説明

特に有価文書又はセキュリティ書類といった文書、情報入力方法、コンピュータプログラムプロダクト、及び読出し装置

本発明は、入射される照射光(106、128)を情報により光変調する手段(110、138、146、160)を形成する領域(108)と、領域の後方に配置され、光情報を獲得する照射光感知マトリクス(112、114、154、156、158)と、情報が入力される回路(116、118、122、136)とを含む文書に係る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に有価文書又はセキュリティ書類といった文書、文書の回路に情報を入力する方法、対応するコンピュータプログラム、及び読出し装置に係る。
【背景技術】
【0002】
集積電子回路を有する文書は、様々な形式で現水準の技術から一般に知られている。このような文書は、例えば、旅券といった紙に基づいた形式や、特にいわゆるスマートカードといったチップカードの形式で主に存在し、接触型若しくは非接触型、又は、デュアルインターフェイスの設計を有する。
【0003】
このような文書用の様々な無線認識システムは、現水準の技術から特に既知であり、無線周波数識別(RFID)システムとも呼ばれる。従来のRFIDシステムは、一般に、少なくともトランスポンダと送受信器ユニットとを含む。トランスポンダは、RFIDマーカ、RFIDチップ、RFIDタグ、RFIDラベル、又は無線ラベルとも呼ばれる。送受信器ユニットは、読出し装置又はリーダーと呼ばれる。更に、サーバ、サービス、及び、レジシステム又は商品管理システムといった他のシステムとの統合もしばしばいわゆるミドルウェアを介して考えられている。
【0004】
RFIDトランスポンダ上に格納されているデータは、無線波を介して入手することができる。これは、低周波では近距離で誘導的に行われ、高周波では遠距離電磁場を介して行われる。RFIDトランスポンダがアドレスされ読取られることが可能である距離は、設計(アクティブ/パッシブ)、使用周波数バンド、電磁場強度、及び他の環境的な影響に応じて、数センチメートルから1キロメートル以上と異なりうる。
【0005】
RFIDトランスポンダは、通常、マイクロチップとアンテナを含み、これらは、ハウジング内の担体上に配置されるか又は基板上にプリントされる。アクティブRFIDトランスポンダは更に、電池といったエネルギー源も含む。
【0006】
RFIDトランスポンダは、様々な文書、特にチップカードにおいて、例えば電子財布又は電子チケット発券の実現のために使用されるか、例えば有価及びセキュリティ書類といった紙、特に銀行手形及び身元確認文書に組み込まれることが可能である。
【0007】
例えば、独国実用新案登録第20100158号からは、例えば、身元確認及びセキュリティカードが公知であり、このカードは、ラミネート及び/又はダイキャスト加工されたプラスチックから形成され、RFID方法を実施するための集積半導体及びアンテナを含む。独国特許出願公開第102004008841号からは更に、例えば、トランスポンダユニットを含む旅券ブックといったブック型の有価書類が公知となっている。
【0008】
現水準の技術では、このようなセキュリティ又は有価書類は時にチップカードとして実現される。これらには、例えば、RFIDインターフェイスといった接触型又は非接触型インターフェイスや、チップカード端末との有線及び無線通信の両方を可能にするインターフェイスが具備される。後者の場合、デュアルインターフェイスチップカードと呼ばれる。チップカード通信プロトコル及び方法は、例えば、国際標準規格ISO14443に定義される。
【0009】
RFID機能を有する上記の文書の不都合な点は、例えば、その文書が所有者の財布の中にある場合に所有者の合意なくRFIDインターフェイスがアドレスされてしまうことが可能である点である。そのような文書からデータを無許可で読出しすることに対し保護する保護メカニズムは、「基本アクセス制御」と呼ばれる(「Machine Readable Travel Document」、Technical Report、PKI for Machine Readable Travel Documents Offering ICC Read-Only Access、第1.1版、2004年10月1日発行、International Civil Aviation Organization インターネット<http://www.icao.int/mrtd/download/documents/TR-PKI%20mrtds%20ICC%20read-only%20access%20v1_1.pdf>参照)。
【0010】
独国特許出願公開第19921335号からは、例えば、クレジットカード、銀行手形、又は、光学セキュリティ特徴を照明するためのマイクロレンズを含む入場チケットといったデータ担体が公知である。データ担体から反射され曲げられた光は、2つの追加の反射マイクロレンズを有するシステムにより表示される。中間面では、この像は検出器及びフィルタによって、所望の入射分布が決められた射出分布となるよう操作されうる。
【0011】
一方で、本発明の課題は、回路を有する改善された文書、そのような文書内に組み込まれるマイクロプロセッサによる実施のためのそのような文書の回路への情報の入力方法、対応するコンピュータプログラムプロダクト、及び読出し装置を提供することに基づく。
【0012】
本発明では、例えば、光マスクの実装のための領域を有する文書が作成される。この領域の後方に、光情報の収集のための照射光感知マトリクスが配置される。更に、文書は、収集された光情報の入力のための回路、特に集積電子回路を有する。
【0013】
本願において、これらの光学的な要素は、入射される照射光を光情報により変調させる光マスクとして理解するものとする。入射される照射光は、照射光強度の位置依存型変調、及び/又は、照射光の屈曲により変調される。
【0014】
文書は、例えば、有価又はセキュリティ文書、特に、例えば、銀行手形、クレジットカード、又は類似物といった支払手段、旅券、身分証明書、査証、運転免許証、又は類似物といった身分証明書類、及び/又はチップカードでありうる。
【0015】
文書は、例えば、旅券及び身分証明書発行局、運転免許証発行局、又は類似の機関に、分散管理的にパーソナライゼーションを行うべく空白の状態で持ち込まれうる。これらの発行局において、上述した領域内にパーソナライゼーションが施され、それにより、光マスクが形成される。一方で、パーソナライゼーションは、文書の製造時に集中管理的に行われることも可能である。
【0016】
本発明の一実施形態では、光マスクが形成される領域は、特定周波数範囲における照射光を基本的に透過する。これは、特定周波数の照射光の相対的に高い部分が領域を透過して照射光感知マトリクスに到達することができることを意味する。上記の領域内に光マスクが形成されると、上記の領域は、光マスクによって部分的に覆われることになる。このとき、マスクは特定周波数の照射光を基本的に透過しないので、上記の領域においてマスクにより覆われた部分は、上記の領域を通り照射光感知マトリクスに到達する特定周波数の照射光は全くないか、あったとしてもほんの少量である。従って、マスクは、特定周波数範囲を透過させる領域と、例えば、黒くされて不透明である他の領域とから構成され、個々の領域は、1画素に対応することができる。
【0017】
本発明の一実施形態では、パーソナライゼーションのための領域は、レーザーによって、例えば、レーザー照射光吸収顔料、特に、金属又は金の顔料、例えば、イリオジン(Iriodin)又はレーザーフレア(Lazerflair)顔料といったいわゆるレーザーイニシエータを含む(http://www.merck-pigments.com/servlet/PB/show/1129890/E_effekte_02_2003.pdf参照)。
【0018】
本発明の一実施形態では、光マスクは、上記の領域上にインプリントされることが可能である。
【0019】
本発明の一実施形態では、光マスクは、ホログラムを含みうる。
【0020】
本発明の一実施形態では、光マスクは、上記の領域に衝突する照射光の強度変調のために形成され、光情報により照射光が変調される。或いは、又は、追加的に、マスクは、上記の領域に光情報を含む照射光が衝突することにより照射光感知マトリクス上に屈曲パターンが展開するよう回折特性を有してもよい。
【0021】
本発明の一実施形態では、光マスクは、照射光のある周波数範囲を反射するよう基本的に作用する。この照射光の周波数範囲は、マスクに覆われていない場所においては、上記の領域を透過する。この実施形態では、フィルタが、光マスクの領域と照射光感知マトリクスとの間に配置され、このフィルタは、基本的に特定の周波数部分しか通さない。従って、上記の領域のマスクのない部分に衝突する照射光の特定周波数部分のみが照射光感知マトリクスに到達する。照射光感知マトリクスは、この特定周波数範囲に特に反応するよう形成されることが好適である。このような配置により、光情報の収集に対する信号対雑音比(SNR)を改善することができる。
【0022】
本発明の一実施形態では、照射光感知マトリクスは、フォトダイオードマトリクス、又は、電荷結合デバイス(CCD)マトリクスでありうる。
【0023】
本発明の一実施形態では、照射光感知マトリクスは、特定周波数領域を透過し、第1の方向に整列される複数の第1の電極と、第2の方向において整列される複数の第2の電極とを有する。第1の方向と第2の方向は、例えば、互いに垂直である。第1の電極と第2の電極との間には、光伝導体が配置される。複数のイメージポイントが、第1の電極と第2の電極との交差点により定められ、また、これらのイメージポイントは、好適なドライバ回路及び/又はドライバソフトウェアにより照射光感知マトリクスを制御することにより読出しされる。上記の特定周波数領域は、マスクの透明領域を透過する照射光の当該部分の範囲にある必要がある。
【0024】
本発明の一実施形態では、文書は、照射光感知マトリクスに支援されて収集された光情報の記憶のための電子記憶ユニットを有する。
【0025】
本発明の一実施形態では、文書は、照射光感知マトリクスに支援されて獲得された光情報を処理する論理回路、好適には、マイクロプロセッサを有する。光マトリクスが、例えば、バーコードにより形成される場合、マイクロプロセッサは、収集された光情報からバーコード情報を回収することができる。
【0026】
本発明の一実施形態では、文書は、参照用情報を格納する電子記憶ユニットと、参照用情報と収集された光情報との一致について検証する手段とを有する。これにより、参照用情報と収集された光情報とが一致する場合にのみ文書の使用が許可されるのでセキュリティ機能を実装することができる。このセキュリティ機能によって、有価及びセキュリティ文書の改ざんに対するセキュリティを向上することができる。
【0027】
本発明の一実施形態では、文書は、回路への直接的又は間接的なエネルギー供給のために照射光から電気エネルギーを生成する手段を有する。このために、例えば、文書内にフォトセルを組み込むことにより光電効果を利用することができる。フォトセルは、回路に電気エネルギーを直接供給する、及び/又は、再充電可能な電池に電気エネルギーを直接供給することができる。後者の場合、文書の機能は、照射光源がない場合でも使用することができるようになる。
【0028】
本発明の一実施形態では、文書は、電気記憶ユニットのアクセス保護としての暗号化手段を有する。従って、電子記憶ユニットへの書込み又は読出しアクセスは、例えば、事前に暗号化プロトコルが完了している場合にのみ可能となる。
【0029】
本発明の一実施形態では、光マスクは、例えば、旅券の写真、及び/又は、英数字情報、バーコード、又は類似物といった画像を表す。
【0030】
従って、本発明は、様々な実施分野において有利に使用することができる。
a)本発明を用いることで、直接的に電子気的に読出し可能な光記憶ユニットを実現することができる。これにより、通常は限定される文書に組み込まれた電子記憶ユニットの記憶容量を拡大することができる。
b)電子記憶ユニット内に参照用情報が、獲得された光情報との比較のために記憶される場合、この方法によりセキュリティ機能が作成され、文書の自動検証が可能となる。従って、上記の文書を使用する前に、文書は、獲得された光情報が参照用情報に対応するか否か、使用が許可される前に、文書自体によって検証される。
c)本発明により、例えば、RFID方法によって意図されたものではない及び/又はユーザにより認識されることなく行われる文書へのアクセスを阻止すべく基本アクセス制御を作成することができる。文書を使用するための前提条件は、例えば、文書の所有者が、例えば、所有者の財布又は札入れから文書を取り出し文書が日光にさらされることである。これにより、照射光感知マトリクスは、光マスクにより変調された情報を含む光を受光する。この光情報が収集され、文書により検証された後にのみ、文書は、例えば、文書のRFID機能を許可することにより使用することができる。
【0031】
更に、同一の文書において、上記の使用可能性の組み合わせ及び下位組み合わせが可能である。使用例c)における検証は、特に、使用例b)におけるように行われることが可能である。
【0032】
更なる側面において、本発明は、文書の回路内に情報を入力する方法に係る。当該方法では、文書は、光マスクを有し、光マスクの後方に照射光感知マトリクスが配置され、照射光感知マトリクスは、回路に結合される。情報の入力のために、文書は、日光といった照射光、又は、異なる周波数を有する照射光源に露出される。情報は、光マスクに衝突する照射光上に変調され、この情報は、照射光感知マトリクスに支援されて収集され、回路内に入力される。
【0033】
更なる側面において、本発明は、例えば、有価又はセキュリティ文書内に組み込まれる集積電子回路による実行用の複数の実行可能なプログラム命令を含むコンピュータプログラムに係る。当該コンピュータプログラムは、光情報を収集すべく照射光感知マトリクスを制御し、それにより、光情報は、回路により更に処理される、及び/又は、回路により記憶されることができる。
【0034】
更なる側面において、本発明は、本発明による文書の読出し装置に係る。当該読出し装置は、照射光源を含むか、又は、照射光源を制御する。照射光源により、文書は、照射光に露出され、それにより、例えば、文書の自動検証がトリガされる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
以下に本発明の実施形態を、添付図面を参照することにより詳述する。
【0036】
【図1】本発明による文書の一実施形態を示す略ブロック図である。
【0037】
【図2】本発明による文書の別の実施形態を示す略ブロック図である。
【0038】
【図3】本発明による方法の一実施形態を説明するフロー図である。
【0039】
【図4】カード及びRFID素子の形式の文書を有する本発明による文書の一実施形態を示す平面図である。
【0040】
【図5】旅券の形式の文書本体における本発明による文書の一実施形態を示す平面図である。
【0041】
【図6】接点を有するチップモジュールを有するカードの形式の文書本体における本発明による文書の一実施形態を示す平面図である。
【0042】
【図7】デュアルインターフェイスチップモジュールを有するカードの形式の文書本体における本発明による文書の一実施形態を示す平面図である。
【0043】
【図8】外側から接触不可であるカード本体に組み込まれる電子回路を有する本発明による文書の一実施形態を示す略断面図である。
【0044】
【図9】接点を有するチップモジュールを有する本発明による文書の一実施形態を示す略断面図である。
【0045】
【図10】幾つかの光マスクを有する本発明による文書の一実施形態を示す平面図である。
【0046】
【図11】照射光感知マトリクスの層配置を有する本発明による文書の一実施形態を示す略断面図である。
【0047】
【図12】照射光感知マトリクスの一実施形態を示す斜視図である。
【0048】
【図13】本発明による読出し装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0049】
以下の図面の説明において、互いに対応する要素には同一の参照符号を付している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
図1は、例えば、有価及びセキュリティ書類である文書100を示す。文書100は、主に紙又はプラスチックに基づいて形成されうる。その文書表面102において文書100は窓104を有し、照射光106はこの窓を介して文書100内の領域108に到達することができる。或いは、文書表面102全体が透明であってもよい。領域108において、複数のマスク領域110からなる光マスクが形成される。
【0051】
複数のマスク領域110は、パーソナライゼーションによって領域108に適用される。このために、現水準の技術から既知であるあらゆるパーソナライゼーション方法を用いてもよく、例えば、レーザー又はタイポグラフィによるパーソナライゼーション方法によるパーソナライゼーション方法を用いうる。
【0052】
領域108は、グラフィックパーソナライゼーション用に形成される。領域108は、例えば、主に透明であり、好適には透明ポリマー、特に、レーザーイニシエータを有するポリカーボネートから構成される。領域108にレーザーを当てることにより、マスク領域110が着色する。特に、パーソナライゼーション情報に応じて黒くなる。領域108のこの視覚的に認識可能なパーソナライゼーションは、例えば、グレイスケール値レーザープロセスにより適用することができる。更に、パーソナライゼーションは、熱転写、拡散、又はインクジェット印刷によっても可能である。個別のホログラムをパーソナライゼーション技術として用いることもできる。
【0053】
更に、領域108は、パーソナライズ化することのできる双安定表示素子といった表示素子により形成されることが可能である。このために、例えば、独国特許出願公開第102005039524号に開示されるような表示素子として可動表示素子を有する表示装置が検討される。この特許文献の内容全体は、本願の開示内容に含まれるものとする。
【0054】
照射光106の方向において領域108の後方に、照射光感知マトリクス112が配置される。この照射光感知マトリクスは、一例として、フォトダイオードマトリクス又はCCDマトリクスとして形成されることができ、イメージポイントは照射光感知マトリクス112の各マトリクス素子114によって収集することができる。
【0055】
照射光感知マトリクス112は、マトリクス素子114を読出すべく照射光感知マトリクス112を制御可能なドライバ116に接続される。
【0056】
文書100は更に、プログラム命令120の実行のための論理回路、特に、プロセッサ118を含む。
【0057】
文書100は更に、電子記憶ユニット122を含む。本実施形態では、電子記憶ユニットは揮発性であっても不揮発性であってもよい。文書100が身分証明を目的に形成される場合、電子記憶ユニット122は、参照用データ124を永続的に記憶すべく不揮発性でなくてはならない。
【0058】
文書100は更に、特にRFIDインターフェイス126である、接点を有しても有さなくてもよいインターフェイスを有する。インターフェイス126は、接触又は非接触で外部の読出し装置(図13参照)との通信を可能にするいわゆるデュアルモードインターフェイスとして形成されることも可能である。
【0059】
文書100の電気及び電子コンポーネント、即ち、ドライバ116、プロセッサ118、記憶ユニット122、及びインターフェイス126は、1以上の集積電子回路(図4乃至9のIC136参照)として全体的に又は部分的に形成されうる。
【0060】
文書100の適用において、照射光106が文書に当てられる。照射光106は、日光でも、可視領域の光を供給する室内照明といった人工照射光源、又は、例えば紫外線といった赤外範囲又は短波範囲内の可視及び/又は不可視の周波数範囲等の拡散、共線、又はレーザー光を供給する特殊照射光源の照射光でありうる。
【0061】
照射光106は、表面102における窓104を介して文書100内に入り、領域108内に形成されるマスクに衝突する。
【0062】
図1に示す実施形態では、共線照射光106を用い、照射光106の個々の共線ビーム128は図1に矢印で示す。
【0063】
複数のマスク領域110は基本的に特定周波数範囲にある照射光は通さないように形成される。更に、ビーム128は、その特定周波数範囲にあると想定する。従って、ビーム128がマスク領域110に衝突すると、ビーム128は吸収されるか反射される。ビーム128は、照射光感知マトリクス112の方向においてマスク領域110を全く透過しないか透過したとしても少量のビームしか透過されないことが好適である。
【0064】
複数のビーム128のうちの1つが、マスク領域110によって覆われていない領域108のある位置に衝突する場合、そのビーム128は領域108を透過する。これは、領域108は、その特定周波数範囲に対して基本的に透過性であるからである。これにより、ビーム128は、図1に矢印で示すように感光マトリクス112の複数のマトリクス素子114のうちの1つに基本的に減衰することなく衝突する。
【0065】
この方法によって、光情報を有する特定の像が照射光感知マトリクス112上に投射され、この像は、領域108のマスクを通過することにより決定される。この白黒像は、ドライバ116によって照射光感知マトリクス112から読出しされることが可能である。複数のビーム128のうちの1つが基本的に減衰されることなくマトリクス素子114に到達しない場合、これは、例えば、論理情報「0」をもたらす。また、ビーム128が基本的に減衰されることなくマトリクス素子114に到達する場合、論理情報「1」がもたらされる。照射光感知マトリクス112を制御することにより、ドライバ116は、個々の情報ビットを読出しすることができる。
【0066】
領域108におけるマスクが、そのマスク領域110において異なるグレイ値又は色を含む場合、異なるグレイ値又は色の像を有する対応する像が照射光感知マトリクス112上に投射され、それにより、各マトリクス素子114あたりに幾つかの情報ビットを収集することができる。
【0067】
プログラム命令120の実行は、例えば、外部読出し装置(図1には図示せず)を通じて要求がインターフェイス126を介してプロセッサ118に送信されると自動的に開始される。照射光106が次に文書100に当てられると、ドライバ116は、照射光感知マトリクス112から収集された光情報をプロセッサ118に供給する。その後、参照用データ124が記憶ユニット122から読出しされ、ドライバ116から供給された情報との一致が検証される。
【0068】
一致しない場合、外部読出し装置による要求は拒絶される。反対に、一致する場合、要求はプログラム命令120によって処理され、対応する応答が生成され、インターフェイス126を介して外部読出し装置に送信される。
【0069】
参照用データ124の電子記憶ユニット122内への記憶は、領域108のパーソナライゼーション時に行われることが好適である。領域108のパーソナライゼーションの完了後、即ち、マスク領域110での光マスクの形成後、プロセッサ118が、文書100を発行する発行局の外部読出し装置により制御され、それにより、照射光106が当てられることによってドライバ116により供給される情報が参照用データ124として電子記憶ユニット122内に記憶される。この処理を容易にすることを目的として、読出し装置又は発行局に電子記憶ユニット122への書込みアクセスを許可するプログラム命令120に支援されて暗号プロトコルを無事に完了しなければならない。
【0070】
文書100を操作しようとする間接的な試みは成功してはならない。例えば、領域108におけるマスクが別のマスクにより交換される場合、又は、既に実装されているマスクが追加のマスク領域110を加えることで変更される場合、ドライバ116により供給される情報が変化するので、参照用データ124と収集された光情報との間に不一致が生じ、文書100は阻止される。
【0071】
図2は、文書100の別の実施形態を示す。図2の実施形態では、フィルタ130が、領域108と照射光感知マトリクス112との間に配置される。このフィルタは、マスク領域110が反射又は吸収する周波数範囲にある照射光のみを通過させるよう形成される。これにより、当該周波数範囲にあり且つ複数のマスク領域110のうちの1つに衝突していないビーム128のみが照射光感知マトリクス112に到達する。照射光感知マトリクスは、フィルタ130を通過させる当該周波数範囲における特定の感度を有することが好適である。これにより、光情報の収集に対する信号対雑音比を改善することができる。
【0072】
ここで検討する実施形態では、文書100は、その表面102にフォトセル132を有する。フォトセル132は、文書100の電気及び電子コンポーネントに電気エネルギーを直接供給することができる。エネルギー供給は、ユーザが文書100を、例えば、自分の札入れ又は財布から取り出した際に光がフォトセル132に到達することができる場合にのみ発生する。これは更に、文書がユーザの札入れ又は財布の中にある限り、また、このような状況下では文書の十分なエネルギー供給のために光がフォトセルに到達しないことによりRFID方法による文書100へのワイヤレスアクセスは可能ではないので、基本アクセス制御も実現される。
【0073】
或いは、文書100は更に、外部読出し装置が存在しない、及び/又は、エネルギー供給のための照明条件が十分ではない場合でも文書100の使用を可能にする再充電可能電池を含むこともできる。そのような場合、フォトセルは、電池の寿命を延ばす目的で電池を再充電することができる。
【0074】
或いは、又は、追加的に、エネルギーは、例えば、RFIDインターフェイスといった無線インターフェイスを介して文書100に供給されることも可能である。
【0075】
図3は、本発明による方法を説明するフロー図を示す。ステップ300において、照射光が、例えば、照射光源を介する照明を使用して文書に当てられる。この照射光は、文書のマスクを透過して、文書の照射光感知マトリクスまで届く。ステップ302において、照射光感知マトリクスが、マスクによって入射照射光上に変調された光情報を得るべく読出しされる。
【0076】
ステップ304において、照射光感知マトリクスから読出しされた情報は、例えば、マイクロプロセッサである文書の回路に入力される。その後、ステップ306において、マイクロプロセッサは、文書の記憶ユニットから参照用情報(図1における参照用データ124参照)を読み取る。
【0077】
ステップ308において、読出しされた情報と参照用情報は、一致について検証される。十分に一致する場合、ステップ310において、例えば、文書の電子記憶ユニットからの追加データの読出しといった文書100の機能が解放される。一致しない場合、ステップ312において拒絶され、これは、文書100の1以上の機能が阻止されることを意味する。
【0078】
マスクの別の使用可能性としては、マスクを光データ記憶ユニットとして使用することが挙げられる。この光データ記憶ユニットの読取りには、ユニットは、マスクによって情報が光学的に変調されている好適な照射光(ステップ300参照)に露光される。この情報は、照射光感知マトリクスに支援されて受信され、文書の回路内に読込まれる(ステップ302参照)。マスクは、例えば、2Dバーコードによって実現されるか、又は、例えば、文書の所有者の氏名及び住所といった個人情報を平文で含むことが可能である。後者の場合、情報が平文で人間の眼によって認識可能であり、また、同時に、照射光感知マトリクスを介する収集により文書の回路に対して利用可能であることが特に有利である。
【0079】
照射光感知マトリクスは、フォトダイオードマトリクスとして形成されることが可能である。照射光感知マトリクスは、具体的に、光伝導体を含むことが可能である。有機光伝導体を、光伝導体の材料として用いることができる。好適な増感剤(例えば、C60、C60−PBEM、TNF、TNFM)を用いて好適な光伝導体を増感させることにより、光伝導体をそのスペクトル感度に対して配置することができ、このようにすることで、例えば、UVから可視又はNIR領域にシフトすることができる。
【0080】
電荷キャリアの発生は、いわゆる「光誘起電子移動」、又は、電荷移動錯体の形成によって行われることが可能である。このようにして、例えば、赤外線スペクトル範囲においてのみ可視である情報を読出しすることのできる純赤外線フォトダイオードマトリクスを形成することができる。同様にして、UV範囲へのシフトも可能であり、この場合、光伝導体は大抵の場合この範囲において直接的に励起されることが可能であるので増感剤は恐らく必要ではない。
【0081】
図4は、文書本体134と、ドライバ116、プロセッサ118、電子記憶ユニット122、及び/又は、インターフェイス126(図1及び2参照)といった文書100の基本的な電子コンポーネントを集積した集積電子回路(IC)136とを有する文書100の一実施形態を示す。
【0082】
ここでは、マスクは、グラフィックパーソナライゼーション情報138によって形成される。この情報は、特に、文書100の所有者の写真又はバイオメトリック特徴でありうる。このグラフィックパーソナライゼーション情報は、レーザープロセス、即ち、ブラックニング、ブリーチング、又は同様のプロセスの形式か、又は、ホログラフィック形式で適用することができ、特に、ボリュームホログラムか、又は、インクジェット印刷、レーザー印刷、転写印刷、熱昇華印刷、又は他の印刷法によるタイポグラフィによって付すことができる。
【0083】
IC136内に集積されるドライバは、ワード/ビット線142に接続され、これらは、照射光感知マトリクス112の個々のマトリクス素子(図1及び2のマトリクス素子114参照)をアドレス指定する。
【0084】
IC136は、図4の実施形態では、RFIDトランスポンダとして形成される。一例として、IC136は、13.56MHzにおける動作のために、又は、国際標準規格ISO14443A/B又はISO15693若しくは他のRFID規格に従って形成される。文書100のアンテナ140は、上述を鑑みて、幾つかの巻回、例えば、一般には5オーム未満の数オームの電気抵抗を有する3乃至7の巻回を有する。アンテナ140は、ポリマー型導電ペーストによってタイポグラフィにより形成されるか、又は、ワニス付けされた絶縁銅コイルにより実現されうる。更に、アンテナ140は、エッチング、レーザー、又はインクジェット印刷方法によっても形成可能である。
【0085】
アンテナ140とアンテナのIC136への接続の好適な製作技術は、照射光感知マトリクス112の製作方法と、ワード/ビット線142及びそれらのIC136への配線144の設計によって決定される。
【0086】
非接触型IC136を有する実施形態では、ワード/ビット線142は、タイポグラフィにより製作されることが好適である。しかし、これらはチップ・オン・ボード(COB)技術により形成されてもよい。IC136の動作及び照射光感知マトリクス112の読出しに必要な電気エネルギーは、この実施形態では、アンテナ140を介して文書100内に電磁気的に結合される。
【0087】
図5は、旅券形式の文書本体134を有する文書100の一実施形態を示す。この実施形態においても、IC136は、RFID方法の実施を目的として形成される。図5の文書100の実施形態は、例えば、旅券用にICAO9303により定められる仕様に対応することができる。このために、国際標準規格ISO14443A/Bが13.56MHzにおいて使用され、この場合、文書100と外部非接触型RFID読出し装置との間の読取り距離は数センチメートルで十分である。アンテナ140をコイルとして形成することに加えて、ダイポールアンテナを用いてもよい。しかし、このためには、通常、例えば、800MHz乃至950MHzの範囲、最大で約2.45GHzのマイクロ波範囲といったより高いRFID周波数が使用される。
【0088】
文書100は、グラフィックパーソナライゼーション情報138に加えて、1以上のパーソナライゼーションフィールド146を有し、これらも光マスクとして機能する。この1以上のパーソナライゼーションフィールド146において、例えば、署名、英数字情報、バーコード、又は光コードといった異なるタイプのパーソナライゼーションデータが適用され、それぞれ、下に配置される照射光感知マトリクス112用のマスクとして機能する。ICAO線もそのようなマスクとして機能することができる。照射光感知マトリクス112は、グラフィックパーソナライゼーション情報138又はパーソナライゼーションフィールド146の下に配置されることが可能であり、また、文書10の領域全体に広げられることも可能である。
【0089】
図6は、その内部にIC136が配置されるチップモジュール147を含む接点を有する文書100の一実施形態を示す。配線144は、照射光感知マトリクス112とチップモジュール147との接続を概略的に示す。例示的な実施形態では、照射光感知マトリクス112は、可撓性で積層可能な担体上に配置されることが可能である。
【0090】
ワード/ビット線142は、配線144によってチップモジュール147に導かれ、それにより、チップモジュールに導電的に接続される。チップモジュール147において、ここでは、別個のコンポーネントとして形成されるドライバ116が、IC136の隣に配置される。しかし、一般に、ドライバ機能はIC136内に組み込まれてもよく、また、個々のドライバ素子が照射光感知マトリクス112の線及び列の領域内にCOBによって配置されることも可能である。
【0091】
この実施形態について、エネルギー供給は、外部の読出し装置からチップモジュール147を含む接点を介して行われることが好適である。このような外部読出し装置は、一方で、チップモジュール147の電気接点に対して、他方で、グラフィックパーソナライゼーション情報138及びパーソナライゼーションフィールド146により形成されるマスクの露光に作用する。
【0092】
図7は、文書100の一実施形態を示し、ここでは、チップモジュール147は、いわゆるデュアルインターフェイスモジュールとして形成される。
【0093】
図8は、層状に配置される文書100の一実施形態を示す。アンテナ140は、例えば、文書100の内側層において3乃至7個の巻回を有して配置される。IC136及び/又はドライバ116は、特に、COBといった様々な接触方法によって裸ICとして直接的に接触されることが可能であるか、又は、接触型ICを有する補助担体である薄いインターポーザを用いることができる。更に、小さなSMD(表面実装デバイス)又はSMT(表面実装技術)コンポーネントを用いることができる。配線144は、現水準の技術のフレキシブル回路基板又はチップカードから既知であるように加法的に又は減法的に設計されることが可能である。照射光感知マトリクス112は、グラフィックパーソナライゼーション情報138下に配置され、それにより、文書100が、好適な光源148からの照射光106によって露光される間、パーソナライゼーション情報は、照射光106のマスキング、特に、フィルタリングを行い、照射光感知マトリクス112が、特性信号を生成する。
【0094】
図9は、IC136とドライバ116を含むチップモジュール147を有する文書100の一実施形態を示す。チップモジュール147は、配線144と接触するための接点152を有し、また、文書100のキャビティ150内に配置される。
【0095】
図10は、照射光により読取り可能である異なる情報フィールドを有する文書100の一実施形態を示す。グラフィックパーソナライゼーション情報138は、ここでは、旅券写真として概略的に示す。更に、文書100は、住所フィールド、署名、又はバーコードを有する複数のパーソナライゼーションフィールド146を有する。また、文書100は、可視周波数範囲において不可視である情報を有するフィールド160を有する。
【0096】
それぞれ光マスクとして機能するグラフィックパーソナライゼーション情報138、パーソナライゼーションフィールド146、及びフィールド160の下において、それぞれ、1つの照射光感知マトリクスが配置される。或いは、照射光感知マトリクスは、領域全体に広がって形成され、それにより、全ての光マスクを対象範囲内とすることもできる。
【0097】
図11は、照射光感知マトリクス112の領域における文書100の一実施形態を示す断面図である。照射光感知マトリクス112は、複数の上部電極154と複数の下部電極158を有し、その間に光伝導体が配置される。図12にそれぞれ示すように、上部電極154及び下部電極158は、異なる方向に配置されている。これは、この実施形態では、電極は互いに垂直となるように配置されていることを意味する。上部電極154と下部電極158の交差点により、照射光感知マトリクス112のマトリクス素子114(図1及び2参照)が定められる。
【0098】
少なくとも上部電極154は透明に形成される必要がある。それにより、ビーム128(図1及び2参照)が、対応する上部電極154を通り光伝導体156に到達してマトリクス素子114に到達する。ここでは、光伝導体はこのプロセスを介してその光伝導体がある場所において伝導性となり、それにより、その下に位置付けられる電極158との電気接続が実現される。この電気接続の確立は、ドライバ116によって論理信号として読出される。
【0099】
図13は、本発明による文書にアクセスすべく形成される読出し装置162を示す。読出し装置162は、インターフェイス166に結合されるデータ処理ユニット164を有する。インターフェイス166は、文書100との通信接続を、その対応するインターフェイス126(図1及び2参照)を介して生成する。読出し装置162のインターフェイスは、接触型、非接触型、又はデュアルインターフェイスとして形成されることが可能である。特に、RFIDインターフェイスであることが可能である。
【0100】
読出し装置162は更に、照射光源168を有する。照射光源168は、永久的にアクティブであっても、又は、例えば、文書100が読出し装置162内に挿入される、読出し装置の付近にある、及び、インターフェイス166及び126間で電気接点が確立されるとデータ処理ユニットによってアクティブにされてもよい。照射光源168は、文書100の光マスクによって変調された光情報を有するある周波数の照射光を、その情報が例えば身元確認のために文書の照射光感知マトリクスにより収集可能であるよう放射する。照射光源168は、読出し装置と一体にされても、又は、読出し装置162により制御される別個のコンポーネントであってもよい。
【符号の説明】
【0101】
100 文書
102 表面
104 窓
106 照射光
108 領域
110 マスク領域
112 照射光感知マトリクス
114 マトリクス素子
116 ドライバ
118 プロセッサ
120 プログラム命令
122 電子記憶装置
124 参照用データ
126 インターフェイス
128 ビーム
130 フィルタ
132 フォトセル
134 文書本体
136 集積電子回路(IC)
138 グラフィックパーソナライゼーション情報
140 アンテナ
142 ワード/ビット線
144 配線
146 パーソナライゼーションフィールド
148 光源
150 キャビティ
152 接点
154 上部電極
156 光伝導体
158 下部電極
160 フィールド
162 読出し装置
164 データ処理ユニット
166 インターフェイス
168 照射光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射される照射光(106、128)を情報により光変調する手段(110、138、146、160)を形成する領域(108)と、
前記領域の後方に配置され、前記光情報を獲得する照射光感知マトリクス(112、114、154、156、158)と、
前記情報が入力される回路(116、118、122、136)と、
を含む文書。
【請求項2】
前記文書は、有価文書又はセキュリティ文書、特に、例えば、銀行手形、クレジットカード、若しくは類似物といった支払手段、又は、旅券、身分証明書、査証、運転免許証、若しくは類似物といった身分証明書類である、請求項1に記載の文書。
【請求項3】
前記文書は、チップカードである請求項1又は2に記載の文書。
【請求項4】
光変調する手段(110、138、146、160)を形成する前記領域は、パーソナライズ化することができる請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項5】
前記領域内に、光変調する手段(110、138、146、160)が形成される、請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項6】
前記領域は、前記照射光を透過する、請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項7】
前記領域は、複数のレーザーイニシエータを有する、請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項8】
光変調する手段(110、138、146、160)は、印刷されても既に印刷されていてもよい、請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項9】
光変調する手段(110、138、146、160)は、ホログラムを含む、請求項1乃至8のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項10】
光変調する手段(110、138、146、160)は、前記照射光の一周波数部分を反射し、且つ、手段(110、138、146、160)と前記照射光感知マトリクスとの間に配置されるフィルタ(130)が具備され、
前記フィルタは、前記照射光の前記一周波数部分のみを基本的に通過する、請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項11】
光変調する手段(110、138、146、160)は、光マスクとして形成される、請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項12】
光変調する手段(110、138、146、160)は、前記照射光の強度変調及び/又は屈曲のために形成される、請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項13】
前記照射光感知マトリクスは、フォトダイオードマトリクス、又は、電荷結合デバイス(CCD)マトリクスである、請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項14】
前記照射光感知マトリクスは、
第1の方向に整列される複数の第1の透明電極(154)と、
第2の方向に整列される複数の第2の透明電極(158)と、
前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極との間に配置される光伝導体(156)と、
を含み、
複数のイメージポイント(114)は、前記複数の第1の電極と前記複数の第2の電極との交差点により定められる、請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項15】
前記照射光感知マトリクスは、複数のイメージポイント(114)を有し、
前記文書は、前記複数のイメージポイントを読取ることにより光情報を獲得する手段(116)を含む、請求項1乃至14のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項16】
前記獲得した光情報を格納する電子記憶装置(122)を含む、請求項1乃至15のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項17】
前記獲得した情報を入力するプロセッサ(118)を含む、請求項1乃至16のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項18】
参照用情報(124)を格納する記憶ユニット(122)と、
前記獲得した光情報と前記参照用情報との一致について検証する手段(118)と、
を含む請求項1乃至17のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項19】
前記検証の結果に応じて前記文書の使用を解放する手段(118)を含む、請求項18に記載の文書。
【請求項20】
前記回路への直接的又は間接的なエネルギー供給のために前記照射光から電気エネルギーを生成する手段(132)を含む、請求項1乃至19のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項21】
光電効果を使用する前記生成手段が、電気エネルギーの生成のために形成される、請求項20に記載の文書。
【請求項22】
電子記憶ユニット(122)と、
前記記憶ユニットのアクセス保護としての暗号化手段(118、120)と、
を含む、請求項1乃至21のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項23】
前記光変調する手段は、可視又は不可視像(138、146、160)、特に、前記領域(108)上又は内の英数字情報、バーコード、又は類似物により形成される、請求項1乃至22のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項24】
前記獲得した光情報に支援されて基本アクセス制御を実施する回路が形成される、請求項1乃至23のうちいずれか一項に記載の文書。
【請求項25】
文書(100)の回路(118、122)内に情報を入力する方法であって、前記文書は、光マスク(110、138、146、160)を有し、前記光マスクの後方に照射光感知マトリクス(112)が配置され、前記照射光感知マトリクスは、前記回路に結合される、前記方法であって、
前記光マスクに照射光(106、128、148)を当てるステップと、
前記情報を獲得すべく前記照射光感知マトリクスを読出す(116)ステップと、
を含む方法。
【請求項26】
前記回路は、前記照射光感知マトリクスを読出すドライバコンポーネント(116)を有する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記文書の電子記憶装置(122)内に格納された参照用情報(124)が、前記獲得した情報との一致について検証される、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
照射光感知マトリクス(112)の前に配置される光マスク(110)により前記照射光感知マトリクス上に投射される光情報を獲得するために前記照射光感知マトリクスを制御すべく文書(100)の集積電子回路(118、136)により実行可能な複数の命令(120)を含むコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項29】
文書(100)の読出し装置であって、
前記文書は、入射される照射光(106、128、168)を情報により光変調する手段(110、138、146、160)と、前記光変調する手段の後方に配置され、前記文書の回路(116、118、122、126、136)に結合される照射光感知マトリクス(112)とを有し、
前記読出し装置は、前記照射光を生成する照射光源(168)を制御する、及び/又は、当該照射光源を含む、読出し装置。
【請求項30】
文書(100)へのアクセスが行われる場合に、照射光源(168)をアクティブにするデータ処理ユニット(164)を含む、請求項29に記載の読出し装置。
【請求項31】
前記照射光源は、前記読出し装置のインターフェイス(166)が、前記文書の対応インターフェイス(126)と契約する場合にアクティブにされる、請求項29又は30に記載の読出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−527381(P2009−527381A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555738(P2008−555738)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/051059
【国際公開番号】WO2007/099017
【国際公開日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(599147447)ブンデスドルケライ ゲーエムベーハー (21)
【氏名又は名称原語表記】BUNDESDRUKEREI GMBH
【Fターム(参考)】