説明

物品搬送装置

【課題】物品を適切に搬送させることが可能な物品搬送装置を実現する。
【解決手段】物品を直進搬送させるために、搬送方向及び鉛直方向に振動する振動板と、カム機構によって前記振動板に前記搬送方向の振動を付与する、少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットと、カム機構によって前記振動板に前記鉛直方向の振動を付与する、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットと、を有する物品搬送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送させるための物品搬送装置に関する。特に、物品を直進搬送させるために、搬送方向及び鉛直方向に振動する振動板を備えた物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を直進搬送させるために、搬送方向及び鉛直方向に振動する振動板を備えた物品搬送装置は既に知られている。このような物品搬送装置では、例えば、カム機構により前記振動板に前記搬送方向及び鉛直方向の振動が付与される(例えば、特許文献1参照)。すなわち、前記カム機構により振動板が前記搬送方向及び鉛直方向に振動することにより、前記振動板上の物品が該振動板に対して相対滑りを起こす結果、当該物品は前記搬送方向へ搬送されるようになる。
【特許文献1】特開2006−199416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記振動板の、前記物品を載置する面(以下、載置面)の面積が拡張されるほど、該載置面に載置可能な物品量が増加するため、前記物品搬送装置の搬送能力が向上する。しかしながら、載置面の面積が拡張すると、前記振動板は適切に振動し難くなってしまう。すなわち、前記振動板に付与された振動が該振動板の各部へ伝達される間に減衰するため、前記振動板において、前記振動が付与された位置から離れるほど、該振動が適切に伝達されなくなる虞がある。特に、鉛直方向の振動は、減衰し易く、当該鉛直方向の振動が付与された位置から離れるほど適切に伝達されなくなる。この結果、前記振動板において振動ムラが生じ、前記載置面上の物品を適切に搬送することが困難となってしまう。
【0004】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、物品を適切に搬送させることが可能な物品搬送装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
主たる本発明は、物品を直進搬送させるために、搬送方向及び鉛直方向に振動する振動板と、カム機構によって前記振動板に前記搬送方向の振動を付与する、少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットと、カム機構によって前記振動板に前記鉛直方向の振動を付与する、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットと、を有することを特徴とする物品搬送装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
先ず、物品を直進搬送させるために、搬送方向及び鉛直方向に振動する振動板と、カム機構によって前記振動板に前記搬送方向の振動を付与する、少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットと、カム機構によって前記振動板に前記鉛直方向の振動を付与する、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットと、を有する物品搬送装置。
【0008】
かかる物品搬送装置には、減衰し易い鉛直方向の振動を付与する第二振動付与ユニットが少なくとも三台以上設けられているため、当該鉛直方向の振動が広範囲に亘って適切に伝達されるようになる。この結果、前記振動板における振動ムラが防止され、物品を適切に直進搬送させることが可能となる。
また、前記振動板は、前記物品を載置するための矩形状の載置面、を有し、該載置面の長手方向及び短手方向は水平方向に沿っており、前記搬送方向は、前記載置面の長手方向及び短手方向のうち、いずれかの方向に沿っていることとしてもよい。
【0009】
かかる場合、より汎用性の高い物品搬送装置を実現することが可能になる。
また、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットの中には、前記載置面の長手方向において、他の第二振動付与ユニットとは異なる位置にて前記振動板に振動を付与する第二振動付与ユニットと、前記載置面の短手方向において、他の第二振動付与ユニットとは異なる位置にて前記振動板に振動を付与する第二振動付与ユニットとが、それぞれ存在していることとしてもよい。
【0010】
かかる場合、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットにより付与される鉛直方向振動の伝達範囲が広がり、前記振動板における振動ムラへの防止効果が向上する。
また、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットの各々は、前記載置面の長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方向、における前記振動板の端部に振動を付与することとしてもよい。
【0011】
かかる場合、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットにより付与される鉛直方向の振動の伝達範囲がより広がり、前記振動ムラへの防止効果がさらに向上する。
また、前記少なくとも一台以上の第一振動付与ユニット、及び、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットを駆動するための単一の駆動モータが設けられていることとしてもよい。
【0012】
かかる場合、各第一振動付与ユニットの駆動、及び、各第二振動付与ユニットの駆動を同期させ易くなる。この結果、例えば、各振動の付与タイミングがずれた場合に生じる前記振動板のバタツキなど、物品搬送に対する悪影響の発生を防止することが可能になる。
また、前記少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットの各々は、前記搬送方向に振動可能な第一出力部であって、該第一出力部の上面にて前記振動板を固定支持する第一出力部と、前記第一出力部と前記振動板とを一体的に前記搬送方向に振動させるための第一カム機構と、を有し、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットの各々は、前記鉛直方向に振動可能な第二出力部であって、該第二出力部の上面にて前記振動板を固定支持する第二出力部と、前記第二出力部と前記振動板とを一体的に前記鉛直方向に振動させるための第二カム機構とを、を有することとしてもよい。
【0013】
かかる場合、前記振動板が第一出力部及び第二出力部に固定されているため、第一カム機構及び第二カム機構が、該第一出力部及び該第二出力部を介して、前記振動板を適切に振動させるようになる。
また、前記少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットが各々有する前記第一カム機構、に設けられた第一カムのカムプロファイルは、前記第一振動付与ユニット間で等しく、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットが各々有する前記第二カム機構、に設けられた第二カムのカムプロファイルは、前記第二振動付与ユニット間で等しくなっていることとしてもよい。
【0014】
前記載置面の各部における物品搬送速度は、当該各部における前記振動板の振動の振幅に依存する。上記の構成であれば、各第一振動付与ユニットが付与する前記搬送方向の振動の振幅が当該第一振動付与ユニット間で等しく、かつ、各第二振動付与ユニットが付与する鉛直方向の振動の振幅も当該第二振動付与ユニット間で等しい。この結果、前記各部における物品搬送速度が均一になり、物品をより適切に直進搬送させることが可能になる。また、各方向において各振動の振幅が等しい場合、前記振動板のバタツキの発生を防止することも可能になる。
【0015】
また、前記少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットが各々付与する前記搬送方向の振動の振動数が、前記第一振動付与ユニット間で等しく、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットが各々付与する前記鉛直方向の振動の振動数が、前記第二振動付与ユニット間で等しく、前記搬送方向の振動の振動数と前記鉛直方向の振動の振動数とが、互いに等しくなっていることとしてもよい。
【0016】
前記各部の物品搬送速度は、当該各部における前記振動板の振動の振動数にも依存する。上記の構成であれば、物品搬送速度の均一性がより向上し、物品をより一層適切に直進搬送させることが可能になる。
また、前記第一振動付与ユニットは1台のみ備えられていることとしてもよい。
【0017】
第一振動付与ユニットにより付与される搬送方向の振動は、鉛直方向の振動と比して、減衰し難いため、当該第一振動付与ユニットの台数は1台で充足する可能性が高い。上記の構成であれば、コスト面でより有利な物品搬送装置を実現することが可能になる。
【0018】
===物品搬送装置について===
本実施形態の物品搬送装置1の構成例及び動作例について説明する。なお、以下の説明において、機械部品や錠剤薬など、物品搬送装置1の搬送対象となる物を総称して、物品Wと呼ぶこととする。
【0019】
<<物品搬送装置の構成例>>
先ず、物品搬送装置1の構成例について図1を用いて説明する。図1は、当該物品搬送装置1の機器配置を模式的に示した図であり、上面側から見た機器配置(上図)と、側面側から見た機器配置(下図)とを各々示している。また、図1中、上図には、矢印にて、載置面11の長手方向と短手方向が示され、下図には、矢印にて、前記載置面11の長手方向と鉛直方向が示されている。
【0020】
本実施形態の物品搬送装置1は、物品を所定の搬送方向(図1の上図中、記号Fにて示された方向)に直進搬送させる装置であり、図1に示すように、振動板10と、一台の第一振動付与ユニット100と、三台の第二振動付与ユニット200と、駆動モータ300と、を有している。また、前記第一振動付与ユニット100、各前記第二振動付与ユニット200、及び、前記駆動モータ300は、図1の下図に示すように、ベース部材20上に固定されている。以下、上記の物品搬送装置1の各構成要素について説明する。
【0021】
<振動板10について>
振動板10について、既述の図1を用いて説明する。この振動板10は、図1の上図に示すように、矩形状の鋼板であり、その長手方向は前述した物品Wの搬送方向(以下、単に搬送方向)に沿っている。この振動板10は、その上表面に、物品Wを載置するための平坦な載置面11を備えている。当該載置面11は当然ながら矩形状であり、その長手方向は前記搬送方向に沿っていることとなる。また、本実施の形態では、前記載置面11の短手方向における長さ(すなわち、振動板10の幅)は比較的長いため、該載置面11に多量の物品Wを載置させることが可能である。このため、本実施形態の物品搬送装置1は多量の物品Wを一度に搬送することが可能である。
【0022】
一方、振動板10の下面は、後述する第一振動付与ユニット100の第一出力部120と第二振動付与ユニット200の第二出力部220に固定支持されている。そして、前記振動板10は、前記第一出力部120及び前記当該第二出力部220によって、前記搬送方向及び鉛直方向に振動可能に支持されている。ここで、鉛直方向とは、載置面11と直交する方向である。さらに、前記振動板10は、前記載置面11が略水平面となるように支持されている。すなわち、前記載置面11の長手方向及び短手方向は水平方向に略沿っている。また、前記搬送方向も水平方向に略沿っている。一方、前記鉛直方向は水平面と交差する方向となる。
【0023】
<第一振動付与ユニット100について>
次に、第一振動付与ユニット100の構成例及び動作例について、既述の図1と、図2とを用いて説明する。図2は第一振動付与ユニット100の内部構造を示す図である。また、同図中、左図には第一振動付与ユニット100の長さ方向(搬送方向に沿った方向)における中央部の断面図が、右図には該第一振動付与ユニット100の幅方向(搬送方向と交差する方向であって、載置面11の短手方向に沿った方向)における中央部の断面図が、それぞれ模式的に示されている。なお、図2中、左図には矢印にて鉛直方向が示されており、右図には矢印にて鉛直方向及び入力軸110の軸方向が示されている。
【0024】
第一振動付与ユニット100は、図1の下図に示すように、振動板10の下部に設けられており、その内部にはカム機構(すなわち、後述する第一カム機構140)が備えられている。そして、当該カム機構により、前記第一振動付与ユニット100は前記振動板10の下方から該振動板10に対して搬送方向の振動を付与する。なお、本実施形態の物品搬送装置1において、前記第一振動付与ユニット100は、前記振動板10の長手方向一端部であって、該振動板10の短手方向中央部の位置に1台のみ配置されている。
【0025】
第一振動付与ユニット100は、図2に示すように、入力軸110と、第一出力部120と、ハウジング130と、第一カム機構140と、ガイド部材150とを備えている。
【0026】
ハウジング130は、その内部に第一カム機構140等を収容するための略直方体状の筐体であり、ベース部材20上に固定されている。また、このハウジング130の天井壁には、略矩形状の開口が設けられている。
【0027】
入力軸110は、第一カム機構140を駆動させるために該入力軸110の中心軸回りに回転する軸である。本実施の形態において、入力軸110は、図2の右図に示すように、前記ハウジング130の側壁を貫通した状態で、該ハウジング130に軸受131を介して回転可能に支持されている。また、入力軸110の軸方向は第一振動付与ユニット100の長さ方向(すなわち、搬送方向)に沿っている。また、入力軸110の軸方向一端は、図1に示すように、軸継手302を介して、駆動モータ300の回転軸300aと連結している。したがって、当該駆動モータ300が起動して前記回転軸300aが回転すると、該駆動モータ300からの駆動力が前記軸継手302を介して前記入力軸110に伝達されることにより、該入力軸110は回転する。さらに、前記入力軸110の軸方向一端部には、前記駆動モータ300からの駆動力を他の振動付与ユニット(すなわち、第二振動付与ユニット200)に伝達させるためのプーリー304aが設けられている。また、入力軸110の軸方向他端部は、図1に示すように、軸継手302を介して、一台の第二振動付与ユニット200の入力軸210と連結している。
【0028】
第一出力部120は、前記ハウジング130の天井壁に設けられた開口を塞ぐ位置に配置された、該開口より一回り小さい矩形状の板部材である。この第一出力部120は、前記ハウジング130内において、前記入力軸110の軸方向(すなわち、搬送方向であって、図2の右図中、矢印にて示される方向)に往復動可能に支持されている。また、前記第一出力部120は、該第一出力部120の上面が前記ハウジング130の上端面より上方に位置した状態で、該上面にて前記振動板10を固定支持している。これにより、前記第一出力部120が前記入力軸110の軸方向に往復動することにより、前記振動板10は、該第一出力部120と一体的に前記搬送方向に振動するようになる。なお、図2の左図に示すように、前記第一出力部120の幅方向(すなわち、第一振動付与ユニット100の幅方向)における両端部は、直方体状のガイド部材150と隣接している。具体的に説明すると、当該ガイド部材150は、前記第一出力部120の幅方向における両端面と、前記ハウジング130の内壁面との間の隙間を埋めるように設けられている。そして、当該ガイド部材150が有する各面のうち、前記第一出力部120の幅方向の端面と対向する面(以下、対向面)は、前記入力軸110の軸方向及び鉛直方向に対して平坦な面となっている。そして、前記第一出力部120は、前記対向面に沿うように往復動するようになる。すなわち、前記第一出力部120は、前記ガイド部材150により、前記入力軸110の軸方向と交差する方向(すなわち、載置面11の短手方向)への移動を規制されながら、当該軸方向に移動するようになる。なお、第一出力部120とガイド部材150との間には潤滑油の油膜が形成されており、前記第一出力部120は円滑に前記軸方向へ往復動することが可能である。
【0029】
第一カム機構140は、前記第一出力部120を前記入力軸110の軸方向に往復動させるためのものである。換言すると、当該第一カム機構140は、前記第一出力部120を介して前記振動板10を前記搬送方向に振動させるためのものである。この第一カム機構140は、図2に示すように、前記入力軸110の回転に伴って回転する第一カム142と、該第一カム142と係合する一対の第一カムフォロア144と、を有している。
【0030】
第一カム142は円筒状のリブカムであり、前記第一出力部120の下方において、前記入力軸110の軸方向中央部に支持されている。そして、入力軸110が回転すると、第一カム142は該入力軸110と一体的に回転する。また、第一カム142の軸方向両端面には、全周に渡ってリブ状のカム面142a、142bが形成されている。当該カム面142a、142bは、図2の右図に示すように、前記入力軸110の軸方向に湾曲しており、前記軸方向の一端面に形成されたカム面142aと、前記軸方向の他端面に形成されたカム面142bとは、同一形状の曲面となっている。このようなカム面142a、142bの形状が、第一カム142のカムプロファイルを形成している。
【0031】
一対の第一カムフォロア144は一対の回転ローラであり、各々、第一出力部120の底部にて、鉛直方向に沿った中心軸回りに回転可能に支持されている。当該一対の第一カムフォロア144は、前記第一カム142を挟んだ状態で、前記カム面142a、142bに当接している。そして、各第一カムフォロア144の周面が前記カム面142a、142bと常時接触し、かつ、当該各第一カムフォロア144が前記カム面142a、142b上を転動可能となるように、第一カムフォロア144間の間隔が調整されている。
【0032】
上記構成の第一振動付与ユニット100の動作例について説明すると、先ず、入力軸110の回転に伴って、第一カム142が該入力軸110と一体に回転する。そして、一対の第一カムフォロア144が、回転状態の第一カム142に設けられたカム面142a、142bと接触状態を維持しながら、該カム面142a、142b上にて転動する。この際、前述したように、前記カム面142a、142bが前記入力軸110の軸方向において湾曲しているため、転動状態の前記一対の第一カムフォロア144は、各第一カムフォロア144の周面と前記カム面142a、142bとの接触位置が変化することに伴って、前記軸方向に往復動することとなる。これにより、当該一対の第一カムフォロア144を支持する第一出力部120が、前記ガイド部材150によって該第一出力部120の幅方向における移動を規制されながら前記軸方向に往復動する。この結果、当該第一出力部120に固定された振動板10が、前記第一出力部120と一体的に、前記軸方向に沿う方向、すなわち、搬送方向に振動するようになる。
【0033】
以上のような動作により、第一振動付与ユニット100は、前記振動板10に対して前記搬送方向の振動を付与するようになる。なお、前記第一出力部120の前記軸方向における移動間隔(換言すると、一対の第一カムフォロア144の前記軸方向における移動ストローク)が、前記第一振動付与ユニット100が付与する搬送方向の振動の振幅に相当する。
【0034】
<第二振動付与ユニットについて>
次に、第二振動付与ユニット200の構成例及び動作例について、既述の図1と、図3を用いて説明する。図3は第二振動付与ユニット200の内部構造を示す図であり、第二振動付与ユニット200の長さ方向(搬送方向に沿った方向)における中央部の模式断面図(図3A)と、該第二振動付与ユニット200の幅方向(搬送方向と交差する方向であって、載置面11の短手方向に沿った方向)における中央部の模式断面図(図3B)とが、それぞれ示されている。さらに、図3Aには、鉛直方向に上下動する第二出力部220が上死点に至った際の図(上図)と、下死点に至った際の図(下図)とが示されている。なお、図3Aには矢印にて鉛直方向が示されており、図3Bには矢印にて鉛直方向及び入力軸210の軸方向が示されている。
【0035】
第二振動付与ユニット200も、第一振動付与ユニット100と同様、振動板10の下部に設けられており、その内部にカム機構(すなわち、後述する第二カム機構240)が備えられている。そして、当該カム機構により、前記第二振動付与ユニット200は、前記振動板10の下方から該振動板10に対して鉛直方向の振動を付与する。なお、図1の上図に示すように、本実施形態の物品搬送装置1には、第二振動付与ユニット200が三台備えられている。また、本実施の形態では、図1に示すように、各第二振動付与ユニット200は、前記載置面11の長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方向、における前記振動板10の端部に鉛直方向の振動を付与する。具体的に説明すると、載置面11の短手方向一端部であって長手方向一端部である位置と、前記載置面11の短手方向他端部であって長手方向一端部である位置と、前記載置面11の短手方向中央部であって長手方向他端部である位置とに、それぞれ、第二振動付与ユニット200が設けられている。すなわち、各第二振動付与ユニット200は、前記載置面11の長手方向端部及び短手方向端部のうち、いずれか一方に該当する位置、若しくは、双方に該当する位置に配置されている。そして、各第二振動付与ユニット200は、上記の各位置にて振動板10に対して鉛直方向の振動を付与する。
【0036】
また、前記三台の第二振動付与ユニット200の中には、前記載置面11の長手方向において他の第二振動付与ユニット200とは異なる位置にて前記振動板10に振動を付与する第二振動付与ユニット200が存在している(換言すると、各第二振動付与ユニット200の配置位置は前記長手方向において揃っていない)。さらに、前記三台の第二振動付与ユニット200の中には、前記載置面の短手方向において他の第二振動付与ユニット200とは異なる位置にて前記振動板10に振動を付与する第二振動付与ユニット200も存在している(換言すると、各第二振動付与ユニット200の配置位置は前記短手方向においても揃っていない)。
【0037】
各第二振動付与ユニット200は、図3に示すように、入力軸210と、第二出力部220と、ハウジング230と、第二カム機構240と、ガイド部材250とを備えている。また、以上のような各第二振動付与ユニット200の構成機器の構造は、いずれも第二振動付与ユニット200間で同一である。
【0038】
ハウジング230は、その内部に後述する第二カム機構240等を収容するための略直方体状の筐体であり、ベース部材20上に固定されている。このハウジング230の天井壁には、第一振動付与ユニット100のハウジング130と同様、略矩形状の開口が設けられている。
【0039】
入力軸210は、第二カム機構240を駆動させるために、該入力軸210の中心軸回りに回転する軸である。この入力軸210は、第一振動付与ユニット100の入力軸110と同様、前記ハウジング230の側壁を貫通した状態で、該ハウジング230に軸受231を介して回転可能に支持され、その軸方向は第二振動付与ユニット200の長さ方向、すなわち、搬送方向に沿っている。そして、本実施の形態では、駆動モータ300の起動により第一振動付与ユニット100の入力軸110が回転すると、各第二振動付与ユニット200の入力軸210は、該第一振動付与ユニット100の入力軸110に連動して回転する。具体的に説明すると、図1の上図に示すように、三台の第二振動付与ユニット200のうち、二台の第二振動付与ユニット200の入力軸210には、プーリー304aが設けられている。当該プーリー304aは前記第一振動付与ユニット100の入力軸110側に設けられたプーリー304aと対を成している。そして、前記二台の第二振動付与ユニット200が各々有する入力軸210は、対を成した前記プーリー304a及び当該プーリー304a間に張架されたベルトから構成されるベルト伝動機構304、から駆動力を受けるようになる。一方、三台の第二振動付与ユニット200のうち、残り一台の第二振動付与ユニット200の入力軸210は軸継手302を介して前記第一振動付与ユニット100の入力軸110と連結している。以上のように、各第二振動付与ユニット200の入力軸210には、軸継手302及びベルト伝動機構304により、第一振動付与ユニット100の入力軸110の回転が伝動される。
【0040】
第二出力部220は、前記ハウジング130の天井壁に設けられた開口を塞ぐ位置に配置された部材である。当該第二出力部220は、図3Aに示すように、第二振動付与ユニット200の幅方向において前記開口よりも一回り小さい幅を有する上段部220aと、該上段部220aと隣接した該上段部220a及び前記開口より幅広な中段部220bと、該中段部220bと隣接した該中段部220bより幅が狭く前記上段部220aより幅広な下段部220cと、を備えている。なお、上段部220a、中段部220b、及び、下段部220cは、ともに略直方体状であり、前記第二振動付与ユニット200の長さ方向において前記開口より一回り小さい長さを備えている。さらに、下段部220cの底面には、後述する第二カムフォロア244を回転自在に支持するための支持部220dが備えられている。
【0041】
この第二出力部220は、前記ハウジング230内において、鉛直方向(すなわち、図3B中、矢印にて示される方向)に上下動可能に支持されている。また、前記第二出力部220は、該第二出力部220の上面が前記ハウジング230の上端面よりも上方に位置した状態で、該上面にて前記振動板10を固定支持している。これにより、前記第二出力部220が鉛直方向に往復動することによって、前記振動板10は該第二出力部220と一体的に鉛直方向に振動することとなる。なお、前記第二出力部220の幅方向(すなわち、第二振動付与ユニット200の幅方向)における両端側には、図3Aに示すように、直方体状のガイド部材250が設けられている。具体的に説明すると、当該ガイド部材250は、前記第二出力部220(より正確には、第二出力部220の下段部220c)の幅方向における両端面と、前記ハウジング130の内壁面との間の隙間を埋めるように設けられている。そして、当該ガイド部材250が有する面のうち、前記第二出力部220の幅方向における端面と対向する面(以下、対向面)は、前記入力軸210の軸方向及び鉛直方向に対して平坦な面となっている。そして、前記第二出力部220は、前記対向面に沿うように鉛直方向に上下動する。すなわち、前記第二出力部220は、前記ガイド部材250により、前記入力軸210の軸方向と交差する方向(すなわち、載置面11の短手方向)への移動を規制されながら、鉛直方向に移動するようになる。なお、第二出力部220とガイド部材250との間には潤滑油の油膜が形成されており、前記第二出力部220は円滑に鉛直方向へ上下動することが可能である。
【0042】
さらに、図3Aに示すように、前記上段部220aと前記中段部220bとの間に形成された段差には、バネ部材232の一端が固定されており、該バネ部材232により第二出力部220は下方に付勢されている。なお、当該バネ部材232の他端は、ハウジング230の内壁面のうち、前記段差と対向する面に固定されている。
【0043】
第二カム機構240は、前記第二出力部220を鉛直方向に上下動させるためのものである。換言すると、当該第二カム機構240は、前記第二出力部220を介して、前記振動板10を鉛直方向に振動させるためのものである。この第二カム機構240は、図3に示すように、前記入力軸210の回転に伴って回転する第二カム242と、該第二カム242と従動する第二カムフォロア244と、を有している。
【0044】
第二カム242は、外周面にカム面242aが形成された略三角形状の板カムであり、前記入力軸210の軸方向中央部に支持されている。そして、入力軸210が回転すると、第二カム242は該入力軸210と一体的に回転する。また、第二カム242が有するカム面242aは前記入力軸210の軸方向に対して平坦な周面であり、当該カム面242aの形状が第二カム242のカムプロファイルを形成している。なお、前述したように、各第二振動付与ユニット200の各構成機器の構造は第二振動付与ユニット200間で同一であるため、前記第二カム242のカムプロファイルも第二振動付与ユニット200間で等しくなっている。
【0045】
第二カムフォロア244は、前述した第二出力部220の支持部220dに回転自在に支持された回転ローラであり、その中心軸は前記入力軸210の軸方向に沿っている。また、前記バネ部材232の付勢力は、前記第二出力部220を介して、第二カムフォロア244に及んでいる。このため、該第二カムフォロア244は下方に付勢され、中心軸周りに回転可能な状態で前記第二カム242に押し当てられている。つまり、第二カムフォロア244の周面は前記カム面242aと常時接触しており、前記第二カム242が回転すると、該第二カムフォロア244は前記第二カム242に従動して、前記カム面242a上を転動するようになる。
【0046】
上記構成の第二振動付与ユニット200の動作例について説明すると、先ず、第一振動付与ユニット100の入力軸110の回転に連動して、前記第二振動付与ユニット200の入力軸210が回転し、該入力軸210と一体に第二カム242も回転する。そして、第二カムフォロア244は、バネ部材232の付勢力によって回転状態の第二カム242に押し当てられた状態で、該第二カム242のカム面242a上を転動する。この際、前述したように、前記第二カム242が略三角形状となっているため、該第二カムフォロア244の周面と前記カム面242aとの接触位置が変化することに伴って、転動状態の前記第二カムフォロア244が鉛直方向に上下動する。これに伴って、当該第二カムフォロア244を支持する第二出力部220も、前記ガイド部材250によって該第二出力部220の幅方向における移動を規制されながら鉛直方向に上下動する。この結果、当該第二出力部220に固定された振動板10も鉛直方向に振動するようになる。
【0047】
以上のような動作により、前記第二振動付与ユニット200は、前記振動板10に対して鉛直方向の振動を付与するようになる。なお、図3A中、上図に示された第二出力部220の位置(上死点)と、下図に示された位置(下死点)との間隔(換言すると、第二カムフォロア244の鉛直方向における移動ストローク)が、前記第二振動付与ユニット200が付与する鉛直方向の振動の振幅に相当する。そして、各第二振動付与ユニット200が有する第二カム242のカムプロファイルが第二振動付与ユニット200間で等しいため、当該各第二振動付与ユニット200により付与される鉛直方向の振動の振幅も、第二振動付与ユニット200間で等しくなっている。
【0048】
<駆動モータ300について>
駆動モータ300は、前記第一振動付与ユニット100及び前記第二振動付与ユニット200の各々を駆動させるためのモータ(より具体的には、第一振動付与ユニット100の入力軸110と、各第二振動付与ユニット200の入力軸210とを回転させるモータ)である。すなわち、本実施の形態では、一台の第一振動付与ユニット100と、三台の第二振動付与ユニット200は、共通の駆動源として前記駆動モータ300を利用している。
【0049】
また、前述したように、駆動モータ300の回転軸300aは軸継手302を介して前記第一振動付与ユニット100側の入力軸110と連結している。さらに、当該第一振動付与ユニット100の入力軸110の回転は、軸継手302やベルト伝動機構304を介して、各第二振動付与ユニット200の入力軸210に伝動される。つまり、本実施の形態では、前記駆動モータ300からの駆動力は、前記軸継手302やベルト伝動機構304により、前記第一振動付与ユニット100及び各前記第二振動付与ユニット200に伝達される。また、各入力軸110、210に設けられた各プーリー304aは互いに同径であり、当該入力軸110、210の回転数(すなわち、単位時間あたりの回転回数)が等しくなっている。また、前述したように、三台の第二振動付与ユニット200が各々有する第二カム242のカムプロファイルが第二振動付与ユニット200間で等しくなってため、各第二振動付与ユニット200において入力軸210が一回転する間に付与される鉛直方向の振動の回数も、当該第二振動付与ユニット200間で等しくなっている。さらに、本実施の形態では、第一振動付与ユニット100において入力軸110が一回転する間に付与される搬送方向の振動の回数と、各第二振動付与ユニット200において入力軸210が一回転する間に付与される鉛直方向の振動の回数とが等しくなるように、第一カム142及び第二カム242の各カムプロファイルが調整されている。この結果、前記第一振動付与ユニット100から付与される鉛直方向の振動の振動数と、前記第二振動付与ユニット200から付与される鉛直方向の振動の振動数と、が互いに等しくなっている。このように各方向の振動の振動数が互いに等しくなっている場合、各振動が同期するように当該各振動の付与タイミングが調整されると、載置面11に載置された物品Wが前記搬送方向に直進搬送されるように、前記振動板10は前記搬送方向及び鉛直方向に振動することとなる。これは、第一振動付与ユニット100及び各第二振動付与ユニット200が共通の駆動モータ300によって駆動され、かつ、前記各方向の振動の振動数が互いに等しくなっているため、前記各振動の付与タイミングが一度調整されると、以後、当該各振動は同期した状態を維持したまま前記振動板10に付与されるためである。換言すると、本実施形態の駆動モータ300は、第一振動付与ユニット100と各第二振動付与ユニット200とを同期させて駆動することが可能である。
【0050】
なお、本実施の形態では、第一振動付与ユニット100において入力軸110が一回転する間に付与される搬送方向の振動の回数と、各第二振動付与ユニット200において入力軸210が一回転する間に付与される鉛直方向の振動の回数とが等しくなっていることとしたが、これに限定されるものではない。両振動付与ユニット間において、入力軸110、210が一回転する間に付与される振動の回数が異なっていることとしてもよい。かかる場合、対を成したプーリー304aの径の比(すなわち、減速比)を調整することにより、第一振動付与ユニット100により付与される搬送方向の振動の振動数と、各第二振動付与ユニット200により付与される鉛直方向の振動の振動数とを等しくさせることが可能となる。具体例として、第一振動付与ユニット100において入力軸110が一回転する間に付与される搬送方向の振動の回数が3回であり、各第二振動付与ユニット200において入力軸210が一回転する間に付与される鉛直方向の振動の回数が4回である場合について説明する。かかる場合、第一振動付与ユニット100の入力軸110側に設けられたプーリー304aの径を、前記二台の第二振動付与ユニット200(図1の上図中、載置面11の長手方向一端側に配置された第二振動付与ユニット200)の入力軸210側に備えられたプーリー304aの径の3/4倍に設計すればよい。これにより、搬送方向の振動の振動数と、鉛直方向の振動の振動数とを等しくさせることが可能になる。
【0051】
<<物品搬送装置の動作例>>
次に、上記のように構成された物品搬送装置1の動作例について説明する。
先ず、振動板10の載置面11上の所定位置に物品Wが載置された状態で、駆動モータ300が起動すると、第一振動付与ユニット100の入力軸110と、第二振動付与ユニット200の入力軸210が同一の回転速度にて回転する。当該入力軸110、210の回転に伴い、前記第一振動付与ユニット100では第一カム機構140の駆動によって第一出力部120が搬送方向に往復動し、前記第二振動付与ユニット200では第二カム機構240の駆動によって第二出力部220が鉛直方向に上下動する。この結果、前記第一出力部120及び前記第二出力部220に固定支持された振動板10に、搬送方向の振動と鉛直方向の振動とが、それぞれ付与されるようになる。この際、三台の前記第二振動付与ユニット200が各々付与する鉛直方向の振動について、振動数及び振幅が第二振動付与ユニット200間で等しくなっている。また、前記第一振動付与ユニット100により付与される搬送方向の振動の振動数と、前記各第二振動付与ユニット200により付与される鉛直方向の振動の振動数とが互いに等しくなっている。このため、前述したように、前記各振動の付与タイミングが一度調整されると、以後、当該各振動は互いに同期した状態で前記振動板10に付与されるようになる。この結果、前記振動板10は前記搬送方向及び鉛直方向に振動する(より正確には、搬送方向及び鉛直方向によって規定される平面上で楕円運動を行う)。そして、振動板10の振動(すなわち、振動板10の楕円運動)によって、該振動板10の載置面11上の物品Wは該振動板10に対して相対滑りを起こし、当該相対滑り現象によって、前記物品Wが搬送方向に直進搬送されるようになる。
【0052】
===本実施の形態に係る物品搬送装置の有効性について===
上述した通り、本実施形態の物品搬送装置1は、物品Wを直進搬送させるために搬送方向及び鉛直方向に振動する振動板10と、第一カム機構140により前記振動板10に前記搬送方向の振動を付与する、少なくとも一台以上の第一振動付与ユニット100と、第二カム機構240により前記振動板10に前記鉛直方向の振動を付与する、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200とを有する物品搬送装置である。このような物品搬送装置であれば、前記振動板10における振動ムラが防止され、物品を適切に搬送することが可能となる。以下、本実施形態の物品搬送装置1の有効性について説明する。
【0053】
従来から、物品Wを直進搬送させるために搬送方向及び鉛直方向に振動する振動板を有し、該振動板10に対する物品Wの相対滑り現象を利用して当該物品Wを搬送する物品搬送装置は既に存在している。また、前記振動板として幅広の載置面を有する平板を備えている物品搬送装置も存在している。かかる物品搬送装置では、前記振動板の載置面に多量の物品Wを載置させることが可能であるため、当該多量の物品Wを一度に搬送させることが可能になる。つまり、載置面の面積が拡張するほど、物品搬送装置の物品搬送能力(単位時間当たりに搬送される物品Wの量)が向上することになる。
【0054】
しかしながら、載置面の面積が拡張されるほど、前記振動板が適切に振動し難くなってしまう。具体的に説明すると、前記振動板に付与された振動は、該振動板の各部へ伝達される間に減衰してしまう傾向にある。特に、鉛直方向の振動は、減衰し易く、当該鉛直方向の振動が付与された位置から離れるほど適切に伝達されない傾向にある。このため、例えば、前記振動板に鉛直方向及び搬送方向の振動を付与する振動装置(例えば、リニアフィーダなどの振動フィーダ)が物品搬送装置内に1台のみ用いられている場合、当該装置が振動を付与するために前記振動板と接触している面積(以下、接触面積)が前記載置面の面積に対して十分に確保されないため、前記振動板の、前記振動装置との接触位置から離れた部分には前記振動が適切に伝達されない虞がある。この結果、前記振動板において、適切に振動が伝達される部分と、振動が適切に伝達されない部分とが発生する現象、いわゆる振動ムラが生じてしまい、物品Wを適切に直進搬送させることが困難となっていた。
【0055】
これに対し、本実施の形態に係る物品搬送装置1では、減衰し易い鉛直方向の振動を付与する第二振動付与ユニット200が少なくとも三台以上(本実施の形態では、三台)設けられており、振動板10において当該鉛直方向の振動が広範囲に亘って適切に伝達されるようになる。これにより、幅広の載置面11を有する振動板10が備えられた場合であっても、前記振動ムラが防止され、物品Wを適切に直進搬送させることが可能になる。
【0056】
===物品搬送装置の変形例について===
上記の説明では、物品搬送装置に、一台の第一振動付与ユニット100と、三台の第二振動付与ユニット200とが備えられている場合(以下、本件例)について説明したが、前記第一振動付与ユニット100及び前記第二振動付与ユニット200の台数は上記の台数に限定されるものではない。
【0057】
具体的に説明すると、第二振動付与ユニット200は、少なくとも三台以上備えられていればよく、例えば、図4に示すように、第二振動付与ユニット200が四台備えられている場合(以下、第一変形例)も考えられる。図4は、第一変形例の物品搬送装置2の機器配置を上面側から模式的に示した図であり、図中、矢印にて振動板10の載置面11の長手方向及び短手方向が示されている。以下、第一変形例の物品搬送装置2の構成について説明する。なお、第一変形例の物品搬送装置2において、本件例と同様の構成になっている部分については説明を省略する。
【0058】
本変形例では、図4に示すように、各第二振動付与ユニット200が振動板10の角部に配置されている。換言すると、各第二振動付与ユニット200の第二出力部220が前記振動板10の各角部を固定支持している。なお、本変形例においても、四台の第二振動付与ユニット200が各々有する第二カム242のカムプロファイルは、第二振動付与ユニット200間で等しくなっている。このため、各第二振動付与ユニット200により付与される鉛直方向の振動について、その振幅と振動数は第二振動付与ユニット200間で等しくなっている。また、第一振動付与ユニット100から付与される鉛直方向の振動の振動数と、各第二振動付与ユニット200から付与される鉛直方向の振動の振動数とが等しくなっている。したがって、第一変形例においても、前記各振動の付与タイミングが一度調整されると、以後、当該各振動は互いに同期した状態で前記振動板10に付与される。換言すると、本変形例に係る駆動モータ300も、第一振動付与ユニット100と各第二振動付与ユニット200とを同期させて駆動することが可能である。
【0059】
このように第二振動付与ユニット200の台数が増加するほど、前記振動板10の振動ムラに対する防止効果をより向上させることが可能となる。さらに、第二振動付与ユニット200の台数が増加すると、該第二振動付与ユニット200による前記振動板10の支持箇所も増えるため、該振動板10が自重によって撓んでしまうことを、より効果的に抑制することが可能になる。かかる点では、第一変形例の物品搬送装置2の方が望ましい。但し、第二振動付与ユニット200の台数の増加に伴い、物品搬送装置の製造コストも上昇するため、コスト面を考慮すると、本件例に係る物品搬送装置1の方が望ましい。
【0060】
一方、第一振動付与ユニット100については、少なくとも一台以上備えられていればよく、例えば、図5に示すように、第一振動付与ユニット100が二台備えられている場合(以下、第二変形例)も考えられる。図5は、第二変形例の物品搬送装置3の機器配置を上面側から模式的に示した図であり、図中、矢印にて振動板10の載置面11の長手方向及び短手方向が示されている。以下、第二変形例の物品搬送装置3の構成について説明する。なお、第一変形例の場合と同様、第一変形例の物品搬送装置2において、本件例と同様の構成になっている部分については説明を省略する。
【0061】
本変形例では、図5に示すように、各第一振動付与ユニット100が、振動板10の長手方向中央部であって短手方向端部の位置に配置されている。なお、第二振動付与ユニット200は、第一変形例の場合と同様、四台備えられており、各第二振動付与ユニット200は振動板10の角部に配置されている。また、各第一振動付与ユニット100が有する各機器(例えば、第一カム機構140など)の構成は、第一振動付与ユニット100間で同様である。このため、各第一振動付与ユニット100が有する第一カム142のカムプロファイルは第一振動付与ユニット100間で等しくなっている。このため、当該各第一振動付与ユニット100が付与する搬送方向の振動について、その振幅と振動数が第一振動付与ユニット100間で等しくなっている。また、各第一振動付与ユニット100から付与される鉛直方向の振動の振動数は、各第二振動付与ユニット200から付与される鉛直方向の振動の振動数と等しくなっている。したがって、第二変形例においても、前記各振動の付与タイミングが一度調整されると、以後、当該各振動は互いに同期した状態で前記振動板10に付与される。換言すると、本変形例に係る駆動モータ300も、第一振動付与ユニット100と各第二振動付与ユニット200とを同期させて駆動することが可能である。
【0062】
このように第一振動付与ユニット100の台数が増加した場合も、該第一振動付与ユニット100による前記振動板10の支持箇所も増えるため、該振動板10の撓みの発生をより効果的に抑制することが可能になる。また、前記第一振動付与ユニット100の台数が増加した分、振動板10の振動ムラに対する防止効果も向上する(但し、搬送方向の振動は減衰し難く、前記第一振動付与ユニット100の台数は一台で充足する場合もある)。以上の点においては、第二変形例の物品搬送装置3の方が望ましい。一方、第一振動付与ユニット100の台数が増加すると、第一変形例のように、物品搬送装置の製造コストが高くなるため、コスト面を考慮すると、本件例に係る物品搬送装置1の方が望ましい。
【0063】
また、本件例においては、第一振動付与ユニット100及び第二振動付与ユニット200に個別のハウジング130、230が設けられている場合について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、図6に示すように、第一振動付与ユニット及び第二振動付与ユニットがハウジングを共有する場合(以下、第三変形例)も考えられる。図6は、第三変形例の物品搬送装置4の機器配置を示す模式断面図であり、当該機器配置を上面側から示すための断面(上図)と、側面側から示すための断面(下図)とが、それぞれ示されている。また、図6中、上図には、矢印にて、載置面11の長手方向と短手方向が示されており、下図には、矢印にて、前記載置面11の長手方向と鉛直方向とが示されている。以下、第三変形例の物品搬送装置4の構成について説明する。なお、第一変形例の物品搬送装置2に関しても、本件例と同様の構成になっている部分についての説明を省略する。
【0064】
本変形例では、図6に示すように、第一振動付与ユニット及び第二振動付与ユニット(以下、第三変形例の第一振動付与ユニット410、及び、第三変形例の第二振動付与ユニット420)に個別のハウジングが備えられてなく、単一のハウジング(以下、第三変形例のハウジング430)が設けられている。つまり、第三変形例のハウジング430内に、第一カム機構440と第二カム機構450とが、ともに収容されている。また、第三変形例では、図6に示すように、第一カム機構440、及び、一台の第三変形例の第二振動付与ユニット420(図6の上図中、載置面11の長手方向他端部に配置された第三変形例の第二振動付与ユニット420)が有する第二カム機構450、に対する共通の入力軸として、共通軸460が備えられており、当該共通軸460が軸継手302を介して駆動モータ300の回転軸300aと連結している。また、残り二台の第三変形例の第二振動付与ユニット420には、各々、個別の入力軸470が設けられており、ベルト伝動機構304により前記共通軸460の回転が各前記入力軸470へ伝動される。なお、前記共通軸460及び前記各入力軸470は、軸受431を介して前記第三変形例のハウジング430に支持されている。さらに、前記第三変形例のハウジング430の、前記第一カム機構440及び前記第二カム機構450の上方に位置した部分には開口が設けられ、各開口を塞ぐように、第三変形例の第一振動付与ユニット410の第一出力部412、及び、第三変形例の第二振動付与ユニット420の第二出力部422が設けられている。
【0065】
このように各振動付与ユニットに対して個別のハウジングを設けない代わりに、共通のハウジングを設けた場合、コスト面においてより有利な構成となる。かかる点では、第三変形例の物品搬送装置4の方が望ましい。但し、個別のハウジングが設けられている場合、第一振動付与ユニット及び第二振動付与ユニットの配置の調整を容易に行うことが可能である。かかる点においては、本件例の物品搬送装置1の方が望ましい。
【0066】
===その他の実施の形態===
以上、上記実施の形態に基づき、本発明に係る物品搬送装置を説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0067】
また、上記実施の形態では、振動板10は、該振動板10の載置面11が略水平面となるように支持されていることとしたが、例えば、前記載置面11が傾斜面となるように支持されていることとしてもよい。かかる場合、振動板10は搬送方向(載置面11の傾斜方向)、及び、傾斜した載置面11と交差する方向に振動することとなる。
【0068】
また、上記実施の形態では、振動板10が振動することにより、該振動板10の載置面11上の物品Wが前記搬送方向へ直進搬送されることとした。このとき、物品Wが搬送される方向は常に一定であることとしてもよい。あるいは、物品Wの搬送方向を規制するための規制部材(不図示)が前記載置面11上に設けられており、前記載置面11上において直進搬送してきた物品Wが前記規制部材に衝突すると、該規制部材が規制する方向に物品Wが搬送されることとしてもよい。すなわち、物品Wが搬送される方向が、前記規制部材との衝突によって変化することとしてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、物品Wの搬送方向が載置面11の長手方向に沿っていることとしたが、これに限定されるものではなく、前記載置面11の短手方向に沿っていることとしてもよい。さらに、前記搬送方向が前記載置面11の長手方向及び短手方向のいずれの方向にも沿わず、例えば、該載置面11の対角線方向に沿っていることとしてもよい。但し、前記搬送方向が載置面の長手方向又は短手方向に沿っている場合、より汎用性の高い物品搬送装置が実現されることとなる。具体的に説明すると、搬送方向が前記対角線方向に沿っている場合、該載置面11上を移動してきた物品Wの到達位置が広範囲に亘るため、搬送されてきた物品Wを回収するための回収スペースをより広く確保しなければならない。これに対し、搬送方向が載置面11の長手方向(短手方向)に沿っている場合、載置面11を移動してきた物品Wの到達位置は該載置面11の長手方向端部(短手方向端部)に限定されるため、搬送方向が前記対角線方向に沿っている場合と比して、前記回収スペースを広く確保する必要もない。かかる点において、上記実施の形態の方が望ましい。
【0070】
また、上記実施の形態では、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200の中には、前記載置面11の長手方向において、他の第二振動付与ユニット200とは異なる位置にて前記振動板10に振動を付与する第二振動付与ユニット200が存在することとした。さらに、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200の中には、前記載置面11の短手方向において、他の第二振動付与ユニット200とは異なる位置にて前記振動板10に振動を付与する第二振動付与ユニット200も存在していることとした。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、前記第二振動付与ユニット200の全てが、前記載置面11の長手方向又は短手方向において同一の位置に配置されていてもよい。但し、上記実施の形態であれば、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200により付与される振動(すなわち、鉛直方向の振動)の伝達範囲が広がる結果、前記振動板の振動ムラに対する防止効果も向上する。これにより、物品Wをより適切に直進搬送させることが可能になる。かかる点において、上記実施の形態の方が望ましい。
【0071】
また、上記実施の形態では、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200の各々は、前記載置面11の長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方向における前記振動板10の端部に振動を付与することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200の中に、前記載置面11の長手方向中央部であって短手方向中央部である位置において、該振動板10に振動を付与する第二振動付与ユニット200が存在してもよい。但し、上記実施の形態であれば、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200により付与される振動の伝達範囲がさらに広がり、前記振動板10の振動ムラに対する防止効果もより向上する結果、物品Wをより一層適切に直進搬送させることが可能になる。かかる点において、上記実施の形態の方が望ましい。
【0072】
また、上記実施の形態では、第一振動付与ユニット100及び第二振動付与ユニット200を駆動するための単一の駆動モータ300が設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、振動付与ユニット毎に駆動モータが設けられており、各駆動モータがサーボ制御されることとしてもよい。但し、上記実施の形態であれば、第一振動付与ユニット100と第二振動付与ユニット200とを同期させた状態で駆動することが、より容易になる。また、例えば、載置面11上における物品Wの搬送速度(以下、物品搬送速度)を調整するためには、駆動モータ300の回転軸300aの回転速度を調整すればよいこととなり、当該物品搬送速度の調整が容易になる。また、各振動の付与タイミングにズレが生じ難くなり、当該付与タイミングのズレに起因する前記振動板10のバタツキ等、物品の搬送に対する悪影響の発生が防止される。この結果、物品Wをより一層適切に直進搬送させることが可能となり、かかる点において、上記実施の形態の方が望ましい。
【0073】
また、前記振動板10が第一出力部120及び第二出力部220に固定支持され、第一カム機構140が該第一出力部120と前記振動板10とを一体的に搬送方向に振動させ、第二カム機構240が該第二出力部220と前記振動板10とを一体的に鉛直方向に振動することとした。但し、これに限定されるものではなく、前記振動板10が第一出力部120及び第二出力部220に固定されず、該第一出力部120の上面、及び、該第二出力部220の上面に載置されていることとしてもよい。但し、上記実施の形態であれば、振動板10が第一出力部120及び第二出力部220に固定されているため、第一カム機構140及び第二カム機構240が、該第一出力部120及び該第二出力部220を介して、前記振動板10を適切に振動させることが可能になる。かかる点において、上記実施の形態の方が望ましい。
【0074】
また、上記実施の形態では、少なくとも一台以上の第一振動付与ユニット100が各々有する第一カム142のカムプロファイルが、第一振動付与ユニット100間で等しいこととした。さらに、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200が各々有する第二カム242のカムプロファイルが、当該第二振動付与ユニット200間で等しいこととした。但し、これに限定されるものではなく、例えば、前記第一カム142のカムプロファイルが第一振動付与ユニット100間で異なっていてもよい。同様に、前記第二カム242のカムプロファイルが第二振動付与ユニット200間で異なっていることとしてもよい。但し、上記実施の形態であれば、物品Wをより適切に直進搬送させることが可能になる。具体的に説明すると、前記振動板10(より正確には、載置面11)の各部における物品搬送速度は、当該各部における該振動板10の振動の振幅に依存する。ここで、前記第一カム142のカムプロファイルが第一振動付与ユニット100間で等しくなっている場合、各第一振動付与ユニット100により付与される搬送方向の振動の振幅も、第一振動付与ユニット100間で等しくなる。同様に、前記第二カム242のカムプロファイルが第二振動付与ユニット200間で等しくなっている場合、各第二振動付与ユニット200により付与される鉛直方向の振動の振幅も、第二振動付与ユニット200間で等しくなる。この結果、振動板10の各部における物品搬送速度が均一となり、当該物品搬送速度が相違することによって発生する搬送ムラ(載置面11上の物品Wが局所的に搬送方向に搬送されなくなる現象)も抑制される。さらに、各方向における振動の振幅が相違することによって発生する振動板10のバタツキも抑制される。この結果、物品Wをより適切に直進搬送させることが可能になる点において、上記実施の形態の方が望ましい。
【0075】
また、上記実施の形態では、少なくとも一台以上の第一振動付与ユニット100の各々が付与する搬送方向の振動の振動数が当該第一振動付与ユニット100間で等しく、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニット200の各々が付与する鉛直方向の振動の振動数が当該第二振動付与ユニット200間で等しくなっている場合について説明した。さらに、前記搬送方向の振動の振動数と前記鉛直方向の振動の振動数とが互いに等しくなっていることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、搬送方向の振動の振動数と鉛直方向の振動の振動数とが互いに異なっていてもよい。また、前記搬送方向の振動の振動数が第一振動付与ユニット100間で異なっていてもよい。さらに、鉛直方向の振動の振動数も第二振動付与ユニット200間で異なっていてもよい。
【0076】
但し、上記実施の形態であれば、物品Wをより適切に直進搬送させることが可能となる。具体的に説明すると、前述した各部の物品搬送速度は、当該各部における振動板10の振動の振動数にも依存する。このため、前記各部に付与される各振動の振動数が等しければ、前記物品搬送速度の均一性がより向上し、搬送ムラの発生も防止される結果、物品Wをさらに適切に直進搬送させることが可能になる。さらに、前述したように、各方向の振動の振動数が互いに等しくなっている場合、各振動が同期するように当該各振動の付与タイミングが調整されると、載置面11に載置された物品Wが前記搬送方向に直進搬送されるように、前記振動板10は適切に搬送方向及び鉛直方向に振動することとなる。以上の点において、上記実施の形態の方が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】物品搬送装置1の機器配置を模式的に示した図である。
【図2】第一振動付与ユニット100の内部構造を示す図である。
【図3】第二振動付与ユニット200の内部構造を示す図である。
【図4】第一変形例の物品搬送装置2の機器配置を模式的に示した図である。
【図5】第二変形例の物品搬送装置3の機器配置を模式的に示した図である。
【図6】第三変形例の物品搬送装置4の機器配置を模式的に示した図である。
【符号の説明】
【0078】
1 物品搬送装置、
2 第一変形例の物品搬送装置、
3 第二変形例の物品搬送装置、
4 第三変形例の物品搬送装置、
10 振動板、11 載置面、20 ベース部材、
100 第一振動付与ユニット、110 入力軸、
120 第一出力部、130 ハウジング、
131 軸受、140 第一カム機構、
142 第一カム、142a、142b カム面、
144 第一カムフォロア、150 ガイド部材、
200 第二振動付与ユニット、210 入力軸、
220 第二出力部、220a 上段部、
220b 中段部、220c 下段部、
220d 支持部、230 ハウジング、
231 軸受、232 バネ部材、
240 第二カム機構、242 第二カム、
242a カム面、244 第二カムフォロア、
250 ガイド部材、300 駆動モータ、
300a 回転軸、304 ベルト伝動機構、
304a プーリー、
410 第三変形例の第一振動付与ユニット、
412 第一出力部、
420 第三変形例の第二振動付与ユニット、
422 第二出力部、
430 第三変形例のハウジング、431 軸受、
440 第一カム機構、450 第二カム機構、
460 共通軸、470 入力軸、
W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を直進搬送させるために、搬送方向及び鉛直方向に振動する振動板と、
カム機構によって前記振動板に前記搬送方向の振動を付与する、少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットと、
カム機構によって前記振動板に前記鉛直方向の振動を付与する、少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットと、
を有することを特徴とする物品搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物品搬送装置において、
前記振動板は、
前記物品を載置するための矩形状の載置面、を有し、
該載置面の長手方向及び短手方向は水平方向に沿っており、
前記搬送方向は、前記載置面の長手方向及び短手方向のうち、いずれかの方向に沿っていることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の物品搬送装置において、
前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットの中には、
前記載置面の長手方向において、他の第二振動付与ユニットとは異なる位置にて前記振動板に振動を付与する第二振動付与ユニットと、
前記載置面の短手方向において、他の第二振動付与ユニットとは異なる位置にて前記振動板に振動を付与する第二振動付与ユニットと、
が、それぞれ存在していることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の物品搬送装置において、
前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットの各々は、
前記載置面の長手方向及び短手方向のうちの少なくとも一方向、における前記振動板の端部に振動を付与することを特徴とする物品搬送装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の物品搬送装置において、
前記少なくとも一台以上の第一振動付与ユニット、及び、前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットを駆動するための単一の駆動モータが設けられていることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の物品搬送装置において、
前記少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットの各々は、
前記搬送方向に振動可能な第一出力部であって、該第一出力部の上面にて前記振動板を固定支持する第一出力部と、
前記第一出力部と前記振動板とを一体的に前記搬送方向に振動させるための第一カム機構と、を有し、
前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットの各々は、
前記鉛直方向に振動可能な第二出力部であって、該第二出力部の上面にて前記振動板を固定支持する第二出力部と、
前記第二出力部と前記振動板とを一体的に前記鉛直方向に振動させるための第二カム機構とを、を有することを特徴とする物品搬送装置。
【請求項7】
請求項6に記載の物品搬送装置において、
前記少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットが各々有する前記第一カム機構、に設けられた第一カムのカムプロファイルは、前記第一振動付与ユニット間で等しく、
前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットが各々有する前記第二カム機構、に設けられた第二カムのカムプロファイルは、前記第二振動付与ユニット間で等しくなっていることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の物品搬送装置において、
前記少なくとも一台以上の第一振動付与ユニットが各々付与する前記搬送方向の振動の振動数が、前記第一振動付与ユニット間で等しく、
前記少なくとも三台以上の第二振動付与ユニットが各々付与する前記鉛直方向の振動の振動数が、前記第二振動付与ユニット間で等しく、
前記搬送方向の振動の振動数と前記鉛直方向の振動の振動数とが、互いに等しくなっていることを特徴とする物品搬送装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の物品搬送装置において、
前記第一振動付与ユニットは1台のみ備えられていることを特徴とする物品搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−213963(P2008−213963A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49756(P2007−49756)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(390006585)株式会社三共製作所 (46)
【Fターム(参考)】