十分な場合に有効である。
【0050】
例えば薄い書類40枚をまとめて書棚に保管する場合、各書類に貼り付けられたICタグをICタグRW4で自動で読み込み、瞬時にディスプレイに「40枚収納」や棚の収納可能枚数から逆算して「残り25枚収納可能」という出力を行うことにより、作業者は、収納作業を効率化することができる。
【0051】
また外部出力装置5を、収納装置100に収容させることで、外部のネットワーク100を経由する必要がなくなり、物品の収納から結果の通知までのリアルタイム性を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明のさらに第3の実施の形態について説明する。
【0052】
第3の実施の形態においては、物品を収納装置100に収納するのではなく、収納装置100から取り出した際にその内容を、外部出力装置5に出力する点で前述した実施の形態と異なる。
【0053】
第3の実施の形態では、管理データベース7内に収納予定DB7bに対して取出予定DB7cを作成し、ステップA1の段階で作業者が取り出す予定の物品情報を登録する。また、ステップA2の段階で物品を収納装置100から取り出し、ステップA3の段階でICタグRW4が作業者によって取り出されて認識できなくなった物品のICタグを検出する。
【0054】
その後の動作は、前述した収納における過程と同様に、予定と実績の照合結果を外部出力装置5に出力する。
【0055】
これにより、収納装置100から不正に物品が取り出されていないかをその場で確認することができる。
【0056】
なお、本発明にかかる物品収納確認装置は、収納装置100と、外部出力装置5と、管理端末6と、管理データベース7とのハードウェアによって構成されていたが、本発明はこれに限らず、ソフトウェアによって本発明を実現してもよく、またこれらを組み合わせて実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施の形態による物品収納確認装置の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による管理端末の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による収納実績登録機能の一例である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による物品を収納するフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施の形態による収納予定登録機能の一例である。
【図6】本発明の第1の実施の形態による外部出力装置の一例である。
【符号の説明】
【0058】
1 物品
2 物品
3 物品
4 ICタグRW
5 外部出力装置
5a ディスプレイ
5b ランプ
5c スピーカ
5d プリンタ
6 管理端末
6a 収納実績登録機能
6b 収納予定登録機能
6c 収納照合機能
7 管理データベース
7a 収納実績DB
7b 収納予定DB
100 収納装置
200 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品ごとに付された当該物品の識別性を示すタグを検出するタグ検出手段と、
検出された前記タグの物品を収納、又は取り出しによって、当該物品の収納状態を管理する収納管理手段と、
前記物品の収納状態の変化に基づいて、前記収納状態をユーザに出力する収納状態出力手段と、
を備えたことを特徴とする物品収納確認装置。
【請求項2】
前記物品の収納、又は取り出す予定を登録する物品登録予定手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の物品収納確認装置。
【請求項3】
前記物品登録予定手段は、
登録された前記予定と、現在の前記物品の収納状態とを照合する収納予定照合手段を更に備え、
当該照合した照合結果を、前記収納状態出力手段によってユーザに出力することを特徴とする請求項2に記載の物品収納確認装置。
【請求項4】
前記収納状態に変化があった場合には、前記収納状態出力手段が画面出力、又は音声出力によって、リアルタイムに前記収納状態を前記ユーザに出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物品収納確認装置。
【請求項5】
物品ごとに付された当該物品の識別性を示すタグを検出するタグ検出ステップと、
検出された前記タグの物品を収納、又は取り出しによって、当該物品の収納状態を管理する収納管理ステップと、
前記物品の収納状態の変化に基づいて、前記収納状態をユーザに出力する収納状態出力ステップと、
を備えたことを特徴とする物品収納確認方法。
【請求項6】
前記物品の収納、又は取り出す予定を登録する物品登録予定ステップを更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の物品収納確認方法。
【請求項7】
前記物品登録予定ステップは、
登録された前記予定と、現在の前記物品の収納状態とを照合する収納予定照合ステップを更に備え、
当該照合した照合結果を、前記収納状態出力ステップによってユーザに出力することを特徴とする請求項6に記載の物品収納確認方法。
【請求項8】
前記収納状態に変化があった場合には、前記収納状態出力手段が画面出力、又は音声出力によって、リアルタイムに前記収納状態を前記ユーザに出力することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の物品収納確認方法。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに行わせるための物品収納確認プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−261740(P2007−261740A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88604(P2006−88604)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】