説明

特に自動車用のノズル装置

【課題】 自動車用のノズル装置を改良する。
【解決手段】 特に自動車換気システム用のノズル装置であって、1つの流れ通路の一方の末端に配置される少なくとも1つのノズル(1)とノズル出口に配置される1つの格子(2)とを有するものにおいて、格子(2)がノズル出口を部分的に覆うことを特徴とするノズル装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル装置、特に自動車換気システム用のノズル装置であって、1つの流れ通路の一方の末端に配置される少なくとも1つのノズルとノズル出口に配置される1つの格子とを有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により公知の特に車両を空気調和するための空気吹出し口は1つの枠と、第1軸の周りを枢動可能に配置される複数の板と、各板に連結される少なくとも1つの連結要素とを備えており、連結要素は第1軸に対して相対的に、板が相互に平行となる1つの中立位置と1つの快適位置との間で変位可能であり、快適位置のとき板の少なくとも一部は互いに逆方向に枢動可能である。空気吐出し口は1つの空気通路の上流側に配置されており、空気通路から流出する空気流はその方向を空気吹出し口によって調整することができる。空気流は互いに逆に枢動する板によって扇状に広げることができ、分散性空気流が生成され、そこでは定横断面の空気流の場合よりも低い流れ速度が優勢であり、多い空気流量のときでも、流出する空気流が高い速度で車両乗員に衝突することは防止することができる。しかしこのような空気吹出し口は特に視覚的印象に関してなお要望が残る。
【特許文献1】欧州特許出願公開第1223061号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、改良されたノズル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、特に自動車換気システム用のノズル装置であって、1つの流れ通路の一方の末端に配置される少なくとも1つのノズルとノズル出口に配置される1つの格子とを有するものによって解決される。有利な諸構成は従属請求項の対象である。
【発明の実施の形態】
【0005】
本発明によれば、特に自動車換気システム用のノズル装置は、1つの流れ通路の一方の末端に配置される少なくとも1つのノズルとノズル出口に配置される1つの格子とを有し、格子がノズル出口を部分的に、主に中央領域で覆い、こうして1つの隙間、特に格子の周囲に1つの周方向隙間が覆われないままとなる。この隙間は特に純拡散性の空気流れの場合空気流出に役立ち、これにより空気の分配が支援される一方、指向性空気噴流は格子を問題なく通過できる。格子は特に視界保護に役立ち、内部のノズルは乗員にとって通常の状況では視認可能でなく、またはかすかに視認可能であるにすぎない。
【0006】
好ましくは格子が矩形に構成されている。単一のノズルの場合、格子は実質的に正方形に構成しておくことができ、2つのノズルが並べて配置されていると格子は両方のノズルの中央領域を覆う。格子は主に網状格子であり、特に暗色、主に黒色である。
【0007】
ノズルとして好ましくは渦流ノズルが使用され、これは特に拡散性流れのとき諸利点を提供する。
【0008】
以下、図面を参考に1実施例に基づいて本発明が詳しく説明される。
【実施例】
【0009】
図が示す調整可能なノズル1、ここでは渦流ノズルは、自動車換気システムの空気吹出し口内で使用される。その際、以下でノズル出口とも称する2つの隣り合わせて配置され相付設されたノズル1の末端に、開口部に一体化された格子2が配置されており、この格子は一方でノズル1を保護し、他方でデザインを魅力的にする。その際、格子2はノズル出口の中央領域を覆うように構成されており、このため格子は実質的に不透明に、但し空気透過性に構成されているが、しかし1つの周方向隙間3を有する。調整可能なノズル1と格子2は隙間3も含めて本発明に係るノズル装置4を形成する。図1、図3、図5では、例えば自動車インストルメントパネルの中央で使用されるようにそれぞれ2つのノズル装置4が並べて示してある。
【0010】
各ノズル1は1つの流れ通路を介して温度調節済み空気を空調装置(図示せず)から供給される。この流れ通路は各ノズル1の入口領域において2つの部分流れ通路に、つまり外側部分流れ通路5と内側部分流れ通路6とに分割される。外側部分流れ通路5には流れ推移の相応する方向転換によって渦流が与えられ、拡散性流れ推移を有する空気がこの外側部分流れ通路5を通して車室に供給される。それに対して内側部分流れ通路6は極力直線的に構成されており、比較的均一で渦化のない流れを有する空気がこの部分流れ通路6を通して車室に供給される。
【0011】
外側部分流れ通路5は特にノズル装置1の快適位置(拡散性流れ)のとき空気を供給するのに役立ち、剛性に構成されているのに対して、内側部分流れ通路6はノズル装置1のスポット位置(指向性流れ)での空気供給に役立つ。任意の混合位置が可能である。流れ通路を介して供給される空気流を両方の部分流れ通路5、6に分配することは、ここに詳しくは図示しない調量装置によって行われる。
【0012】
ノズル1がスポット位置(図1と図2)にあると、すなわち指向性空気噴流が希望される場合、空気は専ら内側部分流れ通路6内に達し、渦流なしに格子2の中央領域に直接衝突し、実質的に偏向されることなく格子を貫流する。空気噴流の方向は調整できる。
【0013】
図3と図4に示すように混合空気流れ、すなわち一部指向性、一部拡散性の空気流れが希望される場合、空気は‐希望される空気流出に合せて‐外側部分流れ通路5と内側部分流れ通路6とに分配され、これにより内側部分流れ通路6を通して来る空気噴流は、渦流を付加されて外側部分流れ通路5を通して流れる空気噴流によって扇状に広げられ、扇状に広げられた部分空気噴流は格子2から流出し、拡散性部分空気噴流は隙間3から流出する。
【0014】
専ら拡散性空気流出を行わねばならない場合、空気は専ら、渦流を備えた外側部分流れ通路5を通してノズル出口に達し、特に隙間3から流出し、図5、図6に矢印で示唆したように極力広がる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例によるノズル装置の斜視図であり、指向性空気流れが矢印で示唆されている。
【図2】図1のノズル装置の断面図であり、指向性空気流れが矢印で示唆されている。
【図3】図1のノズル装置の斜視図であり、混合空気流れが矢印で示唆されている。
【図4】図1のノズル装置の断面図であり、混合空気流れが矢印で示唆されている。
【図5】図1のノズル装置の斜視図であり、拡散性空気流れが矢印で示唆されている。
【図6】図1のノズル装置の断面図であり、拡散性空気流れが矢印で示唆されている。
【符号の説明】
【0016】
1 ノズル
2 格子
3 隙間
4 ノズル装置
5 外側部分流れ通路
6 内側部分流れ通路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車換気システム用のノズル装置であって、1つの流れ通路の一方の末端に配置される少なくとも1つのノズル(1)とノズル出口に配置される1つの格子(2)とを有するものにおいて、格子(2)がノズル出口を部分的に覆うことを特徴とするノズル装置。
【請求項2】
格子(2)がノズル出口を中央領域で覆うことを特徴とする、請求項1記載のノズル装置。
【請求項3】
格子(2)の周囲に1つの周方向隙間(4)が設けられていることを特徴とする、先行請求項1〜2のいずれか1項記載のノズル装置。
【請求項4】
格子(2)が矩形に構成されていることを特徴とする、先行請求項のいずれか1項記載のノズル装置。
【請求項5】
格子(2)が実質的に不透明に構成されていることを特徴とする、先行請求項1〜4のいずれか1項記載のノズル装置。
【請求項6】
格子(2)が網状に構成されていることを特徴とする、先行請求項1〜5のいずれか1項記載のノズル装置。
【請求項7】
ノズル(1)が渦流ノズルであることを特徴とする、先行請求項1〜6のいずれか1項記載のノズル装置。
【請求項8】
2つのノズル(1)が並べて配置されており、一緒に格子(2)で覆われることを特徴とする、先行請求項1〜7のいずれか1項記載のノズル装置。
【請求項9】
格子(2)が末端の左側および/または右側を半円形に構成されていることを特徴とする、先行請求項1〜8のいずれか1項記載のノズル装置。
【請求項10】
特に自動車用の換気システムにおいて、請求項1〜9のいずれか1項記載の少なくとも1つのノズル装置(4)を特徴とする換気システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−511401(P2007−511401A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538780(P2006−538780)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012717
【国際公開番号】WO2005/047033
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(594042033)ベール ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (222)
【Fターム(参考)】