説明

特典設定プログラム、ゲーム機及びゲームシステム

【課題】プレイ料金を用いつつもプレイの進行に面白味を与える特典設定プログラム、ゲーム機及びゲームシステムを提供する。
【解決手段】特典設定プログラム221は、プレイ料金の支払いの有無にかかわらずにプレイを進行可能なゲーム機204を、プレイヤの操作によりプレイ料金を受け付けるプレイ料金受付手段211と、プレイヤによるプレイ開始の選択の操作を受け付ける開始受付手段212と、価値の異なる複数の特典を記憶する特典記憶部227と、開始受付手段212がプレイ開始の選択を受け付けたことで、特典記憶部227に記憶された複数の特典の取得確率をプレイ料金の大きさに応じて変動させる確率変動手段213と、変動させた確率に基づいて複数の特典から抽選処理により一の特典を決定する特典決定手段214と、決定した一の特典をプレイに反映させてプレイを進行するプレイ進行手段215と、して機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイ料金を用いた特典設定プログラム、ゲーム機及びゲームシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットゲームにおいて、プレイを進行させる要素としてのアイテムをプレイヤが注文して購入するアイテム提供方法が提案されている(例えば、特許文献1)。プレイヤは、対価を支払うことでアイテムを購入して、そのアイテムをプレイに用いる。そうすることで、そのネットゲームは、プレイヤのプレイの難易度を容易にして、プレイの進行を早めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−327760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のアイテム提供方法では、アイテムを購入するには対価が必要になるので、プレイヤがプレイに用いる金額の大小が直接プレイの進行に影響するものであった。また、特許文献1に記載のアイテム提供方法を使用したプレイは、アイテムを購入することで、アイテムの力を借りてプレイを進行するものであり、面白味に欠けるものであった。
【0005】
本発明の課題は、プレイ料金を用いつつもプレイの進行に面白味を与える特典設定プログラム、ゲーム機及びゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0007】
第1の発明は、プレイ料金の支払いの有無にかかわらずにプレイを進行可能なコンピュータ(1,204)を、プレイヤの操作によりプレイ料金を受け付けるプレイ料金受付手段(11,211)と、前記プレイヤによるプレイ開始の選択の操作を受け付ける開始受付手段(12,212)と、価値の異なる複数の特典を記憶する特典記憶手段(22,227)と、前記開始受付手段によりプレイ開始の選択を受け付けたことに応じて、前記特典記憶手段に記憶された前記複数の特典の取得確率を、前記プレイ料金の大きさに応じて変動させる確率変動手段(13,213)と、前記確率変動手段により変動させた確率に基づいて、前記複数の特典から抽選処理により一の特典を決定する特典決定手段(14,214)と、前記特典決定手段により決定した前記一の特典を前記プレイに反映させて前記プレイを進行するプレイ進行手段(15,215)と、して機能させること、を特徴とする特典設定プログラム(21,221)である。
第2の発明は、第1の発明の特典設定プログラム(21,221)において、前記特典は、前記プレイを有利に進めさせるアイテムの有利さの度合いに対応して価値が設定されていること、を特徴とする特典設定プログラムである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の特典設定プログラムにおいて、前記特典は、前記プレイで出現するアイテムに関する出現頻度に対応して価値が設定されていること、を特徴とする特典設定プログラムである。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの特典設定プログラム(21)において、前記確率変動手段(13)を、前記プレイ料金受付手段(11)が前記プレイ料金を受け付けた場合には、価値の高い特典を含んだ状態にし、前記プレイ料金受付手段が前記プレイ料金を受け付けない場合には、前記価値の高い特典を除いた状態にして、前記複数の特典の取得確率を設定するように機能させること、を特徴とする特典設定プログラムである。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明までのいずれかの特典設定プログラム(21,221)において、前記コンピュータ(1,204)を、前記プレイ料金受付手段(11,211)がプレイ料金を受付可能な状態である場合に、プレイ料金と前記特典の取得確率とに関する説明を前記プレイヤに対して報知する報知手段(16,216)として機能させること、を特徴とする特典設定プログラムである。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかの特典設定プログラム(21,221)において、前記特典決定手段(14,214)を、前記プレイ進行手段(15,215)により進行中のプレイが所定の条件を満たすことに応じて、前記一の特典を決定するように機能させること、を特徴とする特典設定プログラムである。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明までのいずれかの特典設定プログラム(221)において、前記特典記憶手段(227)を、プレイ料金ごとに前記複数の特典の取得確率を対応付けて記憶するように機能させ、前記確率変動手段(213)を、前記プレイ料金の大きさに応じて前記特典記憶手段を参照して前記プレイ料金に対応する前記複数の特典の取得確率を決定するように機能させること、を特徴とする特典設定プログラムである。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明までのいずれかの特典設定プログラム(21)において、前記コンピュータ(1)を、前記プレイヤのプレイ時間を蓄積して記憶する時間蓄積手段(18)と、前記時間蓄積手段によって記憶された前記プレイ時間の大きさに応じて受付可能な前記プレイ料金を決定するプレイ料金決定手段(17)と、して機能させること、を特徴とする特典設定プログラムである。
第9の発明は、第1の発明から第8の発明までのいずれかの特典設定プログラム(21)において、前記コンピュータ(1)を、前記プレイ料金受付手段(11)により受け付けた前記プレイヤのプレイ料金を蓄積してする料金蓄積手段(19)と、前記料金蓄積手段によって蓄積された前記プレイ料金の大きさに応じて受付可能な前記プレイ料金を決定するプレイ料金決定手段(17)と、して機能させること、を特徴とする特典設定プログラムである。
【0008】
第10の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかの特典設定プログラム(221)を記憶する記憶部(220)と、前記記憶部に記憶された前記特典設定プログラムを実行する制御部(210)と、を備えるゲーム機(204)である。
【0009】
第11の発明は、第1の発明から第9の発明までのいずれかの特典設定プログラム(21)を記憶する記憶装置(20)と、前記記憶装置に記憶された前記特典設定プログラムを実行する制御装置(10)とを有するゲームサーバ(1)と、前記ゲームサーバに対して通信ネットワーク(5)を介して接続されたゲーム端末(3)とを備えたゲームシステム(100)であって、前記ゲーム端末は、前記プレイヤの操作を受け付ける操作部(33)と、前記プレイ進行手段(15)により進行したプレイに関する画面を表示する表示部(32)と、を備えること、を特徴とするゲームシステムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、プレイ開始時にプレイ料金の大きさに応じて、価値の異なる複数の特典の取得確率を変動させ、さらに、抽選処理により一の特典を決定してその特典をプレイに反映させてプレイを進行する。よって、プレイヤは、プレイ料金の支払いの有無及び支払う場合のプレイ料金が選択でき、選択したプレイ料金の大きさに応じて、プレイで用いる特典の取得確率を変動させることができる。そして、プレイで用いる特典は、変動させた取得確率に基づいて抽選処理により決定する。よって、本発明は、プレイ料金を大きさに比例してプレイの進行に影響する特典が直接取得できるものではなく、特典の取得確率が大きくなるという要素と、抽選という運の要素との両方を併せ持った、新しい態様の特典設定のプレイを行うことができる。
【0011】
(2)本発明は、プレイを有利に進めるアイテムの有利さの度合いに対応して価値を設定した特典を用いるので、例えば、プレイで用いられるゲームでの効果が強いアイテムの取得確率を、プレイ料金の大きさに対応させることができる。よって、プレイ料金を多く支払ったプレイヤが、プレイを有利に進める確率を上げることができる。逆に、プレイ料金を支払わないプレイヤでも、プレイを有利に進めることができるアイテムを取得できる余地がある。よって、プレイ料金にかかわらずにプレイ料金の大きさに見合った楽しみ方で、プレイを楽しむことができる。
【0012】
(3)本発明は、プレイで出現するアイテムの出現頻度に対応して価値を設定した特典を用いるので、例えば、希少価値のあるアイテムの取得確率を、プレイ料金の大きさに対応させることができる。よって、プレイ料金を多く支払ったプレイヤが、希少価値のあるアイテムを取得できる確率を上げることができる。逆に、プレイ料金を支払わないプレイヤでも、希少価値のあるアイテムを取得できる余地がある。よって、プレイ料金にかかわらずにプレイ料金の大きさに見合った楽しみ方で、希少価値のあるアイテムを取得するプレイを楽しむことができる。
【0013】
(4)本発明は、プレイ料金を受け付けた場合には、価値の高い特典を含んだ状態にし、プレイ料金を受け付けない場合には、価値の高い特典を除いた状態にして、複数の特典の取得確率を設定する。よって、プレイ料金の支払い有無により、プレイを差別化することで、プレイヤを有料プレイへと促すことができる。
(5)本発明は、プレイ料金を受付可能な状態である場合に、プレイ料金と特典の取得確率とに関する説明をプレイヤに対して報知する。よって、価値あるアイテムを取得する際に、有料プレイで取得確率を上げるか、無料プレイで運にかけるかのいずれのプレイを行うか、の選択にあたっての情報をプレイヤに提供できる。また、情報の報知によって、プレイ料金の支払いをプレイヤに促すことができる。
【0014】
(6)本発明は、進行中のプレイが所定の条件を満たすことに応じて、一の特典を決定する。例えば、RPG(ロールプレイングゲーム)において、敵を倒したり、宝箱を見つけて開けたりした場合等、プレイ中の様々の条件の時に一の特典を決定するので、面白味のあるプレイを提供できる。
(7)本発明は、プレイ料金と複数の特典の取得確率とを対応付けて記憶した特典記憶手段を参照して、プレイ料金の大きさに応じて複数の特典の取得確率を決定する。よって、プレイ料金と複数の特典の取得確率とに関する例えばテーブルを用意するだけの簡易な方法で、様々なプレイに用いることができる。
【0015】
(8)本発明は、プレイ時間の累積時間の要素を取り入れて、プレイヤにより受付可能な複数の特典の取得確率を変動させるプレイ料金を決定する。よって、例えば、プレイに関して多くの時間を費やしたプレイヤからのプレイ料金の上限を制限して、プレイに関する難易度の変更を行うことができる。
(9)本発明は、プレイ料金の累積金額の要素を取り入れて、プレイヤにより受付可能な複数の特典の取得確率を変動させるプレイ料金を決定する。よって、例えば、多くのプレイ料金を支払ったプレイヤからのプレイ料金の上限を制限して、プレイに関する難易度の変更を行うことができる。
【0016】
(10)本発明は、ゲーム機の記憶部に特典設定プログラムを記憶して、プレイを行うことができる。よって、単体のゲーム装置で新しい態様の特典設定のプレイをすることができる。
(11)本発明は、ゲームサーバに特典設定プログラムを記憶することで、通信ネットワークを介したゲーム端末を用いてゲーム端末側で新しい態様の特典設定のプレイをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係るゲームシステムの全体構成並びにゲームサーバ及びゲーム機の機能構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るメイン処理のフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係る確率変動処理で用いる特典グラフを示す図である。
【図4】第1実施形態に係るプレイ処理のフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係る表示部に出力されるプレイ画面の例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係るアイテム記憶部及び上限決定記憶部を示す図である。
【図7】第2実施形態に係るゲーム機の機能構成を示す図である。
【図8】第2実施形態に係るメイン処理のフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係る特典記憶部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係るゲームシステム100の全体構成並びにゲームサーバ1及びゲーム端末3の機能構成を示す図である。
ゲームシステム100は、ゲームサーバ1と、複数のゲーム端末3とが、通信ネットワーク5を介して接続されている。
【0019】
ゲームサーバ1は、ゲーム端末3の各々で実行されるプレイを制御するコンピュータである。ゲームサーバ1は、制御装置10及び記憶装置20を備える。
ここで、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、ゲームサーバ1は、記憶装置20、制御装置10等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
制御装置10は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ゲームサーバ1の全体を制御するものである。制御装置10は、記憶装置20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ゲームサーバ1のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0020】
制御装置10は、プレイ料金受付手段11、開始受付手段12、確率変動手段13、特典決定手段14、プレイ進行手段15、報知手段16、プレイ料金決定手段17、時間蓄積手段18、料金蓄積手段19を備える。
プレイ料金受付手段11は、ゲーム端末3からプレイ料金に関するデータを受け付ける制御部である。
開始受付手段12は、ゲーム端末3からプレイの開始に関するデータを受け付ける制御部である。
確率変動手段13は、開始受付手段12によりプレイ開始に関するデータを受け付けたことで、複数の特典ランクの取得確率をプレイ料金の大きさに応じて変動させる制御部である。
【0021】
特典決定手段14は、確率変動手段13で変動させた確率に基づいて、複数の特典ランクから抽選処理により一の特典ランクを決定する制御部である。
プレイ進行手段15は、ゲーム端末3でのプレイを進行させる制御部である。プレイ進行手段15は、ゲーム端末3に対してプレイ画面(図5参照)を送信し、ゲーム端末3から操作信号を受信し、操作信号をプレイに反映させてプレイを進行する、といった各種のプレイ進行に関する処理を行う。
報知手段16は、プレイ料金と特典の取得確率とに関する説明をゲーム端末3に対して報知する制御部である。
【0022】
プレイ料金決定手段17は、プレイヤがプレイに費やしたプレイ時間の合計や、プレイ料金の合計の大きさに応じて、次のプレイでプレイ料金として受付可能な金額を決定する制御部である。
時間蓄積手段18は、プレイヤがプレイに費やしたプレイ時間を蓄積させる制御部である。
料金蓄積手段19は、プレイヤがプレイに費やしたプレイ料金を蓄積させる制御部である。
【0023】
記憶装置20は、特典設定プログラム21等の各種プログラムや、各種のデータを記憶する。記憶装置20は、制御装置10と組み合わせてプログラムの実行に使用するメモリを含んでよい。
記憶装置20を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。ゲームサーバ1と外部接続することができる磁気テープ、CD−ROMとCD−R/WとDVDとを含む光ディスクや、メモリカード等の補助記憶装置も含む概念である。
【0024】
記憶装置20は、特典設定プログラム21の他、特典記憶部22、アイテム記憶部23、プレイヤ情報蓄積部25、上限決定記憶部26を有する。
特典設定プログラム21は、上述の制御装置10の各手段の処理を実現するプログラムである。
特典記憶部22は、特典設定プログラム21で用いることができる複数の特典ランクとプレイ料金に応じた特典ランクの取得確率との関係をグラフ形式(図3参照)で記憶する。
アイテム記憶部23は、特典ランクに対応し、プレイで用いるアイテム(特典)を記憶する。
プレイヤ情報蓄積部25は、プレイに費やしたプレイ時間の合計及びプレイに費やしたプレイ料金の合計を、プレイヤごとに蓄積して記憶する。
上限決定記憶部26は、プレイ料金としてプレイヤが入力可能な上限を決定するためのデータを記憶する。
【0025】
なお、ゲームサーバ1を構成するハードウェアの数に制限はない。必要に応じて、1又は複数で構成してもよい。また、ゲームサーバ1のハードウェアは、必要に応じてWebサーバ、DB(データベース)サーバ、アプリケーション・サーバ等の各種サーバを含んで構成してもよく、1台のサーバで構成しても、それぞれ別のサーバで構成してもよい。また、以降の説明では、ゲーム端末3でプレイを開始する際に、ゲームサーバ1を使用するために予め会員登録をしてから行うものとして説明するが、ゲームサーバ1のハードウェアは、会員登録の機能や、プレイ料金の決済の機能等の機能ごとに、別サーバで構成してもよい。
【0026】
ゲーム端末3は、プレイヤが実際に操作してプレイを行う端末である。ゲーム端末3は、例えば、パソコン(パーソナルコンピュータ)である。ゲーム端末3は、その他、据え置き型や携帯型のゲーム専用機や、携帯電話機であってもよい。
ゲーム端末3は、制御部30、記憶部31、表示部32、操作部33及び通信インタフェース部34を備える。
制御部30は、ゲームサーバ1の制御装置10と同様に、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、ゲーム端末3の全体を制御するものである。
記憶部31は、制御部30での処理に使用するメモリを含んでよい。記憶部31を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
【0027】
表示部32は、プレイ画面を出力する液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置である。
操作部33は、プレイヤによる入力の受け付けを行うものであり、各種キーやボタン等を含んでよい。
通信インタフェース部34は、ゲームサーバ1から送信されたプレイ画面を受信したり、ゲーム端末3から操作信号を送信したりする。
通信ネットワーク5は、ゲームサーバ1とゲーム端末3との間で通信を行うための、例えばインターネット等の通信網である。
【0028】
次に、ゲームシステム100で実行するプレイについて説明する。
図2は、第1実施形態に係るメイン処理のフローチャートである。
このゲームシステム100で実行するプレイの前提として、プレイヤは、プレイ料金を支払うプレイ(以下、有料プレイという。)と、プレイ料金を支払わないプレイ(以下、無料プレイという。)と、をプレイ開始時及びプレイのコンティニュー時に選択できる。プレイヤが有料プレイを選択した場合のプレイ料金は、上限を300円として任意の金額をプレイヤが設定することができる。プレイの内容自体は、有料プレイと無料プレイとにおいて差はない。以下、プレイは、複数のステージがあり、プレイヤが操作する主人公が敵と戦いながら冒険をするRPG(ロールプレイングゲーム)として説明する。また、1ステージが終わるごとに各プレイが終了するものとする。
【0029】
まず、ステップS1では、ゲーム端末3の制御部30は、例えば、プレイヤがWebブラウザからゲームサーバ1のURL(Uniform Resource Locator)を入力することで、ゲームサーバ1に接続要求を送信して、プレイを行うための接続依頼をゲームサーバ1に対して行う。
ステップS2では、ゲームサーバ1の制御装置10は、接続依頼のあったゲーム端末3に対して、ゲーム端末3のプレイヤをゲームサーバ1が認証するためのログオン画面を送信する。
ステップS3では、制御部30は、表示部32にログオン画面を表示させ、プレイヤがログオン画面にユーザIDやパスワードといった認証情報を入力したことで、制御部30は、ゲームサーバ1に対して認証要求を送信する。
【0030】
ステップS4では、制御装置10は、受信した認証要求に基づき認証処理を行う。なお、そのプレイヤが初めてプレイを行う場合には、ゲーム端末3とゲームサーバ1とが通信することで、会員登録をするようにしてもよい。
ステップS5では、制御装置10(プレイ料金決定手段17)は、プレイ料金決定処理を行い、ゲーム端末3のプレイヤがプレイ料金として受付可能な金額の上限を決定する。このプレイ料金決定処理については、後述する。
ステップS6では、制御装置10(報知手段16)は、プレイ料金とこれから行うプレイでの特典の取得確率とに関する説明画面を生成して、ゲーム端末3に送信する。説明画面には、プレイ料金として、プレイ料金決定処理(ステップS5)で決定された上限以下の金額を、受付可能な範囲のプレイ料金として説明する。なお、この例では、プレイ料金は1円単位で受け付けることができる。
【0031】
ステップS7では、制御部30は、説明画面を表示する。制御部30がゲームサーバ1から受信した説明画面を表示することで、ゲームサーバ1は、プレイ料金とこれから行うプレイでの特典の取得確率とに関する説明をプレイヤに報知することができる。よって、ゲームシステム100は、価値ある特典を取得する際に、有料プレイで取得確率を上げるか、無料プレイで運にかけるかのいずれのプレイを行うか、の選択にあたっての情報をプレイヤに提供できる。また、ゲームシステム100による情報の報知によって、プレイヤに対してプレイ料金の支払いを促すことができる。
【0032】
ステップS8では、制御部30は、プレイヤからプレイ料金の入力を受け付けたか否かを判断する。プレイ料金の入力を受け付けた場合(ステップS8:YES)には、制御部30は、プレイ料金をゲームサーバ1に送信する。プレイ料金の入力を受け付けなかった場合(ステップS8:NO)には、制御部30は、処理をステップS11に移す。
ステップS9では、制御装置10(プレイ料金受付手段11)は、プレイ料金を受け付けて、決済処理を行う。決済処理は、例えば、クレジットカードによるプレイヤの口座からの引き落とし等、一般的にインターネットで行われている決済処理を用いる。そして、制御装置10は、決済処理が正常に行われてプレイ料金を受け付けた旨の決済結果をゲーム端末3に送信することで、ゲーム端末3のプレイヤは、プレイ料金が受け付けられた旨を確認できる。
【0033】
ステップS10では、制御装置10(料金蓄積手段19)は、プレイヤが入力したプレイ料金を蓄積して、累積金額としてプレイヤ情報蓄積部25に格納する。
ステップS11では、制御部30は、プレイヤからプレイ開始の選択の操作を受け付けたことで、ゲームサーバ1に対してプレイ開始要求を送信する。
ステップS12では、制御装置10(開始受付手段12、確率変動手段13)は、プレイ開始要求を受信したことで、確率変動処理を行う。
【0034】
ここで、確率変動処理について、図3を用いて説明する。
図3は、第1実施形態に係る確率変動処理で用いる特典グラフGを示す図である。
特典グラフGは、X軸にプレイ料金の大きさを示し、Y軸に0から99の乱数値を示したグラフである。この特典グラフGは、特典記憶部22に記憶されている。特典グラフGを用いることで、プレイ料金の大きさに応じて、とり得る特典のランクを定めている。特典は、特Aランクを価値の最も高いランクとして、高い方から低い方に順番に、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、Eランク、Fランクの計7つに分類されている。そして、特典グラフGは、プレイ料金が高いほど、価値の高いランクの縦軸方向の幅が大きくなるように設定されている。
【0035】
例えば、プレイ料金として50円を受け付けた場合には、Aランク〜Fランクのいずれかに該当することになるが、特Aランクには該当する領域はない(図中(1)参照)。そして、50円のプレイ料金では、FランクやEランクの幅が広いので、FランクやEランクに該当する確率が高くなる。他方、プレイ料金として300円を受け付けた場合には、特Aランク〜Eランクのいずれかに該当することになり、Fランクには該当する領域はない(図中(2)参照)。そして、300円のプレイ料金では、Eランクの幅が狭いので、Eランクに該当する確率が低く、他方、特Aランクに該当する確率が、他のプレイ料金の場合と比較して最も高くなっている。
【0036】
このように、ゲームシステム100は、高額なプレイ料金を受け付けた場合には、価値の高い特典を含んだ状態にし、プレイ料金を受け付けない場合やプレイ料金が低額な場合には、価値の高い特典を除いた状態にして、複数の特典の取得確率を設定する。よって、ゲームシステム100は、プレイ料金の支払い有無や支払額の高低により、プレイを差別化することで、プレイヤを有料プレイへと促すことができる。
確率変動処理とは、この特典グラフGを用いて、プレイ金額に応じて各ランクの乱数の範囲を決定する処理をいう。
【0037】
図2に戻って、ステップS13では、ゲームサーバ1の制御装置10と、ゲーム端末3の制御部30とは、プレイの進行に関するデータを送受信してプレイ処理を行う。
【0038】
ここで、プレイ処理について、図4に基づき説明する。
図4は、第1実施形態に係るプレイ処理のフローチャートである。
図5は、第1実施形態に係る表示部32に出力されるプレイ画面の例を示す図である。
図6は、第1実施形態に係るアイテム記憶部23及び上限決定記憶部26を示す図である。
図4のステップS101では、ゲームサーバ1の制御装置10は、プレイを終了するか否かを判断する。プレイを終了する場合は、例えば、プレイの結果、1プレイの単位であるステージをクリアしたときや、途中で主人公が倒されてゲームオーバになったときである。プレイを終了する場合(ステップS101:YES)には、制御装置10は、本処理を終了する。他方、プレイを終了しない場合(ステップS101:NO)には、制御装置10は、処理をステップS102に移す。
【0039】
ステップS102では、制御装置10(特典決定手段14)は、プレイが所定の条件を満たすか否かを判断する。所定の条件とは、例えば、主人公が仮想フィールド上を冒険していて、特定の宝箱を発見した場合(図5(a)参照)や、主人公が特定の敵を倒した場合(図5(b)参照)をいう。所定の条件を満たす場合(ステップS102:YES)には、制御装置10は、処理をステップS103に移す。他方、所定の条件を満たさない場合(ステップS102:NO)には、制御装置10は、処理をステップS106に移す。
ステップS103では、制御装置10(特典決定手段14)は、抽選処理を行う。抽選処理は、制御装置10が0から99までの範囲からランダムに1つの数字を決定する。
【0040】
ステップS104では、制御装置10(特典決定手段14)は、決定された1つの数字が、図3の特典グラフGのどのランクの位置に含まれるのかを決定する。例えば、プレイ料金として200円が支払われていた場合であって、決定された1つの乱数が「80」である場合、図3の(3)の座標に該当するので、Aランクと決定できる。そして、制御装置10(特典決定手段14)は、ランクに対応したアイテムを出力する。そのアイテムは、アイテム記憶部23を用いて決定する。
【0041】
図6(a)は、アイテム記憶部23の一例を示す。アイテム記憶部23には、プレイヤのエネルギーを回復する回復系のアイテムや、プレイヤの攻撃力を向上させる剣系のアイテム等、アイテムの属性ごとにFランクから特Aランクまでのアイテムが格納されている。アイテム記憶部23には、Fランクから特Aランクにいくにしたがって、プレイで用いられるゲームでの効果が強く、プレイに有利に働くアイテムが格納されている。例えば、進行中のプレイの条件で出力対象になるのが回復系のアイテムである場合には、回復系アイテムでAランクの「全復活玉」を決定する。なお、プレイの条件でアイテムの属性が決定されていない場合には、制御装置10が1から4まで範囲からさらに1の数字を決定することで、属性を決定してもよい。
【0042】
ステップS105では、制御装置10(プレイ進行手段15)は、ステップS104で決定したアイテムをプレイに反映させる。
ステップS106では、制御装置10(プレイ進行手段15)は、プレイに関する画面を生成して、ゲーム端末3にプレイ画面を送信する。
ステップS107では、制御部30は、ゲームサーバ1から受信したプレイ画面を表示する。図5(c)には、上述のステップS104での説明で決定された「全復活玉」のプレイ画面を表示している。
【0043】
図4に戻って、ステップS108では、制御部30は、プレイ画面を見ながらプレイヤがプレイの操作を行うことで、操作信号をゲームサーバ1に送信する。
ステップS109では、制御装置10は、操作信号を受信してその操作信号をプレイに反映した後、処理をステップS101に移す。
上述の処理により、ゲームサーバ1とゲーム端末3とは、プレイヤによるプレイが終了するまでプレイを進行することができる。
このように、ゲームシステム100は、進行中のプレイが所定の条件を満たすことに応じて、一の特典であり特典ランクに対応するアイテムを決定する。ゲームシステム100は、上述の例のように、敵を倒したり、宝箱を見つけて開けたりした場合等、プレイ中の様々の条件の時にアイテムを決定するので、面白味のあるプレイを提供できる。
【0044】
図2に戻って、ステップS14では、制御装置10(時間蓄積手段18)は、プレイヤのこのプレイに用いた時間を蓄積して、累積時間としてプレイヤ情報蓄積部25に格納する。
ステップS15では、制御装置10は、コンティニュー画面をゲーム端末3に送信して、コンティニュー可能時間(例えば、15秒)以内にコンティニューをする旨のデータをゲーム端末3から受信したか否かを判断する。コンティニューをする場合(ステップS15:YES)には、制御装置10は、処理をステップS5に移す。他方、コンティニューをしない場合(ステップS15:NO)には、制御装置10は、本処理を終了する。
コンティニューをする場合(ステップS15:YES)によって、ステップS5に戻ったときに、制御装置10は、プレイ料金決定処理を行い、以降、ステップS6からステップS15までの処理を行う。
【0045】
ここで、プレイ料金決定処理について説明する。プレイ料金決定処理は、プレイヤ情報蓄積部25に蓄積されたプレイヤの累積時間及び累積金額から、プレイヤが入力できるプレイ料金の上限を制限するものである。
これは、ゲームサーバ1が、図6(b)のような上限決定記憶部26を記憶装置20に記憶しておくことで実現できる。図6(b)に示す上限決定記憶部26は、累積時間と累積金額とから、1回あたりのプレイ料金の上限を決定するためのテーブルである。なお、この例では、累積時間と累積金額とのうちのいずれかが該当の上限値の範囲に達した場合には、その上限値が適用される。
例えば、累積時間が90時間で累積金額が5000円のプレイヤの場合には、いずれもプレイ料金の上限が「なし」の欄に該当するので、プレイ料金の上限が設定されない。しかし、累積時間が90時間であっても、累積金額が13000円であれば、累積金額がプレイ料金の上限が「200円」に該当するので、プレイ料金の上限が200円に制限される。
【0046】
このように、ゲームシステム100は、プレイ時間の累積時間の要素や、プレイ料金の累積金額の要素を取り入れて、プレイヤにより受付可能な複数の特典の取得確率を変動させるプレイ料金を決定する。プレイ料金を制限する場合は、この例によれば、プレイ時間の累積時間が長いプレイヤやプレイ料金の累積金額が高いプレイヤである。このようなプレイヤに対して、プレイ料金の上限を設定することで、プレイに有利なアイテムの出現度合いを低めることができ、累積時間の短いプレイヤや累積金額の低いプレイヤとの技量の差を縮めることができる。
【0047】
また、ゲームシステム100は、プレイ料金の大きさに応じて、価値の異なる複数の特典ランクの取得確率を変動させ、さらに、抽選処理により一の特典ランクを決定して、特典ランクに対応するアイテムをプレイに反映させてプレイを進行する。よって、プレイヤは、プレイ料金の支払いの有無及び支払う場合のプレイ料金が選択でき、ゲームシステム100は、支払われたプレイ料金の大きさに応じて、プレイで用いるアイテムの取得確率を変動させることができる。そして、ゲームシステム100は、プレイで用いるアイテムは、変動させた取得確率に基づいて抽選処理により決定する。よって、ゲームシステム100は、プレイ料金に応じてプレイ進行に影響を与えるアイテムの取得確率が大きくなるという要素と、抽選によりアイテムが決定されるという運の要素との両方を併せ持った、新しい態様の特典設定のプレイを行うことができる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、業務用ゲーム端末に適用したものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0049】
図7は、第2実施形態に係るゲーム機204の機能構成を示す図である。
ゲーム機204は、例えば、ゲームセンタ等に設置され、パズルゲーム等を行うビデオゲーム機である。
ゲーム機204は、制御部210と、記憶部220と、表示部232と、操作部233と、コイン投入口235とを備える。
【0050】
制御部210は、プレイ料金受付手段211と、開始受付手段212と、確率変動手段213と、特典決定手段214と、プレイ進行手段215と、報知手段216とを備える。
制御部210は、情報の演算、及び処理を行う情報演算処理装置(CPU)であり、当該ゲーム機204の全体を制御するものである。制御部210は、記憶部220に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、ゲーム機204のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0051】
プレイ料金受付手段211は、コイン投入口235にコインが投入されることで、プレイ料金を受け付ける制御部である。
開始受付手段212は、操作部233によるプレイの開始に関する選択を受け付ける制御部である。
確率変動手段213は、開始受付手段212によりプレイ開始の選択を受け付けたことで、複数の難易度(特典)の取得確率をプレイ料金の大きさに応じて変動させる制御部である。
特典決定手段214は、確率変動手段213で変動させた確率に基づいて、複数の難易度から抽選処理により一の難易度を決定する制御部である。
プレイ進行手段215は、プレイを進行する制御部である。
報知手段216は、プレイ料金と難易度の確率とに関する説明を表示部232に報知する制御部である。
【0052】
記憶部220は、特典設定プログラム221等の各種プログラムや、各種のデータを記憶する。記憶部220は、制御部210と組み合わせてプログラムの実行に使用するメモリを含んでよい。
記憶部220を実現するものとして、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。より具体的には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)等を含む半導体記憶装置、磁気ディスク等が含まれる。
記憶部220は、特典設定プログラム221の他、特典記憶部227を備える。
特典設定プログラム221は、上述の制御部210の各手段の処理を実行するプログラムである。
特典記憶部227は、特典設定プログラム221で用いる複数の難易度と、プレイ料金に応じた難易度の確率及び難易度に対応する乱数値との関係を表形式で記憶する。
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機204は、記憶部220、制御部210等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0053】
表示部232は、液晶表示装置等の表示装置である。表示部232は、プレイヤが見ながらプレイができるように、プレイヤにより視認可能な位置に配置されている。
操作部233は、例えば、ボタンやコントローラ等のプレイヤの左右の手による操作入力を受け付ける。
コイン投入口235は、コインを投入するための投入口である。コイン投入口の内部には、投入されたコインを検出する光学センサ(図示せず)等が設けられており、この光学センサ等がコインを検出すると、制御部210に検出信号を出力し、制御部210がプレイ料金の受け付け処理を行う。なお、コイン投入口235は、その他として、例えば、課金情報を有するIC(集積回路)チップ入りのカードやICタグ入りの携帯電話機から課金情報を受け付ける、リーダライタであってもよい。
【0054】
次に、ゲーム機204で実行するプレイについて説明する。
図8は、第2実施形態に係るメイン処理のフローチャートである。
このゲーム機204で実行するプレイの前提として、プレイヤは、プレイ開始時及びプレイのコンティニュー時に有料プレイと無料プレイとを選択できる。プレイヤが有料プレイを選択した場合には、100円、200円、300円の3段階のプレイ料金のうちのいずれかをさらに選択できる。プレイの内容自体は、有料プレイと無料プレイとの間に差はない。以下、プレイは、複数のステージがあり、プレイ画面上の所定のパズルを消すことでステージクリアになり、ステージクリアがされている間は、そのプレイが続行するものである。
【0055】
まず、ステップS201では、制御部210(報知手段216)は、デモンストレーション画面と共に、プレイ料金とこれから行うプレイでの難易度の確率とに関する説明画面を表示部232に表示して、プレイヤに報知する。
ステップS202では、制御部210は、プレイヤによりコイン投入口235にコインが投入されたか否かを判断する。コインが投入された場合(ステップS202:YES)には、制御部210は、処理をステップS203に移す。他方、コインが投入されていない場合(ステップS202:NO)には、制御部210は、処理をステップS204に移す。
【0056】
ステップS203では、制御部210(プレイ料金受付手段211)は、プレイ料金を受け付ける。
ステップS204では、制御部210(開始受付手段212)は、操作部233によるプレイ開始の選択を受け付ける。
ステップS205では、制御部210(確率変動手段213)は、プレイ料金の大きさに基づいて特典記憶部227のレコードを決定して、難易度の確率を変動する。
【0057】
ここで、特典記憶部227について図9を用いて説明する。
図9は、第2実施形態に係る特典記憶部227を示す図である。
特典記憶部227は、プレイ料金と、特典である難易度を決定する数値の範囲及びその確率とを対応付けて記憶している。乱数値は、0〜99の範囲の数から制御部210によりランダムに決定される1つの数字である。特典記憶部227は、縦にプレイ料金を、横にプレイの難易度をそれぞれ示す。プレイ料金が低額であるほど、難易度が高いものになる確率が高く、プレイ料金が高額になるにつれて、難易度が低いものになる確率が高くなっている。
【0058】
図8に戻って、ステップS206では、制御部210(特典決定手段214)は、ステップS205で決定した確率に基づいて、複数の難易度から抽選により難易度を決定する。
例えば、制御部210が発生させた乱数値が「75」である場合、図9の特典記憶部227を参照すると、プレイ料金を支払わない無料プレイ(0円)の場合には、難易度が高く、プレイ料金を100円支払ったプレイヤには、難易度が中程度になり、プレイ料金を200円又は300円支払ったプレイヤには、難易度が低くなる。
このように、ゲーム機204は、プレイ料金と複数の難易度の確率とに関する例えばテーブルを用意するだけの簡易な方法で、様々なプレイに用いて、新しい態様の特典設定のプレイができる。
【0059】
図8に戻って、ステップS207では、制御部210(プレイ進行手段215)は、決められた難易度に応じてプレイを進行する。プレイヤは、表示部232に表示されたプレイ画面を見ながら操作部233を操作して、所定のパズルを消すプレイを進行する。
ステップS208では、制御部210(プレイ進行手段215)は、ステージクリアしたか否かを判断する。ステージクリアした場合(ステップS208:YES)には、制御部210は、処理をステップS206に移し、次のステージの難易度を決定して、プレイを続行する。ステージクリアをしなかった場合(ステップS208:NO)には、制御部210は、処理をステップS209に移す。
【0060】
ステップS209では、制御部210は、表示部232にコンティニュー画面を表示して、コンティニュー可能時間(例えば、15秒)以内にコンティニューをする旨の操作を受け付けてコンティニューするか否かを判断する。コンティニューする場合(ステップS209:YES)には、制御部210は、処理をステップS201に移す。そして、上述のステップS201での説明のとおり、報知をする。他方、コンティニューを行わない場合(ステップS209:NO)には、制御部210は、本処理を終了する。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0062】
(変形形態)
(1)本実施形態において、RPGやパズルゲームを例にして説明したが、これに限定されず、どのようなジャンルのゲームであっても本発明の機能を実現できる。
(2)本実施形態において、特典として提供するアイテムはプレイに有利なものや、特典として難易度自体を変更するものの例を示したが、これに限定されない。例えば、特典として提供するアイテムが、コレクション性のあるものであって、アイテムの出現度合いを変更することで、コレクタにとってレアなものを提供するようにしてもよい。
【0063】
(3)第1実施形態において、特典グラフでランクを定めて、ランクに対応するアイテムを取得するようにして、2段階でアイテムを決定する例を示したが、プレイ料金と乱数とから直接特典であるアイテムが決定できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…ゲームサーバ、 3…ゲーム端末、 5…通信ネットワーク、 10…制御装置、 11,211…プレイ料金受付手段、 12,212…開始受付手段、 13,213…確率変動手段、 14,214…特典決定手段、 15,215…プレイ進行手段、 16,216…報知手段、 17…プレイ料金決定手段、 18…時間蓄積手段、 19…料金蓄積手段、 20…記憶装置、 21,221…特典設定プログラム、 22,227…特典記憶部、 30,210…制御部、 31,220…記憶部、 32,232…表示部、 33,233…操作部、 100,200…ゲームシステム、 204…ゲーム機、 235…コイン投入口、 G…特典グラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイ料金の支払いの有無にかかわらずにプレイを進行可能なコンピュータを、
プレイヤの操作によりプレイ料金を受け付けるプレイ料金受付手段と、
前記プレイヤによるプレイ開始の選択の操作を受け付ける開始受付手段と、
価値の異なる複数の特典を記憶する特典記憶手段と、
前記開始受付手段によりプレイ開始の選択を受け付けたことに応じて、前記特典記憶手段に記憶された前記複数の特典の取得確率を、前記プレイ料金の大きさに応じて変動させる確率変動手段と、
前記確率変動手段により変動させた確率に基づいて、前記複数の特典から抽選処理により一の特典を決定する特典決定手段と、
前記特典決定手段により決定した前記一の特典を前記プレイに反映させて前記プレイを進行するプレイ進行手段と、
して機能させること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の特典設定プログラムにおいて、
前記特典は、前記プレイを有利に進めさせるアイテムの有利さの度合いに対応して価値が設定されていること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の特典設定プログラムにおいて、
前記特典は、前記プレイで出現するアイテムに関する出現頻度に対応して価値が設定されていること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の特典設定プログラムにおいて、
前記確率変動手段を、前記プレイ料金受付手段が前記プレイ料金を受け付けた場合には、価値の高い特典を含んだ状態にし、前記プレイ料金受付手段が前記プレイ料金を受け付けない場合には、前記価値の高い特典を除いた状態にして、前記複数の特典の取得確率を設定するように機能させること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の特典設定プログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記プレイ料金受付手段がプレイ料金を受付可能な状態である場合に、プレイ料金と前記特典の取得確率とに関する説明を前記プレイヤに対して報知する報知手段として機能させること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の特典設定プログラムにおいて、
前記特典決定手段を、前記プレイ進行手段により進行中のプレイが所定の条件を満たすことに応じて、前記一の特典を決定するように機能させること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の特典設定プログラムにおいて、
前記特典記憶手段を、プレイ料金ごとに前記複数の特典の取得確率を対応付けて記憶するように機能させ、
前記確率変動手段を、前記プレイ料金の大きさに応じて前記特典記憶手段を参照して前記プレイ料金に対応する前記複数の特典の取得確率を決定するように機能させること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の特典設定プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記プレイヤのプレイ時間を蓄積して記憶する時間蓄積手段と、
前記時間蓄積手段によって記憶された前記プレイ時間の大きさに応じて受付可能な前記プレイ料金を決定するプレイ料金決定手段と、
して機能させること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の特典設定プログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記プレイ料金受付手段により受け付けた前記プレイヤのプレイ料金を蓄積してする料金蓄積手段と、
前記料金蓄積手段によって蓄積された前記プレイ料金の大きさに応じて受付可能な前記プレイ料金を決定するプレイ料金決定手段と、
して機能させること、
を特徴とする特典設定プログラム。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の特典設定プログラムを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記特典設定プログラムを実行する制御部と、
を備えるゲーム機。
【請求項11】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の特典設定プログラムを記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶された前記特典設定プログラムを実行する制御装置とを有するゲームサーバと、前記ゲームサーバに対して通信ネットワークを介して接続されたゲーム端末とを備えたゲームシステムであって、
前記ゲーム端末は、
前記プレイヤの操作を受け付ける操作部と、
前記プレイ進行手段により進行したプレイに関する画面を表示する表示部と、
を備えること、
を特徴とするゲームシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−240222(P2010−240222A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93673(P2009−93673)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】