説明

猛禽類の出現頻度の定量化手法、システム及びプログラム

【課題】従来は、猛禽類の重要な場所か否かの判断は、複数の調査員が観察した合計の出現回数の多少に基づいて行なっており、地形条件や観察時間と言った観察条件の違いを無視していた。
【解決手段】調査対象地域を分割したメッシュ毎に複数の調査員の視野範囲と観察時間を合わせてそのメッシュが上空のみ見ている範囲、上空と山肌を見ているのか等の総合的視野範囲と、そのメッシュの累積観察時間を導出し、出現回数を累積観察時間で除することでメッシュ毎に出現頻度を算出する。この手法では、見えなかった視野範囲は頻度算出領域には含まれないので、その範囲が重要でない範囲とは誤判断されない。また、観察条件を考慮して重要な範囲か否かを判断できる。さらに、観察地点別に視野範囲を表示できるので、観察領域を漏れなく且つ最小限の調査員で観察するのに適した複数の観察地点を予め決定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は猛禽類の出現頻度の定量化手法、システム及びプログラムに係り、より詳細には、調査員の観察時間や尾根、谷と言った地形条件を含む調査条件が異なっても影響されない、猛禽類の出現頻度の定量化手法、システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
猛禽類は、近年個体数が減少傾向にあることから、適切な保護を可能とするために、公共事業に伴う環境調査の一環として猛禽類にとって重要な場所の分布調査が行なわれている。
従来の基本的な調査方法は、先ず、観察地域を決定すると、その観察地域を分担して観察させるために、複数の調査員を見通しの良い地点に配置し、日中の数時間、同時に観察を行なわせて、調査対象の猛禽類の出現位置を地図上に記録させると言ったものであった。そして、その観察調査により得られた各調査員の出現の記録データを集め、観察地点数とその地点に立って観察した調査員の観察時間と猛禽類の出現回数のみを材料として、出現の記録データが多く集った場合には観察領域が重要な場所か否かを判断し、逆に出現の記録データが無いか少ない場所を猛禽類にとって重要でない場所と判断していた。
【0003】
しかしながら、この調査は調査員が野外の場所に立って行なうため、その調査員の担当する観察範囲でも、尾根、谷の地形やその他の地形条件により、猛禽類の出現を観察できない範囲がある。即ち、各調査員が担当する観察範囲を平等に観察できているわけではない。また、通常は、複数の調査員が行なうため、ある範囲は延べ時間で何百時間も観察したが、ある範囲は数十時間しか観察していない場合もある。
従って、単純に調査員のカウントした出現回数が多いか否かだけで猛禽類にとって重要な場所かそうでないかを判断したのでは、判断の信頼性が低い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、本発明は上記課題を解決するために、尾根、谷と言った環境条件や、調査員の観察時間と言った調査条件がまちまちでも、猛禽類の出現頻度を定量化できる手法と、その定量化手法をコンピュータに実行させるためのシステム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、視野範囲と観察時間に着目し、調査対象地域をメッシュ分割し、メッシュ毎に総合的視野範囲と累積観察時間を導出した上で、従来からの基本的な調査方法により調査員がカウントした猛禽類の出現回数を累積観察時間で除することで、出現頻度を定量化できることを見出し、本発明の定量化手法を案出するに至った。
【0006】
請求項1の発明は、調査対象地域をメッシュ分割する、メッシュ分割ステップと、各観察定点に対応した猛禽類の視野範囲及び観察時間を入力する、視野範囲・観察時間入力ステップと、メッシュ毎に、入力された視野範囲・観察時間に基づいて調査対象地域における総合的視野範囲・累積観察時間のデータを観察基準データとして作成する観察基準データ作成ステップと、メッシュ毎に、確認された猛禽類の出現回数を入力する、出現回数入力ステップと、メッシュ毎に、入力された出現回数を上記した観察基準データで除して猛禽類の出現頻度を算出する、出現頻度算出ステップと、を含むことを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化手法である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した猛禽類の出現頻度の定量化手法において、視野範囲・観察時間入力ステップでは、視野範囲を、メッシュ毎に上空から山肌まで見ている範囲か、上空のみ見ている範囲か、山肌のみ見ている範囲か或いは全く見えない範囲か等、観察目的に応じて視野を分別しながら入力することを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化手法である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した猛禽類の出現頻度の定量化手法において、視野範囲・観察時間入力ステップでは、繁殖活動期間等、観察目的に応じて期間を分別しながら観察時間を入力することを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化手法である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した猛禽類の出現頻度の定量化手法において、出現回数入力ステップでは、つがいの狩り等の観察目的に応じて出現形態を分別しながら入力することを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化手法である。
【0010】
請求項5の発明は、調査対象地域をメッシュ分割する、メッシュ分割手段と、各観察定点に対応した猛禽類の視野範囲及び観察時間を入力する、視野範囲・観察時間入力手段と、メッシュ毎に、入力された視野範囲・観察時間に基づいて調査対象地域における総合的視野範囲・累積観察時間のデータを観察基準データとして作成する観察基準データ作成手段と、メッシュ毎に、確認された猛禽類の出現回数を入力する、出現回数入力手段と、メッシュ毎に、入力された出現回数を上記した観察基準データで除して猛禽類の出現頻度を算出する、出現頻度算出手段とを含むことを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化システムである。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載した猛禽類の出現頻度の定量化システムにおいて、さらに、出現頻度のメッシュデータを視覚的に識別可能に表示する、メッシュデータ表示手段を含むことを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化システムである。
請求項7の発明は、請求項5または6に記載した猛禽類の出現頻度の定量化システムにおいて、さらに、各観察定点に対応して入力された猛禽類の視野範囲または視野範囲及び観察時間のデータを視覚的に識別可能に表示する、メッシュデータ表示手段を含むことを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化システムである。
【0012】
請求項8の発明は、請求項5から7のいずれかに記載した猛禽類の出現頻度の定量化システムとしての機能をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来からの複数の調査員による観察方法でデータを収集しても、猛禽類の出現頻度を信頼性高く定量化(数値化)できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は猛禽類の出現頻度の定量化システム1の論理構成図である。
符号3はメッシュ分割手段を示し、このメッシュ分割手段3の備える入力操作部を利用した作業者による入力を介してメッシュ分割ステップを実行して、調査対象地域を分割するメッシュの単位大きさのデータを決定する。
符号5は視野範囲・観察時間入力手段を示し、この視野範囲・観察時間入力手段5の備える入力操作部を利用した作業者の入力を介して視野範囲・観察時間入力ステップを実行して、各観察定点に対応した視野範囲と観察時間が入力される。
【0015】
符号7は観察基準データ作成手段を示し、この観察基準データ作成手段7は視野範囲・観察時間入力手段5により取得されたデータを基に観察目的に応じてデータファイル9を作成する。即ち、観察基準データ作成ステップを実行する。具体的なデータの作成方法については後述する。
符号11は出現回数入力手段を示し、この出現回数入力手段11の備える入力操作部を利用した作業者による入力を介して出現回数入力ステップを実行して、観察目的に応じて出現回数のデータファイル13を作成する。
符号15は出現頻度算出手段を示し、この出現頻度算出手段15の備える演算機能によりメッシュ毎に入力された出現回数を上記した観察基準データで除して猛禽類の出現頻度を算出する。即ち、出現頻度算出ステップを実行する。
【0016】
符号17はメッシュデータ表示手段を示し、このメッシュデータ表示手段17の備える表示機能により出現頻度のメッシュデータの画面を生成してディスプレイ表示したり、或いはプリンタに出力する。即ち、メッシュデータ表示ステップを実行する。
なお、メッシュ毎の色分け、色の設定等は、表示条件設定手段19の備える入力操作部を利用した作業者による入力を介して設定し表示条件ファイル21に格納しておく。
【0017】
この定量化システム1は、中央処理装置(CPU)と、プログラムやデータが格納されたROMやプログラム実行のためのワークエリアや一時記憶エリアとして機能するRAMと、外部記憶装置と、キーボード等の入力操作部と、ディスプレイと、プリンタと、中央処理装置が外部記憶装置等との間でデータの送受信を行うための入出力インターフェースを備えたコンピュータと、外部記憶装置に格納されている定量化プログラム(専用プログラム)およびOSとを備えたハード構成を利用して各手段からなる論理構成が構築されており、中央処理装置が該プログラムに従って各種データファイルやデータベースを読み出して各ステップを実行させると定量化システム1が機能として実現されたことになる。
この定量化システム1では各入力手段と表示手段は所定の入力を促す画面が作成・表示され、作業者が入力操作部を利用して入力・設定すると、所定のファイル等に格納される構成になっている。また、出現頻度算出手段15はCPUの演算機能を利用している。
【0018】
次に、ある特定の猛禽類を調査対象として、上記の定量化システム1を利用して実際に定量化する手法を、図2のフローチャートに示されたステップ順に説明する。
(メッシュ分割ステップ)
調査対象地域をメッシュ分割する。メッシュの大きさは適宜変更可能である。
(視野範囲・観察時間の入力ステップ)
1.視野範囲の入力
通常は、現地調査で複数の観察定点を予め設定し、そこに1人ずつ調査員を立たせてその観察定点から全方位及び距離範囲を所定時間その調査員に観察させる。
従って、先ず、各観察定点に対応した調査員の視野範囲を入力する。例えば、この実施の形態では、調査員はその観察定点に立って全視野(360°)を観察する設定になっているため、観察定点毎にその座標データと、その観察定点からの観察を担当する距離を入力することで、観察定点別の視野範囲を入力したことになる。距離は、例えば、調査対象の猛禽類がイヌワシの場合は5km、クマタカの場合は3kmと言うように調査員の確認可能な範囲を考慮して設定する。
【0019】
次に、視野範囲が特定されると、上記メッシュ分割に対応したメッシュ毎の入力欄が表示されるので、図3に示すように、メッシュの座標に対応した見え方を数字入力する。
(例) 0: そのメッシュは見えない
1: 上空のみ見える範囲
2: 上空と山肌の見える範囲
なお、0の「そのメッシュは見えない」とは、観察範囲内にある一番高い山の向こう側の範囲と定義した。
【0020】
2.観察時間の入力
各観察定点を担当する調査員の観察時間を、入力する。その際、ある特定の猛禽類の繁殖活動期間のみを積算したい場合等、後で任意の期間の抽出を可能とするため、観察時間を複数のファイルに分けて入力できる構成になっている。
【0021】
(観察基準データの作成ステップ)
メッシュ毎に、入力された視野範囲・観察時間に基づいて調査対象地域における総合的視野範囲・累積観察時間のデータを観察基準データとして作成する。
総合的視野範囲は、各観察定点についての視野範囲図を重ねて算出する。
また、累積観察時間は、各観察定点についての観察時間を単純に積算して算出する。その際、複数のファイルから所定の年度の1年分のみを抽出したり、または、各年のある季節(例:3〜5月)のみを抽出することができる。
なお、各観察定点に対応する視野範囲に重複範囲がある場合には、一例として、ここでは、図4に示すように重ねて処理している。3以上の視野範囲が重なるときは、その場所を見た時間の最大値(その範囲を見ている初めの観察時間から終わりの観察時間まで)をとる。
なお、図4では表示上の便宜のため、視野範囲は全範囲とはしていない。
【0022】
(出現回数入力ステップ)
メッシュ毎に、確認された特定の猛禽類の出現回数を入力する。その際、単に出現回数を入力してもよいが、例えば、つがいを観察目的とする場合には、つがいを観察した場合のみ出現として入力してもよい。また、止まりや飛翔や狩り等を観察目的とする場合には、行動形態毎に分別しながら出現回数を入力すればよい。このように、後で任意の出現形態の選択的な抽出を可能とするため、複数のファイルに分けて入力できる構成になっている。
【0023】
(出現頻度算出ステップ)
メッシュ毎に、入力された出現回数を上記した観察基準データの累積観察時間で除して猛禽類の出現頻度を算出する。
例えば、特定の猛禽類の単純な発見を観察目的とする場合には、メッシュ毎に、合計出現回数をそのメッシュの累積観察時間で除して出現頻度を算出する。
【0024】
(メッシュデータ表示ステップ)
上記ステップにより算出され生成された出現頻度のメッシュデータを視覚的に識別可能に表示する。
例えば、出現頻度の閾値を適当に設定し、その閾値以上を高頻度出現領域とし、その閾値未満を低頻度出現領域とし、該当するメッシュを2種類の色(赤、青)で塗りつぶす。また出現頻度の非算出範囲、例えば「見えない範囲」は白で塗りつぶして表示する。
また、各観察定点に対応して入力された猛禽類の視野範囲や、視野範囲及び観察時間のデータを視覚的に識別可能に表示する。
【0025】
以下に、プログラム処理例を示す。
図5は総合的視野範囲のメッシュデータの色分け表示図であり、図6は図5の総合的視野範囲における全観察期間における累積観察時間のメッシュデータの色分け表示図であり、図7は図6の全観察期間において特定の猛禽類の出現頻度を閾値(ここでは、平均値)を境に分別したメッシュデータの色分け表示図である。
従来は、観察地点数とその地点に立って観察した調査員の観察時間と猛禽類の出現回数のみを材料として複数の調査員で観察を分担している広大な観察領域が重要な場所か否かを判断していたが、本発明の定量化手法によれば、観察領域をメッシュ分割し、メッシュ毎に観察できているのか(視野範囲)、何時間見ているのか(観察時間)、猛禽類が出現したのか(出現回数)を入力することになるので、調査員が実際に見ている箇所の観察時間を基にその箇所が重要か否かが判断されることになる。従って、その調査員の担当する観察領域でも見えなかったメッシュは当然ながら低頻度領域には含まれなくなり、そのメッシュに該当する箇所が重要でない範囲と誤って判断されることは無くなる。
また、重要な観察領域、例えば、ダム工事などにより改変される広大な領域が漏れなく観察されているかを評価できる。即ち、山や谷が入りくんだ複雑な地形だと、距離的には近くとも観察できない場合があるが、メッシュ毎に視野データが入力されているので、重要な観察個所が漏れなく観察されているか否かを評価できる。
【0026】
図8は山肌に止まっている該特定の猛禽類の出現頻度のメッシュデータの色分け表示図である。例えば、図7と比較すると、出現形態の違いにより出現頻度が大きく変動する等、出現形態による特徴を把握できる。
図9は繁殖活動期間(11−3月)を累積した累積観察期間のメッシュデータの色分け表示図である。(A)(B)とも同じものであるが、時間区切りが異なり、(B)の方が見易くなっている。(A)が繁殖活動期間以外の期間も含めた全観察期間を基に時間区切りをしているのに対して、(B)が繁殖活動期間のみを基に時間区切りをしているからである。
このように、時間区切りを任意に設定できるので、観察目的に応じて、累積観察時間を、見易く表示できる。
図10は図9の累積観察期間(繁殖活動期間)においてその特定の猛禽類の出現頻度のメッシュデータの色分け表示図である。例えば、図7と比較すると、繁殖活動期間中にはその猛禽類にとって、より重要となりうる範囲を絞り込む等、観察期間による特徴を把握できる。
【0027】
この出現頻度の表示図を、図11に示すように、地図画像と合成すれば、観察目的に応じてどの地域がその猛禽類にとって重要か否かを視覚的に容易にしかも信頼性高く理解できる。
なお、本図は地図画像との合成により得られる視覚的効果を説明するために、架空の領域を想定して作成したものである。
【0028】
上記実施の形態では、累積観察時間は、単純に積算することにより算出している。
例えば、上記実施の形態の定量化手法では以下の場合には出現頻度は同じになる。
(1)累積観察時間自体は同じでも、複数の調査員が同時に観察するメッシュと、1人の調査員が観察するメッシュで、合計出現回数が同じ場合。
(2)累積観察時間自体は同じでも、観察定点Xと観察定点Yの両方から上空と山肌が見えるメッシュと、両方から上空のみが見えるメッシュと、一方の観察定点からは上空と山肌が見えるか或いは上空のみが見えるが、他方からは全く見えないメッシュで、合計出現回数が同じ場合。
従って、視野範囲や観察時間に重なり部分が多い場合には、累積観察時間は単純に積算するだけでなく調査員の数や地形条件を考慮して積算方法を工夫することも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の猛禽類の出現頻度の定量化手法によれば、観察領域をメッシュ分割し、メッシュ毎に観察データを蓄積していくことになるので、実際に見ている箇所の観察時間を基にその箇所が猛禽類にとって重要か否かを判断でき、判断結果の信頼性が高くなる。
さらに、観察地点別に視野範囲を表示することができるので、この調査地点で観察すればどの地域が観察できるのかを視覚的に把握できる。従って、実際に観察する前に、観察領域を漏れなく且つ最小限の調査員で観察するのに適した複数の観察地点を決定できるので、効率良くしかも信頼性の高い観察が可能となる。
【0030】
本発明の猛禽類の出現頻度の定量化手法によれば、プログラム処理により猛禽類の観察領域における出現頻度を定量化(数値化)できるので、余計な設備投資を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る定量化システムの論理構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る定量化手法を説明するフローチャートである。
【図3】図2の定量化手法における視野範囲の模式図である。
【図4】図2の定量化手法における観察基準データの作成ステップの説明図である。
【図5】総合的視野範囲の表示図である。
【図6】全観察期間における累積観察時間の表示図である。
【図7】全観察期間において特定の猛禽類の出現した頻度の表示図である。
【図8】山肌に止まっている該特定の猛禽類の出現頻度の表示図である。
【図9】繁殖活動期間を累積した累積観察期間の表示図である。
【図10】図9の累積表示期間(繁殖活動期間)においてその特定の猛禽類の出現した頻度の表示図である。
【図11】一例の出現頻度の表示図と地図画像との合成図である。
【符号の説明】
【0032】
1‥‥猛禽類の出現頻度の定量化システム
3‥‥メッシュ分割手段 5‥‥視野範囲・観察時間入力手段
7‥‥観察基準データ作成手段 15‥‥出現頻度算出手段
17‥‥メッシュデータ表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調査対象地域をメッシュ分割する、メッシュ分割ステップと、
各観察定点に対応した猛禽類の視野範囲及び観察時間を入力する、視野範囲・観察時間入力ステップと、
メッシュ毎に、入力された視野範囲・観察時間に基づいて調査対象地域における総合的視野範囲・累積観察時間のデータを観察基準データとして作成する観察基準データ作成ステップと、
メッシュ毎に、確認された猛禽類の出現回数を入力する、出現回数入力ステップと、
メッシュ毎に、入力された出現回数を上記した観察基準データで除して猛禽類の出現頻度を算出する、出現頻度算出ステップと、
を含むことを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化手法。
【請求項2】
請求項1に記載した猛禽類の出現頻度の定量化手法において、視野範囲・観察時間入力ステップでは、視野範囲を、メッシュ毎に上空から山肌まで見ている範囲か、上空のみ見ている範囲か、山肌のみ見ている範囲か或いは全く見えない範囲か等、観察目的に応じて視野を分別しながら入力することを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化手法。
【請求項3】
請求項1または2に記載した猛禽類の出現頻度の定量化手法において、視野範囲・観察時間入力ステップでは、繁殖活動期間等、観察目的に応じて期間を分別しながら観察時間を入力することを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化手法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した猛禽類の出現頻度の定量化手法において、
出現回数入力ステップでは、つがいの狩り等、観察目的に応じて出現形態を分別しながら入力することを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化手法。
【請求項5】
調査対象地域をメッシュ分割する、メッシュ分割手段と、
各観察定点に対応した猛禽類の視野範囲及び観察時間を入力する、視野範囲・観察時間入力手段と、
メッシュ毎に、入力された視野範囲・観察時間に基づいて調査対象地域における総合的視野範囲・累積観察時間のデータを観察基準データとして作成する観察基準データ作成手段と、
メッシュ毎に、確認された猛禽類の出現回数を入力する、出現回数入力手段と、
メッシュ毎に、入力された出現回数を上記した観察基準データで除して猛禽類の出現頻度を算出する、出現頻度算出手段と、
を含むことを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化システム。
【請求項6】
請求項5に記載した猛禽類の出現頻度の定量化システムにおいて、さらに、
出現頻度のメッシュデータを視覚的に識別可能に表示する、メッシュデータ表示手段を含むことを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化システム。
【請求項7】
請求項5または6に記載した猛禽類の出現頻度の定量化システムにおいて、さらに、各観察定点に対応して入力された猛禽類の視野範囲または視野範囲及び観察時間のデータを視覚的に識別可能に表示する、メッシュデータ表示手段を含むことを特徴とする猛禽類の出現頻度の定量化システム。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載した猛禽類の出現頻度の定量化システムとしての機能をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate